JP5706105B2 - シリコーン系シーリング材目地に適用するためのコーティング剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコーン樹脂を主成分とするシーリング材が充填された目地(以下、シリコーン系シーリング材目地と記載する)塗布するためのコーティング剤組成物に関するものである。より詳細には、既設のシリコーン系シーリング材目地に対して良好な密着性を有するとともに、当該目地に発生した黒ずみやかび等の汚点を効率的に隠蔽でき、塗布作業性に優れるコーティング剤組成物に関するものである。
シリコーン樹脂を主成分とするシーリング材(以下、シリコーン系シーリング材と記載する)は、他のシーリング材と比べて耐候性、耐久性、耐疲労性等にすぐれ、きわめて良好な弾性特性を有していることから、浴室やキッチンなどの水回りのシール材として広く用いられている。
通常、特に水回りに適用されるシリコーン系シーリング材には、防かび剤が配合されている(例えば、特許文献1、2等)。しかし、その防かび効果は経年で減少する。そのため、徐々にその目地部に黒ずみやかび等の汚点が発生して美観を損ねることがある。特に、このような黒ずみやかび等の汚点は、浴室やキッチンなどの衛生面を気にする用途では嫌われる。
しかし、シーリング材としての性能(水密性や気密性等)自体には何ら問題がないため、古いシーリング材を除去して再度打ち直すほどでもない。そこで、多くは塩素系の洗浄剤等を用いて黒ずみやかび等の汚点を除去することになるが、この作業は重労働であり、また塩素系の洗浄剤は使用法に注意する必要がある。
あるいは、黒ずみやかび等の汚点を除去するのではなく、その上から新たに塗料を塗布して汚点を隠すことも行われている。
しかし、シリコーン樹脂自体は離型剤等の材料にも用いられる低極性の樹脂である。そのため、通常の塗料との密着性は非常に悪く、その後の洗浄ですぐに剥がれ落ちてしまい、かえって美観を損ねる等、期待した性能・効果が得られないため、それほど普及していないのが現状である。
特開平09−59518号公報 特開平10−298432号公報
本発明が解決しようとする課題は、既設のシリコーン系シーリング材目地に対して良好な密着性を有するとともに、当該目地に発生した黒ずみやかび等の汚点を効率的に隠蔽でき、塗布作業性に優れるコーティング剤組成物を得ることである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、加水分解性シリル基含有ポリマー、酸化チタン粉末、アミノシラン化合物、加水分解性シリル基含有ポリマーの硬化触媒、防かび剤を含有させた、湿気硬化型のコーティング剤組成物を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は、以下の第1〜第の発明から構成される。
すなわち、第1の発明は、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)、酸化チタン粉末(B)、アミノシラン化合物(C)、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の硬化触媒(D)、防かび剤(E)を含有し、23℃において、B型回転粘度計(30回転/分)で測定される粘度が1000〜5000mPa・sであることを特徴とする、シリコーン樹脂を主成分とするシーリング材が充填された目地に塗布するためのコーティング剤組成物に関するものである。
これらの構成成分を含有するコーティング剤組成物は、シリコーン系シーリング材目地に対して良好な密着性を有するとともに、当該目地に発生した黒ずみやかび等の汚点を効率的に隠蔽でき、塗布作業性に優れる。
また、第2の発明は、酸化チタン粉末(B)の質量含有率が、コーティング剤組成物の乾燥硬化皮膜の15〜50質量%であることを特徴とする、第1の発明に係るシリコーン樹脂を主成分とするシーリング材が充填された目地に塗布するためのコーティング剤組成物に関するものである。
酸化チタン粉末の質量含有率が上記の範囲内であると、特に汚点を効率的に隠蔽できる。
の発明は、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)が、主鎖骨格としてポリアクリル酸エステルであるものを含有することを特徴とする、第1又は第2の発明に係るシリコーン樹脂を主成分とするシーリング材が充填された目地に塗布するためのコーティング剤組成物に関するものである。
主鎖骨格としてポリアクリル酸エステルであるものを含有する加水分解性シリル基含有ポリマーを用いると、シリコーン系シーリング材目地に対して良好な密着性が発揮されるとともに、耐久性に優れた塗膜を形成する。
の発明は、酸化チタン粉末(B)が、ルチル型結晶であるとともに、Al・Si・Zn・Zrのいずれか1種類以上の原子を含む表面処理が施されていることを特徴とする、第1〜第のいずれかの発明に係るシリコーン樹脂を主成分とするシーリング材が充填された目地に塗布するためのコーティング剤組成物に関するものである。
酸化チタン粉末が上記のものであると、貯蔵時の安定性が確保できることから好ましい。
の発明は、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の硬化触媒(D)が、オクチルスズ化合物であることを特徴とする、第1〜第のいずれかの発明に係るシリコーン樹脂を主成分とするシーリング材が充填された目地に塗布するためのコーティング剤組成物に関するものである。
硬化触媒としてオクチルスズ化合物を用いると、実用十分な硬化速度が得られる上に、環境負荷をより小さくすることができる。
