JP5695336B2 - 光学ガラス、精密プレス成形用プリフォーム、光学素子とその製造方法 - Google Patents

光学ガラス、精密プレス成形用プリフォーム、光学素子とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、屈折率ndが1.86以上、アッベ数νdが28〜36である光学ガラス、前記ガラスからなる精密プレス成形用プリフォームと光学素子、その製造方法に関する。
高屈折率低分散光学ガラスは、各種レンズなどの光学素子材料として需要が高い。例えば、高屈折率高分散性のレンズとの組合せにより、コンパクトで高機能な色収差補正用の光学系を構成することができる。
さらに、高屈折率低分散性のレンズの光学機能面を非球面化することにより、各種光学系の一層の高機能化、コンパクト化を図ることができる。
非球面レンズなど、研削、研磨などの加工では非常に手間とコストがかかるガラス製光学素子を効率よく製造する方法として、精密プレス成形法が知られている。こうした精密プレス成形法に使用される高屈折率低分散光学ガラスが、特許文献1に開示されている。
特許文献1には、形状精度の高いガラス製光学素子を高い生産性のもとに供給するために、高屈折率、低分散で、かつガラス転移温度が低く、精密プレス成形が可能な低温軟化性を有する光学ガラス提供することを目的として、必須成分としてB23、La23、Gd23、ZnOを含み、屈折率(nd)が1.86超かつアッベ数(νd)が35未満、ガラス転移温度(Tg)が630℃以下である光学ガラスを開示する。
特開2005−247613号公報
特許文献1に開示されている光学ガラスは、高屈折率と低分散化に有利なLa2O3、Gd2O3およびY2O3などの希土類成分を含有し、さらに高屈折率化により有利なZnO、Ta2O5、TiO2、Nb2O5、WO3などの成分を導入している。
希土類成分とNbなどの高屈折率付与成分を比較的多量に含有する特許文献1に開示されているガラスは、液相温度を低下させる働きがあるB3+を多量に含有するにも関わらず液相温度が1020℃以上と高く、一方、B3+は揮発し易い成分であるために、ガラス成形時に揮発が少なく脈理が入り易いという問題が生じやすいなどの問題があった。
本発明は、上記問題を解決し、高品質の光学素子を安定生産可能にする高屈折率低分散光学ガラスを提供することを目的とし、前記光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォームおよび光学素子と、前記光学素子の製造方法を提供することを第2の目的とする。
本発明は以下のとおりである。
[1]
カチオン%表示で、
Si4+ 0〜5%
3+ 25〜45%、
Li+ 0〜20%、
Na+ 0〜5%、
+ 0〜5%、
Mg2+ 0〜5%、
Ca2+ 0〜5%、
Sr2+ 0〜5%、
Ba2+ 0〜5%、
Zn2+ 5〜40%、
La3+ 5〜25%、
Gd3+ 1〜15%、
3+ 0〜5%、
Yb3+ 0〜5%、
Zr4+ 0〜3%、
Ti4+ 1〜15%、
Nb5+ 0〜5%、
Ta5+ 0〜5%、
6+ 1〜30%、
Te4+ 0〜5%、
Ge4+ 0〜5%、
Bi3+ 0〜5%、
Al3+ 0〜5%、
を含み、
カチオン比(B3+/(B3++Si4+))が0.85〜1.00、
カチオン比(B3+/(La3++Gd3++Y3+))が1.0〜3.0、
カチオン比(B3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が0.5〜4.0、
カチオン比(Zn2+/(Zn2++Mg2++Ca2++Sr2++Ba2+))が0.8〜1.0、
カチオン比((La3++Gd3++Y3+)/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が0.3〜2.5、
カチオン比Ti4+/W6+が0.1〜1.5、
カチオン比((Ti4++W6+(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が0.9〜1.0であり、
屈折率ndが1.86以上、アッベ数νdが28〜36、液相温度が1000℃以下である光学ガラス。
[2]
ガラス転移温度が590℃未満ある[1]に記載の光学ガラス。
[3]
ガラス転移温度が550℃超〜590℃未満であり、カチオン%表示で、
Si4+ 0〜1.5%
3+ 29〜40%、
Li+ 0〜3%、
Na+ 0%、
+ 0%、
Mg2+ 0%、
Ca2+ 0%、
Sr2+ 0%、
Ba2+ 0%、
Zn2+ 22〜30%、
La3+ 12〜18%、
Gd3+ 3〜8%、
3+ 0%、
Yb3+ 0%、
Zr4+ 0〜0.8%、
Ti4+ 5〜9%、
Nb5+ 0%、
Ta5+ 0%、
6+ 6〜18%、
Te4+ 0%、
Ge4+ 0%、
Bi3+ 0%、
Al3+ 0%、
を含み、
カチオン比(B3+/(B3++Si4+))が0.92〜1.00、
カチオン比(B3+/(La3++Gd3++Y3+))が1.5〜2.0、
カチオン比(B3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が1.40〜2.62、
カチオン比(Zn2+/(Zn2++Mg2++Ca2++Sr2++Ba2+))が1.00、
カチオン比((La3++Gd3++Y3+)/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が0.8〜1.5、
カチオン比Ti4+/W6+が0.2〜0.95、
カチオン比((Ti4++W6+(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が1.00である[1]に記載の光学ガラス。
[4]
ガラス転移温度が490℃以上、550℃以下であり、カチオン%表示で、
Si4+ 0〜2%
3+ 28〜40%、
Li+ 1〜15%、
Na+ 0%、
+ 0%、
Mg2+ 0%、
Ca2+ 0%、
Sr2+ 0%、
Ba2+ 0%、
Zn2+ 10〜27%、
La3+ 11〜15%、
Gd3+ 3〜8%、
3+ 0%、
Yb3+ 0%、
Zr4+ 0〜0.8%、
Ti4+ 3〜8%、
Nb5+ 0%、
Ta5+ 0%、
6+ 7〜22%、
Te4+ 0%、
Ge4+ 0%、
Bi3+ 0%、
Al3+ 0%、
を含み、
カチオン比(B3+/(B3++Si4+))が0.92〜1.00、
カチオン比(B3+/(La3++Gd3++Y3+))が1.5〜2.0、
カチオン比(B3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が1.00〜3.00、
カチオン比(Zn2+/(Zn2++Mg2++Ca2++Sr2++Ba2+))が1.00、
カチオン比((La3++Gd3++Y3+)/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が0.6〜1.7、
カチオン比Ti4+/W6+が0.2〜0.95、
カチオン比((Ti4++W6+(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が1.00である[1]に記載の光学ガラス。
[5]
部分分散比Pg,Fが0.57〜0.62である[1]〜[4]のいずれか1項に記載の光学ガラス。
[6]
アッベ数νdが28〜34.61である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の光学ガラス。

[1]〜[]のいずれか1項に記載の光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォーム。

[1]〜[6]のいずれか1項に記載の光学ガラスからなる光学素子。

]に記載の精密プレス成形用プリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形する光学素子の製造方法。
本発明によれば、精密プレス成形などにより、高品質の光学素子を安定生産可能にする高屈折率低分散光学ガラスを提供すること、前記光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォームおよび光学素子と、前記光学素子の製造方法を提供することができる。特に本発明の光学ガラスは、揮発しやすい成分であるB3+を少量に抑えつつも、液相温度を低く(1000℃以下)保つことが可能であるため、ガラス成形時に揮発が少なく脈理が入りにくい高屈折率ガラスを提供することができる。さらに、1300℃以下の温度でガラス原料の熔解も可能である。
以下、本発明の光学ガラスについて詳説する。以下、特記しない限り、各カチオン成分の含有量、合計含有量はカチオン%にて表示し、前記含有量の比はカチオン比にて表示するものとする。
Si4+は、ガラスの粘性を上昇させガラスの熱的安定性を向上させる働きがるい、ガラス成形性を向上させる。しかしながら、過剰に導入すると屈折率が低下するとともに精密プレス成形時の温度が上昇する。Si4+の含有量が5%を超えると、屈折率が低下し、ガラス転移温度が上昇するので、精密プレス成形時の温度が上昇する。したがって、Si4+の含有量を0〜5%の範囲とする。
3+は、ガラスの熱的安定性を向上させるとともに液相温度も低下させる働きがあるが、揮発し易い成分でもある。従って、過剰に導入すると屈折率が低下するとともに、ガラス成形時に揮発量が増加し脈理が生じやすくなる。したがって、B3+の含有量を25〜45%の範囲とする。
