JP5733511B2 - ハンドガイド装置とその制御方法 - Google Patents
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また、「ハンドガイド装置」とは、ハンドガイド操作で、(1)ラインを流れる対象物にロボットが把持したワークを組付ける装置、(2)ラインを流れるワークをピッキングする装置、(3)ラインを流れるワークを加工する装置など、ラインで活用され、ライン上を移動する作業対象物に対してハンドを操作する装置全般を意味する。
このようなモジュール化組付により、部品組付のための車両内乗込み作業を低減することができるが、その反面、モジュールが大型化し、作業者の負担が増大していた。
前記ワークを把持するハンドと、該ハンドをロボットエリア内で移動可能なロボットと、該ロボットの作動を操作するハンドガイド操作盤と、前記ロボットを制御するロボット制御装置と、を備え、
前記ロボット制御装置は、前記ハンドの姿勢、もしくは姿勢及び位置をラインの姿勢に合わせて自動補正するラインキャリブレーション機能を有する、ことを特徴とするハンドガイド装置が提供される。
(A)前記ラインのゆがみ量を予め計測して記憶し、
(B)前記ラインのゆがみ量に応じて、前記ハンドの姿勢、もしくは姿勢及び位置をリアルタイムに補正する、ことを特徴とするハンドガイド装置の制御方法が提供される。
さらに、組み付け作業などでは、作業対象物に対するワークの相対的な姿勢、もしくは姿勢及び位置のずれに起因するワークと作業対象物のかじりなどのおそれを軽減できる。
この実施形態においてハンドガイド装置10は、ライン1上を移動する作業対象物2にワーク3を組付けるためのハンドガイド装置である。
ライン1は、作業対象物2を所定の軌道に沿って搬送する搬送装置1aを有する。所定の軌道は、予め設定された軌道である。
搬送装置1aは、作業対象物2の姿勢を保持したまま搬送できる限りで、ベルトコンベア、ローラコンベア、スラットコンベア、吊下げ式のチェーンコンベア、等であってもよい。
なお、ロボット16は、多関節ロボットに限定されず、その他の周知のロボットであってもよい。
なお、ハンドガイド操作盤18は、この例に限定されず、無線又は有線でロボット16の作動を操作する操作盤であってもよい。
この例において、ロボット制御装置20は、ロボット16を自動制御する「自動モード」と、ロボット16をハンドガイド操作盤18により手動制御する「協働モード」とを有している。
自動モードでは、人6(作業員)の操作なしに、予め設定されたシーケンス又はプログラムに従い、ロボット16を自動制御する。
協働モードでは、人6(作業員)がハンドガイド操作盤18を操作してロボット16の作動を操作するようになっている。
また、ハンドガイド装置10は、(1)多品種混流ラインにおいて、ワーク3と作業対象物2の種類を判断して、それに応じて組付け方を変える必要がある場合、(2)組付け時にロボットの自動動作では難しい繊細な位置調節が必要ない場合、(3)正しく組み付いていることの確認が必要な場合など、人の判断や経験を必要とする作業時のみ協働モードに切替え、その他の作業を自動モードで実行するようになっている。
イネーブルスイッチは、安全を担保するために片手を占有し、これを把持することでスイッチをオンするようになっている。
なお、片手操作入力デバイスの軸数は直交3軸の並進入力に限定されず、操作内容に応じて直交3軸まわりの回転入力などの軸数を増やした構成であってもよい。また、入力デバイスは片手操作入力デバイスに限定されず、2つの入力デバイスを両手で操作してロボット16を手動制御する構成であってもよい。
表示灯は、ハンドガイド装置10の種々の状態を表示し、押釦スイッチは種々の信号(例えば、非常停止信号)を出力するようになっている。
外部操作盤22は、人エリア安全柵5の外側に設けられ、作業開始スイッチ、作業終了スイッチ、モード切替スイッチ、非常停止スイッチ等を備え、ロボット16(すなわちロボット制御装置20)にそれぞれの制御信号を出力する。
この自動モードにおいて、作業対象物2の情報を取得し(S3)、供給位置でワーク3を把持し(S4)、開口部手前まで搬送し(S5)、図示しない開口検出センサにより作業対象物2の開口部2aを検出し(S6)、ワーク3を開口部2aへ挿入し(S7)、ワーク3を組付位置に接近させ(S8)、ワーク3をライン速度に同期させ(S9)、状態表示装置23により協働作業可能状況を表示する(S10)。
協働モードに変更されると、人6は、ライン1(搬送装置1a)内に入ることができ、作業対象物2から突出したハンドガイド操作盤18を操作できる状態となる。
なお、人がハンドガイド操作盤18の操作を開始するまでの間も、ロボット16による自動制御によりワーク3はライン速度に同期している(S9)。すなわちライン上において、自動モード及び協働モードにおいて、手動制御入力がないときにライン1と同じ速さでワーク3を移動させるようになっている。
協働モードにおいて、作業者により手動制御されている間は、ライン同期を行わない実施形態でもよい。
なお、外部操作盤22の作業完了スイッチをオンする前に、人が操作してワーク3を解放し(後述するS16)、ロボットを少し退避させてもよい。
次いで、ロボット16を自動制御してロボットの初期位置(待機位置)まで復帰させる。
なお、本発明は、図2に示した制御に限定されず、その他の制御であってもよい。
このラインキャリブレーション機能は、ライン1(搬送装置1a)のゆがみ量を計測するゆがみ計測機能と、計測したゆがみ量に応じてハンド14の姿勢をリアルタイムに補正する補正機能とを有する。
なお、ゆがみ計測は、別の装置を使って実施し、この機能を省略してもよい。
また、補正機能は、姿勢の補正に限定されず、姿勢及び位置の補正を含んでもよい。以下、姿勢のみの補正について説明する。
本発明において、ゆがみとはライン1(搬送装置1a)の計画上の位置と姿勢に対し、搬送装置の設置面や搬送装置自体の誤差に基づくライン1(搬送装置1a)の位置と姿勢のずれを意味する。
従って、ライン1のゆがみ量とは、ハンドガイド装置10の作動範囲内における搬送装置の各位置における直交3軸方向の位置誤差(x,y,z)と、直交3軸まわりの回転誤差(a,b,c)である。以下、ゆがみ量DをD=(x,y,z,a,b,c)と表示する。
ここで、aはx軸まわりの回転量、bはy軸まわりの回転量、cはz軸まわりの回転量である。
例えば、ある基準となる座標系(組立ライン1の計画上の位置と姿勢)からのずれ(ゆがみ量)をライン軌道上の全ての位置に対して取得する。
また、例えば、ライン軌道上で特定の平面に位置あわせを行い、位置と姿勢を計測しライン座標系を設定する。ライン座標系は、ライン軌道を複数のエリアに分割し、分割したエリアごとにライン座標系を設定しても良い。
このデータテーブルの値をライン軌道上にある、ロボットの手先の姿勢に反映させて姿勢の補正を行う。
(1)ハンド14に先端が同一線上に位置しない3つの位置補正ピンを設けておき、ライン1(搬送装置1a)上の複数の位置において、3つの位置補正ピンの先端をライン上の搬送装置又は作業対象物2に接触させることにより、ライン上の各位置におけるゆがみ量Dを計測する。
(2)ライン1上で作業対象2にワークを組付け、その際のハンド14の位置と姿勢を計測する。作業対象を搬送装置で移動させ、ライン上の複数の位置でハンドの位置と姿勢を計測し、ライン上の各位置におけるゆがみ量Dを計測する。
(3)ライン1の搬送装置上の複数箇所に設定した平面、又は作業対象2上の特定の平面の上に同一直線状にない3点を設定する。設定した3点にハンドに設けた代表点(校正ピンなど)を位置あわせして、その際のハンドの姿勢を教示する。この教示した姿勢から、ラインのゆがみ量Dを計測する。
また、(1)、(2)の手段は、周囲にものが多くロボットの可動範囲に制限の多い、自動車の組立ライン等において、ラインのゆがみ計測の際にロボットを大きく動かす必要がなく、干渉の可能性を減らすことが出来るといった効果がある。
補正機能には、(1)ハンドを基準として姿勢を補正する方法、(2)ライン上の作業対象2を基準として補正する方法が考えられる。
(1)ライン上の進行方向におけるハンド14の位置を取得する。ハンド14の位置は、例えばハンド14の代表点(ロボットの手先)の進行方向座標(例えばy軸上のy座標)である。
(2)ハンド14の位置に応じたハンド14の補正量Eを計算する。
(3)ハンド14の次の目標軌道に、計算した補正量Eを加えて、軌道を補正する。
(4)上記の(1)〜(3)を繰り返す。
この場合、ゆがみ量Dを計測した複数の位置と、ハンド14の位置が相違する場合には、ハンド14の位置に対する補正量Eを中間補間して求めるのがよい。
また、上述の姿勢の補正に限らず、位置と姿勢の両方の補正を行ってもよい。
この図において、31は入力処理部、32は座標変換部、33は軸制御部、34は加算器、35は軌道補正部、36は補正量計算部である。
ハンドガイド操作盤18への操作入力I1(力入力)は、入力処理部31でハンド上の座標系におけるハンド14の速度V1に変換され、次いで座標変換部32でライン1の座標系におけるハンド14の速度V2に変換され、次いで軸制御部33で速度V2を積分しハンド14の軌道の補正量DP1に変換される。
ここでハンド14とは、ハンド14の代表点(例えば、ロボットの手先)を意味し、ハンド14の速度とは代表点の速度、ハンド14の軌道の補正量とは代表点の起動の位置及び姿勢の補正量を意味する。
次いで、加算器34でハンド14の軌道の補正量DP1と補正量Eを加算して軌道の補正量DP2を求め、次いで軌道補正部35により新たなハンド14の姿勢Pを生成し、ロボットに動作指令を与える。
この図において、左向きの矢印はライン座標系から見たy軸上のy座標、上方の曲線は位置yに対応する搬送装置のゆがみ量D、下方の曲線は位置yに対応するハンド14の軌道を模式的に示している。また、上方の曲線上の直交する矢印は、ゆがみ量Dのうち姿勢、すなわち回転誤差(a,b,c)を模式的に示している。
図5に示すように、図4に示した協働モードにおける補正は、ライン座標系の位置y(y1,y2,y3,y4,y5)に対応する姿勢に応じて、ハンド14の軌道上の姿勢をリアルタイムに補正する。
この図において、上方の曲線は各時刻t1,t2,t3に対応するライン1のゆがみ量D、下方の曲線は各時刻t1,t2,t3に対応するハンド14の軌道を模式的に示している。また、上方の曲線上の直交する矢印は、ライン上にある作業対象物2の姿勢を模式的に示している。
この例では図6に示すように、協働モードにおける補正は、各時刻t1,t2,t3におけるライン上の作業対象物2の姿勢に応じて、同時刻のハンド14の軌道上の姿勢を同一に補正する。
さらに、作業対象物に対するワークの相対的な姿勢のずれに起因するワークと作業対象物のかじりなどのおそれを軽減できる。
なお、図7(A)は作業対象物2の軌道のx方向誤差を拡大して示している。
しかし、この場合、作業者はライン座標系と作業対象物2の搬送装置上の軌道との誤差を含む位置あわせ操作を行わなければならない。
すなわち、搬送装置上で作業対象物2を搬送した軌道との誤差をあらかじめ計測しておき、ハンド14の操作量に誤差分を補正量として加えることで、位置あわせに必要な操作量が少なくなり、作業時間が早くなるといった効果がある。
2 作業対象物(自動車の車体)、
2a 開口部(車体のドア部)、
3 ワーク(インストゥルメントパネル)、
4 ロボットエリア安全柵、5 人エリア安全柵、
6 人(作業員)、
10 ハンドガイド装置、
12 ワーク把持装置、
14 ハンド、
16 ロボット(多関節ロボット)、
18 ハンドガイド操作盤、
20 ロボット制御装置、
22 外部操作盤、
23 状態表示装置
Claims (9)
- ライン上を移動する作業対象物に対してハンドを操作するハンドガイド装置であって、
