JP5724897B2 - ハイブリッド自動車 - Google Patents

ハイブリッド自動車 Download PDF

Info

Publication number
JP5724897B2
JP5724897B2 JP2012025891A JP2012025891A JP5724897B2 JP 5724897 B2 JP5724897 B2 JP 5724897B2 JP 2012025891 A JP2012025891 A JP 2012025891A JP 2012025891 A JP2012025891 A JP 2012025891A JP 5724897 B2 JP5724897 B2 JP 5724897B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
engine
motor
rotational speed
operating point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012025891A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013163392A (ja
Inventor
朋幸 柴田
朋幸 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2012025891A priority Critical patent/JP5724897B2/ja
Publication of JP2013163392A publication Critical patent/JP2013163392A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5724897B2 publication Critical patent/JP5724897B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Landscapes

  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、ハイブリッド自動車に関し、エンジンと、第1モータと、車軸に連結された駆動軸とエンジンの出力軸と第1モータの回転軸とに3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、機械的機構を介して駆動軸に回転軸が接続された第2モータと、第1モータおよび第2モータと電力のやりとりが可能なバッテリと、を備えるハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、エンジンと、発電機と、ドライブシャフト側とエンジンの出力軸と発電機の回転軸とにリングギヤとキャリアとサンギヤとが接続された動力分割機構と、車軸側に接続された電気モータと、発電機や電気モータと電力をやりとりするバッテリとを備え、車両の運転状態に基づいて燃費最適動作線を用いて目標エンジン回転数を設定すると共に車両の運転状態や目標エンジン回転数に基づいてエンジンや発電機,電気モータの目標出力トルクを設定してエンジンと発電機と電気モータとを制御するものにおいて、トルクダウン指令があったときには、目標エンジン回転数を燃費最適動作線における回転数より高く設定するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、こうした制御により、トルクダウン制御後のトルクアップ制御時のトルクの追従性を向上させている。
特開2008−195088号公報
一般に、こうしたハイブリッド自動車では、ドライバの要求トルクが比較的大きい高トルク要求時には、最適動作線の運転ポイントに比して低回転数高トルク側の運転ポイントでエンジンを運転することにより、動力性能の向上を図っている。しかしながら、高トルク要求時において、車両の挙動を安定させるためにドライバの要求トルクより小さなトルクによって走行するときに、ドライバの要求トルクによって走行するときと同様の運転ポイントでエンジンを運転すると、車軸側に出力するトルクのうちエンジンから動力分割機構を介して車軸側に出力するトルクの割合が大きくなることにより、モータからの出力トルクが値0近傍になって電気モータとドライブシャフトとの間の機械的機構(ギヤなど)で歯打ちなどによる異音を生じやすくなる場合がある。
本発明のハイブリッド自動車は、モータが接続された機械的機構での異音の発生を抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
エンジンと、第1モータと、車軸に連結された駆動軸と前記エンジンの出力軸と前記第1モータの回転軸とに3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、機械的機構を介して前記駆動軸に回転軸が接続された第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力のやりとりが可能なバッテリと、車両の挙動を安定させるべき挙動安定条件が成立していないときにはアクセル操作に応じた走行用トルクが前記駆動軸に出力されるよう前記エンジンと前記第1モータと前記第2モータとを制御し、前記挙動安定条件が成立しているときには前記走行用トルクより小さなトルクが前記駆動軸に出力されるよう前記エンジンと前記第1モータと前記第2モータとを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車において、
前記制御手段は、前記走行用トルクが予め定められた閾値以上で前記挙動安定条件が成立していないときには、前記走行用トルクに基づくエンジン要求パワーと予め定められた動作ラインとに応じた回転数およびトルクからなる第1運転ポイントに比して低回転数高トルク側の第2運転ポイントで前記エンジンが運転されるよう制御し、前記走行用トルクが前記閾値以上で前記挙動安定条件が成立しているときには、前記第2運転ポイントに比して高回転数低トルク側の第3運転ポイントで前記エンジンが運転されるよう制御する手段である、
ことを要旨とする。
この本発明のハイブリッド自動車では、車両の挙動を安定させるべき挙動安定条件が成立していないときには、アクセル操作に応じた走行用トルクが駆動軸に出力されるようエンジンと第1モータと第2モータとを制御し、挙動安定条件が成立しているときには、走行用トルクより小さなトルクが駆動軸に出力されるようエンジンと第1モータと第2モータとを制御するものにおいて、走行用トルクが予め定められた閾値以上で挙動安定条件が成立していないときには、走行用トルクに基づくエンジン要求パワーと予め定められた動作ラインとに応じた回転数およびトルクからなる第1運転ポイントに比して低回転数高トルク側の第2運転ポイントでエンジンが運転されるよう制御し、走行用トルクが閾値以上で挙動安定条件が成立しているときには、第2運転ポイントに比して高回転数低トルク側の第3運転ポイントでエンジンが運転されるよう制御する。これにより、前者の場合には、運転者の要求(加速要求)により対応できるようにすることでき、後者の場合には、第2モータからの出力トルクが値0近傍となるのを抑制して機械的機構で異音が生じるのを抑制することができる。ここで、「動作ライン」は、エンジンを効率よく動作させる動作ラインである、ものとすることもできる。
こうした本発明のハイブリッド自動車において、前記制御手段は、前記走行用トルクが前記閾値以上で前記挙動安定条件が成立しているときには、前記第1運転ポイントで前記エンジンが運転されるよう制御する手段である、ものとすることもできる。
また、本発明のハイブリッド自動車において、前記第2運転ポイントは、前記第1運転ポイントにおける回転数を上限回転数で制限して得られる制限後回転数と該制限後回転数で前記エンジン要求パワーを除して得られるトルクとからなる運転ポイントである、ものとすることもできるし、前記動作ラインに比して同一回転数に対して高トルク側となる第2動作ラインと前記エンジン要求要求パワーとに応じた回転数およびトルクからなる運転ポイントである、ものとすることもできる。