Li+は、ガラス転移温度を低下させる効果が大きいが、過剰に導入すると屈折率が低下するとともにガラスの熱的安定性も低下する。また、アルカリ金属成分の中で、高屈折率特性を維持する上で最も有利な成分である。しかし、Li+の含有量が20%を超えると、屈折率が低下するとともに、ガラスの熱的安定性も低下傾向を示す。したがって、Li+の含有量を0〜20%の範囲とする。
Na+およびK+は、ガラス転移温度を低下させる効果があるが、過剰導入により屈折率が低下するとともにガラス安定性が低下する。Na+、K+の各成分の含有量が5%を超えると、屈折率が低下し、ガラスの熱的安定性も低下する傾向を示す。したがって、Na+、K+の各成分の含有量をいずれも0〜5%の範囲とする。
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+は、いずれも熔融性を改善させる働きがあるが、過剰導入によりガラス安定性が低下する。したがって、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+の各成分の含有量をいずれも0〜5%の範囲とする。
Zn2+は、高屈折率を維持しつつ、ガラス転移温度を低下させる働きをするとともに、熔融性を改善する働きをする成分であるが、過剰に導入するとガラスの熱的安定性が低下する。Zn2+の含有量が5%未満であると上記効果を得ることが困難になり、40%を超えるとガラスの熱的安定性が低下する傾向を示す。したがって、Zn2+の含有量を5〜40%の範囲とする。
La3+は、低分散性を維持しつつ屈折率を高める働きをする成分であるが、過剰に導入するとガラスの安定性が低下し、ガラス転移温度が上昇する傾向を示す。La3+の含有量が5%未満になると、上記効果を得ることが難しくなり、25%を超えると、ガラスの安定性が低下し、ガラス転移温度が上昇する傾向を示す。したがって、La3+の含有量を5〜25%の範囲とする。
Gd3+は、低分散性を維持しつつ屈折率を高める働きをする成分である。過剰に導入するとガラスの安定性が低下し、ガラス転移温度が上昇する傾向を示す。Gd3+の含有量が1%未満では、上記低分散化と高屈折率化が得られず、15%を超えるとガラスの安定性が低下し、ガラス転移温度が上昇する傾向を示す。Gd3+の含有量は、1〜15%の範囲とする。
3+は、低分散性を維持しつつ屈折率を高める働きをする成分である。過剰に導入するとガラスの熱的安定性が低下し、ガラス転移温度が上昇する傾向を示す。そのため、Y3+の含有量は0〜5%の範囲とする。
Yb3+は、低分散性を維持しつつ屈折率を高める働きをする成分である。過剰に導入するとガラスの熱的安定性が低下し、ガラス転移温度が上昇する傾向を示す。そのため、Yb3+の含有量は0〜5%の範囲とする。
Zr4+は、屈折率を高める働きをする成分である。Zr4+の含有量が3%を超えると、ガラスの安定性が低下し、液相温度が上昇する傾向を示す。したがって、Zr4+の含有量を0〜3%の範囲とする。
Ti4+は、屈折率を高める成分であるが、過剰に導入するとガラス安定性が低下するとともに、ガラスが着色する。したがって、Ti4+の含有量を1〜15%の範囲とする。
Nb5+は、屈折率を高める成分であるW6+よりもさらに屈折率を高めることができる。しかしながら、過剰に導入すると熱的安定性が低下し、液相温度も上昇する。したがって、Nb5+の含有量は0〜5%とする。
Ta5+は、屈折率を高める成分であり、同じく屈折率を高める成分であるTi4+やW6+よりも低分散性を示す。しかしながら、過剰に導入すると熱的安定性が低下し、液相温度も上昇する。したがって、Ta5+の含有量は0〜5%の範囲とする。
6+は、屈折率を高め、ガラスの熱的安定性を改善し、液相温度を低下させる働きをする成分であるが、過剰に導入するとガラスの熱的安定性が低下する傾向を示すとともに、ガラスが着色する傾向を示す。したがって、W6+の含有量は、1〜30の範囲とする。
Te4+は、屈折率を高めるとともに、ガラスの熱的安定性を高める働きをする成分であるが、過剰に導入するとガラスの熱的安定性が低下する。Te4+は環境負荷への配慮の観点から、その使用量を削減することが望まれる。したがって、Te4+の含有量は、0〜5%の範囲とする。
Ge4+は、屈折率を高めるとともに、ガラスの熱的安定性を高める働きをする成分であるが、過剰に導入するとガラスの熱的安定性が低下する。Ge4+は、ガラス成分として使用される物質の中で、格段に高価な成分であり、製造コストの増大を抑える観点から、その使用量を少なくすることが望まれる。したがって、Ge4+の含有量は、0〜5%の範囲とする。
Bi3+は、屈折率を高めるとともに、ガラスの熱的安定性を高める働きをする成分であるが、過剰に導入すると、ガラスの熱的安定性が低下するとともに、ガラスが着色する傾向を示す。したがって、Bi4+の含有量は、0〜5%の範囲とする。
Al3+は、ガラスの熱的安定性、化学的耐久性を改善する働きをする成分であるが、過剰に導入すると、屈折率が低下するとともに、ガラスの熱的安定性が低下する傾向を示す。したがって、Al3+の含有量は、0〜5%の範囲とする。
3+、Si4+の合計量に対するB3+のカチオン比(B3+/(B3++Si4+))は、0.85〜1.00とする。上記比率の下限を下回ると、所要の光学特性を満たすことが困難となり、液相温度が上昇する。
La3+、Gd3+、Y3+の合計量に対するB3+のカチオン比(B3+/(La3++Gd3++Y3+))が1.0未満であるとガラスの熱的安定性が低下するとともに液相温度も上昇し、3.0を超えると所要の光学特性を維持することが困難になるため、カチオン比(B3+/(La3++Gd3++Y3+))は1.0〜3.0とする。
Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+の合計量に対するB3+のカチオン比カチオン比(B3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))は、0.5〜4.0とする。上記比率の下限を下回ると、ガラスの熱的安定性が低下するとともに液相温度も上昇する。上記比率の上限を上回ると、所要の光学特性を満たすことが困難になるとともに、B3+が過剰となるためガラス成形時に揮発量が増加し脈理が入りやすくなる。
2価金属成分であるZn2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の中でも、Zn2+は、高屈折率特性を維持しつつ、ガラス転移温度を低下させる働きに優れた成分であることから、Zn2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の合計含有量に対するZn2+の含有量のカチオン比(Zn2+/(Zn2++Mg2++Ca2++Sr2++Ba2+))を0.8〜1.0の範囲とする。
Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+の合計量に対するLa3+、Gd3+、Y3+の合計量のカチオン比((La3++Gd3++Y3+)/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))は0.3〜2.5とする。上記比率の下限を下回ると、所要の光学特性、即ち、低分散性を満たすことが困難になる。上記比率の上限を上回ると、ガラスの熱的安定性が低下するとともに、液相温度が上昇する。
カチオン比Ti4+/W6+は0.1〜1.5とする。この範囲の下限を下回ると、所要の光学特性を満たすことが困難となる。上記範囲の上限を上回ると、熱的安定性が低下するとともに液相温度が上昇する。
Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+の合計量に対するTi4+、W6+の合計量のカチオン比((Ti4++W6+)/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))は0.8〜1.0とする。上記比率の下限を下回ると、ガラスの熱的安定性が悪化するとともに、液相温度が上昇する。
[屈折率・分散]
本発明の光学ガラスの屈折率ndは1.86以上、アッベ数νdは28〜36である。屈折率ndが1.86以上であることにより、本発明の光学ガラスを用いて撮像光学系やプロジェクターなどの投射光学系などの光学系をコンパクト化することができる。また、光学系のズーム比を大きくすることもできる。さらに、屈折率が高いため、所要の集光力を得るためのレンズの光学機能面の曲率の絶対値を小さくすることができる。光学機能面の曲率の絶対値を小さくすることができることにより、精密プレス成形に用いるプレス成形型の成形面の加工が容易になる。精密プレス成形時にガラスとプレス成形型の間に雰囲気ガスが閉じ込められ(一般にガストラップという。)、型への転写精度が低下するトラブルを低減することもできる。光学機能面を研削、研磨する場合も、加工が容易になる。また、光学機能面の曲率の絶対値を小さくできることにより、レンズの有効径を大きくすることもできる。
また、本発明の光学ガラスは、高屈折率ガラスでありながら、アッベ数νdが28以上であるため、高屈折率高分散ガラス製レンズとの組合せにより、良好な色収差補正が可能になるレンズ材料として有効である。
