JP5696468B2 - トロイダル型無段変速機の製造方法 - Google Patents

トロイダル型無段変速機の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、自動車用の変速装置として、或いは、ポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の変速装置として利用するトロイダル型無段変速機の改良に関する。具体的には、トロイダル型無段変速機を構成するパワーローラを支持する為のスラスト転がり軸受に組み込まれる保持器の製造方法を工夫する事により、品質が良好な保持器を、安定して得られる製造方法を実現するものである。
図11は、自動車用自動変速装置として使用されるトロイダル型無段変速機の1例を示している。このトロイダル型無段変速機は、ダブルキャビティ型と呼ばれるもので、互いに対向する軸方向側面をトロイド曲面とした1対の入力ディスク1、1と、これら両入力ディスク1、1の軸方向側面をそれぞれトロイド曲面とした1対の出力ディスク2、2との間に、複数個のパワーローラ3、3を挟持して成る。運転時には、前記両入力ディスク1、1の回転が、これら各パワーローラ3、3を介して前記両出力ディスク2、2に伝達される。これら各パワーローラ3、3は、それぞれトラニオン4、4に回転自在に支持されており、これら各トラニオン4、4は、それぞれ前記各ディスク1、2の中心軸に対し捩れの位置にある枢軸(図示省略)を中心とする揺動変位を自在に支持されている。前記両ディスク1、2同士の間の変速比を変える場合は、前記各パワーローラ3、3の周面と、前記両入力ディスク1、1及び前記両出力ディスク2、2の内側面との転がり接触部(トラクション部)の位置を変更する。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時、前記各パワーローラ3、3は、前記各ディスク1、2から大きなスラスト荷重を受けつつ高速で回転する。この為に、前記各パワーローラ3、3と前記各トラニオン4、4との間に、それぞれスラスト玉軸受5、5を設け、これら各スラスト玉軸受5、5により、前記各パワーローラ3、3に加わる前記スラスト荷重を支承自在としている。従前のスラスト玉軸受5、5は、図12に示す様に、前記各パワーローラ3の外側面(図12の下面)に形成された内輪軌道6と、前記各トラニオン4の内側面に設置された外輪7の内側面(図12の上面)に形成された外輪軌道8と、これら内輪軌道6と外輪軌道8との間に転動自在に設けられた玉9、9と、これら各玉9、9を保持する保持器10とから成る。尚、前記図12に示した構造の場合、前記図11に示した構造とは異なり、前記外輪7を、前記各パワーローラ3を回転自在に支持する為の支持軸11並びに、これら各パワーローラ3を前記各トラニオン4に、入力、出力各ディスク1、2の軸方向に関する変位を許容した状態で支持する為の枢支軸12と、一体に形成している。又、パワーローラ3の形状に関しても、図11の構造とは異ならせている。但し、これらの相違点は、本発明との関係では、重要ではない。
又、前記保持器10は、互いに同心に配置された内径側、外径側両リム部13、14同士の間に複数の柱部15を、円周方向に関して間欠的に、放射方向に設け、円周方向に隣り合う柱部15同士の間部分を、前記各玉9、9を転動自在に保持する為のポケット16としている。これら各ポケット16の形状を円形とする為に、前記保持器10の軸方向から見た状態での前記各柱部15の形状を、径方向中間部が括れた鼓状としている。前記保持器10の軸方向に関する、前記内径側、外径側両リム部13、14及び前記各柱部15の厚さは、ほぼ均一としている。この様な保持器10を含んで構成する、前記スラスト玉軸受5は、トロイダル型無段変速機の運転時に、前記各パワーローラ3に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ3が高速で回転する事を許容する。この為、運転時に前記スラスト玉軸受5には、十分量の潤滑油を供給し、各部の潤滑及び冷却を行う必要がある。
ところが、上述の様な構造の保持器10を含んだ前記スラスト玉軸受5に、潤滑の為に十分量の潤滑油を送り込むと、トロイダル型無段変速機の運転時に、潤滑油の攪拌抵抗が大きくなる。そして、前記スラスト玉軸受5により支承された前記パワーローラ3の回転抵抗(動トルク)が大きくなって、トロイダル型無段変速機の伝達効率が悪化する。即ち、前記従前の保持器10は、その肉厚が直径方向に亙り一定である為、この保持器10の軸方向両側面と前記内輪軌道6及び外輪軌道8との間で、円周方向に隣り合う各玉9、9の転動面(のうち保持器10から露出した部分)により円周方向両側を仕切られる部分に、相当量の潤滑油が滞留する事が避けられない。そして、トロイダル型無段変速機の運転時に前記各玉9、9が、この滞留した潤滑油を掻き分けつつ公転運動する事になり、潤滑油の攪拌抵抗に基づいて、前記パワーローラ3の回転抵抗が大きくなる。
