次に、或る特定の実施形態を詳細に参照し、これら実施形態の例が添付の図面に示されており、添付の図面には、全てではないが幾つかの特徴が示されている。確かに、本明細書において開示する実施形態は、多種多様な形態で具体化できるので、本発明は、本明細書に記載した実施形態に限定されるものとは解されてはならず、これとは異なり、これら実施形態は、この開示内容が該当する法的要件を満足させるよう提供されている。可能な場合にはいつでも、同一の参照符号は、同一のコンポーネント又は部分を示すために用いられる。
詳細な説明に開示されている実施形態は、光ファイバ機器を支持する光ファイバ装置並びに関連機器及び方法を含む。一実施形態では、光ファイバ装置は、光ファイバ機器引出しを有する。光ファイバ機器引出しは、シャーシ内に設置され、シャーシ回りに動くことができる。少なくとも1つの光ファイバ機器トレーが光ファイバ機器引出し内に設けられた少なくとも1つのトレーガイド内に受け入れられている。光ファイバ機器トレーは、光ファイバ機器引出し回りに動くことができるようトレーガイド回りに動くことができる。少なくとも1つの光ファイバモジュールが光ファイバ機器トレー内に設けられた少なくとも1つのモジュールガイド内に受け入れられている。光ファイバモジュールは、光ファイバ機器トレー回りに動くことができるようモジュールガイド回りに動くことができる。このように、光ファイバ機器引出し内に設けられた光ファイバモジュール及びその光ファイバ接続部へのアクセス性を向上させることができる。光ファイバ機器引出しを動かしてシャーシから出すことができ、それにより光ファイバ機器トレー及びこの中に支持された光ファイバモジュールへのアクセスが可能になる。光ファイバ機器トレーを動かして光ファイバ機器引出しから出すことができ、それによりこの中に支持されている光ファイバモジュールへのアクセス性が向上する。光ファイバモジュールを動かして光ファイバ機器トレーから出すことができ、それにより光ファイバモジュールへのアクセス性が一段と向上する。アクセス性の向上は、光ファイバモジュールの設置、再設置、再構成及び/又は取り出し並びにこの中に作られている光ファイバ接続部へのアクセスにとって有用な場合がある。
この点に関し、図1は、例示の光ファイバ機器10を示している。例示の光ファイバ機器10は、ケーブル間光ファイバ接続部を支持すると共に複数の光ファイバケーブル接続部を管理するようデータ配信センタ又は中央局に設けられるのが良い。光ファイバ機器10は、光ファイバ機器シャーシ12(以下、単に「シャーシ12」という)を有する。シャーシ12は、光ファイバ機器ラック14内に設置された状態で示されている。光ファイバ機器ラック14は、垂直に延びると共に一連の孔18を備えた2本の垂直レール16A,16Bを有する。孔18は、光ファイバ機器ラック14内での光ファイバ機器10の取付けを容易にする。光ファイバ機器10は、垂直レール16A,16B内に互いに上下に積み重ねられた棚の形態をしている光ファイバ機器ラック14によって取り付けられると共に支持されている。図示のように、光ファイバ機器10は、垂直レール16A,16Bに取り付けられている。光ファイバ機器ラック14は、1Uサイズ又は任意他のUサイズの棚を支持することができ、“U”は、高さが標準の1.75インチ(4.45cm)又は所望の任意他の高さに等しい。
図1に示されると共に本明細書において以下に詳細に説明されるように、シャーシ12は、1つ又は2つ以上の引き出し可能な光ファイバ機器トレー22を支持した光ファイバ機器引出し20を有している。光ファイバ機器トレー22を動かして光ファイバ機器引出し20から引き出したり光ファイバ機器引出し20内に戻したりすることができる。任意の数の光ファイバ機器トレー22を設けることができる。各光ファイバ機器トレー22は、各々が1つ又は2つ以上の光ファイバ接続部を支持する1つ又は2つ以上の光ファイバモジュール(図2Aに要素26として示されている)を支持している。光ファイバモジュールは、図1では、シャーシ12の一部として光ファイバ機器引出し20の前に配置された前側シャーシカバー24によって隠れて見えない。前側シャーシカバー24は、シャーシ12を覆うカバーを形成するよう後側シャーシカバー25に取り付けられている。光ファイバ機器引出し20は、光ファイバ機器トレー22及びこれらの中に支持されている光ファイバモジュール26にアクセスするためにシャーシ12から引き出し可能である。
図1の光ファイバ機器10の例では、2つの光ファイバ機器トレー22は、光ファイバ機器引出し20によって支持され、各光ファイバ機器トレー22は、4つの光ファイバモジュール26を支持している。各光ファイバモジュール26は、12個の光ファイバ接続部を支持している。全部で最大96個の光ファイバ接続部を光ファイバ機器引出し20によって提供することができるが、光ファイバ機器引出し20は、この密度に限定されるわけではない。
図2A及び図2Bは、図1の光ファイバ機器10及び光ファイバ機器引出し20の或る特定の性能及び特徴の概要を示すために提供されている。これら性能及び特徴の実施形態について本明細書において詳細に説明する。図2Aは、シャーシ12及び光ファイバ機器引出し20の正面側斜視図である。図2Bは、シャーシ12及び光ファイバ機器引出し20の側面図である。図2Aに示されているように、光ファイバ機器引出し20は、シャーシ12から引き抜かれている。光ファイバ機器引出し20内の光ファイバ機器トレー22によって支持された光ファイバモジュールが見える。光ファイバ機器引出し20をシャーシ12から引き出すと、光ファイバ機器トレー22にアクセスすることができる。光ファイバ機器トレー22を光ファイバ機器引出し20から引き出すと、光ファイバ機器トレー22によって支持された光ファイバモジュール26及びこれらの中に支持された光ファイバ接続部にアクセスすることができる。図2A及び図2Bに示されているように、光ファイバ機器引出し20は、シャーシ12から完全に引き抜かれ又は引き出され、下方に傾けられている。光ファイバ機器引出し20を下方に傾けると、図2A及び図2Bに示されているように、所望に応じて光ファイバ機器引出し20内に設置されている光ファイバモジュール26を下方に傾けることができる。アクセスのための下方への光ファイバ機器引出し20の傾斜は、光ファイバ機器引出し20が光ファイバ機器ラック内の高い位置に設けられている場合に特に有用なことがある。光ファイバモジュール26にアクセスするには、図2A及び図2Bに示されているように、光ファイバモジュール26を支持した光ファイバ機器トレー22を光ファイバ機器引出し20から引き抜くのが良い。さらに、所望に応じて光ファイバモジュール26を光ファイバ機器トレー22から取り外すことができる。
以下に詳細に説明するように、各光ファイバ機器トレー22は又、光ファイバ機器引出し20をシャーシ12から引き出そうと引き出さまいと或いは下方に傾けようと傾けまいといずれにせよ、光ファイバ機器引出し20から別個独立に並進可能である。これは、例えば、図2A及び図2Bに示されている。図示のように、光ファイバ機器トレーの1つ22′が引き出された光ファイバ機器引出し20から引き抜かれている。このようにすると、光ファイバモジュール26へのアクセス性を向上させることができる。アクセスは、一例として光ファイバモジュール26及びこの中に設けられている光ファイバ接続部の設置、構成、再構成、再設置及び取り出しを行なう上で利用可能である。また、以下に詳細に説明するように、この実施形態における特定の各光ファイバモジュール26を所望ならば次のアクセスのために所与の光ファイバ機器トレー22内の他の光ファイバモジュール26から別個独立に並進させ又は取り外すことができる。
次に、一例として図1の光ファイバ機器10及び光ファイバ機器引出し20の種々の性能及び特徴を詳細に説明するために図3〜図23を参照する。
図3は、図1の光ファイバ機器10及び光ファイバ機器引出し20の正面側斜視図であり、光ファイバ機器引出し20がシャーシ12内に完全に引っ込められている。前側シャーシカバー24及び後側シャーシカバー25は、光ファイバ機器引出し20のコンポーネント及びこの中に設けられているコンポーネントの説明を容易にするために取り外されている。図3に示されているように、光ファイバ機器引出し20は、この実施形態では、引出しドア28を有している。光ファイバ機器トレー22を図3に示されているように光ファイバ機器引出し20内に完全に引っ込めると、引出しドア28を閉じてシャーシ12にロックすることができ、それにより光ファイバ機器トレー22へのアクセスが閉ざされる。この実施形態では、引出しドア28は、光ファイバ機器引出し20の前側端部30にヒンジ式に取り付けられている。図4は、図3の拡大図であり、引出しドア28の一部分及びこの実施形態において引出しドア28の底部34を光ファイバ機器引出し20の前側端部30に取り付けているヒンジ32を示している。このようにすると、引出しドア28は、図5に示されているように引出しドア28を開いたときに光ファイバ機器引出し20に取りつけられたまま保持される。
引出しドア28をこの実施形態ではシャーシ12に対して閉じた状態に保持するため、引出しドアロック機構体40が設けられている。引出しドアロック機構体40は、引出しドア28をシャーシ12に対し、特に前側シャーシカバー24に対して閉じた状態に解除自在に保持するよう構成されている。図3に示されているように、2つの引出しドアロック機構体40が、1つは引出しドア28の左側端部42のために、もう1つは右側端部44のために設けられている。図4は、引出しドアロック機構体40の拡大図である。この実施形態では、引出しドアロック機構体40は、押しボタンラッチ46で構成されている。押しボタンラッチ46は、引出しドア28を閉鎖状態に保持するようラッチ48を前側シャーシカバー24内に設けられたラッチオリフィス51に係合させるよう構成されている。押しボタンラッチ46は各々、引出しドア28内に設けられ、この実施形態では、図5に示されているように1つが左側端部42に設けられ、もう1つが右側端部44に設けられている。2つのラッチオリフィス51が前側シャーシカバー24に設けられ、これらラッチオリフィスは、これ又図5に示されているように、ラッチ48を受け入れて引出しドア28をロックするよう構成されている。押しボタンラッチ46は、この実施形態では、力が押しボタン50に加えなければ、引出しドア28を閉じたときにラッチ48が上方に付勢されてラッチ48がラッチオリフィス51と嵌合状態に保持されるようばね押しされている。
