JP5661421B2 - 壁支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、住宅建物の外壁等を形成する壁の支持構造に関する。
従来、住宅建物の外壁を形成する外壁パネルの固定は、下端を当該外壁パネルの下方に設けられる梁上に載置すると共に、上端を外壁固定金物で当該外壁パネルの上方に位置する梁に接合する上下2面の固定方式によって行われていたが、かかる固定方法を、例えば当該上下一対の梁間に相当する高さを有していない腰壁などに採用する場合には、上端を固定する外壁固定金物が大型化して当該上端部と上側の梁間の空間を占めることとなり、適用し難い問題がある。
かかる問題を解決すべく、この種のバルコニー外側に設けられる腰壁の固定構造として、腰壁の下側に位置する梁の上部に複数のフラットバーを突出状に設けると共に、当該複数のフラットバーの上端部に横架材を架設し、当該梁、フラットバー及び横架材の間の空間に壁パネルを嵌め込んだ構成が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開平1−284645号公報
しかしながら、上記壁の固定構造においては、壁の高さが、例えば人のせい相当又は当該人のせいを超える程度に大型化された壁パネルを固定する場合には、地震時等に当該壁パネルに作用する水平荷重が過大なものとなり、かかる固定構造では当該水平荷重に対する耐力を充分に得ることができない虞がある。そこで、建物の躯体を構成する柱を当該壁の側方に立設し、横架材の端部を延在させて柱に固定することで解決を図ることが考えられる。しかし、そのような構造とすると、当該柱の中途部に当該壁からの過大な水平荷重が作用することとなり、これによって当該柱が座屈等してしまう虞がある。或いは、かかる現象を回避すべく、当該壁からの水平荷重が柱の中途部に作用することを踏まえたうえで建物の構造計算を行う必要があり、建物全体の構造計算が複雑化してしまうことが考えられる。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、躯体を形成する柱の側方に階間に相当する高さを有しない壁体を設置する建物にあって、容易な設計にて、地震時に生じる当該壁体からの水平荷重に起因した柱の損傷や破壊を可及的抑制することができる壁支持構造を提供することを目的とする。
本発明に係る壁支持構造は、上下に一対の梁接合部を有する柱と、該上下一対の梁接合部に接続される上下一対の梁と、該上下一対の梁間の間隔よりも上下方向の大きさが小さく形成され、上下一対の梁の間で柱に沿って設けられる壁体と、壁体と柱とを連結する壁柱連結機構と、を備え、該壁体は、上下一対の梁の一方又は両方との間に間隔を有した状態で設けられると共に、壁柱連結機構を介して柱の上下一対の梁接合部近傍のいずれか一方又は両方に連結支持されていることを特徴とする。
本発明に係る壁支持構造によれば、壁体は、柱の壁柱連結機構を介して柱の梁接合部近傍に接続されるため、地震時等に発生する当該壁体からの水平荷重は、少なくとも柱の中途部ではなく当該柱の梁接合部近傍に作用することとなる。梁接合部には梁が接合されているため、当該梁接合部及びその近傍は柱の中途部よりも極めて剛性が高い。従って、柱は壁体からの水平荷重が作用する場合でも変形を免れ、当該荷重をスムーズに梁等に伝達することができる。また、柱の中途部に壁体からの水平荷重を作用させてしまうことを回避できるので、当該水平荷重に伴う柱の中途部での座屈等を考慮する必要がなく、当該座屈を考慮することに伴う柱の過大な強度確保のための設計を回避できると共に、当該座屈を考慮するに伴う構造計算の煩雑化を抑制することもできる。以上によって、容易な設計にて、地震時に生じる壁体からの水平荷重に起因した柱の損傷や破壊を可及的抑制することができる。
また、本発明に係る壁支持構造において、壁体の下端部が下側の梁上に載置されると共に、上端部が壁柱連結機構を介して柱の上側の梁接合部の直下及び下側の梁接合部の直上に連結支持されていることが好ましい。これによれば、壁体の下端部を下側の梁で受けることとなるので、当該壁体全体を安定した状態で支持することができるものとなっている。
また、本発明に係る壁支持構造において、壁柱連結機構は、柱の上下一対の梁接合部の近傍にそれぞれ取り付けられる上下一対の柱側連結体と、柱と隙間を有した状態で上下一対の柱側連結体に連結される鞘部と、該鞘部と壁体とを連結する壁体側連結体と、を備えていることが好ましい。これによれば、壁体からの水平荷重は壁柱連結機構の壁体側連結体を介して鞘部に伝達され、当該鞘部から上下一対の柱側連結体に分かれて伝達され、当該柱側連結体から柱の梁接合部に伝達されることとなる。ここで、鞘部と柱との間には隙間が設けられているので、当該鞘部からの荷重が柱の中途部に伝達されることはなく、当該柱の中途部に壁体からの荷重が作用することをより確実に防止することができる。
また、本発明に係る壁支持構造において、壁体側連結体は、鞘部に固定される鞘側固定部と、壁体に固定される壁体側固定部と、鞘側固定部と壁体側固定部との間に設けられ、鞘側固定部と壁体側固定部との近接離間を許容する弾性変形部と、を備え、壁体と鞘部との間には、少なくとも壁体側連結体の弾性変形部の弾性変形を許容する間隔が設けられていることが好ましい。これによれば、壁体からの水平荷重の一部又は全部を弾性変形部による弾性変形で吸収することができ、当該壁体から柱に作用する水平荷重自体を減少又は無くすことができることとなる。
