JP5657296B2 - 複合光学素子の調芯方法およびその調芯装置 - Google Patents

複合光学素子の調芯方法およびその調芯装置 Download PDF

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本発明は、重合性樹脂層と重合性樹脂層の少なくとも一方の側に光学基材を備えた複合光学素子の製造に際し、光学基材の偏芯を調整する複合光学素子の調芯方法およびその調芯装置に関するものである。
例えば、2枚以上の光学基材(レンズ)を重合性樹脂(例えば、エネルギー硬化型樹脂)を介して接合することによって得られる複合光学素子において、光学性能を保つためには、製造する際に、光学基材の光軸を高精度に調芯することが必要である。このような複合光学素子の調芯方法の従来例としては、例えば、次の特許文献1に記載のものがある。
特許文献1に記載の複合光学素子の調芯方法では、2枚の光学基材の間に未硬化状態の接着剤となるエネルギー硬化型樹脂層を介在させた状態で、2枚の光学基材の位置(厚さ方向や2枚の光学基材の光軸のずれ)を調整し、位置調整(偏芯調整)後に、その調整した位置を固定するために光学基材に対して光軸方向に沿う方向の荷重(以下、本願では「保持荷重」)をかけながら、未硬化状態のエネルギー硬化型樹脂層に対し光エネルギーを照射してエネルギー硬化型樹脂層を硬化させている。
特開2007−86611号公報
しかし、特許文献1に記載のような従来の複合光学素子の調芯方法には、次のような問題がある。
一般に、接着剤であるエネルギー硬化型樹脂が硬化する場合には、硬化収縮による応力が発生する。ここで、複合光学素子におけるエネルギー硬化型樹脂層の体積が大きい場合や、光学基材がガラス材料ではなく熱可塑性樹脂材料で構成されていて弾性率が低い場合には、エネルギー硬化型樹脂層の硬化収縮による応力は光学基材に対して大きく働き、光学基材は大きく変形する(歪む)ことになる。
しかるに、特許文献1に記載の複合光学素子の製造方法のような、光学基材の偏芯調整後に保持荷重をかけながらエネルギー硬化型樹脂層に対し光エネルギーを照射して硬化を行う方法では、光学基材の弾性率が低い場合や、光学基材間に介在するエネルギー硬化型樹脂層が厚い場合には、エネルギー硬化型樹脂の硬化中にエネルギー硬化型樹脂層の硬化収縮の応力が大きく働くことによって、保持荷重で位置を固定することができずに位置ずれし、あるいは光学基材の内部に応力が蓄積して、屈折率分布を有する形状や回転非対称な形状に変形してしまうため、光学基材の偏芯量が小さく抑えられた調芯精度の高い複合光学素子が得られない。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、光学基材の弾性率が低い場合や、光学基材間に介在するエネルギー硬化型樹脂層等の重合性樹脂層が厚い場合においても、光学基材の偏芯量を小さく抑えて調芯精度の高い複合光学素子として完成させることが可能な複合光学素子の調芯方法およびその調芯装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による複合光学素子の調芯方法は、少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層を挟んだ状態で、前記重合性樹脂層の重合反応を促進させることによって完成させる、前記重合性樹脂層と前記重合性樹脂層の少なくとも一方の側に光学基材を備えた複合光学素子の製造工程において用いる、複合光学素子の調芯方法において、前記夫々の光学基材を偏芯調整の基準となる所定の基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるための調整荷重を印加して、前記夫々の光学基材の有する夫々の光学芯を前記基準光軸に一致させる複数の偏芯調整工程を備え、予め、重合反応時間に対する前記複合光学素子における前記重合性樹脂層の重合率の予測値を求めておき、少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層を挟んだ状態で、前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における前記重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程を所定時間行ない、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における前記重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が70%を超えると予測される重合反応時間が経過するときに、前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なう全ての偏芯調整工程における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるための調整荷重の印加を解除することを特徴としている。
また、本発明の複合光学素子の調芯方法においては、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における前記重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程を前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整工程における当該光学基材に対する前記調整荷重の印加を1回以上解除するのが好ましい。
また、本発明の複合光学素子の調芯方法においては、予め、少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層を挟んだ状態の試験片を用い、前記試験片における前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら、所定の重合反応時間ごとに前記試験片における夫々の光学基材を前記基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるために必要な調整荷重を測定することにより、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程において、前記試験片の光学基材に対応する前記複合光学素子における光学基材を前記基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるために必要な調整荷重の予測値を、当該重合反応時間に対する前記複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値に対する適正な調整荷重のマスターカーブとして取得しておき、前記複合光学素子における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるために必要な調整荷重を、前記マスターカーブを用いて制御するのが好ましい。
また、本発明の複合光学素子の調芯方法においては、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程を前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整工程において、前記重合性樹脂層を加熱する加熱工程を併用するのが好ましい。
