JP4729055B2 - ユニット建物の連結構造及びユニット建物 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の建物ユニットを隣接させて構成するユニット建物の連結構造、及びそれを備えたユニット建物に関するものである。
従来、工場で製作された複数の建物ユニットを縦、横に積み重ねて構築するユニット建物が知られている。一般に、これらの建物ユニット間には、誤差吸収を目的とするものを除いて実質的な隙間を設けることなく近接させて連結をおこなっている。
これに対して、特許文献1,2などには、建物ユニット間に隙間を設けて連結させることによって、建物ユニットの倍数の制限を越えて建築面積を広げることができるユニット建物が開示されている。
特開2007−247343号公報 特許第3796494号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたユニット建物では、建物ユニット間の隙間に渡し梁が隙間無く配置されることでユニット建物の水平剛性が確保されるようになっているため、隙間全域に渡し梁を配置する材料費が嵩むおそれがある。
また、特許文献2に開示されたユニット建物は、柱間が連結部材で連結されるだけでは構造的に不安定であり、梁材間に構造用合板を架け渡すことによって水平面剛性が確保される。このため、この構造用合板には切欠きや穴を設けることができず、梁材間に配管や振動減衰装置の配置などをおこなうことができない。
さらに、梁材間の剛性を渡し梁などで長手方向の全長に亘って高め過ぎてしまうと、梁材が撓みにくくなり、変形によってエネルギーを吸収するという骨組構造体本来の特性が充分発揮できなくなるおそれがある。
そこで、本発明は、骨組構造体本来の特性を維持したうえで簡素な構成で必要な強度が確保できるユニット建物の連結構造、及びそれを備えたユニット建物を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明のユニット建物の連結構造は、梁材と柱材とによって骨組みが形成される建物ユニットを複数、隣接させて構成されるユニット建物の連結構造であって、少なくとも一対の並設された建物ユニット間には間取り調整用の隙間が形成されて、その隙間の対向する梁材間は、前記柱材との接合部の近傍となる両端で連結部材によって連結されるとともに、前記連結部材の配置箇所では前記建物ユニット間の剪断方向及び前記隙間の幅方向の変形が拘束され、前記梁材の長手方向の前記連結部材間は前記剪断方向及び前記隙間の幅方向の変形が許容されることを特徴とする。
ここで、前記連結部材は、前記梁材の長手方向に間隔を置いて配置される複数の支持材と、それらの支持材間に架け渡される連結面材とを備えた構成とする。また、前記支持材は長さ調整手段によって調整された長さで前記梁材の側面側に固定されるのが好ましい。
さらに、前記柱材と前記梁材とはそれぞれの側面に当接させる当接面を備えた接合枠材を介して接合されており、前記支持材は前記接合枠材を介して前記梁材に固定されるように構成することができる。
また、本発明のユニット建物は、上記ユニット建物の連結構造を備えるとともに、前記隙間は20−30cmの幅であって、前記隙間の上方には、前記建物ユニットの床梁となる梁材間に跨って床パネルが設置されることを特徴とする。
さらに、前記連結部材で連結される隙間が形成された前記建物ユニットの梁材間に管材を配設することができる。また、前記連結部材で連結される隙間が形成された前記建物ユニットの梁材間に補強梁又は振動減衰装置を配置することもできる。
このように構成された本発明のユニット建物の連結構造は、建物ユニット間の隙間の対向する梁材間が、長手方向の両端で連結部材によって連結され、それらの連結部材の配置箇所で建物ユニット間の剪断方向及び隙間の幅方向の変形が拘束される。他方、連結部材間は前記剪断方向及び前記隙間の幅方向の変形が許容されている。
このように梁材間の長手方向の両端において、建物ユニット間の剪断方向及び隙間の幅方向の変形が拘束される構成であれば、それ以外の部分に構造部材を配置する必要がなく簡素な構成にすることができる。
また、連結部材の配置箇所以外では梁材を撓ませることができるので、大地震が起きたときなどに骨組構造体を変形させることで、地震のエネルギーを吸収させてユニット建物の倒壊を防ぐことができる。
例えば、前記梁材の長手方向に間隔を置いて配置される複数の支持材と、それらの支持材間に架け渡される連結面材とによって連結部材を構成すれば、支持材によって相対的な建物ユニット間の剪断方向の変形が拘束されるうえに、支持材間に架け渡される連結面材によって隙間の幅方向の変形を拘束することができる。