の発明は、既設のシリコーン樹脂を主成分とするシーリング材が充填された目地上に、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)、酸化チタン粉末(B)、アミノシラン化合物(C)、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の硬化触媒(D)、防かび剤(E)を含有し、23℃において、B型回転粘度計(30回転/分)で測定される粘度が1000〜5000mPa・sであることを特徴とするコーティング剤組成物の乾燥硬化皮膜が形成されてなる目地構造に関するものである。
このような目地構造は、既設のシリコーン系シーリング材目地と塗膜の密着性が良好であるとともに、当該目地に発生した黒ずみやかび等の汚点を効率的に隠蔽することができる。
本発明に係るシリコーン系シーリング材目地に塗布するためのコーティング剤組成物は、既設のシリコーン系シーリング材目地に対して良好な密着性を有するとともに、当該目地に発生した黒ずみやかび等の汚点を効率的に隠蔽でき、塗布作業性に優れるという効果を奏する。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例示にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
[コーティング剤組成物について]
本発明におけるコーティング剤組成物は、既設のシリコーン系シーリング材目地に対して塗布されるものであり、当該目地に発生した黒ずみやかび等の汚点を隠蔽する目的で使用されるものである。
本発明におけるコーティング剤組成物は、常温で液状のものであり、使用方法としては、ハケ等を用いて適用したいシリコーン系シーリング材目地に塗布する。その後、本発明のコーティング剤組成物に含まれる加水分解性シリル基含有ポリマーが空気中の湿気によって硬化し、最終的に強固な塗膜を形成する。
また、本発明のコーティング剤組成物は、23℃において、B型回転粘度計(30回転/分)で測定される粘度が1000〜5000mPa・s(好ましくは1500〜4000mPa・s)であると、特に塗布作業性に優れることから好ましい。
[加水分解性シリル基含有ポリマー(A)について]
本発明における加水分解性シリル基含有ポリマー(A)(以下、単に「ポリマー(A)」と記載することがある)は、分子内に下記一般式(1)で表される加水分解性シリル基を有するポリマーである。本発明で使用されるポリマー(A)は、作業性などの面から、室温で液状であることが好ましい。
−SiR(OR′)3−z ・・・式(1)
(但し、Rは炭素数1〜10個の炭化水素基を、R′はフェニル基、炭素数1〜6のアルキル基、及び、2−(ブトキシ)エチル基に代表される炭素数1〜10の有機基から選ばれる一種以上の基を、zは0、1又は2を、それぞれ示す)
加水分解性シリル基は、珪素原子に加水分解性基が1〜3個結合すると共に、炭化水素基が2〜0個結合しているものである。そして、この珪素原子には、主鎖が結合している。ここで、加水分解性基(OR′)としては、R′がフェニル基、炭素数1〜6のアルキル基、及び、2−(ブトキシ)エチル基に代表される炭素数1〜10の有機基から選ばれる一種以上の基が一般的に用いられる。炭化水素基(R)としては、メチル基やエチル基等の炭素数1〜10個の炭化水素基が一般的に用いられる。また、これらの炭化水素基には、ヒドロキシアルキル基等の置換基を有していてもよい。
これらの中でも加水分解性基(OR′)としては、取り扱いの容易さ、入手の容易さ等の観点から、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基(すなわち、R′が炭素数1〜4のアルキル基)であることが好ましい。また、加水分解性基(OR′)の数としては、硬化速度を高めたい場合は3個(z=0)が好ましく、硬化物に柔軟性を付与したい場合は2個(z=1)又は1個(z=2)が好ましい。
ポリマー(A)の分子量は特に制限されないが、1,000〜80,000が好ましく、1,500〜60,000がより好ましく、2,000〜40,000が特に好ましい。分子量が1,000を下回ると、架橋密度が高くなり過ぎることから得られる塗膜(硬化物)が脆い物性となる場合があり、分子量が80,000を上回ると、粘度が高くなり作業性が悪くなるため溶剤や可塑剤が多量に必要になるなど配合が制限される場合がある。
ポリマー(A)の主鎖骨格としては、ポリオキシアルキレン、ビニル重合体(例えば、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等)、飽和炭化水素重合体、不飽和炭化水素重合体、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂及び変成シリコーン樹脂に一般的に用いられている主鎖骨格から選ばれる1種以上の骨格が採用される。特に、本質的にポリオキシアルキレン及び/又はポリアクリル酸エステルであることが、入手の容易さや塗膜(硬化物)の皮膜物性の点から好ましく、特にはポリアクリル酸エステルであるものを含有すると、シリコーン系シーリング材目地に対して良好な密着性が発揮されるとともに、耐久性に優れた塗膜を形成することから好ましい。ここで、「本質的に」とは、該構造がポリマー(A)の主鎖骨格である繰り返し単位の主要素であることを意味する。また、ポリマー(A)の中に該構造が単独で含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
