以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による携帯用ナースコール親機への呼出画像表示制御システムの機能構成例を示すブロック図である。図2は、図1に示す呼出画像表示制御システムを適用した本実施形態によるナースコールシステムの全体構成例を示す図である。本実施形態のナースコールシステムは、ナースコール子機で呼び出しが行われたことを携帯用ナースコール親機に対して呼出音の出力および呼出画像の表示により報知するものである。
図1に示すように、本実施形態による携帯用ナースコール親機への呼出画像表示制御システムは、その機能構成として、画像取得部101、画像格納部102、通話判定部103、信号送信部104、呼出画像表示制御部105および画像サーバ11を備えている。
また、図2に示すように、本実施形態のナースコールシステムは、ハンド形子機1、医療機器2、壁埋込形子機3、廊下灯4、制御機5、ナースコール親機6、IPアダプタ7、SIPサーバ8、無線送受信機9、IP携帯電話10および画像サーバ11を備えて構成されている。なお、ハンド形子機1、医療機器2および壁埋込形子機3が特許請求の範囲のナースコール子機に相当し、IP携帯電話10が特許請求の範囲の携帯用ナースコール親機に相当する。
まず、図1に基づいて説明する。画像取得部101は、ナースコール子機の識別情報を含む呼出信号を入力したときに、当該呼出信号に含まれる識別情報に対応付けられた患者情報を含む呼出画像(描画形式の画像のほか、テキスト情報をレイアウトして構成した画像等を含む)を取得する。この画像取得部101の機能は、図2に示すナースコール親機6が備えている。なお、ナースコール親機6の機能については、図2を用いて後述する。
画像格納部102は、画像取得部101により呼出画像が取得される都度、当該取得された呼出画像をHTML(HyperText Markup Language)画像として画像サーバ11の所定のロケーションに更新格納する。この画像格納部102の機能も、図2のナースコール親機6が備えている。例えば、あるナースコール子機から出力された呼出信号が画像取得部101に入力されると、そのナースコール子機に対応した呼出画像が画像取得部101により取得され、画像格納部102により画像サーバ11の所定のロケーションに格納される。
その後、別のナースコール子機から出力された呼出信号が画像取得部101に入力されると、当該別のナースコール子機に対応した呼出画像が画像取得部101により取得され、画像格納部102により画像サーバ11の所定のロケーションに更新格納される(上書きされる)。この呼出画像の上書きは、最初に呼び出しが行われたナースコール子機とIP携帯電話10との間で通話が行われている最中か否かによらず実行される。
通話判定部103は、ナースコール子機の識別情報および呼出先の識別情報を含む呼出信号を入力したときに、ナースコール子機と呼出先のIP携帯電話10とが通話中であるか否かを判定する。通話判定部103は、通話中でないと判定した場合には呼出信号を信号送信部104に転送し、通話中であると判定した場合にはトーン信号送信命令を信号送信部104に出力する。この通話判定部103の機能は、例えば図2に示すIPアダプタ7が備えている。なお、IPアダプタ7の機能については、図2を用いて後述する。
信号送信部104は、通話判定部103により通話中でないと判定された場合には、通話判定部103から転送された呼出信号をIP携帯電話10に送信する。一方、信号送信部104は、通話判定部103により通話中であると判定された場合には、通話判定部103から出力されたトーン信号送信命令に従ってトーン信号を発生し、IP携帯電話10に送信する。この信号送信部104の機能は、図2に示すSIPサーバ8が備えている。なお、SIPサーバ8の機能については、図2を用いて後述する。
呼出画像表示制御部105は、IP携帯電話10が備える機能であり、IP携帯電話10が呼出信号またはトーン信号を受信したときに、所定のロケーションをアクセス先とする所在情報(例えば、あらかじめ設定しておいたURL)に基づいて画像サーバ11にアクセスする。そして、所定のロケーションに格納されている呼出画像を画像サーバ11から取得し、IP携帯電話10のモニタ画面に表示させるように制御する。なお、呼出画像表示制御部105(IP携帯電話10)と画像サーバ11との間は、例えばHTTP(HyperText Transfer Protocol)に基づく通信ネットワークを介して接続される。
次に、図2に基づいて説明する。ハンド形子機1は、各患者のベッド脇に設置され、看護師の一般呼出を指示するための一般呼出ボタン、緊急呼出を指示するための緊急呼出ボタンなどを備えている。患者が必要に応じて何れかの呼出ボタンを押下すると、ハンド形子機1は、押下された呼出ボタンに対応する呼出種別の情報を含む呼出信号を出力する。例えば、患者が一般呼出ボタンを押下すると、ハンド形子機1は、一般呼出であることを示す呼出種別の情報を含む呼出信号を出力する。
医療機器2は、人工呼吸器または心電計などの生体モニタである。医療機器2は、患者の状態が異常と判断された場合(例えば、人工呼吸器または心電計などで異常値が測定された場合など)に、ME呼出であることを示す呼出種別の情報を含む呼出信号を出力する。
壁埋込形子機3は、病室の各ベッドサイドの壁に埋め込み設置される。この壁埋込形子機3は、ハンド形子機1および医療機器2が接続される接続端子を備えている。また、壁埋込形子機3は、廊下灯4に接続されている。壁埋込形子機3は、ハンド形子機1または医療機器2から呼出信号を受けると、呼出元の識別情報(例えば、壁埋込形子機3の接続端子番号)および呼出種別の情報を含む呼出信号を廊下灯4に出力する。
廊下灯4は、各病室に設置される。廊下灯4は、複数の壁埋込形子機3が接続される複数の入力ポートを備え、どの入力ポートから呼出信号を受けたかに応じて、呼出信号の供給元である壁埋込形子機3を示す情報(例えば、ベッド番号)を特定する。そして、廊下灯4は、壁埋込形子機3の接続端子番号およびベッド番号に廊下灯4の識別情報(例えば、部屋番号)を加えて呼出元であるナースコール子機の識別情報を生成し、当該識別情報および呼出種別の情報を含む呼出信号を制御機5に出力する。
制御機5は、廊下灯4とナースコール親機6との間に接続され、廊下灯4から供給された呼出信号をナースコール親機6に出力する。また、制御機5にはIPアダプタ7も接続されている。制御機5は、廊下灯4から呼出信号が供給されたときに、その呼出信号に含まれているナースコール子機の識別情報および呼出種別の情報に加えて、呼出先のIP携帯電話10の識別情報を含む呼出信号を生成してIPアダプタ7に出力する。
ナースコール親機6は、ナースセンタに設置されている。このナースコール親機6は、壁埋込形子機3を識別するための子機識別情報(部屋番号およびベッド番号)と、その壁埋込形子機3があるベッドを使用している患者の情報(氏名、年齢など)とを対応付けた患者テーブルを図示しないメモリに保持している。また、ナースコール親機6は、上述した子機識別情報と、その子機識別情報に対応する患者の担当看護師が所持するIP携帯電話10の識別情報である電話番号情報とを対応付けた端末テーブルをメモリに保持している。
さらに、ナースコール親機6は、各患者に対応する患者情報を含む呼出画像を、それぞれの子機識別情報に対応付けて図示しない画像データベースに保存している。この呼出画像は、例えば、氏名や年齢などの患者情報に加えて、部屋番号やベッド番号などの情報を含んだ画像である。
ナースコール親機6は、制御機5から呼出信号を入力すると、看護師の呼び出しを行うべく所定の呼出音をスピーカから出力する。また、ナースコール親機6は、制御機5から入力した呼出信号に含まれるナースコール子機の識別情報に基づき画像データベースを参照して呼出画像を取得し(画像取得部101の機能)、当該呼出画像をモニタ画面に表示する。なお、呼出画像の表示に加えまたは代えて、呼出信号に含まれるナースコール子機の識別情報に基づき患者テーブルを参照して患者情報を特定し、当該患者情報を部屋番号やベッド番号、呼出種別と共にモニタ画面に表示するようにしてもよい。
また、ナースコール親機6は、制御機5から入力した呼出信号に含まれるナースコール子機の識別情報に基づき画像データベースを参照して呼出画像を取得したときに、当該取得した呼出画像をHTML画像として画像サーバ11の所定のロケーションに格納する(画像格納部102の機能)。
また、ナースコール親機6は、制御機5から呼出信号を入力すると、その呼出信号に含まれるナースコール子機の識別情報に基づき端末テーブルを参照し、担当の看護師が所持するIP携帯電話10の電話番号情報を特定し、当該電話番号情報を制御機5に通知する。この通知を受けた制御機5は、上述のように、呼出元であるナースコール子機の識別情報および呼出種別の情報に加えて、呼出先であるIP携帯電話10の電話番号情報を含む呼出信号を生成してIPアダプタ7に出力する。
IPアダプタ7は、制御機5から呼出信号を入力したときに、ハンド形子機1と呼出先のIP携帯電話10とが通話中であるか否かを判定する(通話判定部103の機能)。IPアダプタ7は、通話中でないと判定した場合には、制御機5から入力した呼出信号をSIPサーバ8に転送する。一方、IPアダプタ7は、通話中であると判定した場合には、呼出先であるIP携帯電話10の電話番号情報を含むトーン信号送信命令をSIPサーバ8に出力する。
SIPサーバ8は、IPアダプタ7から呼出信号が転送されてきた場合は、その呼出信号を呼出先のIP携帯電話10に送信する(信号送信部104の機能)。具体的には、SIPサーバ8は、IP携帯電話10と通信するための無線送受信機9に接続されている。SIPサーバ8は、IPアダプタ7から呼出信号を入力すると、無線送受信機9を介して、当該呼出信号に含まれる電話番号情報を利用して呼出先のIP携帯電話10に架電し、呼出信号を送信する。
また、SIPサーバ8は、IPアダプタ7からトーン信号送信命令が出力された場合は、トーン信号を発生して呼出先のIP携帯電話10に送信する(信号送信部104の機能)。具体的には、SIPサーバ8は、IPアダプタ7からトーン信号送信命令を入力すると、無線送受信機9を介して、当該トーン信号送信命令に含まれる電話番号情報を利用して呼出先のIP携帯電話10に架電し、トーン信号を発生して送信する。
IP携帯電話10は、SIPサーバ8から呼出信号を受信したときに、所定の呼出音をスピーカから出力する。また、IP携帯電話10は、所定のロケーションをアクセス先とするURLに基づいて画像サーバ11にアクセスする。そして、所定のロケーションに格納されている呼出画像を画像サーバ11から取得し、モニタ画面に表示させるように制御する(呼出画像表示制御部105の機能)。
一方、IP携帯電話10がSIPサーバ8からトーン信号を受信したときは、当該トーン信号に基づくトーン音を受話部から出力する。また、IP携帯電話10は、所定のロケーションをアクセス先とするURLに基づいて画像サーバ11にアクセスする。そして、所定のロケーションに格納されている呼出画像を画像サーバ11から取得し、モニタ画面に表示させるように制御する(呼出画像表示制御部105の機能)。
次に、上記のように構成した本実施形態によるナースコールシステムの動作を説明する。図3および図4は、本実施形態によるナースコールシステムの動作例を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートは、ハンド形子機1において呼出ボタンが押下されたときに開始する。
ある患者がハンド形子機1(以下、図3のフローチャートにおいて子機Aという)の呼出ボタンを押下すると、子機Aは、押下された呼出ボタンに対応する呼出種別の情報を含む呼出信号を出力する(ステップS1)。この呼出信号は、壁埋込形子機3および廊下灯4を介して制御機5に供給される。制御機5に供給される時点で、呼出信号はナースコール子機の識別情報(壁埋込形子機3の接続端子番号およびベッド番号、廊下灯4の部屋番号)と呼出種別の情報とを含むものとなっている。
制御機5は、廊下灯4から供給された呼出信号をナースコール親機6に出力する(ステップS2)。この呼出信号を受けたナースコール親機6は、その呼出信号に含まれるナースコール子機の識別情報に基づき端末テーブルを参照し、呼び出しを行った患者の担当看護師が所持するIP携帯電話10の電話番号情報を呼出先として特定する(ステップS3)。そして、特定した電話番号情報を制御機5に通知する(ステップS4)。電話番号情報の通知を受けた制御機5は、廊下灯4より入力した呼出信号に含まれるナースコール子機の識別情報および呼出種別の情報に加えて、電話番号情報を含む呼出信号を生成してIPアダプタ7に出力する(ステップS5)。
また、ナースコール親機6は、制御機5から供給された呼出信号に含まれるナースコール子機の識別情報に基づき画像データベースを参照し、当該識別情報に対応する呼出画像を取得する(ステップS6)。そして、取得した呼出画像をナースコール親機6のモニタ画面に表示するとともに、呼出音をスピーカから出力することによって呼び出しを行う(ステップS7)。さらに、ナースコール親機6は、ステップS6で取得した呼出画像を画像サーバ11に供給する(ステップS8)。画像サーバ11は、ナースコール親機6から供給された呼出画像を所定のロケーションに格納する(ステップS9)。
制御機5から呼出信号を受信したIPアダプタ7は、ハンド形子機1と呼出先のIP携帯電話10とが通話中であるか否かを判定する(ステップS10)。そして、IPアダプタ7は、通話中でないと判定した場合には、制御機5から入力した呼出信号をSIPサーバ8に転送する一方、通話中であると判定した場合には、呼出先であるIP携帯電話10の電話番号情報を含むトーン信号送信命令をSIPサーバ8に出力する。ここでは、IPアダプタ7は、ハンド形子機1と呼出先のIP携帯電話10とが通話中ではないと判定し、制御機5から入力した呼出信号をSIPサーバ8に転送する(ステップS11)。
SIPサーバ8は、IPアダプタ7から転送されてきた呼出信号を呼出先のIP携帯電話10に送信する(ステップS12)。すなわち、SIPサーバ8は、無線送受信機9を介して、呼出信号に含まれる電話番号情報を利用して呼出先のIP携帯電話10に架電し、呼出信号を送信する。この呼出信号を受信したIP携帯電話10は、所定の呼出音をスピーカから出力することによって呼び出しを行う(ステップS13)。
また、IP携帯電話10は、所定のロケーションをアクセス先とするURLに基づいて画像サーバ11にアクセスし、所定のロケーションに格納されている呼出画像を画像サーバ11から取得する(ステップS14)。そして、IP携帯電話10は、画像サーバ11から取得した呼出画像(子機Aを使用する患者の情報を含む画像)をモニタ画面に表示させることによって呼び出しを行う(ステップS15)。
この呼び出しを受けた看護師が、IP携帯電話10をオフフックすると(ステップS16)、そのことがSIPサーバ8およびIPアダプタ7を介して制御機5に伝えられ、さらに子機Aに伝えられる。これにより、子機AとIP携帯電話10との間が通話中の状態に遷移する。
続いて、図4において、別の患者がハンド形子機1(以下、図4のフローチャートにおいて子機Bという)の呼出ボタンを押下すると、子機Bは、押下された呼出ボタンに対応する呼出種別の情報を含む呼出信号を出力する(ステップS21)。この呼出信号は、壁埋込形子機3および廊下灯4を介して制御機5に供給される。制御機5に供給される時点で、呼出信号はナースコール子機の識別情報と呼出種別の情報とを含むものとなっている。
制御機5は、廊下灯4から供給された呼出信号をナースコール親機6に出力する(ステップS22)。この呼出信号を受けたナースコール親機6は、その呼出信号に含まれるナースコール子機の識別情報に基づき端末テーブルを参照し、呼び出しを行った患者の担当看護師が所持するIP携帯電話10の電話番号情報を呼出先として特定する(ステップS23)。そして、特定した電話番号情報を制御機5に通知する(ステップS24)。ここでは、図3のステップS3で特定されたIP携帯電話10と同じ電話番号情報が呼出先として特定されたとする。
電話番号情報の通知を受けた制御機5は、廊下灯4より入力した呼出信号に含まれるナースコール子機の識別情報および呼出種別の情報に加えて、電話番号情報を含む呼出信号を生成してIPアダプタ7に出力する(ステップS25)。
また、ナースコール親機6は、制御機5から供給された呼出信号に含まれるナースコール子機の識別情報に基づき画像データベースを参照し、当該識別情報に対応する呼出画像を取得する(ステップS26)。そして、取得した呼出画像をナースコール親機6のモニタ画面に表示するとともに、呼出音をスピーカから出力することによって呼び出しを行う(ステップS27)。さらに、ナースコール親機6は、ステップS26で取得した呼出画像を画像サーバ11に供給する(ステップS28)。画像サーバ11は、ナースコール親機6から供給された呼出画像を所定のロケーションに更新格納する(ステップS29)。
制御機5から呼出信号を受信したIPアダプタ7は、ハンド形子機1と呼出先のIP携帯電話10とが通話中であるか否かを判定する(ステップS30)。ここでは、IPアダプタ7は、ハンド形子機1と呼出先のIP携帯電話10とが通話中であると判定し、呼出先であるIP携帯電話10の電話番号情報を含むトーン信号送信命令をSIPサーバ8に出力する(ステップS31)。SIPサーバ8は、IPアダプタ7から転送されてきたトーン信号送信命令に従いトーン信号を発生し、呼出先のIP携帯電話10に送信する(ステップS32)。このトーン信号を受信したIP携帯電話10は、所定のトーン音を受話部から出力する(ステップS33)。
また、IP携帯電話10は、所定のロケーションをアクセス先とするURLに基づいて画像サーバ11にアクセスし、所定のロケーションに格納されている呼出画像を画像サーバ11から取得する(ステップS34)。そして、IP携帯電話10は、画像サーバ11から取得した呼出画像(子機Bを使用する患者の情報を含む画像)をモニタ画面に表示させることによって呼び出しを行う(ステップS35)。
なお、以上のフローチャートでは、子機AとIP携帯電話10との通話中に別の子機Bから同じIP携帯電話10に対して呼び出しが行われたときに、IP携帯電話10にて呼出画像を切り替えて表示する例について説明した。もし、別の子機Bから呼び出しが行われる前に、子機AとIP携帯電話10との通話が終了した場合は、子機Aに対応する呼出画像は非表示とされる。あるいは、子機AとIP携帯電話10とが通話状態になったとき、または通話状態になってから所定時間後に自動的に子機Aの呼出画像が非表示となるようにしてもよい。
以上詳しく説明したように、本実施形態では、呼出信号をナースコール親機6が入力したときに、当該呼出信号に含まれる識別情報に対応付けられた患者情報を含む呼出画像を画像データベースから取得し、画像サーバ11の所定のロケーションに格納する。また、ハンド形子機1とIP携帯電話10とが通話中でない場合には呼出信号をIP携帯電話10に送信する一方、通話中である場合にはトーン信号をIP携帯電話10に送信する。IP携帯電話10では、呼出信号またはトーン信号を受信したときに、所定のロケーションに格納されている呼出画像を画像サーバ11から取得してモニタ画面に表示する。
このように構成した本実施形態によれば、ハンド形子機1と通話中のIP携帯電話10に対して別のナースコール子機(ハンド形子機1または医療機器2)から呼び出しがあると、呼出信号ではなくトーン信号がIP携帯電話10に送信される。そのため、IP携帯電話10の受話部からトーン音が出力されるのみで、呼出音のスピーカへの出力による呼び出しは行われない。その場合でも、IP携帯電話10から画像サーバ11の所定のロケーションに対してアクセスが行われて呼出画像が取得され、IP携帯電話10のモニタ画面に呼出画像が表示されることとなる。
ここで、所定のロケーションに格納される呼出画像は、ナースコール子機の呼出信号が入力されたときに、その呼出信号に含まれる識別情報に対応付けられた患者情報を含む呼出画像に更新されている。そのため、ハンド形子機1との通話中のIP携帯電話10に対して別のナースコール子機から呼び出しがあった場合は、当該別のナースコール子機の呼出信号に対応する呼出画像がIP携帯電話10にて取得されて表示されることとなる。これにより、通話中のIP携帯電話10にてトーン音を出力するだけでなく、呼出画像の表示により呼び出しの内容を看護師に報知することができる。
なお、上記実施形態では、ハンド形子機1とIP携帯電話10とが通話中である場合にはトーン信号をIP携帯電話10に送信する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、トーン信号に代えて画像更新命令をIP携帯電話10に送信するようにしてもよい。すなわち、IPアダプタ7は、ハンド形子機1とIP携帯電話10とが通話中であると判定した場合、画像更新命令をSIPサーバ8に出力する。SIPサーバ8は、この画像更新命令をIP携帯電話10に送信する。
この場合、IP携帯電話10の呼出画像表示制御部105は、SIPサーバ8から呼出信号または画像更新命令を受信したときに、所定のロケーションをアクセス先とするURLに基づき画像サーバ11にアクセスし、所定のロケーションに格納されている呼出画像を画像サーバ11から取得してモニタ画面に表示させる。IP携帯電話10がトーン信号ではなく画像更新命令を受信したときは、トーン音の出力はせず、呼出画像の表示のみを行うことになる。
また、上記実施形態では、画像取得部101および画像格納部102の機能をナースコール親機6が備える例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、これらの機能を制御機5が備えてもよいし、IPアダプタ7が備えてもよい。画像取得部101および画像格納部102の機能を制御機5が備える場合、ナースコール親機6が画像データベースから取得した呼出画像を制御機5が更に取得し、画像サーバ11の所定のロケーションに格納する。あるいは、制御機5が画像データベースから直接的に呼出画像を取得し、画像サーバ11の所定のロケーションに格納する。
また、上記実施形態では、通話判定部103の機能をIPアダプタ7が備える例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、この機能を制御機5が備えるようにしてもよいし、SIPサーバ8が備えてもよい。通話判定部103の機能を制御機5が備える場合、制御機5は、通話中でないと判定した場合には呼出信号をIPアダプタ7に出力する一方、通話中であると判定した場合にはトーン信号送信命令をIPアダプタ7に出力する。
また、上記実施形態では、画像取得部101が画像データベースから呼出画像を取得する都度、画像格納部102がその呼出画像を画像サーバ11の所定のロケーションに上書きするように格納する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ナースコール子機とIP携帯電話10とが通話中か否かを判定し、通話中でない場合は呼出画像を画像サーバ11に設けた第1の所定のロケーションに格納し、通話中の場合は呼出画像を画像サーバ11に設けた第2の所定のロケーションに格納するようにしてもよい。
この場合、呼出画像表示制御部105は、信号送信部104から呼出信号を受信したときは、第1の所定のロケーションをアクセス先とする所在情報(URL1)に基づき画像サーバ11にアクセスし、第1の所定のロケーションに格納されている呼出画像を画像サーバ11から取得して表示する。一方、呼出画像表示制御部105は、信号送信部104からトーン信号または画像更新命令を受信したときは、第2の所定のロケーションをアクセス先とする所在情報(URL2)に基づき画像サーバ11にアクセスし、第2の所定のロケーションに格納されている呼出画像を画像サーバ11から取得して表示する。
また、上記実施形態では、画像データベースにあらかじめ格納されている呼出画像を画像取得部101が読み出して取得する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、画像取得部101は、制御機5から入力した呼出信号に含まれるナースコール子機の識別情報により特定される部屋番号やベッド番号と、当該識別情報に基づき患者テーブルを参照することによって特定される患者の氏名や年齢などと、呼出信号に含まれる呼出種別とを含む画像を動的に生成することによって呼出画像を取得するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、携帯用ナースコール親機の例としてIP携帯電話10を用いる例について説明したが、IP携帯電話10の代わりにPHS端末を用いてもよい。この場合、例えばSIPサーバ8の代わりにハンディナースコール主装置および構内交換機(PBX)が用いられる。また、IPアダプタ7の代わりにPBXアダプタが用いられる。
また、上記実施形態では、IPアダプタ7を1つの独立したハードウェアとして備える構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、IPアダプタ7が持つ通話判定部103の機能を制御機5あるいはSIPサーバ8に内蔵させるようにしてもよい。
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。