JP2008139482A - 現像ローラ、現像ローラの製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

現像ローラ、現像ローラの製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的とするところは、柔軟で画像耐久性に優れ、かつ高温高湿環境下でのトナーとの固着を抑制した高品位の現像ローラを提供することにある。
【解決手段】芯体の周囲に弾性層と表面層を有する現像ローラにおいて、該表面層が下記樹脂(a)、及び樹脂(b)を含有し、樹脂(a)の架橋反応前のポリウレタン原料のSP値と樹脂(b)のSP値との差が0.1以上0.9以下であり、かつ全樹脂成分における樹脂(b)の含有率が0.1質量%以上5.0質量%以下とすることにより、柔軟で画像耐久性に優れ、かつ高温高湿環境下でトナーとの固着を起こさず、低極性の弾性層に対しても優れた密着性を示す高品位の現像ローラが得られる。
(a)ポリプロピレングリコール骨格及び/またはポリテトラメチレングリコール骨格を有し、架橋反応前のポリウレタン原料のSP値が8.4以上8.9以下である熱硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂。
(b)ガラス転移温度(Tg)が30℃以上70℃以下、SP値が7.5以上8.6以下のアクリル樹脂。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンターあるいはファクシミリの受信装置の如き電子写真方式を採用した装置に組み込まれる感光体に接触させて使用される現像ローラに関するものである。
電子写真方式を用いた複写機やファクシミリやプリンターにおいては、感光体が帯電手段により帯電され、レーザーにより静電潜像を形成する。次に、現像容器内のトナーがトナー塗布ローラ及びトナー規制部材により現像ローラ上に塗布され、感光体と現像ローラとの接触部でトナーによる現像が行われる。その後、感光体上のトナーは、転写手段により記録紙に転写され、熱と圧力により定着され、感光体上に残留したトナーはクリーニングブレードによって除かれる。
非磁性一成分接触現像方式の画像形成装置には、感光体を帯電させたり、静電潜像を現像するため、103〜1010Ω・cmの電気抵抗を有する弾性を有するローラが用いられている。非磁性一成分接触現像方式の画像形成装置では、互いに圧接されている現像ローラから感光体(ドラム)へトナーを移動させて静電潜像を現像し、トナー像が形成される。このような画像形成装置に用いられる現像ローラはより高いレベルの品質を満たすために、導電性ゴム層上に単層または複数の樹脂層(表面層)を形成した構成の半導電性ローラが用いられる。
表面層を形成する高分子弾性材料としては、ゴム弾性を有する高分子エラストマーや高分子フォームが用いられており、これらは、低硬度で、感光体を汚染することがなく、かつトナーと融着しない特性を有することが求められる。高分子エラストマーや高分子フォームを構成する材料としては、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アルクリロニトリルブタジエンゴムの如き固形ゴム加硫物や、ポリオールの如き液状原料をイソシアネートにより硬化させたポリウレタンが用いられている。
現像ローラは、導電性を有することが求められる場合もあり、カーボンブラック、又は金属酸化物等の導電材を混合したり、電解質を添加したりすることにより、所定の電気抵抗値に調整される。これらの中で、導電材によっても電解質によっても導電性を付与することができ、電解質を液状原料に溶解して使用できる利点があり、必要に応じてフォームとすることもできるので、ポリオールとポリイソシアネートを主原料として生成されるポリウレタンが使用される。
また、現像ローラの場合、特に表面層がトナーや感光体に与える影響は大きく、材料物性の選択が非常に重要な役割を持つ。ウレタン樹脂は機械的物性に優れ、また様々な主骨格を用いることができるため、硬質から柔軟まで物性の制御が容易であるため用いられるが、さらに所望の機能を付与するためにアクリル樹脂と組合わせる場合がある。
特許文献1では表面層にウレタン変性アクリル樹脂を用い、感光体汚染や画像弊害を抑制する方法が記載されている。また特許文献2では低摩擦、耐磨耗性付与を目的としてウレタン樹脂とアクリル樹脂を用いる方法が記載されている。
特許3360432号公報 特開2004−339253号公報
しかしながら、近年、電子写真方式を採用した画像形成装置に使用されるトナーは、高画質化、省エネの観点から、より柔軟で低融点のトナーが用いられるようになっている。そのために高画質化と多数枚耐久性の両立のため、トナーに対して与えるストレスがさらに小さくなるような特性が特に要求されるようになっている。
ウレタン変性したアクリル樹脂を現像ローラの表面層に用いた場合、表面の粘着性低下や感光体汚染の抑制が期待されるが、アクリル樹脂成分の導入により、表面硬度の上昇による画像品質の低下を招く場合がある。また、ウレタン成分とアクリル成分の極性差により、アクリル成分の相分離や極端な表面偏在を生じる材料を表面層として用いると、高温高湿環境下においてトナーとの固着を生じる場合がある。さらに、シリコーンゴムの如き比較的低極性の基材を弾性層に用いた場合、弾性層から表面層が剥がれやすい。
本発明の目的は、柔軟で多数枚耐久性に優れ、かつ高温高湿環境下でのトナーとの固着を抑制した高品位の現像ローラを提供することにある。さらに本発明の目的は、このような現像ローラを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することにある。