また、本発明の複合光学素子の調芯方法においては、前記重合性樹脂層の重合反応を促進させる前に、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程を行なうのが好ましい。
また、本発明の複合光学素子の調芯方法においては、前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程を所定時間行なうのが好ましい。
また、本発明による複合光学素子の調芯方法は、少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にあるエネルギー硬化型樹脂層を挟んだ状態で、前記エネルギー硬化型樹脂層への光又は熱のエネルギー照射を介して前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させることによって完成させる、前記エネルギー硬化型樹脂層と前記エネルギー硬化型樹脂層の少なくとも一方の側に光学基材を備えた複合光学素子の製造工程において用いる、複合光学素子の調芯方法において、前記夫々の光学基材を偏芯調整の基準となる所定の基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるための調整荷重を印加して、前記夫々の光学基材の有する夫々の光学芯を前記基準光軸に一致させる複数の偏芯調整工程と、光又は熱のエネルギーを前記重合率が低い状態にある前記エネルギー硬化型樹脂層に照射するエネルギー照射工程、を備え、予め、エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子における前記エネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値を求めておき、少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にあるエネルギー硬化型樹脂層を挟んだ状態で、前記エネルギー照射工程を介して前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら、前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子における前記エネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測されるエネルギー照射時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程を所定時間行ない、前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子における前記エネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値において重合率が70%を超えると予測されるエネルギー照射時間が経過するときに、前記エネルギー照射工程を介して前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら行なう全ての偏芯調整工程における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるための調整荷重の印加を解除することを特徴としている。
また、本発明の複合光学素子の調芯方法においては、前記光学基材の光学面に前記エネルギー硬化型樹脂層を挟んで対向するように、他の光学基材を備える複合光学素子の製造工程において用いるのが好ましい。
また、本発明の複合光学素子の調芯方法においては、前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子における前記エネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測されるエネルギー照射時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程を前記エネルギー照射工程を介して前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整工程における当該光学基材に対する前記調整荷重の印加を1回以上解除するのが好ましい。
また、本発明の複合光学素子の調芯方法においては、予め、少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にあるエネルギー硬化型樹脂層を挟んだ状態の試験片を用い、前記試験片に対して光又は熱のエネルギーを照射することによって前記試験片における前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら、所定のエネルギー照射時間ごとに前記試験片における夫々の光学基材を前記基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるために必要な調整荷重を測定することにより、前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程において、前記試験片の光学基材に対応する前記複合光学素子における光学基材を前記基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるために必要な調整荷重の予測値を、当該エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子におけるエネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値に対する適正な調整荷重のマスターカーブとして取得しておき、前記複合光学素子における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるために必要な調整荷重を、前記マスターカーブを用いて制御するのが好ましい。
また、本発明の複合光学素子の調芯方法においては、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程を前記エネルギー照射工程を介して前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整工程において、前記エネルギー硬化型樹脂層を加熱する加熱工程を併用するのが好ましい。
また、本発明の複合光学素子の調芯方法においては、前記エネルギー照射工程を介して前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させる前に、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程を行なうのが好ましい。
また、本発明の複合光学素子の調芯方法においては、前記エネルギー照射工程を介して前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら、前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子におけるエネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測されるエネルギー照射時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程を所定時間行なうのが好ましい。