この様な原因で大きくなる攪拌抵抗の低減を図る為の構造として、特許文献1に、図13〜15に示した様な構造が記載されている。この改良されたトロイダル型無段変速機に組み込まれるスラスト玉軸受5aを構成する保持器10aは、ポリアミド樹脂等の合成樹脂製で、図15に示す様に、互いに同心に配置された内径側、外径側両リム部13a、14a同士の間に複数の柱部15a、15aを、円周方向に関して間欠的に、放射方向に設け、円周方向に隣り合う柱部15a、15a同士の間部分を、各玉9、9を転動自在に保持する為のポケット16a、16aとしている。そして、前記保持器10aの軸方向に関して、前記各柱部15a、15aの両側面の一部で、パワーローラ3と外輪7との間部分への組み付け状態で、これら両部材3、7に設けた内輪軌道6及び外輪軌道8に対向する部分に、それぞれ凸部17、17を設けている。これら各凸部17、17の表面は、部分円筒状の凸面であり、それぞれの母線形状を比較すると、これら各凸部17、17の曲率半径は、前記内輪軌道6及び外輪軌道8の曲率半径よりも少しだけ小さい。従って、前記スラスト玉軸受5aを組み立てた状態で、前記各凸部17、17は、それぞれの大部分が、前記内輪軌道6及び外輪軌道8の内側に入り込む。又、前記各凸部17、17の一部が、前記内輪軌道6及び外輪軌道8の一部に強く押し付けられる事はない。
上述の様な、図13〜15に示した改良された構造の場合には、前記保持器10aの軸方向両側面と、前記内輪軌道6及び外輪軌道8との間に存在して潤滑油が滞留する原因となる空間の容積を、十分に小さくできる。この為、これら各空間内に滞留する潤滑油量を少なくすると共に、前記各ポケット16a、16a内に流入した潤滑油が、前記各空間内に流出する事も防止できる。この結果、前記スラスト玉軸受5aを組み込んだトロイダル型無段変速機の運転時に発生する潤滑油の攪拌抵抗を低減して、前記スラスト玉軸受5aの回転抵抗を低減し、このスラスト玉軸受5aを組み込んだトロイダル型無段変速機の伝達効率の向上を図れる。
又、前記攪拌抵抗の低減を図る為の保持器の別構造として、特許文献1に、図16に示す様な構造の保持器10bが記載されている。このトロイダル型無段変速機に組み込まれるスラスト玉軸受に組み込む保持器10bは、ポリアミド樹脂等の合成樹脂製で、円環状の内径側リム部13bと、複数の柱部15b、15bとを備えている。このうちの各柱部15b、15bは、一端部(径方向内端部)を前記内径側リム部13bの外周面の円周方向等間隔位置に結合し、他端部(径方向外端部)を他の部分に結合しない自由端としている。
又、前記各柱部15b、15bの軸方向両側面の直径方向中間部(内周縁部分と外周縁部分とに挟まれた部分)に、軸方向に膨出した凸部17a、17aを、それぞれ設けている。又、それぞれが各ポケット16b、16bの内面の一部を構成する、前記各凸部17a、17aの円周方向側面は、前記各柱部15b、15bの本体部分の円周方向側面と、滑らかに連続している。又、前記各凸部17a、17aは、前述した特許文献1に記載された保持器10bと同様に、パワーローラ3の外側面に形成された内輪軌道6、及び、外輪7の内側面に形成された外輪軌道8の各軌道溝(図14参照)に沿う外面形状(部分円筒面形状)を有し、その大部分を、これら各軌道溝の内側に入り込ませる様にしている。そして、前記リム部13bの外周面と、円周方向に隣り合う柱部15b、15bの円周方向側面(前記各凸部17a、17aの円周方向側面を含む)とで三方を囲まれる部分を、それぞれ前記各玉9を転動自在に保持する為の、前記各ポケット16b、16bとしている。
前述した様な構造を有する前記保持器10a、10bを、低コストで、且つ、軽量に造る為には、この保持器10aを、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の合成樹脂を射出成型する事により造る事が好ましい。この場合、必要に応じてこの合成樹脂中に、炭素繊維、ガラス繊維等の補強材を混入する。何れにしても、合成樹脂を射出成型する事により得られた保持器10a、10bによる潤滑油の攪拌抵抗をより小さく抑える為には、この保持器10a、10bのうち、前記各柱部15a、15bの表面、特に、前記各凸部17、17aの表面の形状を、円周方向に関して滑らかに(直線状に)する事が好ましい。
ところで、前述した様な構造を有する前記保持器10a、10bを射出成型により製造する場合、所謂引けと呼ばれる、表面が部分的に凹む現象(欠陥)が生じる可能性がある。この様な引けは、金型内に溶融した樹脂を注入する為のゲートから離れており、しかも肉厚が大きい箇所や、金型内に送り込まれた溶融樹脂の圧力(キャビティの内圧)に部分的な差が生じる様な場所に発生し易い事が知られている。一方、前述した保持器10a、10bの様な構造の場合、ゲートから離れた部分に設置される、前記各柱部15a、15bの径方向中間部に、前記各凸部17、17aが存在する。しかも、この様な前記各柱部15a、15bの肉厚が、径方向中間部で他の部分に比べて極端に大きい。この為、合成樹脂により前記保持器10a、10bを射出成型すると、この部分に、前記引けが発生し易い。又、前記保持器10a、10bの様に、複雑な構造の保持器の場合、使用する金型の構造が複雑になり、金型内に送り込まれた溶融樹脂の圧力(キャビティの内圧)に大きな差が生じ、この部分に前記引けが発生し易い。この様な引けが、使用時に応力が集中する部分(リム部と柱部との結合部等)に生じた場合、この部分の剛性が低下し、保持器が破損する原因となる恐れがある。又、前記各玉をポケットに保持した状態でこの玉の転動面と接触する、このポケットの内面に引けが生じた場合、この接触部の摩耗が著しくなる可能性がある。