本発明者は、芯体の周囲に弾性層を有し、弾性層の外周に表面層を有する現像ローラにおいて該表面層が下記樹脂(a)、及び樹脂(b)を含有し、樹脂(a)の架橋反応前のポリウレタン原料のSP値と樹脂(b)のSP値との差が0.1以上0.9以下であり、かつ全樹脂成分における樹脂(b)の含有率が0.1質量%以上5.0質量%以下であること特徴とする現像ローラに関する。
a)ポリプロピレングリコール骨格及び/またはポリテトラメチレングリコール骨格を有し、架橋反応前のポリウレタン原料のSP値が8.4以上8.9以下である熱硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂。
b)ガラス転移温度(Tg)が30℃以上70℃以下、SP値が7.5以上8.6以下、重量平均分子量が30,000以上100,000以下であるアクリル樹脂。
さらに本発明は、芯体の周囲に弾性層を有し、その外周に表面層を有する現像ローラの製造方法において、該表面層が下記樹脂(a)、及び樹脂(b)
a)ポリプロピレングリコール骨格及び/またはポリテトラメチレングリコール骨格からなり、架橋反応前のポリウレタン原料のSP値が8.4以上8.9以下である熱硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂。
b)ガラス転移温度(Tg)が30℃以上70℃以下、SP値が7.5以上8.6以下、重量平均分子量が30,000以上100,000以下であるアクリル樹脂。
から生成されることを特徴とする上記に記載の現像ローラの製造方法に関する。
さらに本発明は、少なくとも現像ローラが装着されてなり、電子写真装置に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、該現像ローラが上記の現像ローラであることを特徴とするプロセスカートリッジに関する。
さらに本発明は、感光体とトナーを担持する現像ローラとを有し、該現像ローラが前記感光体にトナーを付与することにより静電潜像を現像してトナー像を形成する電子写真装置であり、該現像ローラが上記の現像ローラであることを特徴とする電子写真装置に関する。
本発明によれば、柔軟で多数枚耐久性に優れ、かつ高温高湿環境下でトナーとの固着を起こさず、低極性の弾性層に対しても優れた密着性を示す高品位の現像ローラが得られる。また前記の現像ローラを用いることで高品位なプロセスカートリッジ、及び画像形成装置が得られる。
本発明の現像ローラ1は、図1及び2に示すように、円柱状または中空円筒状の導電性軸芯体2の外周面に弾性層3が固定され、この弾性層3の外周面に表面層4が積層された導電性部材から構成される。 導電性軸芯体2は、導電性部材の電極および支持部材として機能するもので、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼の如き金属または合金;クロム、又はニッケルで鍍金処理を施した鉄;導電性を有する合成樹脂の如き導電性の材質で構成される。軸芯体の外径は通常4〜10mmの範囲とする。
弾性層3は、感光体表面に形成された静電潜像にトナーを過不足なく供給することができるように、適切なニップ幅とニップ圧をもって感光体に押圧されるような硬度や弾性を現像ローラに付与するものである。この弾性層は、通常ゴム材の成型体により形成される。上記ゴム材としては、従来より導電性ゴムローラに用いられている種々のゴム材を用いることができる。ゴム材に使用するゴムとしては、以下のものが挙げられる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、ウレタンゴム。これらは単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。この中でも、特にセット性能の観点からシリコーンゴムを用いることが好ましい。シリコーンゴムとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルトリフルオロプロピルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリフェニルビニルシロキサン、これらポリシロキサンの共重合体が挙げられる。
弾性層3中には、導電性付与剤が含有されており、さらに非導電性充填剤、架橋剤、触媒の如き各種添加剤が適宜配合される。導電性付与剤としては、グラファイト、カーボンブラック、アルミニウム、銅の如き導電性金属;酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタンの如き導電性金属酸化物の微粒子を用いることができる。このうち、カーボンブラックは比較的容易に入手でき、良好な帯電性が得られるので好ましい。非導電性充填剤としては、シリカ、石英粉末、酸化チタン、酸化亜鉛又は炭酸カルシウムが挙げられる。架橋剤としては、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン又はジクミルパーオキサイドが挙げられる。
弾性層3の体積固有抵抗値は、100Vの直流電圧印加時で103〜108Ω・cmの範囲にあることが好ましい。例えば、導電性付与剤としてカーボンブラックを用いる場合は、ゴム材中のゴム100質量部に対して15〜80質量部配合される。また、弾性層3の厚さは2.0〜6.0mmの範囲にあることが好ましく、3.0〜5.0mmの範囲にあることがより好ましい。
本発明の現像ローラにおいては、表面層が下記樹脂(a)、及び樹脂(b)を含有し、樹脂(a)の架橋反応前のポリウレタン原料のSP値と樹脂(b)のSP値との差が0.1以上0.9以下であり、かつ全樹脂成分における樹脂(b)の含有率が0.1質量%以上5.0質量%以下であること特徴とする。