このように、複数の支持材間が連結面材で連結されていれば、梁材間の水平方向の連結が面でおこなわれ、水平力が作用してもユニット建物にねじれが発生し難い。
また、長さ調整手段を備えた支持材であれば、建物ユニット間の隙間の幅に多少の誤差が生じたとしても、長さ調整手段によって調整することで、容易に支持材を梁材に固定することができる。
また、連結部材を強度の大きな柱材と梁材の接合部の近傍に設けることで、連結部材を介して伝達される水平力によって梁材などが変形することを防ぐことができる。
特に、柱材と梁材とを接合枠材を介して接合することで接合部が補強されるうえに、その接合枠材を介して連結部材を固定するようにすれば、より強固な連結構造とすることができる。
また、隙間が20−30cmの幅であれば、床パネルを補強して剛性を上げなくても床梁間に跨って床パネルを設置することができる。
さらに、隙間に管材や補強梁や振動減衰装置を配置するようにすれば、梁材間の隙間を有効に活用できるうえに、梁材の上下の空間が管材等で占有されず、天井を高くしたり、床を低くしたりして室内空間を広く確保することが可能になる。
そして、隙間によってユニット建物の大きさを調整できるので、建物ユニットの倍数という制限を離れて自由にユニット建物の形状や間取りを設計することができる。
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態のユニット建物の連結構造の構成を示した部分拡大平面図、図2は図1のA−A矢視方向の断面図、図3,4はこの連結構造を備えたユニット建物10A,10Bの概略構成を示した平面図である。
まず、図3を参照しながらユニット建物10Aの構成から説明すると、このようなユニット建物10Aは、工場で製作される複数の建物ユニット1A−1Fを現場で接合することによって構築される。なお、ここではユニット建物10Aの2階の平面図については説明しないが、図2に示すように1階の建物ユニット1A−1Fの上には同様の構成の建物ユニット1,・・・が載置される。
また、このような建物ユニット1,1A−1Eは、四隅に配置される柱材としての柱11,・・・と、その柱11,・・・の下端間に架け渡される梁材としての床梁12,・・・と、柱11,・・・の上端間に架け渡される梁材としての天井梁13,13A,・・・とによってボックス形のラーメン構造体(骨組構造体)に形成される。
ここで、柱11は角形鋼管、床梁12及び天井梁13は断面視コ字形の溝形鋼材によって形成されており、柱11と床梁12及び天井梁13(13A)は接合枠材14を介して接合される。
この接合枠材14は、図1,2に示すように、柱11の側面に当接させる柱当接面14aと、床梁12又は天井梁13の側面に当接させる梁当接面14bとが略直交するように形成されている。そして、接合枠材14の柱当接面14aを柱11の側面に当接させて溶接接合し、柱11から延出された梁当接面14bに床梁12又は天井梁13の側面を当接させて溶接接合する。
また、図3に示したユニット建物10Aは、長辺側の梁材間にのみ隙間が形成された建物で、建物ユニット1A,1B、1B,1C、1D,1E、1E,1F間に、20−30cm程度の隙間101,・・・がそれぞれ形成されている。
さらに、図4に示したユニット建物10Bは、長辺側と短辺側との両方の梁材間に隙間が形成された建物で、建物ユニット1A,1B、1B,1C、1D,1E、1E,1F間に、20−30cm程度の隙間101,・・・がそれぞれ形成されるとともに、建物ユニット1A,1D、1B,1E、1C,1F間に、20−30cm程度の隙間102,・・・がそれぞれ形成されている。
このようにして形成された隙間101(102)には、図1に示すように連結部材2が配置される。この連結部材2は、柱11と天井梁13の接合部の近傍の対向する天井梁13,13間に配置される。
また、この連結部材2は、接合部の近傍にそれぞれ配置されるので、一対の並設された建物ユニット間においては、天井梁13の長手方向の両端付近の2箇所に連結部材2,2が配置される。そして、連結部材2,2間には、天井梁13の長手方向に沿って空間が形成される。
一方、この連結部材2の配置位置をさらに詳細に説明すると、柱11と天井梁13とを接合する接合枠材14が設けられている位置に配置される。
この連結部材2は、天井梁13の長手方向に間隔を置いて配置される複数の支持材21A,21Bと、それらの支持材21A,21B間に架け渡される連結面材24とを備えている。