また、本発明による複合光学素子の調芯装置は、少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層を挟んだ状態で、前記重合性樹脂層の重合反応を促進させることによって完成させる、前記重合性樹脂層と前記重合性樹脂層の少なくとも一方の側に光学基材を備えた複合光学素子の製造工程において用いる、複合光学素子の調芯装置において、前記夫々の光学基材を偏芯調整の基準となる所定の基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるための調整荷重を印加して、前記夫々の光学基材の有する夫々の光学芯を前記基準光軸に一致させる複数の偏芯調整手段と、少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層を挟んだ状態で、前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら、予め求められた重合反応時間に対する前記複合光学素子における前記重合性樹脂層の重合率の予測値を用いて、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における前記重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整を所定時間行ない、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における前記重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が70%を超えると予測される重合反応時間が経過するときに、前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なう全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるための調整荷重の印加を解除するように制御する偏芯調整作動制御手段を有することを特徴としている。
また、本発明の複合光学素子の調芯装置においては、前記偏芯調整作動制御手段は、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における前記重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整を前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整手段を介した偏芯調整における当該光学基材に対する前記調整荷重の印加を1回以上解除するように制御するのが好ましい。
また、本発明の複合光学素子の調芯装置においては、前記偏芯調整作動制御手段は、予め取得された前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値に対する適正な調整荷重のマスターカーブを用いて、当該偏芯調整手段を介した偏芯調整における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるために必要な調整荷重を制御するのが好ましい。
また、本発明の複合光学素子の調芯装置においては、さらに、前記重合性樹脂層を加熱する加熱手段を備え、前記偏芯調整作動制御手段は、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整を前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整手段を介した偏芯調整において、前記加熱手段を介した前記重合性樹脂層の加熱を併せて行なうように制御するのが好ましい。
また、本発明の複合光学素子の調芯装置においては、前記偏芯調整作動制御手段は、前記重合性樹脂層の重合反応を促進させる前に、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整を行なうように制御するのが好ましい。
また、本発明の複合光学素子の調芯装置においては、前記偏芯調整作動制御手段は、前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整を所定時間行なうように制御するのが好ましい。
また、本発明による複合光学素子の調芯装置は、少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にあるエネルギー硬化型樹脂層を挟んだ状態で、前記エネルギー硬化型樹脂層への光又は熱のエネルギー照射を介して前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させることによって完成させる、前記エネルギー硬化型樹脂層と前記エネルギー硬化型樹脂層の少なくとも一方の側に光学基材を備えた複合光学素子の製造工程において用いる、複合光学素子の調芯装置において、前記夫々の光学基材を偏芯調整の基準となる所定の基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるための調整荷重を印加して、前記夫々の光学基材の有する夫々の光学芯を前記基準光軸に一致させる複数の偏芯調整手段と、光又は熱のエネルギーを前記重合率が低い状態にある前記エネルギー硬化型樹脂層に照射するエネルギー照射手段と、少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にあるエネルギー硬化型樹脂層を挟んだ状態で、前記エネルギー照射手段を介して光又は熱のエネルギーを照射することによって前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら、予め求められた前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子における前記エネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値を用いて、前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子における重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測されるエネルギー照射時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整を所定時間行ない、前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子における前記エネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値において重合率が70%を超えると予測されるエネルギー照射時間が経過するときに、前記エネルギー照射手段を介して光又は熱のエネルギーを照射することによって前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら行なう全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるための調整荷重の印加を解除するように制御する偏芯調整作動制御手段を有することを特徴としている。