(a)ポリプロピレングリコール骨格及び/またはポリテトラメチレングリコール骨格を有し、架橋反応前ポリウレタン原料のSP値が8.4以上8.9以下である熱硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂。
(b)ガラス転移温度(Tg)が30℃以上70℃以下、SP値が7.5以上8.6以下、重量平均分子量が30,000以上100,000以下であるアクリル樹脂。
樹脂(a)のポリエーテルポリウレタン樹脂について説明する。ウレタン樹脂は主骨格として導入する樹脂種により極性及び機械的物性が変化する。中でもポリプロピレングリコールユニット、またはポリテトラメチレングリコールユニットを主骨格とするウレタン樹脂は柔軟性に優れ、一般的に高極性であるウレタン樹脂の中でも比較的低極性であり、アクリル樹脂との相溶性において最も適切な8.4以上8.9以下のSP値とすることが容易である。それに対し、ポリエチレングリコールはポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコールに比べ高極性になりやすく、また親水性も増すため、高温高湿環境下における物性変動により、耐固着性が大きくなる場合がある。
このようなポリエーテルポリウレタン樹脂は、ポリエーテルポリオールやウレタン化ポリエーテルポリオールをイソシアネートと反応させることにより得られるが、ウレタン結合の含有量を調整し、機械的強度を低下させない程度にポリエーテル成分の含有量を高くすることにより、より柔軟で低極性にすることが可能となる。具体的にはポリプロピレングリコール骨格及び/またはポリテトラメチレングリコール骨格の含有率を60質量%以上85質量%以下とすることで、より柔軟でアクリル樹脂成分との相溶性にすぐれたウレタン樹脂となる。
ポリオール成分と反応させる架橋剤としてのイソシアネート化合物としては、特に限定されるものではないが、以下のものが挙げられる。エチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の如き脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサン1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネートの如き脂環式ポリイソシアネート;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びこれらの共重合物や、そのブロック体。
次に樹脂(b)のアクリル樹脂について説明する。
アクリル樹脂はウレタン樹脂に比べ、一般的に低極性である。そのため高極性であるウレタン樹脂と相分離や極端な表面局在化を生じやすい。しかし現像ローラの表面層として用いる場合、膜の硬度上昇や基材密着性の低下を避け、高次元で諸性能を満足するため、ポリウレタン原料とアクリル樹脂の極性差やTgや分子量を厳密に制御する必要がある。
アクリル樹脂のTgは30℃以上70℃以下であることが好ましい。Tgが30℃未満になるとアクリル樹脂の含有量に関わらず、高温高湿環境下でのトナーとの耐固着性が低下し、また画像形成時にトナー融着を生じやすくなる場合がある。また、Tgが70℃を超えると現像ローラの表面硬度が上昇し、多数枚耐久性の低下を引き起こす場合がある。
アクリル樹脂のSP値は7.5以上8.6以下とする必要がある。アクリル樹脂はモノマー種の選択により極性の制御が容易である。長鎖アルキル基を有するモノマーユニットを高い比率で含有するものは、Tgを大幅に低下する他に、SP値が低くなるため、現像ローラとして好適なウレタン樹脂成分との極性差が大きくなり、層分離による外観不良を引き起こしたり、シリコーンゴムの如き低極性な弾性層との密着性低下を示す場合がある。
アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は30,000以上100,000以下である必要がある。Mwが30,000未満であると、TgとSP値が適正な範囲にあっても高温高湿環境下で充分な耐トナー固着性が得られにくく、Mwが100,000を超えると弾性層との密着性が低下する場合がある。
アクリル樹脂のTgとSP値、及び重量平均分子量の3要素は現像ローラ表面層に用いるためには特に重要であり、このうち何れかが好ましい範囲を外れると最適な性能を得るのが難しくなる。アクリル樹脂の諸物性をこのような現像ローラとして好ましい範囲にするために、モノマー種の選択が重要である。具体的にはメタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル(EMA)、スチレン、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、アクリロニトリル、アクリルアミドを好適に用いることができる。先に述べたように長鎖アルキル基を有するモノマーや、フッ素、シリコーン成分を有するモノマーはアクリル樹脂のTg、SP値を大幅に低下させる場合がある。
メタクリル酸メチル(MMA)、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)、スチレンはアクリル樹脂の適正な物性範囲を得るために特に好ましい。また、HEMAの如き水酸基を含有するモノマーユニットを含まないアクリル樹脂は、ウレタン樹脂の架橋反応時にイソシアネートと反応することがないため、膜の硬度上昇を起こしにくく、より好ましい。
また、本発明は、(a)ポリエーテルポリウレタン樹脂の架橋反応前のポリウレタン原料のSP値と(b)アクリル樹脂のSP値との差が0.1以上0.9以下であり、かつ全樹脂成分における(b)アクリル樹脂の含有率が0.1質量%以上5.0質量%以下であることを特徴とする。