この支持材21A,21Bは、柱11と天井梁13とを接合する接合枠材14の側面に取り付けられるもので、一方の支持材21Aは柱11に近接して取り付けられ、他方の支持材21Bは接合枠材14の端縁付近に取り付けられる。
これらの支持材21A,21Bには、例えば六角柱状の本体部211の両端に雌ネジ穴212,212が設けられており、その雌ネジ穴212に図1に示すように天井梁13の内側からボルト22を螺入して、接合枠材14を介して支持材21A,21Bを天井梁13にそれぞれ固定する。すなわち、このボルト22の螺入する長さによって支持材21A,21Bの長さが調整される。ここで、図1に示した一方の支持材21Aは、本体部211の両端がそれぞれ接合枠材14,14の側面に当接しているので、ボルト22,22だけで固定されるが、他方の支持材21Bは、本体部211と接合枠材14との間にボルト22が露出しているので、その部分にナット23を嵌めて接合枠材14への固定をおこなう。
また、連結面材24は、図1に示すように平面視略台形に成形されるとともに、台形の上下辺となる両縁部が、図2に示すようフック状に折り曲げられて支持材21A,21Bに引掛けられるようになっている。このため、地震などでユニット建物10Aが変形して支持材21A,21Bの間隔が広がる方向の力が作用しても、この連結面材24の拘束によって支持材21A,21Bの間隔の広がりは抑えられる。
また、図1に示すように、平面視略台形の連結面材24は、隙間101に配置し易く、また、先細りの形状によって支持材21Bの近傍で接合枠材14,14との間に間隙が生じるので、容易にナット23,23の締付けをおこなうことができる。
さらに、図5−7を参照しながら、連結部材2周辺の構成の詳細について説明する。
図5は1階と2階の境界付近の外壁パネル31を含めた縦断面図であり、図6は建物ユニット1A,1B間の隙間101周辺の外壁パネル31を含めた平面図である。
図5に示したように、1階と2階の柱11,11の正面には外壁パネル31,31がそれぞれ取り付けられており、その内側にはグラスウールなどの断熱材331が配設され、室内側には内壁板33が取り付けられている。また、2階の床梁12の上面には床パネル32が設置されるとともに、1階の天井梁13の下面には天井板34が貼り付けられている。
さらに、2階の外壁パネル31と1階の外壁パネル31との間隙に配設される水切りカバー35の背面側には、防水シート351が敷設されており、その上端を取り付ける受け金具352は、連結部材2に向けて延設されるアーム部354を介して連結面材24の上面にネジ353で固定される。
また、図6に示したように、建物ユニット1A,1Bには、それぞれ外壁パネル31A,31Aが取り付けられており、建物ユニット1A,1B間の隙間101には、外壁パネル31A,31A間を埋めるように隙間用の外壁パネル31が取り付けられる。
そして、図7は、建物ユニット1,1間の隙間101を図5のB−B矢視方向で見た断面図で、図7(a)は2階の上部に位置する屋根部、図7(b)は2階の床部と1階の天井部、図7(c)は1階の床部の構成を示した図である。
まず図7(a)から説明すると、2階の天井梁13,13の上方は、折板屋根36で覆われた屋根部となっており、天井梁13,13間の隙間101には、連結部材2が取り付けられている。
また、図7(b)に示すように、1階の天井梁13,13の上面には、それぞれ2階の床梁12,12が載置されており、それぞれの建物ユニット1内で床梁12に差し渡される床小梁322の上には、根太323を介して床板32Aが載置される。
さらに、建物ユニット1,1間の隙間101の上方には、床梁12,12間に跨って床パネル32が設置されている。この床パネル32は、床梁12,12間に架け渡される渡り根太321と、その上に張設されるパーチクルボードなどの板材によって構成される。ここで、隙間101が20−30cm程度であれば、特別に補強しなくても、渡り根太321(30cm四方程度の角材)とパーチクルボード(厚さ15−20mm程度)で床パネル32を構成することができる。
また、1階の天井梁13,13の側面131,131間は、連結部材2によって連結され、その下方は天井板34によって塞がれる。ここで、この天井板34は、天井梁13に架け渡された横木341の下面に貼り付けられている。
さらに、図7(c)に示すように、1階の床梁12,12間に跨って床パネル32が架け渡されて、建物ユニット1,1間の隙間101の上方が塞がれる。
次に、本実施の形態のユニット建物の連結構造の作用について説明する。
