JP2013001408A - フィルム、容器および電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係るフィルム100は、液体中の溶存酸素を吸収する。測定温度23℃において、このフィルム100は、溶存酸素濃度が8.0ppmである水中の溶存酸素の吸収を開始してから1時間の平均溶存酸素吸収速度が、0.001mg/(l・h・cm2)以上である。このフィルム100は、液体を含む内容物を収納する容器に備えられる。
【選択図】図1
Description
本発明に係るフィルムは、液体中の溶存酸素を吸収する。測定温度23℃において、このフィルムは、溶存酸素濃度が8.0ppmである水中の溶存酸素の吸収を開始してから1時間の平均溶存酸素吸収速度が、0.001mg/(l・h・cm2)以上である。
本発明に係る容器は、上述(1)のフィルムを備える。この容器は、液体を含む内容物を収納する。
上述(2)の容器では、内容物が、溶存酸素濃度8.0ppmの水である場合、測定温度23℃において、水の溶存酸素濃度は、水中の溶存酸素の吸収を開始してから1時間経過したとき、水中の溶存酸素の吸収を開始したときの水の初期溶存酸素濃度の0%以上40%以下の値まで減少することが好ましい。
上述(2)または(3)の容器では、内容物が、溶存酸素濃度8.0ppmの水である場合、測定温度23℃において、溶存酸素濃度は、水中の溶存酸素の吸収を開始してから5時間経過したとき、水中の溶存酸素の吸収を開始したときの水の初期溶存酸素濃度の0%以上20%以下の値まで減少することが好ましい。
上述(2)〜(4)のいずれかの容器では、内容物が、溶存酸素濃度8.0ppmの水である場合、測定温度23℃において、水の溶存酸素濃度は、水中の溶存酸素の吸収を開始してから10時間経過したとき、水中の溶存酸素の吸収を開始したときの水の初期溶存酸素濃度の0%以上10%以下の値まで減少することが好ましい。
上述(2)〜(5)のいずれかの容器は、内容物が、医薬品、化粧品、食品、試薬(有機溶剤などを含む)またはインクであることが好ましい。
上述(2)〜(5)のいずれかの容器では、内容物が、電解液であることが好ましい。
本発明に係る電池は、上述(7)の容器から成る。
本発明に係る電池は、正極と、負極と、電解液と、セパレータと、包材とを備える。セパレータは、正極と負極との間に配置される。包材は、正極と負極と電解液とセパレータとを収納する。セパレータおよび包材の少なくとも一方は、電解液中の溶存酸素を吸収する。
外層110の材料として、底材300、蓋材400といったそれぞれの用途で必要となる程度の強度を有しているものであればよく、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などが用いられる。
第1接着層120は、外層110と、バリア層130とを接着する機能を有する。第2接着層140は、バリア層130と、酸素吸収層150とを接着する機能を有する。第1接着層120および第2接着層140の材料として、公知の接着性のオレフィン系樹脂、例えば、接着性ポリプロピレン系樹脂、接着性ポリエチレン系樹脂などが用いられる。なお、第1接着層120および第2接着層140の少なくとも一方は、容器200の内容物の酸化を防止するために、酸化防止剤を含有していてもよい。第1接着層120および第2接着層140の少なくとも一方が酸化防止剤を含有する場合、酸化防止剤として、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤などが、単体でまたは2種類以上混合して用いられる。
バリア層130は、容器200の外部から侵入する水蒸気、酸素、光などの透過を制限するバリア機能を有する。水蒸気をバリアするバリア層130の材料として、例えば、アルミニウム箔のような金属箔、フッ素、ポリ塩化ビニリデン、環状ポリオレフィン等の水分バリア性を有する樹脂が用いられる。酸素をバリアするバリア層130の材料として、例えば、アルミニウム箔のような金属箔、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等が用いられる。水蒸気および酸素をバリアするバリア層130の材料として、例えば、バリアPET等が用いられる。光である紫外線をバリアするバリア層130の材料として、例えば、紫外線吸収剤または顔料を含有する樹脂薄膜などが用いられる。水蒸気、酸素、および光をバリアするバリア層130の材料として、例えば、透明樹脂フィルムに、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムまたはそれらの混合物などの無機酸化物からなる蒸着薄膜層が形成されたものが用いられる。なお、必要に応じて、透明樹脂フィルム上に透明プライマー層が形成されてもよいし、または蒸着薄膜層上にガスバリア被膜層が形成されてもよい。
