JP2010090511A - 嵩高紙および嵩高塗工紙ならびにその製造方法 - Google Patents

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健司 柳沢
Takayuki Shirao
剛之 白尾
Yasuhiro Arai
康宏 荒井
Shinji Nakayama
伸二 仲山
Makoto Noda
誠 野田
Shigeru Tsuruta
茂 鶴田
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Abstract

【課題】嵩高剤、嵩高填料を使用せず、良好な操業の条件下で得られる嵩高紙を提供する。
【解決手段】セルロース繊維を主体とする紙であって、紙を抄紙するために使用される紙料中に嵩高剤および嵩高填料を添加せず抄紙を行い、かつ抄紙工程中のプレス工程における脱水処理が、ニップ線圧200〜1400kN/mのシュープレスを用いて行われ、その後のスムージング工程におけるニップ圧が全て50kN/m以下の条件で製造された、下記の(1)および(2)の特性を備えた嵩高紙。(1)密度が0.55〜0.75g/cm。(2)JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.5−2:2000に基づく王研式平滑度が10秒以上。
【選択図】図1

Description

本発明は、嵩高剤・嵩高填料を抄紙工程中で紙料に添加せず得られる、良好な操業性のもとで製造可能な、嵩高性と平滑性を両立させた嵩高紙および嵩高塗工紙に関する。
現在、省資源、輸送コストなどの点から紙の軽量化が求められており、軽量化としては紙の単位面積当たりの重量を低下させる低坪量化が主流である。しかしながら、単純に紙の軽量化を進めた場合、紙の厚みが減少することから、製本時の厚み減少や剛度低下による商品性低下が問題となる。これに対し、紙厚を可能な限り維持したまま軽量化を図った、嵩高紙が登場している。しかしながら、嵩高紙の製造方法として、紙抄紙時のプレス圧およびマシンカレンダー圧を低くして、原紙の密度を低くする方法を採用した場合、原紙の密度を所望のレベルまで低くすると、得られる嵩高紙の平滑度が著しく低下するという問題があった。
上記問題に対し、嵩高紙である嵩高書籍用紙、嵩高印刷用紙、および嵩高塗工紙を得る方法としては、これまでいくつかの方法が提案されているが、大別すると嵩高剤を使用する方法、嵩高填料を使用する方法、および嵩高パルプを使用する方法に分けることができる。
嵩高剤を使用する方法としては、主として嵩高剤を添加することによりパルプ繊維間の繊維間結合力を低下させる作用を利用しており、例えば多価アルコールと特定の脂肪酸のエステル化合物を含有させる方法(例えば、特許文献1参照)、特定のノニオン界面活性剤と特定のアニオン界面活性剤を特定比率で含有させる方法(例えば、特許文献2参照)、油脂系非イオン界面活性剤/糖アルコール系非イオン界面活性剤/糖系非イオン界面活性剤のいずれかを含有させる方法(例えば、特許文献3参照)、特定のアミノ基およびアミド基を有する嵩高剤を使用する方法(例えば、特許文献4参照)、特定のアミド樹脂を含有する嵩高剤を使用する方法(例えば、特許文献5参照)、アルキレンオキサイド付加物と多塩基酸とのエステル化合物からなる嵩高剤を使用する方法(例えば、特許文献6参照)、ロジン類にアルキレンオキサイドを付加させたロジンエステル系嵩高剤を使用する方法(例えば、特許文献7参照)などが提案されている。しかし、これらの方法は、いずれも嵩高剤の使用に起因する泡の発生により操業性を低下させたり、サイズ性や層間強度等の品質の低下を伴ったりするものであり、満足のいく方法ではなかった。嵩高剤を使用することによる操業性低下を回避する方法として、ワイヤ上の形成過程にある湿紙層に嵩高剤をスプレーで噴霧して嵩高剤を含浸させる方法(例えば、特許文献8参照)も提案されているが、紙料中の泡による操業性低下を低減する一定の効果期待できるものの、新規設備の設置が必要で、さらに嵩高剤使用による層間強度低下も不可避であり、満足のいく解決法ではない。
嵩高填料を使用する方法としては、粗大粒子である嵩高填料をセルロース繊維ネットワーク構造中に分布させ、粗大粒子の空間排除効果を利用することにより、嵩高性を得る方法がある。例えば無定型シリカや無定型シリケートを特定量含有させる方法(例えば、特許文献9参照)、炭酸カルシウムとシリカの複合填料等の各種複合填料を使用する方法(例えば、特許文献10参照)、有機粒子を含有させる方法(例えば、特許文献11参照)、微細中空ガラス球を含有させる方法(例えば、特許文献12参照)、花弁状珪酸カルシウムを含有させる方法(例えば、特許文献13参照)などが提案されている。しかし、これら嵩高填料は、製造が困難であったり、製造コストが高額であったり、粗大である嵩高填料により印刷表面性が低下する問題があり、さらには抄紙用具の短命化を招き操業性を低下させるなどの問題もあり、汎用的に使用することは困難であった。
嵩高パルプを使用する方法としては、セルロース繊維自身の剛度が高く、シート形成後のプレスにおける弾性変形量が小さいことを利用して、セルロース繊維ネットワーク形成時に多くの空間を有した状態で紙を得る方法であり、例えば機械パルプを特定量配合したり、さらに特定助剤を添加する方法(例えば、特許文献14、15参照)、マーセル化パルプを使用する方法(例えば、特許文献16参照)、特定の酵素により処理された酵素処理パルプを使用する方法(例えば、特許文献17参照)、液体噴流によって生じたキャビテーションに伴って生じる微細気泡崩壊時の衝撃力を利用してパルプを所望の濾水度に調製する方法(例えば、特許文献18参照)、合成繊維を使用する方法(例えば、特許文献19参照)などが提案されている。これらの方法において、機械パルプを特定量配合する方法では、紙の平滑性が損なわれたり、印刷時の熱処理における機械パルプ特有のヒートセットラフニングが発生して機械繊維が浮き出して見えたりするなどの問題が生じ、マーセル化パルプを使用する方法では製造コストが高い等の問題があり一般的に使用できる方法ではない。また、合成繊維を使用する方法では、再生紙として利用する場合に処理効率を低下させたり、紙製造中あるいは印刷工程などの熱処理過程において、紙表面が粘着性を帯びてロール汚れが発生するなどの問題があり、他の方法でも特殊なパルプ製造装置が必要であったり、当該パルプの配合量が制限される問題があった。
上記の通り、嵩高剤、嵩高填料、嵩高パルプを使用する方法いずれにおいても、操業性を犠牲にすることなく、かつ低コストで製造可能な嵩高紙は提案されていなかった。
特開2004−285490号公報 特開平11−200285号公報 特開平11−200283号公報 特開2008−223197号公報 特開2008−81915号公報 特開2005−42278号公報 特開2004−339629号公報 特開2007−254924号公報 特開平10−226982号公報 特開2005−281915号公報 特開2007−92250号公報 特開2004−156192号公報 特開2008−25088号公報 特開2005−206950号公報 特開2005−240216号公報 特開2006−207068号公報 特開平7−54293号公報 特開2008−38311号公報 特開2004−346435号公報
本発明の課題は、嵩高剤、嵩高填料を使用しないで嵩高紙の生産時における操業性の問題を回避しつつ、省資源化に寄与できる嵩高紙を提供することにある。
本発明は、セルロース繊維を主体とする紙であって、紙を抄紙するために使用される紙料中に嵩高剤および嵩高填料を添加せず抄紙を行い、かつ抄紙工程中のプレス工程における脱水処理が、ニップ線圧200〜1400kN/mのシュープレスを用いて行われ、その後のスムージング工程におけるニップ圧が全て50kN/m以下の条件で製造された、下記の(1)および(2)の特性を備えた嵩高紙である。
