JP5691699B2 - プレス成形方法およびその成形体 - Google Patents
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Description
(1)強化繊維と熱可塑性樹脂からなる成形材料をプレス成形する方法において、以下の工程(I)〜(V)を含んでなり、かつ、以下の工程(III)〜(V)を同一の成形型(a)内にて実施し、工程(IV)を、工程(III)を経て、工程(V)に移行するタイミングで実施するプレス成形方法である。
成形型(a):開口部を有する凹部の型と、該凹部に対応する凸部を有し、該凹部の型との間でキャビティが構成される凸部の型からなるプレス成形型であって、動力源として、プレス成形型を稼働させる加圧装置の型開き力を用い、剪断力により余肉部分を除去する剪断加工機構と、剪断加工中において成形材料を加圧し、成形材料を保持する機構とを併せ持った構成を有する成形型。
工程(I):成形材料を構成する熱可塑性樹脂の可塑化温度まで、該成形材料を加熱する工程。
工程(II):可塑化温度まで加熱せしめた成形材料を搬送し、解放された成形型(a)へ配置する工程。
工程(III):成形型(a)を型締めすることにより、可塑化温度まで加熱せしめた成形材料を加圧冷却する工程。
工程(IV):加圧冷却後、成形型(a)内において、加圧力により成形材料を保持しながら、型開き力を用いた剪断力により余肉部分を加工、除去する工程。
工程(V):成形型(a)を解放し、成形体を成形型(a)から取り出す工程。
(2)強化繊維と熱硬化性樹脂からなる成形材料をプレス成形する方法において、以下の工程(VI)〜(IX)を含んでなり、かつ、以下の工程(VII)〜(IX)を同一の成形型(a)内にて実施し、工程(VIII)を、工程(VII)を経て、工程(IX)に移行するタイミングで実施するプレス成形方法。
成形型(a):開口部を有する凹部の型と、該凹部に対応する凸部を有し、該凹部の型との間でキャビティが構成される凸部の型からなるプレス成形型であって、動力源として、プレス成形型を稼働させる加圧装置の型開き力を用い、剪断力により余肉部分を除去する剪断加工機構と、剪断加工中において成形材料を加圧し、成形材料を保持する機構とを併せ持った構成を有する成形型。
工程(VI):成形材料を搬送し、予め硬化可能な温度まで加熱せしめた、解放された成形型(a)へ配置する工程。
工程(VII):成形型(a)を型締めすることにより、成形材料を加圧する工程。
工程(VIII):硬化後、成形型(a)内において、加圧力により成形材料を保持しながら、型開き力を用いた剪断力により余肉部分を加工、除去する工程。
工程(IX):成形型(a)を解放し、成形体を成形型(a)から取り出す工程。
(3)前記工程(V)および前記工程(IX)は、金型の解放による成形体の取り出しに付随する工程である、(1)または(2)に記載のプレス成形方法。
(4)前記成形型(a)は、少なくとも成形材料を加圧冷却する加圧冷却機構、成形材料にかける加圧力を保持する加圧力保持機構、ならびに、剪断力により余肉部分を除去する剪断加工機構を併せ持った構成を有する、(1)〜(3)のいずれかに記載のプレス成形方法。
(5)成形材料にかける加圧力を保持する加圧力保持機構が成形型(a)に具備されており、かつ、該加圧力保持機構が、少なくとも、エア、ガス、オイル、およびバネ要素から選択されるいずれかの機構である(1)〜(4)のいずれかに記載のプレス成形方法。
(6)剪断力により余肉部分を除去する剪断加工機構が成形型(a)に具備されており、かつ、該剪断加工機構が、スライドカム構造、ピン構造、およびパンチ構造から選択されるいずれかの構造を用いた機構である(1)〜(5)のいずれかに記載のプレス成形方法。
(7)前記工程(IV)および前記工程(VIII)において、剪断力により余肉部分を加工、除去する工程が、前記成形材料の固化および硬化する温度以下にて実施される(1)〜(6)のいずれかに記載のプレス成形方法。
(8)前記工程(III)および前記工程(VII)において、成形型(a)の凹部のキャビティの投影面積にかかる加圧力が10〜50MPaの範囲内である(1)〜(7)のいずれかに記載のプレス成形方法。
(9)前記工程(II)〜(IV)において、金型温度が成形材料を構成する熱可塑性樹脂の固化温度より20℃〜100℃低い温度の範囲内で行われる、(1)または(3)〜(8)のいずれかに記載のプレス成形方法。
(10)前記成形材料が以下の成分(A)、成分(B)を有してなる、(1)または(3)〜(9)のいずれかに記載のプレス成形方法。
成分(A):強化繊維:25〜80質量%
成分(B):ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂およびポリアセタール樹脂の群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂:20〜75質量%
