JP5709045B2 - ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリウレタンフォームの製造方法に関し、特に寸法安定性に優れた硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
一般にポリウレタンフォームは、ポリエーテルポリオール及び/又はポリエステルポリオール等のポリオール、発泡剤、触媒、界面活性剤、さらに必要に応じて難燃剤等を混合した混合液(プレミックス液)とポリイソシアネート液を用意し、それらを混合して短時間で発泡、硬化させる方法で製造される。ポリウレタンフォームは優れた断熱特性を有することから、冷蔵室、冷蔵庫、冷凍室、冷凍庫、一般建造物の断熱材等に、吹き付け、注入、ボード、パネルといった形式で広く使用されている。
オゾン層破壊、地球温暖化等の環境問題が取り上げられるようになり、フロンや代替フロンのような発泡剤を全く使わず、水とポリイソシアネートとの反応で生成する炭酸ガスを発泡ガスとして使用する水発泡の技術が注目されている。この方法により、前述の発泡剤の使用量を削減し又は全く使用しないことが可能となる。ところが、硬質ポリウレタンフォームの独立気泡セル膜を通して外部へと拡散する炭酸ガスの速度は、逆に空気が浸透する速度よりも速いため、フォームセル内が減圧の状態となり、その結果、収縮し易く、すなわち寸法安定性が悪化する傾向となる。さらに、従来の発泡剤を使用した処方と比較して、水とポリイソシアネートとの反応によって生成するウレア基の影響により、得られるフォームの脆性が悪化し、被着部材との接着強度の低下を生じ易いという欠点もある。これらの欠点は、硬質ポリウレタンフォームの密度を下げるために多量の水を使用した場合に特に顕著となり、水発泡による硬質ポリウレタンフォームを普及させる上で障害となっている。
水を発泡剤として使用した硬質ポリウレタンフォームの寸法安定性を改良する方法として、通常は独立気泡であるフォームセルを部分的に、或いは全部を連続気泡とし、フォーム内外の気圧差を解消することが有効である。例えば、ポリオール中に水酸基1個当たりの分子量が約600〜2000の長鎖ポリエーテルポリオールと、水酸基1個当たりの分子量が約600未満のポリエーテルポリオールを併用する方法(特許文献1)がある。しかしながら、こういった用途に使用される長鎖ポリエーテルポリオールは、一般に水やポリエステルポリオール等との相溶性が悪く、プレミックス液の均一性に問題が生じる。プレミックス液が不均一になると、長期保存性の低下や、得られるフォームの気泡が不均一となってセル荒れや接着性の低下を引き起こしてしまう。
プレミックス液の均一性の問題を解決するために、本発明者らは炭素数4〜8の脂肪族多価カルボン酸とジプロピレングリコールからなるポリエステルポリオール、あるいは、炭素数4〜8の脂肪族多価カルボン酸及び/又は炭素数8〜10の芳香族多価カルボン酸とジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールからなるポリエステルポリオールをプレミックス液の相溶化剤として用いる方法を提案した。(特許文献3、4) これらの相溶化剤によりプレミックス液の均一性に関する問題は解決できたものの、一方で相溶化剤として用いるポリエステルポリオールの必要量が多く、他の成分を配合し難いといった不具合があった。
一方、本発明者らは、HFC系発泡剤のような発泡剤との相溶性が良好なポリステルポリオールとして、多価カルボン酸及びアルコールをエステル化反応させて得られるポリエステルポリオールであって、アルコールとして、1−ヒドロキシ−2−アセトキシブタン、1−アセトキシ−2−ヒドロキシブタン及び1,2−ジアセトキシブタンからなる群から選ばれる少なくとも1種を2〜40重量%含有するものを用いたポリエステルポリオールについて提案したが、長鎖ポリエーテルポリオールを用いたプレミックス液の均一性への寄与については、これまで全く検討されていない。(特許文献5)
特開平6−25375号公報 特開昭61−153478号公報 特開2009−270079号公報 特開2010−189455号公報 特許第4512491号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、ポリウレタンフォーム用の均一性の高いプレミックス液の提供と、このものを用いた寸法安定性に優れた硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することにある。
本発明者らが鋭意検討した結果、原料のポリオールとして、特定の構造的特徴を備えたポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールとを使用することにより、上記の目的を容易に達成し得るとの知見を得て、本発明の完成に至った。
即ち本発明の要旨は、少なくとも、、ポリイソシアネート、ポリオール、発泡剤、触媒、界面活性剤を原料とするポリウレタンフォームの製造方法において、ポリオールとして以下に記載のポリオール(A)と(B)と共に、(C)及び/又は(D)を用い、全ポリオール中の(A)及び(B)の割合がそれぞれ1〜30重量%であることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法に存する。