また、本発明に係る壁支持構造において、壁体側連結体の弾性変形部は、壁体の面外方向に向けての鞘側固定部と壁体側固定部の相対的な変位を拘束可能に形成されていることが好ましい。これによれば、当該壁体側連結体に連結される壁体は、当該壁体の面外方向への変位が拘束されることとなり、これによって、当該壁体に風荷重等が作用する場合でも、当該壁体のがたつきを防止できるものとなっている。
また、本発明に係る壁支持構造において、柱側連結体には、梁接合部に接合される梁との離間距離を規定する規定部が設けられていることが好ましい。これによれば、当該規定部によって規定される離間距離に基づいて柱側連結体を柱に取り付けることができ、施工性の向上が図られる。
また、本発明に係る壁支持構造において、壁体は、互いに隣接して敷設される複数の壁パネルと、該複数の壁パネルの上端部を保持する保持部を備え、該保持部が壁柱連結機構に連結されていることが好ましい。これによれば、壁体を複数の壁パネルを敷設して形成することができ、壁体を形成する作業の簡便化が図られる。
また、本発明に係る壁支持構造において、複数の壁パネルは、保持部に相対回転可能に保持されていることが好ましい。これによれば、地震時に各壁パネルを保持部に対してロッキングさせることができ、これによって、地震時に壁パネル自体に過大に水平荷重が作用することを防止することができ、当該水平荷重による壁パネルの損傷を防止することができる。
本発明によれば、躯体を形成する柱の側方に階間に相当する高さを有しない壁体を設置する建物にあって、容易な設計にて、地震時に生じる当該壁体からの水平荷重に起因した柱の損傷や破壊を可及的抑制することができる。
本発明の実施形態に係る壁支持構造が適用される建物の斜視図である。 図1の建物の1階部分を示す断面図である。 図2の建物の2階部分を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る壁支持構造の外観を示す斜視図である。 床パネルや壁パネルを取り除いた状態における壁支持構造を、建物の内側から見た図である。 図5に示すW1の拡大図である。 図5に示すW2の拡大図である。 図5に示すW3の拡大図である。 図6に示すIX−IX線に沿った断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
(建物の全体構成)
図1〜図3に示されるように、本発明の実施形態に係る壁支持構造が適用される建物1は、3階建ての住宅建物であって、梁3A,3Bと柱4とからなる構造躯体2(図3参照)と、これら梁3A,3Bや柱4等に支持されて各階の床を形成する各階床部5A,5B,5Cと、梁3A,3Bや柱4等に支持されて建物1の屋根を形成する屋根部6と、同じく梁3A,3Bや柱4等に支持されて建物1の外皮を形成する外壁8とを備えている。なお、本実施形態に係る建物1では、適宜箇所に小梁3Zが設けられている箇所がある。
構造躯体2は、基礎から立ち上がる複数本(本実施形態においては8本)の柱4と、隣り合う柱4間に架設される複数本の梁3A,3Bとを備えてなるいわゆるラーメン構造を構成している。
本実施形態に係る柱4は、建物1の1階下部から3階上部に亘って延設されており、各階を形成すべく所定高さに設定された梁接合部と、端部から梁接合部までを連絡する長尺状の部位、及び上下の各梁接合部間を連絡する長尺状の部位からなる一般部とを備えている。一般部は、公知の角形鋼管により形成されている。また、梁接合部は、梁3A,3Bのせい(梁3A,3Bの下端から上端までの高さ)と同程度の高さを有して四角筒状に形成されている。
梁3A,3Bは、上下一対のフランジの中央部分をウェブにて連結してなるH型鋼により形成された梁本体と、梁本体の両端部に接合されて柱4の梁接合部に面接触するエンドプレートとを備えている。梁3A,3Bは、エンドプレートが梁接合部に面接触して適宜にボルト結合される。
1階の床部5Aは、所定寸法に形成される軽量気泡コンクリート(ALC)製の複数枚の床パネル5a(図2参照)を基礎上に敷き並べて形成される。また、2階、及び3階の床部5B,5Cは、所定寸法に形成される軽量気泡コンクリート製の複数枚の床パネル5aと、これら複数枚の床パネル5aを構造力学的に一体化させる公知の剛床機構とを備えており、複数枚の床パネル5aは適宜に梁3A,3Bに支持されている。
なお、本実施形態では、2階が中間階に相当し、2階の床部5B(図3参照)は、2階の階高に一致した床面を有する一般床部5Bと、床面が一般床部5Bよりも低位となる下げ床部5Bとを備えている。
屋根部6(図1参照)は、所定寸法に形成される軽量気泡コンクリート製の複数枚の屋根パネル6aを備えている。また、屋根部6としては、水平に屋根パネル6aを敷設してなる陸屋根部6Aと、陸屋根部6Aと建物1の外壁8とを連結する傾斜屋根部6Bとの二種類の態様が設けられている。