また、アッベ数νdを28以上とすることにより、Ti4+、Nb5+、W6+といった高屈折得率高分散付与成分の含有量を制限することができるので、間接的に、ガラスの精密プレス成形性を向上させることもできる。
一方、屈折率ndを1.86以上に保ちつつ、アッベ数νdが36を超えると、ガラスの熱的安定性が低下したり、ガラス転移温度が上昇する。ガラス転移温度が上昇すると、精密プレス成形時の温度を高く設定しなければならず、ガラスとプレス成形型の間の酸化還元反応が助長され、プレス成形型へのガラスの融着、ガラス表面のクモリなどの発生といったトラブルが起こりやすくなり、精密プレス成形性が低下する。
以上の理由から、本発明の光学ガラスの屈折率ndを1.86以上、アッベ数νdを28〜36とする。
[液相温度]
本発明の光学ガラスは、熱的安定性に優れ、液相温度は1000℃以下である。そのため、ガラス原料の熔解を1300℃以下、好ましくは1200℃以下で行うことができ、熔解を行うルツボのガラスによる侵蝕を抑えることができる。その結果、ルツボを構成する白金などの物質が、侵蝕によってガラス中に混入し異物となったり、イオンとして溶け込んでガラスの着色を引き起こすなどの問題を回避することができる。
さらに液相温度が1000℃以下であることにより、熔融ガラスの温度を低くして揮発性を抑え、揮発による脈理発生、光学特性の変動を低減、抑制することもできる。熔融ガラスの温度を低下できることは、流出、成形時のガラスの粘性が成形に適した範囲にできるというメリットもある。本発明において、液相温度は、995℃以下が好ましく、990℃以下がより好ましく、985℃以下が一層好ましく、980℃以下がより一層好ましく、975℃以下がさらに好ましい。
液相温度が上記のように低いことは、熔融ガラスを流出するとともに、流出するガラスから、所要量の熔融ガラス塊を分離し、ガラス塊が固化する過程で精密プレス成形用プリフォームに成形する方法を行う上で、非常に有利である。なお、上記プリフォームの成形法については、後述する。
[ガラス転移温度]
高屈折率低分散化に伴うガラス転移温度の上昇を抑えることは、プレス成形温度の上昇を抑え、プレス成形型とガラスの間の化学反応を助長させない上から、非常に重要である。本発明の光学ガラスにおける好ましい態様は、ガラス転移温度が590℃未満であることが好ましく、580℃以下がより好ましい。ガラス転移温度が590℃未満の温度にすると、精密プレス成形に好ましい。
ガラス転移温度が550℃超〜590℃未満の範囲である場合には、以下の組成範囲であることが好ましい。
Si4+は、上述のように、ガラスの粘性を上昇させガラスの熱的安定性を向上させる働きをするが、過剰に導入すると屈折率が低下するとともに精密プレス成形時の温度が上昇する。Si4+の含有量は、0〜2.5%が好ましく、0〜2.0%がより好ましく、0〜1.5%が一層好ましい。
3+は、上述のように、ガラスの熱的安定性を向上させるとともに液相温度も低下させる働きがあるが、揮発し易い成分でもある。従って、過剰に導入すると屈折率が低下するとともに、ガラス成形時に揮発量が増加し脈理が生じやすくなる。B3+の含有量の上限は、45%以下が好ましく、43%以下がより好ましく、41%以下が一層好ましく、40%以下がより一層好ましい。B3+の含有量の下限は、26%以上が好ましく、27%以上がより好ましく、28%以上が一層好ましく、29%以上がより一層好ましい。
Li+は、ガラス転移温度を低下させる効果が大きいが、過剰に導入すると屈折率が低下する。Li+の含有量は、0〜10%が好ましく、0〜6%がより好ましく、0〜3%が一層好ましい。
Na+やK+は、上述のように、ガラス転移温度を低下させる効果があるが、過剰導入により屈折率が低下するとともにガラス安定性が低下する。Na+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。K+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+は、上述のように、熔融性を改善させる働きがあるが、過剰導入によりガラス安定性が低下する。Mg2+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。Ca2+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。Sr2+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。Ba2+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Zn2+は、上述のように、高屈折率を維持しつつ、ガラス転移温度を低下させる働きをするとともに、熔融性を改善する働きをする成分であるが、過剰に導入するとガラスの熱的安定性が低下する。Zn2+の含有量の上限は、36%以下が好ましく、34%以下がより好ましく、32%以下が一層好ましく、30%以下がより一層好ましい。Zn2+の含有量の下限は、14%以上が好ましく、18%以上がより好ましく、21%以上が一層好ましく、22%以上がより一層好ましい。
La3+は、上述のように、低分散性を維持しつつ屈折率を高める働きをする成分である。過剰に導入するとガラスの安定性が低下し、ガラス転移温度が上昇する傾向を示す。La3+の含有量の上限は、25%以下が好ましく、22%以下がより好ましく、20%以下が一層好ましく、18%以下がより一層好ましい。La3+の含有量の下限は、6%以上が好ましく、8%以上がより好ましく、10%以上が一層好ましく、12%以上がより一層好ましい。
Gd3+は、上述のように、低分散性を維持しつつ屈折率を高める働きをする成分である。過剰に導入するとガラスの熱的安定性が低下し、ガラス転移温度が上昇する傾向を示す。Gd3+の含有量の上限は、13%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、9%以下が一層好ましく、8%以下がより一層好ましい。Gd3+の含有量の下限は、2%以上が好ましく、3%以上がより好ましい。
3+は、上述のように、低分散性を維持しつつ屈折率を高める働きをする成分である。過剰に導入するとガラスの熱的安定性が低下し、ガラス転移温度が上昇する傾向を示す。Y3+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Yb3+は、上述のように、低分散性を維持しつつ屈折率を高める働きをする成分である。過剰に導入するとガラスの熱的安定性が低下し、ガラス転移温度が上昇する傾向を示す。Yb3+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Zr4+は、上述のように、屈折率を高める働きをする成分である。過剰に導入するとガラスの熱的安定性が低下し、液相温度が上昇する傾向を示す。Zr4+の含有量は、0〜1.5%が好ましく、0〜1.0%がより好ましく、0〜0.8%が一層好ましい。
Ti4+は、上述のように、屈折率を高める成分であるが、過剰に導入するとガラス安定性が低下するとともに、ガラスが着色する。Ti4+の含有量の上限は、13%以下が好ましく、11%以下がより好ましく、9%以下が一層好ましい。Ti4+の含有量の下限は、2%以上が好ましく、3%以上がより好ましく、5%以上が一層好ましい。
Nb5+は、上述のように、屈折率を高める成分であるが、過剰に導入すると熱的安定性が低下し、液相温度も上昇する。Nb5+の含有量は0〜4%が好ましく、0〜3がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Ta5+は、上述のように、屈折率を高める成分であるが、過剰に導入すると熱的安定性が低下し、液相温度も上昇する。Ta5+の含有量は0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
6+は、上述のように、屈折率を高め、ガラスの熱的安定性を改善し、液相温度を低下させる働きをする成分であるが、過剰に導入するとガラスの熱的安定性が低下する傾向を示すとともに、ガラスが着色する傾向を示す。W6+の含有量の上限は、25%以下が好ましく、22%以下がより好ましく、18%以下が一層好ましい。W6+の含有量の下限は、3%以上が好ましく、4%以上がより好ましく、6%以上が一層好ましい。
Te4+は、上述のように、屈折率を高めるとともに、ガラスの熱的安定性を高める働きをする成分であるが、過剰に導入するとガラスの熱的安定性が低下する。Te4+は環境負荷への配慮の観点から、その使用量を削減することが望まれる。Te4+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Ge4+は、上述のように、屈折率を高めるとともに、ガラスの熱的安定性を高める働きをする成分であるが、過剰に導入するとガラスの熱的安定性が低下する。Ge4+は、ガラス成分として使用される物質の中で、格段に高価な成分であり、製造コストの増大を抑える観点から、その使用量を少なくすることが望まれる。Ge4+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Bi3+は、上述のように、屈折率を高めるとともに、ガラスの熱的安定性を高める働きをする成分であるが、過剰に導入すると、ガラスの熱的安定性が低下するとともに、ガラスが着色する傾向を示す。Bi3+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Al3+は、上述のように、ガラスの熱的安定性、化学的耐久性を改善する働きをする成分であるが、過剰に導入すると、屈折率が低下するとともに、ガラスの熱的安定性が低下する傾向を示す。Al3+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
