JP5706973B2 - エチレン性不飽和モノマの重合阻害方法、および、多成分重合阻害組成物 - Google Patents

エチレン性不飽和モノマの重合阻害方法、および、多成分重合阻害組成物 Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
なし
(連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載)
該当しない
本発明は、エチレン性不飽和モノマの不要な重合反応を阻害するための対象組成物(composition of matter)、及びそのためにこれらの組成物を用いる方法に関する。重合阻害剤は、エチレン性不飽和モノマの製造及び使用における化学プロセスの様々な段階で処理されるエチレン性不飽和モノマの不要な重合を阻止又は低減する上で有用であることがわかっている。特に、本発明は、エチレン性不飽和モノマを処理する際の不要な重合を阻害する上での、阻害剤及び遅延剤の組成物並びにそれらの使用を説明する。
不要な重合反応を阻止するために2つのカテゴリの化合物、すなわち阻害剤及び遅延剤が開発されている。阻害剤は、重合反応が起こるのを防止する。しかし、阻害剤は、急速に消費される。機械的若しくは別の理由で、それ以上阻害剤を添加することができない非常事態では、すでに添加した阻害剤が急速に消費されて、不要な重合反応が繰り返される。遅延剤は、重合反応の速度を遅くするが、阻害剤ほど有効ではない。しかし、遅延剤は、それほど急激に消費されないため、非常時には信頼性が高くなる。
エチレン性不飽和モノマは、その性質のために反応性であり、ラジカル重合反応作用機序によって重合しやすい。不要な重合反応は、多くの場合、エチレン性不飽和モノマの処理中に操作上の懸念又は問題をもたらす。というのは、ポリマ形成は、操作装置の汚損の原因となり、運転停止の可能性を招きうるからである。これは、モノマの製造、輸送及び貯蔵に同様に起こりうる。エチレン性不飽和モノマの製造及び回収に蒸留操作が含まれる場合、高い操作温度がモノマの重合反応を加速するため、特に深刻な操作上の問題となる。エチレン性不飽和モノマの処理を説明する一例として、アクリロニトリルを用いるが、以下に記載する製造方法に限定されるわけではない。
アクリロニトリルの製造は、典型的には、3つの段階:反応、回収、及び精製段階を含む。反応段階では、プロピレン、酸素又は空気及びアンモニアが流動層触媒反応装置に供給される。反応装置内で、プロピレンは、触媒アンモ酸化反応に付されて、高温でのアンモニア及び酸素との反応によりアクリロニトリルを形成する。次いで、得られたアクリロニトリルを含む反応装置流出液を水性クエンチカラム内で冷却する。クエンチカラム内で、非反応アンモニアは、硫酸と中和させることにより、硫酸アンモニアとして除去する。回収段階では、クエンチカラム塔頂アクリロニトリル含有流出液を吸収カラム内で水吸収工程に付すことにより、アクリロニトリルを捕捉すると共に、プロセス流中の揮発物を廃棄する。次に、流出液は、回収カラムに進み、ここで、シアン化水素及び水を含む共沸蒸留物として回収カラムの塔頂からアクリロニトリルを回収する。続いて、この塔頂留出物は精製段階へと進む。
精製段階では、3種類の装置があり、これらは、通常、以下の順序で用いられている。第1に、ヘッズカラム(Heads Column)を用いて、フィードからシアン化水素を回収する。第2に、乾燥カラムでアクリロニトリルを脱水する。第3に、製品カラムから、アクリロニトリル製品を取得する。ヘッズカラム内で、シアン化水素は、従来の蒸留操作によって塔頂留出物として分離する。ヘッズカラムの残液は、水除去のためのデカンタに送られる。このデカンタの有機相は、乾燥カラムに送られて、共沸蒸留操作によるさらなる脱水に付される。乾燥カラム塔頂留出物は、ヘッズカラムに戻って再循環され、乾燥カラムの残液は、製品カラムに送られる。製品カラム内で、重い不純物及び軽い不純物が除去されて、商業グレードのアクリロニトリルが製品として得られる。典型的蒸留操作と同様に、ヘッズ、乾燥及び製品カラム操作には、加熱及び高温が伴う。