特開2010−156399号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、パワーローラを回転自在に支持するスラスト転がり軸受に組み込む、柱部の両側に凸部を備えた保持器を、合成樹脂を射出成型する事により造る場合でも、引けと呼ばれる現象が発生しにくくできる製造方法を実現すべく発明したものである。
本発明の製造方法の対象となるトロイダル型無段変速機は、一般に広く知られているハーフトロイダル型のトロイダル型無段変速機と同様に、入力ディスク及び出力ディスクと、複数個のトラニオンと、複数本の支持軸と、複数個のパワーローラと、複数組のスラスト玉軸受とを備える。
このうちの入力ディスク及び出力ディスクは、相対回転を自在として互いに同心に支持されている。
又、前記各トラニオンは、前記両ディスクの軸方向に関してこれら両ディスクの間部分に設けられ、それぞれの両端部に互いに同心に、且つ、これら両ディスクの中心軸に対して捩れの位置に設けられた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされている。
又、前記各支持軸は、前記各トラニオンの内側面から突出する状態で、これら各トラニオン毎に1本ずつ設けられている。
又、前記各パワーローラは、前記各支持軸の周囲に回転自在に支持された状態で、前記両ディスク同士の間に挟持されている。
更に、前記各スラスト玉軸受は、前記各パワーローラの外側面と前記各トラニオンの内側面との間に設けられている。
そして、前記各スラスト玉軸受は、前記各パワーローラの外側面に形成された断面円弧状の内輪軌道と、前記各トラニオンの内側面に設置された外輪の内側面に形成された断面円弧状の外輪軌道と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の玉と、これら各玉を保持する保持器とから成る。
又、この保持器は、合成樹脂を射出成形する事により造られたもので、周方向に連続した円環状のリム部と、このリム部の円周方向複数箇所に間欠的に形成され、それぞれが径方向に配置された複数の柱部と、円周方向に隣り合う柱部同士の間部分に設けられてそれぞれの内側に前記各玉を1個ずつ、転動自在に保持するポケットとを備えたものである。更に、前記保持器の軸方向に関して前記各柱部の両側面の一部で、前記内輪軌道及び前記外輪軌道に対向する部分に、これら各柱部とこれら内輪軌道及び外輪軌道との間に存在する空間の一部を塞ぐ凸部が設けられている。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機の製造方法に於いては、前記保持器を、一次射出成型により、前記リム部と、前記各柱部の基となる素柱部とを一体に成型した素保持器体を得た後、二次射出成型により、この素保持器体の各素柱部に、前記各凸部及び前記各柱部を構成する各部分を成型して造る。
この様な本発明のトロイダル型無段変速機の製造方法を実施する場合には、付加的に、前記一次射出成型により、前記素保持器体の軸方向に関する厚みを一定に成型する事ができる
又は、付加的に、前記一次射出成型により、前記素保持器体の素柱部の円周方向側面に、前記二次射出成型により成型する部分と係合する、凸部、凹凸部等の係合部を形成する事ができる。
又は、付加的に、前記一次射出成型により、前記素保持器体の素柱部の軸方向側面に、前記二次射出成型により成型する部分と係合する、凸部、凹凸部等の係合部を形成する事ができる
更には、付加的に、素保持器体の素柱部の円周方向側面の一部を、前記各玉と接触可能な状態に露出させる事ができる
又は、例えば、二次射出成型に用いる樹脂の流動性を、一次射出成型に用いる樹脂の流動性よりも高くする事もできる。
上述の様に本発明のトロイダル型無段変速機の製造方法の場合には、このトロイダル型無段変速機を構成するスラスト玉軸受の保持器を、一次射出成型と、二次射出成型との二段階の工程に分けて製造する。このうちの一次射出成型により成型する素保持器体の構造は、肉厚が他の部分に比べて著しく大きい部分(各柱部の軸方向周面の径方向中間部に形成された凸部等)を含まない。この為、前記素保持器体に、割れや、摩耗の原因となる様な、著しい引けが発生する事を抑えられる。一方、二次射出成型により成型する部分に関しても、前記素保持器体の素柱部の厚みがある分、肉厚の絶対値を抑えられて、引けが発生するとしても、その程度を低く抑えられる。この結果、十分な強度を備えたスラスト玉軸受を構成する保持器を安定して製造でき、延いてはトロイダル型無段変速機の耐久性の向上、及び製造コストの低減を図る事ができる。