ポリマー(A)の市販品としては、シリコーン樹脂又は変成シリコーン樹脂として多数販売されている。例えば、カネカ社製のサイリルシリーズ、カネカMSポリマーシリーズ、MAシリーズ、EPシリーズ、SAシリーズ、ORシリーズ、旭硝子社製のエクセスターシリーズ、デグサジャパン社製のシラン変性ポリアルファオレフィン、信越化学工業社製のKCシリーズ、KRシリーズ、X−40シリーズ、東亞合成社製のXPRシリーズ、綜研化学社製のアクトフローシリーズ等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
また、本発明では、ポリマー(A)として、分子内に架橋可能な反応性珪素基を有し、かつ、分子内に特定の極性基を含有する硬化性樹脂を好適に用いることができる。ここで、特定の極性基とは、ウレタン結合基、チオウレタン結合基、尿素結合基、チオ尿素結合基、置換尿素結合基、置換チオ尿素結合基、アミド結合基、スルフィド結合基、ヒドロキシル基、第一級アミノ基、第二級アミノ基及び第三級アミノ基等の酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含有する結合基又は官能基等を指す。このような極性基を加水分解性シリル基の近傍に導入すると、硬化性樹脂自体の硬化能が高まるため好ましい。
特に、これらの特定極性基の中では、ウレタン結合基、チオウレタン結合基、尿素結合基、チオ尿素結合基、置換尿素結合基、置換チオ尿素結合基、アミド結合基、第一級アミノ基、第二級アミノ基及び第三級アミノ基等の含窒素極性基を有するものが好ましく、ウレタン結合基(−NHCOO−)、尿素結合基(−NHCONH−)、置換尿素結合基(−NHCONR"−;R"=有機基)を有するものであることが最も好ましい。硬化性樹脂自体の硬化能が高まる理由としては、硬化性樹脂の分子内に存在する特定極性基同士がドメインを形成し、その結果、硬化性樹脂の加水分解性シリル基同士のカップリング反応がさらに促進されるためであると考えられる。
分子内に架橋可能な反応性珪素基を有し、かつ、分子内にこれらの特定極性基を含有する硬化性樹脂は、従来公知の方法で合成することができる。例えば、特許第3030020号公報記載の方法や、特開2005−54174号公報、特開2005−139452号公報、特表2005−501146号公報、WO2010/004948等に記載の方法が挙げられる。
[酸化チタン粉末(B)について]
本発明における酸化チタン粉末(B)は、硬化後の隠蔽性付与を目的に配合する充てん剤である。なかでも、ルチル型結晶であるとともに、Al・Si・Zn・Zrのいずれか1種類以上の原子を含む表面処理が施されていると、組成物の貯蔵時の安定性が確保できることから好ましい。
このような酸化チタン粉末としては、例えば、石原産業社製の「R-780」、「R-820」、「CR−50」、「CR−93」、デュポン社製の「R−900」、「R−931」、テイカ社製の「JR−701」、「JR−600」、「JR−801」、チタン工業社製の「KR−380」、「KR−380N」、「KR−460」(以上、いずれも各社の商品名)などを用いることができる。
上記酸化チタン粉末(B)の配合量は、質量含有率でコーティング剤組成物の乾燥硬化皮膜の15〜50質量%(好ましくは15〜40質量%、特に好ましくは20〜30質量%)である。この範囲内であると、特に汚点を効率的に隠蔽できることから好ましい。
[アミノシラン化合物(C)について]
本発明におけるアミノシラン化合物(C)は、分子内に第1級、第2級及び第3級アミノ基から選ばれる一種以上のアミノ基及び加水分解性シリル基を有するシラン化合物であって、接着性付与効果を有する化合物である。また、アミノシラン化合物(C)は、その分子内に塩基性を示すアミノ基を有していることから、硬化触媒としての機能も併せ持っていると考えられる。アミノシラン化合物(C)の具体例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−プロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−プロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−プロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−プロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルメチルジメトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルトリエトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルメチルジエトキシシラン、[2−アミノエチル−(2′−アミノエチル)]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の第1級アミノ基含有アミノシラン化合物、MS3301(チッソ株式会社製商品名)、MS3302(チッソ株式会社製商品名)、X−40−2651(信越化学工業株式会社製商品名)等のアミノシランのシリル基を単独あるいはその他のアルコキシシラン化合物と一部縮合させた化合物、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリエトキシシラン、N−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン等の第2級アミノ基含有アミノシラン化合物、分子内にイミダゾール基及び反応性珪素基を有するイミダゾールシラン化合物等の第3級アミノ基を有するアミノシラン、水と反応して第1級アミノ基を生成する官能基を有するケチミンシラン化合物あるいはアルジミンシラン化合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