エチレン性不飽和モノマの1つとして、アクリロニトリルは、高温で重合しやすく、また重合反応の程度も増す。アクリロニトリルの重合は、生成するポリマがプロセス流から沈降し、処理装置の表面に付着して、装置の操作を妨害するため、アクリロニトリルの製造において不要である。アクリロニトリル重合に関する汚損は、アクリロニトリルの製造及び処理に際し、往々にして操作上の懸念事項であり、アクリロニトリル製造における回収及び精製段階で特に深刻な問題である。重合が引き起こす処理装置の汚損を軽減する、又は輸送及び貯蔵中のアクリロニトリルを安定化させるために、アクリロニトリルの製造業者は重合阻害剤を日常的に用いなければならない。こうした重合に取り組むために、ニトロキシド安定フリーラジカル及びハイドロキノン(HQ)が用いられてきた。
HQ自体は、不要な重合に関して最適とは言えない溶液である。重合阻害剤としては、HQは、これらの重合反応を阻害するのに、部分的にしか有効ではない。さらに、HQは、環境負荷を有する有毒な化学物質である。
ニトロキシド安定フリーラジカル、ニトロキシドヒドロキシルアミン、N,N’−ジアルキル/アリール置換ヒドロキシルアミン、フェノール系酸化防止剤、フェニレンジアミン及びフェノチアジンは、エチレン性不飽和モノマの不要な重合の防止における公知の試薬である。エチレン性不飽和モノマの重合阻害剤としてのニトロキシド安定ラジカルの使用は、例えば、米国特許第3,744,988号明細書に記載されており、この文献では、アクリロニトリルの製造における不要な重合及びそれに起因する汚損の阻害における、ニトロキシド、例えば、HTMPOの使用について述べられている。米国特許第4,670,131号明細書には、オレフィン化合物の重合を阻害するための、安定フリーラジカル、例えば、ニトロキシドの使用が開示されている。
ニトロキシドは、その優れた阻害能力のために最も有効な阻害剤として一般に知られている。速度論的には、ニトロキシドは、炭素中心フリーラジカルをほぼ拡散制御速度で捕捉することができ、その速度は、フェノール系化合物より数桁大きい。しかし、それらの速度論的優越性は、特定の状況下で常に有利であるとは限らない。その課題の1つは、阻害剤としての消費の速さである。別の課題は、非阻害による消費、並びにプロセス流成分若しくは他の阻害剤添加剤とのその不要な反応である。その結果、所定の阻害効果を得るのに高いニトロキシド阻害剤用量が必要となり、そのため、その使用は経済的に魅力のないものとなり、実現不可能にすらなってしまう。さらに不都合なことに、ニトロキシドは、他の阻害剤を妨害するため、拮抗作用が生じ、阻害剤として全く役に立たなくなる。
米国特許第5,290,888号明細書には、エチレン性不飽和モノマ又は早期重合からのオリゴマを安定化させるための、N−ヒドロキシ置換束縛アミン、例えば、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペラジンの使用が開示されている。N−ヒドロキシ置換束縛アミンは、通常、還元試薬で、対応するニトロキシド安定フリーラジカルを還元することによって調製される。N−ヒドロキシ置換束縛アミンは、化合物中の弱いNO−H結合のために、優れた水素供与体であり、従って、効率的な酸化防止剤である。酸化防止剤として、これらは、過酸化物ラジカルと容易に反応して、対応するニトロキシドに変換される。実際には、ペルオキシルラジカルと炭素中心ラジカルが共存すると、各N−ヒドロキシ置換束縛アミンは、1つの水素供与体と1つのニトロキシド阻害剤に相当するが、これは、N−ヒドロキシ置換束縛アミンによって提供される魅力的なインセンティブである。しかし、N−ヒドロキシ置換束縛アミンは、大気のような酸素含有環境にさらされると、容易にかつ徐々に酸化されて、その対応するニトロキシドに戻るため、安定していない。
ニトロキシド阻害剤を改善しようとする試みの1つは、他の添加剤との併用によってなされてきた。これらの併用が有効であれば、一般に、炭素中心ラジカルを捕捉するニトロキシドの高速度と、炭素中心ラジカル及び/又はペルオキシルラジカルをクエンチングする他の阻害剤又は遅延剤の持続的作用との組合せに起因するものである。中国特許出願第86−1−03840号明細書には、メタクリル酸及びイソ酪酸並びにそのエステルの早期重合を阻害するのに、HTMPO及びMEHQの併用が開示されているが、これには、酸素の存在が必要である。米国特許第5,728,872号明細書には、蒸留工程中のアクリル酸の早期重合を阻害するのに、酸素の存在を伴い又は伴わずに、ニトロキシド安定フリーラジカル(例えば、HTMPO)と、少なくとも1個の移行性水素を含むジヘテロ置換ベンゼン(例えば、MEHQ)の併用が開示されている。米国特許第5,955,643号明細書には、スチレンなどのビニル芳香族モノマの早期重合を阻害するためのニトロキシドとフェニレンジアミンの併用が述べられている。米国特許第6,337,426号明細書には、ブタジエンのような反応性軽オレフィンの早期重合を阻害するためのフェニレンジアミンとニトロキシドの併用が述べられている。米国特許第6,447,649号明細書には、加工及び貯蔵の両方の条件下で、ビニルモノマの早期重合を阻害するためのニトロキシドと脂肪族アミンの併用が教示されている。脂肪族アミンの例としては、エチレンジアミン、ブタン−1,4−ジアミン及びプロピルアミンがある。