(1)アルコール成分とカルボン酸成分のエステル化反応で得られるポリエステルポリオールであって、アルコール成分として1,2−ブタンジオール(以下、1,2−BGと略記)と、1−ヒドロキシ−2−アセトキシブタン(以下、1,2−HABと略記)、1−アセトキシ−2−ヒドロキシブタン(以下、1,2−AHBと略記)及び1,2−ジアセトキシブタン(以下、1,2−DABと略記)からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有する混合物であり、該混合物中の1,2−ブタンジオールの含有量が60〜98重量%である混合物を原料とするポリエステルポリオール:ポリオール(A)。
(2)平均官能基数が2.0〜3.0であり、且つ、水酸基価が10〜100mgKOH/gのポリエーテルポリオール:ポリオール(B)。
(3)アルコール成分とカルボン酸成分のエステル化反応で得られるポリエステルポリオール(ただし、ポリオール(A)に該当するものを除く。)であって、カルボン酸成分としてオルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いるポリエステルポリオール:ポリオール(C)。
(4)平均官能基数が3.0〜8.0であり、且つ、水酸基価が150〜800mgKOH/gのポリエーテルポリオール:ポリオール(D)。
本発明によれば、ポリウレタンフォーム用の均一性の高いプレミックス液の提供と、このものを用いた寸法安定性に優れた硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法は、ポリオールとして以下に記載のポリオール(A)と(B)と共に、(C)及び/又は(D)を用いるものである。
(1)アルコール成分とカルボン酸成分のエステル化反応で得られるポリエステルポリオールであって、アルコール成分として1,2−BGと、1,2−HAB、1,2−AHB及び1,2−DABからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有する混合物を用いるポリエステルポリオール:ポリオール(A)。
(2)平均官能基数が2.0〜3.0であり、且つ、水酸基価が10〜100mgKOH/gのポリエーテルポリオール:ポリオール(B)。
(3)アルコール成分とカルボン酸成分のエステル化反応で得られるポリエステルポリオールであって、カルボン酸成分としてオルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いるポリエステルポリオール:ポリオール(C)。
(4)平均官能基数が3.0〜8.0であり、且つ、水酸基価が150〜800mgKOH/gのポリエーテルポリオール:ポリオール(D)。
本発明のポリオール(A)は、1,2−BGと、1,2−HAB、1,2−AHB及び1,2−DABからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有する混合物を原料とするポリエステルポリオールである。
すなわち、本発明のポリオール(A)は、1,2−BGと、1,2−HAB、1,2−AHB及び1,2−DABからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有する混合物をポリエステルポリオールの原料におけるアルコール成分とするものであり、該混合物中の1,2−BGの含有量は、通常60〜98重量%、好ましくは65〜95重量%、さらに好ましくは70〜90重量%である。1,2−BGの含有量が60重量%未満の場合、プレミックス液の均一性を向上させる効果が小さくなり、98重量%を超える場合、得られるポリエステルポリオールの粘度が上昇して取り扱いが困難になる。また、該混合物中の1,2−HAB、1,2−AHB及び1,2−DABからなる群から選ばれる少なくとも1種の成分の含有量は、通常2〜40重量%、好ましくは5〜35重量%、さらに好ましくは10〜30重量%であり、1,2−HAB、1,2−AHB及び1,2−DABの各成分の比率はこの範囲であれば特に制限はない。
このような混合物としては、主に1,3−ブタジエンと酢酸とを分子状酸素及びパラジウム系触媒の存在下にアセトキシ化反応させ、得られたジアセトキシブテン類及びモノアセトキシブテン類等の反応生成物を貴金属触媒の存在下、水素添加して、次いで得られたジアセトキシブタン類及びモノアセトキシブタン類等の反応生成物を固体酸触媒の存在下に加水分解し酢酸と水を留去した後に蒸留により分離することにより得ることができる。つまり、1,3−ブタジエンと酢酸とを反応させて1,4−ブタンジオールを製造する際に副生成物として得ることができる。この副生成物を用いる場合、1,2−BGと、1,2−HAB、1,2−AHB及び1,2−DABからなる群から選ばれる少なくとも1種以外に、酢酸、水、1,4−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールの酢酸エステル等が微量含まれていても構わない。
