JP5934124B2 - ユニット式建物およびその構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、バルコニーを備えたユニット式建物およびその構築方法に関する。
従来から住宅等の建物として、予め工場で製造した複数の建物ユニットを建築現場で組み合わせることで構築される建物本体を備えたユニット式建物が利用されている。これら建物ユニットは、周知の通り、四隅に立設される柱と、これら柱の上端部同士および下端部同士をそれぞれ連結する天井梁および床梁と、を有する直方体状の箱形に形成された骨組みを備えている。この骨組みには、床面材や壁面材、その他の適宜必要な設備部材等が取り付けられることで建物ユニットとして形成される。このような建物ユニットを用いたユニット式建物においては、予め建物ユニットに床面材等が取り付けられていることから、建築現場における作業が格段と軽減されるため、短期間で施工を完了でき、建築現場における工期を大幅に短縮できるという利点がある。
このようなユニット式建物では、バルコニー(例えば、インナーバルコニー)を構築する場合、例えば特許文献1に記載されるようなインナーバルコニーを備えた建物ユニット(屋外床付建物ユニット)を、建物本体の当該インナーバルコニーを設ける位置に配設して、インナーバルコニーを形成している。
この屋外床付建物ユニットは、上述した建物ユニットとほぼ同様に構成されており、建物本体の内部(屋内側)に配置される部屋部と、該部屋部から建物本体の外部(屋外側)に配置されるバルコニーへと連続するインナーバルコニー部と、を備えて形成されている。
具体的に、特許文献1の屋外床付建物ユニットは、上述した建物ユニットと同様に構成された骨組みを有している。すなわち、四隅の柱の上端部・下端部を、それぞれ天井梁および床梁で連結した直方体状の箱形に形成されている。これら天井梁は、長さの異なる各一対の長辺天井梁および短辺天井梁を有しており、床梁は天井梁と同様に、長さの異なる各一対の長辺床梁および短辺床梁を有している。
これら短辺床梁の中間部分には、対向する短辺床梁同士を相互に連結する中間梁が架設されると共に、当該短辺床梁の中間部分と、これに対応する短辺天井梁と、を相互に連結する一対の間柱が立設されている。このため、屋外床付建物ユニットの床は、中間梁によって一対の短辺床梁の中間部分同士を結ぶように区画されている。そして、一方が発泡剤で多孔質化した軽量気泡コンクリートからなるALC板等で構成され、建物本体の外部に配置されるバルコニー床として、他方が当該バルコニー床に隣接すると共に、建物本体の内部に配置される室内床として形成されている。この室内床は、対向する長辺床梁および中間梁の間に架け渡された複数の床根太と、この床根太に支持される床面材と、を備えている。
また、対向する長辺天井梁の間には、上述した建物ユニットと同様に、天井を形成する天井面材を支持するための天井小梁が架け渡されている。このとき、屋外床付建物ユニットの上面には、上述の建物ユニットと同様に、対角線状に一対のブレースが架設されていてもよい。なお、ここでは、屋外床付建物ユニットにおいて、各短辺床梁の中間部分同士に中間梁を架設する場合について述べるが、一例であってこれに限らず、当該中間梁の架設位置は、インナーバルコニーの大きさや配置等によって、適宜、変更可能であることは言うまでもない。
このように、従来のユニット式建物では、建物本体に対してインナーバルコニーを設置する場合、当該バルコニーを配置する位置に上述の屋外床付建物ユニットを配設することで、当該インナーバルコニーを容易に構築することができる。しかも、かかるバルコニーユニットを用いることで、建物本体の下階に配設された下屋上に配置される下屋バルコニー(ルーフバルコニー)や、建物本体に対して片持ち式に支持するように設置されるキャンチバルコニー等を、当該屋外床付建物ユニットのバルコニー床に延在するように構築することができ、インナーバルコニーから連続する各種バルコニーを容易に構築することも可能である。
ところで、インナーバルコニーは、通常、その階下に部屋が配置されている。このため、インナーバルコニーの床部(バルコニー床)には、階下の部屋に対して雨漏れがないように、所定品質の防止処理が要求されている(例えば、特許文献2参照)。従って、屋外床付建物ユニットにおけるバルコニー床は、以下のように構築されることが望ましい。
すなわち、まず、屋外床付建物ユニットのバルコニー床側における長辺床梁と中間梁とに亙って、ALC板等からなる複数の床下地パネルを、床面の長手方向に沿って配設する。次に、当該床下地パネルの水下側(手摺側)に側溝部材を取り付ける。その後に、床下地パネルの上面および側溝部材の内面を覆うようにして防水シートを敷設する。このとき、隣り合う防水シートは溶着によって一体化させる。また、別途、縁部用の防水シートによって、側溝部材に取り付けた下地立上り部と手摺部との間の水切り処理を行うなど、各縁部の水切り処理をそれぞれ行う。
特開2000−204663号公報 特開平10−140647号公報
しかしながら、特許文献1に記載された屋外床付建物ユニットを用いてインナーバルコニーを構築する場合、当該屋外床付建物ユニットは建物ユニットをベースとして形成されるが、一つのユニット内に部屋部とインナーバルコニー部とを備えることから、中間梁によってバルコニー床と室内床とに区画したり、これら部屋部とインナーバルコニー部との間にサッシ等の建具を設けたり、防水処理を施したり等の手間が掛かる問題があった。
これに加えて、インナーバルコニー部を建築現場にて形成する場合には、当該現場での作業が増加して煩雑になることから、短期間での施工が困難となり、建築現場における工期を遅らせる虞もあった。従って、上述のような屋外床付建物ユニットでは、インナーバルコニーを構築するためのコストの増大が懸念されている。