上記アミノシラン化合物(C)の配合量は、0.5〜20質量部(好ましくは1〜10質量部、特に好ましくは2〜6質量部)である。この範囲内であると、シリコーン目地への密着性が良好である、同時に経時での変色が生じにくいことから好ましい。
[硬化触媒(D)について]
本発明の硬化触媒(D)は、上記ポリマー(A)の加水分解性シリル基に対する加水分解触媒として作用するものである。硬化触媒(D)としては、従来公知のカルボン酸、リン酸、各種ルイス酸等の酸性化合物、アミンやホスファゼン等の塩基性化合物、有機金属化合物、特開2008−260932号公報で提案されているフッ素化剤、特開2008−260933号公報で提案されている多価フルオロ化合物のアルカリ金属塩、フルオロシラン化合物等を使用することができるが、これらに限定されるわけではない。上記ルイス酸としては、金属ハロゲン化物、三フッ化ホウ素及び/又はその錯体からなる化合物が好適に用いられる。
上記有機金属化合物としては、金属アルコキシド、金属カルボキシレート、金属アセチルアセトン錯体等が挙げられる。該有機金属化合物の金属種としては、スズが一般的に用いられる。有機スズ化合物の具体例としては、モノアルキルスズ化合物、ジアルキルスズ化合物が挙げられ、さらに具体的には、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレエート、ジブチルスズフタレート、オクチル酸第一スズ、ジブチルスズジメトキシド、ジオクチルスズジメトキシド、ジブチルスズジアセチルアセテート、ジブチルスズジバーサテート、ジオクチルスズジバーサテート、ジブチルスズオキサイドあるいはジオクチルスズオキサイドとフタル酸ジエステルとの反応生成物、ジオクチルスズオキサイドとエチルシリケートとの反応生成物、日東化成株式会社製ネオスタンシリーズ等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
また、上記有機金属化合物の金属種としては、非スズ金属も好適に用いられる。硬化促進効果のある非スズ金属系化合物としては、第1族のアルカリ金属系金属元素を主体とする化合物として、ナフテン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、オクチル酸カリウム等が、第2族のアルカリ土類金属系金属元素を主体とする化合物として、ナフテン酸マグネシウム、オクチル酸カルシウム、オクチル酸バリウム等が、遷移金属系金属元素を主体とする化合物として、オクチル酸イットリウム、チタンテトラブトキシド、チタンアセチルアセトン錯体、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)等、ジルコニウムテトラプロポキシド、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート、ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、バナジルアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネート、クロムアセチルアセトン錯体、マンガンアセチルアセトン錯体、オクチル酸鉄、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、ニッケルアセチルアセトン錯体、ナフテン酸銅、銅アセチルアセトン錯体等が、第12族の亜鉛族系金属元素を主体とする化合物として、亜鉛アセチルアセトナートモノハイドレート、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛等が、第13族の土類金属系金属元素を主体とする化合物として、アルミニウムアセチルアセトン錯体、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムエチルアセトアセテート錯体、インジウムアセチルアセトン錯体等が、第15族の窒素族系金属元素を主体とする化合物として、ナフテン酸ビスマス、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)等が挙げられる。また、市販品の具体例としては、ナーセムアルミニウム、ナーセムクロム、ナーセム第一コバルト、ナーセム第二コバルト、ナーセム銅、ナーセム第二鉄、ナーセムニッケル、ナーセムバナジル、ナーセム亜鉛、ナーセムインジウム、ナーセムマグネシウム、ナーセムマンガン、ナーセムイットリウム、ナーセムセリウム、ナーセムストロンチウム、ナーセムパラジウム、ナーセムバリウム、ナーセムモリブデニル、ナーセムランタン、ナーセムジルコニウム、ナーセムチタン、ナフテックスCoシリーズ、ニッカオクチックスCoシリーズ、ナフテックスMnシリーズ、ニッカオクチックスMnシリーズ、ナフテックスZnシリーズ、ニッカオクチックスZnシリーズ、ナフテックスCaシリーズ、ニッカオクチックスCaシリーズ、ナフテックスKシリーズ、ニッカオクチックスKシリーズ、ニッカオクチックスBiシリーズ、ネオデカン酸Biシリーズ、プキャットシリーズ、PAシリーズ、ナフテックスZrシリーズ、ニッカオクチックスZrシリーズ、ナフテックスFeシリーズ、ニッカオクチックスFeシリーズ、ナフテックスMgシリーズ、ナフテックスLiシリーズ、ナフテックスCuシリーズ、ナフテックスBaシリーズ、ニッカオクチックス・レアースシリーズ、ニッカオクチックスNiシリーズ等(以上、日本化学産業社製商品名)、オルガチックスZA−40、オルガチックスZA−65、オルガチックスZC−150、オルガチックスZC−540、オルガチックスZC−570、オルガチックスZC−580、オルガチックスZC−700、オルガチックスZB−320、オルガチックスTA−10、オルガチックスTA−25、オルガチックスTA−22、オルガチックスTA−30、オルガチックスTC−100、オルガチックスTC−401、オルガチックスTC−200、オルガチックスTC−750、オルガチックスTPHS等(以上、マツモトファインケミカル社製商品名)、SNAPCURE3020、SNAPCURE3030、VERTEC