(1)密度が0.55〜0.75g/cm
(2)JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に基づく王
研式平滑度が10秒以上。
前記シュープレスに使用されるフェルトの単位面積当たりの重量が1450〜2500g/mであることが好ましい。
前記紙料中のパルプとして、全パルプ中に機械パルプの割合が15質量%以下であることが好ましい。
前記紙料中に、紙中の灰分が10〜40質量%となるように紙料中に填料を添加して抄紙されていることが好ましい。
前記プレス工程における脱水処理が、単独のシュープレスのみにより行われることが好ましい。
前記により得られた嵩高紙を原紙として使用した、嵩高塗工紙であることが好ましい。
また、本発明は、セルロース繊維を主体とする紙であって、紙を抄紙するために使用される紙料に嵩高剤および嵩高填料を添加せず抄紙を行い、かつ抄紙工程中のプレス工程における脱水処理が、ニップ線圧200〜1400kN/mのシュープレスにより行われ、その後のスムージング工程におけるニップ圧が全て50kN/m以下であり、さらに該シュープレスに使用されるフェルトの単位面積当たりの重量が1450〜2500g/mであるフェルトを使用したプレス工程を経て得られる、下記の(1)から(4)の全ての特性を備えた嵩高紙の製造方法である。
(1)密度が0.55〜0.75g/cm
(2)JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に基づく王
研式平滑度が10秒以上。
(3)全パルプ中に機械パルプの割合が15質量%以下。
(4)紙中の灰分が、10〜40質量%。
また、前記により製造された嵩高紙を原紙として使用した嵩高塗工紙の製造方法であることが好ましい。
本発明により、良好な操業性を維持して嵩高紙を得るために、特定の抄紙条件の下で嵩高剤・嵩高填料を抄紙工程中で紙料に添加せず得られる嵩高紙とすることで、嵩高性と平滑性を満足するレベルの嵩高紙が得られる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の嵩高紙を構成するパルプとしては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、サルファイトパルプ(SP)などの化学パルプ、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SG)、加圧ストーングランドパルプ(PGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、レファイナーグランドパルプ(RGP)、レファイナーメカニカルパルプ(RMP)、セミケミカルパルプ(SCP)などの各種機械パルプ、各種の古紙を原料とする古紙パルプ(DIP)などが使用可能である。ただし、得られる嵩高紙の平滑性をより良好とし、さらに印刷時のヒートセットラフニング発生による表面性悪化をより効果的に抑止するために、全パルプ100質量部中に機械パルプの使用量を15質量部以下とすることが好ましく、10質量部以下とするとより好ましい。
上記未漂白パルプを、必要に応じて洗浄、粗選及び精選工程を経て、公知のアルカリ酸素漂白法により脱リグニンされることが好ましい。本発明に使用できるアルカリ酸素漂白法は、公知の中濃度法或いは高濃度法がそのまま適用できるが、現在、汎用的に用いられているパルプ濃度が8〜15%で行われる中濃度法が好ましい。
前記中濃度法によるアルカリ酸素漂白法において、アルカリとしては苛性ソーダあるいは酸化されたクラフト白液を使用することができ、酸素ガスとしては、深冷分離法からの酸素、PSA(Pressure Swing Adsorption)からの酸素、VSA(Vacuum Swing Adsorption)からの酸素等が使用できる。前記酸素ガスとアルカリは中濃度ミキサーにおいて中濃度のパルプスラリーに添加され、混合が十分に行われた後、加圧下でパルプ、酸素及びアルカリの混合物を一定時間保持できる反応塔へ送られ、脱リグニンされる。
酸素ガスの添加率は、絶乾パルプ質量当たり0.5〜3質量%、アルカリ添加率は0.5〜4質量%、反応温度は80〜120℃、反応時間は15〜100分、パルプ濃度は8〜15%であり、この他の条件は公知のものが適用できる。本発明では、アルカリ酸素漂白工程において、上記アルカリ酸素漂白を連続して複数回行い、できる限り脱リグニンを進めるのが好ましい実施態様である。
アルカリ酸素漂白が施されたパルプは次いで洗浄工程へ送られる。パルプは洗浄後、多段漂白工程へ送られる。
本発明で使用される漂白パルプを得るための多段漂白工程では、公知の漂白工程を適宜使用できるが、近年の環境問題に対する取り組みの見地から、オゾン漂白段を用いることが好ましい。また、必要であれば、二酸化塩素、他の漂白薬品を併用することも可能である。本発明の多段漂白工程で使用できる漂白段は、好ましく用いられるオゾン漂白段以外として、公知の漂白段を用いることができる。多段漂白後のパルプは、叩解工程、または抄紙工程へ送られる。
原紙を構成するパルプは叩解工程を経た後、スラリー状のパルプ/水分散液である紙料として抄紙機に送られる。この紙料に対して、填料や、内添サイズ剤、アニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤等の抄紙用内添助剤を、必要に応じて添加することができる。原紙の抄紙条件については、酸性抄紙、中性抄紙、弱アルカリ抄紙等のいずれの方式でも良い。
ここで、本発明においては、上記紙料に対して嵩高剤および嵩高填料を添加しないことを特徴とする。嵩高剤を添加しないことにより、紙料の泡立ち、あるいはサイズ性発現阻害といった問題がなく抄紙が可能となる。さらに、嵩高填料を添加しないことによって、嵩高填料による摩擦に起因する抄紙用具の短命化と言った問題も発生しなくなり、嵩高剤や嵩高填料による嵩高紙の層間強度低下も回避できる。
本発明で言う嵩高剤とは、分子内に疎水基と親水基の両方を有し、セルロース繊維間の水素結合による繊維間結合を阻害するなどして紙の嵩を向上させる目的で紙料に添加される各種薬品をいう。嵩高剤の例としては、例えば油脂系非イオン界面活性剤、糖アルコール系非イオン界面活性剤、糖系非イオン界面活性剤、多価アルコールあるいは高級脂肪酸のポリオキシアルキレン付加物、高級脂肪酸エステルのポリオキシアルキレン付加物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物のポリオキシアルキレン付加物、ロジン類のアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸ポリアミドアミン、直鎖状脂肪酸モノアミド、不飽和脂肪酸ジアミドアミン等が例示できる。また、嵩高剤という名称以外にも、他の名称・呼称が使用されることがあるが、紙の嵩を向上させるという作用効果を期待して使用される場合、抄紙用紙質向上剤、乾燥効率向上剤、平滑性及び透気性向上剤、抄紙用添加剤、紙質向上剤、紙用不透明化剤、古紙再生用添加剤、紙厚向上剤、紙用低密度化剤、紙用改質剤、紙用柔軟化剤、嵩高柔軟化剤、嵩高サイズ剤等の名称・呼称が使用されている場合でも、本発明で言う嵩高剤に該当する。
本発明で言う嵩高填料とは、嵩比重が小さく、填料の空間排除効果を利用して紙の嵩を向上させる目的で紙料に添加される填料をいい、例えば、無定型シリカおよび/または無定型シリケートを紙に配合する方法や、炭酸カルシウム、二酸化チタン、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムなどの無機粒子と珪酸および/または珪酸塩とからなる複合填料、ホワイトカーボン、花弁状珪酸カルシウム、中空および密実の有機顔料、微小ガラス球、シラスバルーン等が例示できる。
