JP5678442B2 - 物理量センサー、および電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、MEMSセンサー(Micro Electro Mechanical Sensor:マイクロエレクトロメカニカルセンサー)、MEMSセンサーの製造方法、および電子機器等に関する。
この種のMEMSセンサーは、例えばCMOS集積回路一体型シリコンMEMS加速度センサーとして、小型・低コスト化が急激に進んでいる。MEMSセンサーの応用アプリケーションと市場は拡大している。主流となっているデバイス形態は、物理量を電気信号に変換・出力処理するICチップを、ウエハプロセス以降の実装プロセスで1パッケージ化しているものがほとんどである。究極の小型化・低コスト化には、ウエハプロセスでセンサーチップとICチップを一体形成する技術が必要とされている(特許文献1参照)。
また、可動電極部と固定電極部によって構成されるコンデンサーの容量値の変化によって、加速度や圧力等の物理量を検出する容量型のMEMSセンサー(容量型MEMS物理量センサー)においては、可動電極部は、可動錘部に一体化されており、可動錘部の変位に伴って可動電極部も変位し、可動電極部と固定電極部との間のギャップあるいは対向面積が変化し、これに伴って電荷の移動が生じる。この電荷の移動を、例えば、チャージアンプを含むC/V変換回路によって電気信号(電圧信号)に変換することによって、物理量が検出される。また、可動錘部に可動電極部が一体化された一般的なMEMSセンサーでは、可動電極部と可動錘部の高さは同一である。(特許文献2の図4、図5参照)。
特開2006−263902号公報 特開2005−140792号公報
容量型MEMS加速度センサーの検出感度の向上のためには、可動錘部の質量(M)を増大させることが有効である。半導体装置のプロセス技術を使用して容量型MEMS加速度センサーを形成する場合、可動錘部、可動電極部および固定電極部を含む構造体は、複数の層(絶縁層や導電性材料層等)を積層して構成される積層構造体からなる。よって、可動錘部の質量(M)を増大させようとすると、必然的に積層構造体の高さ(h)が増大し、可動電極部の高さ(h)も同様に増大する。
一方、可動電極部の高さ(h)が増すと、可動電極部の面積が増え、これに伴って、ダンピングの主要因であるsqueeze film damping(以降、単にダンピングと呼ぶ)のダンピング係数(D)が増大する。このダンピングとは、可動電極部が振動する際に、可動電極部と固定電極部とに挟まれた空間にある気体が、例えば上下に動き、その際に、気体の粘性によって生じる、可動電極の動きを止めようとする働きのことである。具体的には、ダンピング係数(D)は、可動電極部の高さ(h)の3乗で大きくなる。
このダンピング係数(D)は、バネ−質量系の構造体の機械的な固有の特性であるQ値に関係し、また、MEMSセンサーのS/Nの低下の原因となるブラウンノイズに関係する。つまり、各電極部間の気体のブラウン運動によって可動構造体に力が働き、これが例えば加速度等価ブラウンノイズとなる。
上述のとおり、ダンピング係数(D)は、可動電極部の高さ(h)の3乗で大きくなるため、可動錘部の質量(M)を増大させるために積層構造体の高さ(h)を増やすと、同時に、可動電極部の高さ(h)も増え、この結果として、例えば、可動連結部および可動錘部のバネ−質量系のQ値が極端に低下して、所望のバネの共振特性が得られなくなり、また、ブラウンノイズの増大によるS/Nの低下を招くというという問題が生じる。
つまり、MEMSセンサーでは、例えば、積層構造体の高さ(h)を高くして、可動錘部の質量(M)を増大させることによって得られる正の効果と、可動電極部におけるダンピング係数(D)が大きくなってバネ−質量系のQ値が低下し、かつブラウンノイズが増えるという負の効果とは、同時に生じる。つまり、MEMSセンサーの設計の自由度が少なく、可動構造体(可動錘部および可動電極部を含む)の平面的なサイズ、バネの共振周波数、バネ−質量系のQ値の各々を所望の設計値に固定したとすると、あとは、調整可能ないくつかの寸法パラメーター(具体的には、例えば、可動電極部の高さ、可動電極部の横幅、可動電極部と固定電極部との間の距離(ギャップ)等)を調整することしか、構造体設計上の対応策がないのが実情である。
また、MEMSセンサーでは、弾性変形部(バネ部)のバネ特性を適正な範囲に調整することも必要となる。バネ特性は、機械的なバネ特性の他、コンデンサーのクーロン力による電気的なバネ特性も考慮して設計する必要がある。
本発明のいくつかの態様によれば、例えば、MEMSセンサーの感度の検出に影響を与える構造体(例えば可動錘)の質量と電極の高さに関し、従来に比べて、両者を個別に、より自由に設定できるようになり、MEMSセンサーの設計の自由度を向上させることができる。また、例えば、さらに、バネ特性の調整も適宜、実行できるようになり、MEMSセンサーの設計の自由度を、さらに向上させることができる。
(1)本発明のMEMSセンサーの上記課題のいずれか一つを解決する一態様は、多層配線構造を加工して形成されるMEMSセンサーであって、弾性変形部によって固定枠部に連結され、周囲に空洞部が形成されている可動錘部と、前記固定枠部に固定された固定電極部と、前記可動錘部に接続され、前記固定電極部に対向して配置される可動電極部と、を含む容量電極部と、前記可動錘部の質量、前記可動電極部のダンピング係数および前記弾性変形部におけるバネ特性の少なくとも一つを調整するための調整層と、を含み、前記調整層は、前記多層配線構造の構成要素である、少なくとも一層の絶縁層を含む。また、ある実施形態では、物理量センサーにおいて、支持部と、可動錘部と、前記支持部と前記可動錘部とを連結する連結部と、固定電極部と、前記可動錘部に設けられ、且つ、前記固定電極部に対向して配置された可動電極部と、を備え、前記可動錘部、前記連結部、前記固定電極部、および前記可動電極部の少なくとも1つは、調整層を備えることを特徴とする。また、前記調整層は、絶縁層であることを特徴とする。また、前記調整層は、前記可動錘部、前記連結部、前記固定電極部、および前記可動電極部の少なくとも1つの最上面または最下面に形成されたことを特徴とする。
調整層は、可動錘部の質量、可動電極部のダンピング係数および弾性変形部におけるバネ特性の少なくとも一つを調整するために意図的に設けられる。調整層は、絶縁層を主体として構成されることから、容量電極部に形成される可動電極部および固定電極部の間で形成される静電容量値には影響を及ぼさない。したがって、可動電極部および固定電極部の電気的特性(つまり、導電体からなる容量電極部の高さと幅によって決まるコンデンサーの対向面積)から独立した、別の設計パラメーターが追加されたことになり、したがって、MEMSセンサーモジュール等の設計の自由度を向上させる効果を得ることができる。
すなわち、従来は、容量電極部の高さ(すなわち導電体部分の高さ)が決定されれば、可動錘部の高さも自動的に決定され、両者は同じという前提で設計がされていたが、調整層という概念(新しい設計パラメーター)を導入することによって、容量電極(導電体)の高さとは切り離して、可動錘部の高さを調整して質量(重み)を効率的に増大させることができ、また、可動電極部のダンピング係数を調整することができ、また、弾性変形部の特性の調整(例えば、機械的なバネ定数の調整や、バネの不要な方向への変位の抑制等)を実現することができる。
上述のとおり、例えば、コンデンサーの全容量(C0)は、加わった加速度を静電容量の変化に変換する際の効率(加速度/容量の変換係数)に関係する。したがって、コンデンサーの全容量を考慮して最適な電極(金属部分)の高さを決定し、一方、調整層の厚みを調整して可動錘部の全体の高さを長くし、可動錘部の質量(重み)を効果的に増大させる、というような設計が可能となる。
半導体製造プロセスによって調整層が形成されると、その調整層は、原則的には容量電極(導電体)の上にも形成されるため、導電体上の調整層を含めた場合の容量電極部の全体の高さは変動する。可動電極部の全体の高さが、調整層の分だけ増大することによって、ダンピング係数も増大する。よって、調整層の高さの調整によって、可動電極部のダンピング係数を調整することができる。例えば、ダンピング係数が小さすぎると、可動電極部に生じた振動が長い時間にわたって継続し、例えば、MEMSセンサーの落下等によってバネの共振周波数付近の振動が生じたときに、可動電極部の破壊が生じやすくなる場合もある。その一方、可動電極部のダンピング係数が大きすぎると、共振振動体のQ値が極端に低下して所望の値を実現できないという問題が生じ、あるいは、MEMSセンサーの感度に関して、ブラウンノイズが増大してS/Nが低下するという問題も生じる。よって、可動電極部のダンピング係数は適正な範囲に設定する必要がある。このように、調整層は、可動電極部のダンピング係数を適正な範囲に調整する機能も有する。
