JP5688846B2 - 発泡樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、取付け孔を備えた発泡樹脂成形品の製造方法に関する
車輌用内装部品としてラゲージサイドトリムが知られている。ラゲージサイドトリムは車輌のラゲージルームの側壁パネルの室内面に装着されるものであって、例えば、図4に示したように、発泡樹脂成形品として製造されたトリムアッパーT1と、これとは別に樹脂成形品として製造されたトリムロアT2とを接合した構造になっている。
先に説明したトリムアッパーT1のような発泡樹脂成形品は、従来、例えば特許文献1で開示している製造方法によって製造することができる。同文献1で開示している製造方法は、可動金型(2)とこれに対向する固定金型(1)とを用いて発泡樹脂成形品を製造する方法である(カッコ内の符号は特許文献1で用いている符号である。この背景技術の欄において以下も同様である)。かかる製造方法は、具体的には下記《充填工程》と《発泡工程》によって発泡樹脂成形品を製造するものである。
《充填工程》
充填工程では、可動金型(2)と固定金型(1)とを型締めし、両金型(1、2)それぞれの対向型面で画成されるキャビティ(3)内に発泡樹脂材料を射出充填することにより、未発泡の半成形品を成形する(同文献1の図1(a)(b)を参照)。
《発泡工程》
発泡工程では、充填工程の完了後、可動金型(2)を所定ストローク長後退操作することにより、可動金型(2)と固定金型(1)との間に発泡スペースを形成し、かつ、形成した発泡スペース内で前記未発泡の半成形品を発泡させることにより、発泡樹脂成形品が得られる(同文献1の図1(c)を参照)。
前記製造方法を利用して取付け孔を備えた発泡樹脂成形品を製造する場合には、例えば図5(a)に示したように、可動金型D2及び固定金型D1からなる金型において、可動金型D2の対向型面(固定金型D1と対向する面)に、取付け孔を形成するための突部50を設けている。
そして、前記充填工程においては、前記突部50の先端を固定金型D1に当接させた状態で可動金型D2と固定金型D1とを型締めし、両金型D1、D2それぞれの対向型面で画成されるキャビティC内に発泡樹脂材料を射出充填することにより、図5(b)のように前記突部50の胴径に相当する取付け孔4を備えた未発泡の半成形品10を成形する。その後、前記発泡工程を経ることにより、図5(c)のように取付け孔4を備えた発泡樹脂成形品1が得られる。なお、前記未発泡の半成形品10は、その表裏面が金型(可動金型D2と固定金型D1)との接触で冷えて硬化したスキン層12になっていて、このスキン層12の内側が未発泡の発泡樹脂材料M(キャビティC内に射出充填されたもの)になっている。
しかしながら、先に説明した従来の金型(可動金型D2と固定金型D1)を用いて取付け孔4を備えた発泡樹脂成形品1を製造する方法によると、取付け孔4の直径が設計寸法よりも大径になったり、あるいは、取付け孔4の形成位置が設計位置よりずれてしまったり、図5(c)のように取付け孔4の縁部に形状ダレが発生したりする等、取付け孔4の寸法、形状、形成位置の精度が悪いという問題がある。その主な原因は、図5(c)の発泡工程における半成形品10の発泡中に、突部50から離れる方向の力(図5(c)矢印Aで示す方向の力)が突部50周囲で発泡中の発泡樹脂材料に働くことで、取付け孔4の径方向形状変形が生じるためである。
ところで、前記のように製造された発泡樹脂成形品1(取付け孔4を備えたもの)をこれとは別に製造された樹脂成形品に取付け接合する場合には、図6(a)又は(b)に示したように、樹脂成形品2の裏面側に立設してあるボス5を発泡樹脂成形品1の取付け孔4(図5(b)参照)に挿入した後、そのボス5の締結操作として、例えば当該ボス5の先端に対し熱溶融によるカシメ加工を施す方法が考えられる。しかしながら、前述の通り取付け孔4の寸法、形状、形成位置の精度が悪いため、図6(a)と(b)との比較からも分かるように、発泡樹脂成形品1と樹脂成形品2との締結位置にずれが発生し、締結位置が安定せず、発泡樹脂成形品1と樹脂成形品2の組付け精度が悪くなるという問題がある。