また、かかる特許文献2の技術では、床面の大きさにあわせて複数の床下地パネルを配設すると共に、防水下地立上り材の取付け作業や、床下地パネル間の目地埋めおよびその乾燥作業、接着剤塗布、防水シートの貼り付け作業など、複数の作業が必要となる。特に防水シート間の溶着作業などは、資格者による作業となり熟練を要する。
さらに、特許文献1の屋外床付建物ユニットは工場のユニット組立ラインにて生産されるが、上述の特許文献2の技術を採用する場合、その目地埋めや、接着剤塗布およびそれらの乾燥作業などは、養生などに所要の時間が要求される上、ユニット組立ラインでの作業とならずに、ライン外の作業となる。このことは、インナーバルコニー構築における工数増加の一因となってしまう。
そこで、本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、バルコニーを備えたユニット式建物を構築する際、現場作業を大幅に簡略化し、施工期間を短縮化できると共に、ユニット製造が容易でコストダウンを図ることを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図6に示すように、複数の建物ユニットを組み合わせて構築された建物本体と、当該建物本体の外部に配設されるバルコニーと、を備え、前記建物本体が、その内部に配置される部屋部と、当該部屋部から前記バルコニーへと連続して当該バルコニーのインナー部分となるインナー部と、を有するインナー付き建物ユニットを含んで構築されるユニット式建物において、
前記インナー付き建物ユニットは、
四隅に立設される柱と、これら柱の上端部同士および下端部同士をそれぞれ連結する天井梁および床梁と、を有してなる略直方体状の骨組みと、
前記骨組みの対向する前記床梁間に配設される床パネルと、を備えており、
前記床パネル上に配設される前記インナー部が、
当該インナー部の四隅に配置され、前記床パネル上に立設される複数の柱と、
前記床パネル上に配設され、前記複数の柱の下端部間を連結する立ち上がり下地と、
前記立ち上がり下地と前記床パネルとの間に敷設される防水部材と、を有しており、
前記バルコニーは、複数本の梁により枠組みされるバルコニー床フレームと、前記バルコニー床フレームの上側に固定されるバルコニー床パネルと、を備えており、
前記バルコニー床パネルは、前記インナー部側から前記バルコニー側へ向けて下るように水勾配を有する勾配床面を備え、
前記勾配床面は、前記床パネルの床面よりも上方に位置し、
前記インナー部に位置する前記床パネル上には、前記バルコニー床パネルと接続され、当該インナー部の床面を形成する連結部材が配設されており、
前記連結部材は、前記インナー部の前記床パネル上に取り付けられる調整材と、前記バルコニー床パネルの前記勾配床面における前記インナー部側端部に取り付けられる調整材と、に跨がって敷設されており、
前記連結部材の上面は、2つの前記調整材の高さ調整により、前記勾配床面と略同じ勾配で、かつ、略面一にされ、
前記バルコニー床パネル前記勾配床面から前記連結部材の上面へと連続して防水層が敷設されていることを特徴とする。
請求項1に記載のユニット式建物によれば、建物本体を形成する複数の建物ユニットに含まれ、当該建物本体の外部のバルコニーへと連続する部位に配設されるインナー付き建物ユニットを、簡易な構成で容易に形成することができる。すなわち、このインナー付き建物ユニットは、四隅に立設される柱の上端部同士および下端部同士を、それぞれ天井梁および床梁で連結してなる略直方体状の骨組みを有し、この骨組みの対向する床梁間に床パネルを配設している。つまり、このインナー付き建物ユニットは、建物本体を形成する複数の建物ユニットと、骨組みおよび床パネルを備えてなる構成において共通しており、換言すれば、所謂通常の建物ユニットを流用することができる。そして、この床パネル上においてインナー部となる四隅に複数の柱を配置し、これら複数の柱の下端部間を立ち上がり下地によって連結し、これら立ち上がり下地と床パネルとに亙って防水部材を敷設するという簡易な構成で容易に形成することができる。
このように、インナー部の構成を簡易化できるので、建物本体を形成する複数の建物ユニットのうちのいずれかの床パネル上に形成することで、インナー付き建物ユニットを容易に形成することができる。そして、このインナー部に位置する床パネル上に、バルコニーの床面と接続され、当該インナー部の床面を形成する連結部材を配設し、これらバルコニーの床面からインナー部の床面へと連続して防水層を配設することでバルコニーとインナー付き建物ユニットとの連結構造を簡略化でき、インナー部分を備えたバルコニー(換言すれば、インナーバルコニー)を容易に形成することができる。
よって、従来のように、中間梁を用いてインナー部の床と室内床とを区画するなどのインナー部構築の手間を省くことができるので、インナーバルコニー構築における作業工数を大幅に低減することができる。このとき、インナー付き建物ユニットは、予め工場にて建物ユニットの製造ライン(ユニット組立ライン)で形成することもできるし、建築現場にて建物ユニットにインナー部を配設することで容易に形成することもできる。但し、予め工場のユニット組立ラインにて生産しておけば、その分、当該現場での作業工数を減らすことができて当該作業をさらに簡略化でき、より一段と短期間での施工が可能となるため、建築現場における工期を大幅に短縮することが可能となる。従って、このインナー付き建物ユニットを用いれば、インナーバルコニーを構築するためのコストダウンを図ることができる。
かくして、請求項1に記載のユニット式建物によれば、現場作業を大幅に簡略化し、施工期間を短縮化できると共に、ユニット製造が容易でコストダウンを図ることができる。
また、バルコニーの床面と接続され、インナー部の床面を形成する連結部材が、インナー部の床パネル上に取り付けられる調整材と、バルコニーの床面におけるインナー部側端部に取り付けられる調整材と、に跨がって敷設されている。そして、これら調整材の高さ調整に応じて、インナー部側からバルコニー側へ向けて下るように傾斜する勾配を設けている。これにより、建物本体の外部側に配置されるインナー部において、雨などの自然環境や、ガーデニングまたは清掃等に関わる水が溜るのを未然に回避でき、排水対策を講じることができる。