また、本発明の複合光学素子の調芯装置においては、前記エネルギー硬化型樹脂層を挟んで対向するように、他の光学基材を備える複合光学素子の製造工程において用いるのが好ましい。
また、本発明の複合光学素子の調芯装置においては、前記偏芯調整作動制御手段は、前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子における前記エネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測されるエネルギー照射時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整を前記エネルギー照射手段を介して光又は熱のエネルギーを照射することによって前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整手段を介した偏芯調整における当該光学基材に対する前記調整荷重の印加を1回以上解除するように制御するのが好ましい。
また、本発明の複合光学素子の調芯装置においては、前記偏芯調整作動制御手段は、予め取得された前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子におけるエネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値に対する適正な調整荷重のマスターカーブを用いて、当該偏芯調整手段を介した偏芯調整における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるために必要な調整荷重を制御するのが好ましい。
また、本発明の複合光学素子の調芯装置においては、さらに、前記エネルギー硬化型樹脂層を加熱する加熱手段を備え、前記偏芯調整作動制御手段は、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整を前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整手段を介した偏芯調整において、前記加熱手段を介した前記重合性樹脂層の加熱を併せて行なうように制御するのが好ましい。
また、本発明の複合光学素子の調芯装置においては、前記偏芯調整作動制御手段は、前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させる前に、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整を行なうように制御するのが好ましい。
また、本発明の複合光学素子の調芯装置においては、前記偏芯調整作動制御手段は、前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整を所定時間行なうように制御するのが好ましい。
本発明によれば、光学基材の弾性率が低い場合や、光学基材間に介在するエネルギー硬化型樹脂層等の重合性樹脂層が厚い場合においても、光学基材の偏芯量を小さく抑えて調芯精度の高い複合光学素子として完成させることが可能な複合光学素子の調芯方法およびその調芯装置が得られる。
複合光学素子におけるエネルギー照射時間に対するエネルギー硬化型樹脂の重合率の一例を示すグラフである。 複合光学素子におけるエネルギー照射時間と、光学基材を移動させるのに必要な荷重(調整荷重)との関係を示すグラフである。 本発明の第一実施形態にかかる複合光学素子の偏芯調整方法において貼り合わせる光学基材の形状を示す説明図で、(a)は貼り合わせ前の状態を示す図、(b)は貼り合わせた状態を示す図である。 エネルギー硬化型樹脂を間に挟んで貼り合わせる前の第1の光学基材と第2の光学基材の偏芯状態を示す断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる複合光学素子の調芯装置の全体構成を示す説明図である。 偏芯調整に関するフローチャートを示す図である。 光学芯の調整方法の説明図で、(a)は第1の光学基材における第1の光学芯c1が基準光軸L0からずれた状態を示す図、(b)は第1の光学基材をxy軸方向に移動させて、第1の光学芯c1を基準光軸L0に一致させた状態を示すとともに、第2の光学芯c2が基準光軸L0からずれた状態を示す図、(c)は第1の光学基材を基準光軸L0に対してθ傾斜した方向に移動させて、第2の光学芯c2を基準光軸L0に一致させた状態を示す図、(d)は第2の光学基材における第3の光学芯c3が基準光軸L0からずれた状態を示す図、(e)は第2の光学基材をxy軸方向に移動させて、第3の光学芯c3を基準光軸L0に一致させた状態を示すとともに、第4の光学芯c4が基準光軸L0からずれた状態を示す図、(f)は第2の光学基材を基準光軸L0に対してθ傾斜した方向に移動させて、第4の光学芯c4を基準光軸L0に一致させた状態を示す図である。 第一実施形態の複合光学素子の調整装置を用いた調整方法の実施例(実施例1−1〜実施例1−3)及び比較例(比較例1−1〜比較例1−3)における偏心調整荷重の付与パターンを示すグラフで、(a)は比較例1−1における偏心調整荷重の付与パターンを示すグラフ、(b)は比較例1−2における偏心調整荷重の付与パターンを示すグラフ、(c)は実施例1−1における偏心調整荷重の付与パターンを示すグラフ、(d)は実施例1−2における偏心調整荷重の付与パターンを示すグラフ、(e)は実施例1−3における偏心調整荷重の付与パターンを示すグラフ、(f)は比較例1−3における偏心調整荷重の付与パターンを示すグラフである。 第一実施形態の複合光学素子の調整装置を用いた調整方法の実施例(実施例2−1〜実施例2−4)及び比較例(比較例2−1〜比較例2−2)における偏心調整荷重の付与パターンを示すグラフで、(a)は比較例2−1における偏心調整荷重の付与パターンを示すグラフ、(b)は実施例2−1における偏心調整荷重の付与パターンを示すグラフ、(c)は実施例2−2における偏心調整荷重の付与パターンを示すグラフ、(d)は実施例2−3における偏心調整荷重の付与パターンを示すグラフ、(e)は実施例2−4における偏心調整荷重の付与パターンを示すグラフ、(f)は比較例2−2における偏心調整荷重の付与パターンを示すグラフである。 本発明の第二実施形態にかかる複合光学素子の調芯装置20の全体構成を示す説明図である。 本発明の第三実施形態にかかる複合光学素子の調芯装置20の全体構成を示す説明図である。
実施形態の説明に先立ち、本発明の特徴的な構成及び作用効果について説明する。