特に、請求項1に記載した発明の場合には、前記一次射出成型により、前記素保持器体の軸方向に関する厚みを一定にする為、この素保持器体に引けが発生する事をより効果的に抑えられる。
又、請求項2〜3に記載した各発明の場合には、前記一次射出成型により形成する係合部(凸部、凹凸部等)の存在に基づき、一次射出成型により成型する前記素保持器体の素柱部と、二次射出成型により成型する部分との結合力を高める事ができる。又、係合部として凸部を形成する事により、この凸部と整合する二次射出成型で成型する部分の肉厚をより薄くできる。この為、この部分に引けが発生する事を抑えられる。
又、二次射出成型に用いる樹脂の流動性を、一次射出成型に用いる樹脂の流動性よりも高くした場合には、前記保持器全体として十分な強度を確保しつつ、引けの発生を抑え、品質が良好な保持器を、より安定して製造する事ができる。即ち、一次射出成型に用いる樹脂の流動性よりも高くしている。即ち、一次射出成型で成型する素保持器体は、比較的単純な構造ではあるが、高い強度、又は耐摩耗性が求められる部分(リム部と柱部との結合部、又は素柱部の円周方向側面であり、各玉との接触部分、又はこの接触部分近傍)である。この為、一次射出成型では、高い強度を得られるが、流動性が低く金型のキャビティへの充填性がやや低い性状の樹脂を使用しても、品質が良好な前記素保持器体を、安定して製造する事ができる。一方で、二次射出成型で成型する部分の構造は、一次射出成型で成型する部分の構造よりは、比較的複雑ではあるが、強度、耐摩耗性がそれほど求められない部分である。この為、二次射出成型では、一次射出成型で使用する樹脂よりは、高い強度を得られないが、流動性が高く金型のキャビティへの充填性が高い性状の樹脂を使用する事ができる。この結果、上述の様な効果を得られる。
又、請求項4に記載した発明の場合には、一次射出成型により成型する、十分な強度を備えた素保持器体の素柱部の円周方向側面の一部を各玉と接触させている為、前記保持器の耐久性の向上、延いてはトロイダル型無段変速機の耐久性の向上を図る事ができる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、素保持器体の斜視図。 同じく、完成後の保持器の斜視図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、素保持器体の斜視図。 同じく、完成後の保持器の斜視図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、素保持器体の斜視図。 同じく、完成後の保持器の斜視図。 本発明の実施の形態の第4例を示す、素保持器体の斜視図。 同じく、完成後の保持器の斜視図。 本発明の実施の形態の第5例を示す、素保持器体の斜視図。 同じく、完成後の保持器の斜視図 従来から知られているトロイダル型無段変速機の断面図。 同じく、パワーローラユニットの断面図。 改良されたスラスト玉軸受を組み込んだパワーローラ支持部分の部分切断斜視図。 同じく、断面図。 同じく、保持器を取り出した状態で示す斜視図。 改良されたスラスト玉軸受を構成する保持器の別例を示す斜視図。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、請求項1、4に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例を含めて本発明の特徴は、トロイダル型無段変速機を構成するスラスト玉軸受の保持器10cの製造方法を工夫した点にある。この保持器10cの基本的(組み立て完了後の)構造は、前述の図16に示した従来構造の保持器10bと同様である。又、この他のトロイダル型無段変速機の構造は、前述の図11に示す従来構造のトロイダル型無段変速機と同様である。この為、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例のトロイダル型無段変速機の製造方法の場合、このトロイダル型無段変速機を構成するスラスト玉軸受の保持器10cを、一次射出成型と、二次射出成型との二段階の工程に分けて造る。
先ず、前記一次射出成型により、図1に示す様な構造の素保持器体18を成型する。この素保持器体18は、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の合成樹脂にガラス繊維を含有して成るガラス繊維強化プラスチック(GFRP)又は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)や、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)を射出成形する事により造る。又、前記素保持器体18は、円輪状のリム部19と、複数の素柱部20、20とを有している。
このうちの各素柱部20、20は、一端部(径方向内端部)を前記リム部19の外周面の円周方向等間隔位置に結合し、他端部(径方向外端部)を他の部分に結合しない自由端としている。又、前記リム部19と、前記各素柱部20、20の軸方向に関する厚さH18は一定である。