特開2002−120252号公報
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は寸法、形状、形成位置の精度が良い取付け孔を備えた発泡樹脂成形品の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明に係る発泡樹脂成形品の製造方法は、可動金型とこれに対向する固定金型とを用いて、取付け孔とその外周縁のリブとを備えた発泡樹脂成形品を製造する方法であって、前記可動金型は、前記固定金型との対向型面に、前記取付け孔を形成するための突部を有し、前記固定金型は、前記可動金型との対向型面に、前記取付け孔の外周縁にリブを形成するための環状溝を有し、前記発泡樹脂成形品の製造工程は、前記固定金型の型面に前記可動金型の突部の先端を当接させた状態で前記可動金型と前記固定金型とを型締めする工程と、前記型締めの工程後に、前記固定金型と前記可動金型それぞれの対向型面で画成されるキャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填することにより、前記取付け孔とその外周縁のリブとを備えた未発泡の半成形品を成形する工程と、前記半成形品の成形後に、前記可動金型を所定ストローク長後退操作することにより、その後退時に前記半成形品における前記リブが前記可動金型に追従することで該リブの先端部が前記環状溝から離れ、かつ、前記可動金型と前記固定金型との間に発泡スペースを形成し、その発泡スペース内で前記未発泡の半成形品を発泡させることにより、前記リブ全体と該リブ直下に位置する前記取付け孔周囲とが未発泡の発砲樹脂材料からなる発泡樹脂成形品を成形する工程と、を含み、前記可動金型の後退操作から前記半成形品の発泡完了までの間において、前記リブが前記可動金型に追従する際に、前記半成形品における前記リブの先端部が前記固定金型の前記環状溝から完全に抜け出ないように前記可動金型の後退操作を調整することにより、その半成形品の発泡時に生じる前記取付け孔の径方向形状変形を防止したことを特徴とする。
前記本発明に係る発泡樹脂成形品の製造方法において、前記可動金型の対向型面と前記突部の外周面とには微細凹凸が形成され、かつ、この微細凹凸が前記半成形品の表面とその前記取付け孔の内壁面とに転写されることにより、前記半成形品の表面とその前記取付け孔の内壁面には転写微細凹凸が形成されており、前記突部外周面の微細凹凸と前記取付け孔内壁面の転写微細凹凸とが相互に噛み合っていることにより、前記可動金型の所定ストローク長後退時に、前記未発泡の半成形品が前記可動金型に追従するようにしたり、また、前記半成形品表面の前記転写微細凹凸と前記可動金型対向型面の前記微細凹凸とが相互に噛み合っていることにより、前記半成形品の発泡時に生じる前記取付け孔の径方向形状変形が防止されるようにしてもよい。
本発明に係る発泡樹脂成形品の製造方法にあっては、可動金型の所定ストローク長後退操作から半成形品の発泡完了までの間、半成形品の段階で形成されたリブの先端部が固定金型の環状溝から完全に抜け出ないことにより、半成形品の発泡時に生じる取付け孔の径方向形状変形を防止したため、寸法、形状、形成位置の精度が良い取付け孔を備えた発泡樹脂成形品を得ることができる。
発明に係る発泡樹脂成形品の製造方法を採用して製造した発泡樹脂成形品は、その製造過程において、可動金型の所定ストローク長後退操作から半成形品の発泡完了までの間は、前述の通り、取付け孔の径方向形状変形が防止されることから、製造された発泡樹脂成形品の取付け孔の寸法、形状、形成位置の精度は良い。従って発泡樹脂成形品とこれとは別に製造された樹脂成形品とを接合する手段として、樹脂成形品の裏面に立設してあるボスを発泡樹脂成形品の取付け孔に挿入した後、リブ付近でボスの締結操作を行ったときに、発泡樹脂成形品と樹脂成形品との締結位置が安定し、発泡樹脂成形品と樹脂成形品の組付け精度が良くなるという作用効果が得られる。
