JP5686927B2 - 導波管スロットアレーアンテナ装置 - Google Patents
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Description
図42において、導波管1は、端部に短絡面2を有し、もう一方側から給電を行う。
導波管1の管軸方向をx方向、スロット100を形成する壁面上で、導波管1の管軸に直交する方向をy方向、スロット100を形成する壁面の法線方向をz方向とする。
便宜上、y方向の導波管内壁間寸法をb、導波管外壁間寸法をBとする。
狭壁面5は、スロット100を形成する壁面である。
このとき、スロット100のy方向の寸法は、導波管内壁間寸法bより小さい。
このため、図42において、スロット100のy方向の寸法が、導波管1のy方向の導波管外壁間寸法Bより大きくなってしまい、スロット100が導波管内壁3の縁を突出し、共振特性を得るのに必要なスロット長を確保できない。
図43において、クランク形状のスロット200は、同軸線路201の壁面に形成される。上述と同様のものについては、同一符号を付して記述を省略する。
このとき、クランク形状のスロット200のy方向の寸法は、導波管内壁間寸法bを超えないように構成される(下記特許文献1参照)。
したがって、導波管一つ当たりに設けられるスロット数を多くする必要がある場合には、導波管接合部とのインピーダンス整合を取ることができない。
また、管軸方向の偏波を主偏波とすると、折曲端部から生じる主偏波と直交する電界成分が大きくなるために、スロット単体の放射パターンの交差偏波成分も大きくなってしまう。
したがって、導波管一つ当たりに設けられるスロット数を多くする必要がある場合には、導波管接合部とのインピーダンス整合を取ることができない課題があった。
また、管軸方向の偏波を主偏波とすると、折曲端部から生じる主偏波と直交する電界成分が大きくなるために、スロット単体の放射パターンの交差偏波成分も大きくなってしまう課題があった。
したがって、スロットの先端部と導波管の内壁との結合量を調節することによって、スロット単体のコンダクタンスを小さくすることができる。
よって、スロット長に対して導波管幅が短く制限された際に、導波管一つ当たりに設けられるスロット数を多くした場合においても、導波管接合部とのインピーダンス整合を取ることができる。
また、必然的にスロットの中央部を長く、管軸方向に沿って伸張した先端部を短く構成することができる。
よって、放射パターンを形成する成分に関してスロットの中央部に生じる電界の寄与が大きく、スロットの先端部に生じる電界の寄与が小さくなるため、交差偏波成分を小さくすることができる効果がある。
実施の形態1.
図1は実施の形態1による導波管スロットアレーアンテナ装置を示す上面図である。
図2は図1のスロット単体を示す拡大図、図3は図1のA−A´断面を示す断面図である。
図1において、断面形状が矩形の導波管1は、端部に短絡面2を有し、もう一方側から給電を行う。
導波管1の管軸方向をx方向、スロット10を形成する壁面上で、導波管1の管軸に直交する方向をy方向、スロット10を形成する壁面の法線方向をz方向とする。
便宜上、y方向の導波管内壁間寸法をb、導波管外壁間寸法をBとする。
狭壁面5は、スロット10を形成する壁面である。
スロット11の中央部13と、先端部の折曲端部14,15とのなす角度が直角のクランク形状となっている。
スロット11の全体の長さは、概ね1/2波長である。
スロット11の折曲端部14,15の内側をP1、外側をP2とすれば、内側P1は、導波管内壁3よりも導波管1の内側に存在し、外側P2は、導波管内壁3よりも導波管1の外側に存在する。
なお、斜線部は、折曲端部14,15において、スロット11を上面から見て導波管内部に貫通している部分であり、スロット11と導波管1の内部との結合部P3である。
すなわち、スロット11を上面から見て、スロット11は、導波管1の内壁3と重なるように構成される。
導波管1に入力された高周波信号は、TE10モードで伝搬するため、導波管1の狭壁面5には、管軸に直交する方向yに電流が流れる。
導波管1は、短絡されており、その短絡面2から概ね1/4管内波長離れた所で電流は最大となり、その位置にスロット11を配置する。
そのスロット11の位置から複数のスロット11,12を概ね1/2管内波長おきに配置することにより、各スロット11,12は、狭壁面5を流れる最大電流を遮るように設けられる。
このとき、導波管スロットアレーアンテナ装置は、各スロット10による負荷が並列回路で構成された等価回路で表される。
この際、各スロット10は共振長としているため、スロット単体のアドミタンス21のサセプタンス成分は0である。
このため、導波管内のスロット10の数をN(Nは任意の自然数)とすると、給電側から短絡面を見たアドミタンスは、各スロットのアドミタンス21の実部、すなわち、コンダクタンスをN倍したものとなる。
したがって、導波管1の特性アドミタンスと、給電側から短絡面を見た負荷アドミタンスを整合させるためには、導波管1の特性アドミタンスを1に規格化すると、スロット一つ当たりに求められるコンダクタンスは、1/Nとなる。
各スロット10が、この条件を満たすことにより、各スロット10から効率良く電波が放射される。
図2において、斜線部が、折曲端部14,15において、スロット11と導波管1の内部との結合部P3となる。
このため、スロット11の一部を導波管内壁3から突出させて構成し、スロット11の折曲端部14,15と導波管1の内部との結合量を調節することによって、スロット単体のコンダクタンスを小さくすることができる。
これにより、導波管一つ当たり設けられるスロット数を増加させることができる。
このため、放射パターンを形成する成分に関して、スロット11の中央部13に生じる電界の寄与が大きく、スロット11の折曲端部14,15に生じる電界の寄与が小さくなるため、交差偏波レベルを小さくすることが可能となる。
なお、スロットは、それぞれ中心周波数(f/f0=1)において、共振特性を得るようにスロット全長を調整している。
図5の横軸は、共振周波数で規格化した周波数を表し、縦軸は、導波管の特性アドミタンスで規格化したアドミタンスの実部、すなわち、規格化コンダクタンス値を表す。
また、A1が従来例2のスロット200の特性であり、B1が実施の形態1のスロット10の特性である。
図5から、中心周波数(f/f0=1)の際の規格化コンダクタンス値は、従来例2のスロット200の場合、0.48、実施の形態1のスロット10の場合、0.16という値を採り、従来例2のスロット200の特性A1に対して、実施の形態1のスロット10の特性B1は、1/3のコンダクタンス値に低減していることが確認できる。
図6において、中心周波数(f/f0=1)の反射係数は、従来例2のスロット200の特性A2では、−3.82dBであるのに対し、実施の形態1のスロット10の特性B2では、−14.75dBであり、反射係数を10.93dB改善することが確認できる。
このように、実施の形態1を用いてスロット単体の低コンダクタンス化を実現することにより、スロット数Nを増加させた場合においても、低い反射係数を得ることが可能である。
図7の横軸は、角度、縦軸は、アンテナ正面方向(角度=0°)の利得の値で規格化した利得を表している。
また、A3,A4の破線が従来例2のスロット200の特性、B3,B4の実線が実施の形態1のスロット10の特性で、A3,B3は主偏波、A4,B4は交差偏波を表している。
図7からアンテナ正面方向の主偏波に対する交差偏波レベルは、従来例2のスロット200で、−4.51dBで、実施の形態1のスロット10で、−9.76dBとなり、実施の形態1によって交差偏波レベルを、5.25dB低く抑えることができる。
このため、スロット11の折曲端部14,15と導波管1の内部との結合量を調節することにより、スロット単体のコンダクタンスを小さくすることができる。
よって、スロット長に対して導波管幅が短く制限された際に、導波管一つ当たりに設けられるスロット数を多くした場合においても、導波管接合部とのインピーダンス整合を取ることができる。
また、必然的にスロット11の中央部13を長く、管軸方向に沿って伸張した折曲端部14,15を短く構成することができる。
よって、放射パターンを形成する成分に関してスロット11の中央部13に生じる電界の寄与が大きく、スロット11の折曲端部14,15に生じる電界の寄与が小さくなるため、交差偏波成分を小さくすることができる。
図8は実施の形態2による導波管スロットアレーアンテナ装置を示す上面図である。
図9は図8のスロット単体を示す拡大図である。
図において、スロット30は、導波管1の狭壁面5にZ形状に形成される。
スロット31の中央部33と、先端部の折曲端部34,35とのなす角度が鋭角のZ形状となっている。
スロット31の全体の長さは、概ね1/2波長である。
斜線部は、折曲端部34,35において、スロット31を上面から見て導波管内部に貫通している部分であり、スロット31と導波管1の内部との結合部P3となる。
まず、コンダクタンスに関して説明する。
スロット31の中央部33の角度τを変化させることでも、スロット31による電流の遮りの度合を調整できるため、さらに、コンダクタンスを調整することが可能である。
したがって、導波管一つ当たりに設けられるスロット数を多くした場合においても、導波管接合部とのインピーダンス整合を取ることができる。
管軸方向の偏波を主偏波とすると、スロット31の中央部33は、所望のコンダクタンスを実現するためにある角度τを有している。
このとき、スロット31の中央部33から生じる電界E1は、スロット幅方向に生じる。
このため、スロット31の中央部33からは、中央部33の角度τに依存して交差偏波成分が生じる。
このスロット31の中央部33に生じる電界E1は、管軸成分の電界E2と管軸と直交する成分の電界E3に分解して考えることができる。
一方、スロット31の折曲端部34,35からは管軸に垂直方向に電界E4が生じる。
したがって、このスロット31をZ形状にすることにより、スロット31の中央部33から生じる電界E1の導波管幅方向の成分の電界E3と、スロット31の折曲端部34,35から生じる電界E4とが、交差偏波成分を打ち消すように合成されるため、交差偏波成分を小さくすることが可能となる。
このため、実施の形態1の効果に加えて、スロット31の中央部33の角度τを変化させることでも、スロット31による電流の遮りの度合を調整できるため、さらに、コンダクタンスを調整することが可能である。
したがって、スロット長に対して導波管幅が短く制限された際に、導波管一つ当たりに設けられるスロット数を多くした場合においても、導波管接合部とのインピーダンス整合を取ることができる。
また、スロット31をZ形状にすることにより、スロット31の中央部33から生じる電界E1の導波管幅方向の成分の電界E3と、スロット31の折曲端部34,35から生じる電界E4とが、交差偏波成分を打ち消すように合成されるため、交差偏波成分を小さくすることができる。
図10は実施の形態3による導波管スロットアレーアンテナ装置を示す上面図である。
図において、スロット40は、導波管1の狭壁面5にクランク形状に形成される。
スロット41,42の両端の折曲端部は、導波管1の管軸方向に平行に伸張している。
スロット41,42の中央部と、先端部の折曲端部とのなす角度が鈍角になるように形成される。上述と同様のものについては、同一符号を付して記述を省略する。
図において、スロット50は、導波管1の狭壁面5にL字形状に形成される。
スロット51,52の一端の折曲端部は、導波管1の管軸方向に平行に伸張している。
スロット51,52の中央部と、先端部の折曲端部とのなす角度が直角になるように形成される。上述と同様のものについては、同一符号を付して記述を省略する。
図において、スロット60は、導波管1の狭壁面5にL字形状に形成される。
スロット61,62の一端の折曲端部は、導波管1の管軸方向に平行に伸張している。
スロット61,62の中央部と、先端部の折曲端部とのなす角度が鋭角になるように形成される。上述と同様のものについては、同一符号を付して記述を省略する。
図において、スロット70は、導波管1の狭壁面5にL字形状に形成される。
スロット71,72の一端の折曲端部は、導波管1の管軸方向に平行に伸張している。
スロット71,72の中央部と、先端部の折曲端部とのなす角度が鈍角になるように形成される。上述と同様のものについては、同一符号を付して記述を省略する。
図において、スロット80は、導波管1の狭壁面5にS字形状に形成される。
スロット81,82の中央部が湾曲しており、両端の折曲端部は、導波管1の管軸方向に平行に伸張している。上述と同様のものについては、同一符号を付して記述を省略する。
また、図10から図13に示したスロットは、直線を折り曲げた形状となっているが、図14に示したように、スロットが曲線で構成される形状としても良い。
さらに、図10から図14では、スロット両端の折曲端部が、+x方向または−x方向のどちらか一方のみに伸張しているが、スロットの折曲端部は、+x方向および−x方向の双方向に分岐して構成することもできる。
図15において、導波管内壁7は、導波管1の狭壁面の内部面、導波管外壁8は、導波管1の狭壁面の外部面をそれぞれ示す。
便宜上、z方向の導波管内壁間寸法をc、導波管外壁間寸法をCとする。
広壁面9は、スロット90,91を形成する壁面である。
スロット90,91は、導波管1の広壁面9にクランク形状に形成される。
スロット90,91の両端の折曲端部は、導波管1の管軸方向に平行に伸張している。
スロット90,91の中央部と、先端部の折曲端部とのなす角度が鈍角になるように形成される。
スロット90,91の全体の長さは、概ね1/2波長である。
なお、スロット90,91を上面から見て、スロット90,91の一端の折曲端部は、導波管1の内壁7と重なるように構成される。上述と同様のものについては、同一符号を付して記述を省略する。
また、導波管1の狭壁面5および広壁面9の両方にスロットを設置しても良い。
図において、実施の形態2に示した導波管スロットアレーアンテナを一つのサブアレーとし、そのサブアレーを複数個配列することでアレーアンテナを構成する。
上述と同様のものについては、同一符号を付して記述を省略する。
なお、実施の形態2の他、実施の形態1および実施の形態3に示した導波管スロットアレーアンテナを複数個配列することでアレーアンテナを構成しても良い。
図17は実施の形態4による導波管スロットアレーアンテナ装置を示す上面斜視図である。
図17において、ここでは一例としてスロット10が、実施の形態1のように導波管の狭壁面5に設けられた場合について示す。
図18は図17のD−D´断面を示す断面図である。
図18において、導波管300の分割面330は、導波管300の広壁面9の略中央部とし、分割面330には2つの凹状の導電性部材301,302を積層する際に意図的に空けられた隙間310を有している。
また、スロット10は、矩形の溝303の底面331に設けられる。
なお、分割面330で分割され2つの凹状の導電性部材301,302より構成される導波管300は、樹脂射出成形により成形した部材に金属メッキを施すことにより製作される。
本実施の形態における導波管300の分割面330は、広壁面9の中央部としており、実施の形態1で示したように、導波管に入力された高周波信号はTE10モードで伝搬する。
このとき、分割面330がある広壁面9の中央部には電流が生じない。
したがって、本実施の形態において、導波管300の分割面330では導波管内壁3を流れる電流を分断することがない。
これにより、導波管内の高周波信号は、分割面330から漏れることなく伝搬し、複数の各スロット10には高周波信号が結合するため、効率の良い導波管スロットアレーアンテナ装置を実現することができる。
本実施の形態では、2つの凹状の導電性部材301,302は、樹脂射出成形により成形した部材に金属メッキを施すことにより製作される。
したがって、2つの凹状の導電性部材301,302の接触部に生じる接触摩擦を防止により、金属メッキの剥離を防止できる。
導波管300の金属メッキが剥離すると伝搬特性が劣化してしまい、アンテナ特性にも劣化を招いてしまうため、これを未然に防ぐことによってアンテナの寿命を長くすることが可能となる。
図19において、突起部340は、導電性部材301の導電性部材302との対向面に設けられる。
このように、2つの凹状の導電性部材301,302を積層する際に、導波管内壁3から十分離れた位置に、互いに接触する突起部340を設けることによって、所定の隙間310を保持して固定することができる。
なお、図19において、突起部340の形態としては、導電性部材301および導電性部材302の双方にそれぞれ突起を設けても、どちらか一方にだけ突起を設けても構わない。
図20において、スペーサ341は、導電性部材301と導電性部材302との対向面に挟まれるように設けられる。
このように、突起部340の代わりにスペーサ341を挟むようにしても良く、同様に所定の隙間310を保持して固定することができる。
なお、接触部となる導電性部材301,302の突起部340およびスペーサ341には、金属メッキを施さない。これは摩擦による金属メッキの剥離部が起点となって金属メッキの剥離箇所が拡大するのを防ぐためである。
このため、導波管内の高周波信号は、分割面330から漏れることなく伝搬し、効率の良い導波管スロットアレーアンテナ装置を実現することができる。
また、導電性部材301,302が表面に金属メッキを施した樹脂で形成された場合においても、接触摩擦による金属メッキの剥離を防止し、アンテナ特性の劣化を防止することができる。
図21は実施の形態5による導波管スロットアレーアンテナ装置を示す断面図である。
図21において、本実施の形態による導波管スロットアレーアンテナ装置は、実施の形態4の導波管構造に加え、導波管の内壁3から使用周波数における自由空間波長の概ね1/4の奇数倍の位置に溝350を設けたものである。上述と同様のものについては、同一符号を付して記述を省略する。
上述した実施の形態4においては、導波管断面が理想的な矩形導波管の場合に、導波管内を流れる電流が0となる広壁面9の概ね中央部で分割することにより、導波管内を流れる高周波信号が分割面から漏れることなく、効率の良い導波管スロットアレーアンテナ装置が得られる。
また、導波管300を構成する凹状の導電性部材301,302の溝303,304の深さに製造誤差が生じると、導波管300が広壁面9の中央部で分割されない場合もある。
導波管内壁3の隙間310側の始点Sから自由空間波長の概ね1/4の奇数倍の位置Oに溝350を設けることによって、導波管両端の溝350の端部Oで開放(インピーダンス無限大)、導波管内壁3の隙間310側の始点Sでは短絡となったチョーク構造として動作する。
これにより、導波管300の分割面330の隙間310から漏れる高周波信号を最小限に抑えることが可能となる。
なお、隣接させる溝350は、隣接するサブアレーや導波管線路であっても良い。
また、導電性部材301に設けた溝350は、導電性部材301,302の両方に設けることや、導電性部材302のみに設けることも可能であり、この場合にも同様に動作する。
図22において、凹状の導電性部材305は、矩形の溝306が設けられる。
平板導体360は、導電性部材302に代えて設けられ、導電性部材305と所定の隙間310を保持して対向配置される。
図21で示したとおり、チョーク構造が正常に動作することにより、導波管の分割面330は、導波管の広壁面9の中央部に限らず、任意に位置を選ぶことが可能である。
例えば、図22のように、導波管のスロット10を設けた面に対向する面で分割し、導波管の管壁をプリント基板の平板導体360と共用することも可能である。
この場合には、導波管を構成する導電性部材305が一つで構成できるため、導波管スロットアレーアンテナ装置を製造するコストを約半分にすることができる。
このため、導波管300に製造誤差があっても、隙間から漏れる高周波信号を最小限に抑えることができる。
また、平板導体360を、導電性部材305と所定の隙間310を保持して対向配置した。
このため、導電性部材305が一つで構成でき、製造コストを低減することができる。
図23は実施の形態6による導波管スロットアレーアンテナ装置を示す断面図である。
図23において、本実施の形態による導波管スロットアレーアンテナ装置は、図22で示した凹状の導電性部材305に、凹状の誘電体基板370を所定の隙間310を保持して対向配置される。
誘電体基板370は、誘電体371の導電性部材305との対向面であって、溝306に対向する面を除いて銅箔372が形成され、誘電体371の背面に銅箔373が形成される。
また、誘電体371を貫通して銅箔372,373間を導通させる複数のスルーホール374が設けられる。
よって、誘電体371、銅箔372,373およびスルーホール374により、誘電体371が一部充填された矩形の溝が形成される。上述と同様のものについては、同一符号を付して記述を省略する。
本実施の形態6においては、凹状の導電性部材305に、凹状の誘電体基板370を対向させることにより、導波管として動作させるものである。
この場合には、導波管の分割面330は、誘電体基板370の厚みによって決定される。
このため、導波管の断面構造は、導波管の分割面330に対して非対称な構造となる。
これにより、隙間310からの高周波信号の漏れによる損失が抑制され、かつ、誘電体371が一部充填された導波管を得ることができる。
また、導波管内の一部に誘電体371が充填された導波管を容易に構成可能で、導波管管内波長の波長短縮効果により導波管を小型に構成することができる。
このため、誘電体371による導波管の管内波長の短縮効果により、導波管を小型化することができる。
図24は実施の形態7による導波管スロットアレーアンテナ装置を示す上面斜視図である。
図25は図24のスロット単体を取り出した上面斜視図、図26は図25の管軸方向に垂直な断面図、図27は図25の管軸方向に平行な上面図である。
図24から図27において、本実施の形態7による導波管スロットアレーアンテナ装置は、図1で示した導波管1のスロット10を形成する狭壁面の内部面を導波管内壁410とし、導波管内壁410の対向面を導波管内壁411とする。
スロット10が形成された直下の導波管内壁411に、導体部材400が各々配置される。
導体部材400は、スロット10形成直下の導波管内壁410,411の間隔が狭くなるように、四角柱に形成された一つの側面が導波管内壁411に配置される。
図26において、スロット10直下以外の導波管内壁間寸法aに対してスロット10直下の導波管内壁間寸法dを狭くすると、スロット10直下の導波管内壁410と、その導波管内壁410に対向する導波管内壁411に配置された導体部材400との間に磁界が集中する。
このため、スロット10直下の導波管内壁間寸法dを狭くするほどスロット部の誘導性が大きくなる。
これにより、スロット部のリアクタンス成分を任意に調節することが可能となる。
図28および図29において、図1で示した導波管1の広壁面の内部面を導波管内壁412とし、スロット10が形成された直下の導波管内壁412に、導体部材401が各々配置される。
導体部材401は、スロット10形成直下の導波管内壁412同士の間隔が狭くなるように、四角柱に形成された一つの側面が導波管内壁412に配置される。
図28および図29において、スロット10直下以外の導波管内壁間寸法bに対してスロット10直下の導波管内壁間寸法fを狭くすると、スロット10直下の導波管内壁410に隣り合う導波管内壁412に共に配置された導体部材401の間に電界が集中する。
このため、スロット10直下の導波管内壁間寸法fを狭くするほどスロット部の容量性が大きくなる。
これにより、スロット部のリアクタンス成分を任意に調節することが可能となる。
図30および図31において、スロット10が形成された直下の導波管内壁411に、導体部材402が各々配置される。
導体部材402は、スロット10形成直下の導波管内壁410,411の間隔が狭くなるように、四角柱に形成された底面が導波管内壁411の一部に配置される。なお、上述と同様のものについては、同一符号を付して記述を省略する。
図32および図33において、スロット10が形成された直下の導波管内壁411に、導体部材403が各々配置される。
導体部材403は、スロット10形成直下の導波管内壁410,411の間隔が狭くなるように、円柱に形成された底面が導波管内壁411の一部に配置される。なお、上述と同様のものについては、同一符号を付して記述を省略する。
図34および図35において、スロット10が形成された直下の一方の導波管内壁412に、導体部材404が各々配置される。
導体部材404は、スロット10形成直下の導波管内壁412の間隔が狭くなるように、四角柱に形成された一つの側面が導波管内壁412に配置される。なお、上述と同様のものについては、同一符号を付して記述を省略する。
図36および図37において、スロット10が形成された直下の導波管内壁411,412に、導体部材405が各々配置される。
導体部材405は、スロット10形成直下の導波管内壁410,411の間隔および導波管内壁412同士の間隔が狭くなるように、四角柱に形成された一つの側面が導波管内壁411,412に配置される。なお、上述と同様のものについては、同一符号を付して記述を省略する。
図38および図39において、スロット10が形成された直下の導波管内壁412に、凹部406が各々形成される。
凹部406は、スロット10形成直下の導波管内壁412同士の間隔が広くなるように、導波管内壁412が切欠かれる。
図38において、gは導波管内壁間寸法であり、スロット10直下の広壁面の凹部406を考慮した導波管内壁412間の寸法である。なお、上述と同様のものについては、同一符号を付して記述を省略する。
なお、図38および図39では、凹部406は、スロット10形成直下の導波管内壁412同士の間隔が広くなるように、導波管内壁412を切欠いたが、スロット10形成直下の導波管内壁410,411の間隔が広くなるように、導波管内壁411を切欠いても良い。
図40および図41において、スロット10が形成された直下の導波管内壁410と導波管内壁411との間に、導体部材407が各々配置される。
導体部材407は、スロット10形成直下の導波管内壁410,411の間隔が狭くなるように、四角柱に形成された両底面が導波管内壁412に配置される。
図40において、d1,d2は導波管内壁間寸法であり、d1はスロット10直下の狭壁面の導波管内壁410から導体部材407までの寸法、d2は導体部材407からスロット10直下の狭壁面の導波管内壁411までの寸法である。
導波管内壁間寸法d1+d2が導波管内壁間寸法dよりも小さくなることから、スロット10形成直下の導波管内壁410,411の間隔を狭くすることができる。なお、上述と同様のものについては、同一符号を付して記述を省略する。
また、図34から図37に示したように、導波管内壁間寸法を変えるための導体部材は、スロットが形成された導波管内壁と対向する導波管内壁およびスロットが形成された導波管内壁と隣り合う導波管内壁の少なくとも一つの導波管内壁に設けることができる。
さらに、図38および図39に示すように、導波管内壁間寸法を変えるための構造は、導波管内壁を凹ませ、スロット直下の導波管内壁間寸法を広くする構造や、図40および図41に示すように、スロット直下の導波管内壁間の空間に導体部材を設ける構造であっても良い。
この場合においても、スロット部のリアクタンス成分を任意に調節することが可能である。
このため、スロット10形成直下の広壁面間あるいは狭壁面間の導波管内壁間寸法を調整することにより、スロット部のリアクタンス成分を任意に調整することができる。
Claims (15)
- 断面形状が矩形の導波管の少なくとも一つの壁面にスロットが形成された導波管スロットアレーアンテナ装置において、上記導波管のスロットを設けた面の管軸と直交方向を導波管幅方向とすると、上記スロットの中央部は、導波管幅方向に設置され、かつ、上記スロットの先端部の少なくとも一方は、上記導波管の管軸方向に沿って伸張した形状を有しており、上記スロットの先端部の管軸方向に沿って伸張した一部は、上記導波管のスロットを設けた面の法線方向から見て上記導波管の内壁と重なるように構成されることを特徴とする導波管スロットアレーアンテナ装置。
- スロットの先端部の少なくとも一方が導波管の管軸方向に沿って伸張した形状を有しており、上記スロットの中央部と上記スロットの先端部が直角になるように形成されたことを特徴とする請求項1記載の導波管スロットアレーアンテナ装置。
- 断面形状が矩形の導波管の少なくとも一つの壁面にスロットが形成された導波管スロットアレーアンテナ装置において、上記導波管のスロットを設けた面の管軸と直交方向を導波管幅方向とすると、上記スロットの中央部は、導波管幅方向に対して所定角度だけ傾斜するように設置され、かつ、上記スロットの先端部の少なくとも一方は、上記導波管の管軸方向に沿って伸張した形状を有しており、上記スロットの先端部の管軸方向に沿って伸張した一部は、上記導波管のスロットを設けた面の法線方向から見て上記導波管の内壁と重なるように構成されることを特徴とする導波管スロットアレーアンテナ装置。
- スロットの先端部の少なくとも一方が導波管の管軸方向に沿って伸張した形状を有しており、上記スロットの中央部と上記スロットの先端部が鋭角になるように形成されたことを特徴とする請求項3記載の導波管スロットアレーアンテナ装置。
- スロットの先端部の少なくとも一方が導波管の管軸方向に沿って伸張した形状を有しており、上記スロットの中央部と上記スロットの先端部が鈍角になるように形成されたことを特徴とする請求項3記載の導波管スロットアレーアンテナ装置。
- スロットの先端部の両方が導波管の管軸方向に沿って伸張した形状を有しており、上記スロットの中央部が湾曲しており、Sの字形状で形成されたことを特徴とする請求項3記載の導波管スロットアレーアンテナ装置。
- 導波管をリッジが設けられたリッジ導波管としたことを特徴とする請求項1記載の導波管スロットアレーアンテナ装置。
- 導波管を同軸線路である同軸導波管としたことを特徴とする請求項1記載の導波管スロットアレーアンテナ装置。
- 導波管を導波管内部の少なくとも一部に誘電体を充填した誘電体充填導波管としたことを特徴とする請求項1記載の導波管スロットアレーアンテナ装置。
- 請求項1記載の導波管スロットアレーアンテナ装置を一つのサブアレーとし、上記サブアレーを複数個配列することでアレーアンテナを構成することを特徴とする導波管スロットアレーアンテナ装置。
- 導波管は、矩形の第一の溝が設けられた二つの凹状部材を所定の間隔を空けて対向させて構成されたことを特徴とする請求項1記載の導波管スロットアレーアンテナ装置。
- 二つの凹状部材のうちの少なくともいずれか一方の凹状部材に、当該凹状部材の第一の溝の内壁から使用周波数における自由空間波長の1/4の奇数倍の位置に第二の溝が設けられることを特徴とする請求項11記載の導波管スロットアレーアンテナ装置。
- 導波管は、矩形の第一の溝が設けられ、かつ、上記第一の溝の内壁から使用周波数における自由空間波長の1/4の奇数倍の位置に第二の溝が設けられた凹状部材と、平板導体とを所定の間隔を空けて対向させて構成されたことを特徴とする請求項1記載の導波管スロットアレーアンテナ装置。
- 導波管のスロットが形成された一つの壁面の第一の内壁から該第一の内壁に対向する第二の内壁までの寸法を導波管内壁間寸法とすると、上記スロットが形成された直下の導波管内壁間寸法を、該スロット形成直下以外の導波管内壁間寸法に対して異なるように構成されることを特徴とする請求項1記載の導波管スロットアレーアンテナ装置。
- 導波管のスロットが形成された一つの壁面に隣接する壁面の第三の内壁から該第三の内壁に対向する第四の内壁までの寸法を導波管内壁間寸法とすると、上記スロットが形成された直下の導波管内壁間寸法を、該スロット形成直下以外の導波管内壁間寸法に対して異なるように構成されることを特徴とする請求項1記載の導波管スロットアレーアンテナ装置。
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