上記以外に併用できるアルコール成分としては、1価又は多価のアルコールが挙げられる。1価アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール、ラウリルアルコールのような脂肪族1価アルコール、ベンジルアルコール、フェノールのような芳香族1価アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、フェノキシエタノールのようにエーテル結合を含んだ1価アルコールが挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオールのような脂肪族2価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールのようなオキシアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールのようなポリオキシアルキレングリコールが挙げられる。その他、グリセリン、トリメチロールプロパンのような3価以上のアルコールを用いてもよい。これらの1価アルコールと多価アルコールはそれぞれ2種類以上を併用しても構わない。
プレミックス液の均一性を向上させるためには、これらアルコール成分のうち、1,2−BGと、1,2−HAB、1,2−AHB及び1,2−DABからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有する混合物を全アルコール成分の通常70重量%以上、好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上で用いる。
本発明のポリオール(A)の原料であるカルボン酸成分としては、酢酸、安息香酸、オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族又は脂肪族カルボン酸を用いる。これらの芳香族又は脂肪族カルボン酸はそれぞれ2種類以上を併用することができるが、得られるポリエステルポリオールの粘度を低下させる観点から、脂肪族のカルボン酸を用いることが好ましく、コハク酸及び/又はアジピン酸を用いることがさらに好ましい。
コハク酸及び/又はアジピン酸を用いる場合、その使用量は全カルボン酸成分の70重量%以上とすることが好ましく、80重量%以上とすることがさらに好ましい。
本発明のポリオール(A)の水酸基価は、通常30〜300mgKOH/g、好ましくは35〜290mgKOH/g、さらに好ましくは40〜280mgKOH/gである。水酸基価が30mgKOH/g未満の場合、粘度が上昇して取り扱いが困難になり、300mgKOH/gを超えると得られるポリウレタンフォームの脆性が悪化する可能性がある。
本発明のポリオール(A)の25℃での粘度は、通常2000mPa・s以下、好ましくは1800mPa・s以下、さらに好ましくは1600mPa・s以下である。粘度が2000mPa・sを超える場合、プレミックス液の粘度が上昇して取り扱いが困難になる。下限は特にないが、水酸基価の好ましい範囲を考慮すれば、例えば、100mPa・sである。
通常、ポリオール(A)の製造にはエステル化触媒が使用される。一般に酸触媒が使用されることが多く、ルイス酸としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート等のオルトチタン酸エステル;ジエチル錫オキシド、ジブチル錫オキシド等の錫系化合物;酸化亜鉛等の金属化合物が挙げられる。また、ルイス酸の他には、硫酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等のブレンステッド酸を使用しても構わない。これらの中では、残存触媒によるウレタン化反応への悪影響がない観点から、オルトチタン酸エステルが好ましい。
エステル化触媒の使用量は、得られるポリエステルポリオールに対する割合として、通常0.1重量%以下、好ましくは0.07重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%以下である。硬質ポリウレタンフォームの用途によっては、エステル化触媒を使用しないで反応しても構わないし、反応後に失活処理を施したり、精製等で除去してもよい。
ポリオール(A)の製造において、エステル化反応の終点は、通常、使用したカルボン酸の未反応カルボキシル基の量で決定する。プレミックス液中における酸分の存在は、アミン系触媒等との作用でウレタン化の反応性を低下させるたり、プレミックス液の保存安定性にも影響を与える場合もある。従って、未反応のカルボン酸の量、すなわち、酸価はできるだけ低い方が好ましい。ポリエステルポリオール(A)の酸価は、通常3mgKOH/g以下、好ましくは2mgKOH/g以下、さらに好ましくは1mgKOH/g以下である。下限は特にないが、反応条件や反応時間を考慮すれば、0.1mgKOH/gである。
ポリオール(A)の製造条件としては、通常公知の反応設備、反応条件を適用することができる。
本発明のポリオール(B)は、平均官能基数が2.0〜3.0であり、且つ、水酸基価が10〜100mgKOH/gのポリエーテルポリオールである。具体的には、ポリオキシアルキレングリコール、多価アルコールのアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。ポリオキシアルキレングリコールは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを単独で又は混合して開環重合することにより得られる。多価アルコールのアルキレンオキシド付加物は、トリメチロールプロパン、グリセリン等のアルコール類に上記のアルキレンオキシドを付加させることにより得られる。このようなポリオール(B)は、広く市販されており、容易に入手することができるが、グリセリンのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物を用いることが好ましい。