さらに、本発明のハイブリッド自動車において、車両に制動力を付与可能な制動力付与手段を備え、前記制御手段は、前記挙動安定条件が成立しているときには、前記エンジンと前記第1モータと前記第2モータと前記制動力付与手段とを制御する手段である、ものとすることもできる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のHVECU70により実行される高トルク要求時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 エンジン22の燃費動作ラインの一例と仮回転数Netmpと仮トルクTetmpとを設定する様子とを示す説明図である。 仮回転数Netmp,仮トルクTetmpと目標回転数Ne*,目標トルクTe*との関係の一例を示す説明図である。 エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときのプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 エンジン22の高トルク動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子とを示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して複数のピニオンギヤ33を連結したキャリア34が接続されると共に駆動輪63a,63bにデファレンシャルギヤ62とギヤ機構60とを介して連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aにリングギヤ32が接続されたプラネタリギヤ30と、例えば周知の同期発電電動機として構成されてプラネタリギヤ30のサンギヤ31に回転子が接続されたモータMG1と、例えば周知の同期発電電動機として構成されて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに減速ギヤ35を介して回転子が接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、インバータ41,42を制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されてインバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されてインバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、駆動輪63a,63bや図示しない従動輪のブレーキを制御するためのブレーキアクチュエータ92と、車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、を備える。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサからのクランクポジションθcrやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサからの冷却水温Tw,燃焼室内に取り付けられた圧力センサからの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブや排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサからのカムポジションθca,スロットルバルブのポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサからのスロットルポジションTP,吸気管に取り付けられたエアフローメータからの吸入空気量Qa,同じく吸気管に取り付けられた温度センサからの吸気温Ta,排気系に取り付けられた空燃比センサからの空燃比AF,同じく排気系に取り付けられた酸素センサからの酸素信号O2などが入力ポートを介して入力されており、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁への駆動信号やスロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータへの駆動信号,イグナイタと一体化されたイグニッションコイルへの制御信号,吸気バルブの開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、エンジンECU24は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力ポートを介して入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、モータECU40は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転角速度ωm1,ωm2や回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧Vbやバッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
ブレーキアクチュエータ92は、ブレーキペダル85の踏み込みに応じて生じるブレーキマスターシリンダ90の圧力(ブレーキ圧)と車速Vとにより車両に作用させる制動力におけるブレーキの分担分に応じた制動トルクが駆動輪63a,63bや図示しない従動輪に作用するようブレーキホイールシリンダ96a〜96dの油圧を調整したり、ブレーキペダル85の踏み込みに無関係に、駆動輪63a,63bや従動輪に制動トルクが作用するようブレーキホイールシリンダ96a〜96dの油圧を調整したりすることができるように構成されている。以下、ブレーキアクチュエータ92の作動により駆動輪63a,63bや図示しない従動輪に制動力を作用させる場合を油圧ブレーキと称する。ブレーキアクチュエータ92は、ブレーキ用電子制御ユニット(以下、ブレーキECUという)94により制御されている。ブレーキECU94は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。ブレーキECU94は、図示しない信号ラインにより、駆動輪63a,63bや従動輪に取り付けられた図示しない車輪速センサからの車輪速や図示しない操舵角センサからの操舵角などの信号を入力して、車両の挙動を安定させるために、運転者がブレーキペダル85を踏み込んだときに駆動輪63a,63bや従動輪のいずれかがロックによりスリップするのを防止するアンチロックブレーキシステム機能(ABS)や運転者がアクセルペダル83を踏み込んだときに駆動輪63a,63bのいずれかが空転によりスリップするのを防止するトラクションコントロール(TRC),車両が旋回走行しているときに姿勢を保持する姿勢保持制御(VSC)なども行なう。以下、トラクションコントロール(TRC)や姿勢保持制御(VSC)などをまとめて挙動安定制御という。ブレーキECU94は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってブレーキアクチュエータ92を駆動制御したり、必要に応じてブレーキアクチュエータ92の状態に関するデータをHVECU70に出力する。
HVECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に、処理プログラムを記憶するROM74やデータを一時的に記憶するRAM76,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。HVECU70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,ブレーキECU94と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,ブレーキECU94と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を計算し、この要求トルクTr*に対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2との運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード,エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードとは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、運転者によってアクセルペダル83が大きく踏み込まれているときの動作について説明する。図2は、実施例のHVECU70により実行される高トルク要求時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、アクセル開度Accと車速Vとに応じた駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき走行用トルクTrtmpが予め定められた閾値Trtmpより大きい高トルク要求時に、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
高トルク要求時駆動制御ルーチンが実行されると、HVECU70のCPU72は、まず、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Wout,走行用トルクTrtmp,車両の挙動を安定させるべき挙動安定条件が成立しているか否かを示す挙動安定条件フラグFなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の蓄電割合SOCとに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。走行用トルクTrtmpは、アクセル開度Accと車速Vと走行用トルクTrtmpとの関係として定められた走行用トルク設定用マップにアクセル開度Accと車速Vとを適用して得られた値を入力するものとした。挙動安定条件フラグFは、挙動安定条件が成立していないときに値0が設定され、挙動安定条件が成立しているときに値1が設定されたものを読み込むことにより入力するものとした。なお、挙動安定条件は、例えば、駆動輪63a,63bの空転によるスリップ時や旋回走行時などに成立する条件などを用いることができる。また、実施例では、挙動安定条件が成立しているときには、ブレーキECU94による挙動安定制御を実行する。
こうしてデータを入力すると、挙動安定条件フラグFの値を調べ(ステップS110)、挙動安定条件フラグFが値0のときには、走行用トルクTrtmpを要求トルクTr*に設定し(ステップS120)、挙動安定条件フラグFが値1のときには、走行用トルクTrtmpを上限値Tlimで制限した値を要求トルクTr*に設定する(ステップS130)。ここで、上限値Tlimは、実施例では、要求トルクTr*を走行用トルクTrtmpより小さくして(リングギヤ軸32aに出力するトルクを小さくして)車両の挙動を安定させるために用いられるものである。この上限値Tlimは、例えば、走行用トルクTrtmpに値1より小さな係数αを乗じて得られる値や、走行用トルクTrtmpから正の所定値βを減じて得られる値などを用いることができる。ここで、係数αや所定値βは、固定値を用いるものとしてもよいし、駆動輪63a,63bのスリップ量などに応じた値を用いるものとしてもよい。また、上限値Tlimは、ブレーキECU94による挙動安定制御を考慮せずに要求トルクTr*を小さくするだけで車両の挙動を安定させることができると想定される値を用いるものとしてもよいし、ブレーキECU94による挙動安定制御を踏まえて車両の挙動を安定させることができると想定される値を用いるものとしてもよい。
こうして要求トルクTr*を設定すると、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものからバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22から出力すべきパワーとしての要求パワーPe*を計算する(ステップS140)。ここで、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じること(Nr=k・V)によって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除すること(Nr=Nm2/Gr)によって求めたりすることができる。
続いて、計算した要求パワーPe*に基づいてエンジン22を運転すべき仮の運転ポイントとしての仮回転数Netmpと仮トルクTetmpとを設定する(ステップS150)。この仮回転数Netmpと仮トルクTetmpとの設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ライン(以下、燃費動作ラインという)と要求パワーPe*とに基づいて行なうものとした。エンジン22の燃費動作ラインの一例と仮回転数Netmpと仮トルクTetmpとを設定する様子とを図3に示す。図示するように、仮回転数Netmpと仮トルクTetmpは、燃費動作ラインと要求パワーPe*(Netmp×Tetmp)が一定の曲線との交点により求めることができる。以下、この仮回転数Netmpと仮トルクTetmpとからなる運転ポイントを燃費運転ポイントという。
次に、挙動安定条件フラグFの値を調べ(ステップS160)、挙動安定条件フラグFが値0のときには、挙動安定条件は成立していないと判断し、要求パワーPe*に基づいてエンジン22の上限回転数Nemaxを設定し(ステップS170)、設定した上限回転数Nemaxで仮回転数Netmpを制限してエンジン22の目標回転数Ne*を設定すると共に設定した目標回転数Ne*でエンジン22の要求パワーPe*を除してエンジン22の目標トルクTe*を設定する(ステップS180)。ここで、エンジン22の上限回転数Nemaxは、要求パワーPe*に対して仮回転数Netmpより小さな回転数となるよう定められており、エンジン22の目標運転ポイントを燃費運転ポイントより低回転数高トルク側の運転ポイントとするために用いられるものである。以下、エンジン22の上限回転数Nemaxと要求パワーPe*を上限回転数Nemaxで除して得られるトルクとからなる運転ポイントを高トルク用運転ポイントという。また、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とからなる運転ポイントを目標運転ポイントという。この場合の仮回転数Netmp,仮トルクTetmpと目標回転数Ne*,目標トルクTe*との関係の一例を図4に示す。このようにエンジン22の目標運転ポイントを、燃費運転ポイントより低回転数高トルク側の高トルク用運転ポイントとするのは、エンジン22からプラネタリギヤ30を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるトルク(いわゆる直達トルクTer)を大きくして運転者の要求により対応できるようにするためである。