なお、本発明においては、紙料中に嵩高剤や嵩高填料は添加されないが、パルプとして古紙パルプを用いた場合、該古紙パルプ中に嵩高剤や嵩高填料が含まれていることがあるため、本発明での嵩高紙中の嵩高剤や嵩高填料の含有量が0となることを規定する物ではない。古紙パルプを使用した場合、古紙パルプ製造工程などで嵩高剤や嵩高填料は元の古紙に含まれていた量よりも低減されるため、本発明に於いては、紙中の嵩高剤の実質的な含有量として想定される範囲は0.05質量%以下、嵩高填料の実質的な含有量として想定される範囲は1質量%以下である。
本発明で紙料に添加される填料としては、嵩高填料以外の公知公用の填料が使用できる。例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、石膏、タルク、クレー、焼成カオリン、ホワイトカーボン、非晶質シリカ、デラミネーテッドカオリン、珪藻土、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等の無機顔料が例示でき、古紙や損紙等に含まれる填料も再使用できる。填料は2種類以上の混合使用も可能である。本発明においては、従来一般に用いられている填料を使用して特定の嵩高填料を紙料中に添加しないため、製造コストの上昇や抄紙用具の摩耗による短命化の問題などが発生することなく、嵩高紙を得ることができる。
ここで、填料の配合量は、紙(原紙)灰分として10質量%以上とした場合、そうでない場合と比較して本発明で規定する密度(嵩高性)を維持したまま平滑性がより良好、あるいは嵩高性も良好となるなど、嵩高性と平滑性のバランスが良好となるため好ましい。他方、灰分を40質量%以下とした場合、そうでない場合と比較して前記効果を維持・向上させつつ、嵩高紙の表面より填料が脱落するなどの印刷時の障害も問題とならない範囲とできるため好ましい。すなわち、紙(原紙)灰分としては10〜40質量%の範囲が好ましい。さらには嵩高性と平滑性のバランスおよび印刷時の障害発生懸念の観点から、灰分の下限としては13質量%以上がより好ましく、15質量%以上が最も好ましい。他方、灰分の上限としては、上述の観点より35質量%以下がより好ましく、25質量%以下が最も好ましい。
また、本発明で使用される内添サイズ剤は、嵩高剤によるサイズ性発現阻害がないために公知公用のサイズ剤を使用することができ、具体例としては、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、スチレン−アクリル系、高級脂肪酸系、石油樹脂系、ロジン系などのサイズ剤が挙げられる。また、歩留向上剤、濾顔料向上剤、紙力増強剤の具体例としては、例えば、アルミニウム等の多価金属化合物(具体的には硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性アルミニウム化合物等)、各種澱粉類、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、ポリアミド・ポリアミン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド等が例示できる。
スラリー状のパルプ水分散液に必要な填料・薬剤を添加した紙料から、シート状の原紙を形成する原紙の抄造(フォーマー)形式としては特に限定されず、ツインワイヤーフォーマー、オントップフォーマー、ギャップフォーマー等が使用できる。フォーマー部でシート状となるまで脱水された紙は、その後プレス工程においてさらに脱水が進められる。
ここで、抄紙工程中のプレス工程における紙料からの脱水処理として、該脱水処理がニップ線圧200〜1400kN/mのシュープレスにより行われることが必要である。本発明においては、嵩高剤・嵩高填料を紙料に添加せず嵩高紙を得るため、プレス工程で過度のプレス処理を行うと、得られる紙の密度が上昇する。しかしながら、操業性を良好にするためには、プレス部において十分に搾水することも必要であり、両者のバランスが重要となる。ここで、プレス工程において搾水効率に優れるシュープレスを用い、該シュープレスのニップ線圧の下限として200kN/m以上とすることにより、効率的に搾水を行いつつ平滑が向上可能となる。また、ニップ線圧として1400kN/mを越えるシュープレスは装置の大型化を伴うなど製造および設置が困難であるため、プレス工程としては、脱水処理にシュープレスを用い、該シュープレスのニップ線圧200〜1400kN/mの条件にて行われることが必要である。
なお、上記シュープレスによるプレス工程において、スムージング工程における平滑性付与効果、ならびに運転速度低下や湿紙の乾燥を行うドライヤ負荷上昇回避のため、プレス工程を経た後のプレス出ドライネスの下限として41%以上とすることが好ましい。プレス工程における過度の搾水による密度上昇を防止する観点から、該ドライネスの上限としては55%以下とすることが好ましい。
また、シュープレスに用いられるフェルトの単位面積当たりの重量が1450〜2500g/mであることが好ましい。シュープレスでのプレス工程は、効率的な脱水を行うため、従来の一般的なプレスと比較して、プレス線圧が高いことが特徴の一つとなっている。ここで、シュープレスに用いられるフェルトの単位面積当たりの重量が1450〜2500g/mであるフェルトを用いることにより、シューモジュールならびにプレスボトムロールによるパターンが、フェルトを介して紙に転写されることを回避できるため、好ましい形態である。さらに、該フェルトとして、フェルト自身のパターンが紙上に転移されないよう、平滑性が高いフェルトを使用することがより好ましい。また、シュープレスでの搾水性が良好であり、特にプレス部としてシュープレス単独の構成とした場合でも、搾水性が良好で、運転速度を低下させずに操業できるフェルトであることが好ましい。
さらに、本発明においては、脱水処理工程後のスムージング工程において、ニップ圧を全て50kN/m以下とすることが必要である。スムージング工程においては、湿紙表面の平滑性向上を目的として、湿紙、または湿紙とフェルトやベルトを同時にニップ部に通過させる。このスムージング工程において、ニップ圧を全て50kN/m以下とすることで、得られる嵩高紙の嵩高性と平滑性バランスを本発明所望の範囲に両立できる。なお、スムージング工程におけるニップ圧の下限は特に限定がないが、スムージング効果を安定して発揮させるためには、5kN/m以上とすることが好ましい。該スムージング工程のスムーザの形式として、ロールスムーザ、ベルトスムーザ等を挙げることができるが、ベルトスムーザを用いた場合には、得られる嵩高紙の嵩高性と平滑性が最もよくバランスしており、また、湿紙とともに搬送された空気がニップ部に到達することで発生して断紙やシワの発生原因となるブローイングと呼ばれる操業上の問題も発生しないため、より好ましい実施態様である。また、スムーザの設置形態として、スムーザニップの数は限定されないが、設置スペースの有効活用、ならびに平滑化効果の飽和と密度の上昇懸念を考慮すると、スムーザニップ数としては3ニップ以下が好ましく、2ニップがより好ましく、さらに1ニップであることが最も好ましい。
前記ベルトスムーザに用いられるベルトとしては、ベルトの単位面積当たりの重量が1000〜1800g/mであることにより、そうでない場合と比較して得られる嵩高紙の嵩高性を維持したまま平滑性を向上させることができるため、より好ましい実施形態である。また、該ベルトとして、ベルト自身のパターンが紙上に転移されないよう、平滑性が高いベルトを使用することがより好ましい。
