JP6003766B2 - ハイブリッド自動車 - Google Patents

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Description

本発明は、発名称に関し、詳しくは、走行用の動力を出力可能なエンジンと、走行用の動力を入出力可能なモータと、モータと電力のやりとりが可能なバッテリと、エンジンを間欠運転して走行するようエンジンとモータとを制御する制御装置と、を備えるハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、電池温度やバッテリの蓄電割合にづいて設定されるバッテリの出力上限が停止判定用閾値以上のときにはエンジンの停止を許可し、バッテリの出力上限が停止判定用閾値未満のときにはエンジンの停止を禁止するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、バッテリの出力上限が停止判定用閾値未満のときにバッテリから出力されるパワーが出力上限を超えるのを防止すると共に、迅速にエンジンからパワーを出力して走行できるようにしている。
また、エンジンを運転停止した状態でモータからのパワーで走行するモータ走行中に運転者による要求パワーがバッテリ出力上限値より若干大きな閾値以上に至ったときには、エンジンを始動してエンジンからの負荷を用いて走行するハイブリッド走行に移行するものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、エンジンを始動した直後は、要求パワーに基づいて設定される指令パワーを緩変化させることにより、エンジン始動直後の急加速を抑制している。
さらに、バッテリ温度が所定温度未満のときには、バッテリの蓄電割合が大きいときには放電用パワーとして設定されると共に蓄電割合が小さいときには充電用パワーとして設定される蓄電割合調整用パワーとバッテリ温度が所定温度以上のときより小さな嵩上げパワーとの和をバッテリの充放電用パワーとして求め、走行に必要な走行用パワーと充放電用パワーとの和のパワーがエンジンから出力されて走行するようエンジンとモータとを制御するものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−113695号公報 特開2012−183850号公報 特開2012−111450号公報
上述したように、ハイブリッド自動車では、走行用パワーが始動用閾値以上に至るとエンジンを始動してエンジンからのパワーとモータからのパワーとを用いて走行し、走行用パワーが停止用閾値未満に至るとエンジンの運転を停止してモータからのパワーによって走行するが、−10℃や−20℃などの低温時には、バッテリの出力上限が小さくなるために、走行用パワーが始動用閾値未満であってもバッテリの出力上限以上に至るとエンジンを始動してエンジンからのパワーとモータからのパワーとを用いて走行する。このとき、エンジンから出力するパワーが小さいため、エンジンを効率よく運転することができず、燃費を悪化させる。最後者のハイブリッド自動車のように、バッテリ温度が所定温度未満のときには所定温度以上のときより小さな嵩上げパワーを用いてエンジンから出力するパワーを嵩上げするものも提案されているが、どの程度嵩上げするかによってエンジンの効率が変化することから、燃費が向上するとは限らない。
本発明のハイブリッド自動車は、バッテリの温度が低い低温時にエンジンを始動するときでもエンジンを効率よく運転して燃費を向上させることを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
走行用の動力を出力可能なエンジンと、走行用の動力を入出力可能なモータと、前記モータと電力のやりとりが可能なバッテリと、前記エンジンの運転を停止している状態で走行に必要な走行用パワーが始動用閾値以上に至ったときに前記エンジンを始動して前記エンジンからのパワーを用いて走行するよう前記エンジンと前記モータとを制御し、前記エンジンからのパワーを用いて走行している状態で前記走行用パワーが前記始動用閾値より小さい停止用閾値未満に至ったときに前記エンジンの運転を停止して前記モータからのパワーにより走行するよう前記エンジンと前記モータとを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御手段は、前記バッテリから出力可能なバッテリ出力上限が前記始動用閾値未満である所定出力上限時には、前記エンジンの運転を停止している状態で前記走行用パワーが前記バッテリ出力上限以上に至ったときに前記エンジンを始動し、前記走行用パワーが前記始動用閾値未満のときには前記走行用パワーの際に前記エンジンから出力すべきパワーに前記始動用閾値と前記走行用パワーとの差分のパワーを加えたパワーが前記エンジンから出力されて前記走行用パワーにより走行するよう前記エンジンと前記モータとを制御する手段である、
ことを特徴とする。
この本発明のハイブリッド自動車では、バッテリから出力可能なバッテリ出力上限(即ち、バッテリから出力可能な許容最大パワー)が始動用閾値未満である所定出力上限時には、エンジンの運転を停止している状態で走行に必要な走行用パワーがバッテリ出力上限以上に至ったときにエンジンを始動し、走行用パワーが始動用閾値未満のときには走行用パワーの際にエンジンから出力すべきパワーに始動用閾値と走行用パワーとの差分のパワーを加えたパワーがエンジンから出力されて走行用パワーにより走行するようエンジンとモータとを制御する。始動用閾値は、エンジンを効率よく運転することができる下限近傍の走行用パワーとして設定されているから、走行用パワーの際にエンジンから出力すべきパワーに始動用閾値とバッテリ出力上限との差分のパワーを加えたパワーがエンジンから出力されるようにエンジンを運転制御することにより、走行用パワーが始動用閾値に一致するときと同じパワーを出力するようにエンジンを運転することができ、エンジンを効率よく運転して燃費の悪化を抑制することができる。なお、バッテリ出力上限が始動用閾値未満となる状態は、バッテリの温度が0℃以下の−10℃や−15℃などの低温時に生じる。バッテリの全容量に対する蓄電容量の割合である蓄電割合が異常に低下したときにもバッテリ出力上限が始動用閾値未満となる状態は生じるが、ハイブリッド自動車では、蓄電割合が異常に低下する前にバッテリを充電するため、通常では蓄電割合が異常に低下したことによりバッテリ出力上限が始動用閾値未満となる状態は生じない。