図1(a)は、発泡樹脂成形品の接合構造(ボスの締結操作を行う前の状態)の断面図、図1(b)及び(c)はそれぞれ、図1(a)の接合構造においてボスの締結操作を行った後の断面図である。 図2は、本発明に係る発泡樹脂成形品の製造方法において使用する金型の構成概要図である。 図3は、本発明に係る発泡樹脂成形品の製造方法の工程概要図であり、特に同図(a)は充填工程(キャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填することによって未発泡の半成形品を成形した状態)、同図(b)は発泡工程(可動金型を所定ストローク長後退操作することによって確保した発泡スペース内で未発泡の半成形品が発泡した状態)、同図(c)は発泡完了後の状態をそれぞれ示したものである。 図4は、車輌用内装部品であるラゲージサイドトリムの正面図である。 図5(a)は、取付け孔を備えた発泡樹脂成形品を製造する場合に使用する従来の金型(可動金型と固定金型)の断面図、同図(b)は、同図(a)の従来の金型を使用して成形された未発泡の半成形品の断面図、同図(c)は、従来の金型を使用して成形された発泡樹脂成形品(同図(a)の可動金型を所定ストローク長後退操作することによって確保した発泡スペース内で同図(b)の未発泡の半成形品が発泡したもの)の断面図である。 図6(a)(b)は、図5(a)の従来の金型で製造した発泡樹脂成形品(取付け孔を備えたもの)をこれとは別に製造された樹脂成形品に取付け接合するときの接合位置ずれの説明図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
図1(a)は、発泡樹脂成形品の接合構造(ボスの締結操作を行う前の状態)の断面図、同図(b)及び(c)はそれぞれ、図1(a)の接合構造においてボスの締結操作を行った後の断面図である。
図1(a)の接合構造は、取付け孔4を備えた発泡樹脂成形品1を、これとは別に製造された樹脂成形品2に取付け接合する構造であり、その取付け孔4の外周縁にはリブ3が設けられている。このリブ3は、発泡樹脂成形品1の成形に用いられる後述の固定金型D1と可動金型D2(図2参照)のうち、固定金型D1によって成形された発泡樹脂成形品1の成形面1A側に設けられている。
そして、発泡樹脂成形品1と樹脂成形品2との接合は、図1(a)のように樹脂成形品2の裏面に立設してあるボス5を発泡樹脂成形品1の取付け孔4に挿入後、図1(b)若しくは図1(c)のように取付け孔4外周縁のリブ3付近でボス5の締結操作を行うものである。
図1(b)は、ボス5全体を熱溶融可能な樹脂で形成し、かつ、ボス5の先端のみに対して熱溶融によるカシメ加工を施した例を示している。図1(c)は、同様にボス5全体を熱溶融可能な樹脂で形成し、かつ、ボス5の先端とリブ3の先端に対して熱溶融によるカシメ加工を施した例を示しているが、これらの例に限定されることはない。ボス5の締結操作の他の例としては、例えば、ボス5の先端外周面にネジ溝を形成し、そのネジ溝にナットを嵌合させる方式を採用してもよい。
図1(c)の例では、リブ3の先端も一緒に熱溶融させることによりカシメ加工による熱溶融部の容積が大となるから、図1(b)の例に比べて、発泡樹脂成形品1と樹脂成形品2とをしっかり固定することができる。
前記発泡樹脂成形品1において、リブ3以外の部分は、発泡層11と未発泡のスキン層12との二層構造からなり、スキン層12が発泡層11全体を覆う形態になっている。発泡層11は、発泡樹脂成形品1の製造過程で発泡樹脂材料が発泡したものである。スキン層12は、発泡樹脂成形品1の製造過程で前記発泡性樹脂材料が金型(固定金型D1、可動金型D2)との接触で冷やされて発泡前に硬化したものである。発泡樹脂成形品1のリブ3は、それ全体が未発泡の発泡樹脂材料で成形された形態になっている。
図1(a)から(c)において図示は省略しているが、前記発泡樹脂成形品1の表裏両面のうち後述の固定金型D1によって成形された成形面1Aと、取付け孔4の内壁面とには、微細凹凸(図3(a)の転写微細凹凸53B、54Bに相当するもの)が設けられている。
図2は、本発明に係る発泡樹脂成形品の製造方法において使用する金型の構成概要図であり、図3は、本発明に係る発泡樹脂成形品の製造方法の工程概要図である。先に説明した図1(a)の発泡樹脂成形品1は、図2の金型(固定金型D1、可動金型D2)と図3の製造方法を用いて製造したものである。
《図2の金型の構成説明》
図2の金型Dは、固定金型D1、可動金型D2、および射出機(図示省略)から大略構成されている。
固定金型D1は、前記射出機から供給される発泡樹脂材料の樹脂通路となるホットランナ、バルブゲートを通じて、型面に発泡樹脂材料が供給されるように構成してある。またこの固定金型D1には完成品の発泡樹脂成形品1(図1(a)参照)を突出すためのエジェクタピン(図示省略)が内装されている。
可動金型D2は、図示しないプレスラムの動作により、図2のような型開き位置、図3(b)のような型締め位置、図3(c)のような発泡成形位置の3つのポジションをとるように駆動される。
また、前記可動金型D2は、固定金型D1との対向型面(固定金型D1と対向している型面)に、発泡樹脂成形品1の取付け孔4(図1(a)参照)を形成するための円筒状の突部50を有している。
一方、前記固定金型D1は、可動金型D2との対向型面(可動金型D2と対向している型面)に、前記突部50の先端を収容するための凹部51と、前記発泡樹脂成形品1の取付け孔4の外周縁にリブ3(図1(a)参照)を形成するための環状溝52と、を備えている。この環状溝52は凹部51を囲む形状になっている。なお、前記凹部51は省略することもできる。
さらに、前記固定金型D1の対向型面と前記突部50の外周面とには、それぞれシボ加工による微細凹凸53A、54Aが形成されている。
《図2の金型を用いた発泡樹脂成形品の製造方法の説明》
図2の金型を用いた発泡樹脂成形品の製造方法は、図3(a)の充填工程と、その次工程である図3(b)の発泡工程とに大別される。
図3(a)の充填工程においては、同図(a)のように、可動金型D2の突部50の先端を固定金型D1の型面に当接させた状態、具体的には、固定金型D1の凹部51(図2参照)に可動金型D2の突部50の先端を収容した状態で可動金型D2と固定金型D1とを型締めし、両金型D1、D2それぞれの対向型面で画成されるキャビティC内に発泡樹脂材料を射出充填Mすることにより、取付け孔4とその外周縁のリブ3とを備えた未発泡の半成形品10を成形する。
このとき、半成形品10の表裏面は、固定金型D1や可動金型D2との接触で冷えて硬化することにより、未発泡のスキン層12になる。リブ3の表面付近も、同様に未発泡のスキン層12になる。スキン層12の内側は、未発泡の発泡樹脂材料M(キャビティC内に射出充填されたもの)である。
なお、前記凹部51は前述の通り省略することもでき、省略した場合、前記固定金型D1と可動金型D2との型締めは、可動金型D2の突部50の先端を固定金型D1の型面に当接させた状態で行われる。また、この型締は、図示しないプレスラムにより、可動金型D2を図2の位置から図3(a)の型締め位置まで移動させることにより行われる。キャビティC内への発泡樹脂材料の射出充填は、図示しないホットランナ、バルブゲートを通じて行われる。
また、図3(a)の充填工程では、固定金型D1の対向型面と突部50の外周面とに形成してある微細凹凸53A、54A(図2参照)が前記半成形品10の表面とその取付け孔4の内壁面とに転写されることにより、半成形品10の表面とその取付け孔4の内壁面には、図3(a)のような転写微細凹凸53B、54Bが形成される。