高屈折率化や液相温度を低く保つために、Si4+とB3+の合計量に対するB3+量のカチオン比(B3+/(Si4+とB3+の))は、0.90〜1.00が好ましく、0.92〜1.00がより好ましい。
La3+、Gd3+、Y3+の合計量に対するB3+量のカチオン比(B3+/(La3++Gd3++Y3+))は、その下限を下回ると、ガラスの熱的安定性が低下するとともに液相温度も上昇する。上記比率の上限を上回ると、所要の光学特性を満たすことが困難になる(とともにB3+が過剰となるためガラス成形時に揮発量が増加し脈理が入りやすくなる)。カチオン比(B3+/(La3++Gd3++Y3+))の上限は、2.70以下が好ましく、2.30以下がより好ましく、2.10以下が一層好ましく、2.00以下がより一層好ましい。下限は、1.20以上が好ましく、1.30以上がより好ましく、1.40以上が一層好ましく、1.50以上がより一層好ましい。
Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+の合計量に対するB3+量のカチオン比(B3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))は、その下限を下回ると、ガラスの熱的安定性が低下するとともに液相温度も上昇する。上記比率の上限を上回ると、所要の光学特性を満たすことが困難になる(とともにB3+が過剰となるためガラス成形時に揮発量が増加し脈理が入りやすくなる)。カチオン比(B3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))の上限は、2.90以下が好ましく、2.80以下がより好ましく、2.70以下が一層好ましく、2.62以下がより一層好ましい。下限は、1.20以上が好ましく、1.30以上がより好ましく、1.40以上が一層好ましい。
Zn2+は、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+と比較して、高屈折率を維持しつつ、ガラス転移温度を低くすることができる。したがって、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+の合計量に対するZn2+量のカチオン比(Zn2+/(Mg2++Ca2++Sr2++Ba2++Zn2+))は、0.85〜1.00が好ましく、0.90〜1.00がより好ましく、0.95〜1.00が一層好ましく、1.00がより一層好ましい。
Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+の合計量に対するLa3+、Gd3+、Y3+の合計量のカチオン比((La3++Gd3++Y3+)/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))は、その下限を下回ると、所要の光学特性、即ち、低分散性を示すことが困難となる)。上記比率の上限を上回ると、ガラスの熱的安定性が低下するとともに、液相温度が上昇する。カチオン比((La3++Gd3++Y3+)/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))の上限は、2.0以下が好ましく、1.8以下がより好ましく、1.7以下が一層好ましく、1.6以下がより一層好ましく、1.5以下がさらに好ましい。下限は、0.5以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、0.7以上が一層好ましく、0.8以上がより一層好ましい。
カチオン比Ti4+/W6+は、その下限を下回ると所要の光学特性を満たすことが困難となるという理由で、下限は、0.10以上が好ましい。一方、上限を上回ると液相温度が上昇するという理由で、上限は1.30以下が好ましく、1.20以下がより好ましく、1.10以下が一層好ましく、1.00以下がより一層好ましく、0.95以下がさらに好ましい。
Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+の合計量に対するTi4+、W6+の合計量のカチオン比(Ti4++W6+)/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+)は、その下限を下回ると、液相温度が上昇し、熱的安定性も悪化する。したがって、カチオン比(Ti4++W6+)/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+)は、0.85〜1.00が好ましく、0.90〜1.00がより好ましく、0.95〜1.00が一層好ましく、1.00がより一層好ましい。
ガラス転移温度Tgが550℃超〜590℃未満の範囲である場合には、以下の組成範囲であることが最も好ましい。
カチオン%表示で、
Si4+ 0〜1.5%
3+ 29〜40%、
Li+ 0〜3%、
Na+ 0%、
+ 0%、
Mg2+ 0%、
Ca2+ 0%、
Sr2+ 0%、
Ba2+ 0%、
Zn2+ 22〜30%、
La3+ 12〜18%、
Gd3+ 3〜8%、
3+ 0%、
Yb3+ 0%、
Zr4+ 0〜0.8%、
Ti4+ 5〜9%、
Nb5+ 0%、
Ta5+ 0%、
6+ 6〜18%、
Te4+ 0%、
Ge4+ 0%、
Bi3+ 0%、
Al3+ 0%、
を含み、
カチオン比(B3+/(B3++Si4+))が0.92〜1.00、
カチオン比(B3+/(La3++Gd3++Y3+))が1.5〜2.0、
カチオン比(B3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が1.40〜2.62、
カチオン比(Zn2+/(Zn2++Mg2++Ca2++Sr2++Ba2+))が1.00、
カチオン比((La3++Gd3++Y3+)/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が0.8〜1.5、
カチオン比Ti4+/W6+が0.2〜0.95、
カチオン比((Ti4++W6+)(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が1.00である。
ガラス転移温度が550℃超〜590℃未満の範囲である場合の光学特性の好ましい範囲は以下のとおりである。
ndの上限は、nd≦−0.01νd+2.248(1式)が好ましく、nd≦−0.01νd+2.242(2式)がより好ましく、nd≦−0.01νd+2.236(3式)が一層好ましく、nd≦−0.01νd+2.230(4式)がより一層好ましい。
ndの下限は、
好ましくは、νd≧29.2の範囲ではnd≧1.896、νd≦29.2の範囲ではnd≧−0.01νd+2.188であり、
より好ましくは、νd≧29.2の範囲ではnd≧1.900、νd≦29.2の範囲ではnd≧−0.01νd+2.192であり、
一層好ましくは、νd≧29.6の範囲ではnd≧1.900、νd≦29.6 の範囲ではnd≧−0.01νd+2.196であり、
より一層好ましくは、νd≧30の範囲ではnd≧1.900、νd≦30 の範囲ではnd≧−0.01νd+2.200である。
νdの上限は、νd≦34.2(11式)が好ましく、νd≦33.6(12式)が好ましく、νd≦33.0(13式)が一層好ましく、νd≦32.4(14式)がより一層好ましい。
νdの下限は、νd≧28.2(15式)が好ましく、νd≧28.4(16式)がより好ましく、νd≧28.6(17式)が一層好ましく、νd≧28.8(18式)がより一層好ましい。
ガラス転移温度が550℃以下の範囲である場合には、以下の組成範囲であることが好ましい。Tgを下げすぎると、ガラスの熱的安定性が低下するため、Tgの下限は480℃以上が好ましく、490℃以上がより好ましい。尚、各数値範囲が好ましい理由は、特に記載がない限り、上記ガラス転移温度が550℃超〜590℃未満の範囲である場合と同様である。
Si4+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、0〜2%が一層好ましい。
3+の含有量の上限は、45%以下が好ましく、44%以下がより好ましく、42%以下が一層好ましく、40%以下がより一層好ましい。B3+の含有量の下限は、22%以上が好ましく、24%以上がより好ましく、26%以上が一層好ましく、28%以上がより一層好ましい。
Li+の含有量は1〜17%が好ましく、1〜16%がより好ましく、1〜15%が一層好ましい。Li+は、ガラス転移温度を低下させる効果が大きいため、上記下限を下回ると所要のガラス転移温度を維持することができなくなる。ガラス転移温度の低下を図るために、Li+を多く導入すると屈折率が低下するため、Li+を多量に含有させる場合は、屈折率を高める成分であるTi4+やW6+を増量させる必要がある。さらに、液相温度を1000℃以下に保つためには、Ti4+よりもW6+を増量させる方が効果的である。しかしながら、上記上限を超えるとガラスの熱的安定性が低下する。