上述の様な素保持体18を得たならば、次いで、前記二次射出成型により、前記素保持器体18の各素柱部20、20に、これら各素柱部20、20の軸方向両側面の径方向中間部(内周縁部分と外周縁部分とに挟まれた部分)に、軸方向に膨出した凸部17c、17c、及び各ポケット16c、16c等の、各柱部15c、15cを構成する残りの部分(図2に示す、前記素保持器体18以外の部分)を形成して、図2に示す様な保持器10cとする。前記二次射出成型では、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の、前記一次射出成型で用いた合成樹脂よりも、溶融状態での流動性が高い(ガラス繊維又は炭素繊維を含有していないか、含有量が少ない)合成樹脂を用いる。又、前記各素柱部20、20の円周方向両側面のうち、各ポケット16c、16cに各玉9(図14参照)を保持した状態で、これら各玉9と接触する部分(図2に於いて、前記各素柱部20、20のうち実線で示す部分)を、二次射出成型で用いる樹脂で覆わない、露出部21、21とする。これら各露出部21、21は、二次射出成型の際、前記各素柱部20、20の一部をキャビティの内面に押し当てた状態で、前記二次射出成型を行なう事により形成する。但し、二次射出成型の際、前記各露出部21、21に対応する部分を合成樹脂で覆った後、削り加工等により前記各露出部21、21を形成しても良い。尚、この様に前記素柱部20、20の円周方向両側面の一部を露出しない場合でも、二次射出成型により成型される前記各玉9と接触する部分は、その厚さが極端に大きくなる事はなく、著しい引けが生じる可能性は小さい。
又、前記一次射出成型と、二次射出成型とで用いる樹脂は、同一の樹脂を使用する事もできる。この様に、一次射出成型と、二次射出成型とで用いる樹脂を同一の樹脂とする場合には、この二次射出成型で用いる樹脂に、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素化合物等の固体潤滑剤のうちの1種類、或は複数種類の固体潤滑剤を含ませても良い。
上述の様に本例のトロイダル型無段変速機の製造方法の場合には、このトロイダル型無段変速機を構成するスラスト玉軸受の保持器10cを、一次射出成型と、二次射出成型との二段階の工程に分けて造っている。このうちの一次射出成型により成型する前記素保持器体18の構造は、他の部分に比べて肉厚が大きい部分(前記各柱部15c、15cの軸方向周面の径方向中間部に形成された凸部17c、17c等)を含ず、軸方向に関する厚みH18が一定である。一方、二次射出成型により成型する部分に関しても、前記素保持器体18の各素柱部20、20の厚みがある分、各部分の肉厚の絶対値が特に大きくなる事がない。この為、保持器の割れや、摩耗の原因となる引けが発生する事を抑えられ、前記スラスト玉軸受を構成する保持器10cの耐久性の向上、延いてはトロイダル型無段変速機の耐久性の向上を図る事ができる。尚、二次射出成型で成型する部分は、厚さが不均一になる部分を含んでいる為、或る程度の引けが発生する可能性がある。但し、二次射出成型で成型する部分は、一次射出成型で成型する部分とは異なり、使用時に応力が集中する部分を含まない。この為、二次射出成型で成型する部分の引けの発生は、保持器の耐久性を大きく損なう様な損傷の原因とはならない。
又、二次射出成型に用いる樹脂の流動性を、一次射出成型に用いる樹脂の流動性よりも高くしている。即ち、一次射出成型で成型する前記素保持器体18は、比較的単純な構造ではあるが、高い強度、又は対摩耗性が求められる部分(前記リム部19と各素柱部20、20との結合部や、各素柱部20、20の円周方向側面であり、前記各玉9との接触部分及びこの接触部分の近傍)である。この為、一次射出成型では、高い強度を得られるが、流動性が低く金型のキャビティへの充填性がやや低い性状の樹脂を使用する事ができても、品質が良好な前記素保持器体を、安定して製造する事ができる。一方で、二次射出成型で成型する部分は、一次射出成型で成型する部分の構造よりは、比較的形状が複雑ではあるが、強度、耐摩耗性がそれほど求められない部分である。この為、二次射出成型では、一次射出成型で使用する樹脂に比べて、高い強度を得られないが、流動性が高く金型のキャビティへの充填性が高い性状の樹脂を使用する事ができる。この結果、十分な強度を確保した保持器を安定して製造でき、延いてはトロイダル型無段変速機の耐久性の向上、及び製造コストの低減を図る事ができる。
又、一次射出成型により、比較的強度の高い樹脂により造られた前記素保持器体18の各素柱部20、20の円周方向両側面の一部を、二次射出成型で用いる樹脂で覆わずに露出する事で、前記各ポケット16c、16cに各玉9を保持した状態で、前記各素柱部20、20の円周方向両側面の一部と、これら各玉9の転動面とが直接接触する様にしている。この為、前記保持器10cの耐摩耗性の向上を図れる。
[実施の形態の第2例]
