JP5688572B2 - 電流センサ - Google Patents

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Description

本発明は、非接触で電流を測定する電流センサに関する。
電気自動車やハイブリッドカーにおけるモータ駆動技術などの分野では比較的大きな電流が取り扱われるため、大電流を非接触で測定可能な電流センサが求められている。そして、このような電流センサとして、被測定電流によって生じる磁界の変化を磁気センサによって検出する方式のものが実用化されている。例えば、特許文献1には、磁気センサ用の素子として磁気抵抗効果素子を用いた電流センサが開示されている。
上述した磁界変化を検出する方式の電流センサにおいて、被測定電流が通流する導電体に近接して配置された導電体に電流が通流する場合、当該導電体を通流する電流による磁界の影響を受けて電流測定精度が低下することがある。この問題を解決するために、n個の導電体のそれぞれに対して2個の磁気センサが隣接するようにn+1個の磁気センサを配置した電流センサが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この構成によれば、近接する電流の影響を補正できるため、電流測定精度の低下を防ぐことができる。
特開2002−156390号公報 特表2004−507747号公報
ところで、磁気抵抗効果素子をはじめとする磁気センサ用の素子には、プロセスばらつきなどに起因する特性ばらつきが存在する。例えば、複数の磁気抵抗効果素子の電圧降下を利用する磁気センサにおいて、各磁気抵抗効果素子の特性ばらつきの影響はゼロ磁場における磁気センサ出力(以下、オフセットと呼ぶ)となって現れる。オフセットは温度によって変化するが、電流センサ内における磁気センサの位置(例えば、熱のこもりやすい内側と、外気温の影響を受けやすい外側など)によって磁気センサの温度が異なる場合、各磁気センサのオフセットが異なるため、このような磁気センサを用いると電流センサの電流測定精度が低下する。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、磁気センサ出力のオフセットの影響による電流測定精度の低下を抑制可能な電流センサを提供することを目的とする。
本発明の電流センサは、対象の電流線を挟むように配置された一組の磁気センサと、当該一組の磁気センサが配置される基板と、をそれぞれ含んで構成された複数の電流線に対応する複数の電流センサユニットと、各電流センサユニットにおける前記一組の磁気センサの出力の差を算出し、各電流センサユニットの出力から隣接する電流線の影響を除去して被測定電流の電流値を算出する演算装置と、を備え、前記電流センサユニットに含まれる一組の磁気センサは、その温度が略等しくなるように各磁気センサの接地端子及び基板に設けられた接地電極により互いに接続されていることを特徴とする。
この構成によれば、電流線を挟むように配置された一組の磁気センサにおいて、接地端子同士が接続されているため、磁気センサの温度が略等しくなり、温度に依存して変動する磁気センサ出力のオフセットがほぼ等しくなる。オフセットがほぼ等しいので、2つの磁気センサの出力差を演算すれば、オフセットが相殺され、その影響を低減することができる。また、複数の電流線に対応する電流センサユニットの出力を用いているため、被測定電流が通流する電流線以外の電流線を通流する電流の影響を低減することができる。
本発明の電流センサにおいて、前記電流センサユニットに含まれる一組の磁気センサは、オフセット変化の温度特性が等しいことが特に好ましい。オフセットの大きさは、基準温度(例えば25℃)でのオフセットの大きさと、温度による変化に分けて考えることができる。基準温度でのオフセットの大きさは、一組の磁気センサで若干異なっていても演算で影響を取り除くことができる。一方、温度による変化量は、一組の磁気センサで異なっていれば、その差が誤差となり取り除くことは不可能である。よって、オフセット変化の温度特性を略等しくすることによって、誤差を最小にできる。
本発明の電流センサにおいて、前記電流センサユニットに含まれる一組の磁気センサは、前記電流線を通流する電流の影響が前記一組の磁気センサの出力において逆極性で現れるように感度軸を同一方向に向けて配置されることが好ましい。この構成によれば、磁気センサの出力の差を取ることでオフセットの影響を十分に低減することができる。
本発明の電流センサにおいて、被測定電流が通流する第1の電流線を挟むように配置された第1の磁気センサ及び第2の磁気センサを含む第1の電流センサユニットと、前記被測定電流とは異なる電流が通流する第2の電流線を挟むように配置された第3の磁気センサ及び第4の磁気センサを含む第2の電流センサユニットと、を備えても良い。
本発明の電流センサにおいて、第1の電流センサユニットの前記第1の電流線を通流する電流に関する感度係数X11、第2の電流センサユニットの前記第2の電流線を通流する電流に関する感度係数X22、第1の電流センサユニットの前記第2の電流線を通流する電流に関する感度係数X12、第2の電流センサユニットの前記第1の電流線を通流する電流に関する感度係数X21、前記第1の磁気センサの出力と前記第2の磁気センサの出力との差ΔV、及び前記第3の磁気センサの出力と前記第4の磁気センサの出力との差ΔVを用いて表される下記式(7)から前記第1の電流線を通流する前記被測定電流の電流値Iを算出することができる。
Figure 0005688572
本発明の電流センサにおいて、被測定電流が通流する第1の電流線を挟むように配置された第1の磁気センサ及び第2の磁気センサを含む第1の電流センサユニットと、前記被測定電流とは異なる第2の電流が通流する第2の電流線を挟むように配置された第3の磁気センサ及び第4の磁気センサを含む第2の電流センサユニットと、前記被測定電流及び前記第2の電流とは異なる第3の電流が通流する第3の電流線を挟むように配置された第5の磁気センサ及び第6の磁気センサを含む第3の電流センサユニットと、を備えても良い。
本発明の電流センサにおいて、第mの電流センサユニット(mは1〜3の自然数)の前記第nの電流線(nは1〜3の自然数)を通流する電流に関する感度係数Xmn、前記第1の磁気センサの出力と前記第2の磁気センサの出力との差ΔV、前記第3の磁気センサの出力と前記第4の磁気センサの出力との差ΔV、及び前記第5の磁気センサの出力と前記第6の磁気センサの出力との差ΔVを用いて表される下記式(18)から前記第1の電流線を通流する前記被測定電流の電流値Iを算出することができる。
Figure 0005688572
ただし、Dは下記式(21)を満たす。
Figure 0005688572
本発明によれば、磁気センサ出力のオフセットの影響による電流測定精度の低下を抑制可能な電流センサを提供することができる。
実施の形態1に係る電流センサの構成例を示す模式図である。 実施の形態1に係る電流センサの構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る電流センサユニットの構成例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る磁気センサの構成例を示す回路図である。 実施の形態1に係る電流センサユニットの変形例を示すブロック図である。 オフセットの影響が低減される様子を示す特性図である。 実施の形態2に係る電流センサの構成例を示す模式図である。 実施の形態2に係る電流センサの構成を示すブロック図である。
(実施の形態1)
以下、本発明の電流センサについて添付図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る電流センサ1の構成例を示す模式図である。以下、図1の紙面左下方向(Y+方向)に対応する方向を前、紙面右上方向(Y−方向)に対応する方向を後、紙面左方向(X−方向)に対応する方向を左、紙面右方向(X+方向)に対応する方向を右、紙面上方向(Z+方向)に対応する方向を上、紙面下方向(Z−方向)に対応する方向を下、と呼ぶ。
図1に示す電流センサ1は、被測定電流Iaが通流する第1電流線2aに近接して配置された第1電流センサユニット1aと、隣接電流Ibが通流する第2電流線2bに近接して配置された第2電流センサユニット1bとを備える。第1電流センサユニット1aは、第1電流線2aが配置可能なように一部が切り欠かれた薄板状の第1基板12aと、第1基板12aの主表面に配置された略直方体状の第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bとを含んで構成されている。第2電流センサユニット1bは、第2電流線2bが配置可能なように一部が切り欠かれた薄板状の第2基板12bと、第2基板12bの主表面に配置された略直方体状の第3磁気センサ11c及び第4磁気センサ11dとを含んで構成されている。なお、図1中、各磁気センサに付される矢印は、それぞれの感度軸の向きを示し、各電流線に付される矢印は、各電流線を通流する電流の向きを示し、各電流線の周囲に配置される矢印は、各電流線を通流する電流による誘導磁界の向きを示す。また、ここでは計算式の簡略化のため、各電流センサユニットにおいて左右方向に対称にセンサユニットを配置した例を示すが、センサユニットの配置が左右方向に非対称であっても計算の本質は同じであり、得られる効果に変わりはない。
第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bは、上下方向に延在する第1電流線2aからの距離が略等しくなるように第1基板12aの一方の主表面に配置されている。また、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bは、感度軸が略同一方向を向くように配置されている。このため、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bは、被測定電流Iaによる誘導磁界Haを受けて互いに逆極性の出力を発生するようになっている。第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bをこのように配置することで、第1磁気センサ11aの出力と第2磁気センサ11bの出力の差を取って外部磁界の影響を低減することができる。また、第1磁気センサ11aの出力のオフセットと、第2磁気センサ11bの出力のオフセットとを相殺して、オフセットの影響を低減することができる。
第3磁気センサ11c及び第4磁気センサ11dと、第2電流線2bとの関係も同様である。すなわち、第3磁気センサ11c及び第4磁気センサ11dは、上下方向に延在する第2電流線2bからの距離が略等しくなるように第2基板12bの一方の主表面に配置されている。また、第3磁気センサ11c及び第4磁気センサ11dは、感度軸が略同一方向を向くように配置されており、隣接電流Ibによる誘導磁界Hbの影響を受けて互いに逆極性の出力を生じるようになっている。これにより、外部磁界の影響を低減することができる。また、オフセットの影響を低減することができる。
本実施の形態に係る電流センサ1は、上述したように、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bを含んで構成される第1電流センサユニット1aに加え、第2電流線2bに近接して配置され、第3磁気センサ11c及び第4磁気センサ11dを含んで構成される第2電流センサユニット1bを備えている。これにより、第2電流線2bを通流する隣接電流Ibの影響を考慮して補正することが可能になるため、被測定電流Iaを高い精度で算出することができる。なお、被測定電流Iaの算出に係る具体的な処理については後述する。
各磁気センサ(11a〜11d)は、それぞれ複数の端子を備えており、各端子を介して第1基板12a又は第2基板12bと接続されている。各磁気センサ(11a〜11d)が備える端子の少なくとも一つは接地端子であり、当該接地端子は第1基板12aに設けられた接地電極、又は第2基板12bに設けられた接地電極に接続されている。具体的には、第1磁気センサ11aの接地端子11a_GNDは第1基板12aに設けられた接地電極12a_GNDに接続されており、第2磁気センサ11bの接地端子11b_GNDは第1基板12aに設けられた接地電極12a_GNDに接続されている。また、第3磁気センサ11cの接地端子11c_GNDは第2基板12bに設けられた接地電極12b_GNDに接続されており、第4磁気センサ11dの接地端子11d_GNDは第2基板12bに設けられた接地電極12b_GNDに接続されている。つまり、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bは、接地端子11a_GND、接地端子11b_GND、接地電極12a_GNDを介して接続されており、第3磁気センサ11c及び第4磁気センサ11dは、接地端子11c_GND、接地端子11d_GND、接地電極12b_GNDを介して接続されている。
第1基板12a及び第2基板12bは、配線パターンが形成された略U字型の平面形状を有する基板である。第1基板12aにおいて、略U字型の切り欠き部を構成する空間には、第1基板12aの第1主表面に対して略直交する方向に延在する第1電流線2aが配置される。すなわち、第1基板12aは、被測定電流Iaの通流方向に略垂直な面内に配置される。また、第2基板12bにおいて、略U字型の切り欠き部を構成する空間には、第2基板12bの第1主表面に対して略直交する方向に延在する第2電流線2bが配置される。すなわち、第2基板12bは、隣接電流Ibの通流方向に略垂直な面内に配置される。
第1基板12aの第1主表面には、上述したように、接地電極12a_GNDが設けられている。また、第2基板12bの第1主表面には、接地電極12b_GNDが設けられている。接地電極12a_GND、及び接地電極12b_GNDは不図示のグランドGNDに接続されている。接地電極12a_GNDは、接地端子11a_GNDを介して接続される第1磁気センサ11aと、接地端子11b_GNDを介して接続される第2磁気センサ11bとにグランドGNDによる接地電圧を与えると共に、接続された一方の磁気センサの熱が他方の磁気センサに移動できるように構成されている。接地電極12b_GNDは、接地端子11c_GNDを介して接続される第3磁気センサ11cと、接地端子11d_GNDを介して接続される第4磁気センサ11dとにグランドGNDによる接地電圧を与えると共に、接続された一方の磁気センサの熱が他方の磁気センサに移動できるように構成されている。これにより、同一の電流センサユニットに含まれる一組の磁気センサの温度は略等しくなる。なお、各磁気センサに接地電圧を与え、磁気センサ間の熱の移動が適切に行われるようにするためには、接地電極12a_GND、12b_GNDは、導電率及び熱伝導率の高い材料を用いて構成されることが望ましい。このような材料としては、例えば、銀、銅、金、アルミニウムなどがある。
また、第1基板12a及び第2基板12bには、各磁気センサ(11a〜11d)に電源電圧を与える配線(不図示)や、各磁気センサ(11a〜11d)の入出力信号を伝送する配線(不図示)などが設けられている。第1基板12a及び第2基板12bには、上述した各磁気センサ(11a〜11d)、接地電極12a_GND、12b_GNDの他に、不図示の演算装置などが配置されていても良い。
図2は、第1電流センサユニット1aと、第2電流センサユニット1bとを備える電流センサ1の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、電流センサ1は、第1電流センサユニット1aの出力と、第2電流センサユニット1bの出力とから、被測定電流Iaの電流値を算出する演算装置1dを備えている。このように、電流センサ1が、第1電流線2aに対応する第1電流センサユニット1a、及び第2電流線2bに対応する第2電流センサユニット1bを有し、これらの出力を演算する演算装置1dを備えることで、後述するように隣接電流Ibの影響を補正して被測定電流Iaの電流値を高精度に算出することができる。なお、演算装置1dは、電流センサ1の外部に設けられても良い。つまり、電流センサ1は、演算装置1dを含まない電流測定モジュールによって構成されていても良い。この場合、電流測定モジュールには、第1電流センサユニット1a、及び第2電流センサユニット1bが含まれる。
図3は、第1電流センサユニット1aの具体的な構成例を示すブロック図である。図4は、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bの構成例を示す回路図である。
図3に示すように、第1電流センサユニット1aは、磁気平衡式の第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bと、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bを制御する第1制御回路13a及び第2制御回路13bと、第1磁気センサ11a側の出力と第2磁気センサ11b側の出力との電圧差を算出する演算装置14aとを備える。
第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bは、被測定電流Iaによって発生する誘導磁界Haを打ち消す方向の磁界を発生可能に配置されたフィードバックコイル111a、111bと、4個の磁気抵抗効果素子M1〜M4で構成されるブリッジ回路112a、112bとを含む。なお、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bは、フィードバックコイル111a、111bを有しない磁気比例式の磁気センサであっても良い。また、ブリッジ回路112a、112bを構成する磁気抵抗効果素子の数は4個に限られない。任意の数の磁気抵抗効果素子と固定抵抗素子とを組み合わせてブリッジ回路112a、112bを構成しても良い。
第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bとしては、出力のオフセット変化の温度特性が略等しい磁気センサを用いる。これは、磁気センサ出力におけるオフセットの影響を十分に抑えるためである。具体的には、例えば、同一基板を用いて製造された磁気センサや、同一ロットによって製造された磁気センサのように、素子特性のばらつきが小さい磁気センサを用いればよい。このように、同一の電流センサユニットに含まれる一組の磁気センサにおいてオフセット変化の温度特性が略等しくなっていると、この一組だけでの簡単な補正で磁気センサのオフセットの影響を相殺できる。
第1制御回路13a及び第2制御回路13bは、ブリッジ回路112a、112bの差動出力を増幅し、フィードバックコイル111a、111bのフィードバック電流を制御する差動・電流アンプ131a、131bと、フィードバック電流を電圧に変換するI/Vアンプ132a、132bとを含む。また、第1制御回路13a及び第2制御回路13bは、オフセット電圧の絶対値を補正する機能を有している。これにより、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bにおけるオフセットの影響を十分に低減できる。オフセットの補正は、例えば、基準となる所定温度(例えば25℃)におけるオフセットの絶対値が略等しくなるように各出力の電圧値を増減することで行う。なお、オフセット電圧の絶対値を補正する機能は、演算装置14aや演算装置1dが有していても良い。
演算装置14aは、制御回路13a、13bからの出力電圧(すなわち、I/Vアンプ132a、132bの出力電圧)の差をとって出力できるように構成されている。演算装置14aは、例えば、差動アンプで構成される。演算装置14aにおける演算処理によって、地磁気などの外部磁場の影響を相殺することができる。また、第1磁気センサ11a側の出力のオフセットと、第2磁気センサ11b側の出力のオフセットとを相殺することができる。これにより、電流値を高精度に測定できる。
図4に示すように、フィードバックコイル111a、111bは、ブリッジ回路112a、112bを構成する磁気抵抗効果素子M1〜M4の近傍に配置されており、被測定電流Iaにより発生する誘導磁界Haを相殺するキャンセル磁界を発生する。ブリッジ回路112a、112bの磁気抵抗効果素子M1〜M4としては、GMR(Giant Magneto Resistance)素子やTMR(Tunnel Magneto Resistance)素子などが用いられる。磁気抵抗効果素子は、被測定電流からの誘導磁界により抵抗値が変化するという特性を有する。このような特性を有する磁気抵抗効果素子を用いてブリッジ回路112a、112bを構成することで、高感度の電流センサ1を実現できる。
ブリッジ回路112a、112bの一方の電源端子aは電源Vddと接続され、もう一方の電源端子bはグランドGNDと接続される。この電源端子bは、図1に示す接地端子11a_GND及び接地端子11b_GNDに対応するものである。ブリッジ回路112a、112bがそれぞれ有する2個の出力端子c、dからの出力は、差動・電流アンプ131a、131bで差動増幅され、フィードバックコイル111a、111bには端子e、fを通じてフィードバック電流が流れる。フィードバック電流がフィードバックコイル111a、111bを流れると、当該フィードバック電流によって、誘導磁界Haを相殺するキャンセル磁界が発生する。そして、誘導磁界Haとキャンセル磁界とが相殺される平衡状態となったときにフィードバックコイル111a、111bを流れる電流が、I/Vアンプ132a、132bで電圧に変換され、それぞれ、第1磁気センサ11a側の出力、及び第2磁気センサ11b側の出力となる。
なお、図3では、演算装置14aを含む第1電流センサユニット1aを例示したが、電流センサユニットの構成はこれに限定されない。例えば、図5に示すように、演算装置14aを含まない構成としても良い。この場合、図2に示す演算装置1dに、演算装置14aの機能を持たせれば良い。また、各磁気センサは、磁気抵抗効果素子を用いる磁気センサに限られない。例えば、ホール素子を用いる磁気センサを適用しても良い。
第2電流センサユニット1bの構成は、第1電流センサユニット1aと同様である。すなわち、第2電流センサユニット1bは、第3磁気センサ11c及び第4磁気センサ11dと、第3磁気センサ11c及び第4磁気センサ11dを制御する第3制御回路13c及び第4制御回路13dと、第3磁気センサ11c側の出力と第4磁気センサ11d側の出力との電圧差を算出する演算装置14bとを備える。また、第3磁気センサ11c及び第4磁気センサ11dの構成は、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bの構成と同様であり、第3制御回路13c及び第4制御回路13dの構成は第1制御回路13a及び第2制御回路13bと同様である。つまり、第3磁気センサ11c及び第4磁気センサ11dは、隣接電流Ibによって発生する誘導磁界Hbを打ち消す方向の磁界を発生可能に配置されたフィードバックコイル111c、111dと、4個の磁気抵抗効果素子M1〜M4で構成されるブリッジ回路112c、112dとを含む。また、第3制御回路13c及び第4制御回路13dは、ブリッジ回路112c、112dの差動出力を増幅し、フィードバックコイル111c、111dのフィードバック電流を制御する差動・電流アンプ131c、131dと、フィードバック電流を電圧に変換するI/Vアンプ132c、132dとを含む。また、第3制御回路13c及び第4制御回路13dは、第1制御回路13a及び第2制御回路13bと同様にオフセット電圧の絶対値を補正する機能を有している。
上述した電流センサ1において、各磁気センサ(11a〜11d)の出力には通常、オフセットが存在する。そして、このオフセットは、温度に依存して変動する。オフセットが温度に関わらず一定であれば、単純にセンサ出力の差を取るだけでオフセットの影響を十分に低減できるが、このようにオフセットが温度特性を有していると、単純に差を取るだけではオフセットの影響を十分に低減できない。これは、各磁気センサの温度に応じてオフセットの値も異なってくるためである。そこで、本実施の形態に係る電流センサ1では、同一の電流センサユニットに含まれる一組の磁気センサを接地端子及び接地電極によって接続し、これらの温度が略等しくなるようにした上で各センサ出力の差を取るようにする。これにより、温度に依存して変動するオフセットの影響を低減することができる。
各センサ出力の差を演算する前には、第1制御回路13a、第2制御回路13b、演算装置14a、演算装置1dなどによって、基準となる所定温度(例えば25℃)におけるオフセットの絶対値が略等しくなるように補正を行っておく。これにより、オフセットの影響を十分に低減することができる。また、本実施の形態に係る電流センサ1では、同一の電流センサユニットに含まれる一組の磁気センサにおいて、出力のオフセット変化の温度特性が略等しくなっている。これにより、上記補正と組み合わせることで、同一の電流センサユニットに含まれる一組の磁気センサのオフセットを磁気センサの温度によらず略等しくできる。このため、各センサ出力の差を取ることで、温度に依存して変動するオフセットの影響を十分に低減することができる。
図6は、オフセットの影響が低減される様子を示す特性図である。図6Aには、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bにおけるオフセット電圧の温度特性を示す。図6Aに示すように、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bにおいて、同一温度でのオフセット電圧の値は異なっているが、温度特性を示す曲線の傾きは略等しくなっている。すなわち、オフセット変化の温度特性が略等しくなっている。図6Bには、補正後のオフセット電圧の温度特性、及びその差を示す。図6Bに示すように、温度特性の傾きが等しい場合、ある温度条件(例えば25℃)においてオフセット電圧が略等しくなるように磁気センサの出力を補正することで、2個の磁気センサのオフセット電圧の温度特性を示す曲線を略一致させることができる。この場合、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bの温度を略等しくすることで、第1磁気センサ11aのオフセットと第2磁気センサ11bのオフセットとの差をほぼゼロにできる。
次に、本実施の形態に係る電流センサ1の演算装置14a、14b、及び演算装置1dにおいて被測定電流Iaを算出するために行われる演算処理について説明する。
まず、第1電流センサユニット1a側の演算装置14aにおける演算処理について説明する。演算装置14aに、第1磁気センサ11a及び第1制御回路13aからの出力と、第2磁気センサ11b及び第2制御回路13bからの出力とが入力されると、演算装置14aは、所定温度(例えば25℃)において上記2個の出力のオフセット電圧が略等しくなるような補正値を出力に加えて、補正後の第1磁気センサ11a側の出力(V1A)及び補正後の第2磁気センサ11b側の出力(V1B)を得る。そして、演算装置14aは、出力(V1A)と出力(V1B)との差を演算して第1電流センサユニット1aの出力(ΔV)とする。
ここで、補正後の第1磁気センサ11a側の出力(電圧)V1Aは、第1電流線2aを通流する被測定電流Iaの電流値をI、第2電流線2bを通流する隣接電流Ibの電流値をI、第1電流センサユニット1aの第1電流線2aを通流する電流に関する感度係数をX11、第1の電流センサユニット1aの第2の電流線2bを通流する電流に関する感度係数をX12、補正後のオフセット電圧をVO1として式(1)で表される。
Figure 0005688572
また、第2磁気センサ11b側の出力(電圧)V1Bは、同様に式(2)で表される。
Figure 0005688572
なお、感度係数とは、ある電流線を通流する電流と各センサ出力との関係を示す係数である。例えば、「第1電流センサユニット1aの第1電流線2aを通流する電流に関する感度係数」は、第1電流線2aを通流する電流値と、第1磁気センサ11a側のセンサ出力(又は第2磁気センサ11b側のセンサ出力)との関係を示す。具体的には、感度係数は、センサ出力を、電流線を通流する電流値で割った値に相当する。このため、例えば、第1の電流センサユニット1aの第2の電流線2bを通流する電流に関する感度係数がX12である場合、第2電流線2bを通流する隣接電流Ibの電流値をIとすると、第1磁気センサ11a側のセンサ出力(又は第2磁気センサ11b側のセンサ出力)はX12で表される。
また、本実施の形態に係る電流センサ1において、同一の電流センサユニット内に存在する一組の磁気センサ(ここでは、第1磁気センサ11aと第2磁気センサ11b)のオフセット変化の温度特性が略等しくなっているため、上記式(1)、(2)で表されるように、第1磁気センサ11a側のセンサ出力における補正後のオフセット電圧と、第2磁気センサ11b側のセンサ出力における補正後のオフセット電圧とは、所定温度以外においても略等しくなる。
演算装置14aは、上記式(1)で表される出力(V1A)と、上記式(2)で表される出力(V1B)との差を演算する。これにより、式(3)で表される第1電流センサユニット1aの出力(ΔV)を得る。式(3)に示されるように、第1電流センサユニット1aの出力(ΔV)において、オフセット電圧の項はキャンセルされている。このように、出力(V1A)と、出力(V1B)との差を演算することによって、オフセットの影響を十分に除去して電流測定精度を高めることができる。
Figure 0005688572
同様に、第2電流センサユニット1b側の演算装置14bに、第3磁気センサ11c及び第3制御回路13cからの出力と、第4磁気センサ11d及び第4制御回路13dからの出力とが入力されると、演算装置14bは、所定温度(例えば25℃)において上記2個の出力のオフセット電圧が略等しくなるような補正値を出力に加えて、補正後の第3磁気センサ11c側の出力(V2A)及び補正後の第4磁気センサ11d側の出力(V2B)を得る。そして、演算装置14aは、出力(V2A)と出力(V2B)との差を演算して第2電流センサユニット1bの出力(ΔV)とする。
第3磁気センサ11c側の出力(電圧)V2Aは、第1電流線2aを通流する被測定電流Iaの電流値をI、第2電流線2bを通流する隣接電流Ibの電流値をI、第2電流センサユニット1bの第1電流線2aを通流する電流に関する感度係数をX21、第2の電流センサユニット1bの第2の電流線2bを通流する電流に関する感度係数をX22、補正後のオフセット電圧をVO2として式(4)で表される。
Figure 0005688572
また、第4磁気センサ11d側の出力(電圧)V2Bは、同様に式(5)で表される。
Figure 0005688572
演算装置14bは、上記式(4)で表される出力(V2A)と、上記式(5)で表される出力(V2B)との差を演算して、式(6)で表される第2電流センサユニット1bの出力(ΔV)を得る。
Figure 0005688572
演算装置14aは、上述した演算処理によって得られた第1電流センサユニット1aの出力(ΔV)を演算装置1dに出力する。また、演算装置14bは、第2電流センサユニット1bの出力(ΔV)を演算装置1dに出力する。被測定電流Iaの電流値I、及び隣接電流Ibの電流値Iは、ΔV、及びΔVを用いて式(7)、(8)のように表される。このため、演算装置1dは、第1電流センサユニット1aの出力(ΔV)、及び第2電流センサユニット1bの出力(ΔV)を用いて、被測定電流Iaの電流値Iを算出することができる。
Figure 0005688572
Figure 0005688572
演算装置1dは、上記式(7)に基づいて被測定電流Iaの電流値Iを算出すると、算出結果を外部に出力する。なお、演算装置1dは、上記式(8)に基づいて隣接電流Ibの電流値Iを算出し、被測定電流Iaの電流値Iの算出結果とともに外部に出力しても良い。
このように、本実施の形態に係る電流センサ1は、電流線を挟むように配置された一組の磁気センサの温度が略等しくなるように構成されているため、温度に依存して変動する磁気センサ出力のオフセットの影響を適切に除去することができる。また、複数の電流線のそれぞれに対応する電流センサユニットの出力を用いているため、被測定電流が通流する電流線以外の電流線を通流する電流の影響を除去することができる。その結果、電流測定精度の低下を抑制することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、図1に示される電流センサ1の変形例について説明する。なお、以下の説明において、実施の形態1と共通する部分の説明は省略する。
図7は、本実施の形態に係る電流センサ1´の構成例を示す模式図である。図7に示すように、電流センサ1´は、測定電流Iaが通流する第1電流線2aに近接して配置された第1電流センサユニット1aと、隣接電流Ibが通流する第2電流線2bに近接して配置された第2電流センサユニット1bと、隣接電流Icが通流する第3電流線2cに近接して配置された第3電流センサユニット1cと、を備える。各電流センサユニット(1a〜1c)の構成は、実施の形態1における各電流センサユニット(1a、1b)の構成と同様である。
図8は、第1電流センサユニット1aと、第2電流センサユニット1bと、第3電流センサユニット1cと、を備える電流センサ1´の構成例を示すブロック図である。図8に示すように、電流センサ1´は、第1電流センサユニット1aの出力と、第2電流センサユニット1bの出力と、第3電流センサユニット1cの出力とから、被測定電流Iaの電流値を算出する演算装置1dを備えている。なお、演算装置1dは、電流センサ1´の外部に設けられても良い。つまり、電流センサ1´は演算装置1dを含まなくとも良い。
この電流センサ1´において、被測定電流Iaの算出は以下の演算処理によって行われる。
第1電流センサユニット1aの演算装置14aに、第1磁気センサ11a及び第1制御回路13aからの出力と、第2磁気センサ11b及び第2制御回路13bからの出力とが入力されると、演算装置14aは、所定温度(例えば25℃)において上記2個の出力のオフセット電圧が略等しくなるように補正して、補正後の第1磁気センサ11a側の出力(V1A)及び補正後の第2磁気センサ11b側の出力(V1B)を得る。そして、演算装置14aは、出力(V1A)と出力(V1B)との差を演算して第1電流センサユニット1aの出力(ΔV)とする。
ここで、補正後の第1磁気センサ11a側の出力(電圧)V1Aは、第1電流線2aを通流する被測定電流Iaの電流値をI、第2電流線2bを通流する隣接電流Ibの電流値をI、第3電流線2cを通流する隣接電流Icの電流値をI、第1電流センサユニット1aの第1電流線2aを通流する電流に関する感度係数をX11、第1の電流センサユニット1aの第2の電流線2bを通流する電流に関する感度係数をX12、第1の電流センサユニット1aの第3の電流線2cを通流する電流に関する感度係数をX13、補正後のオフセット電圧をVO1として式(9)で表される。
Figure 0005688572
第2磁気センサ11b側の出力(電圧)V1Bは、同様に式(10)で表される。
Figure 0005688572
次に、演算装置14aは、上記式(9)で表される出力(V1A)と、上記式(10)で表される出力(V1B)との差を演算する。これにより、式(11)で表される第1電流センサユニット1aの出力(ΔV)を得る。
Figure 0005688572
同様に、第2電流センサユニット1bの演算装置14bに、第3磁気センサ11c及び第3制御回路13cからの出力と、第4磁気センサ11d及び第4制御回路13dからの出力とが入力されると、演算装置14bは、所定温度(例えば25℃)において上記2個の出力のオフセット電圧が略等しくなるように補正して、補正後の第3磁気センサ11c側の出力(V2A)及び補正後の第4磁気センサ11d側の出力(V2B)を得る。そして、演算装置14aは、出力(V2A)と出力(V2B)との差を演算して第2電流センサユニット1bの出力(ΔV)とする。
第3磁気センサ11c側の出力(電圧)V2Aは、第1電流線2aを通流する被測定電流Iaの電流値をI、第2電流線2bを通流する隣接電流Ibの電流値をI、第3電流線2cを通流する隣接電流Icの電流値をI、第2電流センサユニット1bの第1電流線2aを通流する電流に関する感度係数をX21、第2の電流センサユニット1bの第2の電流線2bを通流する電流に関する感度係数をX22、第2の電流センサユニット1bの第3の電流線2cを通流する電流に関する感度係数をX23、補正後のオフセット電圧をVO2として式(12)で表される。
Figure 0005688572
第4磁気センサ11d側の出力(電圧)V2Bは、同様に式(13)で表される。
Figure 0005688572
演算装置14bは、上記式(12)で表される出力(V2A)と、上記式(13)で表される出力(V2B)との差を演算して、式(14)で表される第2電流センサユニット1bの出力(ΔV)を得る。
Figure 0005688572
同様に、第3電流センサユニット1cの演算装置(不図示)に、第5磁気センサ11e及び第5制御回路(不図示)からの出力と、第6磁気センサ11f及び第6制御回路(不図示)からの出力とが入力されると、第3電流センサユニット1cの演算装置は、所定温度(例えば25℃)において上記2個の出力のオフセット電圧が略等しくなるように補正して、補正後の第5磁気センサ11e側の出力(V3A)及び補正後の第6磁気センサ11f側の出力(V3B)を得る。そして、演算装置は、出力(V3A)と出力(V3B)との差を演算して第3電流センサユニット1cの出力(ΔV)とする。
第5磁気センサ11e側の出力(電圧)V3Aは、第1電流線2aを通流する被測定電流Iaの電流値をI、第2電流線2bを通流する隣接電流Ibの電流値をI、第3電流線2cを通流する隣接電流Icの電流値をI、第3電流センサユニット1cの第1電流線2aを通流する電流に関する感度係数をX31、第3の電流センサユニット1cの第2の電流線2bを通流する電流に関する感度係数をX32、第3の電流センサユニット1cの第3の電流線2cを通流する電流に関する感度係数をX33、補正後のオフセット電圧をVO3として式(15)で表される。
Figure 0005688572
第6磁気センサ11f側の出力(電圧)V3Bは、同様に式(16)で表される。
Figure 0005688572
第3電流センサユニット1cの演算装置は、上記式(15)で表される出力(V3A)と、上記式(16)で表される出力(V3B)との差を演算して、式(17)で表される第3電流センサユニット1cの出力(ΔV)を得る。
Figure 0005688572
演算装置14aは、上述した演算処理によって得られた第1電流センサユニット1aの出力(ΔV)を演算装置1dに出力する。また、演算装置14bは、第2電流センサユニット1bの出力(ΔV)を演算装置1dに出力する。また、第3電流センサユニット1cの演算装置は、第3電流センサユニット1cの出力(ΔV)を演算装置1dに出力する。被測定電流Iaの電流値I、隣接電流Ibの電流値I、及び隣接電流Icの電流値Iは、ΔV、ΔV、及びΔVを用いて式(18)、(19)、(20)のように表される。演算装置1dは、第1電流センサユニット1aの出力(ΔV)、第2電流センサユニット1bの出力(ΔV)、及び第3電流センサユニット1cの出力(ΔV)を用いて、被測定電流Iaの電流値Iを算出することができる。
Figure 0005688572
Figure 0005688572
Figure 0005688572
なお、式(18)、(19)、(20)において、Dは式(21)を満たす。
Figure 0005688572
演算装置1dは、上記式(18)、(21)に基づいて被測定電流Iaの電流値Iを算出すると、算出結果を外部に出力する。なお、演算装置1dは、上記式(19)、(21)に基づいて隣接電流Ibの電流値Iを算出し、上記式(20)、(21)に基づいて隣接電流Icの電流値Iを算出し、被測定電流Iaの電流値Iの算出結果とともに外部に出力しても良い。
このように、本実施の形態に係る電流センサ1は、電流線を挟むように配置された一組の磁気センサの温度が略等しくなるように構成されているため、温度に依存して変動する磁気センサ出力のオフセットの影響を適切に除去することができる。また、複数の電流線のそれぞれに対応する電流センサユニットの出力を用いているため、被測定電流が通流する電流線以外の電流線を通流する電流の影響を除去することができる。その結果、電流測定精度の低下を抑制することが可能である。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することができる。例えば、電流センサに含まれる電流センサユニットの数は4個以上であっても良い。この場合、全ての電流センサユニットの出力を用いることで、被測定電流の電流値を精度よく算出することができる。また、電流センサに含まれる各電流センサユニットの配置は上記実施の形態の配置に限られない。少なくとも、各電流センサユニットに対して各電流線を通流する電流の影響(感度係数)が分かっていれば、各電流センサユニットの配置は任意で良い。
また、上記実施の形態において、同一の電流センサユニットに含まれる一組の磁気センサの出力のオフセット変化の温度特性を略等しくしているが、この特性は、必ずしも略等しくなくて良い。必要とされる温度範囲において必要な電流測定精度が得られるのであれば、オフセットの温度特性は多少異なっていても良い。
本発明の電流センサは、例えば、電気自動車やハイブリッドカーのモータ駆動用の電流の大きさを検知するために用いることが可能である。
本出願は、2011年7月21日出願の特願2011−159812に基づく。この内容は、全てここに含めておく。

Claims (7)

  1. 対象の電流線を挟むように配置された一組の磁気センサと、当該一組の磁気センサが配置される基板と、をそれぞれ含んで構成された複数の電流線に対応する複数の電流センサユニットと、
    各電流センサユニットにおける前記一組の磁気センサの出力の差を算出し、各電流センサユニットの出力から隣接する電流線の影響を除去して被測定電流の電流値を算出する演算装置と、を備え、
    前記電流センサユニットに含まれる一組の磁気センサは、その温度が略等しくなるように各磁気センサの接地端子及び基板に設けられた接地電極により互いに接続されていることを特徴とする電流センサ。
  2. 前記電流センサユニットに含まれる一組の磁気センサは、オフセット変化の温度特性が等しいことを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記電流センサユニットに含まれる一組の磁気センサは、前記電流線を通流する電流の影響が前記一組の磁気センサの出力において逆極性で現れるように感度軸を同一方向に向けて配置されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電流センサ。
  4. 被測定電流が通流する第1の電流線を挟むように配置された第1の磁気センサ及び第2の磁気センサを含む第1の電流センサユニットと、前記被測定電流とは異なる電流が通流する第2の電流線を挟むように配置された第3の磁気センサ及び第4の磁気センサを含む第2の電流センサユニットと、を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電流センサ。
  5. 第1の電流センサユニットの前記第1の電流線を通流する電流に関する感度係数X11、第2の電流センサユニットの前記第2の電流線を通流する電流に関する感度係数X22、第1の電流センサユニットの前記第2の電流線を通流する電流に関する感度係数X12、第2の電流センサユニットの前記第1の電流線を通流する電流に関する感度係数X21、前記第1の磁気センサの出力と前記第2の磁気センサの出力との差ΔV、及び前記第3の磁気センサの出力と前記第4の磁気センサの出力との差ΔVを用いて表される下記式(7)から前記第1の電流線を通流する前記被測定電流の電流値Iを算出することを特徴とする請求項4に記載の電流センサ。
    Figure 0005688572
  6. 被測定電流が通流する第1の電流線を挟むように配置された第1の磁気センサ及び第2の磁気センサを含む第1の電流センサユニットと、前記被測定電流とは異なる第2の電流が通流する第2の電流線を挟むように配置された第3の磁気センサ及び第4の磁気センサを含む第2の電流センサユニットと、前記被測定電流及び前記第2の電流とは異なる第3の電流が通流する第3の電流線を挟むように配置された第5の磁気センサ及び第6の磁気センサを含む第3の電流センサユニットと、を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電流センサ。
  7. 第mの電流センサユニット(mは1〜3の自然数)の前記第nの電流線(nは1〜3の自然数)を通流する電流に関する感度係数Xmn、前記第1の磁気センサの出力と前記第2の磁気センサの出力との差ΔV、前記第3の磁気センサの出力と前記第4の磁気センサの出力との差ΔV、及び前記第5の磁気センサの出力と前記第6の磁気センサの出力との差ΔVを用いて表される下記式(18)から前記第1の電流線を通流する前記被測定電流の電流値Iを算出することを特徴とする請求項6に記載の電流センサ。
    Figure 0005688572
    ただし、Dは下記式(21)を満たす。
    Figure 0005688572
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