なお、プレス工程における脱水処理は、本発明で規定する線圧範囲のシュープレスを用い、さらにほかのプレスと組み合わせて使用することも可能である。さらに、該プレス工程としては、単独のシュープレスのみとすることも可能であり、その場合、スムージング工程における前記スムーザ条件でのスムージング処理と組み合わせることで、得られる嵩高紙の嵩高性を最も良好としつつ平滑性も良好とすることができるため、プレス工程での脱水処理が単独のシュープレスで行われることが、より好ましい。
これらの抄紙条件で抄紙された原紙の坪量としては特に限定されないが、30〜150g/mの範囲が一般的である。プレスパートを経た原紙は、ドライヤにより乾燥されて、所望の水分とした後に、必要に応じサイズプレス工程に送り、サイズプレス処理を行うこともできる。
サイズプレス工程においては、得られる嵩高紙の表面強度等の強度向上や表面サイズ性の付与、ならびに本発明で得られる嵩高紙を塗工原紙として顔料塗工層を設ける場合に、顔料塗工層を設ける効果を効率よく発揮させるために原紙への塗工液浸透を抑制することを目的として、澱粉やポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等、天然もしくは合成の水溶性高分子を含有する水溶液あるいはエマルジョン型高分子が、原紙に塗工される。サイズプレス工程において、顔料を含まない、いわゆるクリアサイズを行う際の塗工量としては、嵩高紙片面当たりの固形分塗工量として、サイズプレスの効果発現、および乾燥負荷の増大による操業性低下回避を考慮すると、0.1〜3.0g/mが好ましい範囲であり、0.2〜2.0g/mがより好ましい範囲である。また、必要に応じ、サイズプレス工程において、顔料を使用した塗工液を用いるピグメントサイズプレスを施すこともできる。
サイズプレス工程における塗工装置としては、サイズプレス工程における塗工液が顔料を含まないクリアサイズプレスであるか、顔料を含むピグメントサイズプレスであるかにかかわらず、断紙などの問題を回避して操業性を良好にする観点からロール塗工装置であることが好ましい。さらにはフィルムトランスファー方式のロール塗工装置が好ましく、中でも計量装置としてロッドを使用するロッドメタリングサイズプレスであることがより好ましい。
必要によりサイズプレス工程を経た後、乾燥工程のドライヤで乾燥され、その後必要に応じて金属ロール/金属ロールの組み合わせによるマシンカレンダー、あるいは金属ロール/弾性ロールの組み合わせであって金属ロールを加温したソフトカレンダー等による平滑化処理を施すこともできる。該カレンダーの使用方法に特に限定はないが、密度を本発明の処方範囲とするためには、カレンダーのニップ数を2以下とすることが好ましく、カレンダーを使用しないことももちろん可能である。
上記により得られた嵩高紙は、実用的に嵩高性と平滑性を両立するため、嵩高紙の密度が0.55〜0.75g/cm、かつJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に基づく王研式平滑度が10秒以上であることが必要である。密度が0.55g/cm未満では嵩高紙の内部結合強度が劣ることなどにより、印刷時にピッキング現象である紙剥けの発生や紙粉の脱落による印刷障害を起こすおそれがある。他方0.75g/cmを越える場合には嵩高性が十分ではない。密度の下限として好ましくは0.60g/cm以上であり、上限として好ましくは0.70g/cm以下である。また、王研式平滑度が10秒未満である場合、表面性が劣るために印刷適性が劣る問題がある。印刷適性や手触り感といった観点から、王研式平滑度としては12秒以上がより好ましい。なお、王研式平滑度の上限としては嵩高紙の密度が本発明所望の範囲内にあれば特に限定はないが、王研式平滑度を高くしすぎた場合には密度が上昇しやすいため、密度を本発明所望の範囲とした場合、100秒程度である。
本発明においては、上記により得られた嵩高紙を原紙として、顔料塗工を施し、嵩高塗工紙を得ることもできる。特に、本発明で規定する好ましい灰分範囲とすることで、原紙である嵩高紙の表面平滑性を向上できるほか、顔料塗工層を形成する塗工液の原紙への浸透をも効果的に抑制されるため、嵩高性を維持したまま塗工が可能となり、嵩高塗工紙を得ることができる。なお、前述したサイズプレス工程におけるピグメントサイズプレスも、顔料塗工の一つの実施態様である。
顔料塗工層を形成する塗工装置としては、特に限定されるものではなく、例えばベントブレードコーター、ベベルブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター、ツーロールもしくはロッドメタリングあるいはブレードメタリング式のサイズプレスコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター、ゲートロールコーター、スプレーコーター、キャストコーター等の装置が適宜用いられる。このうち、操業性や生産性、ならびに得られる塗工紙の品質を考慮すると、塗工装置としてはベベルブレードコーターもしくはロールコーターが好ましい。
本発明において、顔料塗工層に使用される顔料については、特に限定されるものではなく、例えば、通常のカオリン、焼成カオリン、構造化カオリン、デラミネーテッドカオリン等の各種カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム(粉砕炭酸カルシウム)などの精製した天然鉱物顔料、軽質炭酸カルシウム(合成炭酸カルシウム)、炭酸カルシウムと他の親水性有機化合物との複合合成顔料、サチンホワイト、リトポン、二酸化チタン、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、中空もしくは密実である有機顔料のプラスチックピグメント、バインダーピグメント、プラスチックビーズ、マイクロカプセルなどを本発明の効果を阻害しない範囲で適宜混合、使用することができる。
塗工層に用いられるバインダーとしては、天然植物から精製した澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉等の各種澱粉、およびカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の澱粉誘導体、デキストリン、マンナン、キトサン、アラビノガラクタン、グリコーゲン、イヌリン、ペクチン、ヒアルロン酸等の天然多糖類およびそのオリゴマーさらにはその変性体が挙げられる。さらに、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、コラーゲンなどの天然タンパク質およびその変性体、ポリ乳酸、ペプチドなどの合成高分子やオリゴマーが挙げられる。加えてスチレンブタジエン系、アクリル系、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニルなどの各共重合体ラテックス、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、変成ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ユリアまたはメラミン/ホルマリン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミド・ポリアミン/エピクロルヒドリンなどの水溶性合成物などが挙げられる。これらは一種以上で使用することができる。この他、公知の天然、合成有機化合物を使用することは特に限定されない。