このように構成された本発明のユニット建物10(10A,10B)の連結構造は、建物ユニット1,1間の隙間101(102)の対向する天井梁13,13間が、長手方向の両端で連結部材2,2によって連結され、建物ユニット1,1間の剪断方向及び隙間101(102)の幅方向の変形が拘束される。ここで、建物ユニット1,1間の剪断方向の変形とは、建物ユニット1,1間に相対的に上下方向や天井梁13の長手方向の変位が生じることをいう。また、隙間101(102)の幅方向の変形とは、建物ユニット1,1間の距離が近づいたり離れたりする方向の変位が生じることをいう。
他方、連結部材2,2間には、連結部材2のような剛性の高い構造部材が天井梁13の長手方向に沿って配置されていないので、剪断方向及び隙間101(102)の幅方向の変形が許容される。
このように天井梁13,13間の長手方向の両端において、建物ユニット1,1間の剪断方向及び隙間101(102)の幅方向の変形が拘束される構成であれば、それ以外の部分に構造部材を配置する必要がなく、材料費が抑えられた簡素な構成にすることができる。
また、連結部材2,2の配置箇所以外では天井梁13,13を撓ませることができるので、大地震が起きるとラーメン構造体(骨組構造体)を構成する天井梁13が連結部材2,2間の非剛性部で撓んで、その変形によって地震のエネルギーが吸収され、ユニット建物10が倒壊するような被害を防ぐことができる。
すなわち、天井梁13の長手方向に間隔を置いて配置される複数の支持材21A,21Bと、それらの支持材21A,21B間に架け渡される連結面材24とによって連結部材2を構成すれば、支持材21A,21Bによって相対的な建物ユニット1,1間の剪断方向の変形が拘束されるうえに、支持材21A,21B間に架け渡される連結面材24によって隙間101の幅方向の変形を拘束することができる。
そして、このように複数の支持材21A,21B間が連結面材24で連結されていれば、天井梁13,13間の水平方向の連結が面でおこなわれ、水平力が作用してもユニット建物10にねじれが発生し難い。
また、長さ調整手段を備えた支持材21A,21Bであれば、建物ユニット1,1間の隙間101(102)の幅に多少の誤差が生じたとしても、長さ調整手段によって調整することで、容易に支持材21A,21Bを天井梁13,13間に固定することができる。
特に、柱11と天井梁13とを接合枠材14を介して接合することで接合部が補強されるうえに、その接合枠材14を介して連結部材2を固定するようにすることで、より強固な連結構造とすることができる。
そして、このように連結部材2を強度の大きな柱11と天井梁13の接合部の近傍に設けることで、連結部材2を介して伝達される水平力によって天井梁13が変形することを防ぐことができる。
また、隙間101が20−30cmの幅であれば、床パネル32の渡り根太321が30cm四方程度の角材であっても、床梁12,12間に跨って床パネル32を設置することができる。
さらに、隙間101,102によってユニット建物10の大きさを調整できるので、建物ユニット1の倍数という大きさの制限を離れて、自由にユニット建物10の形状や間取りを設計することができる。
以下、前記した実施の形態とは別の形態の実施例について説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
図8には、建物ユニット1,1間の隙間101に管材としての塩化ビニル管4が配設された断面図を示した。なお、この断面図は、柱11から離れた天井梁13の長手方向の中央付近の断面図であり、図示はされていないが、天井梁13,13間は、前記実施の形態と同様に、柱11との接合部付近となる天井梁13の長手方向の両端で連結部材2,2によってそれぞれ連結されている。
この図8に示すように、床梁12には建物ユニット1内に向けて床小梁322が差し渡され、その上面には根太323が架け渡され、その根太323の上面には床板32Aの側縁が載置されている。また、この根太323の上面には、床梁12,12間に跨って渡り根太321を架け渡した床パネル32の側縁も載置されて、床板32A,32Aと床パネル32とで面一の床面が形成されて隙間101の上方が塞がれている。
また、天井梁13には、建物ユニット1内に向けて横木341が架け渡され、その下面には天井板34A,34Aが貼り付けられ、天井板34A,34A間には天井板34が貼り付けられることで隙間101の下方が塞がれている。
このようにして構成される隙間101は、2階の室内側にも1階の室内側にも露出されない閉じられた空間となっている。また、この隙間101は、図3,4に示すように建物ユニット1A−1Fの長辺側に沿って延伸される。