光ファイバ機器トレー22の1つ又は2つ以上引き抜くことが望ましい場合、引出しドア28を前側シャーシカバー24からロック解除して開くのが良い。押しボタン50は、下向きの力を押しボタン50に加えたときにラッチ48を下方に動かして押しボタンラッチ46のばね押し力に打ち勝つよう構成されている。押しボタン50を下方に押すと、ラッチ48は、前側シャーシカバー24のラッチオリフィス51から離脱して引出しドア28をロック解除する。すると、引出しドア28を前側シャーシカバー24から開くことができる。引出しドア28は、開かれると、ヒンジ32回りに下方に揺動することができる。
上述したように、図1の光ファイバ機器10内の光ファイバ機器引出し20は、光ファイバ機器トレー22及び/又はこれらの中に収納されている光ファイバモジュール26へのアクセス性を向上させるようシャーシ12から引き抜かれるよう構成されている。この点に関し、図6は、図1の光ファイバ機器10及び光ファイバ機器引出し20の正面側斜視図であり、引出しドア28が開かれて下げられると共に光ファイバ機器20がシャーシ12から引き出されている。
光ファイバ機器引出し20及びその種々の特徴及びコンポーネントを更に示すため、シャーシ12から取り外されると共に光ファイバ機器トレー22及び光ファイバモジュール26を備えていない光ファイバ機器引出し20の斜視図が図7に示されている。光ファイバ機器引出し20は、幾つかの特徴を提供するよう構成されており、これら特徴の幾つか又は全てを提供することができる。この実施形態では、光ファイバ機器引出し20は、後側パネル60に取り付けられた前側パネル58を有している。前側パネル58及び後側パネル60は、板金又は所望の任意他の形式若しくは種類の材料で構成可能である。前側パネル58は、上述すると共に図6に示されているように、1つ又は2つ以上の光ファイバ機器トレー22及び光ファイバ機器トレー22内に設けられている光ファイバモジュール26を支持するよう構成されている。
引き続き図7を参照すると、光ファイバ機器引出し20は、前側パネル58内に収納された2つの引出し保持部材62を有している。引出し保持部材62は、十分であり且つ意図的な力が加えられて光ファイバ機器引出し20を解除するまで光ファイバ機器引出し20をシャーシ12内に解除可能に保持するよう構成されている。この実施形態では、引出し保持部材62は、光ファイバ機器引出し20の前側端部30に隣接して前側パネル58に設けられたエンボス又はディンプル64の形態で提供されている。エンボス64は、光ファイバ機器引出し20をシャーシ12内に引っ込めたときにシャーシ12に設けられている突出ランス(図8Aにおいて要素88として示されている)の形態で提供された突起と整列してこれに当たるよう構成されている。光ファイバ機器引出し20を解除してシャーシ12から引き出すため、力が光ファイバ機器引出し20に加えられる。エンボス64は、ランス88に当接することになる。エンボス64とランス88が当たらないようにするため、エンボス64をシャーシ12内でランス88を横切って且つこれを越えて引き上げることができるのに十分な力を光ファイバ機器引出し20に加えて光ファイバ機器引出し20をシャーシ12から解除する。同様に、光ファイバ機器引出し20に加えてランス88を横切って且つこれを越えてエンボス64を押し戻し、それにより光ファイバ機器引出し20をシャーシ12内に引っ込めた状態に保持する。エンボス64は、前側パネル58に設けられ、この実施形態では、前側パネル58の前側端部30から後側端部67まで延びる***区分65に設けられている。また、1つ又は3つ以上の引出し保持部材62を設けることができる。以下において、図8A〜図9Bを参照してこの実施形態における引出し部材62に関する細部ついて説明する。
また、この実施形態では、図7に示されているように、2つの引出し引き抜き制限部材66が光ファイバ機器引出し20の後側パネル60に設けられている。引出し引き抜き制限部材66は、シャーシ12からの光ファイバ機器引出し20の引き抜き距離を制限する。光ファイバ機器引出し20をシャーシ12から引き抜いているときにシャーシ12の内側に沿って乗っかかって進むフランジ69が後側パネル60の一部として設けられている。引出し引き抜き制限部材66は各々、これ又シャーシ12に設けられたランス88に係合するよう構成されたタブ68を有している。タブ68がランス88にいったん係合すると、光ファイバ機器引出し20は、それ以上シャーシ12から引き出されるのが阻止される。また、1つ又は3つ以上の引出し引き抜き制限部材66を設けることができる。以下において、図10A及び図10Bを参照してこの実施形態における引出し引き抜き制限部材66に関する細部について説明する。
引き続き図7を参照すると、この実施形態における前側パネル58及び後側パネル60は、光ファイバ機器引出し20をシャーシ12からの引き抜き時に下方に傾斜させることができる。前側パネル58は、前側パネル58と後側パネル60との間に形成されると共に設けられたヒンジ70を介して後側パネル60及びシャーシ12回りに傾斜するよう構成されている。前側パネル58内に設けられた光ファイバ機器トレー22及び光ファイバモジュール26を含む任意の光ファイバ機器も又、前側パネル58が下方に傾けられた結果として、これ又下方に傾斜することになる。後側パネル60の一部として設けられたフランジ69は各々、後側パネル60及びシャーシ12回りの光ファイバ機器引出し20の下方傾斜を制限する傾き制限部材72を備えている。また、1つ又は3つ以上の傾き引出し制限部材72を設けることができる。以下において、図11A〜図14を参照して光ファイバ機器引出し20の傾斜能力及び光ファイバ機器引出し20の傾斜角を制限する引出し傾き制限部材72に関する細部について説明する。
引き続き図面を参照すると、この実施形態における光ファイバ機器引出し20は、各々が光ファイバ機器引出し20の左側端部76及び右側端部78に設けられた2つのトレーガイド74を更に有している。トレーガイド74は、前側パネル58のベース82に全体として垂直に設けられた左側及び右側部材79,80に設けられている。トレーガイド74は、上述すると共に図6に示されているように、各々が1つ又は2つ以上の光ファイバモジュール26を支持した1つ又は2つ以上の光ファイバ機器トレー22を受け入れるよう構成されている。この実施形態におけるトレーガイド74は、各々が光ファイバ機器トレー22のトレーレールを受け入れるよう構成された複数個のトレーレールガイド84で構成されている。このようにすると、トレーレールをトレーレールガイド84回りに動かすことによって光ファイバ機器トレー22を光ファイバ機器引出し20に出し入れすることができる。以下において、図15〜図20を参照して光ファイバ機器トレー22を支持するために光ファイバ機器引出し20内に設けられたトレーガイド74に関する細部につき説明する。
図8A〜図9Bは、光ファイバ機器引出し20内に設けられた引出し保持部材62に関する細部を示している。引出し保持部材62は、シャーシ12内に引っ込められると、光ファイバ機器引出し20をシャーシ12内に保持する。図8A及び図8Bは、それぞれ、光ファイバ機器引出し20を引っ込めてシャーシ12内に保持したときの光ファイバ機器引出し20及びシャーシ12の1つの引出し保持部材62及び周りの前側パネル58の断面側面図及び断面斜視図である。図示のように、エンボス64は、光ファイバ機器引出し20の左側端部76で前側パネル58の***区分65に設けられている。注目されるように、図8A及び図8Bに示されていない別のエンボス64も又、図6に示されているように光ファイバ機器引出し20の左側端部78に設けられている。図8A及び図8Bでは、エンボス64は、光ファイバ機器引出し20をシャーシ12内に保持するランス88の後方側部86に設けられている。ランス88は、前側パネル58の底側部89に隣接してシャーシ12の上方に突き出るようシャーシ12に設けられている。光ファイバ機器引出し20をシャーシ12から引き抜くことが望ましい場合、引き抜き力を加えてエンボス64がランス88内に引き込まれるようにするのが良い。十分な引き抜き力により、エンボス64は、ランス88を横切って進み、前側パネル58をランス88の上方に持ち上げ、ついには、エンボス64は、図9A及び図9Bに示されているように、ランス88の前方側部90上に引かれるようになる。しかる後、光ファイバ機器引出し20をシャーシ12から解除する。この実施形態では、エンボス64がランス88と衝突しないようにするのに必要な引張り力を減少させるためにオプションとしてのキー92がエンボス64に切り込まれている。キー92は、光ファイバ機器引出し20を閉鎖位置に保持するようランス88と衝突するのにも役立ち得る。また、注目されるように、この実施形態では、エンボス64は、前側パネル58の***区分65に設けられており、したがって、前側パネル58は、光ファイバ機器引出し20をシャーシ12から引き抜くときに、ランス88に当たらないようになる。
図9A及び図9Bは、それぞれ、光ファイバ機器引出し20をシャーシ12から外方に引き出したときの引出し保持部材62の平面図側拡大斜視図及び底面図側拡大斜視図である。エンボス64がランス88の前方側部90に設けられた後、光ファイバ機器引出し20は、シャーシ12から自由に引き抜き可能である。この実施形態では、光ファイバ機器引出し20は、或る特定の引き抜き距離に制限されている。この点に関し、図10A及び図10Bは、光ファイバ機器引出し20内に設けられた2つの引出し引き抜き制限部材66の一方を示している。図示の引出し引き抜き制限部材66は、光ファイバ機器引出し20の左側端部76に設けられている。また、図10A及び図10Bに示されていない別の引出し引き抜き制限部材66が、図6に示されているように、光ファイバ機器引出し20の左側端部78に設けられていることに注目されたい。図10Aは、光ファイバ機器引出し20がシャーシ12から完全に引き出される直前における光ファイバ機器引出し20の後側パネル60に設けられている引出し引き抜き制限部材66の正面側斜視図である。図示のように、光ファイバ機器引出し20の後側パネル60に設けられているタブ68は、シャーシ12に設けられているランス88と整列している。前側及び後側パネル58,60は、シャーシ12の上方に位置していて、光ファイバ機器引出し20を引出し保持部材62からいったん解除すると、シャーシ12回りに自由に動くことができる。しかしながら、ランス88は、タブ68の移動平面TP内でシャーシ12周りに設けられている。後側パネル60を図10Aに示されているようにほぼ完全に引き出すと、タブ68は、ランス88に設けられている開口部94に入るよう構成されている。後側パネル60及び光ファイバ機器引出し20は、図10Bに示されているように、タブ68をランス88の開口部94にいったん嵌め込むと、シャーシ12からそれ以上引き出されるのが阻止される。このように、タブ68及びランス88により、引出し引き抜き制限部材66は、光ファイバ機器引出し20の引き抜き距離を制限することができる。