これらのポリオール(B)において、例えば、エチレンオキシドやプロピレンオキシドの重合物や付加物として得られるポリオール中のエチレンオキシド含有量(ポリオキシエチレン単位)は、通常70重量%以下、好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは50重量%以下であり、プロピレンオキシドの含有量(ポリオキシプロピレン単位)は、通常30重量%以上、好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上である。エチレンオキシド含有量が70重量%を超える場合、本発明のポリオール(A)を用いなくてもプレミックスの均一性が良好となる場合が多いが、寸法安定性を改良する効果が小さくなるので、プロピレンオキシドを併用することが好ましく、プロピレンオキシドのみの重合物や付加物であっても良い。
ポリオール(B)の平均官能基数は、通常2.0〜3.0であり、平均官能基数2.0又は3.0のものを単独で、あるいは、これらを混合して用いることができる。平均官能基数が2.0未満の場合は、得られる硬質ポリウレタンフォームの機械的強度、難燃性等の物性が悪くなる。平均官能基数が3.0より大きい場合は、寸法安定性を改良する効果が小さくなる。
ポリオール(B)の水酸基価は、通常10〜100mgKOH/g、好ましくは20〜90mgKOH/g、さらに好ましくは30〜80mgKOH/gである。水酸基価が10mgKOH/g未満の場合は、システム液が不均一になり易くなり、100mgKOH/gより大きい場合は、寸法安定性を改良する効果が小さくなる。尚、水酸基は1級、2級のどちらでも良いが、2級のほうが寸法安定性を改良する効果が大きくなる傾向がある。
本発明のポリオール(C)は、アルコール成分とカルボン酸成分のエステル化反応で得られるポリエステルポリオール(ただし、ポリオール(A)に該当するものを除く。)であって、カルボン酸成分としてオルトフタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いるものである。
ポリオール(C)の原料であるカルボン酸成分としては、オルトフタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることを必須とし、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸を用いることが好ましい。それら以外にも脂肪族カルボン酸及び/又は芳香族カルボン酸を併用することができ、脂肪族カルボン酸としては、酢酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられ、芳香族カルボン酸としては、安息香酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
得られるポリウレタンフォームに難燃性を付与する観点から、ポリオール(C)においては、オルトフタル酸、テレフタル酸及びイソフタル酸の群から選ばれる少なくとも1種を全カルボン酸成分の通常20重量%以上、好ましくは25重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上で用いる。また、ポリエステルポリオールの粘度を低下させることと、ポリウレタンフォームの脆性を改善させる観点より、さらに脂肪族のカルボン酸を併用することが好ましく、コハク酸及び/又はアジピン酸を併用することがさらに好ましい。
ポリオール(C)の原料であるアルコール成分としては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオールのような脂肪族2価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールのようなオキシアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールのようなポリオキシアルキレングリコールが挙げられる。その他、グリセリン、トリメチロールプロパンのような3価以上のアルコールを用いても良く、2種類以上を併用しても構わない。これらの中で、オキシアルキレングリコール又はポリオキシアルキレングリコールが好ましく、数平均分子量100〜1000のオキシアルキレングリコール又は数平均分子量100〜1000のポリオキシアルキレングリコールを用いることがさらに好ましい。
ポリオール(C)の水酸基価は、通常50〜300mgKOH/g、好ましくは60〜290mgKOH/g、さらに好ましくは70〜280mgKOH/gである。水酸基価が50mgKOH/g未満の場合、粘度が上昇して取り扱いが困難になり、300mgKOH/gを超える場合はポリウレタンフォームの脆性が悪化するために好ましくない。
本発明のポリオール(C)の25℃での粘度は、通常2000mPa・s以下、好ましくは1800mPa・s以下、さらに好ましくは1600mPa・s以下である。粘度が2000mPa・sを超える場合、プレミックス液の粘度が上昇して取り扱いが困難になる。下限は特にないが、水酸基価の好ましい範囲を考慮すれば、100mPa・sである。このようなポリオール(C)は、広く市販されており、容易に入手することができるが、特に好ましいのは、水酸基価が50〜300mgKOH/gであり、且つ、25℃での粘度が500〜2000mPa・sのポリエステルポリオールである。