Na+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Mg2+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Ca2+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Sr2+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Ba2+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Zn2+の含有量の上限は、41%以下が好ましく、33%以下がより好ましく、30%以下が一層好ましく、27%以下がより一層好ましい。Zn2+の含有量の下限は、7%以上が好ましく、8%以上がより好ましく、9%以上が一層好ましく、10%以上がより一層好ましい。
La3+の含有量の上限は、21%以下が好ましく、19%以下がより好ましく、17%以下が一層好ましく、15%以下がより一層好ましい。La3+の含有量の下限は、8%以上が好ましく、9%以上がより好ましく、10%以上が一層好ましく、11%以上がより一層好ましい。
Gd3+の含有量の上限は、13%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、9%以下が一層好ましく、8%以下がより一層このましい。Gd3+の含有量の下限は、2%以上が好ましく、3%以上がより好ましい。
3+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Yb3+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Zr4+の含有量は、0〜1.5%が好ましく、0〜1.0%がより好ましく、0〜0.8%が一層好ましい。
Ti4+の含有量の上限は、12%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、9%以下が一層好ましく、8%以下がより一層好ましい。Ti4+の含有量の下限は、1%以上が好ましく、2%以上がより好ましく、3%以上が一層好ましい。
Nb5+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Ta5+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
6+の含有量の上限は、25%以下が好ましく、24%以下がより好ましく、23%以下が一層好ましく、22%以下がより一層好ましい。W6+の含有量の下限は、5%以上が好ましく、6%以上がより好ましく、6.5%以上が一層好ましく、7%以上がより一層好ましい。
Te4+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Ge4+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Te4+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Bi3+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Al3+の含有量は、0〜4%が好ましく、0〜3%がより好ましく、導入しないことが一層好ましい。
Si4+とB3+の合計量に対するB3+量のカチオン比(B3+/(Si4+とB3+の))は、0.90〜1.00が好ましく、0.92〜1.00がより好ましい。
La3+、Gd3+、Y3+の合計量に対するB3+量のカチオン比(B3+/(La3++Gd3++Y3+))の上限は、2.60以下が好ましく、2.40以下がより好ましく、2.20以下が一層好ましく、2.00以下がより一層好ましい。下限は、1.20以上が好ましく、1.30以上がより好ましく、1.40以上が一層好ましく、1.50以上がより一層好ましい。
Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+の合計量に対するB3+量のカチオン比(B3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))の上限は、3.90以下が好ましく、3.60以下がより好ましく、3.30以下が一層好ましく、3.00以下がより一層好ましい。下限は、0.80以上が好ましく、0.90以上がより好ましく、1.00以上がより好ましい。
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+の合計量に対するZn2+量のカチオン比(Zn2+/(Mg2++Ca2++Sr2++Ba2++Zn2+))は、0.85〜1.00が好ましく、0.90〜1.00がより好ましく、0.95〜1.00が一層好ましく、1.00がより一層好ましい。
Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+の合計量に対するLa3+、Gd3+、Y3+の合計量のカチオン比((La3++Gd3++Y3+)/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))の上限は、2.1以下が好ましく、2.0以下がより好ましく、1.9以下が一層好ましく、1.8以下がより一層好ましく、1.7以下がさらに好ましい。下限は、0.4以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.6以上が一層好ましく、上記比率の下限を下回ると、所要の光学特性、即ち、低分散性を示すことが困難となる。上記比率の上限を上回ると、ガラスの熱的安定性が低下するとともに、液相温度が上昇する。
カチオン比Ti4+/W6+は、その下限を下回ると所要の光学特性を満たすことが困難となるため、下限は、0.10以上が好ましく、0.20以上がより好ましい。上記比率は、上限を上回ると液相温度が上昇するため、上限は1.30以下が好ましく、1.20以下がより好ましく、1.10以下が一層好ましく、1.00以下がより一層好ましく、0.95以下がさらに好ましい。
Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+の合計量に対するTi4+、W6+の合計量のカチオン比(Ti4++W6+)/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+)は、0.85〜1.00が好ましく、0.90〜1.00がより好ましく、0.95〜1.00が一層好ましく、1.00がより一層好ましい。
ガラス転移温度が490℃以上、550℃以下の範囲である場合には、以下の組成範囲であることが最も好ましい。
カチオン%表示で、
Si4+ 0〜2%
3+ 28〜40%、
Li+ 1〜15%、
Na+ 0%、
+ 0%、
Mg2+ 0%、
Ca2+ 0%、
Sr2+ 0%、
Ba2+ 0%、
Zn2+ 10〜27%、
La3+ 11〜15%、
Gd3+ 3〜8%、
3+ 0%、
Yb3+ 0%、
Zr4+ 0〜0.8%、
Ti4+ 3〜8%、
Nb5+ 0%、
Ta5+ 0%、
6+ 7〜22%、
Te4+ 0%、
Ge4+ 0%、
Bi3+ 0%、
Al3+ 0%、
を含み、
カチオン比(B3+/(B3++Si4+))が0.92〜1.00、
カチオン比(B3+/(La3++Gd3++Y3+))が1.5〜2.0、
カチオン比(B3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が1.00〜3.00、
カチオン比(Zn2+/(Zn2++Mg2++Ca2++Sr2++Ba2+))が1.00、
カチオン比((La3++Gd3++Y3+)/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が0.6〜1.7、
カチオン比Ti4+/W6+が0.2〜0.95、
カチオン比((Ti4++W6+)(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が1.00である。
ガラス転移温度が550℃以下の範囲である場合の光学特性の好ましい範囲は以下のとおりである。
ndの上限は、nd≦−0.01νd+2.248(2−1式)が好ましく、nd≦−0.01νd+2.242(2−2式)がより好ましく、nd≦−0.01νd+2.236(2−3式)が一層好ましく、nd≦−0.01νd+2.230(2−4式)がより一層好ましい。
ndの下限は、
好ましくは、nd≧−0.01νd+2.192(2−5式)であり、
より好ましくは、nd≧−0.01νd+2.198(2−6式)であり、
一層好ましくは、νd≧31.8の範囲ではnd≧1.880(2−7式)、νd≦31.8の範囲ではnd≧−0.01νd+2.198(2−6式)であり、
より一層好ましくは、νd≧30.8の範囲ではnd≧1.890(2−8式)、νd≦30.8の範囲ではnd≧−0.01νd+2.198(2−6式)である。
νdの上限は、νd≦35.0(2−9式)が好ましく、νd≦34.0(2−10式)が好ましく、νd≦33.2(2−11式)が一層好ましく、νd≦32.4(2−12式)がより一層好ましい。
νdの下限は、νd≧28.2(2−13式)が好ましく、νd≧28.4(2−14式)がより好ましく、νd≧28.6(2−15式)が一層好ましく、νd≧28.8(2−16式)がより一層好ましい。