(11)前記成分(B)が、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルイミド樹脂から選択される少なくとも1種である、(10)に記載のプレス成形方法。
(12)前記成形材料が以下の成分(A)、成分(C)を有してなる、(2)または(3)〜(7)のいずれかに記載のプレス成形方法。
成分(A):強化繊維:25〜80質量%
成分(C):不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール(レゾール型)樹脂、ユリア・メラミン樹脂および熱硬化ポリイミドの群より選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂:20〜75質量%。
(13)前記成分(C)が、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂から選択される少なくとも1種である(12)に記載のプレス成形方法。
(14)前記強化繊維(成分(A))が、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、鉱物繊維から選択される少なくとも1種である、(1)〜(13)のいずれかに記載のプレス成形方法。
(15)前記強化繊維(成分(A))の質量平均繊維長が1〜50mmの範囲内である、(14)に記載のプレス成形方法。
強化繊維と熱可塑性樹脂からなる成形材料とは、強化繊維で補強された熱可塑性樹脂であれば特に制限されず、例えば、複数本のストランド状強化繊維に針を突き刺し、互いに繊維を絡まり合わせたマット状ストランド強化繊維に熱可塑性樹脂を積層し、これを加熱、加圧して得られる成形材料、強化繊維束に溶融熱可塑性樹脂を付着させ、加圧して得られる成形材料、強化繊維のみ、あるいは粉末形状、繊維形状の熱可塑性樹脂を分散させ、これを加熱、加圧して得られる成形材料、強化繊維と粉末形状、繊維形状の熱可塑性樹脂を水中に分散、混合した懸濁液から抄造して得られる不織材料を加熱、加圧して得られる成形材料、強化繊維のみを水中に分散した懸濁液から抄造して得られる不織材料に粉末形状、繊維形状、フィルム形状、不織布形状の熱可塑性樹脂を加熱、加圧して、抄造して得られた該強化繊維の不織布材料に該熱可塑性樹脂を接着してなる成形材料などの公知の成形材料が挙げられる。これらのなかでも、該強化繊維の不織布材料に該熱可塑性樹脂を接着してなる成形材料が、強化繊維の分散性および熱可塑性樹脂の形態の自由性や、製造方法の経済性の観点から好ましく用いることができる。
同様に強化繊維と熱硬化性樹脂からなる成形材料とは、強化繊維で補強された熱硬化性樹脂であれば特に制限されず、例えば、複数本のストランド状強化繊維に熱硬化性樹脂を積層して得られる成形材料、ストランド状強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた後、5〜50mmにカットし、ランダムとなるように配置し、加圧することにより得られる成形材料、強化繊維束を織物状製織したものに熱硬化性樹脂を含浸させ得られる成形材料、強化繊維を水中に分散、混合した懸濁液から抄造して得られる不織材料に熱硬化性樹脂を加圧、含浸して得られる成形材料などが挙げられる。これらのなかでも、該強化繊維の不織布材料に該熱硬化性樹脂を含浸してなる成形材料、ストランド状強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた後、強化繊維をカットし、ランダムとなるように配置した成形材料が製造方法の容易さ、経済性の観点から好ましく用いることができる。
また、前記成分(C)としては、例えば、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール(レゾール型)、ユリア・メラミン、ポリイミドなどや、これらの共重合体、変性体、および、2種類以上ブレンドした樹脂などを使用することができる。さらに、耐衝撃性向上のために、上記熱硬化性樹脂にエラストマーもしくはゴム成分を添加してもよい。この中でも特に成形品の剛性、強度の観点からエポキシ樹脂が好ましい。さらに、前記成分(C)の配合量は、20〜75質量%の割合であることが好ましい。上記強化繊維の含有量の観点と同様に、25〜70質量%の割合で含有されていることがさらに好ましく、30〜65質量%の割合で含有されていることがとりわけ好ましい。
成分(A)強化繊維(PAN系炭素繊維)
強化繊維であるPAN系炭素繊維は、下記のようにして製造した。
総フィラメント数:24,000本
単繊維直径:7μm
単位長さ当たりの質量:0.8g/m
比重:1.8g/cm3
引張強度(注1):4.2GPa
引張弾性率(注2):230GPa。
(注1)引張強度、(注2)引張弾性率の測定条件