請求項2に記載の発明は、例えば図1および図6に示すように、請求項1に記載のユニット式建物において、
前記床パネルは、
前記骨組みの対向する前記床梁間に架設される複数の床根太の上面に敷設されており、
当該床パネル上に配設される前記連結部材によって形成される前記インナー部の床面と、前記バルコニーの床面と、が面一であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、インナー部が配設される床パネルは、骨組みの対向する床梁間に架設される複数の床根太の上面に敷設されており、当該床パネル上に配設される連結部材によって形成されるインナー部の床面と、バルコニーの床面とが面一であるので、インナー部からバルコニーへと床面を段差なく連続して形成することができる。
請求項3に記載の発明は、例えば図2〜4に示すように、請求項1または2に記載のユニット式建物において、
前記インナー部の四隅に配置される複数の柱には、前記骨組みの柱のうちの少なくとも一つが含まれていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、インナー部の四隅に立設される柱のうち、少なくとも一つの柱として骨組みの柱を流用することで、インナー部に使用する柱の数を削減、すなわち部品点数を削減してコストを抑えることができると共に、インナー付き建物ユニットの隅部を利用してインナー部を設けることができる分、剛性を確保することが容易になる。
請求項4に記載の発明は、例えば図1および図6に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載のユニット式建物において、
前記インナー部と前記部屋部との境界には建具が配設されており、
前記建具は、前記境界に位置する前記床パネル上に配置され、前記複数の柱に固定されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、インナー部と部屋部との境界に配設される建具が、当該境界に位置する床パネル上に配置され、インナー部の複数の柱に固定されるので、従来に比して、インナー付き建物ユニットを形成するための手間を省き、ユニット製造が格段と容易でコストダウンを図ることができる。
請求項5に記載の発明は、例えば図6に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載のユニット式建物において、前記連結部材の下面には、2つの前記調整材の間に亙って軟質耐火材が配設されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、複数の建物ユニットを組み合わせてなる建物本体の外部に、バルコニーを配設して構築するユニット式建物を、前記建物本体の内部に配置される部屋部と、当該部屋部から前記バルコニーへと連続して当該バルコニーのインナー部分となるインナー部と、を有するインナー付き建物ユニットを含んで構築するバルコニーを備えたユニット式建物の構築方法であって、
複数本の梁により枠組みするバルコニー床フレームと、前記バルコニー床フレームの上側に固定するバルコニー床パネルと、から前記バルコニーを形成し、
前記バルコニー床パネルの前記インナー部側の端部から張り出すように前記バルコニー床パネルの床面に防水層を敷設し、
四隅に立設する柱の上端部同士および下端部同士を、それぞれ天井梁および床梁で連結して略直方体状からなる前記インナー付き建物ユニットの骨組みを形成し、
前記骨組みの対向する前記床梁間に床パネルを配設し、
前記床パネル上の前記インナー部となる四隅の位置に複数の柱を立設し、
前記床パネル上に立ち上がり下地を配設して、前記複数の柱の下端部間を連結し、
前記立ち上がり下地と前記床パネルとに亙って防水部材を敷設して、前記バルコニーに隣接して配置する前記インナー付き建物ユニットに前記インナー部を形成し、
前記インナー部に位置する前記床パネル上に、前記バルコニー床パネルの床面と接続される連結部材を配設して当該インナー部の床面を形成し、
前記バルコニー床パネル端部から張り出した前記防水層を前記インナー部の床面へと連続して敷設することを特徴とする。
請求項6に記載のユニット式建物の構築方法によれば、建物本体を形成する複数の建物ユニットに含まれ、当該建物本体の外部のバルコニーへと連続する部位に配設されるインナー付き建物ユニットを、簡易な構成で容易に形成することができる。すなわち、このインナー付き建物ユニットは、四隅に立設される柱の上端部同士および下端部同士を、それぞれ天井梁および床梁で連結してなる略直方体状の骨組みを有し、この骨組みの対向する床梁間に床パネルを配設している。つまり、このインナー付き建物ユニットは、建物本体を形成する複数の建物ユニットと、骨組みおよび床パネルを備えてなる構成において共通しており、換言すれば、所謂通常の建物ユニットを流用することができる。そして、この床パネル上においてインナー部となる四隅に複数の柱を配置し、これら複数の柱の下端部間を立ち上がり下地によって連結し、これら立ち上がり下地と床パネルとに亙って防水部材を敷設するという簡易な構成で容易に形成することができる。
このように、インナー部の構成を簡易化できるので、建物本体を形成する複数の建物ユニットのうちのいずれかの床パネル上に形成することで、インナー付き建物ユニットを容易に形成することができる。そして、このインナー部に位置する床パネル上に、バルコニーの床面と接続され、当該インナー部の床面を形成する連結部材を配設し、これらバルコニーの床面からインナー部の床面へと連続して防水層を配設することでインナーバルコニーを形成することができる。