酸素吸収層150は、酸素吸収剤である酸素吸収性樹脂と、酸素吸収反応触媒とを含む。酸素吸収性樹脂として、不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂などが用いられる。具体的に、酸素吸収性樹脂として、例えば、エチレン系不飽和炭化水素ポリマー、主鎖エチレン系不飽和炭化水素ポリマー、ポリエーテルユニットポリマー、エチレンと歪んだ環状アルキレンのコポリマー、ポリアミド樹脂、酸変性ポリブタジエン、ヒドロキシアルデヒドポリマー等が、単体でまたは酸素吸収性樹脂以外の透明性に影響しないベース樹脂と混合して用いられる。
シール層160は、蓋材400と底材300とをシール(ヒートシール、超音波シール、高周波シール、インパルスシール等)するためのシール機能を有し、容器200に収容される内容物に対して悪影響を及ぼさないものである。シール層160の材料として、低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂、中密度ポリエチレン(MDPE)樹脂、高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)樹脂、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)樹脂、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)樹脂、エチレン−アクリレート共重合体(EAA)樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)樹脂、アイオノマー(ION)樹脂などが、単体でまたは2種類以上混合して用いることができる。
ここで、フィルム100に係る液体中の溶存酸素600の吸収機構について、図3(a),(b),(c)を用いて説明する。この説明において液体は水であるが、本発明のフィルム100が溶存酸素600を吸収する液体は、特に水に限定されるわけではない。
次に、フィルム100の溶存酸素吸収速度について説明する。フィルム100では、測定温度23℃において、溶存酸素濃度が8.0ppmである水500の溶存酸素600の吸収を開始してから1時間の平均溶存酸素吸収速度が、0.001mg/(l・h・cm2)以上であり、液体中の溶存酸素600を良好に吸収する観点から、0.005mg/(l・h・cm2)以上であることが好ましく、0.01mg/(l・h・cm2)以上であることがより好ましく、0.05mg/(l・h・cm2)以上であることがさらに好ましい。この「平均溶存酸素吸収速度」は、下記の式により算出される。
溶存酸素の吸収を開始してからX時間の平均溶存酸素吸収速度(mg/(l・h・cm2))={(溶存酸素の吸収を開始してからX時間後の溶存酸素濃度(ppm))−(溶存酸素の吸収を開始したときの溶存酸素濃度(ppm))}/{(溶存酸素の吸収を開始してからの経過時間であるX時間(h))・(フィルムと水とが接触する面積(cm2))}
図2に示されるように容器200は、底材300と、蓋材400とから構成される。底材300には、外層110が外側でシール層160が内側となるようにして、ポケット310が成形されている。容器200は、液体を含む内容物を収納し、液体中の溶存酸素600を吸収する。
このフィルム100が容器200に用いられる場合、フィルム100は容器200に収納される液体中の溶存酸素600を良好に吸収することができる。
(A)
容器200の内容物は、電解液であってもよい。この容器200は、内容物である電解液中の溶存酸素600を良好に吸収することができる。
フィルム100は、外層110、第1接着層120、バリア層130、第2接着層140、酸素吸収層150、およびシール層160以外の機能層をさらに備えてもよい。また、フィルム100は、外層110、第1接着層120、バリア層130、第2接着層140、およびシール層160のうちの少なくとも1層を省略してもよい。
底材300の一部、または蓋材400の一部が、フィルム100で構成されてもよい。また、フィルム100は、底材300および蓋材400に用いられるのではなく、内容物と接するようにして、容器の内部に内容物と一緒に収納されてもよい。その際、フィルム100は、容器の内壁に貼り付けられてもよい。
<フィルムの作製>
外層110を構成する樹脂として、共重合ポリエステル樹脂(イーストマンケミカルジャパン株式会社製、品番:GN071)を準備した。第1接着層120を構成する樹脂として、接着性ポリオレフィン系樹脂(三井化学株式会社製、品番:SF740)を準備した。バリア層130を構成する樹脂として、EVOH樹脂(株式会社クラレ製、品番:J171B)を準備した。第2接着層140を構成する樹脂として、接着性ポリオレフィン系樹脂(三井化学株式会社製、品番:LF308)を準備した。酸素吸収層150を構成する樹脂として、ベース樹脂を80重量%、不飽和ポリオレフィン系酸素吸収樹脂を20重量%の割合で混合したものを準備した。シール層160を構成する樹脂として、LDPE樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製、品番:F522N)を準備した。
