JP5727843B2 - 駆動力配分装置の油圧供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、原動機からの駆動力を主駆動輪および副駆動輪に配分する四輪駆動車両の駆動力配分装置において、駆動力配分装置が有するクラッチに係合圧を発生させるための油圧を供給する油圧供給装置に関する。
従来、エンジンなどの駆動源で発生した駆動力を主駆動輪と副駆動輪に分配するための駆動力配分装置を備えた四輪駆動車両がある。この種の四輪駆動車両では、例えば、前輪が主駆動輪で後輪が副駆動輪の場合、駆動源で発生した駆動力は、フロントドライブシャフトおよびフロントディファレンシャルを介して前輪に伝達されると共に、プロペラシャフトを介して多板クラッチを有する駆動力配分装置に伝達される。そして、駆動力配分装置に油圧供給装置から所定圧の作動油を供給することで、駆動力配分装置の係合圧を制御する。これにより、駆動源の駆動力が所定の配分比で後輪に伝達されるようになっている。
そして、駆動力配分装置の多板クラッチへ油圧を供給するための油圧供給装置として、従来、特許文献1、2に示す油圧供給装置がある。特許文献1、2に示す油圧供給装置は、多板クラッチを押圧するための油圧を発生するピストン室に作動油を供給する電動オイルポンプを備え、電動オイルポンプとピストン室を油圧供給路で接続した構成である。ところが、上記のような油圧供給装置では、早い油圧の応答性が求められるシステムの場合、油圧の応答ゲインを高めることにより応答性を確保することができる。しかしながら、その代償として目標とする油圧に対して実際の油圧がオーバーすることになるので、このことが車両の駆動制御におけるギクシャク感や異音の発生、部品の疲労破壊の発生につながるおそれがある。このような問題に対処するため、オイルポンプによる作動油の圧送に伴うピストン室の油圧の急激な変動を抑制するためのアキュムレータを備えている。
ここで、特許文献1、2に示すような従来の油圧供給装置では、ピストン室とオイルポンプ及びアキュムレータとの間の油路長がアキュムレータによる油圧変動抑制作用に与える影響については、特に考慮されていない。すなわち、従来構造では、油圧回路のいずれの位置にアキュムレータを設置しても、その作用は殆ど変わらないものとされていた。しなしながら実際には、上記のようなアキュムレータは、オイルポンプ及びピストン室との相対的な位置関係によって、オイルポンプ及びアキュムレータとの間の油路長が異なるものになるため、アキュムレータによる油圧変動の抑制作用も変化すると考えられる。
そのため、ピストン室に対するオイルポンプとアキュムレータの配置関係を適切に設定することで、アキュムレータによる油圧の変動抑制の作用を最大限に得られるようにすることが可能であり、その点を考慮した配置構成を採用することが望ましい。また、アキュムレータによる油圧の変動抑制作用を最大限に得ることができれば、油圧回路に設置するアキュムレータを極力小型化することが可能となるので、油圧供給装置の小型化・軽量化を図ることが可能となる。
特開2002−187446号公報 特開2007−168506号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、クラッチを締結するためのピストン室の油圧を蓄えるためのアキュムレータを備えた駆動力配分装置の油圧供給装置において、アキュムレータの配置構成を最適化することで、アキュムレータによる油圧変動抑制作用を最大限に得ることができ、アキュムレータの小型化を図ることができるようにすることにある。