図11A〜図14は、一実施形態としての光ファイバ機器引出し20の傾き特徴及び傾き制限特徴を示している。図11A及び図11Bは、シャーシ12から引き抜かれてシャーシ12回りに下方に傾けられた光ファイバ機器引出し20を示している。上述したように、光ファイバ機器引出し20を下方に傾けることにより、光ファイバ機器トレー22及び光ファイバ機器トレー22内に設けられている光ファイバモジュール26及び/又はこれらの光ファイバ接続部へのアクセス性を向上させることができる。図11Aは、シャーシ12から引き抜かれて下方に傾けられた光ファイバ機器引出し20の正面側斜視図である。図11Bは、図11Aに示された光ファイバ機器引出し20の向きを示す側面図である。この実施形態では、前側パネル58は、後側パネル60回りに下方に傾斜することができる。後側パネル60は、シャーシ12に平行な又は実質的に平行な平面内に差し向けられたままである。光ファイバ機器トレー22及びこの中に収納されている光ファイバモジュール26は、前側パネル58内に設けられているので、前側パネル58の傾斜によっても、光ファイバ機器トレー22及び光ファイバモジュール26が傾斜してアクセス可能となる。
光ファイバ機器引出し20は、この実施形態では光ファイバ機器引出し20の前側パネル58と後側パネル60との間に設けられたヒンジ70を介して下方に傾斜するよう構成されている。ヒンジ70は、後側パネル60の前側端部100に設けられた巻き部分98を前側パネル58の後側端部104に設けられた巻き部分102と交互に配置することによって形成されている。巻き部分98,102は、交互配置されると、これらの間に前側及び後側パネル58,60の左側端部76から右側端部78まで延びる通路(図示せず)を形成する。ロッド(図示せず)が巻き部分98,102を互いに交互配置状態に維持してヒンジ70を構成するよう通路106(図11B)を貫通して設けられている。光ファイバ機器引出し20を引き抜いて前側パネル58がシャーシ12を越えて引き抜かれると、前側パネル58は、ヒンジ70回りに自由に下方に傾斜することができる。傾斜角は、図12〜図14に示すと共に以下に説明するように引出し傾き制限部材72によって制御される。
図12は、取付け状態の光ファイバ機器トレー及び光ファイバモジュールを省いた状態で下方に傾けられた図1の光ファイバ機器引出しの正面側斜視図である。図示のように、光ファイバ機器引出し20の前側パネル58の傾斜角は、引出し傾き制限部材72及びフランジ69によって制限されている。図13A〜図13Cは、引出し傾き制限部材72の細部を示している。図13A〜図13Cに示されているように、図示の引出し傾き制限部材72は、光ファイバ機器引出し20の左側端部76に設けられている。注目されるように、図13A〜図13Cに示されていない別の引出し傾き制限部材72も又、図12に示されているように光ファイバ機器引出し20の右側端部78に設けられている。
図13Aは、光ファイバ機器引出し20をシャーシ12から完全に引き抜いたが、前側パネル58をまだ傾けていないときの引出し傾き制限部材72の平面側拡大斜視図である。引出し傾き部材72は、単一部品として前側パネル58にしっかりと取り付けられ又はその一部として設けられると共に前側パネル58のベース82(図7)に垂直に又は実質的に垂直に配置された制限部材110を含む。制限部材110は、制限部材110の頂面114に設けられたアングル112を有する。キー116がアングル112に隣接して制限部材110の端区分118に設けられている。光ファイバ機器引出し20を完全に引き抜いてタブ68をランス88(図11A)に係合させると、前側パネル58は、ヒンジ70回りに下方に傾斜することができる。前側パネル58を下方に傾斜させると、ヒンジ70は、制限部材110がフランジ69に向かって上方に動くようてこ支点となる。前側パネル58の傾斜角は、制限部材110のアングル112及びフランジ69によって制限される。制限部材110のアングル112は、最終的に、図13B及び図13Cに示されているようにフランジ69の底側部112と平面状又は実質的に平面状の接触関係をなし、それにより前側パネル58のそれ以上の傾斜を阻止する。図13Cは、図13Bの引出し傾き制限部材72の底面側斜視図である。
光ファイバ機器引出し20が傾斜時に偶発的にシャーシ12内に押し戻されるのを阻止するため、引出し傾き制限部材72の一部として切欠き122がフランジ69に設けられている。切欠き122は、制限部材110に設けられたキー116を受け入れるよう構成されている。キー116が切欠き122内に受け入れられると、光ファイバ機器引出し20をシャーシ12内に押し戻すことができない。光ファイバ機器引出し20をシャーシ12内に引っ込めて戻すことが望ましい場合、力を加えて前側パネル58を引き上げて傾斜角を減少させ、それによりキー116を下方に押して切欠き122から押し出す。引き続き前側パネル58を引き上げ又は持ち上げている間、光ファイバ機器引出し20は、シャーシ12内に自由に押し戻し可能である。この実施形態では、引出し傾き制限部材72は、シャーシ12の一部としては設けられていない。引出し傾き制限部材72は、前側パネル58と後側パネル60の両方内で光ファイバ機器引出し20の一部として設けられている。このようにすると、光ファイバ機器引出し20は、シャーシ12への固定連結部又はリンク機構を提供する必要はない。これは、シャーシ12内への光ファイバ機器引出し20の設置の際を含み融通性及び複雑さの軽減をもたらすので有利な場合がある。引出し傾き制限部材72は、光ファイバ機器引出し20に限定される必要はない。
上述したように、傾き制限部材72に設けられたキー116及びアングル112は、図13A〜図13Cの実施形態では後側パネル60回りの前側パネル58の傾斜を制限する。また、追加の傾き制限部材を設けて後側パネル60回りの前側パネル58の補足的な傾き制限を可能にすることが望ましい場合がある。この点に関し、図13D及び図13Eは、図13A〜図13Cの傾き制限部材72の底面側拡大斜視図であるが、オプションとしてのスロット91は制限部材110に設けられている状態を更に示している。スロット91は、前側パネル58の傾斜角を一段と制限するよう構成されている。図13Dに示された前側パネル58は傾けられていない。図13Eに示された前側パネル58は、傾けられている。この点に関し、この実施形態ではピン93がフランジ69に取り付けられた状態でこれから外方に延びている。ピン93は、光ファイバ機器引出し20を組み立てたときに、制限部材110に設けられているスロット91と嵌合するよう構成されている。スロット91は、ピン93の運動範囲を境界付け、後側パネル60回りの前側パネル58の傾斜をも制限する。というのは、ピン93は、後側パネル60の一部であるフランジ69に取り付けられているからである。
スロット91は、形状が半径方向又は弧状であり、したがって、ピン93は、スロットのアールに沿って動き、前側パネル58を傾斜させることができる。図13D及び図13Eに示されているスロット91の半径方向長さR1は、制限部材110に設けられているアングル112に加えて、前側パネル58の最大傾斜角を制御する。注目されるように、制限部材110は、前側パネル58の傾斜角を制限する上で上述したスロット91とピン93の構成を必要としない。さらに、スロット91とピン93の構成は、制限部材110に設けられたキー116とアングル112の構成に代えて、光ファイバ機器引出し20に設けられても良い。
上述したように、フランジ69は、光ファイバ機器引出し20をシャーシ12から引き抜いているときにシャーシ12の内側に沿って乗っかって進むよう後側パネル60の一部として設けられている。後側パネル60の一部として設けられたフランジ69は各々、後側パネル60及びシャーシ12回りの光ファイバ機器引出し20の下方傾斜を制限する傾き制限部材72を備えている。フランジ69がシャーシ12内で乗っかって進んでいるときに、フランジ69は、後側パネル60から内方又は外方に動くことができると共に前側パネル58に対して扇形に開き又は外に広がることができる。この点に関し、図13G〜図13Lに示すと共に以下に詳細に説明するようにオプションとしての制御プレート95を設けるのが良い。
図13F及び図13Gは、それぞれ、図7の光ファイバ機器引出し20の正面側斜視図及び背面側斜視図である。図13D及び図13Eの制限部材110は、フランジ69と制御プレート95との間に設けられている。制御プレート95は、フランジ69がシャーシ12回りに動いているときにフランジ69の外広がり制御を可能にするよう構成されている。制御プレート95は、前側パネル58に対する後側パネル60の外広がりを阻止し又は減少する外広がり制御をもたらす。外広がり制御をもたらすことにより、光ファイバ機器引出し20とシャーシ12との間の安定性を一層高めることができる。図13H〜図13Lは、制御プレート95の実施形態に関する細部を示しており、これらの図について以下に説明する。
図13H及び図13Iは、それぞれ、図13F及び図13Gの光ファイバ機器引出し20及び傾き制限部材72の左側面拡大斜視図及び右側面拡大斜視図である。図13H及び図13Iは、制御プレート95を後側パネル60に取り付けられたフランジ69にどのようにして取り付けることができるかの一例を示している。図13Hは、制御プレート95と制限部材110及びフランジ69の関係を容易にする視認できるよう制御プレート95を輪郭の形態で示している。図13Iは、この実施形態において制御プレート95をフランジ69にどのようにして取り付けることができるかを示している。この実施形態では、制御プレート95は、制限部材110が制御プレート95とフランジ69との間に設けられるようフランジ69に取り付けられている。制限部材110がフランジ69から外方に動いた場合、例えば、前側及び後側パネル58,60がシャーシ12回りに動いているとき、制御プレート95は、この方向におけるフランジ69の運動を制限することになる。この点に関し、制御プレート95は、後側パネル60及び前側パネル58の外広がりを制御する。フランジ69は、内向きの方向における制限部材110の運動を制限するであろう。