また、塗工液に用いられる増粘剤としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、キサンタンガム、グアーガム等のガム類、カゼイン、ポリアクリル酸ソーダなどの水溶性高分子、ポリアクリル酸塩、スチレンマレイン酸無水共重合体などの合成重合体、珪酸塩などの無機重合体などが挙げられる。
さらに、必要に応じて、分散剤、濡れ剤、流動性改質剤、消泡剤、耐水化剤、印刷適性向上剤、防腐剤、スライムコントロール剤、着色剤などの通常使用されている各種助剤、およびこれらの各種助剤をカチオン化したものが好適に用いられる。
顔料塗工層を形成するための塗料の固形分濃度は、一般に20〜75質量%の範囲で調節され、より好ましくは30〜70質量%に調節される。また、ピグメントサイズプレスを行う場合、該ピグメントサイズプレス用塗工液の固形分濃度としても、一般に20〜75質量%の範囲で適宜調節されるが、塗工量を所望の範囲に制御するためには30〜50質量%に調節されることが好ましい。
嵩高紙を原紙とし、原紙上に設けられる顔料塗工層の塗工量は、得られる塗工紙の白紙品質、印刷品質、および塗工適性等を考慮して決定されるが、一般的に片面当たり2〜30g/m程度、好ましくは4〜20g/m程度で調節される。前記塗工量範囲とすることにより、塗工原紙として嵩高紙を使用したことによる嵩高効果、ならびに塗工層を設けることによる外観向上並びに印刷品質向上を図ることができるため、好ましい範囲である。
前記塗工装置の配置方法としては、抄紙工程から塗工工程までが連続的に行われる様に配置したオンマシンコーターでも良く、抄紙工程後、もしくはサイズプレスでの塗工およびその塗工液の乾燥工程後、一度ワインダーで取ってから、再びアンワインダーから巻きだして顔料塗工層の塗工工程に供するオフマシンコーターであっても良い。
塗工した塗料を乾燥する方法としては、従来から公知公用の熱風乾燥、ガスヒーター乾燥、高周波乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥、レーザー乾燥、電子線乾燥等の各種加熱乾燥方式が適宜採用される。
上記により塗工層を形成した後、必要に応じカレンダーで平滑化処理が行われるが、かかるキャレンダー装置としては、スーパーキャレンダー、ソフトキャレンダー、グロスキャレンダー、コンパクトキャレンダー、マットスーパーキャレンダー、マットキャレンダー、粗面化カレンダー等の一般に使用されているキャレンダー装置が適宜使用できる。キャレンダー仕上げ条件としては、金属ロールの温度、キャレンダー圧力、ニップ数、ロール速度、キャレンダー前の紙水分等が、要求される品質に応じて適宜選択される。
以下、本発明に使用できるプレス部およびスムーザ部を図に示した実施形態例を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態例に記載されている構成部品の相対的な寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではない。
図1は本発明に使用できるプレス部およびスムーザ部の第1の実施形態(実施形態例1)を示す構成図、図2は本発明に使用できるプレス部およびスムーザ部の第2の実施形態(実施形態例2)を示す構成図、図3は本発明に使用できるプレス部およびスムーザ部の第3の実施形態(実施形態例3)を示す構成図、図4は本発明に使用できるプレス部およびスムーザ部の第4の実施形態(実施形態例4)を示す構成図、図5は本発明に使用できるプレス部およびスムーザ部の第5の実施形態(実施形態例5)を示す構成図である。
図1〜5において、ニップ部N、Nはスムーザボトムロール12b上に、およびNはスムーザボトムロール24b上に形成されるニップであるが、ニップ部Nは、フェルト6aから湿紙を分離してスムーザボトムロール上へ搬送するためのニップであり、スムーザ部としてはニップ部NおよびNが該当する。ただし、ニップ部Nにおいても、嵩高紙の密度上昇を防止するため、ニップ線圧としては50kN/m以下であることが好ましい。
ニップ部Nにおいては、湿紙とともにフェルト6aがニップされるため、僅かに脱水作用を示す可能性がある。しかしながら、該フェルト6aは、シュープレスにより脱水された際に搾水された水によりフェルト空隙が充填されているため、ニップ部Nにおいてはほとんど脱水効果を認められない。同様に、ニップ部Nにおいても、湿紙とともにベルト13がニップされるため、僅かに脱水作用を示す可能性があるが、脱水用プレス工程における脱水作用とニップ部Nにおける脱水作用を比較すると、後者における脱水作用は極僅かである。
(実施形態例1)
本発明で使用できるプレス部およびスムーザ部の実施形態例1を示す図1において、図示しないワイヤーパートからワイヤ8上に担持されて移送されてきた湿紙1は、サクションロール5aにより吸引されてフェルト6aに保持された後、フェルト6aとフェルト6bとにより挟み込まれた状態で脱水用最終プレス4に搬送される。該脱水用最終プレス4では、シューモジュール4aとプレスボトムロール4bとを備えており、これらのニップ圧により湿紙1に含まれる水分をフェルト6a、6bに移動させて搾水を行なっている。なお図中aは湿紙1の搬送方向を示す。
脱水用最終プレス4で搾水された湿紙1は、フェルト6a及び6bに挟持されて、サクショントランスファーロール21に搬送される。サクショントランスファーロール21において、湿紙1は、片面側のフェルト6aを介してサクショントランスファーロール21の表面に吸着されることにより、もう一方のフェルト6bと分離される。
その後流側で、サクショントランスファーロール21は、スムーザボトムロール12bとの間で第1のニップ部Nを形成しており、湿紙1は第1のニップ部Nに向かい、第1のニップ部Nの出口で、フェルト6aとスムーザボトムロール12bとの表面平滑度の違いにより、フェルト6aから分離し、スムーザボトムロール12bに転移される。なおニップ部Nではサクショントランスファーロール21により空気が吸引されるため、ブローイングは発生しない。さらにその後流側でスムーザボトムロール12bは、スムーザトップロール12aとの間で第2のニップ部Nを形成している。スムーザボトムロール12bの表面に転移された湿紙1は、第2のニップ部Nに移送される。
スムーザトップロール12a及びスムーザボトムロール12bは、表面平滑度を高くするため、表面に硬質材としてのハードカバー(例えば硬質ゴム)が装着され、このハードカバーがJIS K 6253に準拠して測定される硬度が99°以上の硬度を有していることが望ましい。
第2のニップ部Nで湿紙1とともに通される通紙ベルト13は、弾性部材(例えばゴム製)からなり表面が滑らかで微通気性を有し、ペーパーロール18を経て湿紙1とともに第2のニップ部Nでニップされる。通紙ベルト13は、湿紙1とともにニップ部Nを通ることにより湿紙1の通紙性を向上させ、またニップ部弾性変形を起こし、ニップ幅を確保できるようにしている。
また通紙ベルト13は、スムーザボトムロール12bの表面平滑度よりも低い表面平滑度をもたせることで、湿紙1をニップ部Nの出口でスムーザボトムロール12bの表面に転移させるようにしている。また、通紙ベルト13を微通気性とすることにより、第2のニップ部Nの直前で前述したブローイングが発生するのを防止している。
湿紙1は、通紙ベルト13とともにスムーザトップロール12a及びスムーザボトムロール12bのニップ部Nでニップ圧が加えられ、湿紙1両面の平滑化処理が行われる。その後通紙ベルト13よりスムーザボトムロール12bの方が表面平滑度が高いので、湿紙1は引き続きスムーザボトムロール12bの表面に付着したまま搬送される。