上記の課題を解決するための本発明は、駆動源(3)からの駆動力を主駆動輪(W1,W2)及び副駆動輪(W3,W4)に伝達する駆動力伝達経路(10)と、駆動力伝達経路(10)における駆動源(3)と副駆動輪(W3,W4)との間に配置された駆動力配分装置(20)と、を備えた四輪駆動車両(1)において、駆動力配分装置(20)は、積層された複数の摩擦材(23)と、該摩擦材(23)を積層方向に押圧して係合させるためのピストン(33)を駆動する油圧を発生するピストン室(32)とを有する摩擦係合要素で構成されており、ピストン室(32)に作動油を供給するためのオイルポンプ(75)と、ピストン室(32)の油圧を蓄えるためのアキュムレータ(83)とで構成された油圧回路(30)を備えた駆動力配分装置の油圧供給装置(60)において、ピストン室(32)は、回転軸(42)の外径側に配置されて軸方向から見た断面が略円形の室であり、該ピストン室(32)には、オイルポンプ(75)に通じる第1油路(80)が繋がれた第1開口部(85)と、アキュムレータ(83)に通じる第2油路(81)が繋がれた第2開口部(86)とが設けられており、第1開口部(85)と第2開口部(86)は、ピストン室(32)の断面における中心(M)を挟んでその両側それぞれに配置されていることで、第1開口部(85)と第2開口部(86)とが互いにピストン室(32)の断面内で最大限に離間するように配置されていることを特徴とする。
本発明にかかる駆動力配分装置の油圧供給装置によれば、オイルポンプに通じる第1油路が繋がれた第1開口部と、アキュムレータに通じる第2油路が繋がれた第2開口部とがピストン室の円形の断面における中心を挟んでその両側それぞれに配置されていることで、第1開口部と第2開口部とが互いにピストン室の断面内で最大限に離間するように配置されている。これにより、第1開口部と第2開口部とがピストン室の断面内で互いに近い位置に配置されている場合と比較して、ピストン室の油圧がオイルポンプの駆動による動圧の影響を受け難くなるため、当該油圧の目標油圧からの偏差を小さく抑えることが可能となる。したがって、アキュムレータによる油圧変動抑制の効果を最大限に得ることができるようになる。また、アキュムレータによる油圧の変動抑制作用を最大限に得ることができるので、油圧回路に設置するアキュムレータの小型化が可能となる。これにより、油圧供給装置の小型化・軽量化を図ることができる。
また、上記の油圧供給装置では、第1油路(80)を封止して該第1油路(80)に作動油を封入するための作動油封入弁(76)と、作動油封入弁(76)で封止した第1油路(80)を開閉するための開閉弁(78)と、モータ(77)によるオイルポンプ(75)の駆動及び開閉弁(78)の開閉を制御してピストン室(32)に供給する油圧を制御する制御手段(50)と、を備え、制御手段(50)は、ピストン室(32)を加圧する際には、開閉弁(78)を閉じてモータ(77)でオイルポンプ(75)を駆動することで、該ピストン室(32)が目標油圧となるように制御し、ピストン室(32)を減圧する際には、モータ(77)によるオイルポンプ(75)の駆動を禁止すると共に開閉弁(78)を開くことで、該ピストン室(32)が目標油圧となるよう制御するとよい。
本発明にかかる油圧供給装置では、第1開口部と第2開口部とが互いにピストン室の断面内で最大限に離間するように配置されていることで、ピストン室の油圧がオイルポンプの駆動による動圧の影響を受け難くなる。そのため、上記のように第1油路に作動油を封入した状態でオイルポンプの駆動や開閉弁の開閉を行うことで油圧を制御する場合にも、当該油圧の目標油圧に対する偏差を小さく抑えることが可能となる。これにより、迅速かつ正確な油圧制御を行うことが可能となる。したがって、油圧供給装置による油圧制御の精度を向上させることができる。
なお、上記で括弧内に記した参照符号は、後述する実施形態における対応する構成要素に付した符号を参考のために例示したものである。
本発明にかかる駆動力配分装置の油圧供給装置によれば、アキュムレータの配置構成を最適化することで、アキュムレータによるピストン室の油圧変動抑制作用を最大限に得ることができ、アキュムレータの小型化を図ることができる。