成分(B−1)熱可塑性樹脂として未変性ポリプロピレン樹脂、(プライムポリマー(株)製、“プライムポリプロ(登録商標)”J105G、比重:0.91、可塑化温度:160℃)を用いた。
成分(B−2)熱可塑性樹脂としてポリアミド6樹脂(東レ(株)製、“アミラン(登録商標)”CM1001、比重:1.13、可塑化温度:225℃)を用いた。
成分(A)として、参考例1で得られた炭素繊維連続束を、カートリッジカッターでカットし、繊維長6.4mmのチョップド糸を得た。界面活性剤(和光純薬工業(株)社製、「n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム」(製品名)の1.5wt%水溶液100リットルを攪拌し、予め泡立てた分散液を作製した。この分散液に、得られたチョップド糸100gを投入し、10分間撹拌した後、長さ1000mm×幅1000mmの抄紙面を有する抄紙機に流し込み、吸引により脱水して、その後、150℃の温度で2時間乾燥し、炭素繊維からなる不織布(以下CFと略す)を得た。
参考例4で得られた炭素繊維からなる不織布1枚を、参考例2で得られたPPを前記炭素繊維からなる不織布の両面に挟み込み、[PP/CF/PP]の構成のシートとした。また、離型シートとしてテフロン(登録商標)シート(厚さ1mm)を用い、該シートを挟み込むように配置した。ついで、200℃の温度に加熱された上下の熱盤面から構成される油圧式プレス機の熱盤面間に配置し、5MPaでプレスした。次に、30℃の温度に温度制御された冷却盤間に配置し、5MPaで冷却プレスし、長さ1000mm、幅1000mm、厚み0.31mmの強化繊維と熱可塑性樹脂からなる成形材料を得た。
参考例4で得られた炭素繊維からなる不織布1枚を、参考例3で得られたPAを前記炭素繊維からなる不織布の両面に1枚ずつ挟み込み、[PA/CF/PA]の構成のシートとした。また、離型シートとしてテフロン(登録商標)シート(厚さ1mm)を用い、該シートを挟み込むように配置した。ついで、240℃の温度に加熱された上下の熱盤面から構成される油圧式プレス機の熱盤面間に配置し、5MPaでプレスした。次に、30℃の温度に温度制御された冷却盤間に配置し、5MPaで冷却プレスし、長さ1000mm、幅1000mm、厚み0.26mmの強化繊維と熱可塑性樹脂からなる成形材料を得た。
成分(A)として東レ(株)製炭素繊維(“トレカ(登録商標)”M46J(引張強度4200MPa、引張弾性率436GPa、フィラメント数6000本、繊維目付0.2g/m))に、成分(C)として130℃硬化タイプエポキシ樹脂からなるプリプレグの炭素繊維目付が116g/m2、樹脂含有量(Wr)が30%の一方向(UD)プリプレグ(東レ(株)製“トレカ(登録商標)”プリプレグP6053−12)を用いた。これを表4の条件となるように繊維方向を0°として、繊維方向が上から45°、−45°、90°、90°、−45°、45°となるように6枚のプリプレグを積層し、成形材料を得た。
成分(A)として、強化繊維として東レ(株)製炭素繊維(“トレカ(登録商標)”T300B(引張強度3500MPa、引張弾性率230GPa、フィラメント数3000本、繊維目付0.2g/m))を縦糸および横糸として用い、これら縦糸、横糸を5本/cmとなるように平織とされた炭素繊維織物に、成分(C)として130℃硬化タイプエポキシ樹脂からなる炭素繊維目付が198g/m2、樹脂含有量(Wr)が40%のクロスプリプレグ(東レ(株)製“トレカ(登録商標)”プリプレグF6343B−05)を用いた。これを表4の条件となるように積層し、成形材料を得た。(参考例9)
参考例7記載の一方向(UD)プリプレグ(東レ(株)製“トレカ(登録商標)”プリプレグP6053−12)を用い、これを、カッターナイフを用いて、繊維方向に250mm、繊維と直行方向に12mmとなるように裁断した。これをSUS製の平板に裁断したプリプレグがランダムに配置されるように手によりばらまき、さらに成形材料の成形後の厚みが表4に記載の厚みとなるように分量を調整することにより成形材料を得た。
図5−aおよび図5−bに示すように、成形材料(7)の平面上の中心点と、成形材料の厚み方向の中心点の交差する点(11)を厚み方向の中心とした。計測はKタイプの熱電対を用い、キーエンス社製データロガー“NR600”を用い、1秒間隔で計測をおこなった。K熱電対は成形材料に挟み込み、温度測定中にはずれてしまわない様に注意深く、加熱装置内に配置した。
プレス成形方法により得られた成形体の剪断面を目視により観察し、以下の基準で判定した。
A:剪断面の追加加工する必要が無く、剪断面に成分(A)、成分(B)また成分(C)の切りカスが付着していない。
B:剪断面の追加加工する必要は無いものの、剪断面に成分(A)、成分(B)また成分(C)の切りカスが付着している。
C:剪断面の追加加工する必要がある。
プレス成形方法により得られた成形体の剪断面を目視により観察し、以下の基準で判定した。
A:冷却加工工程と剪断加工工程が1工程で終了する。
