JP5679507B2 - 積層フィルムおよび包装体 - Google Patents
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Description
本発明の一局面に係る積層フィルムは、酸素吸収層と、第1隣接層と、第2隣接層とを備える。酸素吸収層は、酸素吸収剤と、酸素吸収反応触媒とを含む。第1隣接層は、酸素吸収層の一方の面と接して積層される。第2隣接層は、酸素吸収層の他方の面と接して積層される。酸素吸収反応触媒の含有量は、酸素吸収層に対して重量比率で10ppm以上である。第1隣接層の酸化防止剤と、第2隣接層の酸化防止剤との合計含有量は、上記の2つの層(第1隣接層、第2隣接層)の合計量に対して重量比率で800ppm以下である。
上述(1)の積層フィルムにおいて、酸素吸収層の酸化防止剤の含有量は、酸素吸収層に対して重量比率で170ppm以下である。
上述(1)または(2)の積層フィルムにおいて、バリア層をさらに備える。バリア層は、ガスバリア性を有する。第1隣接層は、接着層である。接着層は、バリア層と酸素吸収層とを接着する。第2隣接層は、シール層である。
上述(1)〜(3)のいずれかの積層フィルムにおいて、酸素吸収剤は、酸素吸収性樹脂からなる。
本発明の一局面に係る包装体は、上述(1)〜(4)のいずれかの積層フィルムを備える。
外層110の材料としては、底材300としての強度を有しているものであればよく、例えば、ポリエステル系樹脂が用いられる。ポリエステル系樹脂からなる外層110は、剛性が高い。また、ポリエステル系樹脂からなる外層110を備える積層フィルム100は、透明性および表面光沢度が良好である。このため、包装体200は、見栄えおよび質感に優れたものとなる。
第1接着層120の材料としては、公知の接着性樹脂が用いられ、例えば、接着性ポリオレフィン系樹脂などが用いられる。具体的に、第1接着層120の材料としては、例えば、エチレン−メタクリレート−グリシジルアクリレート三元共重合体、または、各種ポリオレフィンに、アクリル酸、メタクリル酸などの一塩基性不飽和脂肪酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの二塩基性不飽和脂肪酸もしくはこれらの無水物をグラフトさせたもの(マレイン酸グラフト化EVA、マレイン酸グラフト化エチレン−α−オレフィン共重合体など)などが用いられる。
バリア層130は、包装体200の外部から侵入する酸素を遮断する。バリア層130の材料としては、公知の酸素バリア性を有する公知の材料が用いられ、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、「EVOH樹脂」という。)、塩化ビニリデン樹脂、または、ジアミン成分に芳香環を有するポリアミド樹脂などが用いられる。
第2接着層140の材料としては、公知の接着性樹脂が用いられ、例えば、接着性ポリオレフィン系樹脂などが用いられる。具体的に、第2接着層140の材料としては、例えば、エチレン−メタクリレート−グリシジルアクリレート三元共重合体、または、各種ポリオレフィンに、アクリル酸、メタクリル酸などの一塩基性不飽和脂肪酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの二塩基性不飽和脂肪酸もしくはこれらの無水物をグラフトさせたもの(マレイン酸グラフト化EVA、マレイン酸グラフト化エチレン−α−オレフィン共重合体など)などが用いられる。
酸素吸収層150は、酸素吸収剤である酸素吸収性樹脂と、酸素吸収反応触媒とを含む。酸素吸収性樹脂としては、不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂などが用いられる。具体的に、酸素吸収性樹脂としては、例えば、エチレン系不飽和炭化水素ポリマー、主鎖エチレン系不飽和炭化水素ポリマー、ポリエーテルユニットポリマー、エチレンと歪んだ環状アルキレンのコポリマー、ポリアミド樹脂、酸変性ポリブタジエン、ヒドロキシアルデヒドポリマー等が、単体でまたは酸素吸収性樹脂以外の透明性に影響しないベース樹脂と混合して用いられる。
シール層160は、蓋材400とのシール適性の機能を有し、包装体200に収容される内容物に対して悪影響を及ぼさないものである。シール層160の材料としては、低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂、中密度ポリエチレン(MDPE)樹脂、高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)樹脂、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)樹脂、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)樹脂、エチレン−アクリレート共重合体(EAA)樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)樹脂、アイオノマー(ION)樹脂などが、単体でまたは2種類以上混合して用いられる。
第2接着層140の酸化防止剤と、シール層160の酸化防止剤との合計含有量は、第2接着層140およびシール層160の2つの層の合計量に対して重量比率で0ppm以上800ppm以下である。また、第2接着層140の酸化防止剤と、シール層160の酸化防止剤との合計含有量は、第2接着層140およびシール層160の2つの層の合計量に対して重量比率で0ppm以上400ppm以下であることが好ましく、0ppm以上200ppm以下であることがより好ましい。
図2、3に示されるように包装体200は、底材300と、蓋材400とから構成される。底材300は、外層110が外側でシール層160が内側となるようにして、ポケット310が成形された積層フィルム100からなる(図3参照)。
<底材の作製>
外層110を構成する樹脂として共重合ポリエステル樹脂(イーストマンケミカルジャパン株式会社製、品番:GN071)を準備した。第1接着層120を構成する樹脂として接着性ポリオレフィン系樹脂(三井化学株式会社製、品番:SF740)を準備した。バリア層130を構成する樹脂としてEVOH樹脂(株式会社クラレ製、品番:J171B)を準備した。第2接着層140を構成する樹脂として接着性ポリオレフィン系樹脂(三井化学株式会社製、品番:LF308)を準備した。酸素吸収層150を構成する樹脂として、ベース樹脂を80重量%、不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂を20重量%の割合で混合したものを準備した。シール層160を構成する樹脂としてLDPE樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製、品番:F522N)を準備した。
LLDPE樹脂(品番:ウルトゼックス2022L、株式会社プライムポリマー製)をTダイ押出法にて製膜し、厚さ30μmのLLDPEフィルムを得た。このLLDPEフィルムと、厚さ30μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)と、アルミ蒸着を施した厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム5(VM−PETフィルム)をドライラミネート法により貼り合せて、多層のフィルムである蓋材400を作製した。
底材300と蓋材400とを、ポケット310の内部の空気を除去することなく、135℃、1.5秒の条件でヒートシールし、包装体200を作製した。包装体200の容積は250cm3であった。