次に、エンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2とプラネタリギヤ30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算したモータMG1の目標回転数Nm1*と入力したモータMG1の回転数Nm1とエンジン22の目標トルクTe*とプラネタリギヤ30のギヤ比ρとに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS200)。ここで、式(1)は、プラネタリギヤ30の回転要素に対する力学的な関係式である。エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときのプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を図5に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されてリングギヤ軸32aに作用するトルク(エンジン22からの直達トルクTer)と、モータMG2から出力されて減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) (1)
Tm1*=-ρ・Te*/(1+ρ)+k1・(Nm1*-Nm1)+k2・∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
そして、要求トルクTr*にモータMG1のトルク指令Tm1*をプラネタリギヤ30のギヤ比ρで除したものを加えて更に減速ギヤ35のギヤ比Grで除してモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを次式(3)により計算すると共に(ステップS210)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との差分をモータMG2の回転数Nm2で除することによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(4)および式(5)により計算し(ステップS220)、設定した仮トルクTm2tmpを式(6)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS230)。ここで、式(6)は、図5の共線図から容易に導くことができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (3)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (5)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (6)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、設定したエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS240)、本ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される目標運転ポイントで運転されるようにエンジン22における吸入空気量調節制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、燃費運転ポイントより低回転数高トルク側の高トルク用運転ポイントでエンジン22を運転しながらバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*を駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力して走行することができる。即ち、燃費運転ポイントでエンジン22を運転する場合に比して運転者の要求(加速要求)により対応できるようにすることができる。なお、上述の閾値Trefや上限回転数Nemaxは、挙動安定フラグFが値0のとき(走行用トルクTrtmpを要求トルクTr*に設定するとき)において、高トルク用運転ポイントでエンジン22を運転するときの直達トルクTerが要求トルクTr*よりある程度小さくなる(トルク指令Tm2*が値0近傍とならない)範囲で設定するものとした。
ステップS160で挙動安定条件フラグFが値1のときには、エンジン22の仮回転数Netmpを目標回転数Ne*に設定すると共に仮トルクTetmpを目標トルクTe*に設定し、即ち、燃費運転ポイントを目標運転ポイントとして設定し(ステップS190)、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定し(ステップS200〜S230)、設定したエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS240)、本ルーチンを終了する。
ここで、挙動安定条件フラグFが値1のときに、エンジン22の目標運転ポイントを高トルク用運転ポイントではなく燃費運転ポイントとする理由について説明する。上述したように、挙動安定条件フラグFが値0のときには、比較的大きな走行用トルクTrtmpを要求トルクTr*に設定するため、エンジン22の目標運転ポイントを燃費運転ポイントより低回転数高トルク側の高トルク用運転ポイントとすることにより、運転者の要求(加速要求)により対応できるようにすることができる。しかしながら、挙動安定条件フラグFが値1のときには、走行用トルクTrtmpより小さなトルクを要求トルクTr*に設定するため、エンジン22の目標運転ポイントを高トルク用運転ポイントとすると、要求トルクTr*に対するエンジン22からの直達トルクTerの割合が大きくなり(要求トルクTr*と直達トルクTerとが略等しくなり)モータMG2からのトルクTm2が値0近傍となる場合がある。モータMG2からのトルクが値0近傍で推移すると、アクセル開度Accの若干の変化などによってモータMG2からのトルクが値0を跨いで反転し、減速ギヤ35などで歯打ちによる異音(以下、歯打ち音という)を生じることがあるため、あまり好ましくない。したがって、実施例では、挙動安定条件フラグFが値1のときには、エンジン22の目標運転ポイントを高トルク用運転ポイントより高回転数低トルク側の運転ポイント(実施例では燃費運転ポイント)とするものとした。これにより、要求トルクTr*と直達トルクTerとが略等しくなるのを抑制して、モータMG2からのトルクTm2が値0近傍となるのを抑制することができ、減速ギヤ35などで歯打ち音が生じるのを抑制することができる。しかも、燃費運転ポイントでエンジン22を運転することにより、エンジン22を効率よく運転することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、アクセル開度Accと車速Vとに応じた走行用トルクTrtmpが閾値Trefより大きい高トルク要求時において、挙動安定条件フラグFが値0のときには、走行用トルクTrtmpを要求トルクTr*に設定し、要求トルクTr*に基づく要求パワーPe*と燃費動作ラインとに応じた仮回転数Netmpと仮トルクTetmpとからなる燃費運転ポイントより低回転数高トルク側の高トルク用運転ポイントでエンジン22が運転されながら要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御し、挙動安定条件フラグFが値1のときには、走行用トルクTrtmpより小さなトルクを要求トルクTr*に設定し、燃費運転ポイントでエンジン22が運転されながら要求トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するから、前者の場合には運転者の要求(加速要求)により対応できるようにすることができ、後者の場合にはモータMG2からのトルクTm2が値0近傍となるのを抑制して減速ギヤ35などで歯打ち音が生じるのを抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、高トルク要求時において、挙動安定条件フラグFが値1のときには、エンジン22の仮回転数Netmpと仮トルクTetmpとをエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに設定するものとしたが