こうした本発明のハイブリッド自動車において、前記制御手段は、前記所定出力上限時に前記エンジンを始動した以降で前記走行用パワーが前記始動用閾値未満のときには、前記始動用閾値に相当するパワーが前記エンジンから出力されて前記走行用パワーにより走行するよう前記エンジンと前記モータとを制御する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、エンジンから始動用閾値に相当するパワーを出力するようエンジンを運転制御することができ、エンジンを効率よく運転することにより燃費の悪化を抑制することができる。
また、本発明のハイブリッド自動車において、前記制御手段は、前記所定出力上限時には、前記エンジンからのパワーを用いて走行している状態で前記走行用パワーが前記バッテリ出力上限より小さい低温時閾値未満に至ったときに前記エンジンの運転を停止して前記モータからのパワーにより走行するよう前記エンジンと前記モータとを制御する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、過剰なエンジンの運転を抑制することができる。
なお、本発明のハイブリッド自動車において、動力を入出力可能なジェネレータと、前記エンジンの出力軸と前記ジェネレータの回転軸と車軸に連結された駆動軸とに3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、を備えるものとすることもできる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 HVECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 燃費最適動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子の一例を示す説明図である。 エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときのプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 バッテリ50が通常温度のときと低温のときにおける走行用パワーPdrvとエンジン22の運転状態と要求パワーPe*の時間変化の一例を説明する説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車320の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図1に示すように、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22のクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に前輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸36に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ50と、インバータ41,42が接続された電力ライン(以下、駆動電圧系電力ライン54aという)とバッテリ50が接続された電力ライン(以下、電池電圧系電力ライン54bという)とに接続されて駆動電圧系電力ライン54aの電圧VHを電池電圧系電力ライン54bの電圧VL以上の範囲で調節すると共に駆動電圧系電力ライン54aと電池電圧系電力ライン54bとの間で電力のやりとりを行なう昇圧コンバータ55と、インバータ41,42を制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に昇圧コンバータ55を制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、を備える。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサからのクランクポジションθcrやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサからの冷却水温Tw,燃焼室内に取り付けられた圧力センサからの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブや排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサからのカムポジションθca,スロットルバルブのポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサからのスロットルポジションTP,吸気管に取り付けられたエアフローメータからの吸入空気量Qa,同じく吸気管に取り付けられた温度センサからの吸気温Ta,排気系に取り付けられた空燃比センサからの空燃比AF,同じく排気系に取り付けられた酸素センサからの酸素信号O2などが入力ポートを介して入力されており、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁への駆動信号やスロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータへの駆動信号,イグナイタと一体化されたイグニッションコイルへの制御信号,吸気バルブの開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、エンジンECU24は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流,駆動電圧系電力ライン54aに取り付けられた図示しない電圧センサからの駆動電圧系電圧VHや電池電圧系電力ライン54bに取り付けられた図示しない電圧センサからの電池電圧系電圧VLなどが入力ポートを介して入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42のスイッチング素子へのスイッチング制御信号や昇圧コンバータ55のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、モータECU40は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧Vbやバッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入力の下限Win,出力の下限Woutを演算したりしている。