本発明のポリオール(D)は、平均官能基数が3.0〜8.0であり、且つ、水酸基価が150〜800mgKOH/gのポリエーテルポリオールである。具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシドのようなアルキレンオキシドやテトラヒドロフラン等の単独又は併用による重合物;ショ糖、ソルビトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセリン等のアルコール類と、上記アルキレンオキシドの付加物、エチレンジアミンのような脂肪族アミン、トルエンジアミンのような芳香族アミンと上記アルキレンオキシドの付加物が挙げられる。この他、マンニッヒ変性ポリオール、ポリマーポリオール等が挙げられる。これらのポリオール(D)は、広く市販されており、容易に入手することができる。
上記の各ポリオール(A)〜(D)の機能は次のとおりである。即ち、ポリエーテルポリオール(B)は、ポリエステルポリオール(C)やポリエーテルポリオール(D)及び発泡剤としての水等に対して相溶性が悪く、混合してプレミックス液とした際に不均一となって白濁や分離が生じる。一方、ポリエステルポリオール(A)は、上記の(B)、(C)、(D)のいずれに対しても相溶性を示し、プレミックス液の均一性を向上させる機能を有する。換言すれば、一般に使用されるポリエステルポリオール(C)及び/又はポリエーテルポリオール(D)に対し、ポリエーテルポリオール(B)はいわゆる気泡連通化剤として機能し、ポリエステルポリオール(A)はそれらの相溶化剤として作用する。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法は、ポリオールとして、ポリオール(A)とポリオール(B)を用い、さらにポリオール(C)とポリオール(D)のいずれか又はこの両方を用いるものである。ここで、全ポリオール中のポリオール(A)及びポリオール(B)の使用量は、各々通常1〜30重量%、好ましくは2〜27重量%、さらに好ましくは3〜25重量%である。ポリオール(A)の含有量が1重量%未満の場合は、システム液を均一化する効果が得られず、30重量%を超えても効果が頭打ちとなる。ポリオール(B)の含有量が1重量%未満の場合は、寸法安定性が悪化し、30重量%を超えるとプレミックス液が不均一になり易い。
ポリオール(C)及び/又はポリオール(D)の割合は、ポリオール(A)及びポリオール(B)の含有量によって決定される。ポリウレタンフォームに難燃性を付与させることを意図する場合、全ポリオール中のポリオール(C)の含有量は、通常10〜70重量%、好ましくは15〜65重量%、さらに好ましくは20〜60重量%である。上記のポリオール(C)の含有量が10重量%未満の場合は難燃性向上の効果が認められず、70重量%を超える場合は接着性を悪化させる場合がある。 ポリオール(D)の使用量に制限は特になく、ポリオール(A)と(B)又はポリオール(A)と(B)と(C)の使用量の残余とすることができる。
また、上記のポリオール(A)〜(D)の他、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;1分子中に活性水素を2個以上有する化合物なども併用することができる。
発泡剤としては、オゾン破壊係数が0の発泡剤、例えば、水、HFC−245fa、HFC−365mfc等のHFC系発泡剤、ペンタン、シクロペンタン等のHC系発泡剤、HFO−1234ze、HFO−1234yf、等のHFO系発泡剤が挙げられる。水はポリイソシアネートとの反応で炭酸ガスを発生させることで発泡剤として作用する。環境への配慮から、これら発泡剤のうち水のみを使用することが好ましい。発泡剤の配合量は目的とするポリウレタンフォームの密度により適宜選択されるが、水のみを用いる場合であれば、ポリオール100重量部に対して通常1〜25重量部、好ましくは2〜23重量部、さらに好ましくは3〜20重量部である。1重量部未満の場合、得られるポリウレタンフォームの密度が高くなりすぎて実用的でなく、25重量部を超える場合は寸法安定性等の物性が悪化する。
触媒としては、通常のポリウレタンフォームの製造に使用される公知の触媒が使用できる。例えば、トリエチレンジアミン、N,N−テトラメチルヘキサンジアミン等のアミン系触媒の他に、四級アンモニウム塩系、オクチル酸カリウム等のカリウム系、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫等の錫系、オクチル酸鉛等の鉛系等の金属系触媒等が挙げられる。触媒の配合量は、目的とするポリウレタンフォームの反応性や物性により適宜選択されるが、泡化触媒、樹脂化触媒、バランス型触媒、三量化触媒等を組み合わせるのが一般的である。
本発明で使用する界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の何れであってもよいが、ノニオン系界面活性剤が好ましく、特にシリコーン系界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤の使用量は、ポリオール100重量部に対して0.5〜10重量部であり、また、2種以上の界面活性剤を使用してもよい。