B:冷却加工工程と剪断加工工程が1工程で終了するものの、剪断加工時に成形体にぶれが見られる。
C:冷却加工工程と剪断加工工程が1工程では終了しない。
いずれの評価においてもA、Bは可とし、Cは不可とした。
強化繊維に成分(A)、熱可塑性樹脂に成分(B−1)を用いて、参考例5に記載の要領で得たシート状成形材料を表1に記載の条件となるように積層を行い調整した。余肉除去を行う剪断加工機構として、スライドカム構造、加圧保持機構としてガススプリングを具備した成形型(図1−a)をもちいた。また、成形型温度は120℃にオイルを用いて、図1−aの5および6−bを温調した。その後、参考例7に記載の要領で該成形材料の厚み方向に中心が235℃になるまで遠赤外線ヒーターを具備したオーブン中で500秒間予熱した。ついで、図1−aの7に示す様に、該成形材料を金型キャビティ面の凹部の投影面に該成形材料を配置した。その後、直ちに20mm/秒の速度で成形型の凸型を降下させ、図1−b、図1−cに示す状態に連続的に移行させながら、該成形材料をキャビティ内で充填させつつ、図1−cに示すキャビティの厚みが1.2mmになるまで型締をおこなった。その後、この状態を維持するように50秒間加圧、冷却し、その後、図1−d、図1−eに示すように連続的に成形型を開くとともに、余肉部分を除去するとともに成形体を得た。余肉部分の除去加工に際し、各構造の稼働の様子を図3−a、図3−b、図4−a、図4−bに示した。評価条件および結果は表1にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構として、ポンチ構造、加圧保持機構としてガススプリングを具備した成形型をもちいた以外は実施例1と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表1にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構として、ピン構造、加圧保持機構としてガススプリングを具備した成形型をもちいた以外は実施例1と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表1にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構として、スライドカム構造とポンチ構造を併用し、加圧保持機構としてガススプリングを具備した成形型をもちいた以外は実施例1と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表1にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構として、スライドカム構造とピン構造を併用し、加圧保持機構としてエアスプリングを具備した成形型をもちいた以外は実施例1と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表1にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構として、スライドカム構造とピン構造を併用し、加圧保持機構としてバネを具備した成形型をもちいた以外は実施例1と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表1にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構、加圧保持機構の具備しない成形型をもちいた以外は実施例1と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表1にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構として別装置である油圧式シリンダーを用いたスライドカム、加圧保持機構は具備しない成形型をもちいた以外は実施例1と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表1にまとめた。
強化繊維に成分(A)、熱可塑性樹脂に成分(B−2)を用いて、参考例5に記載の要領で得たシート状成形材料を表2に記載の条件となるように積層を行い調整した。余肉除去を行う剪断加工機構として、スライドカム構造、加圧保持機構としてガススプリングを具備した成形型(図1−a)をもちいた。また、成形型温度は150℃にオイルを用いて、図1−aの5および6−bを温調した。その後、参考例7に記載の要領で該成形材料の厚み方向に中心が270℃になるまで遠赤外線ヒーターを具備したオーブン中で500秒間予熱した。ついで該成形材料を金型キャビティ面の凹部に該成形材料を配置した。その後、直ちに20mm/秒の速度で成形型の凸型を降下させ、図1−b、図1−cに示す状態に連続的に移行させながら、該成形材料をキャビティ内で充填させつつ、図1−cに示すキャビティの厚みが1.3mmになるまで型締をおこなった。