また、調整層の高さがそれほど高くない場合(許容範囲内である場合)には、Q値の極端な低下は生じず、また、容量電極部(電極部)におけるブラウンノイズの急上昇を招くこともなく、その一方、可動錘部は面積が大きいため、調整層が加わった分だけ可動錘部の重みが効果的に増大し、可動錘部の質量増大の効果が支配的となって、MEMSセンサー(加速度センサー等)の感度が向上する。
また、半導体製造プロセスによって調整層が形成されると、原則的には、弾性変形部においても調整層が設けられることになる。この場合、弾性変形部(バネ部)における機械的バネ定数が増大し、電気的バネ定数(クーロン力に起因するバネ定数)は相対的に小さくなって無視できるようになるため、弾性変形部(バネ部)の設計が容易化されるという効果を得ることもできる。
すなわち、弾性変形部と、この弾性変形部に支持された可動錘部とは、所定のバネの共振特性をもつ振動部としても機能する。振動部における所望のバネの共振特性を確保するためには、弾性変形部(バネ部)におけるバネ定数の値を適正な範囲に収める必要があるが、実効的なバネ定数は、弾性変形部(バネ部)の機械的なバネ定数だけで定まるのではなく、容量電極部における固定電極と可動電極との間に作用する静電気力(クーロン力)に起因する電気的なバネ定数も考慮して総合的に決定される。すなわち、実効的なバネ定数は、(機械的バネ定数−電気的バネ定数)によって決定される。
よって、電気的バネ定数が、機械的バネ定数に比べて十分に小さくなるように設計しないと、F=kX(Fは力、kはバネ定数、Xは変位量)で表わされる線形のバネ特性の式が成立しなくなり、この点が、設計上の制約になる。かといって、弾性変形部に使用可能な材料は限られており、また、弾性変形部の形状や太さ等は、加速度が加わる可能性のある方向に対する柔軟な変形や、不要な振動を生じさせないことや、振動に対する強度等を考慮して総合的に決定する必要があり、機械的バネ定数だけを考慮して決定するわけにはいかない。
ここで、調整層が、弾性変形部(例えば、導電体と少なくとも一層の絶縁層からなる)上に形成されると、調整層(例えば、無機絶縁膜を含む)のもつ剛性によって、弾性部材における機械的バネ定数が増大し、電気的バネ定数(クーロン力に起因するバネ定数)は相対的に小さくなって無視できるようになるため、弾性変形部(バネ部)の設計が容易化される。また、調整層が存在することによって、加速度による力が加わった場合における、弾性変形部の縦方向(基板に垂直な方向)の動きが抑制され、これによって、ねじれ等の不要な変形が生じる可能性を低減できるという効果も得られる。さらに、可動電極部(および固定電極部)の、熱膨張係数に起因する反りによる変形も抑制され、よって、温度変化によって、コンデンサーの対向面積が若干変化するという不都合が生じる可能性も低減される。
このように、調整層は、容量電極部(導電体)の電気特性とは別に、可動錘部の質量(重み)を効果的に増大させることができるという効果を奏する。また、例えば、容量電極部におけるダンピング係数を調整して、Q値の極端な低下や空気抵抗(気体のブラウン運動)によるブラウンノイズの急上昇は招かず、かつ、可動錘部の重みを効果的に重くしてMEMSセンサーの感度を向上させるのに貢献するという効果を奏する。また、さらに、機械的バネ定数を増大させて、電気的バネ定数の影響を相対的に小さくするという効果も発揮し、また、弾性変形部における不要な方向への変形を抑制してねじれ等を効果的に防止するという効果もあり、さらに、可動電極部(および固定電極部)の、熱膨張係数に起因する反りによる変形も抑制するという効果も有する。
よって、従来、電極の横幅を極端に長くせざるを得ないというような不都合な事態が生じるような場合でも、調整層の厚み(および内部構造)を、現実的な範囲で調整することによって、所望のサイズで所望の感度をもつMEMSセンサーを設計できるようになる。よって、設計の自由度が向上する。したがって、小型で高性能であり、かつICプロセスを用いて製造可能なMEMSセンサーを効率的に設計することが可能となる。
(2)本発明のMEMSセンサーの他の態様では、前記調整層は、前記多層配線構造の構成要素である、少なくとも一層の絶縁層と、前記可動電極部および前記固定電極部から電気的に独立した孤立導電体と、を含む。
絶縁層に加えて、孤立導電体(一般に絶縁層よりも比重の重い導電材料からなる)を調整層の構成要素とすることによって、調整層の重みを効果的に増大させることができる。よって、例えば、可動錘部の質量の調整効果を高めることができ、あるいは、弾性変形部における不要な方向への変形防止効果を高める、といった効果を得ることができる。
(3)本発明のMEMSセンサーの他の態様では、前記可動電極部および前記固定電極部の各々は、前記多層配線構造体の構成要素である、層が異なる複数の導電体と、前記複数の導電体の各々間を接続する導電材料からなるプラグと、によって形成される壁部を有し、前記調整層は、前記壁部の上側に位置する積層構造および下側に位置する積層構造の少なくとも一方によって構成される。また、前記可動錘部は、複数の導電層と、前記複数の導電層の間に形成された層間絶縁層とを有する積層構造体であることを特徴とする。また、前記層間絶縁層には、前記層間絶縁層よりも比重が大きいプラグが埋め込まれていることを特徴とする。
各絶縁層に所定方向に延在する溝パターンを形成し、その溝パターンにタングステン等のプラグ材料を埋め込んで壁部を形成することによって、所望の対向面積をもつコンデンサーを、半導体プロセスを用いて無理なく構成することができる。また、その壁部を可動錘部にも形成すれば、可動錘部の質量を効果的に増大させることもできる。
また、調整層は、その壁部を有する積層構造体の上側に形成することができ、また、下側に形成することができ、また、上側および下側の双方に形成することができる。どの態様を採用するかは、例えば、MEMSセンサーに必要な電極や配線を確保し、かつ効率的な配線引き出しを行うという設計上の観点を考慮して、適宜、決定することができる。
(4)本発明のMEMSセンサーの他の態様では、前記調整層は、可動錘部の質量を調整するための第1調整層と、前記可動電極部のダンピング係数を調整するための第2調整層と、前記弾性変形部のバネ特性を調整するための第3調整層と、を有する。また、前記調整層は、前記可動錘部に形成された第1調整層と、前記可動電極部および前記固定電極部に形成された第2調整層と、前記連結部に形成された第3調整層と、を有することを特徴とする。
本態様における調整層は、可動錘部の質量を調整するための第1調整層と、可動電極部のダンピング係数を調整するための第2調整層と、弾性変形部のバネ特性を調整するための第3調整層と、を備える。よって、調整層によって、可動錘部の質量調整と、可動電極部のダンピング係数の調整と、弾性変形部(バネ部)のバネ特性(例えば、バネ定数、必要な方向への変位特性、不要な方向に対する変位の抑制特性等)の調整を行うことができる。
(5)本発明のMEMSセンサーの他の態様では、前記調整層は、前記可動錘部の質量を調整するための第1調整層および前記弾性変形部のバネ特性を調整するための第3調整層のみを含む。
本態様では、可動錘部の質量を調整するための第1調整層と、弾性変形部のバネ特性を調整するための第3調整層のみが設けられ、可動電極部のダンピング係数を調整するための第2調整層は設けられない。この場合、可動電極部のダンピング係数は、壁部を含む積層構造体の高さのみで決定される。調整層による、可動電極部のダンピング係数の調整が不要の場合には、本態様の構造を採用すればよい。本態様の調整層の構造は、例えば、調整層としての積層構造を形成した後、異方性エッチング等によって、容量電極部(可動電極部を含む)における積層構造を選択的に除去することによって形成することができる。
(6)本発明のMEMSセンサーの他の態様では、前記調整層は、前記可動錘部の質量を調整するための第1調整層のみを含む。
本態様では、可動錘部の質量を調整するための第1調整層のみが設けられ、第2調整層および第3調整層は設けられない。調整層による、可動電極部のダンピング係数の調整および弾性変形部の特性の調整が特に必要ない場合には、本態様の構造を採用すればよい。本態様の調整層の構造は、例えば、調整層としての積層構造を形成した後、異方性エッチング等によって、容量電極部(可動電極部を含む)における積層構造および弾性変形部における積層構造を選択的に除去することによって形成することができる。
(7)本発明のMEMSセンサーの他の態様では、前記第1調整層〜前記第3調整層の各々の高さは同じである。