、これに限られず、挙動安定フラグFが値0のときの目標運転ポイント(エンジン22の上限回転数Nemaxと要求パワーPe*を上限回転数Nemaxで除して得られるトルクとからなる高トルク用運転ポイント)より高回転数低トルク側の運転ポイントであればよく、例えば、上限回転数Nemaxに所定値ΔNeを加えた回転数(Nemax+ΔN)をエンジン22の目標回転数Ne*に設定すると共に設定した目標回転数Ne*で要求パワーPe*を除してエンジン22の目標トルクTe*を設定するものなどとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、高トルク要求時において、挙動安定条件フラグFが値0のときには、上限回転数Nemaxで仮回転数Netmpを制限してエンジン22の目標回転数Ne*を設定すると共に設定した目標回転数Ne*でエンジン22の要求パワーPe*を除してエンジン22の目標トルクTe*を設定するものとしたが、図6のエンジン22の高トルク動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子に例示するように、燃費動作ラインより同一回転数に対して高トルク側となる高トルク動作ラインと要求パワーPe*とを用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定するものとしてもよい。なお、この高トルク動作ラインは、挙動安定フラグFが値0のとき(走行用トルクTrtmpを要求トルクTr*に設定するとき)において、エンジン22からの直達トルクTerが要求トルクTr*より小さくなる(トルク指令Tm2*が値0近傍とならない)よう設定すればよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、挙動安定条件が成立しているときには、走行用トルクTrtmpより小さなトルクを要求トルクTr*に設定してエンジン22とモータMG1,MG2とを制御すると共にブレーキECU94による挙動安定制御を実行するものとしたが、ブレーキECU94による挙動安定制御を実行せずに、走行用トルクTrtmpより小さなトルクを要求トルクTr*に設定してエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG1が「第1モータ」に相当し、プラネタリギヤ30が「プラネタリギヤ」に相当し、モータMG2が「第2モータ」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、アクセル開度Accと車速Vとに応じた走行用トルクTrtmpが閾値Trefより大きい高トルク要求時において、挙動安定条件フラグFが値0のときには、走行用トルクTrtmpを要求トルクTr*に設定し、要求トルクTr*に基づく要求パワーPe*と燃費動作ラインとに応じた仮回転数Netmpと仮トルクTetmpとからなる燃費運転ポイントに比して低回転数高トルク側の高トルク用運転ポイントでエンジン22が運転されながら要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジンECU24やモータECU40に送信し、挙動安定条件フラグFが値1のときには、走行用トルクTrtmpより小さなトルクを要求トルクTr*に設定し、燃費運転ポイントでエンジン22が運転されながら要求トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジンECU24やモータECU40に送信する図2の高トルク要求時駆動制御ルーチンを実行するHVECU70と、HVECU70からの目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに基づいてエンジン22を制御するエンジンECU24と、HVECU70からのトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモータECU40と、が「制御手段」に相当する。
ここで、「エンジン」としては、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22に限定されるものではなく、水素エンジンなど、如何なるタイプのエンジンであっても構わない。「第1モータ」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、如何なるタイプのモータであっても構わない。「プラネタリギヤ」としては、プラネタリギヤ30(シングルピニオン式のプラネタリギヤ)に限定されるものではなく、ダブルピニオン式のプラネタリギヤや、複数のプラネタリギヤの組み合わせによって構成されたものなど、車軸に連結された駆動軸とエンジンの出力軸と第1モータの回転軸とに接続されたものであれば如何なるタイプのプラネタリギヤであっても構わない。「第2モータ」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に回転軸が接続されたものであれば如何なるタイプのモータであっても構わない。「バッテリ」としては、リチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ50に限定されるものではなく、ニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池,鉛蓄電池など、第1モータおよび第2モータと電力のやりとりが可能なものであれば如何なるタイプのバッテリであっても構わない。「制御手段」としては、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく、単一の電子制御ユニットによって構成されるものなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、アクセル開度Accと車速Vとに応じた走行用トルクTrtmpが閾値Trefより大きい高トルク要求時において、挙動安定条件フラグFが値0のときには、走行用トルクTrtmpを要求トルクTr*に設定し、要求トルクTr*に基づく要求パワーPe*と燃費動作ラインとに応じた仮回転数Netmpと仮トルクTetmpとからなる燃費運転ポイントより低回転数高トルク側の高トルク用運転ポイントでエンジン22が運転されながら要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御し、挙動安定条件フラグFが値1のときには、走行用トルクTrtmpより小さなトルクを要求トルクTr*に設定し、燃費運転ポイントでエンジン22が運転されながら要求トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するものに限定されるものではなく、車両の挙動を安定させるべき挙動安定条件が成立していないときには、アクセル操作に応じた走行用トルクが駆動軸に出力されるようエンジンと第1モータと第2モータとを制御し、挙動安定条件が成立しているときには、走行用トルクより小さなトルクが駆動軸に出力されるようエンジンと第1モータと第2モータとを制御し、走行用トルクが予め定められた閾値以上で挙動安定条件が成立していないときには、走行用トルクに基づくエンジン要求パワーと予め定められた動作ラインとに応じた回転数およびトルクからなる第1運転ポイントに比して低回転数高トルク側の第2運転ポイントでエンジンが運転されるよう制御し、走行用トルクが閾値以上で挙動安定条件が成立しているときには、第2運転ポイントに比して高回転数低トルク側の第3運転ポイントでエンジンが運転されるよう制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90 ブレーキマスターシリンダ、92 ブレーキアクチュエータ、94 ブレーキ用電子制御ユニット(ブレーキECU)、96a〜96d ブレーキホイールシリンダ、MG1,MG2 モータ。