実施例では、バッテリ50から放電するときの電力を正の値とし、充電するときの電力を負の値としているから、入力の下限Winは、負の値であり、出力の上限Woutは正の値である。即ち、バッテリ50を充電してもよい最大許容電力(負の値として絶対値が大きな電力)が入力の下限Winであり、バッテリ50から放電してもよい最大許容電力(正の値)が出力の上限Woutである。なお、バッテリ50の入力の下限Win,出力の上限Woutは、電池温度Tbに基づいて入力の下限Win,出力の上限Woutの基本値を設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて入力の下限用の補正係数と出力の上限用の補正係数を設定し、設定した入力の下限Winと出力の上限Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。HVECU70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力を駆動軸36に出力するよう運転制御するモータ運転モード(EV走行モード)などがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードは、いずれもエンジン22の負荷運転を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モード(HV走行モード)という。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にバッテリ50の電池温度Tbが低いためにバッテリ50の出力の上限Woutが小さくなったときの動作について説明する。図2は、HVECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22を始動するための始動時制御やエンジン22の運転を停止するための運転停止時制御を実行しているときを除いて所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、HVECU70は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の電池温度Tb,バッテリ50の入力の下限Winと出力の上限Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の温度Tbは、温度センサ51により検出されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入力の下限Winと出力の上限Woutは、バッテリ50の蓄電割合SOCとバッテリ50の電池温度Tbとに基づいて演算されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪38a,38bに連結された駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*と、この要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nrを乗じて得られる走行用パワーPdrvを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてHVECU70の図示しないROMに記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図4に要求トルク設定用マップの一例を示す。駆動軸36の回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じること(Nr=k・V)によって求めたり、モータMG2の回転数Nm2(Nr=Nm2)として求めることができる。
続いて、エンジン22が運転停止中であるか否か、即ちEV走行モードであるかHV走行モードであるかを判定し(ステップS120)、エンジン22が運転停止中であるときには、走行用パワーPdrvと始動用閾値Pstartとを比較する(ステップS130)。始動用閾値Pstartは、エンジン22を効率よく運転することができるパワー範囲の下限パワーやその近傍のパワーとして設定されるものである。走行用パワーPdrvが始動用閾値Pstart以上のときにはエンジン22を始動する(ステップS150)。エンジン22の始動と始動中の駆動制御は、図示しない始動時制御ルーチンにより実行される。エンジン22の始動や始動中の駆動制御については本発明の中核をなさないため、その詳細な説明は省略する。一方、走行用パワーPdrvが始動用閾値Pstart未満のときには、走行用パワーPdrvとバッテリ50の出力の上限Woutとを比較し(ステップS140)、走行用パワーPdrvがバッテリ50の出力の上限Wout以上のときにはエンジン22を始動する(ステップS150)。走行用パワーPdrvが始動用閾値Pstart未満で走行用パワーPdrvがバッテリ50の出力の上限Wout以上のときは、バッテリ50の出力の上限Woutが始動用閾値Pstartより小さいときである。このようにバッテリ50の出力の上限Woutが始動用閾値Pstartより小さくなる状態は、バッテリ50の温度Tbが0℃以下の−10℃や−15℃などの低温時に生じる。バッテリ50の蓄電割合SOCが異常に低下したときにも出力の上限Woutが始動用閾値Pstartより小さくなるが、実施例のハイブリッド自動車20では、蓄電割合SOCが異常に低下する前にバッテリ50を充電するため、通常では蓄電割合SOCが異常に低下したことによりバッテリ50の出力の上限Woutが始動用閾値Pstartより小さくなる状態は生じない。以下、実施例では、バッテリ50の出力の上限Woutが始動用閾値Pstartより小さいときとしてバッテリ50の低温時を想定する。ステップS140で走行用パワーPdrvがバッテリ50の出力の上限Wout未満のときには、エンジン22の始動は行なわれず、エンジン22の運転停止中の駆動制御としてステップS300〜S340の処理を実行する。これらの処理については後述する。