その後、この状態を維持するように50秒間加圧、冷却し、その後、図1−d、図1−eに示すように連続的に成形型を開くとともに、余肉部分を除去するとともに成形体を得た。余肉部分の除去加工に際し、各構造の稼働の様子を図3−a、図3−b、図4−a、図4−bに示した。評価条件および結果は表2にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構として、ポンチ構造、加圧保持機構としてガススプリングを具備した成形型をもちいた以外は実施例7と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表2にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構として、ピン構造、加圧保持機構としてガススプリングを具備した成形型をもちいた以外は実施例7と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表2にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構として、スライドカム構造とポンチ構造を併用し、加圧保持機構としてガススプリングを具備した成形型をもちいた以外は実施例7と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表2にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構として、スライドカム構造とピン構造を併用し、加圧保持機構としてエアスプリングを具備した成形型をもちいた以外は実施例7と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表2にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構として、スライドカム構造とピン構造を併用し、加圧保持機構としてバネを具備した成形型をもちいた以外は実施例7と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表2にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構、加圧保持機構の具備しない成形型をもちいた以外は実施例7と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表2にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構として別装置である油圧式シリンダーを用いたスライドカム、加圧保持機構は具備しない成形型をもちいた以外は実施例7と同様の方法で成形体を得た。評価結果は表2にまとめた。
強化繊維に成分(A)、熱可塑性樹脂に成分(B−2)を用いて、参考例5に記載の要領で得たシート状成形材料を表3に記載の条件となるように積層を行い調整した。余肉除去を行う剪断加工機構として、スライドカム構造、加圧保持機構としてガススプリングを具備した成形型(図1−a)をもちいた。また、成形型温度は150℃にオイルを用いて、図1−aの5および6−bを温調した。その後、参考例7に記載の要領で該成形材料の厚み方向に中心が270℃になるまで遠赤外線ヒーターを具備したオーブン中で500秒間予熱した。ついで該成形材料を金型キャビティ面の凹部に該成形材料を配置した。その後、直ちに20mm/秒の速度で該凸型を降下させ、図1−b、図1−cに示す状態に連続的に移行させながら、該成形材料をキャビティ内で充填させつつ、図1−cに示すキャビティの厚みが1.1mmになるまで型締をおこなった。その後、この状態を維持するように50秒間加圧、冷却し、その後、図1−d、図1−eに示すように連続的に成形型を開くとともに、余肉部分を除去するとともに成形体を得た。余肉部分の除去加工に際し、各構造の稼働の様子を図3−a、図3−b、図4−a、図4−bに示した。評価条件および結果は表3にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構として、ポンチ構造、加圧保持機構としてガススプリングを具備した成形型をもちい、キャビティの厚みを1.2mmとした以外は実施例7と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表3にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構として、ピン構造、加圧保持機構としてガススプリングを具備した成形型をもちい、キャビティの厚みを1.1mmとした以外は実施例7と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表3にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構、加圧保持機構の具備しない成形型をもちい、キャビティの厚みを0.8mmとした以外は実施例7と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表3にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構として別装置である油圧式シリンダーを用いたスライドカム、加圧保持機構は具備しない成形型をもちい、キャビティの厚みを1.2mmとした以外は実施例7と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表3にまとめた。