NPZ等(以上、ジョンソン・マッセイ社製商品名)、ネオスタンU−600、ネオスタンU−660等(以上、日東化成社製商品名)、ケンリアクトNZ01、ケンリアクトNZ33、ケンリアクトNZ39等(以上、ケンリッチ社製商品名)、アルミニウムエトキサイド、AIPD、PADM、AMD、ASBD、ALCH、ALCH−TR、アルミキレートM、アルミキレートD、アルミキレートA、アルゴマー、アルゴマー800AF、アルゴマー1000SF、プレンアクトALM等(以上、川研ファインケミカル社製商品名)、A−1、B−1、TOT、TOG、T−50、T−60、A−10、B−2、B−4、B−7、B−10、TBSTA、DPSTA−25、S−151、S−152、S−181等(以上、日本曹達社製商品名)、オクトープシリーズ、ケロープシリーズ、オリープシリーズ、アセトープシリーズ、ケミホープシリーズ等(ホープ製薬社製商品名)等が挙げられる。なかでも、ジルコニウム化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物、ビスマス化合物からなる群から選ばれる一種以上であると、環境負荷の低減が可能であるとともに、安全性を確保でき、さらに実使用に耐えうる硬化速度が得られやすいという点で好ましい。
上記三フッ化ホウ素及び/又はその錯体は、三フッ化ホウ素、及び、三フッ化ホウ素とルイス塩基との錯体からなる化合物である。三フッ化ホウ素とルイス塩基との錯体からなる化合物の具体例としては、例えば、三フッ化ホウ素のアミン錯体、アルコール錯体、エーテル錯体、チオール錯体、スルフィド錯体、カルボン酸錯体、水錯体等が例示される。上記三フッ化ホウ素の錯体の中では、入手の容易さ及び配合のしやすさから、アルコール錯体又はアミン錯体が好ましく、特に、安定性と触媒活性を兼ね備えたアミン錯体が最も好ましい。
上記三フッ化ホウ素のアミン錯体に用いられるアミン化合物としては、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、グアニジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、N−メチル−3,3′−イミノビス(プロピルアミン)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、ペンタエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,9−ジアミノノナン、ATU(3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)、CTUグアナミン、ドデカン酸ジヒドラジド、ヘキサメチレンジアミン、m−キシリレンジアミン、ジアニシジン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチルジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、トリジンベース、m−トルイレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、メラミン、1,3−ジフェニルグアニジン、ジ−o−トリルグアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ハンツマン社製ジェファーミン等の複数の第一級アミノ基を有する化合物、ピペラジン、シス−2,6−ジメチルピペラジン、シス−2,5−ジメチルピペラジン、2−メチルピペラジン、N,N′−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、2−アミノメチルピペリジン、4−アミノメチルピペリジン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)−プロパン、4−アミノプロピルアニリン、ホモピペラジン、N,N′−ジフェニルチオ尿素、N,N′−ジエチルチオ尿素、N−メチル−1,3−プロパンジアミン等の複数の第二級アミノ基を有する化合物、更に、メチルアミノプロピルアミン、エチルアミノプロピルアミン、エチルアミノエチルアミン、ラウリルアミノプロピルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、3−アミノピロリジン、1−o−トリルビグアニド、2−アミノメチルピペラジン、N−アミノプロピルアニリン、エチルアミンエチルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、ラウリルアミノプロピルアミン、2−アミノメチルピペリジン、4−アミノメチルピペリジン、式 H2N(C2H4NH)nH(n≒5)で表わされる化合物(商品名:ポリエイト、東ソー社製)、N−アルキルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピリジン、N−アルキルピペリジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン等の複環状第三級アミン化合物等の他、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−3−[アミノ(ジプロピレンオキシ)]アミノプロピルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルトリエトキシシラン等のアミノシラン化合物が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