よって、従来のように、中間梁を用いてインナー部の床と室内床とを区画したりするインナー部構築の手間を省くことができるので、インナーバルコニー構築における作業工数を大幅に低減することができる。このとき、インナー付き建物ユニットは、予め工場にて建物ユニットの製造ライン(ユニット組立ライン)で形成することもできるし、建築現場にて建物ユニットにインナー部を配設することで容易に形成することもできる。但し、予め工場のユニット組立ラインにて生産しておけば、その分、当該現場での作業工数を減らすことができて当該作業をさらに簡略化でき、より一段と短期間での施工が可能となるため、建築現場における工期を大幅に短縮することが可能となる。従って、このインナー付き建物ユニットを用いれば、インナーバルコニーを構築するためのコストダウンを図ることができる。
かくして、請求項6に記載のユニット式建物の構築方法によれば、現場作業を大幅に簡略化し、施工期間を短縮化できると共に、ユニット製造が容易でコストダウンを図ることができる。
本発明によれば、バルコニーを備えたユニット式建物を構築する際、現場作業を大幅に簡略化し、施工期間を短縮化できると共に、ユニット製造が容易でコストダウンを図ることができる。
本発明の一実施形態におけるユニット式建物を側面側から見て示す断面図である。 図1のユニット式建物における要部を拡大して示す平面図である。 図1のユニット式建物におけるインナー付き建物ユニットが形成される過程を示し、(a)は床フレームが形成された様子を示す平面図、(b)は床パネル上にインナー部の柱が立設された様子を示す平面図、(c)は床パネル上に立ち上がり下地が配設され、インナー部が形成された様子を示す平面図である。 図1のユニット式建物におけるインナー付き建物ユニットが形成される過程を示し、(a)は床パネル上にインナー部の柱が立設された様子を示す分解斜視図、(b)は床パネル上に立ち上がり下地が配設される様子を示す分解斜視図、(c)は床パネル上に立ち上がり下地が配設され、インナー部が形成された様子を示す分解斜視図、(d)はインナー部の立ち上がり下地に外壁受けフレームが取り付けられた様子を示す分解斜視図である。 インナー付き建物ユニットに配設される立ち上がり下地を示し、(a)は立ち上がり下地を分解して示す分解斜視図、(b)はサブアッシ化された立ち上がり下地を示す斜視図である。 図2のバルコニーおよびインナー付き建物ユニットのA−A断面を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるユニット式建物1を側面側から見て示す断面図であり、図2は、図1のユニット式建物1における要部(すなわち、後述するルーフバルコニー5およびインナー付き建物ユニット20)を拡大して示す平面図である。
図1および図2に示すように、本実施形態のユニット式建物1は、上階(2階)部分を有する建物本体2と、この建物本体2上に配設される陸屋根構造の屋根3と、この屋根3の棟に直交する方向(妻方向)に張り出し、一階部分の一部を構成する下屋4と、この下屋4上に設けられた下屋バルコニー(ルーフバルコニー)5とを備えて構成されている。
このユニット式建物1を構成する建物本体2は、四隅に立設された柱11の上端部および下端部を、それぞれ天井梁12および床梁13によって結合された略直方体状の箱形からなる骨組みを有し、規定の寸法からなる複数の建物ユニット10が水平方向(前後左右)および垂直方向(上下)に並列して組み合わされることにより構築されている。すなわち、ユニット式建物1は、複数の建物ユニット10を組み合わせて構築された建物本体2と、当該建物本体2の外部に配設されるルーフバルコニー5と、を備えている。
そして、建物本体2の上階部分において、ルーフバルコニー5と隣接する部位には、その内部に配置される部屋部21と、当該部屋部21からルーフバルコニー5へと連続して当該ルーフバルコニー5のインナー部分となるインナー部22と、を有するインナー付き建物ユニット20が配設されている。すなわち、建物本体2は、部屋部21と、インナー部22と、を有するインナー付き建物ユニット20を含んで構築されている。
ここで、建物本体2のルーフバルコニー5と隣接する部位に配設されるインナー付き建物ユニット20について、図3〜図5を参照しながら説明する。
図3は、インナー付き建物ユニット20が形成される過程を示し、(a)は床フレーム26が形成された様子を示す平面図、(b)は床パネル27上にインナー部22の柱28a〜28cが立設された様子を示す平面図、(c)は床パネル27上に立ち上がり下地29が配設され、インナー部22が形成された様子を示す平面図である。図4は、インナー付き建物ユニット20が形成される過程を示し、(a)は床パネル27上にインナー部22の柱28a〜28cが立設された様子を示す分解斜視図、(b)は床パネル27上に立ち上がり下地29が配設される様子を示す分解斜視図、(c)は床パネル27上に立ち上がり下地29が配設され、インナー部22が形成された様子を示す分解斜視図、(d)はインナー部22の立ち上がり下地29に外壁受けフレーム30が取り付けられた様子を示す分解斜視図である。また、図5はインナー付き建物ユニット20に配設される立ち上がり下地29を示し、(a)は立ち上がり下地29を分解して示す分解斜視図、(b)はサブアッシ化された立ち上がり下地29を示す斜視図である。
具体的に、このインナー付き建物ユニット20は、図3および図4に示すように、四隅に立設される柱23a〜23dと、これら柱23a〜23dの上端部同士および下端部同士をそれぞれ連結する天井梁24u(図1参照)および床梁24a〜24dと、を有してなる略直方体状の骨組みを有している。そして、この骨組みの対向する床梁24b,24d間には、複数の床根太25…が架設されており(図3(a)参照)、これら床根太25…の上面に床パネル27が敷設されている(図3(b)参照)。すなわち、インナー付き建物ユニット20は、骨組みと、床パネル27とを有してなる構造が、他の複数の建物ユニット10(換言すれば、規定寸法からなる一般的な建物ユニット10)とほぼ同様に構成されている。