すなわち、この隙間101は、連続した長い溝状の閉じた空間になり、この隙間101に何かを配置したとしても外観を損ねたり、室内側の空間が侵食されたりすることがない。
そこで、例えば、図8に示すように、隙間101に沿って塩化ビニル管4を配設して給排水に利用する。この塩化ビニル管4は、周囲がロックウールなどの耐火材で被覆されている。また、隙間101には、給排水用の管材だけでなく、給排気用や冷暖房用の管材を配設することもできる。
また、このようにして隙間101に配管した場合は、床パネル32や天井板34を外すだけで容易に配管の点検又は修理をおこなうことができる。すなわち、連結部材2,2間であれば天井梁13,13間は上下方向に連通されているので、床パネル32や天井板34を外すと配管を露出させることができる。さらに、連結部材2,2間であれば、配管を上階側に立ち上げたり、下階側に下ろしたりしても、連結構造の連結強度を低下させることがない。
一方、図9は、建物ユニット1,1間の隙間101に補強梁を配置した構成を説明する図であって、図9(a)は2階の天井部の断面図、図9(b)は2階の床部と1階の天井部の断面図を示している。なお、これらの断面図は、柱11から離れた天井梁13の長手方向の中央付近の断面図であり、図示はされていないが、天井梁13,13間は前記実施の形態と同様に柱11との接合部付近となる両端で連結部材2,2によってそれぞれ連結されている。
まず、図9(a)に示すように、2階の天井梁13には、それよりも梁成の高い補強梁5Aが取り付けられている。この補強梁5Aは、断面視略C字形に成形されており、天井梁13の側面131に薄板53を介して補強梁5Aのウエッブが当接されてボルト51とナット52で締結されている。
また、図9(b)に示すように、2階の床梁12と1階の天井梁13には、その2つを積み重ねた高さよりも梁成の高い補強梁5Bが取り付けられている。この補強梁5Bは、断面視略C字形に成形されており、天井梁13の側面131に薄板53を介して補強梁5Bのウエッブが当接されてボルト51とナット52で締結されている。
このように建物ユニット1の骨組構造体を構成する天井梁13や床梁12の剛性が不足する場合やキャンチレバー構造のバルコニーを設ける場合などには、この隙間101を利用して補強梁5A,5Bを配置して天井梁13や床梁12を補強することができる。
そして、このように隙間101を利用した補強であれば、外観を損ねたり、室内側の空間が侵食されたりすることがないうえに、ユニット建物10を構築した後であっても、床パネル32や天井板34を外すだけで容易に補強をおこなうことができる。
すなわち、連結部材2,2間には、天井梁13,13間や床梁12,12間を塞ぐような構造部材が配置されていないので、天井梁13や床梁12の長手方向に沿った補強を容易におこなうことができる。
また、同様にして、この隙間101を利用して、天井梁13,13間や床梁12,12間に、床の振動を減衰させる振動減衰装置や地震時の建物の横揺れ振動を減衰させる振動減衰装置を配置することができる。
例えば、振動減衰装置が、天井梁13に地震時に発生する撓みを増幅させて減衰材に作用させ、それによってエネルギーを吸収させるような装置であれば、連結部材2,2間の天井梁13の変形が許容されていることによって、有効に振動減衰装置を機能させることができる。
このように、隙間101に管材や補強梁や振動減衰装置を配置するようにすれば、天井梁13,13間や床梁12,12間の隙間101(102)を有効に活用できるうえに、天井梁13の下方や床梁12の上方の空間が管材や補強梁や振動減衰装置などで占有されず、天井を高くしたり、床を低くしたりして室内空間を広く確保することが可能になる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、2本の支持材21A,21Bとそれらに架け渡される連結面材24とによって連結部材2を構成したが、これに限定されるものではなく、建物ユニット1,1間の剪断方向及び隙間101の幅方向の変形を拘束できる構成であればよい。
また、前記実施の形態では、支持材21A,21Bを天井梁13に固定するボルト22,22を長さ調整手段として使用して、支持材21A,21Bの長さを調整したが、これに限定されるものではなく、支持材の中央などに長さ調整手段を設けて長さを調整するようにしてもよい。