なお通紙ベルト13は、前述のブローイングがなければ必ずしも必要ではなく、湿紙1のみで第2のニップ部Nを通してもよいが、この場合はスムーザトップロール12aにソフトカバー(例えばゴムカバー)を巻いたゴム巻きロールとすることにより、スムーザトップロール12aの表面平滑度をスムーザボトムロール12bの表面平滑度より下げることにより、スムーザボトムロール12bへの湿紙の付着を維持するとともに、スムーザトップロール12aの表面を軟質表面とすることでニップ幅を確保するようにする。通紙ベルト13が有る場合ニップ部Nでブローイングが発生した際にペーパーロール18を下げて、スムーザボトムロール12bに通紙ベルト13を押し付ける(ラップさせる)ことにより、ブローイングを押さえ込むことができる。微通気性の通紙ベルトを用いれば、第2のニップ部Nの直前でブローイングが発生するのを防止できる点で好ましい。一方、ペーパーロール18を下げて、スムーザボトムロール12bに通紙ベルト13を押し付けラップさせることにより、ブローイングを押さえ込むことができるため、湿紙の表面平滑度を向上させる点を重視すれば、非通気性のベルトを使用することもできる。
この後湿紙1は、キャンバス7cとともにドライヤパート3に移送され、1番ドライヤロール3aから図示しない2番ドライヤロール、3番ドライヤロールと順に経由して、湿紙1の乾燥が行われる。なお図1中の符号20a、20bは真空ロールである。なお図1中、符号14から19及び22は、ワイヤ8、湿紙1、フェルト6a、6b、通紙ベルト13及びキャンバス7c等の移動経路を位置決め形成するペーパーロールである。
かかる実施形態例1によれば、従来のプレスパートのように、湿紙1を通紙ベルトとフェルトで挟んだ状態でニップ圧を加えることにより湿紙1をフェルトから通紙ベルトに担持させるトランスファーロールを必要としないので、トランスファーロールのニップ部に発生する空気溜まりに起因したブローイングの問題は解消される。
またトランスファーロールとスムージングプレスロールとの間で通紙ベルトの下側面に担持される湿紙の走行区間もなくなるため、湿紙の垂れ下がりの問題も発生しない。従って、空気溜まりや湿紙の垂れ下がりに起因したシワの発生もなく、安定した運転が可能となる。また従来のプレスパートに比べてプレスパートにおける湿紙の走行路を短くコンパクトにすることができる。
(実施形態例2)
次に本発明に使用できるプレス部およびスムーザ部の第2の実施形態(実施形態例2)を図2により説明する。実施形態例2において、前記実施形態例1の構成と異なるところは、サクショントランスファーロール21とスムーザボトムロール12bとが直接第一ニップ部Nを形成するのではなくて、サクショントランスファーロール21の後流側にクラウン可変ロールで構成されたニップロール12cを設けて、このニップロール12cとスムーザボトムロール12bとで第1のニップ部Nを形成した点である。その他の構成は図1に示す前記実施形態例1と同一で、実施形態例2と同一の部位には同一の符号を付してあり、それら同一の部位の説明を省略する。
かかる構成の実施形態例2において、プレスパート2でフェルト6a及び6bで挟持された湿紙1は、脱水用最終プレス4で加圧脱水された後、フェルト6aを介してサクショントランスファーロール21に吸着され、もう一方のフェルト6bは湿紙1と分離される。
その後湿紙1は、第2のニップ部Nで通紙ベルト13とともにニップ圧を加えられることにより、平滑化処理される。第2のニップ部Nの出口で、通紙ベルト13よりスムーザボトムロール12bの方が表面平滑度が高いので、湿紙1は通紙ベルト13と分離してスムーザボトムロール12bに貼り付いたまま搬送され、キャンバス7cとともにドライヤ部3に移送される。
ニップロール12cはクラウン可変ロールで構成され、スムーザボトムロール12bに対するニップ圧を調整自在に構成されている。クラウン可変ロールは、ロールの周方向及び軸方向でニップ圧を自在に調整できる構成となっており、その構成は従来公知であり、一例として特開昭61−24813号公報がある。
かかる実施形態例2によれば、ニップロール12cをクラウン可変ロールで構成することによって、スムーザボトムロール12bとのニップ圧を自在に調整することができる。実施形態例1のようにサクショントランスファーロール21で加圧する場合、紙へのサクションマーク発生が懸念され高ニップ圧を付与できないが、実施形態例2ではニップロール12cによりニップ圧を付加するので、サクションマーク発生の制限が取り除かれ、ニップ圧を自在に調整することが可能となる。
なお、ニップロール12cをサクショントランスファーロール21の上方に設ければ、ニップロール12cとサクショントランスファーロール21との間の湿紙走行区間では、湿紙走行路が上下方向に配置されるため、湿紙をフェルトから剥離させる方向に重力が生じるおそれがない。またプレスパートの湿紙走行路を水平方向に短くコンパクトにすることができる。
(実施形態例3)
次に本発明に使用できるプレス部およびスムーザ部の第3の実施形態(実施形態例3)を図3により説明する。実施形態例3において前記実施形態例1の構成と異なるところは、第1スムーザトップロール12a及び第1スムーザボトムロール12bのニップ部Nの後流側に第2スムーザトップロール24a及び第2スムーザボトムロール24bを設け、このスムーザトップロール24aとスムーザボトムロール24bとで第3のニップ部Nを形成した点及び、スムーザボトムロール12b上の湿紙をスムージングプレス24を介してドライヤパート3に移送する点である。その他の構成は図1に示す前記実施形態例1と同一で、実施形態例3と同一の部位には同一の符号を付してあり、それら同一の部位の説明を省略する。尚、スムーザボトムロール24bの湿紙を次工程のドライヤパート3に移送する最初のペーパーロールであるキャンバスロール25は、真空ロールでも開孔のないロールであっても良い。
スムーザトップロール24a及びスムーザボトムロール24bは一方の表面がソフトカバー、もう一方の表面がハードカバーとすることでニップ幅を確保することができ、スムージングプレス24のニップ部Nにおいて湿紙1の平滑性を向上させることが可能となっている。
このようなスムーザプレス24はオープンドロー型プレスのため、湿紙1の高速通紙性能は幾分低下するが、スムージングプレスを2段とする事により、スムージングプレス24に於いて前段のスムージングプレス12での湿紙の表面平滑化を更に向上させることができるものである。
(実施形態例4)
次に本発明に使用できるプレス部およびスムーザ部の第4の実施形態(実施形態例4)を図4により説明する。実施形態例4において前記実施形態例1の構成と異なるところは、スムーザトップロール12a及びスムーザボトムロール12bのニップ部Nを省略し、湿紙1を直接スムーザトップロール24aとスムーザボトムロール24bとで形成するニップ部Nを設け、ニップ部N通過後他のニップ部を経ることなくニップ部Nに搬送するよう、スムーザボトムロール24を介して湿紙をドライヤパート3に移送する様にした実施例である。その際の最初のペーパーロールであるキャンバスロール25が真空ロールでない例を図示しているが真空ロールであっても良い。その他の構成は図1に示す前記実施形態例1と同一であり、実施形態例4と同一の部位には同一の符号を付してあり、それら同一の部位の説明を省略する。実施形態例4は、実施形態例3のスムージングプレスニップNを開放する事によっても同様な作用・機能が得られる。
スムーザトップロール24a及びスムーザボトムロール24bは一方の表面がソフトカバー、もう一方の表面がハードカバーとすることでニップ幅を確保することができ、スムージングプレス24のニップ部Nにおいて湿紙1の平滑性を向上させることが可能となっている。
(実施形態例5)