本発明の複合光学素子の調芯方法は、エネルギー硬化型樹脂層等の重合性樹脂層と重合性樹脂層の少なくとも一方の側に光学基材を備えた複合光学素子の製造工程において用いる、複合光学素子の調芯方法において、夫々の光学基材を偏芯調整の基準となる所定の基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるための調整荷重を印加して、夫々の光学基材の有する夫々の光学芯を基準光軸に一致させる複数の偏芯調整工程を備え、予め、重合反応時間に対する複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値を求めておき、少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層を挟んだ状態で、重合性樹脂層の重合反応を促進させながら、重合反応時間に対する複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程を所定時間行ない、重合反応時間に対する複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が70%を超えると予測される重合反応時間が経過するときに、重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なう全ての偏芯調整工程における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるための調整荷重の印加を解除する。
また、本発明の複合光学素子の製造装置は、エネルギー硬化型樹脂層等の重合性樹脂層と重合性樹脂層の少なくとも一方の側に光学基材を備えた複合光学素子の製造工程において用いる、複合光学素子の調芯装置において、夫々の光学基材を偏芯調整の基準となる所定の基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるための調整荷重を印加して、夫々の光学基材の有する夫々の光学芯を基準光軸に一致させる複数の偏芯調整手段と、少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層を挟んだ状態で、重合性樹脂層の重合反応を促進させながら、予め求められた重合反応時間に対する複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値を用いて、重合反応時間に対する複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整を所定時間行ない、重合反応時間に対する複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が70%を超えると予測される重合反応時間が経過するときに、重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なう全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるための調整荷重の印加を解除するように制御する偏芯調整作動制御手段を有する。
本件出願人は、重合性樹脂の重合率と重合反応時間との関係、重合反応時間と光学基材を動かすために必要な調整荷重との関係から本発明を導出するに至った。ここでは、重合性樹脂として光エネルギー硬化型樹脂、重合反応時間を光エネルギー硬化型樹脂に対する光エネルギー照射時間として以下に導出過程を説明する。また、ここでは、便宜上、複合光学素子として2つの光学基材の間にエネルギー硬化型樹脂層を備えたタイプのものを用いて説明することとする。
(作用)
光エネルギーの照射時間とエネルギー硬化型樹脂の重合率は、図1に示すような関係がある。図1は光エネルギーの照射時間(横軸)に対するエネルギー硬化型樹脂の重合率(縦軸)を示すグラフである。図1においてエネルギー硬化型樹脂の重合率は、光エネルギーの照射開始直後に急激に増加するが、光エネルギー照射時間が、エネルギー硬化型樹脂の重合率が約70%に対応する時間(図1の例では60秒となっている)を経過すると、エネルギー硬化型樹脂の重合率の増加速度は次第に遅くなる。なお、光エネルギーの照射時間に対するエネルギー硬化型樹脂の重合率は、光エネルギーの照射速度や環境温度、雰囲気成分などに依存する。このため、それらの条件を任意に調整することで、単位照射時間に対するエネルギー硬化型樹脂の重合率の増加率を変化させる、あるいは、エネルギー硬化型樹脂の重合率自体を下げることができる。
また、光エネルギーの照射時間と光学基材を偏芯調整方向に移動させるために必要な荷重(調整荷重)は、図2に示すような関係がある。図2は光エネルギーの照射時間(横軸)に対する、光学基材を偏芯調整方向に移動させるために必要な調整荷重(縦軸)を示すグラフである。なお、図2では、荷重は、間にエネルギー硬化型樹脂層を有する2つの光学基材の位置を保持するために光学基材に対し基準光軸に沿う方向に印加する荷重(保持荷重)は示さず、2つの光学基材のうちの一方の光学基材を偏芯調整方向の一つである基準光軸に対して垂直方向(せん断方向)に移動させるために必要な荷重(調整荷重)のみ示してある。なお、保持荷重は、光エネルギー照射時間の経過にかかわらず一定である。ここで、調整荷重は、図1と同様に光エネルギー照射時間に対し急激な変化を示し、特に、光エネルギー照射時間が、エネルギー硬化型樹脂の重合率が約70%に対応する時間(光エネルギーの照射時間60秒)を経過すると急激に増加し、エネルギー硬化型樹脂の重合率が更に大きくなった段階に対応する時間を経過したときに荷重をかけるとエネルギー硬化型樹脂層が剥離して複合光学素子が破壊されてしまう。これは、エネルギー硬化型樹脂の重合度が約70%を超えると、エネルギー硬化型樹脂層の弾性率が非常に高くなるため、調整荷重(外部応力)を印加するとエネルギー硬化型樹脂層に応力が大きく発生して、エネルギー硬化型樹脂と光学基材との界面が破壊されることによるものと考えられる。一方、エネルギー硬化型樹脂の重合度が70%未満である場合は、エネルギー硬化型樹脂層は、粘弾性特性における粘性項を強く有している(弾性率が弱い)ため、エネルギー硬化型樹脂の硬化中に調整荷重を外部から光学基材を介して印加することによってエネルギー硬化型樹脂層に応力を発生させても、発生する応力が低くエネルギー硬化型樹脂層の歪みを緩和可能であると考えられる。
図1と図2とに示した関係から、同一の光エネルギー照射条件下における光エネルギー照射時間に対するエネルギー硬化型樹脂の重合率と、この重合率に対応した調整荷重が求まる。すなわち、任意の光エネルギー照射時間における偏芯調整のための移動に過不足のない調整荷重を予め求めておくことができる。
なお、偏芯調整に際し、例えば、エネルギー硬化型樹脂層を光学基板で挟んだ未完成状態の複合光学素子に対し光エネルギーを照射する光エネルギー照射手段の照射光軸と同軸上に、該複合光学素子に対しコリメート光を照射するコリメート光照射手段と、コリメート光照射手段からのコリメート光の光軸上での位置ずれを検出するコリメート光位置ずれ検出機とを配置すれば、光学偏芯量を軸上コマ収差として光エネルギー照射中に算出することができる。そして、算出した偏芯量に基づき、光エネルギー照射中に、後述する偏芯調整手段を用いて、複合光学素子として4つある光学芯のうち、少なくとも1つの光学芯に対して偏芯調整を行なうことができる。
ここで、光エネルギー照射時間における偏芯調整のための調整荷重の印加パターンと、成形後(エネルギー硬化型樹脂の硬化後)の複合光学素子の軸上コマ(複合光学素子全体の偏芯量)との関係について実験したところ、以下のことが確認できた。