また、本実施形態のインナー付き建物ユニット20の場合、床パネル27上に建物本体2の内部に配置される部屋部21と、当該部屋部21からルーフバルコニー5へと連続して当該ルーフバルコニー5のインナー部分となるインナー部22とが配設されている。すなわち、床パネル27上においてインナー部22となる部位の四隅に複数の柱28a〜28c,23bが立設され(図3(b)および図4(a)参照)、これら複数の柱28a〜28c,23bの下端部間が床パネル27上に配設される立ち上がり下地29によって連結されている(図3(c)、図4(b)および図4(c)参照)。
このとき、インナー部22の四隅に配置される複数の柱28a〜28c,23bには、インナー付き建物ユニット20を構成する骨組みの柱23a〜23dのうちの少なくとも一つ(ここでは、柱23b)が含まれることが好ましい。このように、インナー部22の四隅に立設される柱28a〜28c,23bのうち、少なくとも一つの柱として骨組みの柱23bを流用することで、インナー部22に使用する柱の数を削減、すなわち部品点数を削減してコストを抑えることが可能になっている。これに加えて、インナー付き建物ユニット20の隅部(この場合、柱23b側の隅部)を利用してインナー部22を設けることで、剛性を確保することが容易になる利点を備えることが可能となっている。
ここで、立ち上がり下地29は、図5(a)に示すように、複数(ここでは、3つ)に分割された下地部29a〜29cと、これら下地部29a〜29cにそれぞれ覆設される塩ビ鋼板などからなる下地仕上げ部材29d〜29gと、下地部29a,29b部分に配設される防水部材としての防水シート29h,29hとを有している。そして、これらは図5(b)に示すように、それぞれサブアッシ化されており、床パネル27上への組付性を向上できるようになっている。
具体的に、下地部29aおよび29bは、平面視においてそれぞれ対称となる略クランク形状をなしており、インナー部22の両側部に位置する柱23b,28a間および柱28b,28c間にそれぞれ配設され、これらの下端部を連結している(図3(c)および図4(b),(c)参照)。また、下地部29cは略角柱形状をなしており、床パネル27側のインナーバルコニー5側に位置する端部の全辺に亙って、インナーバルコニー5側へ向けて突出する部位を有している。そして、この下地部29cは、下地部29a,29bの部屋部21側となる端部間(すなわち、柱28a,28cの下端部間)を連結するように配設され、これら柱28a,28cの下端部を連結している(図3(c)および図4(c)参照)。
このとき、これら下地部29a〜29cには、それぞれ対応する下地仕上げ部材29d〜29gが、上面側、インナー部22の内周側およびルーフバルコニー5側を被覆するように配設される。具体的には、下地部29a,29bに対して、それぞれ当該下地部29a,29bと同様に対称の形状をなす下地仕上げ部材29d,29e,29fが、下地部29cに対して、断面略くの字形状をなす下地仕上げ部材29gが、それぞれ覆設される。そして、各々下地仕上げ部材29d,29e,29fが覆設された下地部29a,29bには、さらに防水シート29h,29hが配設される。この防水シート29h,29hは、立ち上がり下地29における下地部29a,29bと、床パネル27との間に(換言すれば、下地部29a,29bの上面側から床パネル27上に亙って)敷設されるようになっている。
さらに、柱23b,28a間および柱28b,28c間における下地部29a,29bの上方側には気泡コンクリートからなるPALC(Precastable Autoclaved Lightweight Ceramics)等の外壁パネル6(図2参照)を取り付けるための外壁受け部である外壁受けフレーム30a,30bが架設されている(図4(d)参照)。また、柱28a,28c間における下地部29cの上方側にも同様に、外壁受けフレーム30cが架設されていると共に、当該外壁受けフレーム30cから天井梁24u(図1参照)に架けて間柱30d,30eが立設されている(図4(d)参照)。これにより、インナー部22に外壁パネル6が取付可能になっている(図2参照)。
また、インナー部22と部屋部21との境界に位置する柱28a,28c間に配設された間柱30d,30e間には、建物本体2内とルーフバルコニー5とを行き来するための窓サッシ等の建具31(図1または後述する図6参照)を有する出入口が設けられるようになっている。このように、インナー部22と部屋部21との境界に配設される建具31が、当該境界に位置する床パネル27上に配置され、インナー部22の複数の柱28a〜28c,23bに対して、外壁受けフレーム30c、天井梁24u(図1参照)および間柱30d,30eを介して固定されるので、従来に比して、インナー付き建物ユニット20を形成するための手間を省き、ユニット製造が格段と容易でコストダウンを図ることができるようになっている。なお、建具31は、予め工場等において外壁受けフレーム30c、天井梁24uおよび間柱30d,30eを介してインナー部22の複数の柱28a〜28c,23bに固定された状態で建設現場に搬送されるか、建設現場において設置されるインナー部22に対して、窓サッシをサッシ用フレームに固定してからクレーン等で吊り上げ設置されるようになっている。
このように、本実施形態の技術によれば、床パネル27上に複数の柱28a〜28c,23bと、これら柱28a〜28c,23bの下端部を連結する立ち上がり下地29と、を配設するという簡単な構成により、建物本体2の内部に配設される部屋部21と、建物本体2の外部に配設されるルーフバルコニー5へと連続するインナー部22とを区画(インナー部22を形成)して、インナー付き建物ユニット20を容易に形成することができるようになっている。