本発明の実施形態にかかる駆動力配分装置の油圧供給装置を備えた四輪駆動車両の概略構成を示す図である。 油圧供給装置の油圧回路を示す図である。 クラッチを含む車両の駆動力伝達機構を示す側断面図である。 クラッチの詳細構成を示す部分拡大断面図である。 ピストン室及びその周辺の構成を示す図で、(a)は、ピストン室を軸方向から見た側面図(図3のP矢視断面図)であり、(b)は、(a)のA−O−A´断面を示す図である。 ピストン室及びその周辺の外観構成を示す図で、(a)は、ピストンハウジングを軸方向から見た側面図(図3のQ矢視に対応する図)であり、(b)は、(a)のX矢視を示す図である。 アキュムレータの作用によるピストン室の加圧時の油圧変化と目標油圧との関係を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる駆動力配分装置の油圧供給装置を備えた四輪駆動車両の概略構成を示す図である。同図に示す四輪駆動車両1は、車両の前部に横置きに搭載したエンジン(駆動源)3と、エンジン3と一体に設置された自動変速機4と、エンジン3からの駆動力を前輪W1,W2及び後輪W3,W4に伝達するための駆動力伝達経路10とを備えている。
エンジン3の出力軸(図示せず)は、自動変速機4、フロントディファレンシャル(以下「フロントデフ」という)5、左右のフロントドライブシャフト6,6を介して、主駆動輪である左右の前輪W1,W2に連結されている。さらに、エンジン3の出力軸は、自動変速機4、フロントデフ5、プロペラシャフト7、リアデファレンシャルユニット(以下「リアデフユニット」という)8、左右のリアドライブシャフト9,9を介して副駆動輪である左右の後輪W3,W4に連結されている。
リアデフユニット8には、左右のリアドライブシャフト9,9に駆動力を配分するためのリアデファレンシャル(以下、「リアデフ」という。)19と、プロペラシャフト7からリアデフ19への駆動力伝達経路を接続・切断するための前後トルク配分用クラッチ20とが設けられている。前後トルク配分用クラッチ20は、油圧式のクラッチであり、駆動力伝達経路10において後輪W3,W4に配分する駆動力を制御するための駆動力配分装置である。また、前後トルク配分用クラッチ20に作動油を供給するための油圧回路30と、油圧回路30による供給油圧を制御するための制御手段である4WD・ECU50とを備えた油圧供給装置60が設置されている。4WD・ECU50は、マイクロコンピュータなどで構成されている。
4WD・ECU(以下、単に「ECU」と記す。)50は、油圧回路30による供給油圧を制御することで、前後トルク配分用クラッチ(以下、単に「クラッチ」と記す。)20で後輪W3,W4に配分する駆動力を制御する。これにより、前輪W1,W2を主駆動輪とし、後輪W3,W4を副駆動輪とする駆動制御を行うようになっている。
すなわち、ECU50は、車両の走行状態を検出するための各種検出手段(図示せず)の検出に基づいて、後輪W3,W4に配分する駆動力およびこれに対応するクラッチ20への油圧供給量を演算すると共に、当該演算結果に基づく駆動信号をクラッチ20に出力する。これにより、クラッチ20が解除(切断)されているときには、プロペラシャフト7の回転がリアデフ19側に伝達されず、エンジン3のトルクがすべて前輪W1,W2に伝達されることで、前輪駆動(2WD)状態となる。一方、クラッチ20が接続されているときには、プロペラシャフト7の回転がリアデフ19側に伝達されることで、エンジン3のトルクが前輪W1,W2と後輪W3,W4の両方に配分されて四輪駆動(4WD)状態となる。この際、クラッチ20の締結力を適宜に制御することで、後輪W3,W4に配分する駆動力を制御するようになっている。
図2は、油圧供給装置60が備える油圧回路30の詳細構成を示す油圧回路図である。同図に示す油圧回路30は、ストレーナ73を介してオイルタンク71に貯留されている作動油を吸い込み圧送するオイルポンプ75と、オイルポンプ75を駆動するモータ77と、オイルポンプ75からクラッチ20のピストン室32に連通する油路70とを備えている。
クラッチ20は、複数の摩擦材23a,23b(図4参照)を有する摩擦係合部23と、ピストンハウジング31と、ピストンハウジング31内で進退移動することで摩擦係合部23を押圧するシリンダピストン33とを備えている。ピストンハウジング31内には、シリンダピストン33との間に作動油が導入されるピストン室32が画成されている。シリンダピストン33は、摩擦係合部23の複数の摩擦材23a,23bにおける積層方向の一端に対向配置されている。したがって、ピストン室32に供給された作動油の油圧でシリンダピストン33が摩擦係合部23を摩擦材23a,23bの積層方向に押圧することで、クラッチ20を所定の係合圧で係合させるようになっている。