本発明の光学ガラスは、主要アニオン成分はO2-であって、基本的に酸化物ガラスである。O2-以外のアニオン成分としては、F-、Cl-などのハロゲン成分を少量導入することもできる。ただし、熔融ガラスの揮発性を抑え、成形をより容易にする点を重視する場合は、揮発性のあるF-成分の導入量を抑えること、すなわち、F-成分の導入しないことが望ましい。なお、ガラス成分ではなく、清澄剤として極少量のハロゲン、例えば、F、Clを添加してガラスを熔融することもできる。
清澄剤として、Sb23、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩などを少量添加してもよい。ただし、Sb23を添加する場合は、Sbの酸化力が強いことから、プレス成形型の成形面との酸化還元反応を助長させないために、Sb23の外割り添加量を0〜1質量%の範囲とすることが好ましく、0〜0.5質量%の範囲とすることがより好ましい。
なお、Fe、Cr、Co、Cuはガラスが着色するため、添加しないことが望ましい。
また、Pb、Cd、Tl、Asなど環境への悪影響が懸念される成分も導入しないことが望ましい。
Lu、Gaは本発明の目的を損なわない範囲で少量、導入することができるが、これらの成分は、非常に高価であり、使用しなくても本発明の目的を達成することができるので、コスト上昇を抑える上から、Lu、Gaをガラス中に導入しないことが望ましい。
上記組成範囲において、所要の光学特性を維持しつつ、ガラスの熱的安定性をより良好なものとし、ガラス転移温度を低下し、精密プレス成形性をより良好なものとする上から、Si4+、B3+、Li+、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+、La3+、Gd3+、Y3+、Yb3+、Zr4+、Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+、Te4+、Ge4+、Bi3+、およびAl3+の合計含有量を95%以上にすることが好ましく、98%以上にすることがより好ましく、99%以上にすることがさらに好ましく、99.5%以上にすることが一層好ましく、100%にすることがより一層好ましい。
さらに、Si4+、B3+、Li+、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+、La3+、Gd3+、Y3+、Yb3+、Zr4+、Ti4+、Nb5+、Ta5+、およびW6+、の合計含有量を95%以上にすることが好ましく、98%以上にすることがより好ましく、99%以上にすることがさらに好ましく、99.5%以上にすることが一層好ましく、100%にすることがより一層好ましい。
より好ましくは、Si4+、B3+、Li+、Zn2+、La3+、Gd3+、Zr4+、Ti4+、およびW6+の合計含有量を95%以上にすることが好ましく、98%以上にすることがより好ましく、99%以上にすることがさらに好ましく、99.5%以上にすることが一層好ましく、100%にすることがより一層好ましい。
[部分分散特性]
撮像光学系、投射光学系などで、高次の色収差補正を行うには、低分散ガラス製レンズと高分散ガラス製レンズの組合せが有効である。低分散ガラスとしては、部分分散比が小さいもののほうが、高次の色収差補正にはより効果的である。本発明の光学ガラスは、高屈折率低分散ガラスとしては部分分散比が小さく、Pg,Fの値は0.57〜0.62である。Pg,Fは、g線、F線、c線における各屈折率ng、nF、ncを用いて、
Pg,F=(ng−nF)/(nF−nc)
と表される。
部分分散比Pg,F−アッベ数νd図において、正常部分分散ガラスの基準となるノーマルライン上の部分分散比をPg,F(0)と表すと、Pg,Fはアッベ数νdを用いて、
Pg,F(0)=0.6483−(0.0018×nd)
ΔPg,Fは、上記ノーマルラインからの部分分散比Pg,Fの差であり、次式で表される。
ΔPg,F=Pg,F−Pg,F(0)
=Pg,F+(0.0018×νd)−0.6483
本発明の光学ガラスにおける好ましい態様は、偏差ΔPg,Fが0.02以下であり、高次の色収差補正用の光学素子材料として好適である。本発明におけるΔPg,Fの好ましい範囲は0.01以下、より好ましい範囲は0.008以下、さらに好ましい範囲は0.006以下、一層好ましい範囲は0.005以下である。
[着色]
本発明の光学ガラスは、着色が極めて少なく、可視域の広い範囲にわたり、高い光透過性を示す。光学ガラスの着色の度合いは、着色度λ70、λ5などによって表される。着色度は、平行な一対の光学研磨された平面を備え、平面間の距離(厚み)が10mm±0.1mmのガラスに、上記平面に対して垂直方向から測定光を入射し、ガラスを透過した光の強度Ioutを入射光強度Iinで割った外部透過率(ガラス表面における反射損失も含まれる。)が、280nm〜700nmの波長域で70%となる波長をλ70、前記波長域で外部透過率が5%となる波長をλ5とする。
本発明において、λ70の好ましい範囲は470nm以下、より好ましい範囲は450nm、さらに好ましい範囲は430nm以下、一層好ましい範囲は410nm以下である。また、λ5の好ましい範囲は370nm以下、より好ましい範囲は365nm、さらに好ましい範囲は360nm以下、一層好ましい範囲は355nm以下、より一層好ましい範囲は350nm以下である。
[光学ガラスの製造]
本発明の光学ガラスは、目的のガラス組成が得られるように、原料である酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物などを秤量、調合し、十分に混合して混合バッチとし、熔融容器内で加熱、熔融し、脱泡、攪拌を行い均質かつ泡を含まない熔融ガラスを作り、これを成形することによって得ることができる。具体的には公知の熔融法を用いて作ることができる。
[精密プレス成形用プリフォーム]
次に本発明の精密プレス成形用プリフォームについて説明する。
本発明の精密プレス成形用プリフォームは、上記した本発明の光学ガラスからなることを特徴とするものである。
上記精密プレス成形用プリフォーム(以下、プリフォームという)は、精密プレス成形に供されるガラス塊を意味し、精密プレス成形品の質量に相当するガラス成形体である。
以下、プリフォームについて詳説する。
プリフォームは、加熱して精密プレス成形に供されるガラス予備成形体を意味するが、ここで精密プレス成形とは、周知のようにモールドオプティクス成形とも呼ばれ、光学素子の光学機能面をプレス成形型の成形面を転写することにより形成する方法である。なお、光学機能面とは光学素子において、制御対象の光を屈折したり、反射したり、回折したり、入出射させる面を意味し、レンズにおけるレンズ面などがこの光学機能面に相当する。
精密プレス成形時にガラスとプレス成形型成形面との反応、融着を防止しつつ、成形面に沿ってガラスの延びが良好になるようにするため、プリフォームの表面に離型膜を被覆することが好ましい。離型膜の種類としては、
貴金属(白金、白金合金)
酸化物(Si、Al、Zr、La、Yの酸化物など)
窒化物(B、Si、Alの酸化物など)
炭素含有膜
があげられる。
炭素含有膜としては、炭素を主成分とするもの(膜中の元素含有量を原子%で表したとき、炭素の含有量が他の元素の含有量よりも多いもの)が望ましい。具体的には、炭素膜や炭化水素膜などを例示することができる。炭素含有膜の成膜法としては、炭素原料を使用した真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の公知の方法や、炭化水素などの材料ガスを使用した熱分解などの公知の方法を用いればよい。その他の膜については、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、ゾルゲル法等を用いて成膜することが可能である。
プリフォームは、ガラス原料を加熱、熔融して熔融ガラスを作製し、前記熔融ガラスを成形する工程を経て作製される。
プリフォームの第1の作製例は、熔融ガラスから所定重量の熔融ガラス塊を分離、冷却して、当該熔融ガラス塊と等しい質量を有するプリフォームを成形する方法である。例えば、ガラス原料を熔融、清澄、均質化して均質な熔融ガラスを用意し、温度調整された白金または白金合金製の流出ノズルあるいは流出パイプから流出する。小型のプリフォームや球状のプリフォームを成形する場合は、熔融ガラスを流出ノズルから所望質量の熔融ガラス滴として滴下し、それをプリフォーム成形型によって受けてプリフォームに成形する。あるいは、同じく所望質量の熔融ガラス滴を流出ノズルより液体窒素などに滴下してプリフォームを成形する。中大型のプリフォームを作製する場合は、流出パイプより熔融ガラス流を流下させ、熔融ガラス流の先端部をプリフォーム成形型で受け、熔融ガラス流のノズルとプリフォーム成形型の間にくびれ部を形成した後、プリフォーム成形型を真下に急降下して、熔融ガラスの表面張力によってくびれ部にて熔融ガラス流を分離し、受け部材に所望質量の熔融ガラス塊を受けてプリフォームに成形する。あるいは、ガラス塊を、軟化状態にある間にプリフォーム成形型上でプレスし、精密プレス成形によって得ようとする光学素子の形状に近似する形状を有し、表面が滑らかなプリフォームに成形することもできる。