屋根部6は、屋外を向いて風雨に晒される外面領域を有するため、その外面領域には室内への雨水等の進入を防止するための防水構造が設けられている。例えば、陸屋根部6Aには、軽量気泡コンクリート(ALC)からなる屋根パネル6aの上に発泡下地材(断熱材)、不燃板、そして防水シートが積層されて所定の防水構造が形成されている。また、傾斜屋根部6Bには、軽量気泡コンクリート(ALC)からなる屋根パネル6aの上に不燃板、防水シート、そして屋根仕上げ材(瓦材)などが積層されて所定の防水構造が形成されている。
外壁8は、一般に所定寸法に形成された軽量気泡コンクリート製の複数枚の外壁パネル9A,9Bによって形成され、各外壁パネル9A,9Bは、いわゆるロッキング工法(「ロッキング機構」ともいう)により上下両端部が梁3A,3Bに、または梁3A,3Bと基礎とに保持されている。また、外壁パネル9A,9Bの内側には断熱材が沿設されており、断熱材の内側には内装材を支持する内装下地が設けられている。
本実施形態に係る主要な断熱材は、フェノールフォーム等の気密性を有するプラスチック系断熱材を用いて平板状に形成された断熱ボードである。この種の断熱材は、設置する部位のサイズに応じて複数のブロックに分割され、そして各ブロックは外壁パネル9A,9Bの内側の所定位置に敷設され、継ぎ目が気密テープなどで覆われて設置されている。なお、断熱材としては、ロックウールやグラスウール等の繊維系断熱材も適宜に用いられている。
また、内装下地は、一対の縦桟の間に複数の横桟を組みつけて形成される木製のフレーム状に形成されており、支持固定部材を介して床パネル5aや梁3A,3Bに固定されるものとなっている。また、内装材は、平板状の石膏ボードなどにより形成されており、その石膏ボードが内装下地に留め付けられることで形成されている。
本実施形態に係る建物1の全体構成は以上である。次に、本実施形態に係る建物1の間取り等の一例について簡単に説明する。
本実施形態に係る建物1は、1階の前部(通りに面した部分)にガレージ(キャビティ)Gが形成されている。また、ガレージGよりも後方(奥方)となる領域は外壁8で覆われており、外壁8の内側となる屋内領域(室内の領域)には各居室等が設けられている。建物1の前方からガレージGを眺めた場合の右側の屋内領域は手前側に突き出ており、この突き出た領域には玄関R1が設けられている。
また、2階には、1階のガレージGの略上方となる前部にリビングR8が設けられており、リビングR8の奥方にキッチンR10が設けられている。リビングR8は下げ床部5Bとして構成されている。
また、キッチンR10に面してベランダVが配されており、ベランダVの先端部には、通常の手摺などよりも、せい(高さ)の高いハイウォール部10が設けられている。ハイウォール部10は外壁パネル9Aによって形成され、ハイウォール部10のせいは、2階の階高よりも数十センチ程度低くなっている。その結果、キッチンR10は、ハイウォール部10によって隣接する建物からの視線が遮断される一方、採光を確保できるものとなっている。
次に、本発明の実施形態に係る壁支持構造100について詳細に説明する。この壁支持構造100は、上述の建物1においては、ベランダVにおけるハイウォール部10に対して適用される。図4は、本発明の実施形態に係る壁支持構造100の外観を示す斜視図である。図5は、壁パネルや床パネルを取り除いた状態における壁支持構造100を、建物の内側から見た図である。ただし、図5では支持対象となる壁体の壁パネルの一部は示されている。図6は、図5に示すW1の拡大図である。図7は、図5に示すW2の拡大図である。図8は、図5に示すW3の拡大図である。図9は、図6に示すIX−IX線に沿った断面図である。図4及び図5に示すように、壁支持構造100は、上下に一対の梁接合部21を有する柱20A,20B,20C(図1〜図3に示す例における、柱4に対応する)と、梁接合部21に接続される上下一対の梁30A,30B(図1〜図3に示す例における、梁3Aに対応する)と、上下一対の梁30A,30Bの間で柱20A,20B,20Cに沿って設けられる壁体40(図1〜図3に示す例における、ハイウォール部10に対応する)と、壁体40と柱20A,20B,20Cとを連結する壁柱連結機構50と、を備えている。なお、図4は、三本の柱20A,20B,20Cよりも内側に設けられるベランダに対して、外壁側の二面に壁体40を設けた構造の一例を示しており、図3に示すものとは柱の配置などが異なっている。
壁体40は、互いに隣接して敷設される複数の壁パネル41(図1〜図3に示す例における、9Aに対応する)と、該複数の壁パネル41の上端部を保持する保持部42と、を備えている。この壁体40が、図3において説明したハイウォール部10に該当する。保持部42は、梁30A,30Bと平行をなすと共に柱同士の間で延びる鋼材である。保持部42は、両端側において柱20A,20B,20Cから離間しており、壁柱連結機構50を介して柱20A,20B,20Cの上下一対の梁接合部21近傍に連結支持されている。壁パネル41は、長方形状をなしており、隣接する壁パネル41と長辺部分が互いに隣接するように、保持部42に沿って敷設される。壁パネル41の上端は保持部42の上面付近まで延びており、下端は下側の梁30Bの上面に載置される。複数の壁パネル41は、保持部42を挟んで建物の外側に敷設されると共に、建物の内側にも敷設される。