JP5682460B2 - 印刷用塗工紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷用塗工紙の製造方法に関する。
一般に印刷用塗工紙は、原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗工液を塗工、乾燥して製造されるが、塗工量や塗工紙の仕上げ方法によって、キャストコート紙、アート紙、コート紙、微塗工紙等に分類される。これらの塗工紙は、これに多色印刷又は単色印刷を施して、チラシ、パンフレット、ポスター等の商業用印刷物として、あるいは書籍、雑誌等の出版物として広く使用されている。近年、印刷物のビジュアル化、カラー化の進展と共に、印刷用塗工紙の高品質化の要求が高まっており、白紙光沢度、平滑度、白色度等の白紙品質、および印刷平滑性等の印刷仕上り等の品質が重要視されている。加えて、特に商業用印刷物として、低コストで印刷仕上がりの良いものが求められていることから、品質に優れ、かつ、その品質が安定しており、さらに効率よく製造可能な塗工紙の製造方法が求められている。
塗工紙に用いられる原紙を抄造する抄紙機については、省力化・製造コスト削減を目的として広幅化・高速化が進んでおり、ワイヤーパートにおける高速化対策の1つとして、長網フォーマーからオントップタイプのフォーマーへの改造が数多く行われている。長網フォーマーのワイヤー上にトップワイヤーを設置してオントップタイプ化することにより、高速化に伴って発生するワイヤーパートでの脱水能力の不足、原料表面の乱れによる地合の悪化、片面脱水の強化による紙表裏の特性差の増大を抑制することが可能となった。しかし、抄紙機の抄速が1200m/分を超えると、オントップタイプのフォーマーにおいても初期の長網部における原料表面の乱れの増加による地合の悪化が発生し始め、製品の品質低下を引き起こすので、これ以上の増速は困難となっている。
このため、高速での操業を可能にするために開発されたのが、ヘッドボックスを出た原料を直ちに2枚のワイヤーで挟み込むギャップタイプのフォーマーである。前記ギャップフォーマーでは、ヘッドボックスを出た原料を直ちに2枚のワイヤーで挟み込むため、高速化に伴う脱水能力の不足を補うことが可能となった。また、ワイヤー上での原料の自由表面をなくすことができると共に、ワイヤー間の原料に加える脱水圧力の最適化が可能となったため原紙の地合も向上し、特に新聞用紙の製造分野ではいち早くギャップフォーマーが導入されて、現在では主要な設備仕様となっている。
一方、塗工工程では、高品質の塗工紙を得る塗工方式としてブレード塗工方式が主流となっている。ブレード塗工方式は、その他の塗工方式と比較して、高速塗工に適し、幅方向の品質差が少ない、塗工紙表面の平滑性が高い等の特徴を有している。しかし、ブレード塗工方式によって形成される顔料塗工層は、凹凸のある原紙上に表面が平滑な塗工層を形成するため、塗工層厚みの変動が大きいという特徴を有している。このため、塗工層厚みが厚い所では、他の箇所と比較して相対的に塗工紙単位面積当たりの接着剤量が多くなる。
顔料塗工層中の接着剤としては、主として各種澱粉やラテックスが用いられるが、なかでも水溶性である澱粉は、塗工紙の剛度向上に寄与することや、ブレード塗工時の操業性向上に寄与するため好ましく用いられる接着剤の一つである。しかし、澱粉を使用した場合、湿潤状態の顔料塗工層の乾燥過程における水分蒸発に伴って澱粉分子も移動し、塗工紙表面に局在化するバインダーマイグレーションの発生が顕著となる。
湿潤塗工層厚みの違いにより、含有する接着剤量が紙の場所により異なる場合や、適切な乾燥が行われなかった結果、バインダーマイグレーションにより塗工紙表面に接着剤が局所的に多くなった場合、多色印刷時のインキ受理性が不均一となり、着肉ムラと呼ばれる印刷障害を発生させ、印刷品質が低下するため問題となる。従って、塗工紙の製造工程における乾燥工程は、単に湿潤状態の顔料塗工層を乾燥・固化させるのみでなく、塗工紙の印刷品質を大きく左右するため、乾燥工程の最適化によるバインダーマイグレーションの抑制が課題となっている。なお、顔料塗工層の接着剤として各種澱粉を含有しない、あるいは含有していても微量である場合、バインダーマイグレーションは軽微であり、乾燥工程が塗工紙の印刷品質に与える顕著な影響は見られない。
従来の塗工紙の乾燥方式としては、加圧蒸気の熱交換またはガスの燃焼により生じる高温の空気を使用した、熱風乾燥方式や、赤外線乾燥方式が知られている。
熱風乾燥方式では、紙流れ方向に多数のノズルを配置しているため、乾燥条件を細かに制御できる利点があるが、熱伝導が表面からしかなされず、乾燥効率の面では劣るため、高速塗工を行った後に湿潤状態の顔料塗工層を乾燥させる場合、熱風乾燥ユニットを多数配置しなければならず、設置面積が大きくなると共に、設備の導入費用が大きいという問題がある。
一方、赤外線乾燥方式では、赤外線吸収による物体の温度上昇現象を利用する物であり、乾燥機の紙流れ方向の単位長さあたりの乾燥効率として優れる利点を持っているが、連続的に走行する基材の保持が乾燥機内外のペーパーロールによってのみ行われることから走行安定性に劣り、さらにその高い乾燥能力故に乾燥条件の細かな制御が困難であるという問題点がある。
印刷用塗工紙の印刷品質改善に対しては、これまで幾つかの提案がなされている。特定の顔料を含有する水性塗工液を赤外線で予備乾燥した後に乾燥する方法(特許文献1、2を参照)、特定の助剤を併用し、赤外線で予備乾燥した後に乾燥する方法(特許文献3を参照)では、赤外線乾燥方式を予備乾燥装置として使用する点で一致している。ここで、赤外線乾燥方式は、赤外線吸収による温度上昇効果を主目的としているため、熱風乾燥工程前に赤外線乾燥を行った場合、澱粉等を含む湿潤塗工層中の水相温度を上昇させる。一般に、澱粉溶液は温度が高い場合に粘度が低下することから、該水相温度の上昇により水相中の澱粉は、低温の場合と比較して、水分の蒸発と共により移動しやすくなると考えられる。近年の塗工速度の高速化も伴って、赤外線乾燥方式を予備乾燥装置として使用するのみでは、バインダーマイグレーションの抑制効果は十分ではない。加えて、塗工速度がより高速化している現在、赤外線による予備乾燥のみでは、効率的な塗工紙の製造が困難となっている。
一方、新たな乾燥装置として、赤外線乾燥方式と熱風乾燥方式を組み合わせた複合型乾燥方式も提案されている(特許文献4、非特許文献1を参照)。該方式においては、赤外線乾燥方式のもつ高い乾燥能力と、熱風乾燥方式の持つシート安定走行性を有することが記載されているが、開示されているのは紙幅5.4mまでの狭幅塗工時の例のみであり、また塗料処方についても何ら記載がない。
上記の通り、印刷品質に優れる印刷用塗工紙を効率よく製造する製造方法として、未だ改善の余地があった。
特開平6−108396号公報 特開平7−34397号公報 特開平6−108395号公報 特許第4190630号公報