次に本発明に使用できるプレス部およびスムーザ部の第5の実施形態(実施形態例5)を図5により説明する。実施形態例5において前記実施形態例2の構成と異なるところは、第1スムーザトップロール12a及び第1スムーザボトムロール12bのニップ部Nの後流側に第2スムーザトップロール24a及び第2スムーザボトムロール24bを設け、このスムーザトップロール24aとスムーザボトムロール24bとで第3のニップ部Nを形成した点及び、スムーザボトムロール12b上の湿紙をスムージングプレス24を介してドライヤパート3に移送する様にしたものである。その際の最初のペーパーロールであるキャンバスロール25が真空ロールでない場合を図示しているが真空ロールであっても良い。その他の構成は図1に示す前記実施形態例1と同一であり、実施形態例3と同一の部位には同一の符号を付してあり、それら同一の部位の説明を省略する。
スムーザトップロール24a及びスムーザボトムロール24bは一方の表面がソフトカバー、もう一方の表面がハードカバーとすることでニップ幅を確保することができ、スムージングプレス24のニップ部Nにおいて湿紙1の平滑性を向上させることが可能となっている。このようなスムーザプレス24はオープンドロー型プレスのため、スムージングプレスの上流側及び下流側における湿紙はオープンドローで搬送される構成となっている。
また、本実施形態例1、2、3、4、5において、脱水用プレスは脱水用最終プレス4のみを図示しているが、文字通り、脱水用最終プレスの前に1ニップのプレスを追加して、脱水用プレスを2ニップとしても良いし、複数の脱水用プレスを別途設けて実施しても良い。
なお、図1、2にはドライヤ部3としてシングルデッキドライヤの例を図示したが、もちろんこれに限定される物ではなく、ドライヤ部3としてダブルデッキドライヤであっても差し支えない。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はそれらの範囲に限定されるものでない。なお、例中の「部」及び「%」は特に断わらない限り、「質量部(固型分)」及び「質量%」を示す。
実施例1
LBKP/NBKP/DIPパルプ=20/75/5となるようにパルプ配合し、填料として軽炭(商品名:タマパールTP−121、奥多摩工業社製)を紙中灰分が20質量%となるように添加した後、パルプスラリーの全固形分に対して硫酸アルミニウム0.5%、カチオン澱粉(商品名:エースK100、王子コーンスターチ社製)1.0%、アルキルケテンダイマーサイズ剤(商品名:サイズパインK−287、荒川化学工業社製)0.05%、ポリアクリルアミド(商品名:ポリストロン851、荒川化学工業社製)0.2%を順次添加して、紙料を調製した。この紙料を、実施形態例1で示された構成のプレス工程、スムーザ工程で運転抄速500m/分でオントップフォーマーにより紙層を形成し、多筒式ドライヤで乾燥した後、原紙片面当たり固形量として0.5g/mとなるように澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)をロールコーターでサイズプレス処理を行い、1ニップのマシンカレンダーで平滑化処理をして56g/mの原紙を得た。なお、シュープレス線圧は600kN/m、シュープレスに用いたフェルトの坪量はトップ側2000g/m、ボトム側が1800g/mであり、ベルトスムーザの線圧は35kN/m、スムーザベルトの坪量は1400g/mであった。
実施例2
実施例1のシュープレス線圧を1000kN/mに変更した以外は、実施例1と同様にして嵩高紙を得た。
実施例3
実施例1のシュープレス線圧を300kN/mに変更した以外は、実施例1と同様にして嵩高紙を得た。
実施例4
実施例1のプレス工程、スムーザ工程を、実施形態例1で示したものから実施形態例3で示した構成に変更し、追加したスムージングプレス線圧を30kN/mに設定した以外は、実施例1と同様にして嵩高紙を得た。
実施例5
実施例1において、填料の配合量を紙中灰分が15%となるように変更した以外は、実施例1と同様にして嵩高紙を得た。
実施例6
実施例1において、填料の配合量を紙中灰分が9%となるように変更した以外は、実施例1と同様にして嵩高紙を得た。
実施例7
実施例1において、填料の配合量を紙中灰分が30%となるように変更した以外は、実施例1と同様にして嵩高紙を得た。
実施例8
実施例1において、マシンカレンダー処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして嵩高紙を得た。
実施例9
実施例1において、マシンカレンダー処理を2ニップにした以外は、実施例1と同様にして嵩高紙を得た。
実施例10
実施例1において、パルプ配合をLBKP/NBKP/DIPパルプ=20/75/5から、LBKP/NBKP/DIP/TMPパルプ=20/60/5/15となるように変更した以外は、実施例1と同様にして嵩高紙を得た。
実施例11
実施例1において、パルプ配合をLBKP/NBKP/DIPパルプ=20/75/5から、LBKP/NBKP/DIP/TMPパルプ=20/65/5/10となるように変更した以外は、実施例1と同様にして嵩高紙を得た。
実施例12
実施例11において、シュープレス線圧を300kN/mに変更し、さらにマシンカレンダー処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして嵩高紙を得た。
実施例13
(塗工層用顔料塗工液の調製)
分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(商品名:アロンT−50、東亜合成社製)を、分散するカオリンに対して0.1部添加した水溶液に、微粒カオリン(商品名:ハイドラグロス90、ヒューバー社製)50部、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、前出)50部を添加し、コーレス分散機で分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに、顔料100部に対して、酸化澱粉(商品名:王子エースC、前出)4部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ−3000H、JSR社製)10部、さらに助剤として消泡剤および染料を順次加えて、さらに水を加えることで最終的に固形分濃度60%の上塗り塗工層用の顔料塗工液を調製した。
(印刷用塗工紙の作成)
実施例1で得た嵩高紙を嵩高塗工紙用原紙として、上記で得た塗工層用顔料塗工液を、ジェットファウンテン方式で塗布液を供給するブレードコーターを用いて、片面あたりの乾燥塗布量が8g/mとなるように塗工、乾燥して、原紙上に塗工層を設けた。このようにして得られた塗工紙を、カレンダー処理を行い、坪量72g/mの嵩高塗工紙を得た。
比較例1
実施例1において、プレス工程、スムーザ工程を、トライニップ形式のプレス+ロールスムーザの構成とし、トライニッププレス部でのプレス線圧を、1P/2P/3P=40/60/100kN/m、スムーザ線圧を35kN/mの設定と変更した以外は、実施例1と同様にして紙を得た。
比較例2
比較例1において、填料の軽炭(商品名:タマパールTP−121、前出)を紙中灰分が10質量%となるように配合し、さらにトライニッププレス部でのプレス線圧を、1P/2P/3P=40/50/70kN/m、スムーザ線圧を20kN/mと設定した以外は、比較例1と同様にして嵩高紙を得た。
比較例3
実施例1において、填料の軽炭(商品名:タマパールTP−121、前出)を紙中灰分が10質量%となるように配合し、さらに嵩高剤(商品名:KB115、花王株式会社製)を0.5質量%添加した以外は、実施例1と同様にして嵩高紙を得た。本比較例においては、紙料の泡立ちが発生し操業性が低下するとともに、得られた嵩高紙に泡起因と考えられる独特のパターンが見られ、商品性が低いものであった。