すなわち、外側の壁パネル41は、保持部42の外側面42aに接触するように保持され、内側の壁パネル41は、保持部42の内側面42bに接触するように保持される(図9参照)。このような構成により、壁体40と上側の梁30Aとの間には隙間SLが形成される。壁体40で隣接する建物からの視線を遮断すると共に、隙間SLから採光を確保する。なお、図4に示すように、壁体40を構成する壁パネル41以外の部分も梁や柱を覆うための壁パネルが設けられている。柱20A,20B,20Cにおける壁体40と梁30Aとの間の隙間SLに対応する部分には、角部を覆うためのコーナーパネルCP1が設けられる。柱20Bの建物の角部に該当する部分には、梁30Aと梁30Aとの間で延びる長いコーナーパネルCP2が設けられる。壁体40は、階高の少なくとも半分以上が好ましく、2/3程度が好ましい。あるいは、壁体40は、160〜190cmに設定することが好ましい。
保持部42は、断面コ字状をなして上方に開口する本体部43と、当該本体部43の上端における両側の縁部から幅方向へ広がる鍔部44と、を有している(図8及び9を参照)。鍔部44は、壁パネル41の上面を上方から覆うように設けられており、鍔部44と壁パネル41の上面との間でシーリングがなされる。更に、鍔部44及び本体部43を覆うように、すなわち壁体40の上端全体を覆うように笠木46が配置される(図4参照)。
壁パネル41は、保持部42に相対回転可能に保持されている。具体的には、壁パネル41の上端側の部分における幅方向の中央位置に、一本のボルト47が挿通される。ボルト47は、保持部42の外側面42aまたは内側面42bに対してナット48で固定される(図5及び図9参照)。このように上端部を一本のボルト47で固定することにより、壁パネル41は、地震時などにボルト47を軸として相対的に回転移動することができる。一方、壁パネル41の下端側は梁30Bによって支持されている。壁パネル41の下面は、梁30Bの上面に載置されている。梁30Bの上面には、上方へ突出すると共に梁30Bの長手方向に沿って延びる一対の支持片31が形成されている。一方の支持片31は、建物の外側に配置される壁パネル41の裏面と接触し、他方の支持片31は、建物の内側に配置される壁パネル41の裏面と接触する。壁パネル41の裏面には、支持片31を挟み込むように支持板32が取り付けられると共に、当該支持板32が壁パネル41に対してボルト33で締結される。これによって、梁30Bに固定された支持片31を、壁パネル41と支持板32とで挟み込む構造となるため、壁パネル41の下端部が梁30Bに支持される。
図5に示すように、壁柱連結機構50は、柱20A,20B,20Cの上側の梁接合部21の近傍に取り付けられる上部柱側連結体51と、下側の梁接合部21の近傍に取り付けられる下部柱側連結体52と、柱20A,20B,20Cと隙間を有した状態で上部柱側連結体51及び下部柱側連結体52に連結される鞘部53と、該鞘部53と壁体40とを連結する壁体側連結体54と、を備えている。なお、図5では、柱20Aに対する壁柱連結機構50は、上部柱側連結体51及び下部柱側連結体52から鞘部53を取り外した状態を示している(柱20Aに対する鞘部53、壁体側連結体54は仮想線で示されている)。なお、以下の説明では、主に図6〜図9を用いて柱20Bに対する壁柱連結機構50の構成を説明するが、柱20A,20Cに対する壁柱連結機構50も同様な構成を有しているため、説明を省略する。
図6及び図9に示すように、上部柱側連結体51は、梁接合部21近傍で柱20Bに固定されると共に、鞘部53を柱20Bと接触しないように離間させて支持するバンド状の鋼材である。上部柱側連結体51は、柱20Bの上側の梁接合部21の直下に固定されている。ここで、梁接合部21の直下とは、梁接合部21に対して下側に隣接する位置であり、上部柱側連結体51と梁接合部21とが接触している必要はなく、図6に示すように、上部柱側連結体51の取り付け作業の際に生じる僅かな隙間は許容される。上部柱側連結体51は、ベルト状の第一部材56及び第二部材57の二つの部材によって構成されており、両部材で柱20Bを挟み込みボルト及びナットで締め付けて挟持することによって、柱20Bに固定される。なお、以下の説明においては、柱20Bの四方の側面のうち、柱20Aと対向する側面を側面20aとし、柱20Cと対向する側面を側面20bとし、建物外側で側面20aと対向する側面を側面20cとし、建物外側で側面20bと対向する側面を側面20dとする。柱20Bにおいては、側面20a及び側面20bが、壁体40の端部と対向する側面となる。
第一部材56は、帯状の鋼板を柱20Bの外形に沿ってコ字状に屈曲させた挟持部56aと、ボルト及びナットで第二部材57と締結されるフランジ部56bと、を備えている。挟持部56aは、柱20Bの側面20b,20dの一部、及び側面20cと接触する。フランジ部56bは、柱20Bの側面20b,20dの面外方向へ挟持部56aの両端を垂直に屈曲させることによって形成されている。
第二部材57は、第一部材56における挟持部56a及びフランジ部56bと柱20Bを挟んで対称な構造とされた挟持部57a及びフランジ部57bを備えると共に、挟持部57aから下方へ向かって拡張された拡張部57cを備えている。また、当該拡張部57cには、鞘部53を締結するためのボルト部58A,58Bと、鞘部53と柱20Bとの間に隙間を設けるためのスペーサ部59A,59Bを備えている。
挟持部57aは、柱20Bの側面20b,20dの一部、及び側面20aと接触する。フランジ部57bは、柱20Bの側面20b,20dの面外方向へ挟持部57aの両端を垂直に屈曲させることによって形成されている。拡張部57cは、側面20aに接触すると共に側面20bと接触するように断面L字状に形成されて、挟持部57aの下端に連結されている。この拡張部57cは、側面20aの幅方向における中央位置付近と、側面20bの幅方向における中央位置付近を覆うように形成されている。
ボルト部58Aは、拡張部57cのうち側面20aに対応する部分から、垂直に突出している。ボルト部58Aは、側面20aの幅方向における中央位置に対応する位置に配置されている。一方、ボルト部58Bは、拡張部57cのうち側面20bに対応する部分から、垂直に突出している。ボルト部58Bは、側面20bの幅方向における中央位置に対応する位置に配置されている。このように、ボルト部58A,58Bが、柱20Bの側面20a,20bの幅方向における中央位置において鞘部53を支持することができるため、安定した支持が可能となる。スペーサ部59Aは、ボルト部58Aを取り囲むように配置された矩形状の鋼板であり、拡張部57cの外面と鞘部53の内面とで挟まれるように配置されることで、鞘部53と柱20Bとの間に隙間を形成する部材である。スペーサ部59Bは、ボルト部58Bを取り囲むように配置された矩形状の鋼板であり、拡張部57cの外面と鞘部53の内面とで挟まれるように配置されることで、鞘部53と柱20Bとの間に隙間を形成する部材である。
図7に示すように、下部柱側連結体52は、梁接合部21近傍で柱20Bに固定されると共に、鞘部53を柱20Bと接触しないように離間させて支持するバンド状の鋼材である。下部柱側連結体52は、柱20Bの下側の梁接合部21の(カプラ22を介して)直上に固定されている。ここで、梁接合部21の直上とは、梁接合部21に対して上側に隣接する位置である。ただし、上部柱側連結体51と梁接合部21とが接触している必要はなく、図6に示すように、カプラ22のような柱の基本構造上、必須となる部分が存在する場合は、当該必須部材を介して隣接していればよく、また、上部柱側連結体51の取り付け作業の際に生じるカプラ22との僅かな隙間も許容される。下部柱側連結体52は、ベルト状の第一部材61及び第二部材62の二つの部材によって構成されており、両部材で柱20Bを挟み込みボルト及びナットで締め付けて挟持することによって、柱20Bに固定される。
第一部材61は、帯状の鋼板を柱20Bの外形に沿ってコ字状に屈曲させた挟持部61aと、ボルト及びナットで第二部材62と締結されるフランジ部61bと、を備えている。挟持部61aは、柱20Bの側面20b,20dの一部、及び側面20cと接触する。フランジ部61bは、柱20Bの側面20b,20dの面外方向へ挟持部61aの両端を垂直に屈曲させることによって形成されている。
第二部材62は、第一部材61における挟持部61a及びフランジ部61bと柱20Bを挟んで対称な構造とされた挟持部62a及びフランジ部62bを備えると共に、挟持部62aから上方へ向かって拡張された拡張部62cを備えている。また、当該拡張部62cには、鞘部53を締結するためのボルト部63A,63Bと、鞘部53と柱20Bとの間に隙間を設けるためのスペーサ部64A,64Bと、下側の梁30Bとの離間距離を規定する規定部66と、を備えている。
挟持部62aは、柱20Bの側面20b,20dの一部、及び側面20aと接触する。フランジ部62bは、柱20Bの側面20b,20dの面外方向へ挟持部62aの両端を垂直に屈曲させることによって形成されている。拡張部62cは、側面20aに接触すると共に側面20bと接触するように断面L字状に形成されて、挟持部62aの上端に連結されている。この拡張部62cは、側面20aの幅方向における中央位置付近と、側面20bの幅方向における中央位置付近を覆うように形成されている。
ボルト部63Aは、拡張部62cのうち側面20aに対応する部分から、垂直に突出している。ボルト部63Aは、側面20aの幅方向における中央位置に対応する位置に配置されている。一方、ボルト部63Bは、拡張部62cのうち側面20bに対応する部分から、垂直に突出している。ボルト部63Bは、側面20bの幅方向における中央位置に対応する位置に配置されている。このように、ボルト部63A,63Bが、柱20Bの側面20a,20bの幅方向における中央位置において鞘部53を支持することができるため、安定した支持が可能となる。スペーサ部64Aは、ボルト部63Aを取り囲むように配置された矩形状の鋼板であり、拡張部62cの外面と鞘部53の内面とで挟まれるように配置されることで、鞘部53と柱20Bとの間に隙間を形成する部材である。スペーサ部64Bは、ボルト部63Bを取り囲むように配置された矩形状の鋼板であり、拡張部62cの外面と鞘部53の内面とで挟まれるように配置されることで、鞘部53と柱20Bとの間に隙間を形成する部材である。規定部66は、挟持部62aの外面から突出すると共に下方へ延びるL字状の板部材である。規定部66の下端面は、梁30Bの上面に載置される。この規定部66の長さは予め定められており、規定部66の下端面を梁30Bの上面に載置したときに、下部柱側連結体52が所望の位置に配置されるように設計されている。なお、規定部を上部柱側連結体51に設けてもよい。
図5〜図9に示すように、鞘部53は、柱20Bと直接接触することなく壁体側連結体54と上部柱側連結体51及び下部柱側連結体52とを連結する。鞘部53は、柱20Bの側面20a及び側面20bを覆うように上下方向に延びる断面略L字状の鋼材である。鞘部53は、柱20Bの側面20aと対向する第一主面部53aと、側面20bと対向する第二主面部53bと、側面20aと側面20dの間の角部に沿って第一主面部53aの縁部を屈曲させた第一屈曲部53cと、側面20bと側面20cの間の角部に沿って第二主面部53bの縁部を屈曲させた第二屈曲部53dと、を備えている。鞘部53は、上端部が上部柱側連結体51の拡張部57cを覆う位置まで延び、下端部が下部柱側連結体52の拡張部62cを覆う位置まで延びている。鞘部53は、屈曲部53c,53dを有していることにより、曲げ剛性の向上が図られており、長物であるにも関わらず中途部に作用する壁体40からの荷重に対し十分な強度を確保することができ、当該荷重を十分に柱20Bの上端部及び下端部へ伝達することができる。
第一主面部53aの上端部と下端部、及び、第二主面部53bの上端部と下端部には、上部柱側連結体51及び下部柱側連結体52の各ボルト部が挿通される長孔67が形成されている。第一主面部53aの上端部に形成される長孔67には、上部柱側連結体51の側面20a側のボルト部58Aが挿通される。第二主面部53bの上端部に形成される長孔67には、上部柱側連結体51の側面20b側のボルト部58Bが挿通される。第一主面部53aの下端部に形成される長孔67には、下部柱側連結体52の側面20a側のボルト部63Aが挿通される。第二主面部53bの下端部に形成される長孔67には、下部柱側連結体52の側面20b側のボルト部63Bが挿通される。各長孔67は、主面部の幅方向に沿って延びるように形成されている。これによって、鞘部53を柱20Bに取り付ける場合、図9においてD1に示すような斜め方向から取り付けることで、各ボルト部がスムーズに長孔67に挿通されるため、セットが行い易くなる。
鞘部53を柱20Bに取り付けると、鞘部53の内面が、上部柱側連結体51及び下部柱側連結体52におけるスペーサ部59A,59B,64A,64Bと接触し、当該スペーサ部59A,59B,64A,64B以外の部分では、上部柱側連結体51、下部柱側連結体52、及び柱20Bとは非接触となる。この状態で各ボルト部58A,58B,63A,63Bに対してナットを締めて鞘部53を締結することにより、柱20Bと鞘部53との間には十分な隙間が形成される。
図5及び図9に示すように、鞘部53のうち、壁体40の上端よりも上方の領域には、コーナーパネルCP1を連結するためのボルト68が取り付けられる。このボルト68は、鞘部53の内側から挿通されることで、各角部から先端が突出する状態とされる。この状態でコーナーパネルCP1の角部に対して斜め方向に形成された貫通孔にボルト68を挿通させて締結することにより、鞘部53に対してコーナーパネルCP1が固定される。
図5、図8及び図9に示すように、壁体側連結体54は、鞘部53に固定される鞘側固定部71と、壁体40に固定される壁体側固定部72と、鞘側固定部71と壁体側固定部72との間に設けられ、鞘側固定部71と壁体側固定部72との近接離間を許容する弾性変形部73と、を備えている。なお、図5及び図8においては、柱20Bと柱20Aとの間に配置される壁体40に対する壁体側連結体54の全体構造が示されており、柱20Bと柱20Aとの間に配置される壁体40に対する壁体側連結体54については、鞘側固定部71のみ示されており、壁体側固定部72と弾性変形部73は省略されている。
鞘側固定部71は、鞘部53の第一主面部53aと面接触して固定される固定部71aと、固定部71aの上端を垂直に屈曲させることで水平面をなす水平部71bと、水平部71bの下面と固定部71aの間に立設されて鞘側固定部71の剛性を確保するリブ71cと、を備えている。第二主面部53bに固定される鞘側固定部71も同様な構成を有している。鞘側固定部71は、壁体40の保持部42よりも数cm〜十数cm下方に取り付けられている。壁体側固定部72は、壁体40の保持部42の端部の下面と面接触して固定される板状部材である。弾性変形部73は、壁体側固定部72の端部より下方へ垂直に延びる垂直部73aと、垂直部73aの下端から水平に延びて鞘側固定部71の水平部71bの上面に載置されて固定される固定部73bと、を備えている。このような構成とすることで、鞘部53と壁体40との間には、少なくとも弾性変形部73の弾性変形を許容する間隔が設けられる。すなわち、地震などにより弾性変形部73が弾性変形しても、鞘部53に壁体40の保持部42が接触しない程度の隙間が形成される。