図4に示されるように、食品用微量酸素分析計500(飯島電子工業製、型番:IS−300)を用いて、包装体200の酸素吸収量を測定した。具体的に、食品用微量酸素分析計500の針510を粘着ゴム520を介して蓋材400に突き刺した状態にして、保管温度5℃、サンプリング時間7秒の条件で、包装体200の1日目の酸素吸収量、3日目の酸素吸収量および7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。3日目の酸素吸収量とは、1〜3日目までの包装体200が吸収した酸素の合計量であり、7日目の酸素吸収量とは、1〜7日目までの包装体200が吸収した酸素の合計量である。
含有率が2つの層(第2接着層140、シール層160)に対して重量比率で400ppmとなるように、シール層160のLDPE樹脂にヒンダードフェノール系酸化防止剤(品番:IRGANOX1010、BASF製)を添加した以外は、実施例1と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が2つの層(第2接着層140、シール層160)に対して重量比率で400ppmとなるように、第2接着層140の接着性ポリオレフィン系樹脂にヒンダードフェノール系酸化防止剤(品番:IRGANOX1010、BASF製)を添加した以外は、実施例1と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が2つの層(第2接着層140、シール層160)に対して重量比率で800ppmとなるように、シール層160のLDPE樹脂にヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加した以外は、実施例1と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が2つの層(第2接着層140、シール層160)に対して重量比率で800ppmとなるように、第2接着層140の接着性ポリオレフィン系樹脂にヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加した以外は、実施例1と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が2つの層(第2接着層140、シール層160)に対して重量比率で400ppmとなるように、第2接着層140の接着性ポリオレフィン系樹脂にヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加し、さらに、含有率が2つの層(第2接着層140、シール層160)に対して重量比率で400ppmとなるように、シール層160のLDPE樹脂にヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加した以外は、実施例1と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加しなかった以外は、実施例6と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で170ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加した以外は、実施例6と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で5ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加した以外は、実施例1と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で35ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加した以外は、実施例1と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
実施例11と同様にして包装体200を作製し、保管温度を23℃とした以外は、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
実施例11と同様にして包装体200を作製し、保管温度を50℃とした以外は、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で60ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加した以外は、実施例1と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で170ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加した以外は、実施例1と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で100ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にステアリン酸コバルトを添加した以外は、実施例9と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で500ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にステアリン酸コバルトを添加した以外は、実施例9と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で2000ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にステアリン酸コバルトを添加した以外は、実施例9と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で3000ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にステアリン酸コバルトを添加した以外は、実施例9と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で3500ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にステアリン酸コバルトを添加した以外は、実施例9と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で100ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にステアリン酸コバルトを添加した以外は、実施例11と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で500ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にステアリン酸コバルトを添加した以外は、実施例11と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で2000ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にステアリン酸コバルトを添加した以外は、実施例11と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で3000ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にステアリン酸コバルトを添加した以外は、実施例11と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で3500ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にステアリン酸