図13H及び図13Iに示されているように、制御プレート95は、この実施形態では複数個のスタンドオフ受け具97を有している。スタンドオフ受け具97は、図13Jに示されているように制御プレート95とフランジ69との間に隙間G1を生じさせるよう構成されており、図13Jは、制御プレート95、制限部材110及びフランジ69を側面図で示している。制御プレート95は、この実施形態ではフランジ69に設けられたオリフィス101を貫通して設けられた締結具99によってフランジ69に固定されている。これは、図13K及び図13Jのそれぞれの右側面拡大斜視図及び左側面拡大斜視図に更に示されている。図示のように、制御プレート95は、フランジ69に取り付けられ、これらの間には制限部材110が設けられている。図13Iに戻ってこれを参照すると、スタンドオフ受け具97により提供されるスタンドオフは、制御プレート95とフランジ69との間の隙間G1を維持し、その結果、制限部材110及び前側パネル58は、自由に下方に傾斜することができると共に非傾斜形態に戻ることができるようになっている。隙間G1は、所望の外広がり制御をもたらすよう制御可能である。例えば、一実施形態では、隙間G1は、0.065インチ(1.651mm)であるのが良い。図13Jに示されているように、制限部材110の幅W1は、隙間G1よりも小さいことが望ましく、したがって、制限部材110は、前側パネル58を傾斜させたときに自由に回転することができる。例えば、制限部材110の幅W1は、0.060インチ(1.524mm)であるのが良い。制御プレート95は、光ファイバ機器引出し20に設けられる必要はないことに注目されたい。また、スロット91が制限部材110に設けられるかどうかとは無関係に制御プレート95を設けることができる。
光ファイバ機器引出し20のもう1つの特徴は、各々が1つ又は2つ以上の光ファイバモジュール26を支持するよう構成された1つ又は2つ以上の光ファイバ機器トレー22の支持にある。この実施形態では、光ファイバ機器引出し20の前側パネル58は、光ファイバ機器トレー22を支持している。図14A及び図14Bに示されているように、光ファイバ機器引出し20は、各光ファイバ機器トレー22を光ファイバ機器引出し20回りに別個独立に動かしてこの中に支持されている光ファイバモジュール26へのアクセス性を向上させることができるよう構成されている。図14Aは、1つの光ファイバ機器トレー22が光ファイバ機器引出し20から引き抜かれてこの中に納められている光ファイバモジュール26にアクセスできるようになっている光ファイバ機器引出し20の斜視図である。図14Bは、図14Aの拡大図である。光ファイバ機器トレー22及び光ファイバ機器引出し20内への保持及びこれからの引き抜き特徴部に関する細部が以下に説明されると共に図15〜図20に詳細に示されている。
図15は、光ファイバ機器引出し20から取り出された光ファイバ機器トレー22の正面側斜視図であり、取付け状態の光ファイバモジュール26は示されていない。図示のように、光ファイバ機器トレー22は、光ファイバモジュール26(図示せず)を支持したモジュールレールガイド126の形態をした複数個のモジュールガイド124を有している。図16A及び図16Bの右側面及び左側面斜視図に示されているように、光ファイバモジュール26は、この実施形態では側部129A,129Bに設けられたモジュールレール128A,128Bを有している。モジュールレール128A,128Bは、図17に示されているように、モジュールレールガイド126内に設けられたトレーチャネル130(図15)中に挿入されるよう構成されている。図15に示されているように、モジュールレールガイド126は、少なくとも1つの中間モジュールレールガイド126′が光ファイバ機器トレー22内に設けられる場合、列をなして配置される。光ファイバモジュール26を光ファイバ機器トレー22の前側端部132か後側端部134のいずれかに向かって光ファイバ機器トレー22内のモジュールレールガイド126,126′内で別個独立に動かすことができる。支持部材135も又、モジュールレールガイド126,126′内に且つこれらの間に設けられた光ファイバモジュール26の重量を支えるよう光ファイバ機器トレー22内に設けられるのが良い。モジュールレールガイド126,126′を以下ひとまとめに要素126と称する。
図15の光ファイバ機器トレー22内では、4つのモジュールレールガイド126がこれら相互間に最大4つの光ファイバモジュール26を支持するよう設けられていることに注目されたい。モジュールレールガイド126は、トレーチャネル130が図18に示されているように光ファイバ機器トレー22の前側端部132と後側端部134の両方で開口するよう構成されている。これにより、光ファイバモジュール26を光ファイバ機器トレー22中に前側端部132から前方設置可能であるか後側端部134から後方設置可能であるかのいずれかであるようにすることができ、光ファイバ機器引出し20及びシャーシ12の前側か後側かのいずれかから設置可能であるようにすることができる。前方設置可能か後方設置可能かのいずれかの光ファイバモジュール26の能力を提供することは、技術者が光ファイバモジュール26を光ファイバ機器引出し20内に容易に設置してこれとの光ファイバ接続を効率的且つ都合良く行うことができるようにするうえで有利な場合がある。例えば、光ファイバモジュール26をモジュールレールガイド126内の光ファイバ機器トレー22の後側端部134内に挿入し、モジュールレールガイド126内で前方に押すことができ、ついには、光ファイバモジュール26が各光ファイバ機器トレー22の前側端部132に達するようになる。解除が働かない場合、光ファイバモジュール26が光ファイバ機器トレー22の前側端部132を越えて延びるのを阻止するためにロック特徴部を設けるのが良い。このようにすると、光ファイバモジュール26を光ファイバ機器引出し20及びシャーシ12の後側から設置することができるが、光ファイバ機器トレー22の前側端部132から引き出して取り外すことも可能である。
図15及び図17に示されているように、光ファイバ機器トレー22は、トレーレール136を更に有している。トレーレール136は、光ファイバ機器引出し20(図6)内に設けられたトレーガイド74内に受け入れられるよう構成されており、それにより光ファイバ機器トレー22を保持してこれが光ファイバ機器引出し20回りに動くことができるようになっている。光ファイバ機器トレー22をこれらのトレーレール136がトレーガイド74内で動くことにより光ファイバ機器引出し20に出し入れすることができる。このように、光ファイバ機器トレー22は、光ファイバ機器引出し20内でトレーガイド74回りに別個独立に動くことができる。以下、トレーレール136及び光ファイバ機器引出し20内のトレーガイド74へのこれらの結合の細部につき図19A〜図21を参照して説明する。
引き続き図15及び図17を参照すると、光ファイバ機器トレー22は、延長部材138を更に有するのが良い。引き回しガイド150が都合良く延長部材138に設けられるのが良く、それにより光ファイバモジュール27(図17)内に設けられた光ファイバアダプタ152に接続されている光ファイバ又は光ファイバケーブルの引き回しが可能である。光ファイバ機器トレー22の端部のところに設けられた引き回しガイド150′は、光ファイバ又は光ファイバケーブルを光ファイバ機器トレー22の側部に対して直角をなして引き回すようトレーレール136に対して角度をなすのが良い。光ファイバ機器トレー22を光ファイバ機器引出し20から容易に引き抜いたり押し込めたりすることができるようにする手段を提供するよう引きタブ154もまた延長部材138に連結されるのが良い。
図16A及び図16Bは、光ファイバ機器引出し20内に光ファイバ接続部をもたらすよう光ファイバ機器トレー22内に支持できる光ファイバモジュール26の一例を示している。図16Aは、光ファイバモジュール26の右側面斜視図である。図16Bは、光ファイバモジュール26の左側面斜視図である。図示のように、光ファイバモジュール26は、光ファイバモジュール26の前側端部156に設けられた多数の光ファイバアダプタ152で構成されている。この例では、光ファイバアダプタ152は、デュプレックスLC型光ファイバコネクタを受け入れる。しかしながら、光ファイバモジュール26に所望の任意の光ファイバ接続形式を設けることができる。別の光ファイバアダプタ158が光ファイバモジュール26の後側端部160に設けられている。この例では、光ファイバアダプタ158は、多数本の光ファイバ(例えば、12本の光ファイバ)への接続を可能にするよう構成された多心MTP型光ファイバアダプタである。光ファイバモジュール26は又、光ファイバモジュール26の前側端部156に設けられた光ファイバアダプタ152と光ファイバモジュール26の後側端部160に設けられた光ファイバアダプタ158との間の極性を管理することができる。
モジュールレール128A,128Bが光ファイバモジュール26の各側部129A,129Bに設けられている。モジュールレール128A,128Bは、上述されると共に図17に示されているように、光ファイバ機器トレー22内のモジュールレールガイド126内に挿入されるよう構成されている。このように、光ファイバモジュール26を光ファイバ機器トレー22内に設置することが望ましい場合、光ファイバモジュール26の前側端部156を光ファイバ機器トレー22の前側端部132か後側端部134かのいずれかから挿入することができる。例えば、光ファイバモジュール26のモジュールレール128A,128Bの前側端部156を光ファイバ機器トレー22の後側端部134から始めてモジュールレールガイド126内に挿入することができる。このように、光ファイバモジュール26を光ファイバ機器トレー22及び光ファイバ機器引出し20内に後方設置することができる。次に、光ファイバモジュール26をモジュールレールガイド126内で前方に押すのが良く、ついには、光ファイバモジュール26は、光ファイバ機器トレー22の前側端部132に達するようになる。このように、技術者は、光ファイバモジュール26の後側端部160に設けられている光ファイバアダプタ158への光ファイバ接続を行ない、次に、光ファイバモジュール26を光ファイバ機器引出し20の後側から光ファイバ機器トレー22内に設置することができる。
図18は、光ファイバ機器トレー22内に設置された光ファイバモジュール26及びこれらの中に設けられているモジュールレールガイド126の背面側斜視図である。図示のように、光ファイバモジュール26をモジュールレールガイド126のトレーチャネル130内に光ファイバ機器トレー22の後側端部134から設置すると、光ファイバモジュール26のモジュールレールガイド128A,128Bを前側端部132に向かって動かすのが良く、ついには、光ファイバモジュール26は、前側端部132に設けられている停止又はロック特徴部に達するようになる。ラッチ166(図16A及び図16B)の形態をしたロック特徴部がモジュールレールガイド126のトレーチャネル130内に設けられた相補戻止めに係合する。ラッチ166は、内方に付勢されて光ファイバモジュール26をモジュールレールガイド126内に設置することができるが、ラッチ166が外れるまで後側端部又は区分134に向かって引き戻すことはできない。