キズ、汚れ、シワ、表面の変質などがない滑らかな表面、例えば自由表面を有するプリフォームを製造するためには、プリフォーム成形型などの上で熔融ガラス塊に風圧を加えて浮上させながらプリフォームに成形したり、液体窒素などの常温、常圧下では気体の物質を冷却して液体にした媒体中に熔融ガラス滴を入れてプリフォームに成形する方法などが用いられる。
熔融ガラス塊を浮上させながらプリフォームに成形する場合、熔融ガラス塊にはガス(浮上ガスという)が吹きつけられ上向きの風圧が加えられることになる。この際、熔融ガラス塊の粘度が低すぎると浮上ガスがガラス中に入り込み、プリフォーム中に泡となって残ってしまう。しかし、熔融ガラス塊の粘度を3〜60dPa・sにすることにより、浮上ガスがガラス中に入り込むことなく、ガラス塊を浮上させることができる。
プリフォームに浮上ガスが吹き付けられる際に用いられるガスとしては、空気、N2ガス、O2ガス、Arガス、Heガス、水蒸気等が挙げられる。また、風圧は、プリフォームが成形型表面等の固体と接することなく浮上できれば特に制限はない。
プリフォームより製造される精密プレス成形品(例えば、光学素子)は、レンズのように回転対称軸を有するものが多いため、プリフォームの形状も回転対称軸を有する形状が望ましい。
プリフォームの第2の作製例は均質な熔融ガラスを鋳型に鋳込んで成形した後、成形体の歪をアニールによって除去し、切断または割断して、所定の寸法、形状に分割し、複数個のガラス片を作製し、ガラス片を研磨して表面を滑らかにするとともに、所定の質量のガラスからなるプリフォームとする。このようにして作製したプリフォームの表面にも炭素含有膜を被覆して使用することが好ましい。
[光学素子]
次に本発明の光学素子について説明する。本発明の光学素子は、上記した本発明の光学ガラスからなることを特徴とする。具体的には、非球面レンズ、球面レンズ、あるいは平凹レンズ、平凸レンズ、両凹レンズ、両凸レンズ、凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズなどのレンズ、マイクロレンズ、レンズアレイ、回折格子付きレンズ、プリズム、レンズ機能付きプリズムなどを例示することができる。表面には必要に応じて反射防止膜や波長選択性のある部分反射膜などを設けてもよい。
本発明の光学素子は、高屈折率低分散性を有するガラスにあってΔPg,Fが小さいガラスからなるので、他のガラスからなる光学素子と組合せることにより、高次の色収差補正を行うことができる。また、本発明の光学素子は屈折率が高いガラスからなるので、撮像光学系、投射光学系などに使用することで光学系をコンパクト化することができる。
[光学素子の製造方法]
次に本発明の光学素子の製造方法について説明する。
本発明の光学素子の製造方法は、上記した本発明の精密プレス成形用プリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形する工程を備えることを特徴とする。
プレス成形型ならびにプリフォームの加熱およびプレス工程は、プレス成形型の成形面あるいは前記成形面に設けられた離型膜の酸化を防止するため、窒素ガス、あるいは窒素ガスと水素ガスの混合ガスなどのような非酸化性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。非酸化性ガス雰囲気中ではプリフォーム表面を被覆する炭素含有膜も酸化されずに、精密プレス成形された成形品の表面に前記膜が残存することになる。この膜は、最終的には除去するべきものであるが、炭素含有膜を比較的容易にしかも完全に除去するには、精密プレス成形品を酸化性雰囲気、例えば大気中において加熱すればよい。炭素含有膜の酸化、除去は、精密プレス成形品が加熱により変形しないような温度で行うべきである。具体的には、ガラスの転移温度未満の温度範囲において行うことが好ましい。
精密プレス成形では、予め成形面を所望の形状に高精度に加工されたプレス成形型を用いるが、成形面には、プレス成形時、ガラスに対する滑り性を改善するための膜を形成してもよい。このような膜としては、炭素含有膜や窒化物膜、貴金属膜が挙げられ、炭素含有膜としては水素化カーボン膜、炭素膜などが好ましい。精密プレス成形では、成形面が精密に形状加工された対向した一対の上型と下型との間にプリフォームを供給した後、ガラスの粘度が105〜109dPa・s相当の温度まで成形型とプリフォームの両者を加熱してプリフォームを軟化し、これを加圧成形することによって、成形型の成形面をガラスに精密に転写する。
また、成形面が精密に形状加工された対向した一対の上型と下型との間に、予めガラスの粘度で104〜108dPa・sに相当する温度に昇温したプリフォームを供給し、これを加圧成形することによって、成形型の成形面をガラスに精密に転写することができる。
加圧時の圧力及び時間は、ガラスの粘度などを考慮して適宜決定することができ、例えば、プレス圧力は約5〜15MPa、プレス時間は10〜300秒とすることができる。プレス時間、プレス圧力などのプレス条件は成形品の形状、寸法に合わせて周知の範囲で適宜設定すればよい。
この後、成形型と精密プレス成形品を冷却し、好ましくは歪点以下の温度となったところで、離型し、精密プレス成形品を取出す。なお、光学特性を精密に所望の値に合わせるため、冷却時における成形品のアニール処理条件、例えばアニール速度等を適宜調整してもよい。
上記の光学素子の製造方法は以下の2つの方法に大別できる。第1の方法は、プレス成形型にプリフォームを導入し、該成形型とガラス素材を一緒に加熱する光学素子の製造方法であり、面精度、偏心精度など成形精度の向上を重視した場合、推奨される方法である。第2の方法は、プリフォームを加熱し、予熱したプレス成形型に導入して精密プレス成形する光学素子の製造方法であり、生産性向上を重視した場合に推奨される方法である。
なお、本発明の光学素子は、プレス成形工程を経なくても作製することはできる。例えば、均質な熔融ガラスを鋳型に鋳込んでガラスブロックを成形し、アニールして歪を除去するとともに、ガラスの屈折率が所望の値になるようにアニール条件を調整して光学特性の調整を行ったのち、次にガラスブロックを切断または割断してガラス片を作り、さらに研削、研磨して光学素子に仕上げることにより得ることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示すガラス組成になるように、各成分を導入するための原料としてそれぞれ相当する酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物などを用い、原料を秤量し、十分に混合して調合原料とし、これを白金坩堝に入れ、加熱、熔融した。熔融後、熔融ガラスを鋳型に流し込み、ガラス転移温度付近まで放冷してから直ちにアニール炉に入れ、ガラスの転移温度範囲で約1時間アニール処理した後、炉内で室温まで放冷することにより、表1に示す光学ガラスNo.1〜48(酸化物ガラス)を得た。
得られた光学ガラス中には、顕微鏡で観察できる結晶は析出しなかった。
このようにして得られた光学ガラスの諸特性も表1に示す。
表2は、光学ガラスNo.1〜48の各ガラスについて、酸化物換算したときの組成を質量%表示したものである。
Figure 0005695336
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なお、光学ガラスの諸特性は、以下に示す方法により測定した。
(1)屈折率nd、ng、nF、ncおよびアッベ数νd
降温速度−30℃/時間で降温して得られたガラスについて、日本光学硝子工業会規格の屈折率測定法により、屈折率nd、ng、nF、nc、アッベ数νdを測定した。
(2)液相温度LT
ガラスを所定温度に加熱された炉内に入れて2時間保持し、冷却後、ガラス内部を100倍の光学顕微鏡で観察し、結晶の有無から液相温度を決定した。
(3)ガラス転移温度Tg、屈伏点Ts
株式会社リガク製の熱機械分析装置を用い、昇温速度を4℃/分にして測定した。
(4)部分分散比Pg,F
屈折率ng、nF、ncから算出した。
(5)部分分散比のノーマルラインからの差ΔPg,F
部分分散比Pg,Fおよびアッベ数νdから算出されるノーマルライン上の部分分散比Pg,F(0)から算出した。
(6)比重
アルキメデス法を用いて測定した。
(7)λ70、λ5
分光光度計を用いて、分光透過率を測定して求めた。
実施例1で作製した各光学ガラスが得られるように調合したガラス原料を熔融、清澄、均質化して熔融ガラスを作り、白金製のノズルから熔融ガラス滴を滴下してプリフォーム成形型で受け、風圧を加えて浮上させながら上記各種ガラスからなる球状のプリフォームに成形した。
また、上記熔融ガラスを白金製パイプから連続的に流出し、その下端部をプリフォーム成形型で受け、熔融ガラス流にくびれ部を作った後、プリフォーム成形型を真下に急降下して熔融ガラス流をくびれ部で切断し、プリフォーム成形型上に分離した熔融ガラス塊を受け、風圧を加えて浮上させながら上記各種ガラスからなるプリフォームに成形した。得られたプリフォームは光学的に均質な高品質のものであった。
なお、プリフォーム成形型上のガラス塊をプレスして、精密プレス成形によって作製しようとしている光学素子の形状に近似する形状のプリフォームを成形することもできる。こうした方法により得られるプリフォームの表面は滑らかな面となっている。
(実施例3)
実施例2で用意した熔融ガラスを連続的に流出して鋳型に鋳込み、ガラスブロックに成形した後、アニールし、切断して複数個のガラス片を得た。これらガラス片を研削、研磨して上記各種ガラスからなるプリフォームを作製した。得られたプリフォームは光学的に均質な高品質のものであった。