参考例7で得たシート状成形材料を用いた。余肉除去を行う剪断加工機構として、スライドカム構造、ポンチ構造、加圧保持機構としてガススプリングを具備した成形型(図1−a)をもちいた。また、成形型温度は130℃にオイルを用いて、図1−aの5および6−bを温調した。ついで、図1−aの7に示す様に、該成形材料を金型キャビティ面の凹部の投影面に該成形材料を配置した。その後、直ちに20mm/秒の速度で成形型の凸型を降下させ、図1−b、図1−cに示す状態に連続的に移行させながら、該成形材料をキャビティ内で充填させつつ、図1−cに示すように型締をおこなった。その後、この状態を維持するように1時間加圧し、その後、図1−d、図1−eに示すように連続的に成形型を開くとともに、余肉部分を除去するとともに成形体を得た。余肉部分の除去加工に際し、各構造の稼働の様子を図3−a、図3−b、図4−a、図4−bに示した。評価条件および結果は表4にまとめた。
参考例8で得たシート状成形材料を用いた以外は、実施例16と同様の方法にて成形体を得て、評価に供した。その条件および結果は表4にまとめた。
参考例9で得たシート状成形材料を用いた以外は、実施例16と同様の方法にて成形体を得て、評価に供した。その条件および結果は表4にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構、加圧保持機構の具備しない成形型をもちいた以外は実施例16と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表4にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構として別装置である油圧式シリンダーを用いたスライドカム、加圧保持機構は具備しない成形型をもちいた以外は実施例17と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表4にまとめた。
余肉除去を行う剪断加工機構として別装置である油圧式シリンダーを用いたスライドカム、加圧保持機構は具備しない成形型をもちいた以外は実施例18と同様の方法で成形体を得た。評価条件および結果は表4にまとめた。
2 成形型(a)の凸部の型
3 成形型(a)に具備される剪断加工機構の一部分(スライドカム稼働部材)
4 成形型(a)に具備される剪断加工機構の一部分(スライドカム)
5 成形型(a)の凹部の型
6−a 成形型(a)に具備される加圧力保持機構(ガススプリング)
6−b 成形型(a)の凸部
7 成形材料
8 キャビティ
9 剪断加工がなされた成形体の余肉部分
10 成形体
11 成形材料の厚み方向の中心温度の計測点
C 成形型(a)に具備される剪断加工機構の一部分の拡大箇所
D 成形型(a)に具備される剪断加工機構の一部分の拡大箇所
DD 成形型(a)に具備される剪断加工機構の一部分の拡大箇所
Claims (15)
- 強化繊維と熱可塑性樹脂からなる成形材料をプレス成形する方法において、以下の工程(I)〜(V)を含んでなり、かつ、以下の工程(III)〜(V)を同一の成形型(a)内にて実施し、工程(IV)を、工程(III)を経て、工程(V)に移行するタイミングで実施するプレス成形方法。
成形型(a):開口部を有する凹部の型と、該凹部に対応する凸部を有し、該凹部の型との間でキャビティが構成される凸部の型からなるプレス成形型であって、動力源として、プレス成形型を稼働させる加圧装置の型開き力を用い、剪断力により余肉部分を除去する剪断加工機構と、剪断加工中において成形材料を加圧し、成形材料を保持する機構とを併せ持った構成を有する成形型。
工程(I):成形材料を構成する熱可塑性樹脂の可塑化温度まで、該成形材料を加熱する工程。
工程(II):可塑化温度まで加熱せしめた成形材料を搬送し、解放された成形型(a)へ配置する工程。
工程(III):成形型(a)を型締めすることにより、可塑化温度まで加熱せしめた成形材料を加圧冷却する工程。
工程(IV):加圧冷却後、成形型(a)内において、加圧力により成形材料を保持しながら、型開き力を用いた剪断力により余肉部分を加工、除去する工程。