光ファイバモジュール26を光ファイバ機器トレー22から取り外すことが望ましい場合、光ファイバモジュール26を光ファイバ機器トレー22の前側端部132か後側端部134かのいずれかから取り外すのが良い。光ファイバモジュール26を光ファイバキートレー22の後側端部132から取り外すため、レバー168(図16A及び図16B)を光ファイバモジュール26に向かって内方に押してラッチ166をモジュールレールガイド126から解除することによってラッチ166を外す。レバー168を光ファイバモジュール26に向かって内方に押しやすくするため、レバー168に隣接してフィンガフック170が設けられ、したがって、レバー168をフィンガフック170中に容易に押し込むことができる。
光ファイバモジュール26を光ファイバ機器トレー22の前側端部132に向かって前方に押すことにより光ファイバモジュール26を光ファイバ機器トレー22内の定位置にロックすることができる。図17に示されているように、前側停止部171の形態をしたロック特徴部がモジュールレールガイド126内に設けられている。前側停止部171は、光ファイバモジュール26が前側端部132を越えて出るのを阻止する。光ファイバモジュール26を光ファイバ機器トレー22から取り外すことが望ましい場合、これ又モジュールレールガイド126内に設けられた状態で前側停止部171に結合された前側モジュールタブ173を下方に押してこれを前側停止部171に係合させるのが良い。その結果、前側停止部171は、外方に動いて光ファイバモジュール26から遠ざかり、その結果、光ファイバモジュール22は、前方に引かれるのが妨げられないようになる。光ファイバモジュール26、特にそのモジュールレール128A,128B(図16A及び図16B)をモジュールレールガイド126に沿って前方に引っ張ると、光ファイバモジュール26を光ファイバ機器トレー22から取り外すことができる。
上述すると共に図7に示すように、トレーガイド74は、光ファイバ機器トレー22を光ファイバ機器引出し20内に支持することができるよう光ファイバ機器引出し20内に配置されている。具体的に説明すると、図15に示されているように、光ファイバ機器トレー22に取り付けられ又はその一部として設けられたトレーレール136は、光ファイバ機器引出し20が光ファイバ機器トレー22を支持することができるようトレーガイド74によって受け入れられるように構成されている。トレーガイド74により、光ファイバ機器トレー22を光ファイバ機器引出し20に出し入れすることができ、それにより、光ファイバ機器トレー22によって支持された光ファイバモジュール26へのアクセス性が向上する。図19A及び図19Bは、光ファイバ機器引出し20内に設けられた例示のトレーガイド74に関する細部を示している。
図19A及び図19Bは、1‐U空間当たり最大2本のトレーレール136を支持するよう光ファイバ機器引出し20内に設けられたトレーガイド74の左側面側斜視図及び右側面側斜視図である。図19C及び図19Dは、後で説明すると共に図33A〜図35を参照して説明するように、1‐U空間当たり最大3本のトレーレール136を支持するよう使用できる別の実施形態としてのトレーガイド74′の左側面側斜視図及び右側面側斜視図である。トレーガイド74,74′は、同一の特徴を有し、図19A及び図19Bのトレーガイド74に関する以下の説明は、図19C及び図19Dのトレーガイド74′に同様に当てはまる。トレーガイド74,74′の同一の特徴又は要素は、共通の部材番号で示されており、但し、トレーガイド74′のかかる特徴には、プライム記号(′)が添えられていることを除く。
上述したように、トレーガイド74は、1つ又は2つ以上の光ファイバモジュール26を支持した光ファイバ機器トレー22を光ファイバ機器引出し20内に収納するよう構成されている。トレーガイド74により、光ファイバ機器トレー22を図14Bに示されているようにシャーシ12から引き抜くことができる。引き続き図19A及び図19Bを参照すると、この実施形態におけるトレーガイド74は、ガイドパネル180で構成されている。ガイドパネル180は、細長い部材181で構成されている。ガイドパネル180は、任意所望の材料で構成でき、かかる材料としては、ポリマー又は金属が挙げられるが、これらには限定されない。ガイドパネル180は、図12に示されているように光ファイバ機器引出し20へのガイドパネル180の取付けを容易にする一連の孔182を有している。ガイド部材184がガイドパネル180内に設けられており、これらガイド部材は、図20の断面図に示されているように光ファイバ機器トレー22のトレーレール136を受け入れるよう構成されている。図19A及び図19Bの実施形態では、3つのガイド部材184がガイドパネル180内に設けられており、3つの光ファイバ機器トレー22の最大3本のトレーレール136を受け入れることができるようになっている。しかしながら、任意所望の数のガイド部材184を設けることができる。この実施形態では、ガイド部材184は各々、トレーレール136を受け入れるよう構成されたガイドチャネル186を有し、これらガイドチャネルにより、トレーレール136は、ガイドチャネル186に沿って動くことができ、それにより光ファイバ機器引出し20回りの光ファイバ機器トレー22の並進が可能である。
板ばね188がトレーガイド74のガイド部材184の各々内に設けられており、これら板ばねは各々、ガイド部材184内における光ファイバ機器トレー22の運動中、トレーレール136のための停止位置をもたらすよう構成されている。板ばね188は、板ばね188にばね作用を与えるためにガイド部材184に設けられた端部189相互間に配置されている。板ばね188は各々、停止又は休止位置を提供するようトレーレール136に設けられた戻止め192(図21A及び図21B)内に受け入れられるよう構成された突起190を有している。トレーレール136は、トレーレール136を光ファイバ機器トレー22に取り付けるために用いられる取付けプラットホーム194を有している。トレーガイド74に停止位置を設けて光ファイバ機器トレー22が光ファイバ機器引出し20に出し入れされたときに停止位置を有することができるようにすることが望ましい場合がある。停止位置は、技術者に課される要件として或る特定の力を及ぼして光ファイバ機器トレー22をガイドパネル180回りに引き又は押し、その結果、光ファイバ機器トレー22は、引かれておらず又は押されていないときには定位置に保持されるようになる。しかしながら、この力は、所望の場合、特に光ファイバ機器トレー22を技術者の上方に配置する場合、技術者は、光ファイバ機器トレー22をガイドパネル180内に容易に押し込んだりガイドパネル180から容易に引き抜いたりすることができるよう設定されるのが良い。この点に関し、一例を挙げると、トレーレール136の2つの戻止め192は、任意所与の時点でトレーガイド74の2つの突起190を受け入れる。光ファイバ機器トレー22を第1の停止位置で光ファイバ機器引出し20内に完全に引っ込めると、トレーレール136の2つの戻止め192は、ガイドチャネル186の後側端部196に隣接して位置する1つの突起190及びガイドチャネル186の後側端部196と前側端部198との間に設けられている中間突起と嵌合する。光ファイバ機器トレー22が光ファイバ機器引出し20から引き抜かれると、トレーレール136の2つの戻止め192は、ガイドチャネル186の前側端部198に隣接して位置する1つの突起190及びガイドチャネル186の後側端部196と前側端部198との間に設けられた中間突起190と嵌合する。この実施形態における板ばね188の突起190とトレーレール136の戻止め192の嵌合によって提供される停止又は休止位置は、ガイドパネル180に加えられた力が停止位置を克服してガイド部材184内に設けられた光ファイバ機器トレー22のトレーレール136を並進させることを要件とするように設けられている。
この実施形態では、各板ばね188は、板ばね188の突起190が全部で4ポンド(1.81kg)の引張り力でトレーレール136内に設けられている戻止め192に打ち勝つことができるよう約2ポンド(0.91kg)の引張り力を必要とするように設計されている(即ち、トレーレール136の2つの戻止め192が2つの板ばね188の2つの突起190と嵌合している)。突起190と戻止め192の嵌合状態に打ち勝つのに必要な引張り力は、任意所望の引張り力であるよう設定可能である。例えば、突起190と戻止め192の係合状態に打ち勝つのに必要な引張り力は、光ファイバコネクタを光ファイバ機器トレー22によって支持された光ファイバモジュール26に係合させ又はこれから係合解除するのに必要な引張り力よりも大きいように設計されるのが良い。しかしながら、突起190と戻止め192の係合関係に打ち勝つのに必要な引張り力は、光ファイバ機器引出し20をシャーシ12(図8A及び図8B)から引き抜くときにランス88に当たらないようにするのに必要な引張り力よりも小さいように設定されるのが良い。板ばね188は、この実施形態では、各々が同一の力をもたらすよう設計されているが、いつでもそうである必要はない。さらに、ガイドパネル180及びトレーレール136は、少ない停止位置をもたらすよう設計されても良く、或いは、1つの突起190が各停止又は休止位置において1つの戻止め192と嵌合するようにしただけであっても良い。
トレーレール136が停止位置にあるとき、2つの板ばね188に設けられた2つの突起190は、上述したようにトレーレール136の2つの突起に係合する。この実施形態では、トレーレール136が停止位置にあるとき、板ばね188及びこれらの突起190並びにトレーレール136の相補戻止め192は、戻止め192が力を突起190に及ぼすことがないように協働的に設計されている。板ばね188は、トレーレール136が停止位置にあるとき、応力を受けない状態にある。これは、板ばね188が例えばポリマー材料のような材料で構成されている場合、クリープが経時的に起こる場合があり、経時的な板ばね188の有効性が低下するので有利な場合がある。しかしながら、この特徴は、この設計にとって必要条件ではない。
トレーレール136をガイドチャネル186内で引いているとき、トレー136に設けられ、図21A及び図21Bに示された突起200は、図19Aに示されているように板ばね188相互間に設けられた移行部材202を乗り越えるよう付勢される。突起200は、図21A及び図21Bに示されているようにトレーレール136内に配置されている板ばね204に設けられている。移行部材202は、光ファイバ機器トレー22がガイドチャネル186内で並進されているときに突起200が移行部材202を乗り越えることができるようにする傾斜面205を有している。突起200が移行部材202を収容すると、突起200に及ぼされた力により、板ばね204は、内方に曲がって突起200が移行部材202を乗り越えることができる。トレーレール136及び光ファイバ機器トレー22がガイドチャネル186の前側端部198及び後側端部196を越えて引き出されるのを阻止するため、停止部材206がガイドチャネル186の前側端部198及び後側端部196のところに設けられている。停止部材206は、傾斜面を備えておらず、トレーレール136の突起200は、停止部材206に当接し、停止部材206を越えてガイドチャネル186の前側端部198の外部に出るのが阻止される。