エンジン22を始動すると、エンジン22の運転中の駆動制御としてステップS160〜S260の処理を実行する。具体的には以下の説明のとおりである。まず、走行用パワーPdrvと始動用閾値Pstartと比較する(ステップS160)。走行用パワーPdrvが始動用閾値Pstart以上のときには、走行用パワーPdrvからバッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて得られるバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22から出力すべき要求パワーPe*として設定し(ステップS180)、設定した要求パワーPe*と燃費最適動作ラインとに基づいてエンジン22を運転すべき目標運転ポイントにおける回転数とトルクである目標回転数Ne*と目標トルクTe*を設定する(ステップS210)。ここで、燃費最適動作ラインは、エンジン22を効率よく運転することができる運転ポイントを回転数毎にトルクをプロットしたラインである。燃費最適動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子の一例を図4に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、燃費最適動作ラインと要求パワーPe*が一定の曲線の交点の回転数とトルクとして求めることができる。
次に、エンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2とプラネタリギヤ30のギヤ比ρ(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)とを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と入力したモータMG1の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS220)。ここで、式(1)は、プラネタリギヤ30の回転要素に対する力学的な関係式である。エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときのプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図5に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤの回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリアの回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2や駆動軸36の回転数であるリングギヤの回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が駆動軸36に作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/ρ (1)
Tm1*=ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
そして、要求トルクTr*に設定したトルク指令Tm1*をプラネタリギヤ30のギヤ比ρで除したものを加えてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮モータトルクTm2tmpを次式(3)により計算すると共に(ステップS230)、バッテリ50の入力の下限Winと出力の下限Woutと設定したトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(4)および式(5)により計算すると共に(ステップS240)、設定した仮トルクTm2tmpを式(6)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS250)。ここで、式(3)は、図5の共線図から容易に導くことができる。
Tm2tmp=Tr*+Tm1*/ρ (3)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (5)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (6)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS260)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、バッテリ50の入力の下限Winと出力の上限Woutの範囲内でエンジン22を効率よく運転して駆動軸36に走行用パワーPdrv(要求トルクTr*)を出力して走行することができる。
ステップS160で走行用パワーPdrvが始動用閾値Pstart未満であると判定されたときには、バッテリ50の出力の上限Woutと始動用閾値Pstartとを比較し(ステップS170)、バッテリ50の出力の上限Woutが始動用閾値Pstart以上のときには、走行用パワーPdrvが始動用閾値Pstart以上のときと同様に、走行用パワーPdrvから充放電要求パワーPb*を減じて要求パワーPe*を設定し(ステップS180)、ステップS210〜S260の処理を実行する。