また、前記実施の形態及び実施例では、隙間101を例示しながら説明したが、これに限定されるものではなく、図4に示すような隙間101に略直交する方向に延設される隙間102においても同様の構成とすることができる。
さらに、前記実施の形態では、梁材として天井梁13,13間を連結部材2で連結する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、床梁12,12間を連結部材2で連結してもよい。
また、前記実施の形態では、2本の支持材21A,21Bを配置する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、3本以上の支持材を配置することもできる。
本発明の最良の実施の形態のユニット建物の連結構造の構成を説明する部分拡大平面図である。 図1のA−A矢視方向の断面図である。 一方向に隙間が形成されたユニット建物の構成を説明する平面図である。 二方向に隙間が形成されたユニット建物の構成を説明する平面図である。 建物ユニット間の隙間周辺の構成を説明する詳細断面図である。 建物ユニット間の隙間周辺の構成を説明する詳細平面図である。 図5のB−B矢視方向で見た図であって、(a)は2階の天井部周辺の構成を示した断面図、(b)は2階と1階の境界周辺の構成を示した断面図、(c)は1階の床部周辺の構成を示した断面図である。 実施例の隙間に配管をおこなった構成を説明する詳細断面図である。 実施例の隙間に補強梁を配置した構成を説明する詳細断面図であって、(a)は2階の天井部周辺の構成を示した図、(b)は2階と1階の境界周辺の構成を示した図である。
符号の説明
10A,10B ユニット建物
1,1A−1F 建物ユニット
101,102 隙間
11 柱(柱材)
12 床梁(梁材)
13,13A 天井梁(梁材)
131 側面
14 接合枠材
14a 柱当接面(当接面)
14b 梁当接面(当接面)
2 連結部材
21A,21B 支持材
22 ボルト(長さ調整手段)
24 連結面材
32 床パネル
4 塩化ビニル管(管材)
5A,5B 補強梁

Claims (8)

  1. 梁材と柱材とによって骨組みが形成される建物ユニットを複数、隣接させて構成されるユニット建物の連結構造であって、
    少なくとも一対の並設された建物ユニット間には間取り調整用の隙間が形成されて、その隙間の対向する梁材間は、前記柱材との接合部の近傍となる両端で連結部材によって連結される構造であって、
    前記連結部材は、前記梁材の長手方向に間隔を置いて配置される複数の支持材と、それらの支持材間に架け渡される連結面材とを備え、
    前記連結部材の配置箇所では前記建物ユニット間の剪断方向及び前記隙間の幅方向の変形が拘束され、前記梁材の長手方向の前記連結部材間は前記剪断方向及び前記隙間の幅方向の変形が許容されることを特徴とするユニット建物の連結構造。
  2. 前記連結部材は、前記支持材を前記梁材にそれぞれ固定させるために前記梁材の内側から螺入される複数のボルトを備えていることを特徴とする請求項1に記載のユニット建物の連結構造。
  3. 前記連結面材は、フック状に折り曲げられた両縁部を前記支持材にそれぞれ引掛けることによって前記支持材間に架け渡されることを特徴とする請求項1又は2に記載のユニット建物の連結構造。
  4. 前記支持材は長さ調整手段によって調整された長さで前記梁材の側面側に固定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のユニット建物の連結構造。
  5. 前記柱材と前記梁材とはそれぞれの側面に当接させる当接面を備えた接合枠材を介して接合されており、前記支持材は前記接合枠材を介して前記梁材に固定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のユニット建物の連結構造。
  6. 前記隙間は20−30cmの幅であって、前記隙間の上方には、前記建物ユニットの床梁となる梁材間に跨って床パネルが設置されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のユニット建物の連結構造を備えたユニット建物。
  7. 前記連結部材で連結される隙間が形成された前記建物ユニットの梁材間に管材を配設することを特徴とする請求項に記載のユニット建物。
  8. 前記連結部材で連結される隙間が形成された前記建物ユニットの梁材間に補強梁又は振動減衰装置を配置することを特徴とする請求項に記載のユニット建物。
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