Claims (4)

  1. エンジンと、第1モータと、車軸に連結された駆動軸と前記エンジンの出力軸と前記第1モータの回転軸とに3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、機械的機構を介して前記駆動軸に回転軸が接続された第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力のやりとりが可能なバッテリと、車両の挙動を安定させるべき挙動安定条件が成立していないときにはアクセル操作に応じた走行用トルクが前記駆動軸に出力されるよう前記エンジンと前記第1モータと前記第2モータとを制御し、前記挙動安定条件が成立しているときには前記走行用トルクより小さなトルクが前記駆動軸に出力されるよう前記エンジンと前記第1モータと前記第2モータとを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車において、
    前記制御手段は、前記走行用トルクが予め定められた閾値以上で前記挙動安定条件が成立していないときには、前記走行用トルクに基づくエンジン要求パワーと予め定められた動作ラインとに応じた回転数およびトルクからなる第1運転ポイントに比して低回転数高トルク側の第2運転ポイントで前記エンジンが運転されるよう制御し、前記走行用トルクが前記閾値以上で前記挙動安定条件が成立しているときには、前記第2運転ポイントに比して高回転数低トルク側の第3運転ポイントで前記エンジンが運転されるよう制御する手段である、
    ハイブリッド自動車。
  2. 請求項1記載のハイブリッド自動車であって、
    前記制御手段は、前記走行用トルクが前記閾値以上で前記挙動安定条件が成立しているときには、前記第1運転ポイントで前記エンジンが運転されるよう制御する手段である、
    ハイブリッド自動車。
  3. 請求項1または2記載のハイブリッド自動車であって、
    前記第2運転ポイントは、前記第1運転ポイントにおける回転数を上限回転数で制限して得られる制限後回転数と該制限後回転数で前記エンジン要求パワーを除して得られるトルクとからなる運転ポイントである、
    ハイブリッド自動車。
  4. 請求項1または2記載のハイブリッド自動車であって、
    前記第2運転ポイントは、前記動作ラインに比して同一回転数に対して高トルク側となる第2動作ラインと前記エンジン要求パワーとに応じた回転数およびトルクからなる運転ポイントである、
    ハイブリッド自動車。
JP2012025891A 2012-02-09 2012-02-09 ハイブリッド自動車 Expired - Fee Related JP5724897B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012025891A JP5724897B2 (ja) 2012-02-09 2012-02-09 ハイブリッド自動車