公開PCT出願国際公開第1998014416A1号パンフレットには、スチレンなどのビニル芳香族モノマの早期重合を阻害するための、ニトロキシドとオキシム化合物との併用が教示されている。米国特許第6,525,146号明細書には、ブタジエンなどのジエン化合物の早期重合を阻害するための、束縛若しくは非束縛フェノールと、ニトロキシド、ヒドロキシルアミン、又は第2の異なる束縛若しくは非束縛フェノールから選択される別の成分との併用が教示されている。米国特許出願公開第2004/0132930号明細書には、塩化ビニル(又は別のビニルモノマと混合した)水性懸濁液重合における連鎖停止剤として、ニトロキシドとジアルキルヒドロキシルアミンとの併用が記載されている。米国特許第5,322,960号明細書には、(メタ)アクリル酸及びそれらのエステルの早期重合の阻害における、ニトロキシド、フェノール及びフェノチアジン化合物の併用が開示されている。米国特許第6,300,513号明細書には、ビニル化合物の輸送及び貯蔵中にこれらビニル化合物を安定させるための、N−オキシル化合物、N−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、及び2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの併用が開示されている。N−オキシル化合物は、ビニル化合物の有効な安定剤であるが、これらはビニル化合物中で、時間の経過と共に消失する。ビニル化合物中にこれら3つがすべて共存すれば、ビニル化合物中の時間経過によるN−オキシル化合物の消失が有意に低減される。その結果、従来の技術では、場合によってはニトロキシドを他の阻害剤又は遅延剤と併用することができると教示しているが、これらの併用は、適合性及び貯蔵の問題を有し、限定的な数の環境条件でしか有用ではない。
米国特許第3,744,988号明細書 米国特許第4,670,131号明細書 米国特許第5,290,888号明細書 中国特許出願第86−1−03840号明細書 米国特許第5,728,872号明細書 米国特許第5,955,643号明細書 米国特許第6,337,426号明細書 米国特許第6,447,649号明細書 国際公開第1998/014416号パンフレット 米国特許第6,525,146号明細書 米国特許出願公開第2004/0132930号明細書 米国特許第5,322,960号明細書 米国特許第6,300,513号明細書
少なくとも以上の理由から、不要な重合を阻害するために、ニトロキシドと他の重合阻害試薬を用いる別の有効な方法及び組成物に明らかな有用性と新規性が存在する。本項に記載した技術は、そのように明示されていない限り、本明細書で参照するあらゆる特許、刊行物若しくはその他の情報が本発明に対して「従来技術」であるという承認を構成する意図はない。さらに、調査がなされた、又は37C.F.R.セクション1.56(a)に定義されているような他の関連情報が一切存在しないことを意味すると本項を解釈すべきではない。本願によって引用されるあらゆる特許、特許出願、及びその他の参照文献は、その全文を参照として本明細書に組み込むものとする。
本発明の少なくとも1つの実施形態は、重合しやすいエチレン性不飽和モノマの不要な重合を阻害する方法に関する。この方法は、以下:a)溶媒を含むニトロキシド安定フリーラジカル溶液を用意するステップ、b)この溶液に、ニトロキシドをニトロキシドヒドロキシルアミンに還元するのに十分な量のジアルキル/アリールヒドロキシルアミンを添加するステップ、c)この溶液に、重合防止成分を添加することにより、阻害組成物を形成するステップ、及びd)この組成物を、エチレン性不飽和モノマを含有する液体に添加するステップを含む。重合防止成分は、フェノール系酸化防止剤、フェニレンジアミン誘導体、フェノチアジン誘導体、及びこれらのいずれかの組合せからなる群から選択される1つである。重合防止成分は、エチレン性不飽和モノマを標的とする。重合防止成分は、ニトロキシドのニトロキシドヒドロキシルアミンへの変換がなければ、ニトロキシド安定フリーラジカルと反応する単位品である。