図3〜4は、請求項1、2、4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例のトロイダル型無段変速機の製造方法の場合、一次射出成型で成型する素保持器体18aの各素柱部20a、20aの、円周方向両側面の径方向外端部に、この両側面から、円周方向に突出した係合部である係合凸部22、22を形成している。又、前述した実施の形態の第1例の素保持器体18と同様に、リム部19と前記各素柱部20a、20aとの、軸方向に関する厚さH18は一定である。尚、本例の場合、前記素保持器体18aの各素柱部20a、20aの、円周方向両側面に前記各係合凸部22、22を形成しているが、円周方向側面のうちのどちらか一方の側面のみに前記各係合凸部22、22を形成しても良い。
上述の様な本例のトロイダル型無段変速機の製造方法によれば、一次射出成型で成型する前記素保持器体18aと、二次射出成型で成型する部分との結合力を高くする事ができる。即ち、トロイダル型無段変速機を構成するスラスト玉軸受の保持器10dには、使用状態で遠心力が加わるが、前記各係合突出部22、22の径方向内側面と、この径方向内側面と対向する前記二次射出成型で成型する部分との係合により、前記遠心力に対して、十分な結合力を得る事ができる。その他の構造、及び作用、効果は前記実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
図5〜6は、請求項3、4に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例のトロイダル型無段変速機の製造方法の場合、一次射出成型で成型する素保持器体18bの各素柱部20b、20bの、軸方向両側面の径方向中間部に、これら両側面から軸方向に突出した係合部である係合凸部22a、22aを形成している。尚、本例の場合、前記素保持器体18bの各素柱部20b、20bの、軸方向両側面に前記各係合凸部22a、22aを形成しているが、軸方向側面のうちのどちらか一方の側面のみに前記各係合凸部22a、22aを形成しても良い。
上述の様な本例のトロイダル型無段変速機の製造方法によれば、径方向に関して、前記各素柱部20b、20bの係合凸部22a、22aと整合する、二次射出成型で成型する部分の軸方向に関する厚さを、これら各係合凸部22a、22aを形成しない場合と比較して薄くする事ができる。この為、二次射出成型で成型する部分に、引けが発生する事をより効果的に抑えられる。その他の構造、及び作用、効果は前記実施の形態の第2例と同様である。
[実施の形態の第4例]
図7〜8は、請求項3、4に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例のトロイダル型無段変速機の製造方法の場合、一次射出成型で成型する素保持器体18cの各素柱部20c、20cの、軸方向両側面の径方向中間部から外端部に掛けて、これら両側面から軸方向両側に突出する状態で、円周方向視で半円状の係合部である係合凸部22b、22bを形成して、前記各素柱部20c、20cの基端部を除く部分の形状を円形としている。尚、本例の場合、前記素保持器体18cの各素柱部20c、20cの、軸方向両側面に前記各係合凸部22b、22bを形成しているが、軸方向側面のうちの、どちらか一方の側面のみに前記各係合凸部22b、22bを形成しても良い。
上述の様な本例のトロイダル型無段変速機の製造方法によれば、径方向に関して、前記各素柱部20c、20cの各係合凸部22b、22bの位置に整合する、二次射出成型で成型する部分の軸方向に関する厚さを、これら各係合凸部22b、22bを形成しない場合と比較して十分に薄くする事ができる。特に、これら各係合凸部22b、22bの軸方向両側面の形状を、二次射出成型で成型する凸部17c、17cの、軸方向両側面の形状に沿った形状とすれば、二次射出成型の際、この部分に関する軸方向の厚さを一定にする事ができる。この結果、二次射出成型で成型する部分に、引けが発生する事をより効果的に抑えられる。その他の構造、製造工程、及び作用、効果は前記実施の形態の第3例と同様である。
[実施の形態の第5例]
図9〜10は、請求項3、4に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例のトロイダル型無段変速機の製造方法の場合、一次射出成型で成型する素保持器体18dの各素柱部20d、20dの、軸方向両側面の内端から外端に掛けて、係合部である係合凹凸部23、23を形成している。その他の構造、製造工程、及び作用、効果は前記実施の形態の第2例と同様である。尚、本例の場合、前記素保持器体18dの各素柱部20d、20dの、軸方向両側面に前記係合凹凸部23、23を形成しているが、軸方向側面のうちの、どちらか一方の側面のみに前記係合凹凸部23、23を形成しても良い。又、円周方向側面に係合凹凸部を形成しても良い。
前述した各実施の形態に組み込む保持器は、複数の柱部を、円環状のリム部の径方向外側面(外周面)の円周方向等間隔位置に、この径方向外側面から径方向外方へ突出した状態で設けている。但し、本発明は、この様な保持器の構造に限定されず、複数の柱部を、円環状のリム部の径方向内側面(内周面)の円周方向等間隔位置に、この径方向内側面から径方向内方へ突出した状態で設けた様な構造に適用する事もできる。又、前記図15に示した様な、内外両周縁部にそれぞれリム部13a、14aを設けた構造の保持器10aに適用する事も可能である。