光ファイバ機器引出し20、光ファイバ機器トレー22及び光ファイバモジュール26を上述したからには、次に、光ファイバ機器10に組み込み可能な他の特徴について説明する。例えば、図22は、オプションとしての後側カバー220を受け入れるよう構成された図1の光ファイバ機器10及びシャーシ12の背面側斜視図である。後側カバー220は、シャーシ12の後側領域222内に設けられた分岐ケーブル(図示せず)を保護するために採用される場合がある。図22に示されているように、多数の孔224がシャーシ12の後側領域222の***領域226に設けられるのが良く、これら孔は、シャーシ12に入る幹線ケーブル(図示せず)の固定用分岐部を支持するようになっている。幹線ケーブルは、光ファイバ機器引出し20内に設けられている光ファイバモジュール26との光ファイバ接続関係を確立するようシャーシ12まで延びている。後側カバー220は、オーバーラップ部材228を有し、これらオーバーラップ部材は、図23に示されているように前側シャーシカバー24の後側カバー端部230内に受け入れられてシャーシ12に固定されるよう構成されている。後側カバー220は、***領域226に接続された分岐部を保護することができる。後側カバー230を前側シャーシカバー24に固定するため、後側カバー230は、後側カバー230の後側パネル234内にプランジャ232又は他の締結器具を更に有するのが良い。プランジャ232は、シャーシ12の後側領域222に設けられているフラップ238内に配置されているプランジャ受け具236に係合して後側カバー220を前側シャーシカバー24及びシャーシ12に固定するようになっている。
本明細書において説明する実施形態は、上述の光ファイバ機器引出し20には限定されない。光ファイバ引出し20の特徴の幾つか又は全ては、光ファイバモジュールを支持すると共にこれにアクセスするために他の引出し、シャーシ又は他の光ファイバ機器に組み込み可能である。例えば、図24〜図32Bは、各々が1つ又は2つ以上の光ファイバモジュールを支持するよう構成された1つ又は2つ以上の光ファイバ機器トレーを支持するよう構成されている光ファイバ機器引出しを含む光ファイバ機器の変形実施形態を示している。この点に関し、図24は、別の例示の光ファイバ機器310を示している。例示の光ファイバ機器310は、ケーブル間光ファイバ接続部を支持するとともに複数個の光ファイバケーブル接続部を管理するようデータ配信センタ又は中央局のところに設けられるのが良い。光ファイバ機器310は、光ファイバ機器シャーシ312(以下、単に「シャーシ312」という場合がある)を有する。シャーシ312は、所望ならば光ファイバ機器ラック、例えば上述すると共に図1に示されている光ファイバ機器ラック14内に設置されるよう構成されている。図24に示されているシャーシ312は、1U‐サイズのものであるが、所望の任意他のU‐サイズであるよう設計可能であり、“U”は、高さ1.75インチ(4.45cm)又は所望の任意他の高さの標準に等しい。
図24に示されると共に本明細書において以下に詳細に説明するように、シャーシ312は、1つ又は2つ以上の引き出し可能な光ファイバ機器トレー322を支持した光ファイバ機器引出し320を有している。光ファイバ機器トレー322は、1つ又は2つ以上の光ファイバモジュール(図示せず)を支持するよう構成されている。光ファイバ機器トレー322は、この実施形態では、上述すると共に図14A〜図15及び図17に示されている光ファイバ機器トレー22と同一又は本質的に同一である。光ファイバ機器トレー322によって支持された光ファイバモジュールは、上述すると共に図16A及び図16Bに示されている光ファイバモジュール26と同一又は本質的に同一であるのが良い。光ファイバ機器トレー322を動かして光ファイバ機器引出し320から引き出したり光ファイバ機器引出し320内に戻したりすることができる。任意個数の光ファイバ機器トレー322を設けることができる。任意個数の光ファイバモジュールは、光ファイバ機器トレー322によって支持可能である。光ファイバ機器トレー322は、図24では、シャーシ312の一部として光ファイバ機器引出し320の前に配置された前側シャーシカバー324によって隠れて見えない。ラッチオリフィス351が前側シャーシカバー324に設けられ、この実施形態では以下に詳細に説明するように引出しドア328を前側シャーシカバー324にロックするよう押しボタン350を採用した引出しドアロック機構体を支持するようになっている。光ファイバ機器引出し320は、光ファイバ機器トレー322及びこれらの中に支持されている光ファイバモジュールにアクセスするためにシャーシ312から引き出し可能である。
図24の光ファイバ機器310の例では、2つの光ファイバ機器トレー322は、光ファイバ機器引出し320によって支持され、各光ファイバ機器トレー322は、4つの光ファイバモジュール26を支持している。各光ファイバモジュールは、任意の数の光ファイバ接続部を支持することができる。光ファイバ機器トレー322内に収容される光ファイバモジュールが12個の光ファイバ接続部を支持する場合、全部で最大96個の光ファイバ接続部を光ファイバ機器引出し320によって提供することができるが、光ファイバ機器引出し320は、この密度に限定されるわけではない。
図25A及び図25Bは、図24の光ファイバ機器310及び光ファイバ機器引出し320の或る特定の性能及び特徴の概要を示すために提供されている。本明細書においてこれら性能及び特徴の実施形態につき詳細に説明する。図25Aは、シャーシ312及び光ファイバ機器引出し320の正面側斜視図である。図25Bは、シャーシ312及び光ファイバ機器引出し320の側面図である。図25Aに示されているように、前側シャーシカバー324及び後側シャーシカバー325(図24)がシャーシ312から取り外されており、その結果、光ファイバ機器引出し320内の光ファイバ機器トレー322によって支持された光ファイバモジュールが見えている。光ファイバ機器引出し320をシャーシ312から引き出すと、光ファイバ機器トレー322内に設置されている光ファイバモジュールをシャーシ312から引き出して光ファイバモジュール及びこれらの中の支持されている光ファイバ接続部にアクセスすることができる。図25A及び図25Bに示されているように、光ファイバ機器引出し320は、シャーシ312から完全に引き抜かれ又は引き出され、下方に傾けられている。光ファイバ機器引出し320を下方に傾けると、図25A及び図25Bに示されているように、所望に応じて光ファイバ機器引出し20内に設置されている光ファイバモジュール26を下方に傾けることができる。下方への光ファイバ機器引出し320の傾斜は、光ファイバ機器引出し320が光ファイバ機器ラック内の高い位置に設けられている場合に特に有用なことがある。アクセスすべき所望の光ファイバモジュールは、所望ならば、光ファイバモジュールを支持した光ファイバ機器トレー322を光ファイバ機器引出し320から引き抜くことによってアクセス性を向上させるよう一段と引き出し可能である。
以下に詳細に説明するように、各光ファイバ機器トレー322は又、一例として図2A及び図2Bに記載されている引出しと同様、光ファイバ機器引出し320をシャーシ312から引き出そうと引き出さまいと或いは下方に傾けようと傾けまいといずれにせよ、光ファイバ機器引出し203から別個独立に並進可能である。このようにすると、光ファイバ機器トレー322内に設けられている光ファイバモジュールへのアクセス性を向上させることができる。アクセスは、一例として光ファイバモジュール及びこの中に設けられている光ファイバ接続部の設置、構成、再構成、再設置及び取出しを含む。さらに、この実施形態における光ファイバ機器トレー322内に設置されている各光ファイバモジュールを所望ならば次のアクセスのために所与の光ファイバ機器トレー322内の他の光ファイバモジュールから別個独立に並進させ又は取り外すことができる。
次に、一例として図24の光ファイバ機器310及び光ファイバ機器引出し320の種々の性能及び特徴を詳細に説明するために図26〜図32Bを参照する。
図26は、図24の光ファイバ機器310及び光ファイバ機器引出し320の正面側斜視図であり、光ファイバ機器引出し320がシャーシ312内に完全に引っ込められている。前側シャーシカバー324及び後側シャーシカバー325は、光ファイバ機器引出し320のコンポーネント及びこの中に設けられているコンポーネントの説明を容易にするために取り外されている。光ファイバ機器引出し320は、この実施形態では、引出しドア328を有している。引出しドア328は、光ファイバ機器トレー322へのアクセス性を制御する。引出しドア328は、例えば光ファイバ機器引出し320内に作られている光ファイバ接続部を識別するようラベルホルダ392に設けることができるラベル表示を更に有するのが良い。引出しドア328は、図26では開かれた状態で示されている。光ファイバ機器トレー322が図26に示されているように光ファイバ機器引出し320内に完全に引っ込められると、引出しドア328を閉じてシャーシ312にロックすることができ、それにより光ファイバ機器トレー322へのアクセスが閉ざされる。この実施形態では、引出しドア328は、引出しドア328を開くと、図26に示されているように、光ファイバ機器引出し320に取り付けられた状態に保持される。
引出しドア328をこの実施形態ではシャーシ312に対して閉じた状態に保持するため、引出しドアロック機構体340が設けられている。引出しドアロック機構体340は、上述すると共に図3〜図5に示されている引出しドアロック機構体340とほぼ同じである。引出しドアロック機構体340は、引出しドア328をシャーシ312に対し、特に前側シャーシカバー324に対して閉じた状態に解除自在に保持するよう構成されている。図26に示されているように、2つの引出しドアロック機構体340が、1つは引出しドア28の左側端部342のために、もう1つは右側端部344のために設けられている。この実施形態では、引出しドアロック機構体340は、上述すると共に図5に示されている押しボタンラッチ34と同一又は類似の押しボタンラッチ346で構成されている。押しボタンラッチ346は、引出しドア328を閉鎖状態に保持するようラッチ348を前側シャーシカバー324内に設けられたラッチオリフィス351(図24)に係合させるよう構成されている。押しボタンラッチ346は各々、引出しドア328内に設けられ、この実施形態では、図26に示されているように1つが左側端部342に設けられ、もう1つが右側端部344に設けられている。2つのラッチオリフィス351(図24)が前側シャーシカバー324に設けられ、これらラッチオリフィスは、ラッチ348を受け入れて引出しドア328をロックするよう構成されている。押しボタンラッチ346は、この実施形態では、力が押しボタン350に加えなければ、引出しドア328を閉じたときにラッチ348が上方に付勢されてラッチ348がラッチオリフィス351と嵌合状態に保持されるようばね押しされている。