ニトロキシド安定フリーラジカルは、TMPOの誘導体であってよい。ジアルキル/アリールヒドロキシルアミンは、ジアルキルヒドロキシルアミンであっても、DEHAであってもよい。フェノール系酸化防止剤は、HQであってよい。酸化防止剤がニトロキシドと反応してしまった場合には、酸化防止剤又はニトロキシドの少なくとも1つが、それらがそのように反応しなかった場合と比較して低い阻害能力を有していた可能性がある。フェノール系酸化防止剤は、MEHQ、BHT、TBC及びこれらのいずれかの組合せからなる群から選択される1つであってよい。フェニレンジアミン誘導体は、フェニレンジアミン、N−置換フェニレンジアミン、及びN,N’−置換フェニレンジアミンからなる群から選択される1つであってよい。フェノチアジン誘導体は、フェノチアジン及び置換フェノチアジンから選択してよい。ニトロキシド安定フリーラジカルは、HTMPOであってもよく、ジアルキル/アリールヒドロキシルアミンは、DEHAであってもよく、またフェノール系酸化防止剤はHQであってもよい。エチレン性不飽和モノマは、以下の群から選択してよい。アクリロニトリル、(メタ)アクロレイン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、例えば、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル及びメタクリル酸メチル、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン、ブタジエン、イソプレン、酢酸ビニル、ビニルアルコール、及びこれらのいずれかの組合せである。
本発明の少なくとも1つの実施形態は、重合しやすいエチレン性不飽和モノマの不要な重合を阻害する組成物に関する。この組成物は、以下:a)溶媒を含むニトロキシド安定フリーラジカル溶液を用意するステップ、b)この溶液に、十分な量のジアルキル/アリールヒドロキシルアミンを添加することにより、ニトロキシドをニトロキシドヒドロキシルアミンに還元するステップ、c)この溶液に、重合防止成分を添加することにより、阻害組成物を形成するステップによって製造される。重合防止成分は、フェノール系酸化防止剤、フェニレンジアミン誘導体、フェノチアジン誘導体、及びこれらのいずれかの組合せからなる群から選択される1つである。重合防止成分は、エチレン性不飽和モノマを標的とする。重合防止成分は、ニトロキシドのニトロキシドヒドロキシルアミンへの変換がなければ、ニトロキシド安定フリーラジカルと反応する単位品である。
純粋アクリロニトリルの重合を阻害する場合の、本発明の効果を示すグラフである。 水、酢酸及び空気の存在下でアクリロニトリルの重合を阻害する場合の、本発明の効果を示すグラフである。
以下の定義は、本願において用いられる用語、特に、請求項をどのように解釈すべきかを規定するために記載される。これらの定義の構成は、便宜上のものに過ぎず、これら定義のどれかを特定のカテゴリに限定する意図はない。
「アクリル酸エステル」は、(メタ)アクリル酸のエステル化生成物を意味する。
「BHT」は、ブチル化ヒドロキシトルエンを意味する。
「DEHA」は、ジエチルヒドロキシルアミンを意味する。
「HQ」は、ハイドロキノンを意味する。
「HTMPO」は、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルを意味する。
「誘導時間」は、理想的な密閉系において、対象組成物が、所定の反応中に特定のポリマの形成を完全に阻止する時間の長さを意味する。
「阻害剤」は、誘導時間の間、特定のポリマの形成を阻害する対象組成物を意味するが、誘導時間が経過すると、対象組成物の非存在下で形成されるのとほぼ同じ速度で特定のポリマの形成が起こる。
「MEHQ」は、4−メトキシフェノールを意味する。
「(メタ)アクロレイン」は、アクロレイン及びメタクロレインの両方を意味する。
「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を意味する。
「PDA」は、フェニレンジアミンを意味する。
「PTZ」は、フェノチアジンを意味する。
「遅延剤」は、誘導時間はないが、その代わりに、所定の反応物に添加されると、対象組成物の非存在下で特定のポリマが形成される速度と比較して、そのポリマの形成が起こる速度を低下させる対象組成物を意味する。