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012025891A JP5724897B2 (ja) 2012-02-09 2012-02-09 ハイブリッド自動車

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013163392A JP2013163392A (ja) 2013-08-22
JP5724897B2 true JP5724897B2 (ja) 2015-05-27

Family

ID=49175054

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012025891A Expired - Fee Related JP5724897B2 (ja) 2012-02-09 2012-02-09 ハイブリッド自動車

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5724897B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106915242A (zh) * 2015-12-25 2017-07-04 比亚迪股份有限公司 动力驱动***及具有该动力驱动***的车辆

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004203368A (ja) * 2002-12-12 2004-07-22 Toyota Motor Corp ハイブリッド自動車
JP2008143462A (ja) * 2006-12-13 2008-06-26 Toyota Motor Corp 車両及びその制御方法
JP4447613B2 (ja) * 2007-02-08 2010-04-07 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両の駆動力制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013163392A (ja) 2013-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5955856B2 (ja) 車両
JP5829951B2 (ja) 車両の異常判定装置
JP5050826B2 (ja) 内燃機関装置およびその制御方法並びに動力出力装置
JP5742788B2 (ja) ハイブリッド自動車
JP5737194B2 (ja) ハイブリッド自動車
JP5716425B2 (ja) ハイブリッド自動車
JP2010241386A (ja) ハイブリッド車両およびその制御方法
JP4811323B2 (ja) 車両およびその制御方法
JP2007223403A (ja) 動力出力装置およびその制御方法並びに車両
JP5655693B2 (ja) ハイブリッド自動車
JP2010089747A (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP5724897B2 (ja) ハイブリッド自動車
JP2014189081A (ja) ハイブリッド自動車
JP5880404B2 (ja) ハイブリッド自動車
JP2017178013A (ja) ハイブリッド自動車
JP5330968B2 (ja) 車両およびその制御方法
JP4258519B2 (ja) 車両およびその制御方法
JP2012218577A (ja) ハイブリッド車
JP2014034259A (ja) ハイブリッド自動車
JP5673339B2 (ja) ハイブリッド車
JP5772673B2 (ja) ハイブリッド自動車
JP6003766B2 (ja) ハイブリッド自動車
JP2013189034A (ja) ハイブリッド自動車
JP2013147198A (ja) ハイブリッド自動車
JP5556564B2 (ja) ハイブリッド自動車

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150303

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150316

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5724897

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees