JP7137975B2 - 自動車用部材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡樹脂成形体で構成される自動車用部材及びその製造方法に関する。
従来、自動車用部材として、発泡樹脂成形体で構成される部材が知られている。斯様な自動車用部材として、例えば特許文献1、2には、複数の空隙が形成されている発泡部が非発泡のスキン層で覆われている発泡樹脂成形体で構成されるサイドフェンダやフロントピラー外装板が開示されている。
特開2010-221865号公報 特開2010-221866号公報
ところで、発泡樹脂成形体で構成される自動車用部材は、コアバック射出発泡成形による成形品とすると高い剛性を得られると共に軽量化することができて好ましい。しかしながら、例えば図13、図14に示すように、コアバック射出発泡成形工程により、固定型101と可動型102との間に設けられるキャビティ103に発泡性溶融樹脂104を充填し、可動型102を移動して発泡性溶融樹脂104を発泡させ、発泡樹脂成形体105を形成すると、発泡樹脂成形体105の端末に外方に略山形状で突き出した耳部106が形成されてしまう。
このような略山形状の耳部106が形成されると、自動車用部材の意匠性が低下してしまうと共に、自動車用部材をボディに固着する場合に端末の耳部106での固着ができなくなり、端末が浮いた状態になって十分な固着強度を得ることが困難となる。そのため、意匠性に優れ、十分な固着領域と固着強度を確保することができる発泡樹脂成形体で構成される自動車用部材が求められている。
本発明は上記課題に鑑み提案するものであり、発泡樹脂成形体で構成される自動車用部材において、意匠性に優れ、十分な固着領域と固着強度を確保することができる自動車用部材及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の自動車用部材は、発泡樹脂成形体で構成され、少なくとも外周縁の一部の端末周辺領域の端末近傍位置に車体側の面から内側にへこむ凹溝が前記外周縁に略倣うように形成され、前記端末周辺領域における、前記端末周辺領域の前記凹溝より外側の前記車体側の面を構成する車体に固着される固着面と、前記端末周辺領域の前記凹溝より内側の前記車体側の面を構成する前記車体に固着される固着面の2つの固着面だけが略面一で形成されると共に、前記端末周辺領域の端末が外表面から前記車体側の面の先端の外周縁に至る略弧状で形成され、前記発泡樹脂成形体が発泡部の周囲がスキン部で覆われたコアバック射出発泡成形体であり、前記凹溝より端末寄りの部分が前記発泡部の周囲を前記スキン部で覆われるようにして形成されていることを特徴とする。
これによれば、端末に外方に略山形状で突き出した耳部が形成されることなく、自動車用部材の外周縁の所要部位の端末或いは外周縁の全体の端末を外表面或いは車体と逆側面から車体側の面の先端の外周縁に至る略弧状の形状にすることができ、自動車用部材の意匠性を高めることができる。また、端末周辺領域の凹溝より外側の車体側の面と凹溝より内側の車体側の面とを略面一で形成することにより、凹溝の内外に亘る広い車体側の面を固着面として使用することが可能となる。従って、自動車用部材の十分な固着領域が得られ、自動車用部材の十分な固着強度を確保することが可能となる。また、凹溝の内外に亘る広い車体側の面は緩衝材等の貼付け面として利用することも可能であり、緩衝材等も十分な固着領域、固着強度で貼付けることができる。また、略弧状の端末近辺の車体側の面も固着領域として使用することが可能であるから、端末が浮いた状態になることも防止できる。また、端末近傍位置に凹溝が形成される形状により、略弧状の端末を有し、端末周辺領域の車体側の面が全体として広い略面一の形状となる自動車用部材の製造、加工を容易化することができる。また、自動車用部材の剛性を高めることができると共に、大幅な軽量化を図ることができる。また、発泡部の周囲がスキン部で覆われた構造により、自動車用部材の意匠性を一層高めることができる。また、コアバック射出発泡成形体とすることにより、発泡構造の制御が容易となり、より部材種別に適した発泡樹脂成形体の自動車用部材を容易に得ることができる。また、凹溝より端末寄りの部分が発泡部を有することにより、凹溝より端末寄りの部分の大きさを増加させ、凹溝より外側の車体側の面の面積を増加させることができ、凹溝の内外に亘る広い車体側の面の固着面としての使用を一層確実なものとすることができる。
本発明の自動車用部材は、発泡樹脂成形体で構成され、少なくとも外周縁の一部の端末周辺領域の端末近傍位置に車体側の面から内側にへこむ凹溝が前記外周縁に略倣うように形成され、前記端末周辺領域における、前記端末周辺領域の前記凹溝より外側の前記車体側の面を構成する両面テープが貼り付けられる固着面と、前記端末周辺領域の前記凹溝より内側の前記車体側の面を構成する前記両面テープが貼り付けられる固着面の2つの固着面だけが略面一で形成されると共に、前記端末周辺領域の端末が外表面から前記車体側の面の先端の外周縁に至る略弧状で形成され、前記発泡樹脂成形体が発泡部の周囲がスキン部で覆われたコアバック射出発泡成形体であり、前記凹溝より端末寄りの部分が前記発泡部の周囲を前記スキン部で覆われるようにして形成されていることを特徴とする。
これによれば、端末に外方に略山形状で突き出した耳部が形成されることなく、自動車用部材の外周縁の所要部位の端末或いは外周縁の全体の端末を外表面或いは車体と逆側面から車体側の面の先端の外周縁に至る略弧状の形状にすることができ、自動車用部材の意匠性を高めることができる。また、端末周辺領域の凹溝より外側の車体側の面と凹溝より内側の車体側の面とを略面一で形成することにより、凹溝の内外に亘る広い車体側の面を固着面として使用することが可能となる。従って、自動車用部材の十分な固着領域が得られ、自動車用部材の十分な固着強度を確保することが可能となる。また、凹溝の内外に亘る広い車体側の面は緩衝材等の貼付け面として利用することも可能であり、緩衝材等も十分な固着領域、固着強度で貼付けることができる。また、略弧状の端末近辺の車体側の面も固着領域として使用することが可能であるから、端末が浮いた状態になることも防止できる。また、端末近傍位置に凹溝が形成される形状により、略弧状の端末を有し、端末周辺領域の車体側の面が全体として広い略面一の形状となる自動車用部材の製造、加工を容易化することができる。また、自動車用部材の剛性を高めることができると共に、大幅な軽量化を図ることができる。また、発泡部の周囲がスキン部で覆われた構造により、自動車用部材の意匠性を一層高めることができる。また、コアバック射出発泡成形体とすることにより、発泡構造の制御が容易となり、より部材種別に適した発泡樹脂成形体の自動車用部材を容易に得ることができる。また、凹溝より端末寄りの部分が発泡部を有することにより、凹溝より端末寄りの部分の大きさを増加させ、凹溝より外側の車体側の面の面積を増加させることができ、凹溝の内外に亘る広い車体側の面の固着面としての使用を一層確実なものとすることができる。
本発明の自動車用部材は、発泡樹脂成形体で構成され、少なくとも外周縁の一部の端末周辺領域の端末近傍位置に車体側の面から内側にへこむ凹溝が前記外周縁に略倣うように形成され、前記端末周辺領域における、前記端末周辺領域の前記凹溝より外側の前記車体側の面を構成する緩衝材に固着される固着面と、前記端末周辺領域の前記凹溝より内側の前記車体側の面を構成する前記緩衝材に固着される固着面の2つの固着面だけが略面一で形成されると共に、前記端末周辺領域の端末が外表面から前記車体側の面の先端の外周縁に至る略弧状で形成され、前記発泡樹脂成形体が発泡部の周囲がスキン部で覆われたコアバック射出発泡成形体であり、前記凹溝より端末寄りの部分が前記発泡部の周囲を前記スキン部で覆われるようにして形成されていることを特徴とする。
これによれば、端末に外方に略山形状で突き出した耳部が形成されることなく、自動車用部材の外周縁の所要部位の端末或いは外周縁の全体の端末を外表面或いは車体と逆側面から車体側の面の先端の外周縁に至る略弧状の形状にすることができ、自動車用部材の意匠性を高めることができる。また、端末周辺領域の凹溝より外側の車体側の面と凹溝より内側の車体側の面とを略面一で形成することにより、凹溝の内外に亘る広い車体側の面を固着面として使用することが可能となる。従って、自動車用部材の十分な固着領域が得られ、自動車用部材の十分な固着強度を確保することが可能となる。また、凹溝の内外に亘る広い車体側の面は緩衝材等の貼付け面として利用することも可能であり、緩衝材等も十分な固着領域、固着強度で貼付けることができる。また、略弧状の端末近辺の車体側の面も固着領域として使用することが可能であるから、端末が浮いた状態になることも防止できる。また、端末近傍位置に凹溝が形成される形状により、略弧状の端末を有し、端末周辺領域の車体側の面が全体として広い略面一の形状となる自動車用部材の製造、加工を容易化することができる。また、自動車用部材の剛性を高めることができると共に、大幅な軽量化を図ることができる。また、発泡部の周囲がスキン部で覆われた構造により、自動車用部材の意匠性を一層高めることができる。また、コアバック射出発泡成形体とすることにより、発泡構造の制御が容易となり、より部材種別に適した発泡樹脂成形体の自動車用部材を容易に得ることができる。また、凹溝より端末寄りの部分が発泡部を有することにより、凹溝より端末寄りの部分の大きさを増加させ、凹溝より外側の車体側の面の面積を増加させることができ、凹溝の内外に亘る広い車体側の面の固着面としての使用を一層確実なものとすることができる。
本発明の自動車用部材の製造方法は、本発明の自動車用部材を製造する方法であって、固定型と可動型との間に設けられる断面視略L字形の空洞を有するキャビティに発泡性溶融樹脂を充填する第1工程と、前記可動型を前記固定型から離間するように移動させて前記発泡性溶融樹脂を発泡させ、前記自動車用部材を形成する第2工程を備えることを特徴とする。
これによれば、断面視略L字形の空洞を有するキャビティに発泡性溶融樹脂を充填してコアバック射出発泡成形を行うことにより、所定形状の自動車用部材を容易に得ることができる。
本発明の自動車用部材の製造方法は、前記可動型として第1可動型と第2可動型を有し、前記断面視略L字形の空洞の略L字形外側面を前記固定型で区画し、前記断面視略L字形の空洞の略L字形内側面を前記第1可動型で区画すると共に、前記断面視略L字形の空洞の先端面を前記第2可動型で区画し、前記第1工程において、前記固定型と前記第1可動型と前記第2可動型で囲まれる前記断面視略L字形の空洞に前記発泡性溶融樹脂を充填し、前記第2工程において、少なくとも前記第2可動型を定置させた状態で前記第1可動型を前記固定型から離間するように移動させて前記発泡性溶融樹脂を発泡させ、前記自動車用部材を形成することを特徴とする。
これによれば、第2可動型で発泡性溶融樹脂の先端を押さえながら第1可動型を移動させて発泡することにより、端末周辺領域の凹溝より外側の車体側の面と凹溝より内側の車体側の面が略面一となる自動車用部材を高精度で確実に形成することができる。また、凹溝より端末寄りの部分が発泡部を有する構造を簡単且つ確実に得ることができ、凹溝より外側の車体側の面の固着面として使用可能な領域の面積を確実に増加させることができる。
本発明によれば、発泡樹脂成形体で構成される自動車用部材において、意匠性を高めることができると共に、十分な固着領域と固着強度を確保することができる。
本発明による実施形態の自動車用部材を外側から視た正面図。 実施形態の自動車用部材を内側から視た背面図。 実施形態の自動車用部材を車体に固着した状態の端面図。 実施形態の自動車用部材を製造する固定型と第1可動型及び第2可動型で空洞を区画形成した状態の一部を示す断面説明図。 図4の空洞に発泡性溶融樹脂を充填した状態の一部を示す断面説明図。 図5の状態から第1可動型を固定型から離間するように移動させた状態の一部を示す断面説明図。 図6の状態から第1可動型及び第2可動型を固定型から離間するように移動させた状態の一部を示す断面説明図。 本発明による変形例の自動車用部材を車体に固着した状態の端面図。 変形例の自動車用部材を製造する固定型と可動型で空洞を区画形成した状態の一部を示す断面説明図。 図9の空洞に発泡性溶融樹脂を充填した状態の一部を示す断面説明図。 図10の状態から可動型を固定型から離間するように移動させた状態の一部を示す断面説明図。 図11の状態から可動型を固定型から更に離間するように移動させた状態の一部を示す断面説明図。 従来例の自動車用部材を製造する固定型と可動型で空洞を区画形成し、空洞に発泡性溶融樹脂を充填した状態の一部を示す断面説明図。 図13の状態から可動型を固定型から離間するように移動させた状態の一部を示す断面説明図。
〔実施形態の自動車用部材及びその製造方法〕
本発明による実施形態の自動車用部材10は、図1~図3に示すように、自動車用外装部材である自動車のサイドシルを例とするものであり、発泡樹脂成形体11で構成されている。本実施形態の発泡樹脂成形体11は、発泡部111の周囲がスキン部112で覆われたコアバック射出発泡成形体になっている。
自動車用部材10の外周縁12の一部には、端末周辺領域13の端末近傍位置に車体20側の面から内側にへこむ凹溝14が外周縁12に略倣うように形成されている。尚、凹溝14は、自動車用部材10の外周縁12の所要の一部に略倣うように形成する構成以外に、自動車用部材10の外周縁12の全周に亘って略倣うように形成する構成とすることも可能である。
端末周辺領域13の凹溝14より外側の車体20側の面15nと端末周辺領域13の凹溝14より内側の車体20側の面15mとは略面一で形成されている。また、端末周辺領域13の端末16は、自動車用部材10の外表面17から車体20側の面15nの先端の外周縁12に至る略弧状で形成されている。
そして、本実施形態の自動車用部材10では、凹溝14より内側寄りの部分が発泡部111の周囲をスキン部112で覆われるようにして形成されていると共に、略弧状の端末16に略対応する凹溝14より端末寄りの部分も発泡部111の周囲をスキン部112で覆われるようにして形成されており、面15m、面15nのいずれの外装部材外表面側の部分も発泡部111の周囲をスキン部112で覆われるようにして形成されている。
本実施形態の自動車用部材10は、端末周辺領域13の凹溝14より外側の面15nと内側の面15mの双方を車体20への固着面或いは緩衝材の貼付け面として使用することが可能であり、例えば図3に示すように、面15mと面15nの双方に亘って両面テープ21を貼付け、この両面テープ21を介して車体20に自動車用部材10を貼付けて固着することが可能である。
本実施形態の自動車用部材10を製造する際には、好適には固定型31と、固定型31と対向するように配置される第1可動型32及び第2可動型33を用いるコアバック射出発泡成形を行って製造し、先ず固定型31と第1可動型32及び第2可動型33との間に断面視略L字形の空洞34を設けるようにしてキャビティを形成する。この断面視略L字形の空洞34の略L字形外側面341は固定型31で区画され、断面視略L字形の空洞34の略L字形内側面342は第1可動型32で区画されると共に、断面視略L字形の空洞34の先端面343は第1可動型32と隣接配置される第2可動型33で区画される(図4参照)。
そして、固定型31と第1可動型32及び第2可動型33との間に設けられる断面視略L字形の空洞34を有するキャビティに発泡性溶融樹脂MRを注入、充填して、固定型31と第1可動型32と第2可動型33で囲まれる断面視略L字形の空洞34にも発泡性溶融樹脂MRを充填し、断面視略L字形の形状に発泡性溶融樹脂MRが充填された状態とする(図5参照)。尚、発泡性溶融樹脂MRの材料には、ポリプロピレン系材料、ポリエチレン系材料等の適宜の材料を用いることが可能である。
その後、図6に示すように、第2可動型33を定置させた状態で隣接する第1可動型32を固定型31から離間するように移動させ、圧力開放により発泡性溶融樹脂MRを発泡させ、自動車用部材10を形成する。この際、第2可動型33は定置させた状態で先端面343の位置で発泡性溶融樹脂MRを樹脂接触面331で押さえた状態にしながら発泡性溶融樹脂MRを発泡させる。また、第1可動型32の少なくとも第2可動型33との隣接箇所の周辺の樹脂接触面321が、第2可動型33の樹脂接触面331と略面一となる位置まで後退、移動させて、この位置で第1可動型32を静止し、発泡性溶融樹脂MRを発泡させ、凹溝14が形成され且つ発泡部111がスキン部112で覆われた自動車用部材10を形成する。
発泡性溶融樹脂MRの発泡が完了して自動車用部材10が形成された後には、図7に示すように、第1可動型32と第2可動型33の双方を固定型31から離間するように移動させて金型を開き、成形された自動車用部材10を取り出して自動車用部材10が得られる。
本実施形態によれば、端末に外方に略山形状で突き出した耳部が形成されることなく、自動車用部材10の外周縁12の所要部位の端末16或いは外周縁12の全体の端末を外表面17或いは車体と逆側面から車体側の面15nの先端の外周縁12に至る略弧状の形状にすることができ、自動車用部材10の意匠性を高めることができる。また、端末周辺領域13の凹溝14より外側の車体側の面15nと凹溝14より内側の車体側の面15mとを略面一で形成することにより、凹溝14の内外に亘る広い車体側の面15m、15nを固着面として使用することが可能となる。従って、自動車用部材10の十分な固着領域が得られ、自動車用部材10の十分な固着強度を確保することが可能となる。また、凹溝14の内外に亘る広い車体側の面15m、15nは緩衝材等の貼付け面として利用することも可能であり、緩衝材等も十分な固着領域、固着強度で貼付けることができる。また、略弧状の端末近辺の車体側の面15nも固着領域として使用することが可能であるから、端末16が浮いた状態になることも防止できる。また、端末近傍位置に凹溝14が形成される形状により、略弧状の端末16を有し、端末周辺領域13の車体側の面15m、15nが全体として広い略面一の形状となる自動車用部材10の製造、加工を容易化することができる。
また、発泡樹脂成形体11を発泡部111の周囲がスキン部112で覆われたコアバック射出発泡成形体とすることにより、自動車用部材10の剛性を高めることができると共に、大幅な軽量化を図ることができる。また、発泡部111の周囲がスキン部112で覆われた構造により、自動車用部材10の意匠性を一層高めることができる。また、コアバック射出発泡成形体とすることにより、発泡構造の制御が容易となり、より部材種別に適した発泡樹脂成形体11の自動車用部材10を容易に得ることができる。
また、凹溝14より端末寄りの部分が発泡部111を有する構成により、凹溝14より端末寄りの部分の大きさを増加させ、凹溝14より外側の車体側の面15nの面積を増加させることができ、凹溝14の内外に亘る広い車体側の面15m、15nの固着面としての使用を一層確実なものとすることができる。
また、断面視略L字形の空洞34を有するキャビティに発泡性溶融樹脂MRを充填してコアバック射出発泡成形で自動車用部材10を製造することにより、所定形状の自動車用部材10を容易に得ることができる。また、第2可動型33で発泡性溶融樹脂MRの先端を押さえながら第1可動型32を移動させて発泡することにより、端末周辺領域13の凹溝14より外側の車体側の面15nと凹溝より内側の車体側の面15mが略面一となる自動車用部材10を高精度で確実に形成することができる。更に、凹溝14より端末寄りの部分が発泡部111を有する構造を簡単且つ確実に得ることができ、凹溝14より外側の車体側の面15nの固着面として使用可能な領域の面積を確実に増加させることができる。
〔本明細書開示発明の包含範囲〕
本明細書開示の発明は、発明として列記した各発明、実施形態及びその変形例の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な内容を本明細書開示の他の内容に変更して特定したもの、或いはこれらの内容に本明細書開示の他の内容を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な内容を部分的な作用効果が得られる限度で削除して上位概念化して特定したものを包含する。そして、本明細書開示の発明には下記変形例や追記した内容も含まれる。
例えば上記実施形態の自動車用部材10は、凹溝14より端末寄りの部分が発泡部111の周囲をスキン部112で覆われるようにして形成されたものとしたが、本発明の自動車用部材には、図8の変形例の自動車用部材10aのように、凹溝14より端末寄りの部分が全体として未発泡でスキン部112になっている構造、換言すれば略弧状の端末16aの内側に略対応する部分がスキン部112になっているものも含まれる。
図8の変形例の自動車用部材10aでは、凹溝14より端末寄りの部分が全体として未発泡でスキン部112で大きさが上記実施形態における当該部分よりも小さくなっており、端末周辺領域13の凹溝14より外側の車体20側の面15nの面積が上記実施形態における当該面積よりも小さくなっている。変形例の自動車用部材10aのその他の基本的な構成は実施形態の自動車用部材10と同様である。
変形例の自動車用部材10aを製造する際には、例えば固定型35と、固定型35と対向するように配置される可動型36を用いるコアバック射出発泡成形を行って製造し、固定型35と可動型36との間に断面視略L字形の空洞37を設けるようにしてキャビティを形成する。この断面視略L字形の空洞37の略L字形外側面371は固定型35で区画され、断面視略L字形の空洞37の略L字形内側面372と先端面373は可動型36で区画される(図9参照)。尚、断面視略L字形の空洞37の先端面373近傍の先端は、上記略弧状の端末16aの内側に略対応する部分のスキン部112を形成するために、上記実施形態における空洞34の当該箇所よりも厚みが小さくなっている。
そして、固定型35と可動型36との間に設けられる断面視略L字形の空洞37を有するキャビティに発泡性溶融樹脂MRを注入、充填して、固定型35と可動型36で囲まれる断面視略L字形の空洞37にも発泡性溶融樹脂MRを充填し、断面視略L字形の形状に発泡性溶融樹脂MRが充填された状態とする(図10参照)。尚、変形例の発泡性溶融樹脂MRの材料にも、ポリプロピレン系材料、ポリエチレン系材料等の適宜の材料を用いることが可能である。
その後、図11に示すように、可動型36を固定型35から離間するように移動させ、圧力開放により発泡性溶融樹脂MRを発泡させ、凹溝14が形成され且つ発泡部111がスキン部112で覆われた自動車用部材10aを形成する。この際、上記略弧状の端末16aの内側に略対応する部分にはスキン部112が形成される。
発泡性溶融樹脂MRの発泡が完了して自動車用部材10aが形成された後には、図12に示すように、可動型36を固定型35から更に離間するように移動させて金型を開き、成形された自動車用部材10aを取り出して自動車用部材10aが得られる。尚、自動車用部材10aにも自動車用部材10と同様の変更構成を用いることが可能である。
変形例の自動車用部材10aでは、凹溝14より端末寄りの部分の大きさが上記実施形態の自動車用部材10よりも小さくなり、凹溝14より外側の車体側の面15nの面積が減少し、車体20への固着面や緩衝材の貼付け面として利用できる面積は低下するものの、その他の実施形態の自動車用部材10やその製造方法と対応する構成から対応する効果を得ることができる。
また、上記実施形態の自動車用部材10や変形例の自動車用部材10aは、サイドシル以外の発泡樹脂成形体で構成される適宜の自動車用外装部材に用いることが可能であり、例えばフェンダー、フロントグリル、テールゲートドア等とすることができる。また、本発明の自動車用部材は、自動車用外装部材として用いると好適であるが、自動車用内装部材として用いることも可能であり、本発明の自動車用部材には、外装部材や内装部材等の適宜の自動車用の部材が包含される。
本発明は、例えばサイドシル、フェンダー、フロントグリル、テールゲートドアなどの発泡樹脂成形体で構成される各種の自動車用部材に利用することができる。
10、10a…自動車用部材 11…発泡樹脂成形体 111…発泡部 112…スキン部 12…外周縁 13…端末周辺領域 14…凹溝 15m、15n…端末周辺領域の面 16、16a…端末 17…外表面 20…車体 21…両面テープ 31…固定型 32…第1可動型 321…樹脂接触面 33…第2可動型 331…樹脂接触面 34…断面視略L字形の空洞 341…略L字形外側面 342…略L字形内側面 343…先端面 35…固定型 36…可動型 37…断面視略L字形の空洞 371…略L字形外側面 372…略L字形内側面 373…先端面 MR…発泡性溶融樹脂 101…固定型 102…可動型 103…キャビティ 104…発泡性溶融樹脂 105…発泡樹脂成形体 106…耳部

Claims (5)

  1. 発泡樹脂成形体で構成され、
    少なくとも外周縁の一部の端末周辺領域の端末近傍位置に車体側の面から内側にへこむ凹溝が前記外周縁に略倣うように形成され、
    前記端末周辺領域における、前記端末周辺領域の前記凹溝より外側の前記車体側の面を構成する車体に固着される固着面と、前記端末周辺領域の前記凹溝より内側の前記車体側の面を構成する前記車体に固着される固着面の2つの固着面だけが略面一で形成されると共に、
    前記端末周辺領域の端末が外表面から前記車体側の面の先端の外周縁に至る略弧状で形成され
    前記発泡樹脂成形体が発泡部の周囲がスキン部で覆われたコアバック射出発泡成形体であり、
    前記凹溝より端末寄りの部分が前記発泡部の周囲を前記スキン部で覆われるようにして形成されていることを特徴とする自動車用部材。
  2. 発泡樹脂成形体で構成され、
    少なくとも外周縁の一部の端末周辺領域の端末近傍位置に車体側の面から内側にへこむ凹溝が前記外周縁に略倣うように形成され、
    前記端末周辺領域における、前記端末周辺領域の前記凹溝より外側の前記車体側の面を構成する両面テープが貼り付けられる固着面と、前記端末周辺領域の前記凹溝より内側の前記車体側の面を構成する前記両面テープが貼り付けられる固着面の2つの固着面だけが略面一で形成されると共に、
    前記端末周辺領域の端末が外表面から前記車体側の面の先端の外周縁に至る略弧状で形成され、
    前記発泡樹脂成形体が発泡部の周囲がスキン部で覆われたコアバック射出発泡成形体であり、
    前記凹溝より端末寄りの部分が前記発泡部の周囲を前記スキン部で覆われるようにして形成されていることを特徴とする自動車用部材。
  3. 発泡樹脂成形体で構成され、
    少なくとも外周縁の一部の端末周辺領域の端末近傍位置に車体側の面から内側にへこむ凹溝が前記外周縁に略倣うように形成され、
    前記端末周辺領域における、前記端末周辺領域の前記凹溝より外側の前記車体側の面を構成する緩衝材に固着される固着面と、前記端末周辺領域の前記凹溝より内側の前記車体側の面を構成する前記緩衝材に固着される固着面の2つの固着面だけが略面一で形成されると共に、
    前記端末周辺領域の端末が外表面から前記車体側の面の先端の外周縁に至る略弧状で形成され、
    前記発泡樹脂成形体が発泡部の周囲がスキン部で覆われたコアバック射出発泡成形体であり、
    前記凹溝より端末寄りの部分が前記発泡部の周囲を前記スキン部で覆われるようにして形成されていることを特徴とする自動車用部材。
  4. 請求項1~3の何れかに記載の自動車用部材の製造方法であって、
    固定型と可動型との間に設けられる断面視略L字形の空洞を有するキャビティに発泡性溶融樹脂を充填する第1工程と、
    前記可動型を前記固定型から離間するように移動させて前記発泡性溶融樹脂を発泡させ、前記自動車用部材を形成する第2工程
    を備えることを特徴とする自動車用部材の製造方法。
  5. 前記可動型として第1可動型と第2可動型を有し、
    前記断面視略L字形の空洞の略L字形外側面を前記固定型で区画し、前記断面視略L字形の空洞の略L字形内側面を前記第1可動型で区画すると共に、前記断面視略L字形の空洞の先端面を前記第2可動型で区画し、
    前記第1工程において、前記固定型と前記第1可動型と前記第2可動型で囲まれる前記断面視略L字形の空洞に前記発泡性溶融樹脂を充填し、
    前記第2工程において、少なくとも前記第2可動型を定置させた状態で前記第1可動型を前記固定型から離間するように移動させて前記発泡性溶融樹脂を発泡させ、前記自動車用部材を形成する
    ことを特徴とする請求項4記載の自動車用部材の製造方法。
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