JP5694789B2 - 鞍乗型車両の燃料タンク支持構造 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鞍乗型車両の燃料タンク支持構造において、燃料タンクを左右方向に延ばして燃料タンクの容量を大きくできるようにすることを目的とする。
この構成によれば、左右一対のロアフレーム間に燃料タンクが配置され、フロアの下方に配置されるフロアフレームがロアフレームよりも外側に左右一対で配置され、燃料タンクがフロアフレームに支持され、ロアフレームは下縁が燃料タンクの下面に沿うように配置されるため、燃料タンクをロアフレームよりも外側のフロアフレーム側に左右に延ばすとともにロアフレームの下縁まで延ばすことができ、燃料タンクの容量を大きくすることができる。また、ロアフレームの下縁によって燃料タンクの下面をガードでき、燃料タンクの下面を補強する必要もないので、燃料タンクの形状をシンプルにできる。
この場合、フロアフレームの上縁が、燃料タンクの上面に取り付けられる燃料ポンプよりも上方に位置するため、フロアフレームとフロアとの距離を保ち易い。
また、前記燃料ポンプ(70)の上方であって左右のフロアフレーム(37,37)間にクロスメンバ(79)が掛け渡されても良い。
この場合、燃料ポンプの上方であって左右のフロアフレーム間に掛け渡されるクロスメンバによって燃料ポンプとフロアとの距離を保ち易い。
この場合、ロアフレームが、側面視において燃料ポンプ近傍の位置で最下点となるように下方に凸に屈曲するため、燃料ポンプをロアフレームでガードできる。結果として、燃料ポンプをシンプルな構造にすることができる。
また、前記ロアフレーム(32,32)の後端部から後上方に延びるリヤフレーム(33,33)が設けられ、前記フロアフレーム(37,37)は、その前端部(37A)が前記メインフレーム(30)に支持され、その後端部(37D)は前記リヤフレーム(33,33)に支持される構成としても良い。
この場合、フロアフレームが、その前端部がメインフレームに支持され、その後端部がロアフレームの後端部から後上方に延びるリヤフレームに支持され、リヤフレームを利用してフロアフレームを支持することができる。
この場合、フロアフレームの後端部が、リヤフレームから車幅方向に張り出すように設けられるピリオンステップブラケットにより支持され、フロアフレームを車幅方向外側に配置し易く、簡単な構成で燃料タンクの容量を大きくすることができる。
また、燃料ポンプの上方であって左右のフロアフレーム間に掛け渡されるクロスメンバによってフロアとの距離を良好に確保できる。
さらに、ロアフレームの最下点によって燃料ポンプをガードできるので、燃料ポンプをシンプルな構造にすることができる。
また、リヤフレームを利用してフロアフレームを支持できる。
また、フロアフレームの後端部がリヤフレームから車幅方向に張り出すように設けられるピリオンステップブラケットにより支持されるため、フロアフレームを車幅方向外側に配置し易く、簡単な構成で燃料タンクの容量を大きくできる。
図1〜図4に示すように、車体フレーム11は、ヘッドパイプ12と、ヘッドパイプ12の後面から後下方に延びる1本のメインフレーム30と、メインフレーム30の下部に接続されて車幅方向に延びるフロントクロスフレーム31と、フロントクロスフレーム31の左右端から後方に延びる左右一対のロアフレーム32,32と、ロアフレーム32,32の後部に設けられ、左右のロアフレーム32,32を連結するセンタークロスパイプ34と、センタークロスパイプ34から後上がりに車両後部まで延びるリヤフレーム33,33と、を備えて構成されている。
前輪14及びフロントフォーク13を含む操向系は、ヘッドパイプ12に軸支されるステアリングシャフト(不図示)によって回動自在に軸支される。
左右のロアフレーム32,32の上方には、メインフレーム30と左右のリヤフレーム33,33とを連結する左右一対のフロアフレーム37,37が設けられている。フロアフレーム37,37の後部は、リヤフレーム33,33から車幅方向に張り出すピリオンステップブラケット38,38に連結されている。ピリオンステップブラケット38,38には、シート20の後部に着座する乗員が足を載せるピリオンステップ39(図1)が取り付けられる。
また、リヤフレーム33,33の前部の後面には、パワーユニット16が連結されるパワーユニット連結部55が設けられている。
パワーユニット16の上部には、取り込んだ空気を浄化してエンジン21に供給するエアクリーナーボックス25が連結されている。エンジン21から延びるマフラー28は、後輪17の右側方に配置されている。
また、パワーユニット16の左側面には、エンジン21をキックで始動させるキックペダル26が設けられ、パワーユニット16の下部には、自動二輪車10を直立状態に支持するメインスタンド27が取り付けられている。