ステップS170でバッテリ50の出力の上限Woutが始動用閾値Pstart未満であると判定されたとき、即ち、バッテリ50の低温時には、始動用閾値Pstartから走行用パワーPdrvを減じたものを嵩上げパワーΔP(ΔP=Pstart−Pdrv)として計算し(ステップS190)、走行用パワーPdrvに嵩上げパワーΔPを加えて要求パワーPe*を設定し(ステップS200)、設定した要求パワーPe*を用いてステップS210〜S260の処理を実行する。実施例では、要求パワーPe*は、走行用パワーPdrvと嵩上げパワーΔPとの和(Pe*=Pdrv+ΔP)であり、嵩上げパワーΔPは、始動用閾値Pstartから走行用パワーPdrvを減じたもの(ΔP=Pstart−Pdrv)であるから、要求パワーPe*は始動用閾値Pstartに一致する。
ステップS120でエンジン22が運転中であると判定されたときには、走行用パワーPdrvと停止用閾値Pstopとを比較する(ステップS270)。停止用閾値Pstopは、エンジン22の始動と運転停止とが頻繁に生じないように始動用閾値Pstartより若干小さな値が用いられる。走行用パワーPdrvが停止用閾値Pstop以上のときには、エンジン22の運転を停止すべきでないと判断し、エンジン22の運転中における駆動制御(ステップS160〜S260)の処理を実行する。
走行用パワーPdrvが停止用閾値Pstop未満のときには、走行用パワーPdrvとバッテリ50の出力の上限Woutからマージンαを減じた低温時閾値(Wout−α)とを比較し(ステップS280)、走行用パワーPdrvが低温時閾値(Wout−α)以上のときには、エンジン22の運転を停止すべきでないと判断し、エンジン22の運転中における駆動制御(ステップS160〜S260)の処理を実行し、走行用パワーPdrvが低温時閾値(Wout−α)未満のときには、エンジン22の運転を停止する(ステップS290)。エンジン22の運転停止と運転停止処理中の駆動制御は、図示しない運転停止時制御ルーチンにより実行される。エンジン22の運転停止や運転停止処理中の駆動制御については本発明の中核をなさないため、その詳細な説明は省略する。上述したように、バッテリ50の低温時にバッテリ50の出力の上限Woutが始動用閾値Pstart未満となる。このため、バッテリ50の低温時ではないとき、即ちバッテリ50の通常温度時には、バッテリ50の出力の上限Woutは始動用閾値Pstart以上となるから、走行用パワーPdrvが停止用閾値Pstop未満のときには、必ず走行用パワーPdrvは低温時閾値(Wout−α)未満となる。したがって、バッテリ50の通常温度時には、ステップS280では必ず肯定的判定となり、エンジン22の運転を停止する。一方、バッテリ50の低温時には、バッテリ50の出力の上限Woutは始動用閾値Pstart未満となるから、走行用パワーPdrvが停止用閾値Pstop未満のときであっても、走行用パワーPdrvが低温時閾値(Wout−α)以上になることがある。この場合、ステップS280では否定的判定となり、エンジン22の運転が継続される。
ステップS120〜S150の処理とステップS270〜S290の処理は、エンジン22を始動するか運転停止するかの処理となる。これらを総合すると、以下のようになる。バッテリ50の出力の上限Woutが始動用閾値Pstart以上となるバッテリ50の通常温度時には、走行用パワーPdrvが始動用閾値Pstart以上に至ったときにエンジン22を始動し、走行用パワーPdrvが停止用閾値Pstop未満に至ったときにエンジン22の運転を停止するものとなる。バッテリ50の出力の上限Woutが始動用閾値Pstart未満となるバッテリ50の低温時には、走行用パワーPdrvが出力の上限Wout以上に至ったときにエンジン22を始動し、走行用パワーPdrvが低温時閾値(Wout−α)未満に至ったときにエンジン22の運転を停止するものとなる。これらの説明から、マージンαは、バッテリ50の低温時にエンジン22の始動と運転停止とが頻繁に生じないようにヒステリシスを得るためのものであることが解る。
次に、ステップS290でエンジン22の運転を停止した後やステップS140で走行用パワーPdrvがバッテリ50の出力の上限Wout未満であると判定されたときに実行されるエンジン22の運転停止中の駆動制御、即ちEV走行モードにおける駆動制御(ステップS300〜S340)について説明する。EV走行モードにおける駆動制御は、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共に(ステップS300)、モータMG2の仮モータトルクTm2tmpに要求トルクTr*を設定し(ステップS310)、バッテリ50の入力の下限Winと出力の上限WoutをモータMG2の回転数Nm2で割ることによりトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(7)および式(8)により計算すると共に(ステップS320)、設定した仮トルクTm2tmpを上述の式(6)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS330)。そして、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信して(ステップS340)、駆動制御ルーチンを終了する。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、値0のトルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、バッテリ50の入力の下限Winと出力の上限Woutの範囲内でモータMG2から駆動軸36に要求トルクTr*を出力して走行することができる。
Tm2min=Win/Nm2 (7)
Tm2max=Wout/Nm2 (8)