その他の助剤としては、用途に応じて様々な化合物を、添加剤、助剤として使用することができる。例えば、代表的な添加剤として難燃剤や減粘剤が挙げられる。例えば、難燃剤としては、通常、クロロアルキルホスフェート類、例えば、トリス(ベータクロロエチル)ホスフェート、トリス(ベータクロロプロピル)ホスフェート等が使用され、減粘剤としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、テトラグライム等が使用される。上記以外の添加剤や助剤については、特に限定されるものではなく、通常の樹脂において物性向上や操作性向上等の目的で使用されるものであれば、著しい悪影響を及ぼすものでない限りにおいて使用することができる。
ポリイソシアネートとしては、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、脂肪族系、脂環族系、芳香族系ポリイソシアネート又はこれらの変性物が挙げられる。具体的には、脂肪族系および脂環族系ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。芳香族系ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート等が挙げられ、さらに、これらのカルボジイミド変性物やプレポリマー等の変性物も使用できる。
本発明における好ましいポリイソシアネートは、芳香族ポリイソシアネート又はその変性物であり、特に好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート及びこれらの変性物である。これらは、2種以上を併用してもよい。ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートとしては、イソシアネート基含有率が通常25〜35重量%、粘度が通常500mPa・s(25℃)以下のものが好適に使用される。また、これらの変性物のうち、カルボジイミド変性物は、公知のリン系触媒等を使用してカルボジイミド結合を導入したものである。プレポリマーは、上記のポリイソシアネートとポリオールとを反応させ、末端にイソシアネート基を残したものである。その際、使用するポリオール成分は、ポリウレタンを製造する際に使用するポリオール成分が使用できる。
実用的には、ポリイソシアネート液として、これらのポリイソシアネートの他に、用途に応じて、添加剤や助剤をポリイソシアネートに混合して使用してもよい。例えば、前述のポリウレタンフォーム用組成物との混合性を向上させる目的で、ポリウレタンフォーム用組成物でも使用される界面活性剤を相溶化剤として併用する場合がある。この場合は、ノニオン系界面活性剤が好ましく、特にシリコーン系界面活性剤が好ましい。また、難燃性の向上や粘度の調整を目的として、難燃剤を併用する場合がある。通常、クロロアルキルホスフェート類、例えば、トリス(ベータクロロエチル)ホスフェートやトリス(ベータクロロプロピル)ホスフェート等が使用される。上記以外の添加剤や助剤については、特に限定されるものではなく、通常の樹脂において物性向上や操作性向上等の目的で使用され、著しい悪影響を及ぼすものでなければ何を使用しても構わない。
本発明におけるイソシアネートインデックスは、〔(全イソシアネート基のモル数)/(全活性水素基のモル数)×100〕であり、通常50〜200、好ましくは60〜190、さらに好ましくは70〜180である。イソシアネートインデックスが50未満の場合は、得られたポリウレタンフォームが十分な強度を有しないことがあり200を超える場合は、得られるポリウレタンフォームの脆性が高くなり、接着強度が低下する傾向にある。
本発明で得られるポリウレタンフォームの密度は、フリーフォームのコア密度で表し、10〜50kg/m3、好ましくは15〜45kg/m3、さらに好ましくは20〜40kg/m3である。密度が10kg/m3未満の場合、得られる硬質ポリウレタンフォームが十分な難燃性や機械強度を持たず、50kg/m3を超える場合はコスト高となる。
本発明におけるポリウレタンフォームの独立気泡率は70%以下である。通常、独立気泡率を低下、即ち、気泡を連続化させるには気泡連通化剤が必要である。本発明においては、ポリオール(A)とポリオール(B)との組み合わせにより、気泡を一部又は全部連続化させることができる。本発明におけるポリウレタンフォームの好ましい独立気泡率は65%以下であり、更に好ましくは60%以下である。独立気泡率が70%を超える場合は寸法安定性が悪化傾向となる。独立気泡率の下限は、特に限定されず、気泡の全てが連続化した状態、すなわち、独立気泡率が0%でも構わないが、機械強度が低下傾向となるため、例えば、20%以上に留めるのが良い。
ポリウレタンフォームの製造方法は、ポリイソシアネート、ポリオール、発泡剤、触媒、界面活性剤、その他助剤及びポリイソシアネートを混合して発泡硬化させるというものであるが、実用的には、ポリイソシアネートをA液、ポリオールをB液(プレミックス液)として、水、触媒、界面活性剤及びその他助剤等は、予め、B液に適宜混合させ、後述する装置を使用して2液を混合し、発泡、硬化させるという方法である。尚、発泡剤、触媒、界面活性剤は、B液に混合するのが好ましいが、場合によってはA液に混合させたり、それぞれの成分をウレタン化反応の直前まで混合せずに3種類以上の原料液として取り扱う場合もある。
ポリウレタンフォームを製造するにあたっては、A液とB液を均一に混合可能であれば如何なる装置でも使用することができる。例えば、小型ミキサーの他、一般のウレタンフォームを製造する際に使用する注入発泡用の低圧または高圧発泡機、スラブ発泡用の低圧または高圧発泡機、連続ライン用の低圧または高圧発泡機、吹き付け工事用のスプレー発泡機等を使用することができる。尚、ポリウレタンフォームを製造するに際し、A液およびB液のそれぞれの液温は、通常20〜60℃に調節される。