ハンドル15の周囲はハンドルカバー41によって覆われている。フロントフォーク13には、前輪14の上方を覆うフロントフェンダー42が設けられ、リヤカバー50の下方には、後輪17の上方を覆うリヤフェンダー43が設けられている。
メインフレーム30は、ヘッドパイプ12の後面に溶接されて後下方に延びる断面円形のパイプであり、その上下の中間部の屈曲点60で後方凸となるように屈曲し、屈曲点60より下方では、前下方に延びている。すなわち、メインフレーム30は、ヘッドパイプ12から後下方に向けて延びるメインフレーム上部61と、屈曲点60と、屈曲点60の下方で前下方に向けて延びるメインフレーム下部62とを有している。メインフレーム上部61は、鉛直方向に対して後下がりに傾斜し、メインフレーム下部62は、鉛直方向に対して前下がりに傾斜している。
図2、図3及び図5に示すように、フロントクロスフレーム31は、車幅方向に一本で直線的に延びる断面円形のパイプであり、その軸方向の中間部がメインフレーム下部62の下端部62Aに溶接されている。詳細には、下端部62Aの左右の下縁にはフロントクロスフレーム31の外周面の形状に合わせて円弧状に切り欠かれた切り欠き部62Bが形成されている。フロントクロスフレーム31は、切り欠き部62Bに下方から嵌め込まれ、切り欠き部62Bの縁部に沿う溶接ビード63によって、メインフレーム30に接合される。
また、下端部62Aとフロントクロスフレーム31との間には、板状の補強板64が掛け渡されて溶接されており、この補強板64によってフロントクロスフレーム31の前面とメインフレーム下部62の前面とが連結されている。
図4に示すように、センタークロスパイプ34はフロントクロスフレーム31よりも長く形成されており、ロアフレーム32,32間の幅は、センタークロスパイプ34側に行くほど広くなっている。
また、図3に示すように、ロアフレーム32,32は下方に凸となるように屈曲しており、ロアフレーム32,32の下面の最下点となる最下点部32Aを前後の中間部に有している。
ピリオンステップブラケット38,38は断面円形のパイプであり、フロアフレーム37,37の上方においてリヤフレーム33,33の側面に溶接され、車幅方向の外側に張り出して後方に延びている。
また、フロア支持部37Cの外縁部及びフロア支持部37Cの内縁部には、ステップフロア47が連結されるフロアステー67がそれぞれ設けられている。
さらに、フロア支持部37Cの内縁部には、車幅方向内側に突出するクロスメンバステー68が設けられている。
図6〜図9に示すように、燃料タンク24は、エンジン21に燃料を供給する燃料ポンプ70を内蔵した箱型の燃料タンクである。燃料タンク24の上面には、燃料ポンプ70が挿通されるポンプ固定孔71、及び、ポンプ固定孔71の後方に位置する円形の給油口72が設けられており、給油口72は、フィラーキャップ73によって開閉自在に塞がれている。燃料ポンプ70の上部には、ポンプ固定孔71から外側に露出するポンプ固定部70Aが形成されており、燃料ポンプ70は、ポンプ固定部70Aに挿通されるボルトによって燃料タンク24に固定される。
ポンプ固定部70Aには、エンジン21側に繋がる燃料ホース(不図示)が接続される燃料ホース接続パイプ70Bが設けられている。燃料ポンプ70は燃料タンク24の前部に配置され、燃料タンク24内に設けられたポンプ本体70Dの下部は、燃料タンク24の底面の近傍まで延びている。
上半体75は、ポンプ固定孔71、給油口72及び外側に突出する上側フランジ部74Aを有している。上半体75は、上面視では略矩形に形成され、ポンプ固定孔71及び給油口72は、ヘッドパイプ12の後方に連続するように前後に並べて配置され、車幅方向の中心に位置している。
燃料タンク24は、フランジ部74が支持板部66Bに載置された状態で、固定孔74Cに挿通される固定ボルト(不図示)によって支持板部66Bに締結され、収納空間S内の所定の位置に固定される。この状態では、左右の膨出部77Aは、燃料タンク24の燃料貯留部の前後方向の略全体に亘ってロアフレーム32,32の外側に張り出している。このように、ロアフレーム32,32の外側に張り出す膨出部77Aを設けたため、燃料タンク24の容量を大きくすることができる。
図6に示すように、燃料タンク24は、ポンプ本体70D側が最も低くなるように、わずかに後上がりとなるように配置されており、下部貯留部78の下面78Aは、後上がりに傾斜している。
また、ロアフレーム32,32が上下方向に長い断面長方形状の角パイプであるため、剛性を確保しつつロアフレーム32,32が車幅方向に占めるスペースを小さくでき、下部貯留部78を、よりロアフレーム32,32側に配置して燃料タンク24の容量を大きくできるとともに、ロアフレーム32,32が車幅方向の外側に張り出す量を小さくできるため、車両のバンク角を大きく確保できる。