オイルポンプ75からピストン室32に連通する油路70には、逆止弁76、リリーフ弁74、ソレノイド弁(開閉弁)78、油圧センサ79がこの順に設置されている。逆止弁76は、オイルポンプ75側からピストン室32側に向かって作動油を流通させるが、その逆の向きには作動油の流通を阻止するように構成されている。これにより、オイルポンプ75の駆動で逆止弁76の下流側に送り込まれた作動油を、逆止弁76とピストン室32との間の油路(以下では、「封入油路」ということがある。)80に封じ込めることができる。このように、逆止弁76は、オイルポンプ75からピストン室32に通じる油路80に作動油を封入するための作動油封入弁である。上記の逆止弁76とオイルポンプ75を設けた油路80によって、封入型の油圧回路が構成されている。
リリーフ弁74は、逆止弁76とピストン室32との間の油路80の圧力が所定の閾値を超えて異常上昇したときに開くことで、作動油を排出して油路80の油圧を解放するように構成された弁である。リリーフ弁74から排出された作動油は、オイルタンク71に戻されるようになっている。ソレノイド弁78は、オンオフ型の開閉弁で、ECU50の指令に基づいてPWM制御(デューティ制御)されることで、油路80の開閉を制御することができる。これにより、ピストン室32の油圧を制御することができる。なお、ソレノイド弁78が開かれることで油路80から排出された作動油は、オイルタンク71に戻されるようになっている。また、油圧センサ79は、油路80及びピストン室32の油圧を検出するための油圧検出手段であり、その検出値は、ECU50に送られるようになっている。また、ピストン室32は、アキュムレータ83に連通している。アキュムレータ83は、ピストン室32及び油路80の油圧変化を抑制する作用を有している。また、オイルタンク71内には、作動油の温度を検出するための油温センサ72が設けられている。油温センサ72の検出値は、ECU50に送られるようになっている。
本実施形態の油圧供給装置60は、ピストン室32に作動油を供給するためのモータ77で駆動するオイルポンプ75と、オイルポンプ75からピストン室32に通じる油路80に作動油を封入するための逆止弁(作動油封入弁)39と、逆止弁76とピストン室32との間の油路80を開閉するためのソレノイド弁78と、ピストン室32に連通するアキュムレータ83とで構成された油圧回路30と、モータ77によるオイルポンプ75の駆動及びソレノイド弁78の開閉を制御してピストン室32に所望の油圧を供給するECU50とを備えている。そして、クラッチ20を締結するためにピストン室32を加圧する際には、ソレノイド弁78を閉じてオイルポンプ75を駆動することで封止状態の油路80に作動油を送り込んで加圧する。これにより、ピストン室32が目標油圧となるように制御する。その一方で、クラッチ20の締結を解除するためにピストン室32を減圧する際には、オイルポンプ75の駆動を禁止(停止)すると共にソレノイド弁78を開くことで、油路80の作動油をオイルタンク71に排出する。これにより、ピストン室32が目標油圧となるよう制御するようになっている。
図3は、クラッチ20を含む車両1の駆動力伝達機構2を示す側断面図である。また、図4は、クラッチ20の詳細構成を示す部分拡大断面図である。なお、以下の説明では、図3に矢印で示したように、駆動力伝達機構2を搭載した車両1の前後方向である図3の左右方向をそれぞれ前、後という。また、軸方向というときは、後述する第1、第2回転軸41,42の軸方向を示すものとする。