光ファイバ機器トレー322の1つ又は2つ以上引き抜くことが望ましい場合、引出しドア328を前側シャーシカバー324からロック解除して開くのが良い。押しボタン350は、上述すると共に図3〜図5に示されている押しボタン50と同様、下向きの力を押しボタン350に加えたときにラッチ348を下方に動かして押しボタンラッチ346のばね押し力に打ち勝つよう構成されている。押しボタン350を下方に押すと、ラッチ348は、前側シャーシカバー324のラッチオリフィス351から離脱して引出しドア328をロック解除する。すると、引出しドア328を前側シャーシカバー324から開くことができる。引出しドア328は、開かれると、ヒンジ332回りに下方に揺動することができる。
上述したように、光ファイバ機器310内の光ファイバ機器引出し320は、光ファイバ機器トレー322及び/又はこれらの中に収納されている光ファイバモジュール326へのアクセス性を向上させるようシャーシ312から引き抜かれるよう構成されている。この点に関し、図27Aは、図24の光ファイバ機器310及び光ファイバ機器引出し320の正面側斜視図であり、引出しドア328が開かれて下げられると共に光ファイバ機器320がシャーシ312から引き出されている。光ファイバ機器引出し320及びその種々の特徴及びコンポーネントを更に示すため、光ファイバ機器引出し320の斜視図が図27Bに示されている。光ファイバ機器引出し320は、幾つかの特徴を提供するよう構成されており、これら特徴の幾つか又は全てを提供することができる。この実施形態では、光ファイバ機器引出し320は、後側パネル360に取り付けられた前側パネル358を有している。前側パネル358及び後側パネル360は、板金又は所望の任意他の形式若しくは種類の材料で構成可能である。前側パネル358は、上述すると共に図27Aに示されているように、1つ又は2つ以上の光ファイバ機器トレー322及び光ファイバ機器トレー322内に設けられている光ファイバモジュールを支持するよう構成されている。
引き続き図27Bを参照すると、光ファイバ機器引出し320は、前側パネル358内に収納された2つの引出し保持部材362を有している。2つの引出し保持部材362は、図28に示されているように前側パネル358の底側部363に設けられている。引出し保持部材362は、光ファイバ機器引出し320をシャーシ312から解除するまで光ファイバ機器引出し320をシャーシ312内に解除可能に保持するよう構成されている。引出し保持部材362が解除されると、光ファイバ機器引出し320をシャーシ312から引き抜くことができる。
この実施形態では、引出し保持部材362は、エルボ形ラッチ364の形態で設けられている。エルボ形ラッチ364は、この実施形態では、2つのエルボ区分364A,364Bを有している。一方のエルボ形ラッチ364が図28に示されており、その理由は、光ファイバ機器引出し320の左側端部342だけが示されているからである。しかしながら、別の引出し保持部材362及びエルボ形ラッチ364が光ファイバ機器引出し320の右側端部344のところに位置した前側パネル358の底側部363にも設けられていることに注目されたい。エルボ形ラッチ364は、後方付勢ラッチ係合部材368(図27B)と整列してこれに当たるよう構成されており、これら後方付勢ラッチ係合部材は、シャーシ312内に引っ込められたときに光ファイバ機器引出し320を保持するようシャーシ312内に設けられている。この点に関し、各エルボ形ラッチ364のエルボ区分364Aは、ラッチ係合部材368(図27A)の後方側部386に設けられ、光ファイバ機器引出し320をシャーシ312内に保持するようラッチ係合部材368に当たるよう構成される。引出し保持部材362を解除すると、エルボ形ラッチ364は、内方に引かれてラッチ係合部材368とエルボ形区分364Aの衝突を回避して各エルボ形ラッチ364のエルボ区分364が妨げられない状態でラッチ係合部材368を通過してラッチ係合部材368(図27A)の前方側部390内に入り、それにより光ファイバ機器引出し320をシャーシ312から引き抜くことができるようになっている。
図28〜図29Bは、引出し保持部材362に関する細部を示している。図28は、光ファイバ機器引出し320の前側パネル358の底側部363のところに位置した左側端部342に設けられている引出し保持部材362を示している。図29A及び図29Bは、光ファイバ機器引出し320の前側パネル358の底側部363の右側端部344に設けられるよう設計された引出し保持部材362を単独で取り出して示す斜視図である。図28に示されているように、引出し保持部材362は、引出し用引き解除具369を有している。引出し用引き解除具369は、エルボ形ラッチ364に機械的に結合されている。引出し用引き解除具369を引くと、エルボ区分364A,364Bは、引出し保持部材362の2つの互いに平行な又は実質的に平行なプレート部材373の外縁部371に向かって内方に畳まれる。エルボ形ラッチ364に連結されると共にプレート部材373に設けられたスロット377内に設けられているピン375が引出し用引き解除具369の引き距離を制限し、エルボラッチ364の畳み距離を制限する。エルボ形ラッチ364は、この実施形態では、エルボ形ラッチ364がプレート部材373から外部に自由に出たりその内部に自由に引っ込んだりすることができるようプレート部材373相互間に設けられている。エルボ形ラッチ364が畳まれると、各エルボ形ラッチ364のエルボ区分364Aは、ラッチ係合部材362との衝突を避けることができ、それにより光ファイバ機器引出し320をシャーシ312から解除することができる。この実施形態では、2つの引出し保持部材362が光ファイバ機器引出し320内に設けられているので、引出し保持部材362の両方の引出し用引き解除具369は、光ファイバ機器引出し320を解除するよう引かれる。しかしながら、1つの引出し保持部材362を設けて、光ファイバ機器引出し320をシャーシ312から解除するのに引かれるのが必要な引出し用引き解除具369が1つだけであるようにしても良い。
図28〜図29Bに示されているようにばね379も又エルボ形ラッチ364に組み込むことにより、エルボ形ラッチ364が拡張位置で外方に付勢される。この実施形態では、ばね379は、エルボ区分364Bに直列に結合されているが、所望ならばエルボ区分364Aに直列に結合されても良い。この実施形態では、ばね379は、エルボ区分364Bとプレート部材373に設けられたオリフィス381との間に結合されている。図28に示されているように、引出し用引き解除具369と光ファイバ機器引出し320との間に別のばね383を更に結合するのが良い。ばね383は、引出し用引き解除具369を内方に付勢し、その結果、引出し用引き解除具369に加えられた引き力が解除されると、引出し用引き解除具369は、光ファイバ機器引出し320に向かって引っ込んで戻るようになる。
光ファイバ機器引出し320が引出し保持部材362の解除によりシャーシ312から解除された後においては、光ファイバ機器引出し320は、シャーシ312から自由に引き抜き可能である。光ファイバ機器引出し320をシャーシ312内に引っ込めると、光ファイバ機器引出し320をシャーシ312内にロックすることができる。光ファイバ機器引出し320を引っ込めると、各エルボ形ラッチ364のエルボ区分364Aは、最終的に、ラッチ係合部材368(図27B)に接触する。ラッチ係合部材368が後方に付勢されているので、光ファイバ機器引出し320がシャーシ312内に押し込まれているときにおけるラッチ係合部材368とエルボ区分364Aとの接触により、エルボ形ラッチ364は内方に畳まれることになる。しかる後、エルボ区分364Aは、ラッチ係合部材368の後方側部386上に設けられて光ファイバ機器引出し320をシャーシ312内に保持するようになっている。
光ファイバ機器引出し320に設けることができるもう1つの特徴は、光ファイバ機器引出し320の引き抜き距離を制限する引出し引き抜き制限部材である。図30A及び図30Bは、この特徴を示している。図30Aは、光ファイバ機器引出し320、特に前側パネル358及び後側パネル360の拡大斜視図である。後側パネル360は、前側パネル358が後側パネル360に対して平らにされてリンク機構部材359により移動経路TP′に沿って押し戻されると、移動経路TP′に沿ってシャーシ312内に戻るよう構成されており、これについては以下に詳細に説明する。前側パネル358は、引出し引き抜き制限部材366を見えなくしている。図30Bは、図30Aの光ファイバ機器引出し320の斜視図であるが、後側パネル360は、説明の目的上取り外されている。図30Bに示されているように、引出し引き抜き制限部材366は、シャーシ312のベース391に取り付けられたプレート部材367の形態で設けられている。後側パネル360の底側部にしっかりと取り付けられたタブ部材361は、後側パネル360が移動経路TP′に沿って動くと、移動経路TP′に沿って動く。後側パネル360を引き抜いてタブ部材361がプレート部材367のキー付き区分365に入ると、タブ部材361は、プレート部材367に当接し、後側パネル360がキー付き区分365を越えて出るのを阻止し、前側パネル358がシャーシ312からそれ以上出るのを阻止する。
図30B及び図31A〜図32Bは、光ファイバ機器引出し320の運動及び傾き機構体を示している。光ファイバ機器引出し320の傾き機構体について詳細に説明する。図30B及び図31A〜図32Bに示されているように、光ファイバ機器トレー322は、光ファイバ機器トレー322及びこれらの中に支持されている光ファイバモジュール(図示せず)へのアクセス性を向上させるようシャーシ312に出入りするよう構成されている。図31A及び図31Bは、前側パネル358が傾けられた状態でシャーシ312から引き出された光ファイバ機器引出し320の正面側及び背面側斜視図である。この実施形態では、光ファイバ機器引出し320は、図31A及び図31Bに示されているようにシャーシ312のベース391内に設けられた2つの引出しレールガイド398内に配置されている外側ガイド部材389回りにシャーシ312に出入りする。2つの相補引出しレール392が図32A及び図32Bに示されているようにリンク機構部材394に連結されたヒンジ393に固定的に連結されている。リンク機構部材394は、光ファイバ機器引出し320の底側部395に固定的に取り付けられている。光ファイバ機器引出し320の運動により、力がリンク機構部材394に加えられ、これらリンク機構部材は、力を引出しレール392に加え、それにより引出しレール392は、図30Bに示されているように引出しレールガイド398内で動くようになる。リンク機構部材394は、光ファイバ機器引出し320を引っ込めると、図32Aに示されているように引出しレールガイド398の内側区分397に沿って動く下側の内側区分396を有する。