調整荷重の印加パターンとしては、次の3つのパターンについて実験した。
(1)第一の荷重印加パターン:偏芯調整のための調整荷重をエネルギー硬化型樹脂層の重合率0%のときにのみ印加するパターン
即ち、第一の荷重印加パターンは、上述した特許文献1に記載されているように、エネルギー硬化型樹脂に対する光エネルギー照射前においてのみ偏芯調整のための調整荷重を印加する荷重印加パターンである。
(2)第二の荷重印加パターン:偏芯調整のための調整荷重を光エネルギーの照射時間中におけるエネルギー硬化型樹脂の重合率が0%から70%となるまでの間、連続的に印加するパターン
即ち、第二の荷重印加パターンは、偏芯調整のための調整荷重の印加を光エネルギーの照射によりエネルギー硬化型樹脂の重合率が0%から70%となるまでの間、エネルギー硬化型樹脂層の重合率の増加に対応させて連続的に増加させ、エネルギー硬化型樹脂の重合率が70%を超えるときに調整荷重の印加を解除する荷重印加パターンである。
(3)第三の荷重印加パターン:偏芯調整のための調整荷重を光エネルギーの照射時間中におけるエネルギー硬化型樹脂の重合率が0%から70%となるまでの間、断続的に印加するパターン
即ち、第三の荷重印加パターンは、光エネルギーの照射によりエネルギー硬化型樹脂層の重合率が0%から70%を超えない範囲で増加中(成形中)に、一旦、偏芯調整のための調整荷重の印加を解除(調整荷重をゼロに)し、その後、再び、偏芯調整のための調整荷重の印加をエネルギー硬化型樹脂の重合率が70%となるまでの間、光エネルギーの照射時間の経過に伴い増加する重合率に対応して増加させ、エネルギー硬化型樹脂の重合率が70%を超えるときに調整荷重の印加を解除する荷重印加パターンである。
上記第一〜第三の荷重印加パターンにおいて、成形後の複合光学素子の軸上コマ量は、第三の荷重印加パターンが最も小さく、次いで第二の荷重印加パターンが小さく、第一の荷重印加パターンが最も大きくなった。これらの結果より、第三の荷重印加パターンによる複合光学素子の調芯方法が、複合光学素子の成形後の光学性能が最も高くなることが分かった。
また、上記第一〜第三の荷重印加パターンにおける複合光学素子の光学基材の変形量(即ち、エネルギー硬化型樹脂層の光エネルギー照射による重合反応以前との形状差)も、第三の荷重印加パターンが最も小さく、次いで、第二の荷重印加パターンが小さく、第一の荷重印加パターンが最も大きくなり、第三の荷重印加パターンによる複合光学素子の調芯方法が、複合光学素子の成形後の光学性能が最も高いことが分かった。
このような実験結果を経て、本件出願人は、予め、重合反応時間に対する複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値を求めておき、少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層を挟んだ状態で、重合性樹脂層の重合反応を促進させながら、重合反応時間に対する複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程を所定時間行ない、重合反応時間に対する複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が70%を超えると予測される重合反応時間が経過するときに、重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なう全ての偏芯調整工程における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるための調整荷重の印加を解除する本発明の複合光学素子の調芯方法およびその調芯装置を導出するに至った。
本発明の調芯方法およびその調芯装置によれば、光学基材の弾性率が低い場合や、光学基材間に介在するエネルギー硬化型樹脂層等の重合性樹脂層が厚い場合においても、光学基材の偏芯量を小さく抑えて調芯精度の高い複合光学素子として完成させることが可能な複合光学素子が得られる。
本発明の調芯方法においては、重合反応時間に対する複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程を重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整工程における当該光学基材に対する調整荷重の印加を1回以上解除するのが好ましい。
また、本発明の調芯方法においては、重合反応時間に対する複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値は、少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層を挟んだ状態の試験片を用い、試験片における重合性樹脂層の重合反応を促進させながら、所定の重合反応時間ごとに重合性樹脂層のヤング率を測定することによって求める。
また、本発明の複合光学素子の調芯方法においては、予め、少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層を挟んだ状態の試験片を用い、試験片における重合性樹脂層の重合反応を促進させながら、所定の重合反応時間ごとに試験片における夫々の光学基材を基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるために必要な調整荷重を測定することにより、重合反応時間に対する複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程において、試験片の光学基材に対応する複合光学素子における光学基材を基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるために必要な調整荷重の予測値を、当該重合反応時間に対する複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値に対する適正な調整荷重のマスターカーブとして取得しておき、複合光学素子における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるために必要な調整荷重を、マスターカーブを用いて制御する。
なお、エネルギー硬化型樹脂のヤング率は温度上昇により低下する。このため、偏芯調整の工程中に赤外線照射や雰囲気温度を上昇させる等の加熱手段を併用すると、偏芯調整のための調整荷重を低く抑えることができ、更に、複合光学素子の内部に発生するひずみを低減させることができる。また、エネルギー硬化型樹脂は粘弾性特性を有し、加熱に伴い、弾性が低下し、粘性が上昇するため、一定の荷重に対するエネルギー硬化型樹脂の変形速度が上昇し、偏芯調整に要する時間の短縮を図ることもできる。更に、加熱手段を介してガラス転移点付近まで温度を上昇させた場合には、複合光学素子の応力を緩和することができ、成形後の応力緩和工程を成形中に兼ねることができるため、複合光学素子の生産性が向上する。
このため、本発明の複合光学素子の調芯方法においては、複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程を重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整工程において、重合性樹脂層を加熱する加熱工程を併用するのが好ましい。
また、複合光学素子の調芯方法においては、重合性樹脂層の重合反応を促進させる前に、複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程を行なうのが好ましい。
また、複合光学素子の調芯方法においては、重合性樹脂層の重合反応を促進させながら、重合反応時間に対する複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程を所定時間行なうのが好ましい。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて具体的に説明する。
第一実施形態
図3は本発明の第一実施形態にかかる複合光学素子の偏芯調整方法において貼り合わせる光学基材の形状を示す説明図で、(a)は貼り合わせ前の状態を示す図、(b)は貼り合わせた状態を示す図である。
(貼り合わせる光学基材の形状)
第1の光学基材12は、貼り合わせ面12bが近似曲率半径R2=8mmの非球面形状に形成され、貼り合わせ面12bとは反対側の面12aが近似曲率半径R1=38mmの非球面形状に形成された、両凹形状のレンズで、中心肉厚t1=0.8mm、外径D1=φ12.4mmのプラスチック成形レンズである。レンズの材質は、COP(シクロオレフィンポリマー)樹脂(ゼオネックス480R:日本ゼオン(株)社製)という熱可塑性樹脂である。
第2の光学基材14は、貼り合わせ面14bが近似曲率半径R4=6.4mmの非球面形状に形成され、貼り合わせ面14bとは反対側の面14aが近似曲率半径R3=16mmの非球面形状に形成された、貼り合わせ側に凸の正メニスカス形状のレンズで、中心肉厚t2=2.4mm、外径D2=φ12.4mmのプラスチック成形レンズである。レンズの材質は、PC(ポリカーボネート)樹脂(ユピゼータEP5000:三菱ガス化学(株)社製)という熱可塑性樹脂である。
(貼り合わせ工程)
第1の光学基材12における貼り合わせ面12bにエネルギー硬化型樹脂を所望量滴下した後、第1の光学基材12における貼り合わせ面12bと第2の光学基材14における貼り合わせ面14bとを近づけ、第2の光学基材14を介してエネルギー硬化型樹脂を押延しながら第1の光学基材12と第2の光学基材14とを貼り合わせる。なお、第1の光学基材12と第2の光学基材14は、互いの貼り合わせ面がエネルギー硬化型樹脂層16を挟んで貼り合される際に、図3(b)に示すように、貼り合せ面の周縁部12b1,14b1同士が当接して、エネルギー硬化型樹脂層16が中心肉厚0.7mmのメニスカス形状となるように形成されている。
(光学面の偏芯の説明)
図4はエネルギー硬化型樹脂16を間に挟んで貼り合わせる前の第1の光学基材12と第2の光学基材14の偏芯状態を示す断面図である。
図4の例では、複合光学素子10は、第1の光学基材12と第2の光学基材14とをエネルギー硬化型樹脂16を介して貼り合わせて構成される。
この複合光学素子10において、第1の光学基材12は光学面12a,12bを、第2の光学基材14は光学面14a、14bを、夫々有している。ここで、複合光学素子10の光学芯は、光学面12a,12bが有する第1及び第2の光学芯c1,c2と光学面14a,14bが有する第3及び第4の光学芯c3,c4とを合わせて、全部で4個存在する。ここで、複合光学素子10が所望の光学性能を発揮するためには、これらの第1〜第4の光学芯c1〜c4の全てが同一直線上に位置するように、各光学芯c1〜c4のシフト方向及びチルト方向の位置を調整(偏芯調整)する必要がある。
即ち、第1の光学芯c1と第2の光学芯c2とを結ぶ第1の光学基材12の光軸L1と、第3の光学芯c3と第4の光学芯c4とを結ぶ第2の光学基材14の光軸L2とを、基準光軸L0に高精度に一致させる必要がある。なお、この基準光軸L0とは、偏芯調整の基準となる光軸のことである。
また、光学芯とは、理想像が得られる光学面位置を表すものであって、光学面形状が球面で構成される場合は、球面の曲率中心をいい、光学面形状が非球面で構成される場合は、非球面中央部の球面近似における曲率中心をいうものとする。また、理想像とは、光学基材に光を透過させた際に測定できる、チャート像、波面収差像、軸上コマ収差像についての理想像である。
これら光学基材を透過する像は、光学基材の光学芯の位置ズレ、光学基材内部の屈折率分布および複屈折が大きくなることで、理想像から乖離した像が形成される。
即ち、本願における複合光学素子の調芯方法における偏芯とは、理想像から乖離した像(理想像ズレ)が形成された状態を指し、偏芯調整とは、当該理想像ズレを解消するために光学基材の光学芯位置を調整することを指す。
また、シフトとは光軸に対する光学面の光学芯の平行移動をいい、チルトとは光軸に対する光学面の光学芯の傾きをいう。
次に、第一実施形態の複合光学素子の調芯方法に用いる複合光学素子の調芯装置について説明する。
(調芯装置の構成)
図5は本発明の第一実施形態にかかる複合光学素子の調芯装置20の全体構成を示す説明図である。
複合光学素子の調芯装置20は、重合性樹脂としてのエネルギー硬化型樹脂(紫外線硬化型樹脂16)を挟んで対向配置された第1の光学基材12及び第2の光学基材14に光を透過させながら、夫々の光学面の光学芯c1〜c4を求めて偏芯調整を行ない、第1と第2の光学基材12,14の間に紫外線硬化型樹脂層16が接合された複合光学素子を得る装置である。この調芯装置20は、第1〜第4の偏芯調整手段21,25,29,33と、偏芯調整作動制御手段としての制御パソコン44とを備えている。
第1の偏芯調整手段21は、第1の光学基材12を保持する第1の治具22と、駆動ロッド23と、駆動ロッド23を介して第1の治具22をxy方向に移動させる第1のモータ24を有している。
第1の治具22は、第1の光学基材12をxy方向に位置規制する治具であり、端部が尖った円筒形状となっているベルクランプ機構を有している。第1の治具22は、このベルクランプ機構により、第1の光学基材12を点で保持する。第一形態ではベルクランプ機構により、光学基材の球面部分を保持しているが、スクロールチャック機構や、光学基材の側面や球面の外周部を保持するような保持機構等を用いても良い。
このように構成された第1の偏芯調整手段21は、第1の光学基材12をxy方向に移動可能に保持する。詳しくは、第1の光学基材12における貼り合わせ面12bとは反対側の面12aの非球面形状部に第1の治具22を当接させ、不図示の真空吸着装置により真空吸着を行なうことで、第1の治具22は、第1の光学部材12を保持する。そして、第1のモータ24の駆動が駆動ロッド23を介して第1の治具22に伝わり、第1の光学基材12が、第1の治具22とともに基準光軸L0に対するxy軸方向に沿って移動する。
このようにして、第1の偏芯調整手段21は、第1の光学基材12における貼り合わせ面12bとは反対側の面12aが有する第1の光学芯c1が有する第1の光学芯c1(図4参照)が基準光軸L0と一致するよう、後述の方法により(基準光軸設定手段である光源38、計測用の像形成部材(十字チャート)40、像検出器42を用いて)形成される基準光軸L0に対して垂直方向(xy平面と平行な方向)に第1の光学基材12を移動させる。