本態様では、第1〜第3の調整層の各々の厚みが同じである。例えば、半導体製造プロセスによって、調整層としての積層構造を、各部の上に一律に形成することによって、本態様の調整層の構造を形成することができる。本態様を採用する場合、調整層の形成が簡単であるという効果が得られる。
(8)本発明のMEMSセンサーの他の態様では、前記第1調整層、第2調整層および第3調整層のうちのいずれか1つの調整層の高さは、他の2つの調整層のうちの少なくとも一つの調整層の高さと異なっている。また、前記第1調整層の層厚は、前記第2調整層および前記第3調整層の少なくとも一方の層厚と異なっていることを特徴とする。
本態様では、例えば、第2調整層および第3調整層の高さが同じであり、かつ、第1調整層の高さと、第2調整層および第3調整層の高さとが異なる場合がある。また、第1調整層および第2調整層の高さが同じであり、かつ、第1調整層および第2調整層の高さと第3調整層の高さとが異なる場合がある。また、第1調整層および第3調整層の高さが同じであり、かつ、第2調整層の高さと、第1調整層および第3調整層の高さとが異なる場合がある。また、第1〜第3の調整層の各々の高さが異なる場合もある。本態様によれば、各調整層の高さを個別に最適化することができる。よって、設計の自由度がさらに向上する。
(9)本発明のMEMSセンサーの他の態様では、前記第1調整層〜前記第3調整層のうちのいずれか1つの調整層の層構成は、他の2つの調整層のうちの少なくとも1つの調整層の層構成とは異なっている。また、前記第1調整層の層構造は、前記2調整層および前記第3調整層の少なくとも一方の層構造と異なっていることを特徴とする。
上記(8)の態様では、各調整層の高さを最適化しているが、本態様では、各調整層の層構成を最適化して、設計の自由度を高める。
つまり、本態様では、例えば、第2調整層および第3調整層の層構成が同じであり、かつ、第1調整層の層構成と、第2調整層および第3調整層の層構成とが異なる場合がある。また、第1調整層および第2調整層の層構成が同じであり、かつ、第1調整層および第2調整層の層構成と第3調整層の層構成とが異なる場合がある。また、第1調整層および第3調整層の層構成が同じであり、かつ、第2調整層の層構成と、第1調整層および第3調整層の層構成とが異なる場合がある。また、第1〜第3の調整層の各々の層構成が異なる場合もある。
(10)本発明のMEMSセンサーの他の態様では、前記可動錘部は、前記多層配線構造体の構成要素である、層が異なる複数の導電体と、前記複数の導電体の各々間を接続する導電材料からなるプラグと、によって形成される、前記可動電極部および前記固定電極部から孤立している壁部を有する。
本態様では、可動錘部において電気的に孤立した壁部を設けることによって、可動錘部の質量を、効率的に高めることができる。つまり、電気的導通をとるための一般的なプラグは、例えば円形のスルーホールに埋め込まれるが、本態様では、例えば、所定方向に沿って延在するスルーホールパターンにプラグ材料が埋め込まれ、これによって、壁状のプラグが形成される。プラグ材料(導電性の材料であり、一般にはタングステン等の金属である)は、絶縁層の材料に比べて比重が重い。壁状のプラグ構造を形成することによって、プラグ材料の総量を増やすことができ、したがって、可動錘部の質量を、容易に増大させることができる。
(11)本発明のMEMSセンサーの他の態様では、前記可動電極部および前記固定電極部の少なくとも一方は、前記壁部として、電気的に独立している第1壁部および第2壁部を有する。
この構造を使用すると、電気的に独立している2つのコンデンサー(C1,C2)を無理なく、かつ省スペースで構成することができる。例えば、一つの可動電極部の一方の側面側に設けられる第1壁部を第1の固定電極部と対向させ、上記の一つの可動電極部の他方の側面側に設けられる第2壁部を、第2の固定電極部と対向させることによって、上記の2つのコンデンサー(C1,C2)をコンパクトに形成することができる。
また、ある実施形態では、前記MEMSセンサーを電子機器に搭載しても良い。本願発明のMEMSセンサーを電子機器に搭載すれば、検出感度が優れた電子機器を提供することができる。
(12)本発明のMEMSセンサーの製造方法の一態様では、弾性変形部によって固定枠部に連結され、周囲に空洞部が形成されている可動錘部と、前記固定枠部に固定された固定電極部と、前記可動錘部に接続され、前記固定電極部に対向して配置される可動電極部と、を含む容量電極部と、前記可動錘部の質量、前記可動電極部のダンピング係数および前記弾性変形部におけるバネ特性の少なくとも一つを調整するための調整層と、を含み、前記調整層は、前記多層配線構造の構成要素である、少なくとも一層の絶縁層を含む、MEMSセンサーの製造方法であって、基板上に、前記調整層を構成する層構造を含む多層配線構造を形成し、前記多層配線構造を異方性エッチングによってパターニングして、前記基板の表面が露出する開口部となる第1空洞部を形成し、前記開口部を介して、等方性エッチング用のエッチャントを前記基板に到達させて前記基板を等方性エッチングして、前記第1空洞部に連通する第2空洞部を形成する。また、ある実施形態では、物理量センサーの製造方法において、支持部と、可動錘部と、前記支持部と可動錘部とを連結する連結部と、固定電極部と、前記可動錘部に設けられ前記固定電極部に対向して配置された可動電極部と、を有した物理量センサーの製造方法であって、基板上に、積層構造体を形成する工程と、前記積層構造体の最上層または最下層に調整層を形成する工程と、異方性エッチングにより、第1空洞部を前記積層構造体の最上層から前記基板の表面まで形成する工程と、等方性エッチングにより、前記第1空洞部を介して前記基板と前記積層構造体との間に第2空洞部を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本態様によれば、ICの製造プロセス技術を用いて、MEMSセンサーを効率的に製造することができる。また、ICとMEMSセンサーとを、共通の製造プロセス技術を用いて、併行的に形成することができる。よって、ICを内蔵したセンサーモジュール等を容易に形成することができる。
本発明のMEMSセンサーにおける調整層の構造の一例を示す図。 図2(A)および図2(B)は、調整層の構造の他の例を示す図。 調整層の構造の他の例を示す図。 図4(A)および図4(B)は、調整層の構造の他の例を示す図。 図5(A)および図5(B)は、調整層の構造の他の例を示す図。 本発明のMEMSセンサー(容量型加速度センサーモジュール)の基本構造を説明するための透視平面図。 図6のA−A線に沿う断面図。 図6のB−B線に沿う断面図。 加速度センサーモジュールに搭載される回路(C/V変換回路を含む)の一例のブロック図。 図10(A)〜図10(C)は、C/V変換回路の構成と動作について説明するための図。 図11(A)および図11(B)は、加速度センサーモジュールにおいて使用される調整層の一例を示す図。 加速度センサーモジュールにおいて使用される調整層の他の例を示す図。 加速度センサーモジュールにおいて使用される調整層の他の例を示す図。 加速度センサーモジュールの製造工程(工程1)を説明するための図。 加速度センサーモジュールの製造工程(工程2)を説明するための図。 加速度センサーモジュールの製造工程(工程3)を説明するための図。 図17(A)〜図17(C)は、可動電極部において、2つの壁状電極部の各々に、独立した電位を与えるための構造例を示す図。 図18(A)および図18(B)は、弾性変形部における調整層の効果(不要な方向の変位抑制効果)を説明するための図。 ダンピング係数及びブラウンノイズに関係する可動電極部と固定電極部の寸法を説明するための図。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
(第1の実施形態)
本実施形態では、MEMSセンサーの平面形状と断面構造の例について説明する。図1は、本発明のMEMSセンサー(調整層を含む)の構造の一例を示す図である。
図1の上側に示されるように、MEMSセンサーとしての容量型MEMS加速度センサーは、半導体製造プロセスを用いて形成される積層構造体(複数の絶縁層と、所定方向に延在する壁部をもつ導電体部材PLGとを有する)を含む可動錘部120と、弾性変形部(連結部とも言う)130と、シリコン基板からなる固定枠部110と、可動電極部140と、固定電極部150と、を有する。可動電極部140と固定電極部150は対向して配置され、各電極部によって容量電極部145が形成される。容量電極部145によって、コンデンサー(平行平板型の静電容量)が構成される。可動電極部140は、可動錘部120と一体的に構成されており、可動錘部120が加速度による力を受けて変位すると、可動電極部140が変位し、可動電極部140と固定電極部150との対向間距離が変化する。これによって、コンデンサーのギャップ(d)が変化し、コンデンサーの容量値が変化し、これに伴って電荷の移動が生じる。この電荷の移動による微小な電流をチャージアンプによって増幅することによって、可動錘部120に加わった加速度の値を検出することができる。