本発明における(a)ポリエーテルポリウレタン樹脂と(b)アクリル樹脂のSP値の差とは〔(a)ポリエーテルポリウレタン樹脂の架橋反応前のポリウレタン原料のSP値〕−〔(b)アクリル樹脂のSP値〕を指す。
ウレタン樹脂の架橋反応前のポリウレタン原料のSP値とアクリル樹脂のSP値との差が0.9を超えると、層分離による外観不良や極端な界面への偏在により基材密着性を低下させる場合がある。またSP差が全くない場合は、トナーの融着や他部材との固着を起こす場合がある。アクリル樹脂のSP値の方が大きい場合は不相溶による外観不良を起こす場合がある。
アクリル樹脂の含有量に関しては、全樹脂成分における樹脂(b)の含有率が0.1質量%未満ではアクリル樹脂添加効果が充分得られない場合があり、5.0質量%を超えると、膜の硬度上昇や弾性層との密着性の低下を招く恐れがある。
表面層4には、導電性を付与するために導電性付与剤が含有されることが好ましい。導電性付与剤としては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの表面層4中の含有量は、表面層を形成する基体樹脂100質量部に対して、10〜50質量%であることが、現像ローラとしての導電性を好ましい範囲にすることができるため好ましい。使用するカーボンブラックの個数平均粒径およびDBP吸油量に特に制限はないが、皮膜強度と導電付与性の点から、個数平均一次粒子径が15〜50nmであり、DBP吸油量が70〜150ml/100gであることが好ましい。
表面層4には現像ローラの表面の粗さ制御のために微粒子を添加してもよい。粗さ制御用微粒子としては、体積平均粒径が3〜20μmであることが好ましい。また、表面層に添加する粒子添加量が、表面層の樹脂固形分100質量%に対し、1〜50質量%であることが好ましい。
さらに、粗さ制御用微粒子の成分としてはポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂を用いることができる。
表面層4の形成方法としては特に限定されるものではないが、塗料によるスプレー、浸漬、又はロールコートが挙げられる。浸漬塗工は、特開昭57−5047号公報に記載されているような浸漬槽上端から塗料をオーバーフローさせる方法は、表面層を形成する方法として簡便で生産安定性に優れている。
図4は浸漬塗工装置の概略図である。25は円筒形の浸漬槽であり、現像ローラ外径よりわずかに大きな内径を有し、現像ローラの軸方向の長さより大きな深さを有している。浸漬槽25の上縁外周には環状の液受け部が設けられており、撹拌タンク27と接続されている。また浸漬槽25の底部は撹拌タンク27と接続されている。
撹拌タンク27の塗料は、液送ポンプ26によって浸漬槽25の底部に送り込まれる。浸漬槽の上端部からは、塗料がオーバーフローしており、浸漬槽25の上縁外周の液受け部を介して撹拌タンク27に戻る。弾性層3を設けた芯体2は昇降装置28に垂直に固定され、浸漬槽25中に浸漬し、引き上げることで表面層4を形成する。
本発明のプロセスカートリッジ及び画像形成装置は、上記本発明の現像ローラを有するものであれば、複写機、ファクシミリ、又はプリンターに限定されるものではない。
本発明の現像ローラを搭載した本発明のプロセスカートリッジ及び画像形成装置の一例としてプリンターを以下に説明する。図3において、現像装置10は、一成分トナーとして非磁性トナー8を収容した現像容器と、現像容器内の長手方向に延在する開口部に位置し感光体5と対向設置された現像ローラ6とを備え、感光体5上の静電潜像を現像してトナー像を形成するようになっている。
図3に示すように、プリンターには図示しない回転機構により回転される感光体5が備えられ、感光体5の周りには、感光体5の表面を所定の極性・電位に帯電させる帯電装置12と、帯電された感光体5の表面に画像露光を行って静電潜像を形成する、不図示の画像露光装置とが配置される。更に感光体5の周りには、形成された静電潜像上にトナーを付着させて現像する本発明の現像ローラ6を有する現像装置10が配置される。さらに、紙22にトナー像を転写した後、感光体5上をクリーニングする装置13が設けられる。
紙22の搬送経路上には、転写されたトナー像を紙22上に定着させる定着装置15が配置される。
以下に本発明に係る具体的な実施例及び比較例について示す。
なお、本実施例中における樹脂成分のTgの測定は、測定機器として示走査熱量計DSC8230L(リガク社製)を用いた。
樹脂成分のSP値の測定は以下のように行った。
溶剤を完全に揮散させた樹脂サンプル0.5gを100mlビーカーに秤量し、良溶媒10mlをホールピペットを用いて加え、充分に撹拌溶解した。次に50mlビュレットを用いて貧溶媒を滴下し、白濁を生じた点の滴下量を測定した。
良溶媒としてはアセトン及び1,4−ジオキサンを、貧溶媒としてはn−ヘキサン及びイオン交換水を用いた。SP値δは次式のように計算した。測定は3回行い、平均値をSP値とした。
δ=(Vml1/2 δml+Vmh1/2 δmh)/(Vml1/2 +Vmh1/2 )
Vm =V1 V2 /(φ1 V2 +φ2 V1 )
δm =φ1 δ1 +φ2 δ2
Vi :溶媒のモル体積(ml/mol)
φi :濁点における各溶媒の体積分率
δi :各溶媒のSP値
ml:低SP貧溶媒混合系
mh:高SP貧溶媒混合系
参考文献1:「J.P.S.A-1,5,1671-1681(1967),SUH CLARKE」
重量平均分子量の測定は、測定機器としてHLC−8120GPC(東ソー社製)、カラムとしてTSKgel SuperHM−M(東ソー社製)×2本、溶媒としてTHFを用い、温度40℃、THF流速0.6ml/minにて、測定サンプルを0.1質量%のTHF溶液とし、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いて測定を行った。検量線作成用の標準試料として数種の単分散標準ポリスチレン(東ソー社製)を用いて検量線の作成を行い、これを基に得られた測定サンプルの保持時間から重量平均分子量を求めた。