ここで、メインフレーム30の形状は、フロントフォーク13が大きくストロークした際に、前輪14とメインフレーム30とのクリアランスが十分確保できるように設定される。このため、屈曲点60での屈曲が上記クリアランスに大きく影響しないように、屈曲点60は、メインフレーム30の高さ方向中間近傍または、中間部よりも下方の位置に設けられることが望ましい。
また、燃料ポンプ70の上方であって左右のフロアフレーム37,37間に掛け渡されるクロスメンバ79によって燃料ポンプ70が覆われている。クロスメンバ79によって燃料ポンプ70とステップフロア47との距離を保ち易い。
さらに、ロアフレーム32,32が、側面視において燃料ポンプ70近傍の位置で最下点部32Aとなるように下方に凸に屈曲するため、燃料ポンプ70をロアフレーム32,32でガードでき、燃料ポンプ70をシンプルな構造にできる。
また、フロアフレーム37,37の後部接続部37Dが、リヤフレーム33,33から車幅方向に張り出すように設けられるピリオンステップブラケット38,38により支持されるため、車幅方向に張り出すフロアフレーム37,37の後部接続部37Dを支持するための専用の部材を設ける必要がない。このため、簡単な構造でフロアフレーム37,37を支持できるとともに、燃料タンク24を車幅方向に張り出させて燃料タンク24の容量を大きくできる。
12 ヘッドパイプ
14 前輪
24 燃料タンク
30 メインフレーム
32,32 ロアフレーム
32A 最下点部(最下点)
32B 下縁
33,33 リヤフレーム
37,37 フロアフレーム
37A 前側接続部(前端部)
37D 後部接続部(後端部)
37E 上縁
38,38 ピリオンステップブラケット
47 ステップフロア(フロア)
66 タンクステー
70 燃料ポンプ
78A 下面
79 クロスメンバ
Claims (6)
- 前輪(14)を含む操向系を軸支するヘッドパイプ(12)と、前記ヘッドパイプ(12)から後下方に延びるメインフレーム(30)と、前記メインフレーム(30)の下部から後方に略水平に延びる左右一対のロアフレーム(32,32)と、前記メインフレーム(30)の後方であって、左右一対の前記ロアフレーム(32,32)間に配置される燃料タンク(24)と、運転者が足を置くものであって、前記燃料タンク(24)の上方に配置されるフロア(47)とを備えた鞍乗型車両の燃料タンク支持構造において、
前記フロア(47)の下方且つ前記ロアフレーム(32,32)の上方に配置され前記フロア(47)を支持するフロアフレーム(37,37)を有し、前記フロアフレーム(37,37)は前記ロアフレーム(32,32)よりも外側に左右一対で配置され、前記燃料タンク(24)は前記フロアフレーム(37,37)に支持されるとともに、燃料貯留部は左右の外側に張り出して前記ロアフレーム(32,32)の上方に位置する膨出部(77A,77A)を備え、前記ロアフレーム(32,32)は、その下縁(32B)が側面視において前記燃料タンク(24)の下面(78A)に沿うように配置されることを特徴とする鞍乗型車両の燃料タンク支持構造。 - 前記フロアフレーム(37,37)からタンクステー(66)が下方に延ばされ、前記タンクステー(66)により前記燃料タンク(24)を支持し、前記フロアフレーム(37,37)の上縁(37E)は、側面視において前記燃料タンク(24)の上面に取り付けられる燃料ポンプ(70)よりも上方に位置することを特徴とする請求項1記載の鞍乗型車両の燃料タンク支持構造。
- 前記燃料ポンプ(70)の上方であって左右のフロアフレーム(37,37)間にクロスメンバ(79)が掛け渡されることを特徴とする請求項2記載の鞍乗型車両の燃料タンク支持構造。
- 前記燃料タンク(24)は燃料ポンプ(70)を備え、前記ロアフレーム(32,32)は、その下縁(32B)が側面視において前記燃料ポンプ(70)近傍の位置で最下点(32A)となるように下方に凸に屈曲していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鞍乗型車両の燃料タンク支持構造。
- 前記ロアフレーム(32,32)の後端部から後上方に延びるリヤフレーム(33,33)が設けられ、前記フロアフレーム(37,37)は、その前端部(37A)が前記メインフレーム(30)に支持され、その後端部(37D)は前記リヤフレーム(33,33)に支持されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の鞍乗型車両の燃料タンク支持構造。
- 前記フロアフレーム(37,37)の前記後端部(37D)は、前記リヤフレーム(33,33)から車幅方向に張り出すように設けられるピリオンステップブラケット(38,38)により支持されることを特徴とする請求項5記載の鞍乗型車両の燃料タンク支持構造。
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