紙パ技協紙第56巻第2号、高パワー密度非接触式ドライヤー"ユニドライヤー"、ソラロニクスIRT社 G.ケナードら、2002年2月
本発明は、塗工紙を製造する方法において、特定の塗工液を特定の乾燥方法を採用することにより、印刷時のインキ乾燥性に優れるとともに着肉ムラの発生が無く、さらに幅方向の印刷品質の変動が無い塗工紙を効率よく製造することができる製造方法を提供することにある。
本発明は以下の各発明を包含する。
(1)顔料塗工層を有する印刷用塗工紙の製造方法であって、該塗工紙を構成する原紙はギャップフォーマー型抄紙機で抄紙して得られ、該塗工紙を構成する少なくとも1層の顔料塗工層は、全顔料100質量部に対して澱粉(固形分)を1質量部以上含有し、かつ、1000m/min以上で走行する基材上に塗工して設けられた後、乾燥工程で乾燥され、該乾燥工程の少なくとも一部は赤外線乾燥方式と熱風乾燥方式を組み合わせた複合型乾燥ユニットにて乾燥されたことを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法。
(2)片面に顔料塗工層2層以上を有する塗工紙の製造方法であって、該塗工紙を構成する原紙はギャップフォーマー型抄紙機で抄紙して得られ、該塗工紙を構成する最外顔料塗工層は、全顔料100質量部に対して澱粉(固形分)を1質量部以上含有し、かつ、1000m/min以上で走行する基材上に塗工して設けられた後、乾燥工程で乾燥され、該乾燥工程の少なくとも一部は赤外線乾燥方式と熱風乾燥方式を組み合わせた複合型乾燥ユニットにて乾燥されたことが好ましい。
(3)赤外線乾燥方式はガス燃焼赤外線乾燥方式であり、熱風乾燥方式はエアーフローティング式熱風乾燥方式であるが好ましい。
(4)前記乾燥工程において、先に複合型乾燥ユニットで乾燥し、さらに熱風乾燥方式で乾燥することが好ましい。
(5)顔料塗工層が形成される塗工幅が5.5m以上であるが好ましい。
(6)顔料塗工層がブレード塗工方式で設けられたことが好ましい。
(7)下記条件にて測定される最外顔料塗工層を形成する水性塗工液の加圧脱水量が20〜120g/mであることが好ましい。
(測定条件)
Kaltec Scientific社AA−GWRウォーターリテンションメーターで加圧圧力100kPa、加圧時間30秒の条件で、孔径0.1μmのメンブランフィルターを使用した際の加圧脱水量。
本発明により、印刷工程における着肉ムラの発生が無く、インキ乾燥性に優れ、特に幅方向の印刷品質の変動が無く、安定した品質を有する塗工紙を効率よく製造することができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明で使用される原紙の主体となるセルロース繊維として、ケナフ・バガス・バンブー・コットンなど非木材系パルプも使用できるが、代表的には木材を原料としたパルプが使用される。木材パルプの原材料は、広葉樹材、針葉樹材のいずれでもよく、原材料からパルプを得るための蒸解法としては、クラフト蒸解、ポリサルファイド蒸解、ソーダ蒸解、アルカリサルファイト蒸解等の公知の蒸解法を用いることができるが、蒸解液を分割添加する蒸解法であるLo-solids法、Compact蒸解法、Kobudomari蒸解法、等の蒸解法は、蒸解時に使用するエネルギー量が少ない、製造されるパルプの漂白性がよいといった効果あるため、好適に用いられる。
上記により得られた未漂白パルプは、洗浄、粗選及び精選工程を経て、公知のアルカリ酸素漂白法により脱リグニンされることが好ましい。本発明に使用できるアルカリ酸素漂白法は、公知の中濃度法或いは高濃度法がそのまま適用できるが、現在、汎用的に用いられているパルプ濃度が8〜15%で行われる中濃度法が好ましい。
前記中濃度法によるアルカリ酸素漂白法において、アルカリとしては苛性ソーダあるいは酸化されたクラフト白液を使用することができ、酸素ガスとしては、深冷分離法からの酸素、PSA(Pressure Swing Adsorption)からの酸素、VSA(Vacuum Swing Adsorption)からの酸素等が使用できる。前記酸素ガスとアルカリは中濃度ミキサーにおいて中濃度のパルプスラリーに添加され、混合が十分に行われた後、加圧下でパルプ、酸素及びアルカリの混合物を一定時間保持できる反応塔へ送られて、脱リグニンされる。
酸素ガスの添加率は、絶乾パルプ質量当たり0.5〜3質量%、アルカリ添加率は0.5〜4質量%、反応温度は80〜120℃、反応時間は15〜100分、パルプ濃度は8〜15%であり、この他の条件は公知のものが適用できる。本発明では、アルカリ酸素漂白工程において、上記アルカリ酸素漂白を連続して複数回行い、できる限り脱リグニンを進めるのが好ましい実施態様である。
アルカリ酸素漂白が施されたパルプは次いで洗浄工程へ送られる。パルプは洗浄後、多段漂白工程へ送られる。
本発明で使用される漂白パルプを得るための多段漂白工程では、公知の漂白工程を適宜使用できるが、近年の環境問題に対する取り組みの見地から、オゾン漂白段を用いることが好ましい。また、必要であれば、二酸化塩素、他の漂白薬品を併用することも可能である。本発明の多段漂白工程で使用できる漂白段は、好ましく用いられるオゾン漂白段以外として、公知の漂白段を用いることができる。多段漂白後のパルプは、叩解工程、または抄紙工程へ送られる。
また、上記パルプに対して、砕木パルプ、加圧式砕木パルプ、リファイナ砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ等の機械パルプ、脱墨古紙パルプ、損紙なども、本発明の所望の効果を妨げない限り、適宜混合使用することができる。さらには、パルプスラリーを抄紙機で抄き上げ、湿潤状態あるいは乾燥状態でシート化したものを、再度理解してパルプスラリーとしたパルプも使用できる。
原紙を構成するパルプは叩解工程を経た後、スラリー状のパルプ水分散液である紙料として抄紙機に送られる。この紙料に対して、填料や、内添サイズ剤、アニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤等の抄紙用内添助剤を、必要に応じて添加することができる。原紙の抄紙条件については、酸性抄紙、中性抄紙、弱アルカリ抄紙等のいずれの方式でも良い。
本発明で、紙料中に添加し、原紙の形成に使用する填料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、石膏、タルク、クレー、焼成カオリン、ホワイトカーボン、非晶質シリカ、デラミネーテッドカオリン、珪藻土、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等の無機顔料や、尿素・ホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子等の有機顔料等が例示でき、古紙や損紙等に含まれる填料も再使用できる。填料は2種類以上の混合使用も可能である。填料の配合量は、一般に紙(原紙)灰分が3〜30質量%の範囲、好ましくは5〜20質量%となるように添加される。