図1の下側には、図1の上側に示される容量型MEMS加速度センサーの、各領域に対応した断面構造が示されている。図中、Z1は可動錘部領域であり、Z2aは可動電極部領域であり、Z2bは固定電極部領域であり、Z3は弾性変形部領域であり、Z4は固定枠部領域である。Z2aおよびZ2bを合わせて、容量電極部領域(あるいは単に電極部領域)という場合がある。
シリコン基板101には、第2空洞部112が形成されている。多層の積層構造体には第1空洞部126が形成されており、第2空洞部112は、第1空洞部126に連通する。シリコン基板101上には、導電体からなる壁部を含む積層構造体(図中、太い実線で囲んで示される)が形成されている。積層構造体の高さはh1である。
この積層構造体は、層が異なる複数の絶縁層INS1〜INS3と、第1層目メタルM1と、第2層目メタルM2と、第3層目メタルM3と、1層目ポリシリコンPoly1と、を含む。また、可動電極部140および固定電極部150において設けられる壁部(コンデンサーの電極となる部分)は、第1層目メタルM1と、第2層目メタルM2と、第3層目メタルM3と、1層目ポリシリコンPoly1と、各層のプラグP1〜P3と、によって構成することができる。
壁部を含む積層構造体の上には、調整層CBL(図中、太い点線で示されている)が設けられている。調整層の高さはh2である。調整層CBLは、可動錘部120の質量(M)、可動電極部140のダンピング係数(D)および弾性変形部130におけるバネ特性の少なくとも一つを調整するために意図的に設けられる。
調整層CBLは、設けられる場所によってその機能が異なり、したがって、複数の調整層に区別することが可能である。つまり、調整層CBLは、可動錘部120の質量の調整を主目的とする第1調整層CBL1と、可動電極部140のダンピング係数の調整を主目的とする第2調整層CBL2と、弾性変形部130におけるバネ特性の調整を主目的とする第3調整層CBL3と、を含む。
調整層CBLは、絶縁層を主体として構成されることから、容量電極部に形成される可動電極部140および固定電極部150の間の容量形成には影響を及ぼさない。したがって、可動電極部140および固定電極部150の電気的特性(つまり、導電体からなる容量電極部の高さと幅によって決まるコンデンサーの対向面積)から独立した、別の設計パラメーターが追加されたことになり、したがって、MEMSセンサーモジュール等の設計の自由度を向上させる効果を得ることができる。
例えば、図1においては、コンデンサーの電極部(導電体)の高さはh1であるが、調整層を含む電極部全体の高さ、可動錘部120の高さ、ならびに弾性変形部130の高さはh3となっており、各部の実効的な高さ(h3)を、コンデンサーの電極部(導電体)の高さ(h1)から切り離して、独立して調整することができる。
従来は、電極部(導電体の高さ)が決定されれば、可動錘部120の高さも自動的に決定され、両者は同じという前提で設計がされていたが、調整層という概念(新しい設計パラメーター)を導入することによって、電極部(導電体)の高さとは切り離して、可動錘部120の高さを調整して質量(M)を効率的に増大させることができ、また、可動電極部140のダンピング係数(D)を調整することができ、また、弾性変形部130の特性の調整(例えば、機械的なバネ定数Kの調整や、バネの不要な方向への変位の抑制等)を実現することができる。
上述のとおり、例えば、コンデンサーの全容量(C0)は、加わった加速度を静電容量の変化に変換する際の効率(加速度/容量の変換係数)に関係する。したがって、コンデンサーの全容量を考慮して最適な電極部(導電体)の高さh1を決定し、一方、調整層CBLの高さh2を調整して、可動錘部120等の実効的な高さh3を最適化し、可動錘部120の質量(M)を効果的に増大させる、というような設計が可能となる。
また、可動電極部140の全体の高さ(h3)は、第2調整層CBL2の高さ(h2)の分だけ増加し、ダンピング係数(D)も増大する。よって、第2調整層CBL2の高さの調整によって、可動電極部140のダンピング係数(D)を調整することもできる。
例えば、ダンピング係数(D)が小さすぎると、可動電極部140に生じた振動が長い時間にわたって継続し、例えば、MEMSセンサーの落下等によって大きな変位が生じたときに、可動電極部140の破壊が生じやすくなる場合もある。その一方、可動電極部140のダンピング係数(D)が大きすぎると、弾性変形部および可動錘部のバネ−質量系のQ値が極端に低下して所望の値を実現できないという問題が生じ、あるいは、MEMSセンサーの感度に関して、ブラウンノイズが増大してS/Nが低下するという問題も生じる。よって、可動電極部140のダンピング係数は適正な範囲に設定する必要がある。このように、第2調整層CBL2は、可動電極部140のダンピング係数(D)を適正な範囲に調整する機能を有する。
また、第2調整層CBL2の高さがそれほど高くない場合(許容範囲内である場合)には、可動錘部におけるバネのQ値の極端な低下は生じず、また、容量電極部(電極部)におけるブラウンノイズの急上昇を招くこともなく、その一方、可動錘部120は面積が大きいため、調整層が加わった分だけ可動錘部120の重みが効果的に増大し、可動錘部の質量増大の効果が支配的となれば、MEMSセンサー(加速度センサー)の感度が向上する。
また、半導体製造プロセスによって調整層CBLが形成されると、原則的には、弾性変形部130においても第3調整層CBL3が設けられることになる。この場合、弾性変形部(バネ部)における機械的バネ定数が増大し、電気的バネ定数(クーロン力に起因するバネ定数)は相対的に小さくなって無視できるようになるため、弾性変形部(バネ部)130の設計が容易化されるという効果を得ることもできる。
すなわち、弾性変形部130と、この弾性変形部130に支持された可動錘部120とは、所定のバネの共振特性をもつ振動部としても機能する。振動部における所望のバネの共振特性を確保するためには、弾性変形部(バネ部)130におけるバネ定数の値を適正な範囲に収める必要があるが、実効的なバネ定数は、弾性変形部(バネ部)130の機械的なバネ定数だけで定まるのではなく、容量電極部における固定電極部150と可動電極部140との間に作用する静電気力(クーロン力)に起因する電気的なバネ定数も考慮して総合的に決定される。すなわち、実効的なバネ定数は、(機械的バネ定数−電気的バネ定数)によって決定される。電気的なバネ定数は距離(変位量)に対して非線形な値を取る。
よって、電気的バネ定数が、機械的バネ定数に比べて十分に小さくなるように設計しないと、F=kX(Fは力、kはバネ定数、Xは変位量)で表わされる線形のバネ特性の式が成立しなくなり、この点が、設計上の制約になる。かといって、弾性変形部130に使用可能な材料は限られており、また、弾性変形部130の形状や太さ等は、加速度が加わる可能性のある方向に対する柔軟な変形や、不要な振動を生じさせないことや、振動に対する強度等を考慮して総合的に決定する必要があり、機械的バネ定数だけを考慮して決定するわけにはいかない。
ここで、第3調整層CBL3が、弾性変形部(例えば、少なくとも1層の導電体と少なくとも一層の絶縁層からなる)130上に形成されると、第3調整層CBL3(例えば、無機絶縁膜を含む)のもつ剛性によって、弾性変形部130における機械的バネ定数が増大し、電気的バネ定数(クーロン力に起因するバネ定数)は相対的に小さくなって無視できるようになるため、弾性変形部(バネ部)130の設計が容易化される。また、第3調整層CBL3が存在することによって、加速度による力が加わった場合における、弾性変形部130の縦方向(基板に垂直な方向)の動きが抑制され、これによって、ねじれ等の不要な変形が生じる可能性を低減できるという効果も得られる。
ここで、図18(A)および図18(B)を参照する。図18(A)および図18(B)は、弾性変形部130における第3調整層CBL3の効果(不要な方向の変位抑制効果)を説明するための図である。弾性変形部130において、第3調整層CBL3を設けることによって、例えば、弾性変形部(バネ部)130の縦方向(基板に垂直な方向)の動きが規制される。