三フッ化ホウ素アミン錯体は、市販されており本発明ではそれらを用いることもできる。市販品としては、エアプロダクツジャパン株式会社製のアンカー1040、アンカー1115、アンカー1170、アンカー1222、BAK1171等が挙げられる。
硬化触媒(D)としては、これらのなかでもオクチルスズ化合物を用いると、実用十分な硬化速度が得られる上に、環境負荷をより小さくすることができるため、特に好ましい。
オクチルスズ化合物の具体例としては、ジオクチルスズジステアレート、ジオクチルスズオキサイド、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジネオデカエート、ジオクチルスズビスエチルマレート、ジオクチルスズビスオクチルマレート、ジオクチルスズビスイソオクチルチオグリコレート、オクチルスズマレート、ジオクチルスズジメトキシド、ジオクチルスズオキサイドとフタル酸ジエステルとの反応生成物、ジオクチルスズオキサイドとエチルシリケートとの反応生成物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。また、オクチルスズ化合物は市販されており、本発明においてはそれら市販品を用いることができる。オクチルスズ化合物の市販品としては、ネオスタンU−800、ネオスタンU−810、ネオスタンU−820、ネオスタンU−830、ネオスタンU−840、ネオスタンU−850、ネオスタンU−860、ネオスタンU−870、ネオスタンU−780(以上、日東化成社製商品名)等も使用できる。
上記硬化触媒(D)の配合量は、所望の硬化速度に応じて適宜調整すればよいが、上記ポリマー(A)100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.01〜7.5質量部がより好ましく、0.05〜5.0質量部が特に好ましい。例示した硬化触媒(D)は、それぞれ活性が異なるため、一般的に触媒活性の低い有機金属化合物は比較的多くの添加量が必要であり、触媒活性の高い化合物(例えば、三フッ化ホウ素及び/又はその錯体)は比較的少量の添加で硬化を促進させることができる。また、上記硬化触媒(D)は、所望の性能に合わせて、1種単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。
[防かび剤(E)について]
本発明における防かび剤(E)は、コーティング剤組成物の硬化皮膜への防カビ性付与の目的で配合するものである。なかでも、イミダゾール系であると、浴室における防カビ性能に優れることから好ましい。このような防かび剤の市販品としては、バイオカットBM100(日本曹達社製商品名)、シントールC−100(住化エンビロサイエンス社製商品名)、コートサイド水和剤(日本エンバイロケミカルズ社製商品名)等があり、これらを使用することができる。
防かび剤(E)の配合量は、ポリマー(A)100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.01〜7.5質量部がより好ましく、0.05〜5.0質量部が特に好ましい。
[その他の成分について]
本発明におけるコーティング剤組成物中には、本発明の奏する効果に影響を与えない範囲で、従来公知の任意の化合物乃至物質を配合することができる。例えば、親水性又は疎水性シリカ系粉体、炭酸カルシウム粉体、クレイ粉体、アクリル系等の有機系粉体、有機系・無機系のバルーン等の充てん剤、フェノール樹脂等の粘着付与剤、アマイドワックス等の揺変剤、酸化カルシウム等の脱水剤、希釈剤、可塑剤、難燃剤、機能性オリゴマー、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、3−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イルオキシ)プロピルトリエトキシシラン等の老化防止剤、ベンゾトリアゾール系化合物等の紫外線吸収剤、顔料、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、乾性油等を配合することができる。
[目地構造について]
の発明に係る目地構造は、既設のシリコーン系シーリング材目地上に、上記の(A)〜(E)の成分を含有するコーティング剤組成物の塗膜(乾燥硬化皮膜)が形成されてなるものである。
既設のシリコーン系シーリング材目地上に、上記コーティング剤組成物の塗膜(乾燥硬化皮膜)が形成されると、既設のシリコーン系シーリング材目地との密着性に優れた塗膜が、当該目地に発生した黒ずみやかび等の汚点を効率的に隠蔽する。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