リンク機構部材394は、光ファイバ機器引出し320をシャーシ312内に引っ込めると、リンク機構部材394が引出しレールガイド398の外側ガイド部材389に当たらないよう外側***部分399を更に有している。引出しレールガイド398は、板金又は他の材料、例えばプラスチックで作られても良く、或いは、金属とプラスチックのハイブリッドであっても良い。例えば、外側ガイド部材389は、プラスチックで作られ、引出しレールガイド398の他の部分は、板金で作られても良い。
図31A及び図31Bは又、一実施形態としての光ファイバ機器引出し320の傾き及び傾き制限特徴部を示している。上述したように、光ファイバ機器引出し320を下方に傾けることにより、光ファイバ機器引出し320内に設けられている光ファイバモジュール及び/又はこれらの光ファイバ接続部へのアクセス性を向上させることができる。図31Aに示されているように、前側パネル358は、後側パネル360回りに下方に傾斜することができる。後側パネル360は、シャーシ312に平行な又は実質的に平行な平面内に差し向けられたままである。光ファイバ機器トレー322は、前側パネル358内に設けられているので、前側パネル358の傾斜によっても、光ファイバ機器トレー322が傾斜してアクセス可能となる。
光ファイバ機器引出し320は、この実施形態ではヒンジ393及び光ファイバ機器引出し320の前側パネル358と後側パネル360との間に設けられたヒンジ400を介して下方に傾斜するよう構成されている。ヒンジ400は、後側パネル360の前側端部402に設けられた巻き部分401を前側パネル358の後側端部404に設けられた巻き部分403と交互に配置することによって形成されている。巻き部分401,403は、交互配置されると、これらの間に前側及び後側パネル358,360の左側端部376から右側端部378まで延びるヒンジ400を形成する。光ファイバ機器引出し320を引き抜いて前側パネル358がシャーシ312を越えて引き抜かれると、前側パネル358は、ヒンジ400回りに自由に下方に傾斜することができる。光ファイバ機器引出し320の傾斜角は、図30Aに示されているように前側パネル358の後側端部404とシャーシ312の前側端部405の衝突によって制御される。
図33A〜図35は、上述すると共に光ファイバモジュール26を支持するよう図示されている同一又は本質的に同一の光ファイバ機器トレー22を有するのが良い別の実施形態としての光ファイバ機器410を示している。光ファイバ機器410は、この実施形態では、各々が1つ又は2つ以上の光ファイバモジュール26を支持した光ファイバ機器トレー22を保持するよう構成された4‐Uサイズのシャーシ412を有している。シャーシ412によって支持された光ファイバ機器トレー22及び光ファイバモジュール26は、上述したのと同一又は本質的に同一である。シャーシ412内に設けられた光ファイバ機器トレー22及び光ファイバ機器トレー22内に設けられた光ファイバモジュール26については再び説明する必要はないであろう。図34Aは、光ファイバ機器410の正面側斜視図であり、前側カバー414がシャーシ412内に設けられている光ファイバ機器トレー22を示すよう下げられている。シャーシカバー416(図33A及び図33B)がシャーシ412に取り付けられ、光ファイバ機器トレー22及びこの中に納められている光ファイバモジュール(図示せず)を固定するようになっている。図33Bは、図33Aに示された光ファイバ機器410の側面図である。図34は、図33Aに示されている光ファイバ機器410を示しているが、シャーシカバー416は、シャーシ412内に設けられている光ファイバ機器トレー22を示すために取り外されている。
光ファイバモジュール26は、一例として上述すると共に図15〜図18に示した光ファイバ機器トレー22内に支持されるのが良い。光ファイバ機器トレー22は、一例として上述すると共に図16A及び図16Bに示した光ファイバモジュール26と同一又は類似した光ファイバモジュールを1つ又は2つ以上支持することができる。光ファイバ機器410は、この実施形態では、光ファイバ機器引出しを備えていない。光ファイバ機器トレー22は、この実施形態では、中間光ファイバ機器引出しとは対照的に、シャーシ412によって直接支持されている。図19A〜図21Bに記載したトレーガイド74,74′及びトレーレール136は、シャーシ412内の光ファイバ機器トレー22を支持するようシャーシ412内に用いられるのが良く、それにより、各光ファイバ機器トレー22を別個独立にシャーシ412から引き出したりこの中に戻したりすることができる。しかしながら、全部で最大576個の光ファイバ接続部(即ち、12個の光ファイバ機器トレー22×光ファイバ機器トレー22一つ当たり4個の光ファイバモジュール26×光ファイバモジュール26一つ当たり12個の光ファイバ接続部)の場合、最大12個の光ファイバ機器トレー22をシャーシ412内に設けることができる。図34に示されているようにシャーシ412内に設けられるトレーガイド418は、最大12個の光ファイバ機器トレー22を支持することができる。もしそうでなければ、トレーガイド418は、図19A及び図19Bに示されると共に上述したトレーガイド74と同一のガイド部材及びトレーガイド内に位置する光ファイバ機器トレー22を支持する他の特徴部を有する。
図35は、1つの光ファイバ機器トレー22′がシャーシ412から引き出された状態の光ファイバ機器410を示している。光ファイバ機器トレー22′は、ちょうど図21A及び図21Bに示すと共に上述したトレーレール136を有し、これらトレーレールは、図19A及び図19Bにちょうど示すと共に上述したトレーガイド74回りに動くようになっている。光ファイバ機器トレー22′をシャーシ412から引き出すと、この中に納められている光ファイバモジュール26及びこれらの光ファイバ接続部へのアクセス性を向上させることができる。アクセスが完了すると、引っ込めた状態の光ファイバ機器トレー22′をシャーシ12及び光ファイバ機器引出し20についてちょうど上述すると共に光ファイバ機器トレー22について示したようにトレーガイド410回りにシャーシ412中に押し戻すことができる。
注目されるように、図33A〜図35に示された光ファイバ機器410は、光ファイバ機器トレー22をひとまとめにシャーシ412に引き込んだり引き出したりすることができるようにする光ファイバ機器引出しを備えていないが、光ファイバ機器引出しを設けることができることに注目されたい。光ファイバ機器引出しは、上述すると共に図示した光ファイバ機器引出し20と同一又はほぼ同一の状態で提供できる。光ファイバ機器引出しは、光ファイバ機器引出し20が上述すると共に図示したようにシャーシ12内に保持されてこの中に出し入れされるのと同様、シャーシ412内に保持されると共にこれに出し入れされるよう設計可能である。光ファイバ機器410内に支持された光ファイバ機器トレー22は、上述すると共に図示した光ファイバ機器引出し内部に設置されるトレーガイド74と同一又はほぼ同一のトレーガイド内に挿入されると共に支持される。光ファイバ機器引出しの運動により、光ファイバ機器トレー22の各々がひとまとまりに動く。上述すると共に図示した光ファイバ機器引出し20と同一又はほぼ同一の光ファイバ機器引出しを設けることは、任意特定のサイズ、配列又は数の光ファイバ機器トレー又は光ファイバモジュールには限定されない。
上記説明及び関連の図面に提供された教示の恩恵を受ける本発明と関連した当業者であれば、本明細書において説明した本発明の多くの改造例及び他の実施形態を想到できよう。これら改造としては、光ファイバ機器、光ファイバ機器引出し、光ファイバ機器引出しに組み込まれる特徴の数又は形式が挙げられるが、これらには限定されず、かかる特徴としては、保持特徴、引き抜き距離特徴、傾き特徴及び/又は傾き制限特徴が挙げられるが、これらには限定されない。1‐U、2‐U及び4‐Uサイズを含む(これらには限定されない)任意サイズの機器は、上述の特徴の幾つか又は全てを含むことができ、かかる特徴としては、本明細書において開示した光ファイバ機器引出し(傾斜可能なタイプと傾斜できないタイプの両方)、光ファイバ機器トレー及び光ファイバモジュール並びにこれらの特徴の幾つか又は全てが挙げられるが、これらには限定されない。さらに、改造は、光ファイバ機器トレーの形式又は光ファイバ機器トレー内に設置される光ファイバモジュールを支持する手段若しくは装置には限定されない。光ファイバモジュールは、任意の光ファイバ接続形式を含むことができ、かかる光ファイバ接続形式としては、光ファイバコネクタ及びアダプタ並びに光ファイバ接続の数、密度等が挙げられるが、これらには限定されない。
「光ファイバケーブル」及び/又は「光ファイバ」という用語は、全ての形式のシングルモード及びマルチモード導波路を含み、かかる導波路としては、アップコード付き、色分け、バッファ付き、リボン付きのものであるのが良く且つ/或いはケーブル内の他の組織化又は保護構造体、例えば1本又は2本以上の管、抗張力体、ジャケット等を有する1本又は2本以上の光ファイバが挙げられる。同様に、適当な光ファイバの他の形式としては、曲げ敏感性光ファイバ又は光信号を伝送するための媒体の任意他の手段が挙げられる。曲げ敏感性光ファイバの一例は、コーニング・インコーポレイテッド(Corning Incorporated)から市販されているClear Curve(登録商標)マルチモードファイバである。
したがって、実施形態は、開示した特定の実施形態には限定されず、改造例及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれるものであることは理解されるべきである。実施形態は、これらが特許請求の範囲に記載された本発明の範囲及びその均等範囲に属する限り、本発明の改造例及び変形例を包含するものである。特定の用語を本明細書において採用したが、特定の用語は、本発明を限定する目的ではなく、一般的且つ説明的な意味でのみ用いられている。