「TBC」は、4−tert−ブチルカテコールを意味する。
「TMPO」は、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルを意味する。
前述の定義又は本願の他所で述べられる説明が、一般に用いられる意味、辞書に記載されている意味、又は本願に参照として組み込まれる情報源に記載されている意味(明示的若しくは暗示的)と一致しない場合には、本願又は特に請求項の用語は、一般的定義、辞書に記載の定義、若しくは参照として組み込まれる定義ではなく、本願に記載される定義又は説明に従って解釈されるものと理解されたい。この点から、ある用語が、辞書によって解釈されるしか理解することができない場合、その用語が、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,5th Edition,(2005)(Wiley,John & Sons,Inc.により出版)によって定義されていれば、この定義が、上記の用語を請求の範囲においてどのように定義すべきかを決定しうる。
少なくとも1つの実施形態では、エチレン性不飽和モノマの不要な重合反応は、有効量の阻害組成物の存在により、エチレン性不飽和モノマを処理する段階で阻止される。この組成物は、以下:
1)ニトロキシド安定フリーラジカル溶液;
2)ニトロキシドの事実上全部をニトロキシドヒドロキシルアミンに変換するのに十分な量のジアルキル/アリールヒドロキシルアミン;及び
3)エチレン性不飽和モノマを標的とする、フェノール系酸化防止剤、フェニレンジアミン誘導体、フェノチアジン誘導体から選択される重合防止成分であって、ニトロキシドのニトロキシドヒドロキシルアミンへの変換がなければ、ニトロキシド安定フリーラジカルと反応する、成分を含み、
阻害剤としての上記組成物をエチレン性不飽和モノマに添加することができ、エチレン性不飽和モノマの不要な重合が実質的に阻害される。
少なくとも1つの実施形態では、ニトロキシド安定フリーラジカルは、TMPOの誘導体である。HTMPOは、TMPO誘導体の一例である。その他のTMPO誘導体として、限定されないが、4−オキソ−TMPO、4−アミノ−TMPO、4−酢酸塩−TMPO、Bis−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)セバシン酸塩、及びこれらのいずれかの組合せがある。
少なくとも1つの実施形態では、ジアルキル/アリールヒドロキシルアミンは、ジアルキルヒドロキシルアミン又はジアリールヒドロキシルアミンである。例として、ジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)、ジプロピルヒドロキシルアミン、ジブチルヒドロキシルアミン、bis−(ヒドロキシプロピル)ヒドロキシルアミン(HPHA)及びジベンジルヒドロキシルアミンがある。
少なくとも1つの実施形態では、フェノール系酸化防止剤は、エチレン性不飽和モノマを標的とする束縛及び非束縛フェノールから選択される。このようなフェノール系酸化防止剤の例は、HQ、BHT、TBC、及びMEHQである。
少なくとも1つの実施形態では、フェニレンジアミン誘導体は、エチレン性不飽和モノマを標的とする、非置換フェニレンジアミン、N−置換フェニレンジアミン又はN,N’−置換フェニレンジアミン、及びこれらのいずれかの組合せから選択される。フェニレンジアミン誘導体の例として、1,4−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−ジブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,4−ジメチルフェニル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、及びこれらのいずれかの組合せがある。
少なくとも1つの実施形態では、フェノチアジン誘導体は、エチレン性不飽和モノマを標的とする、PTZ及び置換PTZから選択される。置換PTZの例として、アルキル化PTZがある。
少なくとも1つの実施形態では、エチレン性不飽和モノマは、アクリロニトリル、(メタ)アクロレイン、(メタ)アクリル酸、アクリル酸エステル、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン、ブタジエン、イソプレン、酢酸ビニル、ビニルアルコール及びこれらのいずれかの組合せからなる群から選択される。アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチルは、アクリル酸エステルの例である。