図18(A)は、第3調整層CBL3が設けられない場合の弾性変形の一例を示している。図18(A)において、矢印の方向に、加速度による力が加わると、可動錘部120に、縦方向(水平面に垂直な方向)の変形が生じる場合があり、これによって、ねじれ等の不要な動きが生じる場合がある。図18(B)は、第3調整層CBL3が設けられる場合の弾性変形の一例を示している。図18(B)から明らかなように、弾性変形部130の、不要な方向(例えば縦方向)の動きが規制される。よって、ねじれ等の不要な動きが生じる可能性が低減されるという効果が得られる。弾性変形部(バネ部)130における不要な変形が抑制されることによって、MEMSセンサーの検出感度がさらに向上する。
図1に戻って説明を続ける。さらに、第3調整層CBL3を設けることによって、可動電極部140(および固定電極部150)の、熱膨張係数に起因する反りによる変形も抑制され、よって、温度変化によって、コンデンサーの対向面積が若干変化するという不都合が生じる可能性も低減される。
このように、調整層CBLは、容量電極部(導電体)の電気特性とは別に、可動錘部120の質量(M)を効果的に増大させることができるという効果を奏する。また、例えば、容量電極部におけるダンピング係数(D)を調整して、Q値の極端な低下や空気抵抗(気体のブラウン運動)によるブラウンノイズの急上昇は招かず、かつ、可動錘部120の重みを効果的に重くしてMEMSセンサーの感度を向上させるのに貢献するという効果を奏する。また、さらに、機械的バネ定数を増大させて、電気的バネ定数の影響を相対的に小さくするという効果も発揮し、また、弾性変形部130における不要な方向への変形を抑制してねじれ等を効果的に防止するという効果もあり、さらに、可動電極部140(および固定電極部150)の、熱膨張係数に起因する反りによる変形も抑制するという効果も有する。
よって、従来、電極の横幅を極端に長くせざるを得ないというような不都合な事態が生じるような場合でも、調整層CBLの厚み(および層構成)を現実的な範囲で調整することによって、所望のサイズで所望の感度をもつMEMSセンサーを設計できるようになる。よって、設計の自由度が向上する。したがって、小型で高性能であり、かつICプロセスを用いて製造可能なMEMSセンサー(容量型加速度センサーやジャイロセンサー等)を効率的に設計することが可能となる。
(調整層CBLの実施態様)
図2(A)および図2(B)は、調整層の構造の他の例を示す図である。調整層CBLは、図2(A)に示すように、壁部を有する積層構造体の下側に形成することができる。また、図2(B)に示すように、壁部を有する積層構造体の上側および下側の双方に、調整層CBLa,CBLbを設けることもできる。どの態様を採用するかは、例えば、MEMSセンサーに必要な電極や配線を確保し、かつ効率的な配線引き出しを行うという設計上の観点を考慮して、適宜、決定することができる。
図3は、調整層の構造の他の例を示す図である。図3では、第1調整層CBL1のみが絶縁層と導電体とにより構成され、第2調整層CBL2と第3調整層CBL3は絶縁層のみから構成される。図3の調整層の態様では、各調整層の層構成を最適化して、設計の自由度を高めることができる。
図3に示される態様には、例えば、第2調整層CBL2および第3調整層CBL3の層構成が同じであり、かつ、第1調整層CBL1の層構成と、第2調整層CBL2および第3調整層CBL3の層構成とが異なる場合がある。また、第1調整層CBL2および第2調整層CBL2の層構成が同じであり、かつ、第1調整層CBL1および第2調整層CBL2の層構成と第3調整層CBL3の層構成とが異なる場合がある。また、第1調整層CBL1および第3調整層CBL3の層構成が同じであり、かつ、第2調整層CBL2の層構成と、第1調整層CBL1および第3調整層CBL3の層構成とが異なる場合がある。また、第1〜第3の調整層(CBL1〜CBL3)の各々の層構成が異なる場合もある。
図4(A)および図4(B)は、調整層の構造の他の例を示す図である。図4(A)では、可動錘部120の質量の調整を主目的とする第1調整層CBL1のみが設けられ、第2調整層CBL2および第3調整層CBL3は設けられない。
第2調整層CBL2および第3調整層CBL3による、可動電極部のダンピング係数(D)の調整および弾性変形部130の特性の調整が特に必要ない場合には、図4(A)の構造を採用すればよい。
図4(A)に示される調整層の構造は、例えば、調整層としての積層構造を形成した後、異方性エッチング等によって、容量電極部(可動電極部140および固定電極部150を含む)における積層構造および弾性変形部130における積層構造を選択的に除去することによって形成することができる。
図4(B)では、可動錘部120の質量の調整を主目的とする第1調整層CBL1および弾性変形部130のバネ特性の調整を主目的とする第3調整層CBL3のみを含む。図4(B)では、可動電極部140のダンピング係数(D)の調整を主目的とする第2調整層CBL2は設けられない。この場合、可動電極部140のダンピング係数(D)は、壁部を含む積層構造体の高さh1のみで決定される。第2調整層CBL2による、可動電極部140のダンピング係数の調整が不要の場合には、図4(B)の構造を採用すればよい。
図4(B)に示される調整層の構造は、例えば、調整層としての積層構造を形成した後、異方性エッチング等によって、容量電極部(可動電極部140および固定電極部150を含む)における積層構造を選択的に除去することによって形成することができる。
図5(A)および図5(B)は、調整層の構造の他の例を示す図である。図5(A)および図5(B)に示されるように、第1調整層CBL1、第2調整層CBL2および第3調整層CBL3のうちのいずれか1つの調整層の高さを、他の2つの調整層のうちの少なくとも一つの調整層の高さと異ならせることができる。
図5(A)では、第2調整層CBL2および第3調整層CBL3の高さが同じであり(h2b)、かつ、第1調整層CBL1の高さ(h2a)と、第2調整層CBL2および第3調整層CBL3の高さ(h2b)とが異なっている。なお、第1調整層CBL1および第2調整層CBL2の高さが同じであり、かつ、第1調整層CBL1および第2調整層CBL2の高さと第3調整層CBL3の高さとが異なる場合がある。また、第1調整層CBL1および第3調整層CBL3の高さが同じであり、かつ、第2調整層CBL2の高さと、第1調整層CBL1および第3調整層CBL3の高さとが異なる場合がある。
図5(B)では、第1調整層CBL1〜第3調整層CBL3の各々の高さ(h2a,h2b,h2c)が異なっている。図5(A)および図5(B)に示される態様によれば、各調整層(CBL1〜CBL3の各々)の高さを個別に最適化することができる。よって、設計の自由度がさらに向上する。
(第2の実施形態)
本実施形態では、静電容量型MEMS加速度センサーの構造について具体的に説明する。本実施形態では、MEMSセンサー部と、チャージアンプ等を含む検出系回路等とを、同一の製造プロセスによって一体的に製造するものとする。
調整層を含んだデバイス構造等について説明する前に、まず、本実施形態にかかる静電量型MEMS加速度センサー(以下、単に加速度センサーという)の基本構造や物理量の検出回路の構成について、図6〜図10用いて説明する。
図6は、加速度センサー100が搭載された加速度センサーモジュール10のレイアウト例を示す図である。この加速度センサーモジュール10には、加速度センサー10と共に集積回路部20が搭載され、加速度センサー100は集積回路部20の製造プロセス工程を兼用して形成される。
(可動錘部120の構造)
加速度センサー100は、固定枠部110の内側の空洞部111内で移動可能な可動錘部120を有する。可動錘部120は、弾性変形部130によって固定枠部110に連結されている。この可動錘部120は所定の質量を有し、加速度による力が生じると、可動錘部120は、その力の方向に移動する。
この可動錘部120は、図6のA−A断面である図7、および図6のB−B断面図である図8に示すように、複数の導電体121A〜121Dと、複数の導電体121A〜121D間に配置された複数の層間絶縁層122A〜122Cと、複数の層間絶縁層122A〜122Cの各層に貫通形成された溝に充填されたプラグ123A〜123Cとを含んで構成できる。複数の層間絶縁層122A〜122Cの各層に貫通形成された溝パターンは、例えば格子状パターンであり、プラグ123A〜123Cは格子状に形成されている。また、プラグ123A〜123Cの材質としては、層間絶縁膜122A〜122Cよりも比重が大きいことが必要条件であり、プラグ123A〜123Cを導通のために兼用するのであれば、導電材料が用いられる。
本実施形態では、最下層の導電体121Aは、集積回路部20Aのシリコン基板101上の絶縁膜124上に形成されたポリシリコン層であり、他の三層の導電体121B〜121Dがメタル層である。