換言すれば、所謂、一般的な建物ユニット10の床パネル(床パネル27)上に複数の柱28a〜28c,23bと、立ち上がり下地29と、を配設することによってインナー部22を簡単に形成することができ、よって、部屋部21と、インナー部22とを有するインナー付き建物ユニット20を容易に構築することができるようになっている。
次に、かかるインナー付き建物ユニット20と、ルーフバルコニー5との連結構造について、図6を参照しながら説明する。なお、インナー付き建物ユニット20と、後述するバルコニーユニット50との接続構造は、ボルト・ナット等により、隣接する梁同士を固定する既存の接続構造であるため、ここでは詳細な説明を割愛する。
図6は、図2のルーフバルコニー5およびインナー付き建物ユニット20のA−A断面を示す断面図である。
ルーフバルコニー5は、下屋4を構成する下階(1階)側の建物ユニット10上に積み重ねられたバルコニーユニット50からなり、当該バルコニーユニット50および建物本体2の上階(2階)側のインナー付き建物ユニット20と連結されている。そして、ルーフバルコニー5へは、インナー付き建物ユニット20のインナー部22に設けられた建具31を介して建物本体2の2階部分から出入り可能に構成されている。
このバルコニーユニット50は、略矩形状に枠組みされた4本の梁からなるバルコニー床フレーム51と、その上側に固定された略矩形状の軽量気泡コンクリート製床パネル52(以下、これをALC床パネル52と称す)とを有して構成されている。このALC床パネル52は、水勾配を有する勾配床面となっており、ルーフバルコニー5の床面を構成する。また、ALC床パネル52の上面側には、その周縁部分に沿って手摺部53が設けられている。手摺部53は、板状の外壁パネル6、中空板状の内壁部53aと、外壁パネル6および内壁部53aの上端部分を覆う上端部53bと、を備えて構成されている。
ALC床パネル52の上面には、予め工場等において防水用シート等からなる防水層54が敷設された状態で建設現場に搬送されるようになっている。この防水層54の建物本体2側(すなわち、インナー付き建物ユニット20のインナー部22側)の端部は、ALC床パネル52から張り出した状態で敷設され、建設現場で当該張り出した部分が、インナー付き建物ユニット20のインナー部22の床パネル27上に配設される連結部材40の上面および下地仕上げ部材29gの下部を覆うことができるように設けられている。このようにして、建設現場での防水処理作業が容易化できるようになっている。
また、ALC床パネル52の手摺部53側の端部と、当該手摺部53との間(換言すれば、手摺部53およびALC床パネル52の勾配方向下端側の間)には排水溝55が設けられている。この排水溝55は、排水溝本体55aと、手摺部53側の垂直に立ち上がっている垂直取付部55bと、ALC床パネル52側の上面表面に形成された水平溝(不図示)に対応した図示省略する水平取付部と、を備えた一般的な構造で構成されている。排水溝本体55aは、ゴミなどを流さず、液体のみを流す構造を備えた一般的な排水溝である。垂直取付部55bは、手摺部53の内壁部53aの側面に沿っており、上端部分が内壁部53aの中間部分に挟まれるようになっている。
具体的に、バルコニーユニット50と、当該バルコニーユニット50に隣接配置されたインナー付き建物ユニット20との連結部分には、面材としての耐火性を有した硬質木片セメント板等からなる連結部材40が配設されている。この連結部材40は、一端側がインナー付き建物ユニット20におけるインナー部22の床パネル27上に配設された板材としての複数の合板からなる調整材41aに固定支持されており、他端側がバルコニーユニット50のALC床パネル52のインナー部22側端部に取り付けられる板材としての複数の合板からなる調整材41bに固定支持されている。すなわち、連結部材40は、これら調整材41aと調整材41bとに跨がって敷設されている。
このとき、連結部材40の上面は、これら調整材41a,41bによる高さ調整によって、ALC床パネル52の上面と略一致するように(つまり、床面同士が面一となるように)設定されている。また、連結部材40の裏面には、補強のための芯材(不図示)が短辺方向に沿って貼り付けられている。このように、インナー部22の床パネル27上に配設される連結部材40によって形成されるインナー部22の床面43と、ルーフバルコニー5の床面(ALC床パネル52)とを面一とすることにより、インナー部22からルーフバルコニー5へと、床面を段差なく連続して形成することができるようになっている。
また、連結部材40の下面側には、調整材41aおよび調整材41b間に亙って軟質耐火材であるグラスウール(glass wool)42が配設されている。グラスウール42は、連結部材40と、インナー部22の床パネル27との間に設けられ、連結部材40と共に、隣接する建物等の火災が、隙間部分を介して、当該建物に延焼するのを防止し得るようになっている。
さらに、このように互いに連続して設けられたALC床パネル52と連結部材40との上面には、連結部材40に対し、調整材41a,41bの高さを調整することに応じて、インナー部22側からルーフバルコニー5側へ向けて下るように傾斜する勾配(すなわち、雨水等を排水溝55へと排水するための水勾配)を設けることが可能となっている。これにより、建物本体2の外部側に配置されるインナー部22において、雨などの自然環境や、ガーデニングまたは清掃等に関わる水が溜るのを未然に回避でき、排水対策を講じることができるようになっている。
なお、防水層54上には、ルーフバルコニー5の床面(ALC床パネル52)からインナー部22の床面43へと連続する化粧材(不図示)が配設される。このように、ルーフバルコニー5の床面(ALC床パネル52)からインナー部22の床面43へと連続する化粧材を備えることで、これらルーフバルコニー5の床面(ALC床パネル52)とインナー部22の床面43とを繋ぎ目なく連続しているように見せることができ、外観の向上を図ることができる利点を備えることが可能となっている。