加水分解性シリル基含有ポリマー(A)としてMSポリマーS203(カネカ社製/加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン)を100質量部、酸化チタン粉末(B)としてJR600E(テイカ社製/Al原子を含む表面処理が施されたルチル結晶型酸化チタン粉末)を100質量部、アミノシラン化合物(C)としてKBM−603(信越化学工業社製/N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)を3質量部、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の硬化触媒(D)としてネオスタンU−780(日東化成社製/ジオクチルスズ化合物と正ケイ酸化合物を混合して得られる化合物)を2質量部、防かび剤(E)としてバイオカットBM100(日本曹達社製)を0.5質量部、その他充てん剤として白艶華CCR−B(白石カルシウム社製/炭酸カルシウム)、揺変剤としてディスパロン#6500(楠本化成社製/アマイドワックス)を2質量部、脱水剤としてKBM−1003(信越化学工業社製/ビニルトリメトキシシラン)を2質量部、粘度調整のための溶剤としてメチルシクロヘキサンを175質量部混合してコーティング剤組成物を調製した。このコーティング剤組成物の乾燥硬化皮膜に占める酸化チタン粉末(B)の質量含有率は39質量%である。
〔実施例2〕
実施例1における、酸化チタン粉末(B)JR600Eを75質量部とし、さらに充てん剤としてNS400(日東粉化工業社製/炭酸カルシウム)を25質量部用いた以外は実施例1と同様にコーティング剤組成物を調製した。このコーティング剤組成物の乾燥硬化皮膜に占める酸化チタン粉末(B)の質量含有率は29質量%である。
〔実施例3〕
実施例2における、酸化チタン粉末(B)JR600Eを50質量部とし、充てん剤NS400を50質量部とした以外は実施例2と同様にコーティング剤組成物を調製した。このコーティング剤組成物の乾燥硬化皮膜に占める酸化チタン粉末(B)の質量含有率は19質量%である。
〔実施例4〕
実施例2における、酸化チタン粉末(B)JR600Eを25質量部とし、充てん剤NS400を75質量部とした以外は実施例2と同様にコーティング剤組成物を調製した。このコーティング剤組成物の乾燥硬化皮膜に占める酸化チタン粉末(B)の質量含有率は10質量%である。
〔比較例1〕
実施例1における、酸化チタン粉末(B)JR600Eの全量を、充てん剤NS400を100質量部に置き換えた以外は実施例1と同様にコーティング剤組成物を調製した。このコーティング剤組成物には酸化チタン粉末(B)が配合されていない(すなわち0質量%である)。
〔実施例5〕
実施例1における、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)MSポリマーS203の全量を、サイリルMA440(カネカ社製/加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレンと加水分解性シリル基を有するポリアクリル酸エステルの混合物)100質量部に置き換えた以外は実施例1と同様にコーティング剤組成物を調製した。このコーティング剤組成物の乾燥硬化皮膜に占める酸化チタン粉末(B)の質量含有率は39質量%である。
〔比較例2〕
実施例1における、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)MSポリマーS203の全量を、サイリルMA440を100質量部に置き換え、アミノシラン化合物(C)KBM−603を用いなかった以外は実施例1と同様にコーティング剤組成物を調製した。このコーティング剤組成物の乾燥硬化皮膜に占める酸化チタン粉末(B)の質量含有率は39質量%である。
〔比較例3〕
実施例1における、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)MSポリマーS203の全量を、サイリルMA440を100質量部に置き換え、硬化触媒(D)U−780を用いなかった以外は実施例1と同様にコーティング剤組成物を調製した。このコーティング剤組成物の乾燥硬化皮膜に占める酸化チタン粉末(B)の質量含有率は39質量%である。
〔比較例4〕
実施例1における、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)MSポリマーS203の全量を、サイリルMA440を100質量部に置き換え、防かび剤(E)バイオカットBM100を用いなかった以外は実施例1と同様にコーティング剤組成物を調製した。このコーティング剤組成物の乾燥硬化皮膜に占める酸化チタン粉末(B)の質量含有率は39質量%である。
〔試験方法と評価基準〕
・隠蔽性試験
コニシ株式会社製「ボンド シリコーンコーク ホワイト」を厚さ1mmの膜厚で23℃50%RHで7日間硬化させ、その上にゼブラ株式会社油性マーカー「マッキー極細」で黒線(線幅約0.5mm)を引き、試験体を作成した。
その上から市販の平筆1号にて調製したコーティング剤組成物を塗布し隠蔽性を確認した。評価は目視で行い、以下の基準で◎、○又は△であれば使用上問題ないと判断されるが、◎又は○であることが好ましい。
◎:1回塗りで隠蔽可能
○:2回塗りで隠蔽可能
△:3回塗りで隠蔽可能
×:隠蔽には4回以上の塗布が必要
・密着性試験
コニシ株式会社製「ボンド シリコーンコーク ホワイト」を厚さ1mmの膜厚で23℃50%RHで7日間硬化させ、その上に市販の平筆1号にて調製したコーティング剤組成物を塗布し、23℃50%RHで7日間硬化養生を行った。その後、JIS−K5600−5−6に基づくクロスカット法にて塗膜の密着性を確認した。評価基準は以下のとおりとした。
◎:どの格子目にもはがれがない
○:カットの交差点における塗膜の小さなはがれの影響が全体の5%未満
×:カットの交差点における塗膜の小さなはがれの影響が全体の5%以上
・防かび性試験
コニシ株式会社製「ボンド シリコーンコーク ホワイト」を厚さ1mmの膜厚で23℃50%RHで7日間硬化させ、その上に市販の平筆1号にて調製したコーティング剤組成物を塗布し、23℃50%RHで7日間硬化養生を行い試験体を作成した。その後、この試験体を一般家庭の浴室にて1ヶ月暴露放置し、カビの発生の有無を目視にて確認した。評価基準は以下のとおりとした。