コバルトを添加した以外は、実施例11と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で100ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にステアリン酸コバルトを添加した以外は、実施例15と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で500ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にステアリン酸コバルトを添加した以外は、実施例15と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で2000ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にステアリン酸コバルトを添加した以外は、実施例15と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で3000ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にステアリン酸コバルトを添加した以外は、実施例15と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が酸素吸収層150に対して重量比率で3500ppmとなるように、酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物にステアリン酸コバルトを添加した以外は、実施例15と同様にして包装体200を作製し、実施例1と同様にして包装体200の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が2つの層(第2接着層140、シール層160)に対して重量比率で1000ppmとなるように、シール層160のLDPE樹脂にヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加した以外は、実施例1と同様にして包装体を作製し、実施例1と同様にして包装体の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が2つの層(第2接着層140、シール層160)に対して重量比率で1000ppmとなるように、第2接着層140の接着性ポリオレフィン系樹脂にヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加した以外は、実施例1と同様にして包装体を作製し、実施例1と同様にして包装体の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
含有率が2つの層(第2接着層140、シール層160)に対して重量比率で500ppmとなるように、第2接着層140の接着性ポリオレフィン系樹脂にヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加し、さらに含有率が2つの層(第2接着層140、シール層160)に対して重量比率で500ppmとなるように、シール層160のLDPE樹脂にヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加した以外は、実施例1と同様にして包装体を作製し、実施例1と同様にして包装体の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物に、ステアリン酸コバルトを添加しなかった以外は、実施例9と同様にして包装体を作製し、実施例1と同様にして包装体の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物に、ステアリン酸コバルトを添加しなかった以外は、実施例11と同様にして包装体を作製し、実施例1と同様にして包装体の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
酸素吸収層150のベース樹脂および不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂の混合物に、ステアリン酸コバルトを添加しなかった以外は、実施例15と同様にして包装体を作製し、実施例1と同様にして包装体の1、3、7日目の酸素吸収量をそれぞれ測定した。
以上のように、本実施形態に係る積層フィルム100においては、本願発明者の鋭意検討の結果、酸素吸収反応触媒の含有量を、酸素吸収層150に対して重量比率で10ppm以上とし、かつ、第2接着層140の酸化防止剤と、シール層160の酸化防止剤との合計含有量を、2つの層(第2接着層140、シール層160)の合計量に対して重量比率で800ppm以下とすることにより、積層フィルム100は酸素吸収量が多くなることが明らかとなった。このため、積層フィルム100は、酸素吸収性に優れる。
(A)
酸素吸収剤は、酸素吸収性樹脂ではなく、例えば、主に鉄粉からなる鉄粉系酸素吸収剤が用いられていてもよい。この場合、鉄粉系酸素吸収剤は、公知の熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン類、エラストマー及びこれらの変性物、あるいはこれらの混合樹脂などに添加されて用いられる。
積層フィルム100は、蓋材400に成形されてもよいし、底材300と蓋材400との両方に成形されてもよい。なお、積層フィルム100からなる蓋材400を備える包装体200においては、蓋材400のシール層160が底材300と対向するようにして配置される。
130 バリア層
140 第2接着層(第1隣接層、接着層)
150 酸素吸収層
160 シール層(第2隣接層)
200 包装体
300 底材
400 蓋材
Claims (6)
- 酸素吸収剤と、酸素吸収反応触媒とを含む酸素吸収層と、
前記酸素吸収層の一方の面と接して積層される第1隣接層と、
前記酸素吸収層の他方の面と接して積層される第2隣接層とを備え、
前記酸素吸収反応触媒の含有量は、前記酸素吸収層に対して重量比率で10ppm以上であり、
前記第1隣接層と前記第2隣接層との少なくともいずれかに酸化防止剤を含み、かつ、
前記第1隣接層と前記第2隣接層とにおける前記酸化防止剤の合計含有量は、上記の2つの層の合計量に対して重量比率で800ppm以下であることを特徴とする積層フィルム。 - 酸素吸収剤と、酸素吸収反応触媒とを含む酸素吸収層と、
前記酸素吸収層の一方の面と接して積層される第1隣接層と、
前記酸素吸収層の他方の面と接して積層される第2隣接層とを備え、
前記酸素吸収反応触媒の含有量は、前記酸素吸収層に対して重量比率で2,000ppm以上であり、かつ
前記酸素吸収層と前記第1隣接層と前記第2隣接層とにはいずれも酸化防止剤を含まないことを特徴とする積層フィルム。 - 前記酸素吸収層に酸化防止剤を含み、かつ、前記酸素吸収層中の前記酸化防止剤の含有量は、該酸素吸収層に対して重量比率で170ppm以下である請求項1に記載の積層フィルム。
- ガスバリア性を有するバリア層をさらに備え、
前記第1隣接層は、前記バリア層と前記酸素吸収層とを接着する接着層であり、
前記第2隣接層は、シール層である請求項1から3のいずれか1項に記載の積層フィルム。 - 前記酸素吸収剤は、酸素吸収性樹脂からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層フィルム。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層フィルムを備えることを特徴とする包装体。
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