深絞り型全自動真空包装機(MULTIVAC社製、型番:R−530)を用いて、成形温度95℃、成形時間3秒の条件で、フィルム100にポケット310を成形し、底材300を作製した。ポケット310は、円錐台形状であり、内壁の上面の直径L1を75mmとし、内壁の下面の直径L2を60mmとし、内壁の高さHを15mmとした(図4参照)。
図4に示されるように、非接触酸素濃度計700(PreSens社製、品番:Fibox 3 LCD)と、PSt3タイプの検出センサー710(測定範囲0ppm以上45ppm以下、検出限界0.015ppm)とを用いて、水500の溶存酸素濃度の測定を行った。具体的に、底材300のポケット310内に検出センサー710を配置した後、ポケット310に、水道水である水500を55g充填した。水500を充填後すぐに、底材300と蓋材400とを、135℃、1.5秒の条件でヒートシールして密封し、容器200を作製した。容器200のフィルム100と水500とが接触する面積は、110cm2であった。
水500中の溶存酸素600の吸収を開始してから1時間、5時間、10時間、20時間のそれぞれの平均溶存酸素吸収速度を、下記の式から算出した。
溶存酸素の吸収を開始してからX時間の平均溶存酸素吸収速度(mg/(l・h・cm2))={(溶存酸素の吸収を開始してからX時間後の溶存酸素濃度(ppm))−(溶存酸素の吸収を開始したときの溶存酸素濃度(ppm))}/{(溶存酸素の吸収を開始してからの経過時間であるX時間(h))・(フィルムと水とが接触する面積(cm2))}
酸素吸収層150を省略した以外については実施例1と同様にして、フィルムを作製した。そして、このフィルムから成る底材および蓋材を作製し、容器を得た。
110 外層
120 第1接着層
130 バリア層
140 第2接着層
150 酸素吸収層
160 シール層
200 容器
300 底材
310 ポケット
400 蓋材
500 水
600 溶存酸素
610 酸素
700 非接触酸素濃度計
710 検出センサー
Claims (9)
- 液体中の溶存酸素を吸収するフィルムであって、
測定温度23℃において、溶存酸素濃度が8.0ppmである水中の溶存酸素の吸収を開始してから1時間の平均溶存酸素吸収速度が、0.001mg/(l・h・cm2)以上であるフィルム。 - 請求項1に記載のフィルムを備え、前記液体を含む内容物を収納する容器。
- 前記内容物が、溶存酸素濃度8.0ppmの水である場合、
測定温度23℃において、前記水の溶存酸素濃度は、前記水中の溶存酸素の吸収を開始してから1時間経過したとき、前記水中の溶存酸素の吸収を開始したときの前記水の初期溶存酸素濃度の0%以上40%以下の値まで減少する請求項2に記載の容器。 - 前記内容物が、溶存酸素濃度8.0ppmの水である場合、
測定温度23℃において、前記水の溶存酸素濃度は、前記水中の溶存酸素の吸収を開始してから5時間経過したとき、前記水中の溶存酸素の吸収を開始したときの前記水の初期溶存酸素濃度の0%以上20%以下の値まで減少する請求項2または3に記載の容器。 - 前記内容物が、溶存酸素濃度8.0ppmの水である場合、
測定温度23℃において、前記水の溶存酸素濃度は、前記水中の溶存酸素の吸収を開始してから10時間経過したとき、前記水中の溶存酸素の吸収を開始したときの前記水の初期溶存酸素濃度の0%以上10%以下の値まで減少する2〜4のいずれか1項に記載の容器。 - 前記内容物が、医薬品、化粧品、食品、試薬またはインクである請求項2〜5のいずれか1項に記載の容器。
- 前記内容物が、電解液である請求項2〜5のいずれか1項に記載の容器。
- 請求項7に記載の容器から成る包材を備える電池。
- 正極と、
負極と、
電解液と、
前記正極と前記負極との間に配置されるセパレータと、
前記正極と前記負極と前記電解液と前記セパレータとを収納する包材とを備え、
前記セパレータおよび前記包材の少なくとも一方は、前記電解液中の溶存酸素を吸収する電池。
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KR20180080005A (ko) * | 2017-01-03 | 2018-07-11 | 국방과학연구소 | 공중 중계 통신을 위한 타임미러링 방법 및 시스템 |
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