図3(b)の発泡工程では、同図(b)のように可動金型D2を所定ストローク長L後退操作することにより、可動金型D2と固定金型D1との間に発泡スペースを形成し、かつ、形成した発泡スペース内で前記未発泡の半成形品10を発泡させることにより、取付け孔4とその外周縁のリブ3とを備えた発泡樹脂成形品1が得られる。
ところで、この図3(b)の発泡工程でも、半成形品10の発泡中に、突部50から離れる方向の力(図5(c)参照)が突部50周囲で発泡中の発泡樹脂材料に働くことにより、取付け孔4の径方向形状変形が生じようとする。
しかしながら、同図(b)の発泡工程では、可動金型D2の所定ストローク長L後退操作から半成形品10の発泡完了までの間、半成形品10の段階で形成された前記リブ3の先端部が固定金型D1の環状溝52から完全に抜け出ないことにより、当該リブ3が形状変形の抑制ストッパとして機能することから、発泡時に生じる前記取付け孔4の径方向形状変形は防止される。
また、可動金型D2の所定ストローク長L後退操作時、及び未発泡の半成形品10の発泡時に、突部50外周面の微細凹凸54A(図2参照)と取付け孔4内壁面の転写微細凹凸(図3(a)参照)とは、相互に噛み合っている。これにより、未発泡の半成形品10は、図3(b)のように可動金型D2に密着し、可動金型D2の後退に追従するようになるので、取付け孔4縁部の形状が安定し、取付け孔4縁部のいわゆる形状ダレは抑制される。
前記のような可動金型D2に対する半成形品10の密着性を高めるため、前記のような相互噛み合部(突部50外周面の微細凹凸54Aと取付け孔4内壁面の転写微細凹凸とが相互にかみ合っている部分)は、図3(a)に示す取付け孔4の深さNの1/3以上に設定することが好ましい。
さらに、可動金型D2の所定ストローク長L後退操作時、及び未発泡の半成形品10の発泡時に、可動金型D1対向型面の微細凹凸53A(図2参照)と半成形品10表面の転写微細凹凸53B(図3(a)参照)とは、相互に噛み合っている。このような噛み合い部も、先に説明したリブ3と同様に、形状変形を抑制するストッパとして機能することから、半成形品10の発泡時に生じる前記取付け孔4の径方向形状変形はより一層効果的に防止される。
図3(a)の半成形品10表面のスキン層12は、同図(b)の発泡工程で成長し、成形完了時には図3(c)のように多少厚くなる。また、図3(a)の半成形品10のリブ3のスキン層12もまた、同図(b)の発泡工程で成長し、成形完了時には図3(c)のようにその表面のスキン層12がリブ3全体に亘って成長することで、当該リブ3全体が未発泡の発泡樹脂材料で成形された形態になる。
以上説明したように、本実施形態の発泡樹脂成形品の製造方法によると、可動金型D2の所定ストローク長L後退操作から半成形品10の発泡完了までの間、半成形品10の段階で形成されたリブ3の先端部が固定金型D1の環状溝52から完全に抜け出ないことにより、半成形品10の発泡時に生じる取付け孔4の径方向形状変形が防止されるから、寸法、形状、形成位置の精度が良い取付け孔4を備えた発泡樹脂成形品1を得ることができる。
また、以上の製造方法によって得られた図1の発泡樹脂成形品1はその取付け孔4の寸法、形状、形成位置の精度が良いことから、図1のような接合構造、すなわち、そのような取付け孔4を備えた発泡樹脂成形品1を、これとは別に製造された樹脂成形品2に取付け接合する構造によると、樹脂成形品2の裏面に立設してあるボス5を前記発泡樹脂成形品1の取付け孔4に挿入した後、リブ3付近でボス5の締結操作を行ったときに、発泡樹脂成形品1と樹脂成形品2との締結位置が安定し、発泡樹脂成形品1と樹脂成形品2の組付け精度が向上する。
以上説明した発泡樹脂成形品の製造方法や、その発泡樹脂成形品の接合構造は、例えば図4に示すラゲージサイドトリムのトリムアッパーT1を製造する方法や、トリムアッパーT1をトリムロアT2に接合する構造として採用することができるが、これらに限定されることはない。