少なくとも1つの実施形態では、ニトロキシド安定フリーラジカル溶液の溶媒は、限定されないが、水、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、グリコール、脂肪族及び芳香族炭化水素、エチレン性不飽和モノマ並びにこれらのいずれかの組合せからなる群から選択される。
少なくとも1つの実施形態では、重合防止成分は、HQであり、標的とされるエチレン性不飽和モノマは、アクリロニトリル、(メタ)アクロレイン又は(メタ)アクリル酸である。
少なくとも1つの実施形態では、重合防止成分は、TBCであり、エチレン性不飽和モノマは、ブタジエン、イソプレン、スチレン、ジビニルベンゼン、及び/又はアクリロニトリルである。
少なくとも1つの実施形態では、重合防止成分は、PTZであり、エチレン性不飽和モノマは、(メタ)アクリル酸又はアクリル酸エステルである。
少なくとも1つの実施形態では、重合防止成分は、PDAであり、エチレン性不飽和モノマは、ブタジエン、イソプレン、アクリロニトリル、スチレン、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリル酸、及び/又はアクリル酸エステルである。
少なくとも1つの実施形態では、重合防止成分は、BHTであり、エチレン性不飽和モノマは、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン、及び/又はアクリロニトリルである。
少なくとも1つの実施形態では、重合防止成分は、MEHQであり、エチレン性不飽和モノマは、アクリロニトリル又は(メタ)アクロレイン又は(メタ)アクリル酸又はアクリル酸エステル、例えば、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、メタクリルメチルである。
少なくとも1つの実施形態では、ニトロキシドは、HTMPOであり、ジアルキルヒドロキシルアミンは、DEHAであり、重合防止成分は、HQであり、エチレン性不飽和モノマは、アクリロニトリルである。
理論によって、特に、特許請求の範囲の解釈を限定するものではないが、ニトロキシド基又は対応するニトロキシドヒドロキシルアミン、ジアルキル/アリールヒドロキシルアミン又はその対応するニトロンと、エチレン性不飽和モノマを標的とするフェノール系酸化防止剤、フェニレンジアミン若しくはフェノチアジンから選択される成分が存在することによって、それぞれの単純な合計より有効な相乗作用的組合せが得られると考えられる。この相乗作用的組合せには、抗重合剤(炭素中心ラジカルの重合の阻害剤)として作用するニトロキシド基、酸化防止剤(ペルオキシラジカルの阻害剤)としてのニトロキシドヒドロキシルアミン、さらにまたニトロキシド抗重合剤のin situ供給源、酸化防止剤としてのジアルキル/アリールヒドロキシルアミン、抗重合剤若しくは酸化防止剤としてのニトロン、並びに、阻害剤若しくは遅延剤としてエチレン性不飽和モノマを標的とするフェノール系酸化防止剤、フェニレンジアミン若しくはフェノチアジンが含まれる。この相乗作用的組合せは、相乗的阻害機能作用機序(酸化防止剤対抗重合剤若しくは阻害剤対遅延剤)だけではなく、阻害剤速度論に関して、有利かつ包括的適用範囲を提供することから、炭素及び酸素中心フリーラジカルの両方の即時かつ持続的クエンチを確実にする。本組成物の別の利点は、エチレン性不飽和モノマ処理システムへのこの阻害剤パッケージの送達の容易さである。この組成物を予め製剤化することにより、現場でブレンドする必要がなくなり、関連する安全及び環境上の問題も解消される。こうした多成分ブレンドによって、複数の製品に対する追加注入点にかかる費用が削減される。
従来の技術では、安定フリーラジカル抗重合剤と酸化防止剤/阻害剤/遅延剤の同時使用が教示されているが、これらは、本発明ほど有効若しくは効率的ではない。HTMPOなどのニトロキシドは、プロセス成分若しくは不純物又は酸化防止剤/阻害剤/遅延剤と反応しやすく、これによって、効力のない阻害剤が形成されるため、抗重合剤としての効力を急速に失う。しかし、本発明では、ジアルキル/アリールヒドロキシルアミンのいずれと反応しても、抗重合剤の効力が保持され、抗重合剤が、他の化学物質との反応により、消費されたニトロキシドになることを防ぐ。これにより、ニトロキシド安定フリーラジカルを製剤化することができ、他の場合には不適合性の酸化防止剤/阻害剤/遅延剤となりうるものと一緒に用いることが可能になる。