また、本発明で使用される内添サイズ剤の具体例としては、例えば、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、スチレン−アクリル系、高級脂肪酸系、石油樹脂系、ロジン系などのサイズ剤が挙げられる。また、歩留向上剤、濾顔料向上剤、紙力増強剤の具体例としては、例えば、アルミニウム等の多価金属化合物(具体的には硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性アルミニウム化合物等)、各種澱粉類、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、ポリアミドポリアミン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド等が例示できる。また、本発明の効果を妨げない範囲で、パルプ繊維間結合の阻害機能を有する嵩高剤、柔軟剤を使用することも可能である。嵩高剤、柔軟剤の具体例としては、例えば、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、多価アルコールと脂肪酸エステル化合物のポリオキシアルキレン化合物、脂肪酸ポリアミドアミン、多価アルコール系界面活性剤、油脂系非イオン界面活性剤等が例示できる。かかる嵩高剤、柔軟剤の添加量は、一般に、乾燥重量対比でパルプに対して0.05〜2.0質量%程度である。
スラリー状のパルプ水分散液に必要な填料・薬剤を添加した紙料からシート状の原紙を形成する、原紙の抄造(フォーマー)形式としては操業性、ならびに得られる原紙の地合等の品質に優れるギャップフォーマー形式を使用する。ギャップフォーマー形式の抄紙機としては、ブレードフォーミング型、ロールフォーミング型、およびこれらの複合型があるが、いずれも使用できる。
また、パルプおよび填料を主成分とするギャップフォーマーの紙料吐出方向としては、ほぼ鉛直上方に吐出する垂直吐出型と、抄紙機下流側に向かう水平方向と紙料吐出方向で形成する角度が30〜80°である傾斜吐出型があるが、どちらでも採用することができる。また、原紙は単層抄での抄紙であっても、多層抄であってもよい。
ギャップフォーマー等と組み合わせて使用され、フォーマー部で形成された湿潤状態の紙料を搾水して固形分濃度を上昇させるプレスパートでは、公知のプレス形式であるトライニッププレス、トライニッププレス+4P等の構成を採用することが可能であるが、1200m/分を超える操業状態で搾水性を向上させ、操業性を良好とするには、シュープレスを使用することが好ましく、原紙の表裏差を低減させるためにはシュープレス2機を使用するタンデムシュープレス形式とすることが好ましい。また、原紙の平滑性を向上させるため、タンデムシュープレスの後にさらに3Pを追加した形式とすることも可能である。
抄紙される原紙の坪量としては特に限定はないが、原紙地合を良好とするためには30〜250g/mの範囲とすることが好ましい。プレスパートを経た原紙は、ドライヤーにより乾燥され、所望の水分とした後に、必要に応じてサイズプレス工程に送られる。
サイズプレス工程においては、得られる塗工紙の表面強度向上、ならびに顔料塗工層を設ける効果を効率よく発揮させるために原紙への塗工液浸透を抑制することを目的として、澱粉やポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等、天然もしくは合成の水溶性高分子を含有する水溶液あるいはエマルジョン型高分子が、原紙に塗工される。サイズプレス工程において、顔料を含まない、いわゆるクリアサイズを行う際の塗工量としては、サイズプレスの効果発現、および乾燥負荷の増大による操業性低下回避を考慮すると、原紙片面当たりの固形分塗工量として0.1〜3.0g/mが好ましく、0.2〜2.0g/mがより好ましい。サイズプレス工程において顔料を含有する、いわゆるピグメントサイズプレスを行う際の塗工量としては、原紙片面当たりの固形分塗工量として、同様の観点から0.5〜6.0g/mが好ましく、0.8〜4.0g/mがより好ましい。
サイズプレス工程における塗工装置としては、サイズプレス工程における塗工液が顔料を含まないクリアサイズプレスであるか、顔料を含むピグメントサイズプレスであるかにかかわらず、1000m/分以上の高速での操業の場合、断紙等のトラブルによる生産効率低下回避、塗工の均一性確保のため、フィルムトランスファー方式のロール塗工装置であることが好ましい。フィルムトランスファー方式のロール塗工装置としては、計量装置としてブレードまたはロッドを使用することにより、原紙に接する前のロール表面上にあらかじめ所望の塗工液量を計量し、この塗工液を原紙に接触、転移させることでサイズプレス、すなわち塗工が実施される。計量装置として、装置の耐久性を考慮すると、ロッドを使用したロッドメタリングサイズプレスであることがより好ましい。
サイズプレス工程を経た後、塗工層はドライヤーで乾燥され、顔料塗工層塗工工程に送られるが、サイズプレス工程前、あるいはサイズプレス工程後の乾燥が完了した後から顔料塗工層塗工工程前の間において、必要に応じ金属ロール/金属ロールの組み合わせによるマシンカレンダー、あるいは金属ロール/弾性ロールの組み合わせであって金属ロールを加温したソフトカレンダー等による平滑化仕上げ処理を施すこともできる。
顔料塗工層を形成する塗工装置としては、特に限定されるものではなく、例えばベントブレードコーター、ベベルブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター、ツーロールもしくはロッドメタリングあるいはブレードメタリング式のサイズプレスコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター、ゲートロールコーター、スプレーコーター等の装置が適宜用いられる。このうち、原紙へ顔料塗工層を形成する際の塗工速度が1000m/分以上の場合、操業性や生産性、ならびに得られる塗工紙の品質を考慮すると、塗工装置としてはブレードコーターもしくはロールコーターが好ましく、ブレードコーターが最も好ましい。