比較例4
実施例1において、填料を軽炭(商品名:タマパールTP−121、前出)および嵩高填料のホワイトカーボン(商品名:トクシールGU−N、株式会社トクヤマ製)を4/6の割合で混合した物に変更し、填料の紙中灰分が10質量%となるように配合した以外は、実施例1と同様にして嵩高紙を得た。
比較例5
実施例1において、填料を軽炭(商品名:タマパールTP−121、前出)および嵩高填料(ホワイトカーボン、前出)を7/3の割合で混合した物に変更して紙中灰分が10質量%となるように配合し、さらに嵩高剤(商品名:KB115、花王株式会社製)を0.3質量%添加した以外は、実施例1と同様にして嵩高紙を得た。本例においては、紙料の泡立ちが発生した。
比較例6
実施例1において、シュープレス線圧を100kN/m、抄紙速度を200m/minに変更し、ドライヤ乾燥条件を変更した以外は、実施例1と同様にして嵩高紙を得た。
比較例7
比較例3において得られた嵩高紙を嵩高塗工紙用原紙とした以外は、実施例13と同様に塗工紙を得た。
上記で得られた嵩高紙、塗工紙を、下記の評価方法で評価を行い、その結果を表1に示した。なお、評価については、特に記載のない限り、23℃、50%RHの環境下で行った。
(密度)
嵩高紙、および嵩高塗工紙の密度は、JIS P 8118−1998に従って測定した。
(嵩高性)
得られた嵩高紙の密度、および嵩高塗工紙原紙の密度より、以下の基準に従って嵩高性
の評価を行った。
○:嵩高紙、または嵩高塗工紙用原紙の密度が0.75g/cm以下であり、嵩高性
に優れる。
×:嵩高紙、または嵩高塗工紙用原紙の密度が0.75g/cmを越えており、嵩高
性に劣る。
(平滑度)
原紙および塗工紙の平滑性を、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に基づき、王研式平滑度で平滑度の測定を行った。原紙および塗工紙の平滑性は、表面および裏面の平均値で表した。
(印刷適性)
RI印刷機で、印刷インキ(商品名:バリウスG墨Sタイプ、大日本インキ社製)を0.6cc使用して得られた嵩高紙および嵩高塗工紙に1回印刷して印刷物を得た。この印刷物を、温度23℃相対湿度50%の雰囲気下で48時間静置乾燥後、印刷後の平滑性、インキ着肉性といった表面性を、以下の基準に従って評価した。なお、嵩高紙と嵩高塗工紙では、○評価とする基準が異なるが、市販嵩高紙および嵩高塗工紙の表面性レベルを参考とし、嵩高紙および嵩高塗工紙それぞれの基準に従って評価を行った。
◎:表面性に非常に優れ、品質上非常に優れている。
○:表面性が優れ、品質上優れている。
△:表面性が僅かに劣るが、品質上問題とならず、本発明所望の効果レベルには達して
いる。
×:印刷表面性に劣り、品質上問題となるレベルで、本発明所望の効果レベルに達して
いない。
(操業性)
嵩高紙、および嵩高原紙製造時の紙料泡立ち等の操業性について、下記基準で評価を行った。
○:操業性に特に問題はない。
×:紙料の泡立ちのため、操業性に問題がある。
Figure 2010090511
表1より明らかなように、本発明により、嵩高剤、嵩高填料を使用せず、良好な操業の条件下で嵩高紙、嵩高塗工紙を得ることができた。
プレス部およびスムーザ部の実施形態例1の構成図である。 プレス部およびスムーザ部の実施形態例2の構成図である。 プレス部およびスムーザ部の実施形態例3の構成図である。 プレス部およびスムーザ部の実施形態例4の構成図である。 プレス部およびスムーザ部の実施形態例5の構成図である。
符号の説明
1 湿紙
2 プレスパート
3 ドライヤパート
3a ドライヤロール
4 脱水用最終プレス
4a シューモジュール
4b プレスボトムロール
5a サクションピックアップロール
6a、6b フェルト
7c キャンバス
8 ワイヤ
12 スムージングプレス
12a スムーザトップロール(第2の平滑化ロール)
12b スムーザボトムロール(第1の平滑化ロール)
12c ニップロール
13 通紙ベルト
14〜19 ペーパーロール
20a、20b真空ロール
21 サクショントランスファーロール
22、23 ペーパーロール
24 スムージングプレス
24a スムーザトップロール
24b スムーザボトムロール
25 キャンバスロール
a 湿紙1の走行方向
第1のニップ部(サクショントランスファーロールまたはニップロール
とスムーザボトムロール12bで形成されるニップ)
第2のニップ部(ベルト13とスムーザボトムロール12bで形成され
るニップ)
第3のニップ部(スムーザトップロール24aとスムーザボトムロール
24bで形成されるニップ)

Claims (8)

  1. セルロース繊維を主体とする紙であって、紙を抄紙するために使用される紙料中に嵩高剤および嵩高填料を添加せず抄紙を行い、かつ抄紙工程中のプレス工程における脱水処理が、ニップ線圧200〜1400kN/mのシュープレスを用いて行われ、その後のスムージング工程におけるニップ圧が全て50kN/m以下の条件で製造された、下記の(1)および(2)の特性を備えた嵩高紙。
    (1)密度が0.55〜0.75g/cm
    (2)JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に基づく王
    研式平滑度が10秒以上。
  2. 前記シュープレスに使用されるフェルトの単位面積当たりの重量が1450〜2500g/mであることを特徴とする請求項1に記載の嵩高紙。
  3. 前記紙料中のパルプとして、全パルプ中に機械パルプの割合が15質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載された嵩高紙。
  4. 前記紙料中に、填料を紙中の灰分が10〜40質量%となるように添加して抄紙されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載された嵩高紙。
  5. 前記プレス工程における脱水処理が、単独のシュープレスのみにより行われたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載された嵩高紙。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載された嵩高紙を原紙として使用した嵩高塗工紙。
  7. セルロース繊維を主体とする紙であって、紙を抄紙するために使用される紙料に嵩高剤および嵩高填料を添加せず抄紙を行い、かつ抄紙工程中のプレス工程における脱水処理が、ニップ線圧200〜1400kN/mのシュープレスを用いて行われ、その後のスムージング工程におけるニップ圧が全て50kN/m以下であり、かつシュープレスに使用されるフェルトの単位面積当たりの重量が1450〜2500g/mであるフェルトを使用したプレス工程を経て得られる、下記の(1)〜(4)の全ての特性を備えた嵩高紙の製造方法。
    (1)密度が0.55〜0.75g/cm
    (2)JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に基づく王
    研式平滑度が10秒以上。
    (3)全パルプ中に機械パルプの割合が15質量%以下。
    (4)紙中の灰分が10〜40質量%。
  8. 請求項7記載の嵩高紙を原紙として使用した嵩高塗工紙の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102298082B1 (ko) * 2021-01-19 2021-09-03 주식회사 코코드론 레이저 커팅을 위한 다층 접합 종이 보드 제조방법

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