現像ローラの表面硬度は、マイクロゴム硬度計MD−1(高分子計器社製)を用い、気温25℃、相対湿度50%RH環境下、導電性樹脂層形成後の現像ローラの中央部、上端部、下端部3点を測定した平均値を用いた。
表面層の弾性層との基材密着性については、気温25℃、相対湿度50%RHの環境下、現像ローラ表面に長さ20mm、幅4mmの切り込みを入れ、切り込み端部から剥がした際の、表面層または弾性層の凝集破壊を除く界面剥離の有無を観察した。
以下に本発明の現像ローラを、レーザービームプリンタに適用した例について説明する。
高温高湿環境放置後のトナー固着については、図3のような構成を有するタンデム方式のキヤノン製レーザービームプリンタLBP5500のトナーカートリッジを用い、現像部にイエロートナーをコートした本実施例及び比較例の現像ローラを装填し、気温40℃、相対湿度95%RHの環境下10日間放置した後、気温25℃、相対湿度50%RHの環境下で非磁性一成分ブラックトナーのハーフトーン画像を連続印刷した。イエロートナーの固着が発生した個所は局所的にトナーの搬送性が異なるため、初期の画像上に黒スジが発生する。トナーの固着性は、この黒スジが消失する枚数により評価した。
画像耐久性の評価は、同じくLBP5500を用い、気温25℃、相対湿度50%RHの環境下、非磁性一成分ブラックトナーで印字率2%にて連続印刷を行い、1000枚ごとに白ベタ画像出力中にプリンターを停止し、現像ローラ上に付着したトナーをテープではがし取り、テープの濃度を反射濃度計(GretagMacbeth RD918、マクベス社製)を用いて測定し、テープの濃度が0.15を超える印刷枚数により評価した。
[ウレタン樹脂原料の合成例]
ポリウレタン原料U−1の合成
ポリテトラメチレングリコール〔PTG1000SN(商品名)、保土谷化学社製〕100.0質量部に、イソシアネート化合物〔コスモネートMDI(商品名)、三井化学ポリウレタン社製〕28.2質量部をメチルエチルケトン(MEK)溶媒中で段階的に混合し、窒素雰囲気下温度80℃にて5時間反応させて重量平均分子量Mw=9000、水酸基価22のポリウレタンポリオールを得た。 次にこのポリウレタンポリオール100.0質量部に対し、イソシアネート〔コロネート2521(商品名)、日本ポリウレタン工業社〕)43.4質量部を撹拌モーターにより充分に混合撹拌し、ポリウレタン原料U−1を得た。ここで前述の方法によりSP値を測定したところ、SP値は8.7であった。
ポリウレタン原料U−2の合成
イソシアネート化合物〔コスモネートMDI〕を24.4質量部、イソシアネート〔コロネート2521〕を41.5質量部に変更した以外はU−1と同様にして、ポリウレタン原料U−2を得た。
ポリウレタン原料U−3の合成
イソシアネート化合物〔コスモネートMDI〕を30.9質量部、イソシアネート〔コロネート2521〕を44.3質量部に変更した以外はU−1と同様にして、ポリウレタン原料U−3を得た。
ポリウレタン原料U−4の合成
イソシアネート化合物〔コスモネートMDI〕を22.1質量部、イソシアネート〔コロネート2521〕を34.8質量部に変更した以外はU−1と同様にして、ポリウレタン原料U−4を得た。
ポリウレタン原料U−5の合成
イソシアネート化合物〔コスモネートMDI〕を18.8質量部、イソシアネート〔コロネート2521〕を33.3質量部に変更した以外はU−1と同様にして、ポリウレタン原料U−5を得た。
ポリウレタン原料U−6の合成
ポリプロピレングリコール〔アクトコールDiol−1000(商品名)、三井化学ポリウレタン社製〕100.0質量部に、イソシアネート化合物〔タケネートD140N(商品名)、三井化学ポリウレタン社製〕19.0質量部をMEK溶媒中で段階的に混合し、窒素雰囲気下80℃にて5時間反応させて重量平均分子量Mw=11000、水酸基価24のポリウレタンポリオールを得た。次にこのポリウレタンポリオール100.0質量部に対し、イソシアネート〔コロネート2521(商品名)、日本ポリウレタン工業社製〕34.2質量部を撹拌モーターにより充分に混合撹拌し、ポリウレタン原料U−6を得た。
ポリウレタン原料U−7の合成
窒素雰囲気下、ポリテトラメチレングリコール〔PTG1000SN(商品名)、保土谷化学社製〕100.0質量部に対し、粗製MDI 100.0質量部を90℃で2時間加熱反応した後、ブチルセロソルブを固形分70%になるように加えた。このときの固形分当たりのNCO%は8%であった。その後反応物温度50℃の条件下、MEKオキシムを40.0質量部を滴下し、ブロックポリイソシアネート7を得た。
イソシアネート(コロネート2521)をこのブロックポリイソシアネート7に変更した以外はU−1と同様にして、ポリウレタン原料U−7を得た。
ポリウレタン原料U−8の合成
ポリエチレングリコール〔PEG−1000(商品名)、三洋化成工業社製〕100.0質量部に、イソシアネート化合物〔タケネートD140N(商品名)、三井化学ポリウレタン社製〕18.9質量部をMEK溶媒中で段階的に混合し、窒素雰囲気下80℃にて5時間反応させて重量平均分子量Mw=9000、水酸基価27のポリウレタンポリオールを得た。次にこのポリウレタンポリオール100.0質量部に対し、イソシアネート〔コロネート2521(商品名)、日本ポリウレタン工業社製〕44.0質量部を撹拌モーターにより充分に混合撹拌し、ポリウレタン原料U−8を得た。
ポリウレタン原料U−9の合成