本発明において、顔料塗工層に使用される顔料については、特に限定されるものではなく、例えば、通常のカオリン、焼成カオリン、構造化カオリン、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドカオリン等の各種カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム(粉砕炭酸カルシウム)などの精製した天然鉱物顔料、軽質炭酸カルシウム(合成炭酸カルシウム)、炭酸カルシウムと他の親水性有機化合物との複合合成顔料、サチンホワイト、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、二酸化チタン、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、中空もしくは密実である有機顔料のプラスチックピグメント、接着剤ピグメント、プラスチックビーズ、マイクロカプセルなどを本発明の効果を阻害しない範囲で適宜混合、使用することができる。
塗工層に用いられる接着剤としては、天然植物から精製した澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉等の各種澱粉、およびカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の澱粉誘導体、デキストリン、マンナン、キトサン、アラビノガラクタン、グリコーゲン、イヌリン、ペクチン、ヒアルロン酸等の天然多糖類およびそのオリゴマーさらにはその変性体が挙げられる。さらに、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、コラーゲンなどの天然タンパク質およびその変性体、ポリ乳酸、ペプチドなどの合成高分子やオリゴマーが挙げられる。加えてスチレンブタジエン系、アクリル系、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニルなどの各共重合体ラテックス、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、変成ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ユリアまたはメラミン/ホルマリン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン/エピクロルヒドリンなどの水溶性合成物などが挙げられる。これらは一種以上で使用することができる。この他、公知の天然、合成有機化合物を使用することは特に限定されない。
また、塗工液に用いられる増粘剤としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、キサンタンガム、グアーガム等のガム類、カゼイン、ポリアクリル酸ソーダなどの水溶性高分子、ポリアクリル酸塩、スチレンマレイン酸無水共重合体などの合成重合体、珪酸塩などの無機重合体などが挙げられる。
さらに、必要に応じて、分散剤、濡れ剤、流動性改質剤、消泡剤、耐水化剤、印刷適性向上剤、防腐剤、スライムコントロール剤、着色剤などの通常使用されている各種助剤、およびこれらの各種助剤をカチオン化したものが好適に用いられる。
顔料塗工層を形成するための水性塗工液の塗工時の塗料固形分濃度は、一般に50〜75質量%の範囲で調節され、より好ましくは60〜72質量%に調節される。得られる塗工紙の品質を良好とするためには、塗料固形分濃度の下限として好ましくは62%以上であり、64%以上であることがより好ましい。なお、塗工時の塗料固形分濃度とは、塗工工程において実際に原紙に接触する際の塗工液固形分濃度をいう。所定の濃度に調節された塗工液が、原紙上に塗工された後、過剰分を掻き落とされる後軽量方式で塗工される場合、原紙による脱水作用を受けた後の塗料が回収、再利用されるため、固形分濃度は調整時の濃度と比較して、上昇する。
顔料塗工層を形成するための水性塗工液の加圧脱水量としても特に限定はないが、Kaltec Scientific社のAA−GWRウォーターリテンションメーターを用い、加圧圧力100kPa、加圧時間30秒の条件で、孔径0.1μmのメンブランフィルターを使用した際の加圧脱水量として、20〜120g/mである水性塗工液であることが好ましい。
加圧脱水量が多いと塗料の保水度が劣るとされ、原紙上に塗料が接触した際により多くの水が原紙に移動すると共に、接着剤成分も移動し、塗工層強度が劣る傾向にある。さらに、乾燥工程では、水性塗工液中の水が移動しやすいため、塗工層表面方向へのバインダーマイグレーションが発生しやすくなり、着肉ムラの原因となったり、インキ乾燥性を低下させる。本発明における乾燥方法を採用すると、塗料の保水度が劣る場合でも、バインダーマイグレーションを抑制しやすく、塗工紙を印刷した際の着肉ムラが起こりにくくすることができるとともに、インキ乾燥性を良好とすることができる。保水度の指標である加圧脱水量が多い場合、水性塗工液の粘度も低く所望の塗工量が得られにくくなったり、乾燥工程における乾燥負荷が高くなる場合があるため、該加圧脱水量の上限としては100g/m以下が好ましく、80g/m以下がより好ましい。
一方、保水度が優れ、加圧脱水量が20g/m未満と少ない場合、バインダーマイグレーションは発生しにくくなるが、水性塗工液の固形分濃度が高すぎて塗工量制御が困難となるか、乾燥時に乾燥効率を著しく低下させてしまう場合がある。このため、保水度の指標となる加圧脱水量としては、25g/m以上であることが好ましく、30g/m以上であることがより好ましい。
顔料塗工層合計の塗工量は、得られる塗工紙の白紙品質、印刷品質、および塗工・加工適性等を考慮すると、片面当たり3〜40g/m程度、好ましくは5〜30g/m程度で調節される。このうち、最外塗工層における片面当たりの塗工量の好ましい範囲としては、下限として6g/m以上、上限としては20g/m以下であり、さらに好ましい範囲としては、下限として8g/m以上、上限としては16g/m以下である。
前記塗工装置の配置方法としては、抄紙工程から塗工工程までが連続的に行われる様に配置したオンマシンコーター形式でも良く、抄紙工程後サイズプレスでの塗工およびその塗工液の乾燥工程後、一度ワインダーで巻き取ってから、再びアンワインダーから巻き出して最外顔料塗工層を含む顔料塗工層塗工工程に供するオフマシンコーター形式であっても良い。塗工紙の製造効率向上の面からは、オンマシンコーター形式の方が好ましい。
本発明では、湿潤状態の顔料塗工層の乾燥において、少なくとも一部は赤外線乾燥方式と熱風乾燥方式を組み合わせた複合型乾燥ユニット(以下、単に複合型乾燥ユニットと記載する)にて乾燥させることを特徴とする。
顔料塗工層を形成する水性塗工液として、全顔料100質量部に対して澱粉(固形分)を1質量部以上含有する塗工液を原紙上に塗工した後、複合型乾燥ユニットを使用して乾燥することで、そうでない場合と比較して塗工紙印刷時のインキ乾燥性が改善される。その理由は定かではないが、複合型乾燥ユニットによる乾燥工程を経ることで、顔料塗工層の層構成が多孔性となり、インキ中のビヒクルの吸収に優れるためと考えられる。ちなみに、顔料塗工層中の澱粉含有量が1質量部未満であると、複合型乾燥ユニットで乾燥した事によるインキ乾燥性改善効果が見られない。澱粉含有量の上限として限定はないが、水性塗工液の濃度低下による生産効率の低下を回避するため10部以下が好ましい範囲であり、インキ乾燥性とその他塗工紙品質とのバランスからは、1〜8質量部がより好ましい範囲であり、2〜6質量部が最も好ましい範囲である。