ここで、各層に形成されたプラグ123A〜123Cは、各層の積層方向と直交する一または複数の長手方向に沿って壁状に形成された壁部を含んでいる。図6に示すように、二次元平面の直交二軸をX方向とY方向とする。本実施形態では、各層に形成されたプラグ123A〜123Cが、X方向に沿って壁状に延びるプラグ123−Xと、Y方向に沿って壁状に延びるプラグ123−Y(壁部を構成する)と、を含んでいる。
このように、本実施形態の可動錘部120の構造は、一般のIC断面と同様に、複数の導電体の121A〜121Dと、層間絶縁層122A〜122Cと、プラグ123A〜123Cとを含んでいるので、集積回路部20の製造工程を兼用して形成することができる。しかも、集積回路部20Aの製造工程を兼用して形成された部材を全て利用して、可動錘部120の重量増加に寄与させている。
特に、IC製造工程を兼用して形成される可動錘部120は、各層に形成されたプラグ123A〜123Cが可動錘部120Aの質量を高めるように工夫されている。上述した通り、各層に形成されたプラグ123A〜123Cが、2種のプラグ123−Xとプラグ123−Yとを含んでいるので、各プラグ123−X,プラグ123−Yの壁部分によって重量を大きくすることができる。なお、最下層の導電体121Aの下面には絶縁層124が形成されている。
可動錘部120を移動可能にするために、可動錘部120は、その側方の空洞部111だけでなく、上側及び下側にも空間が形成される必要がある。そのため、可動錘部120の最下層である絶縁層124の下方は、シリコン基板101がエッチング除去され、空洞部112が形成されている。
なお、可動錘部120は、プラグ123A〜123Cが形成されていない領域にて上下に貫通する1または複数の貫通孔126を有する。この貫通孔126は、空洞部112をエッチングプロセスにて形成するためのガス通路として形成されている。可動錘部120Aは、貫通孔126を形成する分だけ重量が軽くなるので、エッチングプロセスを実行できる範囲で貫通孔126の孔径や数が決定される。
(弾性変形部(連結部)130の構造)
上述の通り、側方には空洞部111が、下方には空洞部112が形成される領域にて可動錘部120を移動可能に支持するために、弾性変形部(連結部)130が設けられている。この弾性変形部130は、固定枠部110と可動錘部120との間に介在して配置される。弾性変形部130は、図6の錘可動方向(X方向)に可動錘部120が移動することを許容するように弾性変形可能である。弾性変形部130は、図6に示すように、平面視にてほぼ一定の線幅となるようにループ状に形成されて固定枠部110と連結され、空洞部111と区画される内部空洞部113が形成されることで弾性変形性が担保されている。
弾性変形部130も、可動錘部120と同様にして、集積回路部20の形成プロセスを兼用して形成される。つまり、弾性変形部130は、複数の導電体の121A〜121Dと、層間絶縁層122A〜122Cと、プラグ123A〜123Cと、絶縁層124と、によって構成することができる。弾性変形部130は、少なくとも1層の絶縁層により形成することができ、また、一層以上の導電体層を弾性変形部材として使用することもできる。
(容量電極部(可動電極部と固定電極部)の構造)
可動電極部140および固定電極部150は、可動錘部120と同様にして、集積回路部20の形成プロセスを兼用して形成される。図6に示すように、可動電極部140および固定電極部150は、複数の導電体121A〜121Dと、層間絶縁層122A〜122Cと、プラグ123A〜123Cと、絶縁層124と、保護層125とを含んで構成される。ただし、コンデンサーの電極として機能するのは、導電体によって構成される壁部(壁状のプラグ)である。
(加速度センサーモジュールとC/V変換回路の構成例)
図9は、本実施形態の加速度センサーモジュール10のブロック図である。加速度センサー100は、少なくとも2対の可動・固定電極ペアを有する。図9では、第1可動電極部140Q1、第2可動電極部140Q2、第1固定電極部150Q1及び第2固定電極部150Q2を有する。第1可動電極部140Q1と第1固定電極部150Q1によってコンデンサーC1が構成される。第2可動電極部140Q2と第2固定電極部150Q2によってコンデンサーC2が構成される。コンデンサーC1,C2の各々における一極(例えば、固定電極部)の電位は、基準電位(例えば接地電位)に固定されている。なお、可動電極部の電位を接地電位に固定してもよい。
例えばCMOSプロセスによって形成される集積回路部20は、例えば、C/V変換回路24と、アナログ校正およびA/D変換回路ユニット26と、中央演算ユニット(CPU)28及びインターフェース(I/F)回路30と、を含んでいる。但し、この構成は一例であり、この構成に限定されるものではない。例えば、CPU28は制御ロジックに置き換えることができ、また、A/D変換回路は、C/V変換回路24の出力段に設けることも可能である。なお、アナログ−デジタル変換回路、中央演算ユニット、は場合によっては集積回路部20とは異なる集積回路を用いても良い。
可動錘部120が止まっている状態から可動錘部120に加速度が作用すると、可動錘部120には加速度による力が作用して、可動・固定電極ペアの各ギャップが変化する。図9の矢印方向に可動錘部120が移動したとすると、第1可動電極部140Q1と第1固定電極部150Q1との間のギャップが大きくなり、第2可動電極部140Q2と固定電極部150Q2との間のギャップが小さくなる。ギャップと静電容量とは反比例の関係にあるので、可動電極部140Q1と固定電極部150Q1とで形成されるコンデンサーC1の静電容量値C1は小さくなり、可動電極部140Q2と固定電極部150Q2とで形成されるコンデンサーC2の静電容量値C2は大きくなる。
コンデンサーC1,C2の容量値の変化に伴って電荷の移動が生じる。C/V変換回路24は、例えばスイッチトキャパシターを用いたチャージアンプを有しており、チャージアンプは、サンプリング動作および積分(増幅)動作によって、電荷の移動によって生じる微小な電流信号を電圧信号に変換する。C/V変換回路24から出力される電圧信号(すなわち、物理量サンサによって検出された物理量信号)は、アナログ校正およびA/D変換回路ユニット26によって、キャリブレーション処理(例えば位相や信号振幅の調整等,さらにローパスフィルター処理が行われてもよい)を受けた後、アナログ信号からデジタル信号に変換される。
ここで、図10(A)〜図10(C)を用いて、C/V変換回路24の構成と動作について説明する。図10(A)は、スイッチトキャパシターを用いたチャージアンプの基本構成を示す図であり、図10(B)は、図10(A)に示されるチャージアンプの各部の電圧波形を示す図である。
図10(A)に示すように、基本的なC/V変換回路は、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2(可変容量C1(またはC2)と共に入力部のスイッチトキャパシターを構成する)と、オペアンプ(OPA)1と、帰還容量(積分容量)Ccと、帰還容量Ccをリセットするための第3スイッチSW3と、オペアンプ(OPA)1の出力電圧Vcをサンプリングするための第4スイッチSW4と、ホールディング容量Chと、を有する。
図10(B)に示すように、第1スイッチSW1および第3スイッチSW3は同相の第1クロックでオン/オフが制御され、第2スイッチSW2は、第1クロックとは逆相の第2クロックでオン/オフが制御される。第4スイッチSW4は、第2スイッチSW2がオンしている期間の最後において短くオンする。第1スイッチSW1がオンすると、可変容量C1(C2)の両端には、所定の電圧Vdが印加されて、可変容量C1(C2)に電荷が蓄積される。このとき、帰還容量Ccは、第3スイッチがオン状態であることから、リセット状態(両端がショートされた状態)である。次に、第1スイッチSW1および第3スイッチSW3がオフし、第2スイッチSW2がオンすると、可変容量C1(C2)の両端は共に接地電位となるため、可変容量C1(C2)に蓄積されていた電荷が、オペアンプ(OPA)1に向けて移動する。このとき、電荷量が保存されるため、Vd・C1(C2)=Vc・Ccが成立し、よって、オペアンプ(OPA)1の出力電圧Vcは、(C1/Cc)・Vdとなる。すなわち、チャージアンプのゲインは、可変容量C1(あるいはC2)の容量値と帰還容量Ccの容量値との比によって決定される。次に、第4スイッチ(サンプリングスイッチ)SW4がオンすると、オペアンプ(OPA)1の出力電圧Vcが、ホールディング容量Chによって保持される。保持された電圧がVoであり、このVoがチャージアンプの出力電圧となる。
図9に示されるとおり、実際のC/V変換回路24は、2つのコンデンサーC1,C2の各々からの差動信号を受ける。この場合には、C/V変換回路24として、例えば、図10(C)に示されるような、差動構成のチャージアンプを使用することができる。図10(C)に示されるチャージアンプでは、入力段において、可変容量C1からの信号を増幅するための第1のスイッチトキャパシタアンプ(SW1a,SW2a,OPA1a,Cca,SW3a)と、可変容量C2からの信号を増幅するための第2のスイッチトキャパシタアンプ(SW1b,SW2b,OPA1b,Ccb,SW3b)と、が設けられる。そして、オペアンプ(OPA)1aおよび1bの各出力信号(差動信号)は、出力段に設けられた差動アンプ(OPA2,抵抗R1〜R4)に入力される。この結果、増幅された出力信号Voが、オペアンプ(OPA)2から出力される。差動アンプを用いることによりベースノイズを除去できるという効果が得られる。
なお、以上説明したC/V変換回路の構成例は一例であり、この構成に限定されるものではない。また、図10(C)においては、説明の便宜上、2対の可動・固定電極ペアのみ図示しているが、この形態に限ったものではなく、必要とされる容量値に応じて電極ペアの数は増やすことができる。実際には、例えば、数十から数百の電極ペアが設けられる。また、上記の例では、コンデンサーC1,C2において、電極間のギャップが変化して各コンデンサーの容量が変化しているが、これに限定されるものではなく、一つの基準電極に対する2つの可動電極の各々の対向面積が変化し、2つのコンデンサーC1,C2の容量が変化する構成も採用することができる(この構成は、例えば、Z軸方向(基板に垂直な方向)に作用する加速度を検出する場合に有効である)。
また、図9の構成を採用する場合、可動電極部140Q1,140Q2の各々から、電気的に独立した信号を取り出す必要がある(つまり、2つの可動電極部140Q1,140Q2の各々の電位が独立している必要がある)。この構成は、例えば、図17(A)〜図17(C)にせ示される構造を採用することによって実現可能である。
図17(A)〜図17(C)は、可動電極部において、2つの壁状電極部の各々に、独立した電位を与えるための構造例を示す図である。図17(A)は、可動電極部140における壁状の電極構造(壁部の電極構造)を示している。図17(B)は、図17(A)に示される壁状の電極構造を、図17(A)の視点に直交する視点からみた場合の構造を示している。図17(B)に示すように、可動電極部140には、2つの壁状電極部DA,DBが構成されており、各々、電気的に独立している(つまり、相互に接続されていない)。したがって、例えば、図17(C)のように可動電極部140と固定電極部150を配置すれば、電気的に独立している2つのコンデンサーC1,C2を無理なく、かつ省スペースで構成することができる。なお、VAおよびVBは、2つのコンデンサーC1,C2の各々の電位を示している。
(調整層を含むデバイス構造の具体例)
本実施形態にかかるMEMSセンサー(加速度センサー)は、図6〜図8を用いて説明した基本構造に加えて、調整層を有している。
図11(A)および図11(B)は、加速度センサーモジュールにおいて使用される調整層の一例を示す図である。図11(A)および図11(B)では、中央部に可動錘部120が示されており(便宜上、可動錘部120においては、導電体を記載していない)、右側に固定電極150が示されており、左側に可動電極140が示されている。
図11(A)においては、絶縁層900が調整層CBLであり、この調整層900(CBL)は保護膜の役割を兼ねる。電極部(導電体)の高さはL10であり、調整層900(CBL)の高さはL20である。可動錘部120の全体の高さはL30である。
また、図11(B)においては、2層の絶縁層900a,900bと、孤立した導電体910と、によって調整層900(CBL)が構成される。すなわち、図11(B)では、調整層900(CBL)として、絶縁層に加えて、孤立した導電体(電極部の電気特性に影響を与えない導電体)を利用する。この場合、導電材料の比重は絶縁材料の比重よりも重いため、調整層の重量密度を効果的に高めることができる。よって、可動錘部の質量を増大させる効果が高まる。電極部(導電体)の高さはL10であり、調整層900(CBL)の高さはL20’である。可動錘部120の全体の高さはL30’である。
図12および図13は、加速度センサーモジュールにおいて使用される調整層の他の例を示す図である。先に説明したように、調整層900(CBL)は、コンデンサーの電極となる壁部を含む積層構造体の上側に設けることができ(図12の場合)、また、下側に設けることもでき、また、上側および下側の双方に設けることもできる(図13の場合)。図13において、CBLaが上側の調整層であり、CBLbが下側の調整層である。
図12の場合、電極部(導電体)の高さはL10であり、調整層900(CBL)の高さはL20であり、可動錘部120の高さはL30である。また、図13の場合、電極部(導電体)の高さはL11であり、上側の調整層CBLaの高さはL21aであり、下側の調整層CBLbの高さはL21bであり、可動錘部120の高さはL31である。
(第3の実施形態)
本実施形態では、MEMSセンサーの製造方法について、図14〜図16を参照して説明する。図14は、多層配線構造(調整層を含む多層の積層構造)が完成した状態(つまり、図6の集積回路部20が完成し、かつ、加速度センサー100におけるエッチング加工はされていない状態)を示している。
図15は、多層配線構造(多層の積層構造)に、第1空洞部126が形成された状態を示す図(デバイスの平面図、横方向断面図、縦方向断面図)である。
図15では、多層配線構造は、異方性エッチングによって選択的にエッチングされる。これによって、基板101の表面を露出する開口部である第1空洞部126が形成される。例えば、このエッチング工程は、例えば、開口径D(例えば1μm)に対するエッチング深さ(例えば4〜6μm)の比(H/D)が高アスペクト比となる絶縁膜異方性エッチングとなる。この異方性エッチングにより、多層配線構造(多層の積層構造体)を、固定枠部110、可動錘部120および弾性変形部130に分離することができる。この異方性エッチングの条件は、例えば、CMOSICにおける配線層間の層間絶縁膜をエッチングする条件と同じでよい。例えばCF4,CHF3等の混合ガスを用いてドライエッチングを行うことで加工は可能である。なお、図15において、弾性変形部130の最上層には、コンデンサーの電極に接続される引き出し配線LQが設けられている。
図16は、基板101に、第2空洞部112を形成した状態を示している。第2空洞部112は、可動錘部120の下方および弾性変形部130の下方に形成される。図16の工程では、多層配線構造(多層の積層構造)に形成された第1空洞部(開口部)126を介して、等方性エッチング用のエッチャントを導入し、シリコン基板101を等方性エッチングする。これによって、可動錘部120、弾性変形部130および可動電極部140の下方に第2空洞部112が形成される。
この等方性のシリコンエッチング方法として、エッチングチャンバー内に配置されたウエハーにエッチングガスXeF2を導入するものがある。このエッチングガスはプラズマ励起する必要がなく、ガスエッチングが可能である。例えば、特開2002−113700に一例が記載される通り、XeF2は圧力5kPaのエッチング処理が可能である。また、XeF2は蒸気圧が4Torr程度で、蒸気圧以下にてエッチング可能であり、エッチングレートとしても3〜4μm/minが期待できる。この他、ICPエッチングを用いることもできる。例えばSF6とO2との混合ガスを用い、チャンバー内圧力を1〜100Paとし、RFパワー100W程度を供給すると、2〜3μmのエッチングは数分で完了する。
(調整層を用いることによる効果の例)
ここで、一例として、可動錘部(四角形状)の寸法を800μm×500μmとし、電極間ギャップdを2μmとし、電極部(導電体)の高さh(図5(A),図5(B)におけるL2)を5μmとし、設計値として、共振周波数を3kHzおよびQ値を1を実現するために、本発明にかかる調整層を使用しないで、電極部の横幅(横方向の長さ)Laだけで調整しようとすると、Laの値は、800μm程度と非常に長くなってしまう。また、同時に、電気的バネ特性<<機械的バネ特性という関係を満たすことができず、したがって、加速度センサーとして現実に使用することがむずかしくなる。
一方、調整層900(CBL)の厚み(例えば、図11(A)におけるL20)を5μmとし、調整層900(CBL)を構成する絶縁膜をSiO2膜とした場合に、電極部の横幅(横方向の長さ)Laの値は、130μm程度ですみ、実現可能な長さ(一般的な設計で使用できる適切な範囲内)に収まる。また、同時に、電気的バネ特性<<機械的バネ特性を満たすことができ、電気的バネ特性の影響は無視することが可能である。
(MEMSセンサーの設計パラメーター等についての説明)