又、一次射出成型で成型する素保持器体の柱部に形成する各係合部の形状は、前述した実施の形態の各例の形状に限られず、一時射出成型の成型性を損なわない範囲で、各種形状を採用する事ができる。又、一時射出成型の成型性を損なわない様に、前記各実施の実施同士を組み合わせて実施する事も可能である。
1 入力ディスク
2 出力ディスク
3 パワーローラ
4 トラニオン
5、5a スラスト玉軸受
6 内輪軌道
7 外輪
8 外輪軌道
9 玉
10、10a、10b、10c、10d 保持器
11 支持軸
12 枢支軸
13、13a、13b、13c 内径側リム部
14、14a 外径側リム部
15、15a、15b、15c 柱部
16、16a、16b、16c、11d ポケット
17、17a、17b、17c 凸部
18、18a、18b、18c、18d 素保持器体
19 リム部
20、20a、20b、20c、20d 素柱部
21 露出部
22、22a、22b 係合凸部
23 係合凹凸部

Claims (4)

  1. 相対回転を自在として互いに同心に支持された入力ディスク及び出力ディスクと、これら両ディスクの軸方向に関してこれら両ディスクの間部分に設けられ、それぞれの両端部に互いに同心に、且つ、これら両ディスクの中心軸に対して捩れの位置に設けられた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされた複数個のトラニオンと、これら各トラニオンの内側面から突出する状態で、これら各トラニオン毎に1本ずつ設けられた支持軸と、これら各支持軸の周囲に回転自在に支持された状態で前記両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラの外側面と前記各トラニオンの内側面との間に設けられたスラスト玉軸受とを備え、これら各スラスト玉軸受は、前記各パワーローラの外側面に形成された内輪軌道と、前記各トラニオンの内側面に設置された外輪の内側面に形成された外輪軌道と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の玉と、これら各玉を保持する保持器とから成るものであり、
    この保持器は、合成樹脂を射出成形する事により造られたもので、周方向に連続した円環状のリム部と、このリム部の円周方向複数箇所に間欠的に形成され、それぞれが径方向に配置された複数の柱部と、円周方向に隣り合う柱部同士の間部分に設けられてそれぞれの内側に前記各玉を1個ずつ、転動自在に保持するポケットとを備えたものであり、前記保持器の軸方向に関して前記各柱部の両側面の一部で、前記内輪軌道及び前記外輪軌道に対向する部分に、これら各柱部とこれら内輪軌道及び外輪軌道との間に存在する空間の一部を塞ぐ凸部が設けられているトロイダル型無段変速機の製造方法に於いて、
    前記保持器を、一次射出成型により、前記リム部と前記各柱部の基となる素柱部とを一体に成型すると共に、軸方向に関する厚みを一定に成型した素保持器体を得た後、二次射出成型により、この素保持器体の各素柱部に、前記凸部及び前記柱部を構成する各部分を成型する事を特徴とするトロイダル型無段変速機の製造方法。
  2. 相対回転を自在として互いに同心に支持された入力ディスク及び出力ディスクと、これら両ディスクの軸方向に関してこれら両ディスクの間部分に設けられ、それぞれの両端部に互いに同心に、且つ、これら両ディスクの中心軸に対して捩れの位置に設けられた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされた複数個のトラニオンと、これら各トラニオンの内側面から突出する状態で、これら各トラニオン毎に1本ずつ設けられた支持軸と、これら各支持軸の周囲に回転自在に支持された状態で前記両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラの外側面と前記各トラニオンの内側面との間に設けられたスラスト玉軸受とを備え、これら各スラスト玉軸受は、前記各パワーローラの外側面に形成された内輪軌道と、前記各トラニオンの内側面に設置された外輪の内側面に形成された外輪軌道と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の玉と、これら各玉を保持する保持器とから成るものであり、
    この保持器は、合成樹脂を射出成形する事により造られたもので、周方向に連続した円環状のリム部と、このリム部の円周方向複数箇所に間欠的に形成され、それぞれが径方向に配置された複数の柱部と、円周方向に隣り合う柱部同士の間部分に設けられてそれぞれの内側に前記各玉を1個ずつ、転動自在に保持するポケットとを備えたものであり、前記保持器の軸方向に関して前記各柱部の両側面の一部で、前記内輪軌道及び前記外輪軌道に対向する部分に、これら各柱部とこれら内輪軌道及び外輪軌道との間に存在する空間の一部を塞ぐ凸部が設けられているトロイダル型無段変速機の製造方法に於いて、