原紙片面当たり2層以上の顔料塗工層を有する印刷用塗工紙の場合、最外顔料塗工層の層構成が印刷品質に大きく影響を与えるため、最外顔料塗工層に対して複合型乾燥ユニットを使用して乾燥することが、より好ましい。
複合型乾燥ユニットは、一つの乾燥ユニット内に、赤外線乾燥方式と熱風乾燥方式の両者を具備していることが特徴である。特許4190630号に開示された乾燥ユニットは代表的な一例である。赤外線乾燥方式としては、電気式、ガス燃焼式等の各種方式を使用することができる。また、熱風乾燥方式としては、エアーフローテーションノズルを介して原紙の片面側のみから熱風を吐出し、反対面をカンバスなどでサポートするカンバスサポート方式、両面から熱風を吹き出し、走行する原紙を非接触でサポートするエアーフローティング方式等を使用することができる。
なかでも、湿潤状態の塗工層の乾燥効率向上の観点から、赤外線乾燥方式としてはガス燃焼赤外線乾燥方式である事が好ましく、原紙の走行安定性の観点から、熱風乾燥方式はエアーフローティング式熱風乾燥方式であることが好ましい。
また、湿潤状態の塗工層の乾燥効率向上の観点から、赤外線乾燥方式のガス燃焼式赤外線エミッター群と、熱風乾燥方式のエアーフローテーションノズルが、複合型乾燥ユニット内で交互に配置されていることが好ましく、赤外線エミッター群とエアーフローテーションノズルが、1つの複合型乾燥ユニット内で少なくとも2以上の繰り返し単位で配置されていることが好ましい。
さらに、赤外線エミッター群とエアーフローテーションノズルが、ともに基材の表裏両面側に配置され、表裏面の乾燥条件を独立して制御できる方式であると、湿潤状態の顔料塗工層の乾燥状態の制御が容易となると共に、得られる塗工紙のカール制御が容易となるために好ましい。
原紙上に塗工した湿潤状態の顔料塗工層を乾燥する方法として、少なくとも一部に前記複合型乾燥ユニットを使用するほか、従来から公知公用の熱風乾燥、ガスヒーター乾燥、高周波乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥、レーザー乾燥、電子線乾燥等の各種加熱乾燥方式を組み合わせて使用することも可能である。
特に、複合型乾燥ユニットにて湿潤状態の顔料塗工層を乾燥した後、さらに熱風乾燥方式乾燥機にて乾燥を行うと、効率的な乾燥が行えると共に、前段の複合型乾燥ユニットでの乾燥状態に応じて後段の熱風乾燥機の乾燥条件を変更することにより、バインダーマイグレーションに起因する印刷時の着肉ムラの発生を効果的に抑制できるため、本発明においては好ましい態様である。
さらには、原紙片面当たり2層以上の顔料塗工層を設けた塗工紙の場合、最外顔料塗工層として複合型乾燥ユニットにて湿潤状態の顔料塗工層を乾燥した後、さらに熱風乾燥型乾燥機にて乾燥を行うことにより、複合型乾燥ユニットのみで乾燥した場合と比較して、白紙光沢や印刷光沢が向上するため、好ましい。複合型乾燥ユニットのみで乾燥した場合、乾燥強度が強くなりすぎると、塗工紙表面に急速な蒸気透過に起因すると思われる5〜10μm程度の細孔が発生する。この細孔は目視では認知できないが、白紙光沢や印刷光沢を低下させる。前記細孔の発生数として、塗工紙1mm当たり200個以下、好ましくは100個以下、さらに好ましくは50個以下とするように、複合型乾燥ユニットおよび熱風乾燥装型乾燥機の乾燥条件を調整することにより、そうでない場合と比較して白紙光沢や印刷光沢が良好となる。上記細孔の個数は、電子顕微鏡もしくは光学顕微鏡により、10mmの塗工紙表面を観察し、1mmあたりの個数として求めた平均個数を言う。
従来の熱風乾燥方式のみによる乾燥では、塗工する原紙の幅が5.5m以上の広幅である場合、そうでない場合と比較して、紙の端部と中央部で、印刷品質が異なる問題が発生しやすい。その原因は必ずしも明らかでないが、熱風乾燥機では、乾燥効率向上のため原則として密閉状態で運転されており、乾燥機壁近傍である紙端部の空気の流れと、中央付近との空気の流れが異なり、これが水分移動速度・バインダーマイグレーション程度の差異となって発現することが原因と考えられる。本発明による乾燥方式は、複合型乾燥ユニットにて乾燥の主要工程がなされるため、幅方向の品質変動を効果的に防止できる。塗工する塗工幅が5.5m以上の場合に幅方向の品質変動防止効果が顕著であり、7.5m以上の場合に特にその効果が顕著である。塗工幅の上限としては、塗工機および乾燥装置の製作の容易さを勘案すると、12m以下であることが好ましい。塗工紙の生産効率と塗工機および乾燥装置の製作の容易さの両立のためには、塗工幅として7.5〜11mであることが特に好ましい。
顔料塗工層の塗工速度が1000m/min以上の場合は、短時間に乾燥する必要があるため、乾燥設備が膨大になり、大きな設置スペースが必要である。本発明の製造方法、つまり乾燥工程の少なくとも一部を赤外線乾燥方式と熱風乾燥方式を組み合わせた複合型乾燥ユニットを用いると、優れる品質を保ちながら設備設置スペースとコストを大幅に削減することができる。塗工速度としては1300m/min以上、特に1500m/min以上では、上記効果を発揮する。塗工速度の上限としては、原紙上への湿潤塗工層の形成に問題がなければ制限はないが、現状では2500m/min程度が上限である。
本発明において、幅広な原紙に高速で塗工する際には、乾燥工程の少なくとも一部は複合型乾燥ユニットで乾燥を行う必要がある。複合型乾燥ユニットの1機あたりの赤外線出力能力として3MW以上の物を使用することが好ましく、赤外線出力能力の上限としては、25MW以下とするのが好ましい。装置作成の容易さ、連続操業時の安定運転の観点、及び塗工紙の品質調整の観点から、本発明において好ましい実施形態である、複合型乾燥ユニットと熱風乾燥方式を組み合わせた場合の複合型乾燥ユニットの1機あたりの赤外線出力能力としては、4〜10MWの範囲とすることが更に好ましい。
上記により塗工層を形成した後、カレンダー装置による平滑化処理が行われる。カレンダー装置としては、ハードニップカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー、熱カレンダー、コンパクトカレンダー、マットスーパーカレンダー、マットカレンダー、粗面化カレンダー等が一般に使用される。中でも、ロール表面が樹脂等からなる弾性ロールと加熱された金属ロールであるヒートロールの組み合わせにより形成されるニップ間、あるいはニップ間群を通過させることにより塗工紙の平滑性や光沢等を向上させる熱カレンダーを採用した場合、良好な操業性を維持したまま表裏差がなく、品質に優れた両面印刷用塗工紙を得ることができるため好ましい。