また、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により多くの変形が可能である。
1 発泡樹脂成形品
10 未発泡の半成形品
1A 固定金型によって成形された発泡樹脂成形品の成形面
2 樹脂成形品
3 リブ
4 取付け孔
5 ボス
50 突部
51 凹部
52 環状溝
53A、54A 微細凹凸
53B、54B 転写微細凹凸
D1 固定金型
D2 可動金型
T1 トリムアッパー
T2 トリムロア

Claims (2)

  1. 可動金型(D2)とこれに対向する固定金型(D1)とを用いて、取付け孔(4)とその外周縁のリブ(3)とを備えた発泡樹脂成形品(1)を製造する方法であって、
    前記可動金型(D2)は、前記固定金型(D1)との対向型面に、前記取付け孔(4)を形成するための突部(50)を有し、
    前記固定金型(D1)は、前記可動金型(D2)との対向型面に、前記取付け孔(4)の外周縁にリブ(3)を形成するための環状溝(52)を有し、
    前記発泡樹脂成形品(1)の製造工程は、
    前記固定金型(D1)の型面に前記可動金型(D2)の突部(50)の先端を当接させた状態で前記可動金型(D2)と前記固定金型(D1)とを型締めする工程と、
    前記型締めの工程後に、前記固定金型(D1)と前記可動金型(D2)それぞれの対向型面で画成されるキャビティ(C)内に発泡樹脂材料を射出充填することにより、前記取付け孔(4)とその外周縁のリブ(3)とを備えた未発泡の半成形品(10)を成形する工程と、
    前記半成形品(10)の成形後に、前記可動金型(D2)を所定ストローク長(L)後退操作することにより、その後退時に前記半成形品(10)における前記リブ(3)が前記可動金型に追従することで該リブ(3)の先端部が前記環状溝(52)から離れ、かつ、前記可動金型(D2)と前記固定金型(D1)との間に発泡スペースを形成し、その発泡スペース内で前記未発泡の半成形品(10)を発泡させることにより、前記リブ(3)全体と該リブ(3)直下に位置する前記取付け孔(4)周囲とが未発泡の発砲樹脂材料からなる発泡樹脂成形品(1)を成形する工程と、を含み、
    前記可動金型(D2)の後退操作から前記半成形品(10)の発泡完了までの間において、前記リブ(3)が前記可動金型に追従する際に、前記半成形品(10)における前記リブ(3)の先端部が前記固定金型(D1)の前記環状溝(52)から完全に抜け出ないように前記可動金型(D2)の後退操作を調整することにより、その半成形品(10)の発泡時に生じる前記取付け孔(4)の径方向形状変形を防止したこと
    を特徴とする発泡樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記可動金型(D2)の対向型面と前記突部(50)の外周面とには微細凹凸(53A、54A)が形成され、かつ、この微細凹凸(53A、54A)が前記半成形品(10)の表面とその前記取付け孔(4)の内壁面とに転写されることにより、前記半成形品(10)の表面とその前記取付け孔(4)の内壁面には転写微細凹凸(53B、54B)が形成されており、
    前記突部(50)外周面の微細凹凸(54A)と前記取付け孔(4)内壁面の転写微細凹凸(54B)とが相互に噛み合っていることにより、前記可動金型(D2)の所定ストローク長(L)後退時に、前記未発泡の半成形品(10)が前記可動金型(D2)に追従するようにしたこと、及び、前記半成形品(10)表面の前記転写微細凹凸(53B)と前記可動金型(D2)対向型面の前記微細凹凸(53A)とが相互に噛み合っていることにより、前記半成形品(10)の発泡時に生じる前記取付け孔(4)の径方向形状変形が防止されるようにしたこと
    を特徴とする請求項1に記載の発泡樹脂成形品の製造方法。
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