以上述べたことは、以下に示す実施例を参照することによりさらによく理解されるであろう。これらの実施例は、説明の目的で提供するものであり、本発明の範囲を限定する意図はない。
<実施例1:阻害剤組成物の調製>
一例としての阻害剤組成物を調製した。HTMPOを、水、エーテル、及びグリコールから構成される溶媒に溶解させた。次に、この溶液にDEHAを添加した。HTMPOとDEHAの反応が進行するにつれて、変色が観察された。この反応の終了時に、組成分析によって、HTMPOのHTMPOヒドロキシルアミンへの変換及びDEHAからのニトロンの形成を確認した。次に、HQを添加して、撹拌により溶解させた。この組成物は、阻害剤製品としてすぐ使用できるものであった。
<実施例2:非阻害アクリロニトリルを用いた阻害剤性能試験>
前述のように調製した阻害剤組成物の性能を、実験室スケールの連続流蒸留カラムを用いて評価した。この実験室セットアップでは、カラムは、カラムサンプ及びリボイラに相当する三つ口フラスコと、蒸留カラムトレイセクションに相当するパンチングメタルプレート付き挿入ユニット、並びに蒸留還流を提供するための塔頂冷却器に相当する冷却器から構成される。供給ポンプは、カラムフィードを提供し、出口パージポンプは、サンプ中の液面を維持した。加熱マントルを介してフラスコ内容物への加熱を実施した。
商業グレードのアクリロニトリルは、Sigma−Aldrichから購入した(純度99+%、35〜45ppmのMEHQで阻害)。非阻害アクリロニトリルは、MEHQを除去することによって取得した。過酸化ベンゾイル(BPO)(Aldrich、97%)を実験用の重合阻害剤として用いた。
4つの個別に処理した試験を、実施時間に対するポリマ濃度に関して図1に比較する。サンプ中のポリマ濃度は、ポリマ形成の結果として、時間が経過するにつれ増加した。有効な阻害剤は、蒸留カラム内でのポリマ形成を低減することにより、サンプ中のポリマの濃度上昇を遅らせると予想される。図1は、2つのHQ処理試験がほとんど阻害を示さないのに対し、実施例1で作製した阻害剤組成物は、有意な用量応答で、純粋アクリロニトリル中のポリマ形成を有効に阻害することを明らかにしている。
<実施例3:非阻害アクリロニトリル中の酢酸、水及び空気の存在下での阻害剤性能試験>
図2に示すデータは、工業的アクリロニトリル製造工程のヘッズ又は乾燥カラム内での蒸留操作をシミュレートするために、酢酸、水及び空気を蒸留カラムに導入した以外は実施例2と同じ装置を用いて、収集したものである。図2は、水、酢酸、及び空気の存在下で、HQはアクリロニトリル重合を遅延させたが、実施例1の組成物は、40分まで重合を阻害し、85分が経過した後もほとんど有効であることを示している。
本発明は多くの異なる形態で実施することができるが、本明細書には本発明の特定の好ましい実施形態が詳細に記載されている。本開示内容は、本発明の原理の例示であり、例示した特定の実施形態に本発明を限定する意図はない。本明細書に記載される特許、特許出願、科学論文、及びその他の参照資料はすべて、その全文を参照として本明細書に組み込むものとする。さらに、本発明は、本明細書に記載する様々な実施形態の一部又は全部の考えられるすべての組合せを包含し、これらも本明細書に組み込むものとする。
以上の開示内容は、例示的であって、網羅的ではないものとする。この説明は、当業者に多くの変形形態及び代替形態を示唆するであろう。これらの代替形態及び変形形態はすべて、本発明の特許請求の範囲に含まれるものとし、用語「含む(comprising)」は、「含む(including)が、これに限定されない」ことを意味する。当業者であれば、本明細書に記載する特定の実施形態に対する他の均等物を認識しうるが、これらの均等物も、本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
以上で本発明の好ましい実施形態及びその他の実施形態の説明を終了する。当業者であれば、本明細書に記載の特定の実施形態の均等物を認識しうるが、これらの均等物は、本明細書に添付した特許請求の範囲に包含されるものとする。

Claims (12)

  1. 重合しやすいエチレン性不飽和モノマの不要な重合を阻害する方法であって、
    a)溶媒を含むニトロキシド安定フリーラジカル溶液を用意するステップ;