○:カビの発生なし
×:カビの発生あり
表1に実施例1〜実施例5について、表2に比較例1〜4についての各性能評価試験の結果を示す。
表から明らかなように、本発明の構成要件を満足するコーティング剤組成物は、既設のシリコーン系シーリング材目地を想定したシリコーン系シーリング材硬化物に対して良好な密着性を有するとともに、汚点を効率的に隠蔽でき、塗布作業性に優れるコーティング剤組成物であることがわかる。これに対して、本発明の構成要件を満たさないコーティング剤組成物は、隠蔽性、密着性、防かび性のうち、いずれかの性能を満足しない。

表1:実施例1〜5のコーティング剤組成物の各性能評価試験結果
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
隠蔽性 ◎ ◎ ○ △ ◎
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
密着性 ○ ○ ○ ○ ◎
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
防かび性 ○ ○ ○ ○ ○
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
粘度(*1) 4400 3700 2800 2400 2500
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*1:mPa・s(B型回転粘度計、23℃、30回転/分)

表2:比較例1〜4のコーティング剤組成物の各性能評価試験結果
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
比較例1 比較例2 比較例3 比較例4
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
隠蔽性 × ◎ ◎ ◎
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
密着性 ○ × × ○
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
防かび性 ○ ○ ○ ×
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
粘度(*1) 1900 2800 2600 2400
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*1:mPa・s(B型回転粘度計、23℃、30回転/分)
本発明に係るシリコーン系シーリング材目地に塗布するためのコーティング剤組成物は、既設のシリコーン系シーリング材目地に対して良好な密着性を有するとともに、当該目地に発生した黒ずみやかび等の汚点を効率的に隠蔽でき、塗布作業性に優れるものである。

Claims (6)

  1. 加水分解性シリル基含有ポリマー(A)、酸化チタン粉末(B)、アミノシラン化合物(C)、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の硬化触媒(D)、防かび剤(E)を含有し、23℃において、B型回転粘度計(30回転/分)で測定される粘度が1000〜5000mPa・sであることを特徴とする、シリコーン樹脂を主成分とするシーリング材が充填された目地に塗布するためのコーティング剤組成物。
  2. 酸化チタン粉末(B)の質量含有率が、コーティング剤組成物の乾燥硬化皮膜の15〜50質量%であることを特徴とする、請求項1に記載のシリコーン樹脂を主成分とするシーリング材が充填された目地に塗布するためのコーティング剤組成物。
  3. 加水分解性シリル基含有ポリマー(A)が、主鎖骨格としてポリアクリル酸エステルであるものを含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のシリコーン樹脂を主成分とするシーリング材が充填された目地に塗布するためのコーティング剤組成物。
  4. 酸化チタン粉末(B)が、ルチル型結晶であるとともに、Al・Si・Zn・Zrのいずれか1種類以上の原子を含む表面処理が施されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のシリコーン樹脂を主成分とするシーリング材が充填された目地に塗布するためのコーティング剤組成物。
  5. 加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の硬化触媒(D)が、オクチルスズ化合物であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のシリコーン樹脂を主成分とするシーリング材が充填された目地に塗布するためのコーティング剤組成物。
  6. 既設のシリコーン樹脂を主成分とするシーリング材が充填された目地上に、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)、酸化チタン粉末(B)、アミノシラン化合物(C)、加水分解性シリル基含有ポリマー(A)の硬化触媒(D)、防かび剤(E)を含有し、23℃において、B型回転粘度計(30回転/分)で測定される粘度が1000〜5000mPa・sであることを特徴とするコーティング剤組成物の乾燥硬化皮膜が形成されてなる目地構造。
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