本発明で得られるポリウレタンフォームには、必要に応じてその片面もしくは両面に適当な面材を設けることができる。面材としては、例えば、紙、木材、石膏ボード、樹脂、アルミニウム箔、鋼板等が使用される。
以下、実施例により本発明の具体的態様をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
<ポリオール(A)の合成>
実施例及び比較例で使用するポリオール(A)及び参照例のポリオールを公知の方法により合成し、それぞれポリオール1、2及びポリオール3、4の原料組成、酸価、水酸基価、粘度(25℃)を表1に示した。
<分析方法>
(1)酸価:
JIS K15571970に準拠して測定した。
(2)水酸基価:
JIS K15571970に準拠して測定した。
(3)粘度:
JIS K15571970に準拠して回転粘度計(B型粘度計)を用い、25℃で測定した。
(4)水分:
JIS K15571970に準拠して測定した。
ポリオール(A)の原料となる、1,2−ブタンジオールと、1−ヒドロキシ−2−アセトキシブタン、1−アセトキシ−2−ヒドロキシブタン及び1,2−ジアセトキシブタンからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有する混合物は、三菱化学株式会社製のクルード1,2−ブタンジオール(以下、C12BGと略記)を用い、分析表に記載のそれぞれの含有量を表2に示した。
Figure 0005709045
<原料の略称>
ADA : アジピン酸(和光純薬工業株式会社製 試薬特級)
C12BG : 上記に記載の混合物
12BG : 1,2−ブタンジオール(和光純薬工業株式会社製 試薬特級)
Figure 0005709045
表4に示す原料と配合によりプレミックス液を調製した。また、そのときのプレミックス液の均一性を目視観察し、次の基準で評価した。「○」:均一、「×」:白濁もしくは分離。尚、表4の配合例において、原料は表5に示すものを使用した。
表3に示す発泡条件で、ポリイソシアネート液と表4に記載のプレミックス液を混合した後、注入ボックスに流し込んでフリー発泡させ、ポリウレタンフォームを作成した。尚、ポリイソシアネート液は表5に記載のものを使用した。
Figure 0005709045
得られたポリウレタンフォームの評価は下記の方法で行い、結果を表4に併せて示した。
(1)反応性:
CT(クリームタイム):ポリイソシアネート液とプレミックス液を混合後、発泡高さ1%に達するまでの時間を測定した。
GT(ゲルタイム):ポリイソシアネートとプレミックス液を混合後、触針にて糸を引き始めるまでの時間を測定した。
RT(ライズタイム):ポリイソシアネートとプレミックス液を混合後、発泡高さ95%に達するまでの時間を測定した。
(2)コア密度:
JIS A9511(2003)に準拠して測定した。
(3)圧縮強度:
JIS A9511(2003)に準拠し、平行方向(表3中「//」の記号で表記)及び垂直方向(表3中「⊥」の記号で表記)について測定した。尚、平行方向とは、上部開放の注入ボックスによるフリー発泡における発泡方向に対して平行方向(即ち、縦方向)を意味し、垂直方向とは、発泡方向に対して垂直方向(即ち、横方向)を意味する(以下、同じ)。
(4)独立気泡率:
ASTM D 2856に準拠して測定した。
(5)寸法安定性:
コア密度を測定したサンプルの−20℃における24時間後の寸法変化率(平行方向、垂直方向)を測定し、以下の基準で評価した。
◎ : 平行、垂直ともに−1%未満
○ : 平行、垂直ともに−1%以上、−3%未満
× : 平行、垂直いずれかが−3%以上
(6)接着性:
クラフト紙面材を使用してフリーフォームを作成し、中央部を5x10x3cmに切り出して試験片を作成し、クラフト紙面材の長さ方向端部を一部引き剥がした後に引張試験機で厚み方向に引っ張り、その剥離強度(N/5cm)を測定し、以下の基準で評価した。
◎ : 13N/5cm以上
○ : 10N/5cm以上、13N/5cm未満
× : 10N/5cm未満
(7)脆性:
硬質ポリウレタンフォームの表面と底部を触診により定性観察し、以下の基準で評価した。
◎ : 全く脆さがない。
○ : 殆ど脆さがない。
× : 若干の脆さがある。
Figure 0005709045
Figure 0005709045
本発明のポリオール(A)の相溶化剤としての効果について、これまでのポリオール(特許文献3、4に記載)と比較した。
<比較対象となるポリオールの合成>
特許文献3に記載されたポリオール2及び特許文献4に記載されたポリオール1と同様にしてポリオールを合成し、ポリオール−9、10として原料組成、酸価、水酸基価、粘度(25℃)を表6に示した。
Figure 0005709045
<原料の略称>
SCA : コハク酸(和光純薬工業株式会社製 試薬特級)
DPG : ジプロピレングリコール(和光純薬株式会社性 試薬特級)
HPG : ヘビープロピレングリコール(Shell Eastern Petroleum社製)
HPGの組成:ジプロピレングリコール 30mol%
トリプロピレングリコール 66mol%
テトラプロピレングリコール 4mol%