ポリエステルウレタン樹脂〔ニッポラン5033(商品名)、日本ポリウレタン工業社製〕100.0質量部に対し、イソシアネート〔コロネート2521(商品名)、日本ポリウレタン工業社製〕34.0質量部を撹拌モーターにより充分に混合撹拌し、ポリウレタン原料U−9を得た。
ポリウレタン原料U−10の合成
アクリル樹脂〔ヒタロイド3368(商品名)、日立化成工業社製〕100.0質量部に対し、イソシアネート〔コロネート2521(商品名)、日本ポリウレタン工業社製〕29.8質量部を撹拌モーターにより充分に混合撹拌し、ポリウレタン原料U−10を得た。
[アクリル樹脂の合成例]
アクリル樹脂A−1の合成
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および窒素ガス導入管を取り付けた反応容器にトルエン300.0質量部を仕込み、窒素ガス気流下で温度120℃に昇温した。次にメタクリル酸メチル(MMA)17.3質量部、スチレン14.4質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)54.8質量部、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)13.5質量部、開始剤〔カヤエステルO(商品名)、化薬アクゾ社製〕0.2質量部の混合物を2時間かけて滴下し、温度を120℃に保ったままさらに3時間加熱還流した。次に温度を50℃まで下げた後、減圧下トルエンを200.0質量部留去した。放冷して温度を室温まで下げ、アクリル樹脂A−1を得た。ここで前述の方法によりSP値、Tg、重量平均分子量を測定したところ、SP値は7.9、Tgは30℃、重量平均分子量は76000であった。
また同様の合成条件にて、表−1のモノマー構成比とすることにより樹脂A−2、11を得た。
アクリル樹脂A−5の合成
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および窒素ガス導入管を取り付けた反応容器にトルエン300.0質量部を仕込み、窒素ガス気流下で温度120℃に昇温した。次にメタクリル酸メチル(MMA)22.2質量部、スチレン19.3質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)44.0質量部、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)14.5質量部、開始剤〔カヤエステルO(商品名)、化薬アクゾ社製〕0.3質量部の混合物を1.5時間かけて滴下し、温度を120℃に保ったままさらに2時間加熱還流した。次に温度を50℃まで下げた後、減圧下トルエンを200.0質量部留去した。放冷して温度を室温まで下げ、アクリル樹脂A−5を得た。
また同様の合成条件にて、表1のモノマー構成比とすることにより樹脂A−6、12を得た。
アクリル樹脂A−7の合成
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および窒素ガス導入管を取り付けた反応容器にトルエン300.0質量部を仕込み、窒素ガス気流下で温度120℃に昇温した。次にメタクリル酸メチル(MMA)30.0質量部、スチレン44.6質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)25.4質量部、開始剤〔カヤエステルO(商品名)、化薬アクゾ社製〕0.1質量部の混合物を3時間かけて滴下し、温度を120℃に保ったままさらに5時間加熱還流した。次に温度を50℃まで下げた後、減圧下トルエンを200.0質量部留去した。放冷して温度を室温まで下げ、アクリル樹脂A−7を得た。
また同様の合成条件にて、表−1のモノマー構成比とすることにより樹脂A−3、4、8、9、10、13を得た。
アクリル樹脂A−14の合成
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および窒素ガス導入管を取り付けた反応容器にトルエン300.0質量部を仕込み、窒素ガス気流下で温度120℃に昇温した。次にメタクリル酸メチル(MMA)20.7質量部、スチレン38.7質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)24.5質量部、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)16.1質量部、開始剤〔カヤエステルO(商品名)、化薬アクゾ社製〕0.4質量部の混合物を1.2時間かけて滴下し、温度を120℃に保ったままさらに1時間加熱還流した。次に温度を50℃まで下げた後、減圧下トルエンを200.0質量部留去した。放冷して温度を室温まで下げ、アクリル樹脂A−14を得た。
アクリル樹脂A−15の合成
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および窒素ガス導入管を取り付けた反応容器にトルエン300.0質量部を仕込み、窒素ガス気流下で温度120℃に昇温した。次にメタクリル酸メチル(MMA)20.0質量部、スチレン13.9質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)66.1質量部、開始剤〔カヤエステルO(商品名)、化薬アクゾ社製〕0.1質量部の混合物を4時間かけて滴下し、温度を120℃に保ったままさらに7時間加熱還流した。次に温度を50℃まで下げた後、減圧下トルエンを200.0質量部留去した。放冷して温度を室温まで下げ、アクリル樹脂A−15を得た。
以下表1にアクリル樹脂のモノマー構成(モル比)を示す。
Figure 2008139482
St:スチレン CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
SMA:ステアリルメタクリレート
(実施例1)