一般的なマルチニップカレンダーでは、ロール自重の影響で下方のニップほど線圧が高くなるため、下方ニップで金属ロールに接触する塗工紙面の光沢・平滑がより上昇しやすくなっており、さらに密度も上昇しやすい。このため、塗工紙表裏の光沢・平滑等を独立して所望するレベルにコントロールするのがより容易である、カレンダーロール自重の影響を少なくできるよう金属ロール・弾性ロールの組み合わせを傾斜配置としたマルチニップカレンダー、およびロール自重をキャンセルできる機構を備えた垂直配置のマルチニップカレンダーをより好ましい形態として例示することができる。
高速でのカレンダーにおける平滑化処理を行うため、金属ロールはカレンダーが設置された場所の室温より高い温度で使用される。カレンダー処理効果を発現させ、かつ、過度の温度上昇によるロール汚れを回避するために、カレンダーの金属ロールの表面温度が80〜230℃とするのが好ましい。
カレンダーの金属ロールの加温方法としては特に限定はなく、電磁誘導作用を利用した内部もしくは外部加熱方式、加圧蒸気や温水、シリコン油等の温媒をロール内に導入、循環させる温媒加熱方式いずれも採用することができるが、エネルギー効率の観点から、温媒循環方式が好ましく使用される。また、ロール端部の過昇温防止等のため、各種冷却装置を併用することも可能である。
カレンダーの金属ロールの表面粗さに関しては特に限定されないが、金属ロールの製造容易性、ならびにカレンダー温度や線圧上昇によるカレンダーロール汚れに起因する操業性・不透明度の低下回避のため、該表面粗さがJIS B0601−2001で規定される算術平均粗さRaとして、0.05〜0.5μmであることが好ましい。
金属ロールの材質について特に限定はないが、ダクタイル鍛鋼などの鍛鋼、チルド鋳鉄、クロムチルド鋳鉄などが好ましく使用され、さらに表面加工としてクロムメッキされた各種金属ロールも使用できる。金属ロールの硬度にも特に限定はないが、継続して安定的にカレンダー処理を行うために、好ましくはJIS Z2244のビッカース硬度で450〜700HV、より好ましくは500〜600HVの硬度の物が使用される。
カレンダーの弾性ロールの材質に関しては特に限定されないが、ウール、コットン、アラミド繊維を使用した繊維系ロールと、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、ウレタンゴム、加硫ゴム、シリコン樹脂、ポリアリレ−ト樹脂、フッ化ビニデリン樹脂、ポリフェニレンスルフィルド樹脂、フェノ−ル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアセタ−ル樹脂、ポリイミド樹脂シリコン樹脂、ポリアリレ−ト樹脂、フッ化ビニデリン樹脂、ポリフェニレンスルフィルド樹脂、フェノ−ル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアセタ−ル樹脂、ポリイミド樹脂、および前記樹脂に芳香族ポリアミンやシリコン系改質剤を含んだ樹脂等の樹脂系ロールが例示できる。
弾性ロールは金属ロールに対向してニップを形成し、断紙時には直接加熱された金属ロールに接触する場合がある。このため、耐熱温度が好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上である弾性ロールを使用することが好ましい。好ましい範囲の上限は、特にないが、製造上の制限から、実質240℃程度が上限である。
また、弾性ロールの表面硬度としては、カレンダー前の塗工紙の圧縮下での凹凸が反映されて発生する塗工紙上の数mm〜サブmmオーダーの光沢ムラや密度ムラの発生回避の観点から、ISO 7619に準拠して測定されるショアD硬度の上限として96以下が好ましく、94以下がより好ましい。また、ニップ圧下でのロール回転に起因する内部発熱による弾性ロールの破損回避の観点から、前記ショアD硬度の下限として88以上が好ましく、90以上がより好ましい範囲である。弾性ロールとしては、耐熱性、硬度、操業性を考慮すると、前記好ましい耐熱温度・硬度範囲内の樹脂系ロールが最も好ましい形態としてあげることができる。
また、弾性ロール、および金属ロールともに温度変化による熱変形を生じる。熱変形による幅方向のニップ圧変動を回避するため、および/または、温度によらないロール自身の変形によるニップ圧変動を回避するため、幅方向に分割したゾーン毎にニップ圧をコントロールできる、ゾーンコントロール機構を備えたロールを使用することが好ましい。前記機構のゾーンの分割幅が広すぎるとゾーンコントロールの効果が得られにくくなり、他方狭すぎると内部機構が複雑化してロール作成が困難となるため、各ゾーンの幅としては80〜250mm、さらに好ましくは100〜180mmである。
さらに、カレンダーによる仕上げ前後の塗工紙の調湿、加湿のための水塗り装置、静電加湿装置、蒸気加湿装置等を適宜組み合わせて使用することも可能である。
平滑化処理を行うカレンダーの配置方法としては、原紙へ顔料塗工層を設けて乾燥した後に、一度巻きとった後カレンダー処理を行うオフカレンダー、ならびに原紙へ顔料塗工層を設けて乾燥した後に、巻きとらずに連続的な工程としてカレンダー処理を行うオンカレンダーの形態があるが、いずれの形態でも良い。
カレンダー処理後、塗工紙はワインダーで巻取の形態となるよう巻き取られ、後工程に供される。後工程においては、さらに所望の形態となるように、ワインダーでの巻取幅より小幅および/または所望の長さとなるよう巻取の形態で仕上げたり、カッター設備で所望の大きさの平判(シート)に仕上げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はそれらの範囲に限定されるものでない。なお、例中の「部」及び「%」は特に断わらない限り、「質量部(固型分)」及び「質量%」を示す。
実施例1(参考例)
<原紙の調製>
(原紙の作製)
Lo-solids蒸解釜(アンドリッツ(株)製)を用い、アカシアマンギューム:ユーカリグランディス=30:70(質量比)からなる広葉樹チップをLo-solids蒸解法でクラフト蒸解した。なお、白液は硫化度28のものを用意し、白液添加率は、活性アルカリとして、チップ供給系に対チップ絶乾重量当たり10%、蒸解ゾーンに8%、洗浄ゾーンに2%分割して添加し、蒸解温度は146℃で行なった。蒸解後のチップを解繊した後、洗浄工程、スクリーン工程、さらに再度洗浄工程を経て、未晒パルプを得た。
前記未晒パルプに対し、絶乾パルプ重量当たり苛性ソーダを1.7%、酸素を1.8%添加し、パルプ濃度10%、98℃、50分の条件で二段アルカリ酸素漂白を行なった。なお、苛性ソーダは一段目に一括添加し、酸素ガスは一段目に1.0%、二段目に0.8%添加し、分割添加した。アルカリ酸素漂白後のパルプは、洗浄工程にて洗浄処理した。