(実施例4)
実施例2、3で作製したプリフォームの表面に必要に応じてコーティングを施し、成形面に炭素系離型膜を設けたSiC製の上下型および胴型を含むプレス成形型内に導入し、窒素雰囲気中で成形型とプリフォームを一緒に加熱してプリフォームを軟化し、精密プレス成形して上記各種ガラスからなる非球面凸メニスカスレンズ、非球面凹メニスカスレンズ、非球面両凸レンズ、非球面両凹レンズの各種レンズを作製した。なお、精密プレス成形の各条件は前述の範囲で調整した。
このようにして作製した各種レンズを観察したところ、レンズ表面に傷、クモリ、破損は全く認められなかった。
こうしたプロセスを繰り返し行い、各種レンズの量産テストを行ったが、ガラスとプレス成形型の融着などの不具合は発生せず、表面および内部ともに高品質のレンズを高精度に生産することができた。このようにして得たレンズの表面には反射防止膜をコートしてもよい。
次いで、上記プリフォームと同様のものを加熱、軟化し、別途、予熱したプレス成形型に導入し、精密プレス成形して上記各種ガラスからなる非球面凸メニスカスレンズ、非球面凹メニスカスレンズ、非球面両凸レンズ、非球面両凹レンズの各種レンズを作製した。なお、精密プレス成形の各条件は前述の範囲で調整した。
このようにして作製した各種レンズを観察したところ、分相による白濁等は認められず、レンズ表面に傷、クモリ、破損は全く認められなかった。
こうしたプロセスを繰り返し行い、各種レンズの量産テストを行ったが、ガラスとプレス成形型の融着などの不具合は発生せず、表面および内部ともに高品質のレンズを高精度に生産することができた。このようにして得たレンズの表面には反射防止膜をコートしてもよい。
プレス成形型の成形面の形状を適宜、変更し、プリズム、マイクロレンズ、レンズアレイなどの各種光学素子を作製することもできる。
(実施例5)
実施例4で作製した各レンズを用いて、各レンズを内蔵する一眼レフカメラ用の交換レンズ各種を作製した。
さらに実施例4で作製した各レンズを用いて、コンパクトデジタルカメラの光学系各種を作製し、モジュール化した。さらにこれら光学系にCCDあるいはCMOSなどのイメージセンサーを取り付けモジュール化した。
このように実施例4において作製した各種レンズを用いることにより、高機能、コンパクトな光学系、交換レンズ、レンズモジュール、撮像装置を得ることができる。実施例4で作製したレンズと高屈折率高分散光学ガラス製のレンズとを組み合わせることにより、高次の色収差補正がなされる各種光学系とこの光学系を備える撮像装置を得ることができる。
本発明の光学ガラスは、高屈折率低分散特性、優れた精密プレス成形性を有し、ガラス転移温度が低く、精密プレス成形に好適な光学ガラスである。また、高次の色収差補正に好適な光学ガラスであて、精密プレス成形用プリフォーム、光学素子を作製するのに好適に用いられる。

Claims (9)

  1. カチオン%表示で、
    Si4+ 0〜5%
    3+ 25〜45%、
    Li+ 0〜20%、
    Na+ 0〜5%、
    + 0〜5%、
    Mg2+ 0〜5%、
    Ca2+ 0〜5%、
    Sr2+ 0〜5%、
    Ba2+ 0〜5%、
    Zn2+ 5〜40%、
    La3+ 5〜25%、
    Gd3+ 1〜15%、
    3+ 0〜5%、
    Yb3+ 0〜5%、
    Zr4+ 0〜3%、
    Ti4+ 1〜15%、
    Nb5+ 0〜5%、
    Ta5+ 0〜5%、
    6+ 1〜30%、
    Te4+ 0〜5%、
    Ge4+ 0〜5%、
    Bi3+ 0〜5%、
    Al3+ 0〜5%、
    を含み、
    カチオン比(B3+/(B3++Si4+))が0.85〜1.00、
    カチオン比(B3+/(La3++Gd3++Y3+))が1.0〜3.0、
    カチオン比(B3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が0.5〜4.0、
    カチオン比(Zn2+/(Zn2++Mg2++Ca2++Sr2++Ba2+))が0.8〜1.0、
    カチオン比((La3++Gd3++Y3+)/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が0.3〜2.5、
    カチオン比Ti4+/W6+が0.1〜1.5、
    カチオン比((Ti4++W6+(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が0.9〜1.0であり、
    屈折率ndが1.86以上、アッベ数νdが28〜34.61、液相温度が1000℃以下である光学ガラス。
  2. ガラス転移温度が590℃未満である請求項1に記載の光学ガラス。
  3. ガラス転移温度が550℃超〜590℃未満であり、カチオン%表示で、
    Si4+ 0〜1.5%
    3+ 29〜40%、
    Li+ 0〜3%、
    Na+ 0%、
    + 0%、
    Mg2+ 0%、
    Ca2+ 0%、
    Sr2+ 0%、
    Ba2+ 0%、
    Zn2+ 22〜30%、
    La3+ 12〜18%、
    Gd3+ 3〜8%、
    3+ 0%、
    Yb3+ 0%、
    Zr4+ 0〜0.8%、
    Ti4+ 5〜9%、
    Nb5+ 0%、
    Ta5+ 0%、
    6+ 6〜18%、
    Te4+ 0%、
    Ge4+ 0%、
    Bi3+ 0%、
    Al3+ 0%、
    を含み、
    カチオン比(B3+/(B3++Si4+))が0.92〜1.00、
    カチオン比(B3+/(La3++Gd3++Y3+))が1.5〜2.0、
    カチオン比(B3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が1.40〜2.62、
    カチオン比(Zn2+/(Zn2++Mg2++Ca2++Sr2++Ba2+))が1.00、
    カチオン比((La3++Gd3++Y3+)/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が0.8〜1.5、
    カチオン比Ti4+/W6+が0.2〜0.95、
    カチオン比((Ti4++W6+(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が1.00であり、
    屈折率ndが1.86以上、アッベ数νdが28〜36、液相温度が1000℃以下である光学ガラス。
  4. ガラス転移温度が490℃以上、550℃以下であり、カチオン%表示で、
    Si4+ 0〜2%
    3+ 28〜40%、
    Li+ 1〜15%、
    Na+ 0%、
    + 0%、
    Mg2+ 0%、
    Ca2+ 0%、
    Sr2+ 0%、
    Ba2+ 0%、
    Zn2+ 10〜27%、
    La3+ 11〜15%、
    Gd3+ 3〜8%、
    3+ 0%、
    Yb3+ 0%、
    Zr4+ 0〜0.8%、
    Ti4+ 3〜8%、
    Nb5+ 0%、
    Ta5+ 0%、
    6+ 7〜22%、
    Te4+ 0%、
    Ge4+ 0%、
    Bi3+ 0%、
    Al3+ 0%、
    を含み、
    カチオン比(B3+/(B3++Si4+))が0.92〜1.00、
    カチオン比(B3+/(La3++Gd3++Y3+))が1.5〜2.0、
    カチオン比(B3+/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が1.00〜3.00、
    カチオン比(Zn2+/(Zn2++Mg2++Ca2++Sr2++Ba2+))が1.00、
    カチオン比((La3++Gd3++Y3+)/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が0.6〜1.7、
    カチオン比Ti4+/W6+が0.2〜0.95、
    カチオン比((Ti4++W6+)/(Ti4++Nb5++Ta5++W6+))が1.00であり、
    屈折率ndが1.86以上、アッベ数νdが28〜36、液相温度が1000℃以下である光学ガラス。
  5. 部分分散比Pg,Fが0.57〜0.62である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  6. アッベ数νdが28〜34.61である、請求項3または4に記載の光学ガラス。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォーム。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学ガラスからなる光学素子。
  9. 請求項7に記載の精密プレス成形用プリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形する光学素子の製造方法。
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