図6に、バッテリ50の通常温度時と低温時における走行用パワーPdrvとエンジン22の運転状態と要求パワーPe*の時間変化の一例を示す。なお、バッテリ50の通常温度時と低温時との比較を容易にするために、バッテリ50の通常温度時の要求パワーPe*(Pe*=Pdrv−Pb*)の計算には充放電要求パワーPb*は値0とした。バッテリ50の出力の上限Woutが始動用閾値Pstart以上となるバッテリ50の通常温度時には、走行用パワーPdrvが始動用閾値Pstart以上に至る時間T11にエンジン22が始動され、要求パワーPe*には走行用パワーPdrvが設定される。そして、走行用パワーPdrvが停止用閾値Pstop未満に至る時間T12にエンジン22の運転が停止される。一方、バッテリ50の出力の上限Woutが始動用閾値Pstart未満となるバッテリ50の低温時には、走行用パワーPdrvがバッテリ50の出力の上限Wout以上となる時間T21にエンジン22が始動され、要求パワーPe*には、始動用閾値Pstartが設定される。そして、走行用パワーPdrvが低温時閾値(Wout−α)未満に至る時間T22にエンジン22の運転が停止される。このように、バッテリ50の低温時にエンジン22が始動されたときには、要求パワーPe*に始動用閾値Pstartを設定するから、要求パワーPe*に走行用パワーPdrvを設定する場合に比して、エンジン22を効率よく運転することができる。この結果、燃費を向上させることができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、バッテリ50の出力の上限Woutが始動用閾値Pstart未満となるバッテリ50の低温時には、走行用パワーPdrvがバッテリ50の出力の上限Wout以上に至ったときにエンジン22を始動し、走行用パワーPdrvが始動用閾値Pstart未満のときには、走行用パワーPdrvに嵩上げパワーΔPを加えたもの(実施例では始動用閾値Pstart)をエンジン22から出力すべき要求パワーPe*として設定し、エンジン22から要求パワーPe*を燃費最適動作ライン上の運転ポイントで出力すると共に駆動軸36に走行用パワーPdrv(要求トルクTr*)が出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2を制御することにより、走行用パワーPdrvを要求パワーPe*に設定する場合に比して、エンジン22を効率よく運転することができる。この結果、燃費を向上させることができる。
もとより、バッテリ50の出力の上限Woutが始動用閾値Pstart未満となるバッテリ50の低温時にエンジン22を始動した後に走行用パワーPdrvが始動用閾値Pstart以上となるときには、バッテリ50の通常温度時と同様に、走行用パワーPdrvから充放電要求パワーPb*を減じたものを要求パワーPe*に設定するから、エンジン22を効率よく運転することができると共にバッテリ50の充放電を行なうことができる。また、バッテリ50の低温時には、走行用パワーPdrvが出力の上限Wout以上に至ったときにエンジン22を始動し、走行用パワーPdrvが低温時閾値(Wout−α)未満に至ったときにエンジン22の運転を停止するから、バッテリ50の低温時でもエンジン22の始動と運転停止とが頻繁に生じないようにすることができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、バッテリ50の出力の上限Woutが始動用閾値Pstart未満となるバッテリ50の低温時にエンジン22を始動した後に走行用パワーPdrvが始動用閾値Pstart未満となるときには、走行用パワーPdrvに嵩上げパワーΔPを加えたもの(実施例では始動用閾値Pstart)をエンジン22から出力すべき要求パワーPe*として設定するものとしたが、バッテリ50の通常温度時に計算される要求パワーPe*に嵩上げパワーΔPを加えたもの、即ち、走行用パワーPdrvから充放電要求パワーPb*を減じたものに嵩上げパワーΔPを加えたもの(Pdrv−Pb*+ΔP)を要求パワーPe*として設定するものとしてもよい。この場合、充放電要求パワーPb*が充電用のパワーであれば要求パワーPe*は始動用閾値Pstartより大きくなり、充放電要求パワーPb*が放電用のパワーであれば要求パワーPe*は始動用閾値Pstartより小さくなるが、バッテリ50の出力の上限Woutが始動用閾値Pstart未満であるから、充放電要求パワーPb*が放電用のパワーとなることは生じにくい。したがって、通常は、要求パワーPe*は始動用閾値Pstartより大きくなり、エンジン22を効率よく運転することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2からの動力を駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力するものとしたが、図7の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2からの動力を駆動軸36が接続された車軸(駆動輪38a,38bに接続された車軸)とは異なる車軸(図7における車輪39a,39bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力するものとしたが、図8の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフトに接続されたインナーロータ232と駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に接続されたアウターロータ234とを有しエンジン22からの動力の一部を駆動軸36に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力すると共にモータMG2からの動力を駆動軸36に出力するものとしたが、図9の変形例のハイブリッド自動車320に例示するように、駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に変速機330を介してモータMGを取り付けると共にモータMGの回転軸にクラッチ329を介してエンジン22を接続する構成とし、エンジン22からの動力をモータMGの回転軸と変速機330とを介して駆動軸36に出力すると共にモータMGからの動力を変速機330を介して駆動軸に出力するものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG2が「モータ」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、図2の駆動制御ルーチンを実行するHVECU70と、HVECU70からの目標回転数Ne*と目標トルクTe*を受信してエンジン22を制御するエンジンECU24と、HVECU70からのモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を受信してモータMG1,MG2を制御するモータECU40と、バッテリ50を管理するバッテリECU52と、の組み合わせが「制御手段」に相当する。