前記アルカリ酸素漂白後のパルプに対し、絶乾パルプ重量当たり硫酸を1.2%添加し、パルプ濃度10%、60℃、60分の条件で滞留させた後、洗浄工程で洗浄処理した。次いで、絶乾パルプ重量当たりオゾンを0.5%、二酸化塩素を0.5%添加し、パルプ濃度10%、58℃、60分の条件で中濃度オゾン/二酸化塩素漂白を行なった後、洗浄工程で洗浄処理した。次いで、絶乾パルプ重量当たり苛性ソーダを1.0%、過酸化水素を0.1%添加し、パルプ濃度10%、60℃、90分の条件でアルカリ抽出を行なった後、洗浄工程で洗浄処理した。最後に、絶乾パルプ重量当たり二酸化塩素を0.2%添加し、パルプ濃度10%、70℃、120分の条件で二酸化塩素漂白を行なった後、洗浄工程で洗浄処理し、スラリー状の漂白パルプAを得た。
上記漂白パルプA100部に、填料として軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパールTP−121、奥多摩工業社製)を10部添加した後、パルプスラリーの全固形分に対して硫酸アルミニウム0.5%、カチオン澱粉(商品名:エースK100、王子コーンスターチ社製)0.5%、アルキルケテンダイマーサイズ剤(商品名:サイズパインK−287、荒川化学社製)0.1%、ポリアクリルアミド(商品名:ポリストロン851、荒川化学社製)0.2%を順次添加し、濃度1%の紙料を調製した。この紙料を運転抄速1200m/分でギャップフォーマーにより紙層を形成し、2基のシュープレスを含むプレスで搾水後、さらに1基のプレスからなるプレス工程を経て多筒式ドライヤーで乾燥し、顔料塗工層を形成する水性塗工液塗工幅が8.2mとなる90g/mの原紙を得た。
<顔料塗工層用水性塗工液Aの調製>
重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、備北粉化工業社製)100部に対して、接着剤として澱粉(商品名:エースC、王子コーンスターチ社製)4部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ−3000H、JSR社製)8部を添加し、さらに助剤として消泡剤および染料を順次加え、更に水を加えて固形分濃度65%の顔料塗工層用水性塗工液Aを得た。
<顔料塗工層用水性塗工液Bの調製>
分散剤(商品名:アロンT−50、東亞合成社製)0.1部を添加した水溶液に、カオリン(商品名:ミラグロスJ、BASF社製)100部を順次添加し、コーレス分散機で分散し、顔料スラリーを調製した。この顔料スラリー中の顔料50部、および重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業社製)50部の混合物に対して、接着剤として澱粉(商品名:エースC、前出)2部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ−3000H、前出)10部、PVA(商品名:PVA105、クラレ株式会社製)0.3部を添加し、さらに助剤として増粘剤、消泡剤、滑剤、防腐剤、染料を順次加え、更に水を加えて固形分濃度64%の顔料塗工層用水性塗工液Bを得た。
<塗工紙の作製>
上記条件で抄造した原紙に、水性塗工液Aを、塗工速度1200m/minにて乾燥重量が片面9g/mとなるようにブレードコーターで両面塗工し、熱風乾燥機にて水分5.0%になるように乾燥した。続いて、塗工面に水性塗工液Bを、乾燥重量が片面10g/mとなるようにブレードコーターで両面塗工し、ガス燃焼式赤外線乾燥方式とエアーフローティング熱風乾燥方式を組み合わせた複合型乾燥ユニットのみ(ソラロニクス社製、商品名:UniDryer V2)にて水分5.0%になるように乾燥を行った。その後、熱カレンダー処理を行い、128g/mの塗工紙を得た。
実施例2
実施例1(参考例)において、水性塗工液B塗工後の乾燥においては前記複合型乾燥ユニットで塗工層水分が20%になるまで乾燥後、さらに熱風乾燥機にて水分5.0%になるように乾燥を行った以外は、実施例1(参考例)と同様にして塗工紙を得た。
実施例3
実施例2において、水性塗工液A及びBの塗工方式を、ブレード塗工方式からロール塗工方式に変更し、塗工液Bの固形分濃度を60%とした以外は、実施例2と同様にして塗工紙を得た。
実施例4
実施例2において、水性塗工液Bの澱粉部数を2部から4部、ラテックス部数を10部から9部とし、さらに増粘剤(商品名:ソマレックス270K、ソマール株式会社製)0.1部を追加した以外は、実施例2と同様にして塗工紙を得た。
実施例5
実施例2において、水性塗工液Bの澱粉部数を2部から1.1部、ラテックス部数を10部から11部とし、増粘剤を添加しなかった以外は、実施例2と同様にして塗工紙を得た。
実施例6
実施例2において、水性塗工液Bの重質炭酸カルシウムの部数を20部に変更し、軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−221GS、奥多摩工業株式会社製)を30部配合し、澱粉部数を2部から1.2部、ラテックス部数を10部から11部とし、増粘剤を添加せず、塗料固形分濃度を61%に変更した以外は、実施例2と同様にして塗工紙を得た。
実施例7
実施例2において、顔料塗工層の塗工幅を5mにした以外は、実施例2と同様にして塗工紙を得た。
実施例8
実施例2において、各顔料塗工層の塗工速度を1500m/minにした以外は実施例2と同様にして塗工紙を得た。
実施例9
実施例2において、水性塗工液A塗工後の乾燥においては前記複合型乾燥ユニットで乾燥を行った以外は、実施例2と同様にして塗工紙を得た。
実施例10
実施例2において、水性塗工液Aを塗工乾燥しなかった以外は実施例2と同様にして110g/mの塗工紙を得た。
実施例11
<顔料塗工層用水性塗工液Cの調製>
重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、前出)100部に対して、接着剤として澱粉(商品名:エースC、前出)6部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ−3000H、前出)5部、PVA(商品名:PVA105、クラレ株式会社製)0.3部を添加し、さらに助剤として増粘剤、消泡剤、滑剤、防腐剤、染料を順次加え、更に水を加えて固形分濃度61%の顔料塗工層用水性塗工液Cを得た。
<塗工紙の作製>
実施例2において、水性塗工液Bに替えて水性塗工液Cを塗工乾燥した以外は実施例2と同様にして128g/mの塗工紙を得た。
比較例1
実施例1(参考例)において、いずれの乾燥工程も熱風乾燥機のみで乾燥を行った以外は、実施例1(参考例)と同様にして塗工紙を得た。
比較例2
実施例1(参考例)において、水性塗工液Bの澱粉部数を2部から0.5部に変更し、ラテックスの部数を11部に変更し、増粘剤を添加しなかった以外は実施例1(参考例)と同様にして塗工紙を得た。
比較例3