図3に示す駆動力伝達機構2は、プロペラシャフト7(図1参照)に繋がる第1回転軸41と、第1回転軸41と同軸上に並べて配設された第2回転軸42と、第1回転軸41と第2回転軸42とを係脱自在に連結するためのクラッチ20とを備えている。また、第2回転軸42の後端部に一体形成された終減速ドライブピニオン44と、終減速ドライブピニオン44に噛合する終減速ドリブンギヤ45と、終減速ドリブンギヤ45内に配設された後輪用のディファレンシャル機構46とが設けられている。また、駆動力伝達機構2は、第1回転軸41を収容する前ケーシング51と、前ケーシング51の後端に接続されてクラッチ20を収容する中ケーシング52と、中ケーシング52の後端と後述するピストンハウジング31の後端とに接続されて第2回転軸42を収容する後ケーシング53とを備えている。
図4に示すように、クラッチ20は、第1回転軸41の後端に結合された略円筒状のクラッチハウジング21と、クラッチハウジング21の内周側で第2回転軸42の前端にスプライン結合されたクラッチハブ22と、クラッチハウジング21内で軸方向に沿って複数を交互に積層した摩擦材である圧力プレート23a及び摩擦プレート23bを備えている。圧力プレート23aは、その外周端がクラッチハウジング21に係止されており、摩擦プレート23bは、内周端がクラッチハブ22に係止されている。これら複数の圧力プレート23aおよび摩擦プレート23bによって摩擦係合部23が構成されている。圧力プレート23aと摩擦プレート23bの積層方向における後側の端部には、エンドプレート24が設置されている。
クラッチハウジング21は、軸方向における後側の端部に開口部21aを有しており、該開口部21aには、エンドキャップ25が取り付けられている。エンドキャップ25は、略円形板状の部材であり、このエンドキャップ25によって、摩擦係合部23を構成する複数の圧力プレート23a及び摩擦プレート23bがクラッチハウジング21内に係止されている。
エンドキャップ25の後側に設置されたプレッシャーピストン26は、中心部に略円形の貫通孔を有する略円形の板状部材である。このプレッシャーピストン26は、エンドキャップ25のフランジ部25cの外径側にインロー支持されている。これにより、プレッシャーピストン26は、エンドキャップ25に対して、該エンドキャップ25と一体に回転し、かつ、該エンドキャップ25に対して軸方向にのみ相対移動可能な状態で係合している。
また、プレッシャーピストン26のクラッチハウジング21側の面には、軸方向に突出する突起状の押圧部26dが形成されている。一方、エンドキャップ25における押圧部26dに対応する位置には、貫通孔25dが形成されている。なお、図示は省略するが、押圧部26d及び貫通孔25dは、プレッシャーピストン26とエンドキャップ25の円周方向に沿って等間隔で複数個が設けられている。そして、図4に示すように、プレッシャーピストン26の押圧部26dがエンドキャップ25の貫通孔25dを貫通してクラッチハウジング21内に突出しており、該押圧部26dの先端がエンドプレート24に当接するようになっている。
一方、エンドキャップ25及びプレッシャーピストン26の後側には、ピストンハウジング31が設置されている。ピストンハウジング31には、その中心部に略円形の開口部31aが設けられており、該開口部31aの前方の端部には、軸方向に沿って前側に突出する円筒状のフランジ部31cが形成されている。フランジ部31cの外径側には、シリンダピストン33が設置されている。シリンダピストン33とプレッシャーピストン26との間には、スラストニードルベアリング29が介在しており、シリンダピストン33とプレッシャーピストン26は、相対回転可能かつ軸方向に一体に移動可能になっている。ピストンハウジング31内のシリンダピストン33との隙間には、作動油による油圧を発生させるためのピストン室(油室)32が画成されている。シリンダピストン33は、ピストンハウジング31に対して軸方向に沿って相対移動可能に設置されており、その外周とピストンハウジング31との間には、ピストン室32を密封するためのシール部材34が設置されている。
また、ピストンハウジング31のピストン室32には、オイルポンプ35(図1参照)からの作動油が導入される油路80が連通している。また、油路80には、作動油の油圧を検出するための油圧センサ79が設置されている。
上記構成により、オイルポンプ75の運転でピストンハウジング31内のピストン室32に作動油が導入されると、ピストン室32から圧力を受けたシリンダピストン33が軸方向に沿って前側に移動することで、プレッシャーピストン26が同方向に移動する。これにより、プレッシャーピストン26の押圧部26dで摩擦係合部23の端部にあるエンドプレート24が押圧されて、圧力プレート23aおよび摩擦プレート23bが互いに圧接することでクラッチ20が締結されるようになっている。
図5は、ピストン室32及びその周辺の構成を示す図で、(a)は、ピストン室32を軸方向から見た側面図(図3のP矢視断面図)であり、(b)は、(a)のA−O−A´断面を示す図である。また、図6は、ピストン室32及びその周辺の外観構成を示す図で、(a)は、ピストンハウジング31を軸方向から見た側面図(図3のQ矢視に対応する図)であり、(b)は、(a)のX矢視を示す図である。なお、図5(a)では、説明の都合上、ピストン室32の断面に相当する部分に斜線の網掛けを施してある。これらの図に示すように、本実施形態の油圧供給装置60が備える油圧回路30では、ピストン室32の背面側(軸方向におけるシリンダピストン33と反対側)に小型のアキュムレータ83を設置している。
また、ピストン室32は、第2回転軸42の外径側に配置されており、軸方向から見た断面の形状が略円形の室である。このピストン室32には、オイルポンプ75に通じる第1油路80が繋がれた第1開口部85と、アキュムレータ83に通じる第2油路81が繋がれた第2開口部86とが設けられている。そして、図5(a)及び図6(a)に示すように、第1開口部85と第2開口部86は、ピストン室32の円形の断面における中心(第2回転軸42の軸心)Mを挟んでその両側それぞれに配置されていることで、互いが断面内で最大限に離間した位置となるように配置されている。なお、第1開口部85と第2開口部86は、ピストン室32の中心Mを挟んで略正反対の位置(ピストン室32の中心Mに対しておおよそ180°離間した位置)に設置することが望ましい。
このように、本実施形態では、ピストン室32の断面内で、オイルポンプ75に通じる第1油路80が繋がれた第1開口部85に対して、アキュムレータ83に通じる第2油路81が繋がれた第2開口部86を可能な限り遠ざけるように配置したことで、アキュムレータ83による油圧変動抑制の効果を最大限に得ることができる。これにより、ピストン室32の油圧変化がオイルポンプ75の駆動による動圧の影響を受け難くなり、ピストン室32の油圧制御の安定性が得られる。
図7は、アキュムレータ83の設置位置によるピストン室32の加圧時の油圧変化を示すグラフである。同図のグラフでは、横軸が経過時間であり、縦軸がピストン室32の油圧である。そして、実線で示す変化は、ピストン室32の目標油圧であり、点線で示す変化は、本実施形態の油圧供給装置60において、ピストン室32に設けた第1開口部85と第2開口部86とをピストン室32の断面内で最大限に離間させて配置した場合の油圧変化であり、一点鎖線で示す変化は、従来構成の油圧供給装置において、第1開口部と第2開口部をピストン室の断面内で互いに近付けて配置した場合の油圧変化である。
図7のグラフに示すように、本実施形態のような封入型の油路80を有する油圧回路30において、ピストン室32の断面内で、オイルポンプ75に連通する第1開口部85とアキュムレータ83に連通する第2開口部86とを最大限に離間させて配置した場合(点線で示す変化)は、第1開口部85と第2開口部86とを互いに近付けて配置した場合の変化(一点鎖線で示す変化)と比較して、ピストン室32の油圧がオイルポンプ75の駆動による動圧の影響を受け難くなるため、当該油圧の目標油圧(実践で示す変化)に対する偏差ΔPをより小さな値に抑えることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態の油圧供給装置60では、オイルポンプ75に通じる第1油路80が繋がれた第1開口部85と、アキュムレータ83に通じる第2油路81が繋がれた第2開口部86とがピストン室32の断面における中心Mを挟んでその両側それぞれに配置されていることで、第1開口部85と第2開口部86とが互いにピストン室32の断面内で最大限に離間するように配置されている。これにより、第1開口部85と第2開口部86とがピストン室32の断面内で互いに近い位置に配置されている場合と比較して、ピストン室32の油圧がオイルポンプ75の駆動やソレノイド弁78の開閉による動圧の影響を受け難くなるため、当該油圧の目標油圧からの偏差を小さく抑えることが可能となる。したがって、アキュムレータ83による油圧変動抑制の効果を最大限に得ることができるようになる。
また、アキュムレータ83による油圧の変動抑制作用を最大限に得ることができるので、油圧回路30に設置するアキュムレータ83の小型化が可能となる。したがって、本実施形態のように、ピストン室32の背面側に小型のアキュムレータ83を設置することが可能となる。これにより、油圧供給装置60の小型化・軽量化を図ることができる。
また、本実施形態の油圧供給装置60では、第1開口部85と第2開口部86とが互いにピストン室32の断面内で最大限に離間するように配置されていることで、ピストン室32の油圧がオイルポンプ75の駆動による動圧の影響を受け難くなるため、本実施形態のように、第1油路80に作動油を封入した状態でオイルポンプ75の駆動やソレノイド弁78の開閉を行うことで油圧を制御する場合でも、当該油圧の目標油圧からの偏差を小さく抑えることが可能となる。これにより、迅速かつ正確な油圧制御を行うことが可能となる。したがって、油圧供給装置60による油圧制御の精度を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
1 四輪駆動車両
2 駆動力伝達機構
10 駆動力伝達経路
20 前後トルク配分用クラッチ(クラッチ)
30 油圧回路
31 ピストンハウジング
32 ピストン室
50 4WD・ECU(制御手段)
60 油圧供給装置
75 オイルポンプ
76 逆止弁
77 モータ
78 ソレノイド弁
79 油圧センサ
80 第1油路
81 第2油路
83 アキュムレータ
85 第1開口部
86 第2開口部

Claims (1)

  1. 駆動源からの駆動力を主駆動輪及び副駆動輪に伝達する駆動力伝達経路と、
    前記駆動力伝達経路における前記駆動源と前記副駆動輪との間に配置された駆動力配分装置と、を備えた四輪駆動車両において、
    前記駆動力配分装置は、積層された複数の摩擦材と、該摩擦材を積層方向に押圧して係合させるためのピストンを駆動する油圧を発生するピストン室とを有する摩擦係合要素で構成されており、
    前記ピストン室に作動油を供給するためのオイルポンプと、前記ピストン室の油圧を蓄えるためのアキュムレータとで構成された油圧回路を備えた駆動力配分装置の油圧供給装置において、
    前記ピストン室は、回転軸の外径側に配置されて軸方向から見た断面が略円形の室であり、
    該ピストン室には、前記オイルポンプに通じる第1油路が繋がれた第1開口部と、前記アキュムレータに通じる第2油路が繋がれた第2開口部とが設けられており、
    前記第1油路を封止して該第1油路に作動油を封入するための作動油封入弁と、
    前記作動油封入弁で封止した前記第1油路を開閉するための開閉弁と、
    モータによる前記オイルポンプの駆動及び前記開閉弁の開閉を制御して前記ピストン室に供給する油圧を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記ピストン室を加圧する際には、前記開閉弁を閉じて前記モータで前記オイルポンプを駆動することで、該ピストン室が目標油圧となるように制御し、
    前記ピストン室を減圧する際には、前記モータによる前記オイルポンプの駆動を禁止すると共に前記開閉弁を開くことで、該ピストン室が目標油圧となるよう制御し、
    前記第1開口部と前記第2開口部は、前記ピストン室の断面における中心を挟んでその両側それぞれに配置されていることで、前記第1開口部と前記第2開口部とが互いに前記ピストン室の前記断面内で最大限に離間するように配置されている
    ことを特徴とする駆動力配分装置の油圧供給装置。
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