芯体2としてSUS製の直径8mmの芯金にニッケルメッキを施し、さらにプライマ−〔DY35−051(商品名)、東レダウコーニングシリコーン社製〕を塗布、焼付けしたものを用いた。ついで、軸芯体2を金型に配置し、液状シリコーンゴム材料〔SE6724A/B(商品名)、東レ・ダウコーニングシリコーン社製〕100質量部に対し、カーボンブラック〔トーカブラック#7360SB(商品名)、東海カーボン社製〕を35質量部、耐熱性付与剤としてシリカ粉体を0.2質量部、および白金触媒0.1質量部を混合した付加型シリコーンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入した。続いて、金型を加熱してシリコーンゴムを温度150℃、15分間加硫硬化し、脱型した後、さらに温度180℃、1時間加熱し硬化反応を完結させ、弾性層3を軸芯体2の外周に設けた。
次に、ポリウレタン原料U−1 200質量部に対し、カーボンブラック〔Specialblack4(商品名)、デグサジャパン社製〕24.0質量部及びアクリル樹脂A−1の4.4質量部を撹拌モーターにより充分に混合撹拌した。次に総固形分比30質量%になるようにMEKに溶解混合し、横型連続式ビーズミル〔NVM−03(商品名)、アイメックス社製〕にて2時間分散し、分散液を得た。
さらに、この分散液を粘度7〜10cpsにMEKで希釈後、前記弾性層上に浸漬塗工した後乾燥させ、温度150℃にて1時間加熱処理することで弾性層外周に膜厚約10μmの表面層を設け、実施例1の現像ローラを得た。前述の方法で測定した現像ローラの表面硬度は37.0であった。
(実施例2)
アクリル樹脂A−1をA−2に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2の現像ローラを得た。
(実施例3)
アクリル樹脂A−1をA−3に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例3の現像ローラを得た。
(実施例4)
アクリル樹脂A−1をA−4に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例4の現像ローラを得た。
(実施例5)
アクリル樹脂A−1をA−5に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例5の現像ローラを得た。
(実施例6)
ウレタン樹脂U−1をU−2に、さらにアクリル樹脂A−1をA−6に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例6の現像ローラを得た。
(実施例7)
アクリル樹脂A−6をA−7に変更した以外は実施例6と同様にして、実施例7の現像ローラを得た。
(実施例8)
アクリル樹脂A−6をA−8に変更した以外は実施例6と同様にして、実施例8の現像ローラを得た。
(実施例9)
アクリル樹脂A−6をA−9に変更した以外は実施例6と同様にして、実施例9の現像ローラを得た。
(実施例10)
ウレタン樹脂U−1をU−3に変更した以外は実施例3と同様にして、実施例10の現像ローラを得た。
(実施例11)
ウレタン樹脂U−1をU−4に変更した以外は実施例8と同様にして、実施例11の現像ローラを得た。
(実施例12)
ウレタン樹脂U−1をU−5に変更した以外は実施例8と同様にして、実施例12の現像ローラを得た。
(実施例13)
ウレタン樹脂U−1をU−6に変更した以外は実施例8と同様にして、実施例13の現像ローラを得た。
(実施例14)
ウレタン樹脂U−1をU−7に変更した以外は実施例8と同様にして、実施例14の現像ローラを得た。
(実施例15)
アクリル樹脂A−8の添加量を0.3質量部に変更した以外は実施例11と同様にして、実施例15の現像ローラを得た。
(実施例16)
アクリル樹脂A−8の添加量を2.2質量部に変更した以外は実施例11と同様にして、実施例16の現像ローラを得た。
(実施例17)
アクリル樹脂A−8の添加量を11.0質量部に変更した以外は実施例11と同様にして、実施例17の現像ローラを得た。
(比較例1)
ウレタン樹脂U−1をU−8に変更した以外は実施例8と同様にして、比較例1の現像ローラを得た。
(比較例2)
ウレタン樹脂U−1をU−9に変更した以外は実施例8と同様にして、比較例2の現像ローラを得た。
(比較例3)
ウレタン樹脂U−1をU−10に変更した以外は実施例8と同様にして、比較例3の現像ローラを得た。
(比較例4)
アクリル樹脂A−8の添加量を44.0質量部に変更した以外は実施例11と同様にして、比較例4の現像ローラを得た。
(比較例5)
アクリル樹脂A−1をA−10に変更した以外は実施例11と同様にして、比較例5の現像ローラを得た。
(比較例6)
アクリル樹脂A−1をA−11に変更した以外は実施例11と同様にして、比較例6の現像ローラを得た。
(比較例7)
アクリル樹脂A−1をA−12に変更した以外は実施例11と同様にして、比較例7の現像ローラを得た。
(比較例8)
アクリル樹脂A−1をA−13に変更した以外は実施例11と同様にして、比較例8の現像ローラを得た。
(比較例9)
アクリル樹脂A−1をA−14に変更した以外は実施例11と同様にして、比較例9の現像ローラを得た。
(比較例10)
アクリル樹脂A−1をA−15に変更した以外は実施例11と同様にして、比較例10の現像ローラを得た。
以上のようにして得られた実施例1〜17及び比較例1〜10の現像ローラの表面硬度を測定した。
また高温高湿環境放置後のトナー固着と画像耐久性の程度を評価した。
次に弾性層との基材密着性を以下の基準で評価した。
A:表面層と弾性層の界面での剥離が全く認められない
B:剥離面積が5%未満
C:剥離面積が5%以上。
ローラ外観を以下の基準で評価した。