    前記保持器を、一次射出成型により、前記リム部と前記各柱部の基となる素柱部とを一体に成型した素保持器体を得た後、二次射出成型により、この素保持器体の各素柱部に、前記凸部及び前記柱部を構成する各部分を成型し、
    前記一次射出成型により、前記素保持器体の素柱部の円周方向側面に、前記二次射出成型により成型する部分と係合する係合部を形成する事を特徴とするトロイダル型無段変速機の製造方法。
  3. 相対回転を自在として互いに同心に支持された入力ディスク及び出力ディスクと、これら両ディスクの軸方向に関してこれら両ディスクの間部分に設けられ、それぞれの両端部に互いに同心に、且つ、これら両ディスクの中心軸に対して捩れの位置に設けられた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされた複数個のトラニオンと、これら各トラニオンの内側面から突出する状態で、これら各トラニオン毎に1本ずつ設けられた支持軸と、これら各支持軸の周囲に回転自在に支持された状態で前記両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラの外側面と前記各トラニオンの内側面との間に設けられたスラスト玉軸受とを備え、これら各スラスト玉軸受は、前記各パワーローラの外側面に形成された内輪軌道と、前記各トラニオンの内側面に設置された外輪の内側面に形成された外輪軌道と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の玉と、これら各玉を保持する保持器とから成るものであり、
    この保持器は、合成樹脂を射出成形する事により造られたもので、周方向に連続した円環状のリム部と、このリム部の円周方向複数箇所に間欠的に形成され、それぞれが径方向に配置された複数の柱部と、円周方向に隣り合う柱部同士の間部分に設けられてそれぞれの内側に前記各玉を1個ずつ、転動自在に保持するポケットとを備えたものであり、前記保持器の軸方向に関して前記各柱部の両側面の一部で、前記内輪軌道及び前記外輪軌道に対向する部分に、これら各柱部とこれら内輪軌道及び外輪軌道との間に存在する空間の一部を塞ぐ凸部が設けられているトロイダル型無段変速機の製造方法に於いて、
    前記保持器を、一次射出成型により、前記リム部と前記各柱部の基となる素柱部とを一体に成型した素保持器体を得た後、二次射出成型により、この素保持器体の各素柱部に、前記凸部及び前記柱部を構成する各部分を成型し、
    前記一次射出成型により、前記素保持器体の素柱部の軸方向側面に、前記二次射出成型により成型する部分と係合する係合部を形成する事を特徴とするトロイダル型無段変速機の製造方法。
  4. 相対回転を自在として互いに同心に支持された入力ディスク及び出力ディスクと、これら両ディスクの軸方向に関してこれら両ディスクの間部分に設けられ、それぞれの両端部に互いに同心に、且つ、これら両ディスクの中心軸に対して捩れの位置に設けられた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされた複数個のトラニオンと、これら各トラニオンの内側面から突出する状態で、これら各トラニオン毎に1本ずつ設けられた支持軸と、これら各支持軸の周囲に回転自在に支持された状態で前記両ディスク同士の間に挟持された複数個のパワーローラと、これら各パワーローラの外側面と前記各トラニオンの内側面との間に設けられたスラスト玉軸受とを備え、これら各スラスト玉軸受は、前記各パワーローラの外側面に形成された内輪軌道と、前記各トラニオンの内側面に設置された外輪の内側面に形成された外輪軌道と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の玉と、これら各玉を保持する保持器とから成るものであり、
    この保持器は、合成樹脂を射出成形する事により造られたもので、周方向に連続した円環状のリム部と、このリム部の円周方向複数箇所に間欠的に形成され、それぞれが径方向に配置された複数の柱部と、円周方向に隣り合う柱部同士の間部分に設けられてそれぞれの内側に前記各玉を1個ずつ、転動自在に保持するポケットとを備えたものであり、前記保持器の軸方向に関して前記各柱部の両側面の一部で、前記内輪軌道及び前記外輪軌道に対向する部分に、これら各柱部とこれら内輪軌道及び外輪軌道との間に存在する空間の一部を塞ぐ凸部が設けられているトロイダル型無段変速機の製造方法に於いて、
    前記保持器を、一次射出成型により、前記リム部と前記各柱部の基となる素柱部とを一体に成型した素保持器体を得た後、二次射出成型により、この素保持器体の各素柱部に、前記凸部及び前記柱部を構成する各部分を成型し、
    前記素保持器体の素柱部の円周方向側面の一部を、前記各玉と接触可能な状態に露出させる事を特徴とするトロイダル型無段変速機の製造方法。
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