MEMSセンサーの感度Sは、電極コンデンサーの全容量をC0、弾性変形部130のばね定数をK、電極間ギャップをd0とすると、S=C0/d0・(M/K)[F/(m/sec2)]となる。つまり、可動錘部120の質量が大きければ感度は向上する。
次に、図19を参照する。図19において、可動電極部140と固定電極部150は対向して配置されており、その高さをh、横方向の長さをr、電極間ギャップをd0とする。可動電極部140が動くことによって、コンデンサーのギャップd0が変化するとき、電極間の気体が上下に動き、その際に、気体(空気)の粘性によって可動電極部140の移動に関してダンピング(可動電極部の振動を止めようとする働き)が生じる。ダンピングの大きさを示すダンピング係数(D)は、電極ペア数(固定電極と可動電極とによって構成される一対の電極ペアの数)をn、気体の粘性係数をμとすると、D=n・μ・r(h/d0)3[N・sec/m]となる。
つまり、ダンピング係数(D)は、電極部の高さ(h)の3乗に比例して増大する。気体のブラウン運動によって可動電極部に力が働き、それが加速度透過ブラウンノイズとなる。このブラウンノイズ(BNEA)は、BNEA=(√(4kBTD))/M[(m/sec2)/√Hz]となり、この式の分子は可動電極部の高さ(h)の三乗に比例するダンピング係数(D)の平方根に比例するので、質量Mが増大しても結果的にブラウンノイズが増大してしまう。
また、MEMSセンサーは、粘性減衰のある自由振動の運動方程式(例えば、下記(1)式参照)で表現される構造体であるため、構造体のQ値および共振周波数(固有振動数)は、好ましい値に設計される必要がある。粘性減衰のある自由振動を行う構造体の共振周波数(固有振動数)ωは、可動錘部の質量Mと、可動錘部を支持するバネ(弾性変形部)のバネ定数Kから一義的に決まり(例えば、下記(2)式参照)、また、共振の鋭さを表すQ値は、さらにダンピング定数Dを加えた計算式から決まる(例えば、下記(3)式参照)。なお、(3)式において、ξは臨界減衰係数である。
Figure 0005678442
(3)式から明らかなように、可動錘部の質量Mを大きくすればQ値が大きくなり、また、ダンピング係数Dが増大すれば、Q値が小さくなる。質量Mを大きくするために、積層構造体の高さ(つまり、可動電極部の高さ)を単調に増大させると、可動電極部の高さの3乗でダンピング係数Dが増大するため、Q値を所望の値に保つことが困難となる。
また、上述のとおり、弾性変形部(バネ部)におけるバネ定数の値を適正な範囲に収めることも必要である。実効的なバネ定数は、弾性変形部(バネ部)の機械的なバネ定数だけで定まるのではなく、固定電極部150と可動電極部140との間に作用する静電気力(クーロン力)に起因する電気的なバネ定数も考慮して総合的に決定される。すなわち、実効的なバネ定数は、(機械的バネ定数−電気的バネ定数)によって決定される。電気的なバネ定数は距離(変位量)に対して非線形な値を取る。
よって、電気的バネ定数が、機械的バネ定数に比べて十分に小さくなるように設計しないと、F=kX(Fは力、kはバネ定数、Xは変位量)で表わされる線形のバネ特性の式が成立しなくなる。
このように、可動錘部、電極部、弾性変形部の各々の特性を総合的に勘案しつつ、MEMSセンサーの設計を行う必要がある。本発明では、調整層を新しい設計パラメーターとして導入することによって、設計の自由度が増す。例えば、可動錘部の質量(M)と、可動電極部におけるダンピング係数(D)とを切り離して、独立に制御することも可能である。この場合、Q値を適正な値に保ちつつ、可動電極部のダンピング係数(D)も適正値に設定することが容易に行える。また、同時に、必要なバネ特性を得ることもできる。したがって、本発明のいずれかの実施形態によれば、例えば、小型で、かつ実用に耐える特性を備えたMEMSセンサーを実現することができる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で、種々の変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
例えば、本発明に係るMEMSセンサーは、必ずしも静電容量型加速度センサーに適用されるものに限らず、ピエゾ抵抗型の加速度センサーにも適用することが可能である。また、可動錘部の移動により静電容量の変化を検出する物理センサーであれば適用が可能である。たとえばジャイロセンサー、圧力センサー等に適用が可能である。また、物理量の検出軸は上述した一軸や二軸に限らず、三軸以上の多軸とすることができる。また、コンデンサーの電極間の対向面積の変化によって、物理量を検出する方法を採用することもできる。また、上記実施例に限らず、本願発明のMEMSセンサー、およびMEMSセンサーモジュールを、デジタルカメラ、カーナビゲーションシステム、携帯電話、モバイルPC、およびゲームコントローラー等の電子機器に適用すれば、優れた検出感度を有する電子機器を得ることができる。
10 加速度センサーモジュール、20 集積回路部、
22A,22B C/V変換回路、24 差動アンプ、
26 アナログ−デジタル変換回路、28 CPU、
30 インターフェース回路、100 加速度センサー(MEMSセンサー)、
101 シリコン基板、110 固定枠部、112 第2空洞部、 120 可動錘部、121A〜121D 導電体、122A〜122C 層間絶縁層、
123A〜123C プラグ、126 第1空洞部、130 弾性変形部(バネ部)、
140 可動電極部、150 固定電極部、
CBL(CBL1〜CBL3)および900(900a,900b) 調整層。

Claims (10)

  1. 支持部と、
    可動錘部と、
    前記支持部と前記可動錘部とを連結している連結部と、
    固定電極部と、
    前記可動錘部に設けられ、且つ、前記固定電極部に対向して配置されている可動電極部と、
    前記可動錘部、前記連結部、前記固定電極部、および前記可動電極部の少なくとも1つに設けられている調整層と、を備え、
    前記可動錘部は、複数の導電層と、前記複数の導電層の間に層間絶縁層とを有している積層構造体であって、
    前記層間絶縁層には、前記層間絶縁層よりも比重が大きいプラグが埋め込まれていることを特徴とする物理量センサー。
  2. 請求項1に記載の物理量センサーであって、
    前記調整層は、絶縁層であることを特徴とする物理量センサー。
  3. 請求項1または2に記載の物理量センサーであって、
    前記調整層は、前記可動錘部、前記連結部、前記固定電極部、および前記可動電極部の少なくとも1つの最上面または最下面に設けられていることを特徴とする物理量センサー。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の物理量センサーであって、
    前記調整層は、前記可動錘部に設けられている第1調整層と、前記可動電極部および前記固定電極部に設けられている第2調整層と、前記連結部に設けられている第3調整層と、を備えていることを特徴とする物理量センサー。
  5. 支持部と、
    可動錘部と、
    前記支持部と前記可動錘部とを連結している連結部と、
    固定電極部と、
    前記可動錘部に設けられ、且つ、前記固定電極部に対向して配置されている可動電極部と、
    前記可動錘部、前記連結部、前記固定電極部、および前記可動電極部の少なくとも1つに設けられている調整層と、を備え、
    前記調整層は、前記可動錘部に設けられている第1調整層と、前記可動電極部および前記固定電極部に設けられている第2調整層と、前記連結部に設けられている第3調整層と、を備えていることを特徴とする物理量センサー。
  6. 請求項5に記載の物理量センサーであって、
    前記調整層は、絶縁層であることを特徴とする物理量センサー。
  7. 請求項5または6に記載の物理量センサーであって、
    前記調整層は、前記可動錘部、前記連結部、前記固定電極部、および前記可動電極部の少なくとも1つの最上面または最下面に設けられていることを特徴とする物理量センサー。
  8. 請求項4ないし7のいずれか一項に記載の物理量センサーであって、
    前記第1調整層の層厚は、前記第2調整層および前記第3調整層の少なくとも一方の層厚と異なっていることを特徴とする物理量センサー。
  9. 請求項4ないし8のいずれか一項に記載の物理量センサーであって、
    前記第1調整層の層構造は、前記2調整層および前記第3調整層の少なくとも一方の層構造と異なっていることを特徴とする物理量センサー。
  10. 請求項1ないし9のいずれか一項に記載の物理量センサーを搭載した電子機器。
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