以上、説明したように、本実施形態のユニット式建物1およびその構築方法によれば、建物本体2を形成する複数の建物ユニット10に含まれ、当該建物本体2の外部のルーフバルコニー5へと連続する部位に配設されるインナー付き建物ユニット20を、簡易な構成で容易に形成することができる。すなわち、このインナー付き建物ユニット20は、四隅に立設される柱23a〜23dの上端部同士および下端部同士を、それぞれ天井梁24uおよび床梁24a〜24dで連結してなる略直方体状の骨組みを有し、この骨組みの対向する床梁24b,24d間に床パネル27を配設している。つまり、このインナー付き建物ユニット20は、建物本体2を形成する複数の建物ユニット10と、骨組みおよび床パネル27を備えてなる構成において共通しており、換言すれば、所謂通常の建物ユニット10を流用することができる。そして、この床パネル27上においてインナー部22となる四隅に複数の柱28a〜28c,23bを配置し、これら複数の柱28a〜28c,23bの下端部間を立ち上がり下地29によって連結し、これら立ち上がり下地29と床パネル27とに亙って防水部材29h,29hを敷設するという簡易な構成で容易に形成することができる。
このように、インナー部22の構成を簡易化できるので、建物本体2を形成する複数の建物ユニット10のうちのいずれかの床パネル上に形成することで、インナー付き建物ユニット20を容易に形成することができる。そして、このインナー部22に位置する床パネル27上に、ルーフバルコニー5の床面(ALC床パネル52)と接続され、当該インナー部22の床面43を形成する連結部材40を配設し、これらルーフバルコニー5の床面(ALC床パネル52)からインナー部22の床面43へと連続して防水層54を配設することでルーフバルコニー5とインナー付き建物ユニット20との連結構造を簡略化でき、インナー部分を備えたルーフバルコニー5(換言すれば、インナーバルコニー)を容易に形成することができる。
よって、従来のように、中間梁を用いてインナー部22の床と室内床(部屋部21の床)とを区画するなどのインナー部構築の手間を省くことができるので、インナーバルコニー構築における作業工数を大幅に低減することができる。このとき、インナー付き建物ユニット20は、予め工場にて建物ユニット10の製造ライン(ユニット組立ライン)で形成することもできるし、建築現場にて建物ユニット10にインナー部22を配設することで容易に形成することもできる。但し、予め工場のユニット組立ラインにて生産しておけば、その分、当該現場での作業工数を減らすことができて当該作業をさらに簡略化でき、より一段と短期間での施工が可能となるため、建築現場における工期を大幅に短縮することが可能となる。従って、このインナー付き建物ユニット20を用いれば、インナーバルコニーを構築するためのコストダウンを図ることができる。
かくして、本実施形態のユニット式建物1によれば、現場作業を大幅に簡略化し、施工期間を短縮化できると共に、ユニット製造が容易でコストダウンを図ることができる。
このとき、インナー部22が配設される床パネル27は、骨組みの対向する床梁24b,24d間に架設される複数の床根太25…の上面に敷設されており、当該床パネル27上に配設される連結部材40によって形成されるインナー部22の床面43と、ルーフバルコニー5の床面(ALC床パネル52)とが面一であるので、インナー部22からルーフバルコニー5へと床面を段差なく連続して形成することができる。
また、インナー部22の四隅に立設される柱28a〜28c,23bのうち、少なくとも一つの柱として骨組みの柱23bを流用することで、インナー部22に使用する柱の数を削減、すなわち部品点数を削減してコストを抑えることができると共に、インナー付き建物ユニット20の隅部を利用してインナー部22を設けることができる分、剛性を確保することが容易になる。
さらに、インナー部22と部屋部21との境界に配設される建具31が、当該境界に位置する床パネル27上に配置され、インナー部22の複数の柱28a〜28c,23bに対して、外壁受けフレーム30c、天井梁24uおよび間柱30d,30eを介して固定されるので、従来に比して、インナー付き建物ユニット20を形成するための手間を省き、ユニット製造が格段と容易でコストダウンを図ることができる。
しかも、ルーフバルコニー5の床面(ALC床パネル52)と接続され、インナー部22の床面43を形成する連結部材40が、インナー部22の床パネル27上に取り付けられる調整材41aと、ルーフバルコニー5の床面(ALC床パネル52)におけるインナー部22側端部に取り付けられる調整材41bと、に跨がって敷設されている。そして、これら調整材41a,41bの高さ調整に応じて、インナー部22側からルーフバルコニー5側へ向けて下るように傾斜する勾配を設けている。これにより、建物本体2の外部側に配置されるインナー部22において、雨などの自然環境や、ガーデニングまたは清掃等に関わる水が溜るのを未然に回避でき、排水対策を講じることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜、種々の改良および設計の変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、バルコニーとして建物本体2の下屋4上に設けられるルーフバルコニー5を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他、例えば下屋4のない建物本体2における上階部分の外部に柱等により支持されるように配設され、建物本体2に対して片持ち式に設けられるキャンチバルコニー等のバルコニーを広く適用することができる。
1…ユニット式建物
2…建物本体
4…下屋