実施例6において、水性塗工液Bの澱粉部数を1.2部から0部に変更し、ラテックスの部数を12部に変更した以外は実施例6と同様にして塗工紙を得た。
比較例4
比較例3において、いずれの乾燥工程も熱風乾燥機のみで行った以外は、比較例3と同様にして塗工紙を得た。
比較例5
実施例6において、水性塗工液Bの乾燥工程を熱風乾燥機のみで乾燥を行った以外は、実施例6と同様にして塗工紙を得た。
比較例6
実施例1(参考例)において、いずれの乾燥工程もまずガス燃焼式赤外線乾燥機で予備乾燥を行った後、さらに熱風乾燥機で水分が5.0%になるように乾燥を行った以外は、実施例1(参考例)と同様にして塗工紙を得た。
比較例7
実施例7において、いずれの乾燥工程も熱風乾燥機のみで乾燥を行った以外は、実施例7と同様にして塗工紙を得た。
比較例8
実施例8において、水性塗工液AおよびBの乾燥工程は熱風乾燥機のみで乾燥を行った以外は、実施例8と同様にして塗工紙を得た。
比較例9
実施例10において、水性塗工液Bの乾燥工程は熱風乾燥機のみで乾燥を行った以外は、実施例10と同様にして塗工紙を得た。
比較例10
実施例11において、水性塗工液AおよびCの乾燥工程は熱風乾燥機のみで乾燥を行った以外は、実施例11と同様にして塗工紙を得た。
<評価方法>
上記で得られた印刷用塗工紙を、以下の評価方法で評価を行い、水性塗工液AおよびBまたはCの加圧脱水量、および塗工紙の品質結果を表1に示した。
なお、インキ乾燥性、インキ着肉ムラについては、幅方向について11ポイントを選んで測定した。11ポイントは塗工の両エッジから10cmを各1ポイント(a、b)、塗工紙の真中を1ポイント(c)、a〜c間に距離が均等になるように4ポイントを選び、同様にb〜c間に4ポイントを選んだ。
(塗工液加圧脱水量測定)
水性塗工液の加圧脱水量は、Kaltec Scientific,Inc.製のAA−GWR保水度計を用いて測定した。測定条件としては、印加圧力100kPa、加圧時間30秒にて加圧し、孔径0.1μmのポリカーボネートフィルターを介して濾紙No.2に塗工液から脱水された水分を吸収させ、測定前後のろ紙重量変化から、塗工液の加圧脱水量(g/m)を求めた。
(白紙光沢度)
光沢度計(型式:GM−26D、村上色彩技術研究所社製)を用いて、ISO 8254−1(1999)に準じ、入射角/反射角75度の条件で測定した値を、白紙光沢度とした。
(インキ乾燥性)
RI印刷試験機にて、印刷インキ(商品名:Fusion−G、墨、Sタイプ、大日本インキ社製)を0.6cc使用して印刷を行い、1分、3分、5分、10分後に白紙と印刷面を重ねて、再度RI印刷試験機にてニップし、白紙に転写したインキの濃度を目視評価した。評価は5(優)−1(劣)の5段階評価で行った。
さらに、幅方向11ポイントのインキ乾燥性平均点、最も高い点数と最も低い点数の差(表1において点数差と表記)を求めた。平均点が高いほどインキ乾燥性がよく、点数差が小さいほど、幅方向のインキ乾燥性のバラツキが小さく、品質面で優れている。
(表面強度)
RI印刷試験機にて、印刷インキ(紙試験用インキ紅、東洋インキ社製)を0.6cc使用して複数回印刷を行い、印刷面のピッキングの程度を目視評価した。評価は5(優)−1(劣)の5段階評価で行った。
(インキ着肉ムラ)
RI印刷試験機にて、1色目に印刷インキ(商品名:TOYOKING TKU CC藍、東洋インキ社製)を0.3cc使用して印刷を行い、2色目に異なる印刷インキ(紙試験用インキ紅、東洋インキ社製)を0.3cc使用し、1色目印刷後の時間を30秒、60秒、90秒、120秒、180秒、240秒、300秒と変えて重ね刷りした時の2色目紅インキの着肉ムラを目視評価した。なお、上記時間群における重ね刷り結果の中から、インキ着肉ムラの最も劣るところを塗工紙の着肉ムラとして評価し、評価は5(優)−1(劣)の5段階評価で行った。
さらに、幅方向11ポイントのインキ着肉ムラ平均点、最も高い点数と最も低い点数の差(表1において点数差と表記)を求めた。平均点が高いほどインキ着肉ムラの発生が無く、点数差が小さいほど、幅方向のインキ着肉ムラのバラツキが小さく、品質面で優れている。
Figure 0005682460

表1から明らかのように、本発明の実施例1〜11のいずれにおいても、印刷工程における着肉ムラの発生が無く、インキ乾燥性に優れ、特に幅方向の印刷品質の変動が無く、安定した品質を有する塗工紙が得られる。

Claims (6)

  1. 顔料塗工層を有する印刷用塗工紙の製造方法であって、該塗工紙を構成する原紙はギャップフォーマー型抄紙機で抄紙して得られ、該塗工紙を構成する少なくとも1層の顔料塗工層は、全顔料100質量部に対して澱粉(固形分)を1質量部以上含有し、かつ、1000m/min以上で走行する基材上に塗工して設けられた後、乾燥工程で乾燥され、該乾燥工程の少なくとも一部は赤外線乾燥方式と熱風乾燥方式を組み合わせた複合型乾燥ユニットにて乾燥され、前記乾燥工程において、先に複合型乾燥ユニットで乾燥し、さらに熱風乾燥方式で乾燥することを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法。
  2. 片面に顔料塗工層2層以上を有する塗工紙の製造方法であって、該塗工紙を構成する原紙はギャップフォーマー型抄紙機で抄紙して得られ、該塗工紙を構成する最外顔料塗工層は、全顔料100質量部に対して澱粉(固形分)を1質量部以上含有し、かつ、1000m/min以上で走行する基材上に塗工して設けられた後、乾燥工程で乾燥され、該乾燥工程の少なくとも一部は赤外線乾燥方式と熱風乾燥方式を組み合わせた複合型乾燥ユニットにて乾燥されたことを特徴とする請求項1記載の印刷用塗工紙の製造方法。
  3. 赤外線乾燥方式はガス燃焼赤外線乾燥方式であり、熱風乾燥方式はエアーフローティング式熱風乾燥方式である請求項1〜2のいずれか一項に記載の印刷用塗工紙の製造方法。
  4. 顔料塗工層が形成される塗工幅が5.5m以上である請求項1〜のいずれか一項に記載の印刷用塗工紙の製造方法。
  5. 顔料塗工層がブレード塗工方式で設けられたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の印刷用塗工紙の製造方法。
  6. 下記条件にて測定される最外顔料塗工層を形成する水性塗工液の加圧脱水量が20〜120g/mであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の印刷用塗工紙の製造方法。
    (測定条件)
    Kaltec Scientific社AA−GWRウォーターリテンションメーターで加圧圧力100kPa、加圧時間30秒の条件で、孔径0.1μmのメンブランフィルターを使用した際の加圧脱水量
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