相溶化剤として作用するポリオール(A)に相当する成分を除いたプレミックス液として、表7に示す原料と配合によりプレミックス液−1、2を調製した。そこに相溶化剤として先に合成したポリオール−1、2及びポリオール−9、10を添加し、そのときのプレミックスの均一性を目視観察して次の基準で評価した。「○」:均一、「×」:白濁もしくは分離。尚、表7の配合例において、原料は表5及び表8に示すものを使用し、結果は表9、10に示した。
Figure 0005709045
Figure 0005709045
Figure 0005709045
Figure 0005709045
以上の結果より、主に次のことが明らかである。
(1)合成例1、2と合成例3(参照)との比較結果:
1,2−BGと、1,2−HAB、1,2−AHB、1,2−DABからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有する混合物を使用した合成例1、2のポリオールは低粘度であるのに対し、1,2−BGのみを使用した合成例3(参照)のポリオールは非常に粘度が高く、取り扱いが困難である。
(2)実施例1〜3と、比較例1〜3との比較結果:
本発明のポリオール(A)及びポリオール(B)を組み合わせた実施例1〜3では、プレミックス液の均一性、ポリウレタンフォームの寸法安定性ともに良好であるのに対し、本発明のポリオール(A)及びポリオール(B)のいずれかが欠けている比較例1〜3の場合、プレミックス液の均一性、あるいはポリウレタンフォームの寸法安定性が不良となる。
(3)実施例4〜7と比較例4〜7の比較結果:
本発明のポリオール(A)を相溶化剤として用いた場合、特許文献3、4に記載されたものと同様のポリオール−9、10(合成例5、6)を用いた場合に比べ、少ない添加量でプレミックス液を均一にすることができる。

Claims (8)

  1. 少なくとも、ポリイソシアネート、ポリオール、発泡剤、触媒、界面活性剤を原料とするポリウレタンフォームの製造方法において、ポリオールとして以下に記載のポリオール(A)と(B)と共に、(C)及び/又は(D)を用い、全ポリオール中の(A)及び(B)の割合がそれぞれ1〜30重量%であることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。
    (1)アルコール成分とカルボン酸成分のエステル化反応で得られるポリエステルポリオールであって、アルコール成分として1,2−ブタンジオールと、1−ヒドロキシ−2−アセトキシブタン、1−アセトキシ−2−ヒドロキシブタン及び1,2−ジアセトキシブタンからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有する混合物であり、該混合物中の1,2−ブタンジオールの含有量が60〜98重量%である混合物を原料とするポリエステルポリオール:ポリオール(A)。
    (2)平均官能基数が2.0〜3.0であり、且つ、水酸基価が10〜100mgKOH/gのポリエーテルポリオール:ポリオール(B)。
    (3)アルコール成分とカルボン酸成分のエステル化反応で得られるポリエステルポリオール(ただし、ポリオール(A)に該当するものを除く。)であって、カルボン酸成分としてオルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いるポリエステルポリオール:ポリオール(C)。
    (4)平均官能基数が3.0〜8.0であり、且つ、水酸基価が150〜800mgKOH/gのポリエーテルポリオール:ポリオール(D)。
  2. ポリオール(B)が、エチレンオキシド含有量70重量%以下のポリエーテルポリオールであることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
  3. ポリオール(C)の原料であるアルコール成分が、分子量100〜1000のオキシアルキレングリコール及び/又は数平均分子量100〜1000のポリオキシアルキレングリコールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
  4. ポリオール(A)の水酸基価が30〜300であり、且つ、25℃での粘度が2000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のポリウレタンフォームの製造方法。
  5. ポリオール(A)の原料であるカルボン酸成分としてコハク酸及び/又はアジピン酸を用いることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のポリウレタンフォームの製造方法。
  6. 発泡剤として水のみを用い、その使用量がポリオール100重量部に対して1〜25重量部であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のポリウレタンフォームの製造方法。
  7. イソシアネートインデックスが50〜200であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のポリウレタンフォームの製造方法。
  8. 得られるポリウレタンフォームの独立気泡率が70%以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のポリウレタンフォームの製造方法。
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