5…ルーフバルコニー(下屋バルコニー)
5a…バルコニー床フレーム
6…外壁パネル
10…建物ユニット
20…インナー付き建物ユニット
21…部屋部
22…インナー部
23a〜23d…柱
24a〜24d…床梁
24u…天井梁
25…床根太
26…床フレーム
27…床パネル
28a〜28d…柱(インナー部の柱)
29…立ち上がり下地
29a〜29c…下地部
29d〜29g…下地仕上げ部材
29h,29h…防水シート(防水部材)
30a〜30c…外壁受けフレーム
30d,30e…間柱
31…建具
40…連結部材
41a,41b…調整材
43…床面
50…バルコニーユニット
51…バルコニー床フレーム
52…ALC床パネル(軽量気泡コンクリート製床パネル)
53…手摺部
54…防水層

Claims (6)

  1. 複数の建物ユニットを組み合わせて構築された建物本体と、当該建物本体の外部に配設されるバルコニーと、を備え、前記建物本体が、その内部に配置される部屋部と、当該部屋部から前記バルコニーへと連続して当該バルコニーのインナー部分となるインナー部と、を有するインナー付き建物ユニットを含んで構築されるユニット式建物において、
    前記インナー付き建物ユニットは、
    四隅に立設される柱と、これら柱の上端部同士および下端部同士をそれぞれ連結する天井梁および床梁と、を有してなる略直方体状の骨組みと、
    前記骨組みの対向する前記床梁間に配設される床パネルと、を備えており、
    前記床パネル上に配設される前記インナー部が、
    当該インナー部の四隅に配置され、前記床パネル上に立設される複数の柱と、
    前記床パネル上に配設され、前記複数の柱の下端部間を連結する立ち上がり下地と、
    前記立ち上がり下地と前記床パネルとに亙って敷設される防水部材と、を有しており、
    前記バルコニーは、複数本の梁により枠組みされるバルコニー床フレームと、前記バルコニー床フレームの上側に固定されるバルコニー床パネルと、を備えており、
    前記バルコニー床パネルは、前記インナー部側から前記バルコニー側へ向けて下るように水勾配を有する勾配床面を備え、
    前記勾配床面は、前記床パネルの床面よりも上方に位置し、
    前記インナー部に位置する前記床パネル上には、前記バルコニー床パネルと接続され、当該インナー部の床面を形成する連結部材が配設されており、
    前記連結部材は、前記インナー部の前記床パネル上に取り付けられる調整材と、前記バルコニー床パネルの前記勾配床面における前記インナー部側端部に取り付けられる調整材と、に跨がって敷設されており、
    前記連結部材の上面は、2つの前記調整材の高さ調整により、前記勾配床面と略同じ勾配で、かつ、略面一にされ、
    前記バルコニー床パネル前記勾配床面から前記連結部材の上面へと連続して防水層が敷設されていることを特徴とするユニット式建物。
  2. 請求項1に記載のユニット式建物において、
    前記床パネルは、
    前記骨組みの対向する前記床梁間に架設される複数の床根太の上面に敷設されており、
    当該床パネル上に配設される前記連結部材によって形成される前記インナー部の床面と、前記バルコニーの床面と、が面一であることを特徴とするユニット式建物。
  3. 請求項1または2に記載のユニット式建物において、
    前記インナー部の四隅に配置される複数の柱には、前記骨組みの柱のうちの少なくとも一つが含まれていることを特徴とするユニット式建物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のユニット式建物において、
    前記インナー部と前記部屋部との境界には建具が配設されており、
    前記建具は、前記境界に位置する前記床パネル上に配置され、前記複数の柱に固定されることを特徴とするユニット式建物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のユニット式建物において、
    前記連結部材の下面には、2つの前記調整材の間に亙って軟質耐火材が配設されることを特徴とするユニット式建物。
  6. 複数の建物ユニットを組み合わせてなる建物本体の外部に、バルコニーを配設して構築するユニット式建物を、前記建物本体の内部に配置される部屋部と、当該部屋部から前記バルコニーへと連続して当該バルコニーのインナー部分となるインナー部と、を有するインナー付き建物ユニットを含んで構築するバルコニーを備えたユニット式建物の構築方法であって、
    複数本の梁により枠組みするバルコニー床フレームと、前記バルコニー床フレームの上側に固定するバルコニー床パネルと、から前記バルコニーを形成し、
    前記バルコニー床パネルの前記インナー部側の端部から張り出すように前記バルコニー床パネルの床面に防水層を敷設し、
    四隅に立設する柱の上端部同士および下端部同士を、それぞれ天井梁および床梁で連結して略直方体状からなる前記インナー付き建物ユニットの骨組みを形成し、
    前記骨組みの対向する前記床梁間に床パネルを配設し、
    前記床パネル上の前記インナー部となる四隅の位置に複数の柱を立設し、
    前記床パネル上に立ち上がり下地を配設して、前記複数の柱の下端部間を連結し、
    前記立ち上がり下地と前記床パネルとに亙って防水部材を敷設して、前記バルコニーに隣接して配置する前記インナー付き建物ユニットに前記インナー部を形成し、
    前記インナー部に位置する前記床パネル上に、前記バルコニー床パネルの床面と接続される連結部材を配設して当該インナー部の床面を形成し、
    前記バルコニー床パネル端部から張り出した前記防水層を前記インナー部の床面へと連続して敷設することを特徴とするバルコニーを備えたユニット式建物の構築方法。
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