工程(V):成形型(a)を解放し、成形体を成形型(a)から取り出す工程。 - 強化繊維と熱硬化性樹脂からなる成形材料をプレス成形する方法において、以下の工程(VI)〜(IX)を含んでなり、かつ、以下の工程(VII)〜(IX)を同一の成形型(a)内にて実施し、工程(VIII)を、工程(VII)を経て、工程(IX)に移行するタイミングで実施するプレス成形方法。
成形型(a):開口部を有する凹部の型と、該凹部に対応する凸部を有し、該凹部の型との間でキャビティが構成される凸部の型からなるプレス成形型であって、動力源として、プレス成形型を稼働させる加圧装置の型開き力を用い、剪断力により余肉部分を除去する剪断加工機構と、剪断加工中において成形材料を加圧し、成形材料を保持する機構とを併せ持った構成を有する成形型。
工程(VI):成形材料を搬送し、予め硬化可能な温度まで加熱せしめた、解放された成形型(a)へ配置する工程。
工程(VII):成形型(a)を型締めすることにより、成形材料を加圧する工程。
工程(VIII):硬化後、成形型(a)内において、加圧力により成形材料を保持しながら、型開き力を用いた剪断力により余肉部分を加工、除去する工程。
工程(IX):成形型(a)を解放し、成形体を成形型(a)から取り出す工程。 - 前記工程(V)および前記工程(IX)は、金型の解放による成形体の取り出しに付随する工程である、請求項1または2に記載のプレス成形方法。
- 前記成形型(a)は、少なくとも成形材料を加圧冷却する加圧冷却機構、成形材料にかける加圧力を保持する加圧力保持機構、ならびに、剪断力により余肉部分を除去する剪断加工機構を併せ持った構成を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のプレス成形方法。
- 成形材料にかける加圧力を保持する加圧力保持機構が成形型(a)に具備されており、かつ、該加圧力保持機構が、少なくとも、エア、ガス、オイル、およびバネ要素から選択されるいずれかの機構である、請求項1〜4のいずれかに記載のプレス成形方法。
- 剪断力により余肉部分を除去する剪断加工機構が成形型(a)に具備されており、かつ、該剪断加工機構が、スライドカム構造、ピン構造、およびパンチ構造から選択されるいずれかの構造を用いた機構である、請求項1〜5のいずれかに記載のプレス成形方法。
- 前記工程(IV)および前記工程(VIII)において、剪断力により余肉部分を加工、除去する工程が、前記成形材料の固化および硬化する温度以下にて実施される、請求項1〜6のいずれかに記載のプレス成形方法。
- 前記工程(III)および前記工程(VII)において、成形型(a)の凹部のキャビティの投影面積にかかる加圧力が10〜50MPaの範囲内である、請求項1〜7のいずれかに記載のプレス成形方法。
- 前記工程(II)〜(IV)において、金型温度が成形材料を構成する熱可塑性樹脂の固化温度より20℃〜100℃低い温度の範囲内で行われる、請求項1または3〜8のいずれかに記載のプレス成形方法。
- 前記成形材料が以下の成分(A)、成分(B)を有してなる、請求項1または3〜9のいずれかに記載のプレス成形方法。
成分(A):強化繊維:25〜80質量%
成分(B):ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂およびポリアセタール樹脂の群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂:20〜75質量% - 前記成分(B)が、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルイミド樹脂から選択される少なくとも1種である、請求項10に記載のプレス成形方法。
- 前記成形材料が以下の成分(A)、成分(C)を有してなる、請求項2または3〜7のいずれかに記載のプレス成形方法。
成分(A):強化繊維:25〜80質量%
成分(C):不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール(レゾール型)樹脂、ユリア・メラミン樹脂および熱硬化ポリイミドの群より選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂:20〜75質量%。 - 前記成分(C)が、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂から選択される少なくとも1種である、請求項12に記載のプレス成形方法。
- 前記強化繊維(成分(A))が、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、鉱物繊維から選択される少なくとも1種である、請求項1〜13のいずれかに記載のプレス成形方法。
- 前記強化繊維(成分(A))の質量平均繊維長が1〜50mmの範囲内である、請求項14に記載のプレス成形方法。
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