壁体側固定部72及び弾性変形部73は、平板をクランク状に屈曲形成して構成されている。これによって、弾性変形部73は、壁体40の面外方向に向けての鞘側固定部71と壁体側固定部72の相対的な変位を拘束可能に形成される。具体的には、弾性変形部73は、保持部42の延びる方向へは弾性変形を行うことができ、一方、保持部42及び壁パネル41の厚み方向(図8における紙面前後方向)に対しては高い曲げ強度を発揮し、容易に変形しない構成となっている。これによって、壁体側連結体54は、壁体40の面内変形(壁体40の幅方向、すなわち地震時における荷重伝達方向)には弾性変形を行うことができる一方で、面外方向(壁体40の法線方向、すなわち風荷重の作用方向)には高い曲げ強度を発揮し、容易に変形しない構成となっている。
次に、本実施形態に係る壁支持構造100の作用・効果について説明する。
本実施形態に係る壁支持構造100によれば、壁体40は、柱20A,20B,20Cの壁柱連結機構50を介して柱20A,20B,20Cの梁接合部21近傍に接続されるため、地震時等に発生する当該壁体40からの水平荷重(図5においてPD1で示される)は、少なくとも柱20A,20B,20Cの中途部ではなく当該柱20A,20B,20Cの梁接合部21近傍に作用する(図5においてPD2、PD3で示す経路で作用する)こととなる。梁接合部21には梁30A,30Bが接合されているため、当該梁接合部21及びその近傍は柱20A,20B,20Cの中途部よりも極めて剛性が高い。従って、柱20A,20B,20Cは壁体40からの水平荷重が作用する場合でも変形を免れ、当該荷重をスムーズに梁等に伝達することができる。
ここで、仮に壁体40からの水平荷重が柱20A,20B,20Cの中途部に作用する場合、当該荷重に耐えうるべく、柱20A,20B,20Cの強度を過大に設計する必要が生じる。また、梁と柱の組み合わせによって構成され、そのようなシンプルな基本構造に基づいて構造計算がなされる構造躯体においては、柱の中途部に荷重が作用する部分が存在している場合、それが一部分だけであっても、当該部分における座屈を考慮して構造計算を行わなくてはならず、計算が煩雑化する。しかしながら、本実施形態に係る壁支持構造によれば、柱20A,20B,20Cの中途部に壁体40からの水平荷重を作用させてしまうことを回避できるので、当該水平荷重に伴う柱20A,20B,20Cの中途部での座屈等を考慮する必要がなく、当該座屈を考慮することに伴う柱の過大な強度確保のための設計を回避できると共に、当該座屈を考慮するに伴う構造計算の煩雑化を抑制することもできる。以上によって、容易な設計にて、地震時に生じる当該壁体40からの水平荷重に起因した柱の損傷や破壊を可及的抑制することができる。
また、本実施形態に係る壁支持構造100において、壁体40の下端部が下側の梁30B上に載置されると共に、上端部が壁柱連結機構50を介して柱20A,20B,20Cの上側の梁接合部21の直下及び下側の梁接合部21の直上に連結支持されている。これによれば、壁体40の下端部を下側の梁30Bで受けることとなるので、当該壁体40全体を安定した状態で支持することができるものとなっている。
また、本実施形態に係る壁支持構造100において、壁柱連結機構50は、柱20A,20B,20Cの上下一対の梁接合部21の近傍にそれぞれ取り付けられる上下一対の柱側連結体51,52と、柱20A,20B,20Cと隙間を有した状態で上下一対の柱側連結体51,52に連結される鞘部53と、該鞘部53と壁体40とを連結する壁体側連結体54と、を備えている。これによれば、壁体40からの水平荷重(図5に示すPD1)は壁柱連結機構50の壁体側連結体54を介して鞘部53に伝達され、当該鞘部53から上下一対の柱側連結体51,52に分かれて伝達され、当該柱側連結体51,52から柱の梁接合部21に伝達されることとなる(図5に示すPD2、PD3)。ここで、鞘部53と柱20A,20B,20Cとの間には隙間が設けられているので、当該鞘部53からの荷重が柱20A,20B,20Cの中途部に伝達されることはなく、当該柱の中途部に壁体40からの荷重が作用することをより確実に防止することができる。
また、本実施形態に係る壁支持構造100において、壁体側連結体54は、鞘部53に固定される鞘側固定部71と、壁体40に固定される壁体側固定部72と、鞘側固定部71と壁体側固定部72との間に設けられ、鞘側固定部71と壁体側固定部72との近接離間を許容する弾性変形部73と、を備え、壁体40と鞘部53との間には、少なくとも壁体側連結体54の弾性変形部73の弾性変形を許容する間隔が設けられている。これによれば、壁体40からの水平荷重の一部又は全部を弾性変形部73による弾性変形で吸収することができ、当該壁体40から柱20A,20B,20Cに作用する水平荷重自体を減少又は無くすことができることとなる。
また、本実施形態に係る壁支持構造100において、壁体側連結体54の弾性変形部73は、壁体40の面外方向に向けての鞘側固定部71と壁体側固定部72の相対的な変位を拘束可能に形成されている。これによれば、当該壁体側連結体54に連結される壁体40は、当該壁体40の面外方向への変位が拘束されることとなり、これによって、当該壁体40に風荷重等が作用する場合でも、当該壁体40のがたつきを防止できるものとなっている。
また、本実施形態に係る壁支持構造100において、下部柱側連結体52には、梁接合部21に接合される梁30Bとの離間距離を規定する規定部66が設けられている。これによれば、当該規定部66によって規定される離間距離に基づいて下部柱側連結体52を柱20A,20B,20Cに取り付けることができ、施工性の向上が図られる。