    b)前記溶液に、前記ニトロキシドをニトロキシドヒドロキシルアミンに還元するのに十分な量のジアルキル/アリールヒドロキシルアミンを添加するステップ;
    c)前記溶液に、重合防止成分を添加することによって、阻害組成物を形成するステップ;及び
    d)前記組成物を、エチレン性不飽和モノマを含有する液体に添加するステップを含み、
    前記エチレン性不飽和モノマが、アクリロニトリルであり
    前記重合防止成分は、フェノール系酸化防止剤、フェニレンジアミン及びフェニレンジアミン誘導体、フェノチアジン及びフェノチアジン誘導体、並びにこれらのいずれかの組合せからなる群から選択される1つであり、前記重合防止成分は、前記エチレン性不飽和モノマを標的とするものであり、前記重合防止成分は、前記ニトロキシドのニトロキシドヒドロキシルアミンへの変換がなければ、前記ニトロキシド安定フリーラジカルと反応する単位品である、方法。
  2. 前記ニトロキシド安定フリーラジカルが、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルの誘導体である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ジアルキル/アリールヒドロキシルアミンが、ジアルキルヒドロキシルアミンである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記誘導体が、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルである、請求項2に記載の方法。
  5. 前記ジアルキルヒドロキシルアミンが、ジエチルヒドロキシルアミンである、請求項3に記載の方法。
  6. 前記フェノール系酸化防止剤が、ハイドロキノンである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記酸化防止剤が、ニトロキシドと反応してしまった場合には、前記酸化防止剤又は前記ニトロキシドの少なくとも1つが、それらがそのように反応しなかった場合と比較して低い阻害能力を有していた可能性がある、請求項1に記載の方法。
  8. 前記フェノール系酸化防止剤が、4−メトキシフェノールブチル化ヒドロキシトルエン4−tert−ブチルカテコール及びこれらのいずれかの組合せからなる群から選択される1つである、請求項1に記載の方法。
  9. 前記フェニレンジアミン及びフェニレンジアミン誘導体が、フェニレンジアミン、N−置換フェニレンジアミン、及びN,N’−置換フェニレンジアミンからなる群から選択される1つである、請求項1に記載の方法。
  10. 前記フェノチアジン誘導体が、フェノチアジン及び置換フェノチアジンから選択される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記ニトロキシド安定フリーラジカルが、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルであり、前記ジアルキル/アリールヒドロキシルアミンが、ジエチルヒドロキシルアミンであり、前記フェノール系酸化防止剤が、ハイドロキノンである、請求項1に記載の方法。
  12. 重合しやすいエチレン性不飽和モノマの不要な重合を阻害する組成物であって、
    a)溶媒を含むニトロキシド安定フリーラジカル溶液を用意するステップ;
    b)前記溶液に、前記ニトロキシドをニトロキシドヒドロキシルアミンに還元するのに十分な量のジアルキル/アリールヒドロキシルアミンを添加するステップ:
    c)前記溶液に、重合防止成分を添加することによって、阻害組成物を形成するステップ;及び
    d)前記組成物を、エチレン性不飽和モノマを含有する液体に添加するステップによって製造され、
    前記エチレン性不飽和モノマが、アクリロニトリルであり
    前記重合防止成分は、フェノール系酸化防止剤、フェニレンジアミン及びフェニレンジアミン誘導体、フェノチアジン及びフェノチアジン誘導体、並びにこれらのいずれかの組合せからなる群から選択される1つであり、前記重合防止成分は、前記エチレン性不飽和モノマを標的とするものであり、前記重合防止成分は、前記ニトロキシドのニトロキシドヒドロキシルアミンへの変換がなければ、前記ニトロキシド安定フリーラジカルと反応する単位品である、組成物。
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