ここで、「エンジン」としては、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22に限定されるものではなく、如何なるタイプのエンジンであっても構わない。「モータ」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、如何なるタイプのモータであっても構わない。「制御手段」としては、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40とバッテリECU52とからなる組み合わせに限定されるものではなく、単一の電子制御ユニットによって構成されるものとしてもよい。また、「制御手段」としては、バッテリ50の出力の上限Woutが始動用閾値Pstart未満となるバッテリ50の低温時には、走行用パワーPdrvがバッテリ50の出力の上限Wout以上に至ったときにエンジン22を始動し、走行用パワーPdrvが始動用閾値Pstart未満のときには、走行用パワーPdrvに嵩上げパワーΔPを加えたもの(実施例では始動用閾値Pstart)をエンジン22から出力すべき要求パワーPe*として設定するものに限定されるものではなく、バッテリ50の通常温度時に計算される要求パワーPe*に嵩上げパワーΔPを加えたものを要求パワーPe*として設定するものとしてもよく、バッテリから出力可能な許容最大パワーとしてのバッテリ出力上限が始動用閾値未満である所定出力上限時には、エンジンの運転を停止している状態で走行用パワーがバッテリ出力上限以上に至ったときにエンジンを始動し、走行用パワーが始動用閾値未満のときには走行用パワーの際にエンジンから出力すべきパワーに始動用閾値と走行用パワーとの差分のパワーを加えたパワーがエンジンから出力されて走行用パワーにより走行するようエンジンとモータとを制御するものであれば、如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20,120,220,320 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、39a,39b 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、MG1,MG2 モータ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、329 クラッチ、330 変速機。

Claims (4)

  1. 走行用の動力を出力可能なエンジンと、走行用の動力を入出力可能なモータと、前記モータと電力のやりとりが可能なバッテリと、前記エンジンの運転を停止している状態で走行に必要な走行用パワーが前記エンジンを効率よく運転することができるパワー範囲の下限のパワーであると共に固定値である始動用閾値以上に至ったときに前記エンジンを始動して前記エンジンからのパワーを用いて走行するよう前記エンジンと前記モータとを制御し、前記エンジンからのパワーを用いて走行している状態で前記走行用パワーが前記始動用閾値より小さい停止用閾値未満に至ったときに前記エンジンの運転を停止して前記モータからのパワーにより走行するよう前記エンジンと前記モータとを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車であって、
    前記制御手段は、前記バッテリから出力可能なバッテリ出力上限が前記始動用閾値未満である所定出力上限時には、前記エンジンの運転を停止している状態で前記走行用パワーが前記バッテリ出力上限以上に至ったときに前記エンジンを始動し、前記走行用パワーが前記始動用閾値未満のときには前記走行用パワーに前記始動用閾値と前記走行用パワーとの差分のパワーを加えたパワーが前記エンジンから出力されて前記走行用パワーにより走行するよう前記エンジンと前記モータとを制御する手段である、
    ことを特徴とするハイブリッド自動車。
  2. 請求項1記載のハイブリッド自動車であって、
    前記制御手段は、前記所定出力上限時に前記エンジンを始動した以降で前記走行用パワーが前記始動用閾値未満のときには、前記始動用閾値に相当するパワーが前記エンジンから出力されて前記走行用パワーにより走行するよう前記エンジンと前記モータとを制御する手段である、
    ハイブリッド自動車。
  3. 請求項1または2記載のハイブリッド自動車であって、
    前記制御手段は、前記所定出力上限時には、前記エンジンからのパワーを用いて走行している状態で前記走行用パワーが前記バッテリ出力上限より小さい低温時閾値未満に至ったときに前記エンジンの運転を停止して前記モータからのパワーにより走行するよう前記エンジンと前記モータとを制御する手段である、
    ハイブリッド自動車。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド自動車であって、
    動力を入出力可能なジェネレータと、
    前記エンジンの出力軸と前記ジェネレータの回転軸と車軸に連結された駆動軸とに3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、
    を備えるハイブリッド自動車。



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