また、本実施形態に係る壁支持構造100において、壁体40は、互いに隣接して敷設される複数の壁パネル41と、該複数の壁パネル41の上端部を保持する保持部42を備え、該保持部42が壁柱連結機構50に連結されている。これによれば、壁体40を複数の壁パネル41を敷設して形成することができ、壁体40を形成する作業の簡便化が図られる。
また、本実施形態に係る壁支持構造100において、複数の壁パネル41は、保持部42に相対回転可能に保持されている。これによれば、地震時に各壁パネル41を保持部42に対してロッキングさせることができ、これによって、地震時に壁パネル41自体に過大に水平荷重が作用することを防止することができ、当該水平荷重による壁パネル41の損傷を防止することができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、図4〜図9に示す例では、壁体(ハイウォール)が二面に形成される場合について説明したが、一面の部分に適用してもよく、三面の部分に適用してもよい。
また、壁体として、上側に隙間SLが形成されるハイウォールを例として挙げたが、壁体が、下側の梁との間に間隔を有した状態(壁体の下方に隙間を設ける構成)で設けられていてもよく、下側の梁と上側の梁との間にそれぞれ間隔を有した状態(壁体の上下に隙間を設ける構成)で設けられている構成に対しても本発明を適用することができる。更には、壁体の一部に開口部を設ける構成に対しても適用できる。また、壁柱連結機構によって、壁体は上下一対の梁接合部近傍の両方に連結支持されている例について説明したが、何れか一方のみに連結支持されていてもよい。例えば、柱側連結体が上下における一方のみに配置されている構成であってもよい。
1…建物、20A,20B,20C…柱、21…梁接合部、30A,30B…梁、40…壁体、41…壁パネル、42…保持部、50…壁柱連結機構、51…上部柱側連結体、52…下部柱側連結体、53…鞘部、54…壁体側連結体、66…規定部、71…鞘側固定部、72…壁体側固定部、73…弾性変形部、100…壁支持構造。

Claims (8)

  1. 上下に一対の梁接合部を有する柱と、
    該上下一対の梁接合部に接続される上下一対の梁と、
    該上下一対の梁間の間隔よりも上下方向の大きさが小さく形成され、前記上下一対の梁の間で前記柱に沿って設けられる壁体と、
    前記壁体と前記柱とを連結する壁柱連結機構と、を備え、
    該壁体は、前記上下一対の梁の一方又は両方との間に間隔を有した状態で設けられると共に、前記壁柱連結機構を介して前記柱の上下一対の梁接合部近傍のいずれか一方又は両方に連結支持されており、
    前記柱の上下一対の梁接合部近傍は、前記柱の上側の梁接合部の直下、及び下側の梁接合部の直上であることを特徴とする壁支持構造。
  2. 前記壁体の下端部が下側の梁上に載置されると共に、上端部が前記壁柱連結機構を介して前記柱の上側の梁接合部の直下及び下側の梁接合部の直上に連結支持されていることを特徴とする請求項1に記載の壁支持構造。
  3. 前記壁柱連結機構は、
    前記柱の前記上下一対の梁接合部の近傍にそれぞれ取り付けられる上下一対の柱側連結体と、
    前記柱と隙間を有した状態で前記上下一対の柱側連結体に連結される鞘部と、
    該鞘部と前記壁体とを連結する壁体側連結体と、を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の壁支持構造。
  4. 前記壁体側連結体は、
    前記鞘部に固定される鞘側固定部と、
    前記壁体に固定される壁体側固定部と、
    前記鞘側固定部と前記壁体側固定部との間に設けられ、前記鞘側固定部と前記壁体側固定部との近接離間を許容する弾性変形部と、を備え、
    前記壁体と前記鞘部との間には、少なくとも前記壁体側連結体の前記弾性変形部の弾性変形を許容する間隔が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の壁支持構造。
  5. 前記壁体側連結体の前記弾性変形部は、前記壁体の面外方向に向けての前記鞘側固定部と前記壁体側固定部の相対的な変位を拘束可能に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の壁支持構造。
  6. 前記柱側連結体には、前記梁接合部に接合される前記梁との離間距離を規定する規定部が設けられていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の壁支持構造。
  7. 前記壁体は、互いに隣接して敷設される複数の壁パネルと、該複数の壁パネルの上端部を保持する保持部を備え、該保持部が前記壁柱連結機構に連結されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の壁支持構造。
  8. 前記複数の壁パネルは、前記保持部に相対回転可能に保持されていることを特徴とする請求項7に記載の壁支持構造。
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