A:外観不良が全く認められない
B:極軽微なムラが認められる
C:顕著なムラや層分離が認められる。
以上の結果を表2〜4に示す。
Figure 2008139482
Figure 2008139482
Figure 2008139482
実施例1〜17は、現像ローラとして特に好適なポリプロピレングリコール骨格、ポリテトラメチレングリコール骨格を高い比率で含有するウレタン樹脂と、Tg、SP値、分子量が好適な範囲に制御されたアクリル樹脂の組合わせであり、かつアクリル樹脂の含有量が5.0質量%以下であるため、現像ローラの柔軟性と高温高湿環境でのトナー固着性、基材密着性に優れる高品質の現像ローラとなっている。また特に水酸基を含有しないアクリル樹脂を含む実施例7〜9の現像ローラは柔軟性と他の品質を高い次元で両立している。
それに対しウレタン樹脂成分が著しく高極性であったり柔軟性に乏しい場合や、アクリル樹脂とのSP差が1.0を超える場合、またアクリル樹脂の含有率が5.0%を超えるものなどは、現像ローラの硬度上昇による画像耐久性の低下、高温高湿環境でのトナー固着性の低下、基材密着不良が認められる。
本発明の現像ローラの一例を示す概念図である。 本発明の現像ローラの一例の断面を示す概念図である。 本発明のプロセスカートリッジ及び画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 液循環型浸漬塗工装置の一例を示す概念図である。
符号の説明
1:現像ローラ
2:軸芯体
3:弾性層
4:表面層
5:感光体
6:現像ローラ
7:トナー供給ローラ
8:トナー
9:規制ブレード
10:現像装置
11:レーザー光
12:帯電装置
13:クリーニング装置
14:クリーニング用帯電
装置
15:定着装置
16:駆動ローラ
17:転写ローラ
18:バイアス電源
19:テンションローラー
20:転写搬送ベルト
21:従動ローラ
22:紙
23:給紙ローラ
24:吸着ローラ
25:浸漬槽
26:液送ポンプ
27:撹拌タンク
28:昇降装置

Claims (7)

  1. 芯体の周囲に弾性層を有し、弾性層の外周に表面層を有する現像ローラにおいて、該表面層が下記樹脂(a)、及び樹脂(b)を含有し、樹脂(a)の架橋反応前のポリウレタン原料のSP値と樹脂(b)のSP値との差が0.1以上0.9以下であり、かつ全樹脂成分における樹脂(b)の含有率が0.1質量%以上5.0質量%以下であること特徴とする現像ローラ。
    (a)ポリプロピレングリコール骨格及び/またはポリテトラメチレングリコール骨格を有し、架橋反応前のポリウレタン原料のSP値が8.4以上8.9以下である熱硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂。
    (b)ガラス転移温度(Tg)が30℃以上70℃以下、SP値が7.5以上8.6以下、重量平均分子量が30,000以上100,000以下であるアクリル樹脂。
  2. 該ポリエーテルポリウレタン樹脂が、ポリプロピレングリコール骨格及び/またはポリテトラメチレングリコール骨格を60質量%以上85質量%以下有することを特徴とする請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 該アクリル樹脂が、メタクリル酸メチル(MMA)ユニット、スチレンユニット、メタクリル酸2−エチルヘキシル(EHMA)ユニット、及びメタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)ユニットを含有し、メタクリル酸メチル(MMA)ユニットとスチレンユニットのモル比の合計がアクリル樹脂に対して50モル%以上90モル%以下であるアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像ローラ。
  4. 該アクリル樹脂が、メタクリル酸メチル(MMA)ユニット、及びスチレンユニットを少なくとも含有し、メタクリル酸メチル(MMA)ユニットとスチレンユニットのモル比の合計がアクリル樹脂に対して70モル%以上90モル%以下であるアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の現像ローラ。
  5. 芯体の周囲に弾性層を有し、その外周に表面層を有する現像ローラの製造方法において、該表面層が下記樹脂(a)、及び樹脂(b)
    a)ポリプロピレングリコール骨格、及び/またはポリテトラメチレングリコール骨格からなり、架橋反応前のポリウレタン原料のSP値が8.4以上8.9以下である熱硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂。
    b)ガラス転移温度(Tg)が30℃以上70℃以下、SP値が7.5以上8.6以下、重量平均分子量が30,000以上100,000以下であるアクリル樹脂
    から生成されることを特徴とする請求項1に記載の現像ローラの製造方法。
  6. 少なくとも現像ローラが装着されてなり、電子写真装置に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、該現像ローラが請求項1乃至4のいずれかに記載の現像ローラであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 感光体とトナーを担持する現像ローラとを有し、該現像ローラが前記感光体にトナーを付与することにより静電潜像を現像してトナー像を形成する電子写真装置であり、該現像ローラが請求項1乃至4のいずれかに記載の現像ローラであることを特徴とする電子写真装置。
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