ライン上を移動する作業対象物に対して操作されるハンドと、該ハンドをロボットエリア内で移動可能なロボットと、該ロボットの作動を操作するハンドガイド操作盤と、前記ロボットを制御するロボット制御装置と、を備え、
前記ロボット制御装置は、前記ハンドの姿勢をラインの姿勢に合わせて自動補正するラインキャリブレーション機能を有し、
前記ラインキャリブレーション機能は、前記ラインの姿勢に応じて、前記ハンドの姿勢を自動補正する補正機能を有し、
前記補正機能は、ライン上を移動する作業対象物に対して前記ハンドが前記ハンドガイド操作盤により操作される時に、前記ラインの姿勢に応じて、前記ハンドの次の目標軌道における姿勢をリアルタイムに補正することを繰り返す、ことを特徴とするハンドガイド装置。 - 前記補正機能は、ライン上を移動する作業対象物に対して前記ハンドが前記ハンドガイド操作盤により操作される時に、前記ラインの姿勢を含む前記ラインのゆがみ量に応じて、前記ハンドの次の目標軌道における姿勢もしくは姿勢及び位置をリアルタイムに補正することを繰り返す、ことを特徴とする請求項1に記載のハンドガイド装置。
- 前記ハンドは、先端が同一線上に位置しない3つの位置補正ピンを有しており、
前記ゆがみ計測機能は、ライン上の複数の位置において、前記3つの位置補正ピンの先端をライン上の搬送装置又は作業対象物に接触させることにより、ライン上の各位置におけるゆがみ量を計測する、ことを特徴とする請求項2に記載のハンドガイド装置。 - 前記ゆがみ計測機能は、ライン上の複数の位置において、作業対象物にワークを組付け、その際のハンドの位置と姿勢から、ライン上の各位置におけるゆがみ量を計測する、ことを特徴とする請求項2に記載のハンドガイド装置。
- 前記ラインキャリブレーション機能は、前記ラインの前記ゆがみ量を計測するゆがみ計測機能を有する、ことを特徴とする請求項2、3または4に記載のハンドガイド装置。
- ライン上を移動する作業対象物に対して操作されるハンドと、該ハンドをロボットエリア内で移動可能なロボットと、該ロボットの作動を操作するハンドガイド操作盤と、前記ロボットを制御するロボット制御装置とを備え、ライン上を移動する作業対象物に対してハンドを操作するためのハンドガイド装置の制御方法であって、
前記ロボット制御装置は、前記ハンドの姿勢をラインの姿勢に合わせて自動補正するラインキャリブレーション機能を有し、
前記ラインキャリブレーション機能は、前記ラインの姿勢に応じて、前記ハンドの姿勢を自動補正する補正機能を有し、
(A)前記ラインの姿勢を予め計測して記憶し、
(B)前記補正機能により、ライン上を移動する作業対象物に対して前記ハンドが前記ハンドガイド操作盤により操作される時に、前記ラインの姿勢に応じて、前記ハンドの次の目標軌道における姿勢をリアルタイムに補正することを繰り返す、ことを特徴とするハンドガイド装置の制御方法。 - 前記(B)では、前記補正機能により、ライン上を移動する作業対象物に対して前記ハンドが前記ハンドガイド操作盤により操作される時に、前記ラインの姿勢を含む前記ラインのゆがみ量に応じて、前記ハンドの次の目標軌道における姿勢もしくは姿勢及び位置をリアルタイムに補正することを繰り返す、ことを特徴とする請求項6に記載のハンドガイド装置の制御方法。
- 前記ハンドは、先端が同一線上に位置しない3つの位置補正ピンを有しており、
前記(A)では、前記ライン上の複数の位置において、前記3つの位置補正ピンの先端をライン上の搬送装置又は作業対象物に接触させることにより、ライン上の各位置におけるゆがみ量を計測する、ことを特徴とする請求項7に記載のハンドガイド装置の制御方法。 - 前記(A)では、前記ライン上の複数の位置において、作業対象物にワークを組付け、その際のハンドの位置と姿勢から、ライン上の各位置におけるゆがみ量を計測する、ことを特徴とする請求項7に記載のハンドガイド装置の制御方法。
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