第2の偏芯調整手段25は、第1の光学基材12を保持する第2の治具26と、駆動ロッド27と、駆動ロッド27を介して第2の治具26をxy方向に移動させる第2のモータ28を有している。
第2の治具26は、第1の光学基材12の側面を保持する。
このように構成された第2の偏芯調整手段25は、第1の光学基材12の側面に当接する。そして、第2のモータ28が駆動ロッド27を介して第2の治具26をxy方向に移動させると、第1の光学基材12における貼り合わせ面12bとは反対側の面12aに沿って第1の治具22のベルクランプ機構における端部が尖った円筒形状部分との接触位置がずれることによって、第1の光学基材12が基準光軸L0に対して傾斜方向(θ方向)に移動する。
このようにして、第2の偏芯調整手段25は、第1の光学芯c1(図4参照)を基準光軸L0に一致させたまま、第1の光学基材12における貼り合わせ面12bが有する第2の光学芯c2(図4参照)が基準光軸L0と一致するよう、基準光軸L0に対して傾斜方向(θ方向)に第1の光学基材12を移動させる。
第3の偏芯調整手段29は、第2の光学基材14を保持する第3の治具30と、駆動ロッド31と、駆動ロッド31を介して第3の治具30を移動させる第3のモータ32を有している。
第3の治具30は、第2の光学基材14をxy方向に位置規制する治具であり、第1の治具22と同様のベルクランプ機構を有している。
このように構成された第3の偏芯調整手段29は、第2の光学基材14をxy方向に移動可能に保持する。詳しくは、第2の光学基材14における貼り合わせ面14bとは反対側の面14aの非球面形状部に第3の治具30を当接させ、不図示の真空吸着装置により真空吸着を行なうことで、第3の治具30は、第2の光学基材14を保持する。そして、第3のモータ32の駆動が駆動ロッド31を介して第3の治具30に伝わり、第2の光学基材14が、第3の治具30とともに基準光軸L0に対するxy軸方向に沿って移動する。
このようにして、第3の偏芯調整手段29は、第2の光学基材14における貼り合わせ面14bとは反対側の面14aが有する第3の光学芯c3(図4参照)が基準光軸L0と一致するよう、基準光軸L0に対して垂直方向(xy平面と平行な方向)に第2の光学基材14を移動させる。
第4の偏芯調整手段33は、第2の光学基材14を保持する第4の治具34と、駆動ロッド35と、駆動ロッド35を介して第4の治具34をxy方向に移動させる第4のモータ36を有している。
第4の治具26は、第2の光学基材14の側面を保持する。
このように構成された第4の偏芯調整手段33は、第2の光学基材14の側面に当接する。そして、第4のモータ36が駆動ロッド35を介して第4の治具34をxy方向に移動させると、第2の光学基材14における貼り合わせ面14bとは反対側の面14aに沿って第3の治具30のベルクランプ機構における端部が尖った円筒形状部分との接触位置がずれることによって、第2の光学基材14が基準光軸L0に対して傾斜方向(θ方向)に移動する。
このようにして、第4の偏芯調整手段33は、第3の光学芯c3(図4参照)を基準光軸L0に一致させたまま、第2の光学基材14における貼り合わせ面14bが有する第4の光学芯c4(図4参照)が基準光軸L0と一致するよう、基準光軸L0に対して傾斜方向(θ方向)に第2の光学基材14を移動させる。
さらに、これら第1〜第4の偏芯調整手段21,25,29,33は、偏芯調整作動制御手段としての制御パソコン44によって制御される。この制御パソコン44は、CPUやROM等を備えた一般に使用されているパソコンである。
例えば、この制御パソコン44は、基準光軸L0と第1の光学芯c1の間の差分がなくなるように演算し、演算結果に基づき第1のモータ24を駆動させて、第1の偏芯調整手段21による偏芯調整が行われるように制御する。同様に、基準光軸L0と第2の光学芯c2、第3の光学芯c3、第4の光学芯c4との間の差分がなくなるように夫々演算し、演算結果に基づいて第2のモータ28、第3のモータ32及び第4のモータ36も同様に駆動させて、第2、第3、第4の偏芯調整手段25,29,33による偏芯調整が行なわれるように制御する。
また、制御パソコン44は、第1の光学基材12と第2の光学基材14との間における光学面の位置に重合率が低い状態にあるエネルギー硬化型樹脂層16を挟んだ状態で、エネルギー照射手段を介して光又は熱のエネルギーを照射することによってエネルギー硬化型樹脂層16の重合反応を促進させながら、予め求められたエネルギー照射時間に対する複合光学素子10におけるエネルギー硬化型樹脂層16の重合率の予測値を用いて、エネルギー照射時間に対する複合光学素子10におけるエネルギー硬化型樹脂層16の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測されるエネルギー照射時間内において、複合光学素子10における第1及び前記第2の光学基材12,14に対する第1〜第4の偏芯調整手段21,25,29,33を介した偏芯調整のうち少なくとも一方の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整を所定時間行ない、エネルギー照射時間に対する複合光学素子10におけるエネルギー硬化型樹脂層16の重合率の予測値において重合率が70%を超えると予測されるエネルギー照射時間が経過するときに、エネルギー照射手段を介した光又は熱のエネルギーを照射することによってエネルギー硬化型樹脂層16の重合反応を促進させながら行なう複合光学素子10における第1及び前記第2の光学基材12,14に対する第1〜第4の偏芯調整手段21,25,29,33を介した偏芯調整における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるための調整荷重の印加を解除するように制御する。
重合反応時間に対する複合光学素子10における重合性樹脂層16の重合率の予測値は、光学基材12,14の間における光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層16を挟んだ状態の試験片を用い、試験片における重合性樹脂層16の重合反応を促進させながら、所定の重合反応時間ごとに重合性樹脂層のヤング率を測定することによって求め、制御パソコン44に記憶されている。
また、制御パソコン44は、重合反応時間に対する複合光学素子における重合性樹脂層16の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、複合光学素子10における第1及び前記第2の光学基材12,14に対する第1〜第4の偏芯調整手段21,25,29,33を介した偏芯調整のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整を重合性樹脂層16の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整工程における当該光学基材に対する調整荷重の印加を1回以上解除するように制御することもできるようになっている。
また、制御パソコン44は、予め取得されたエネルギー照射時間に対する複合光学素子10におけるエネルギー硬化型樹脂層16の重合率の予測値に対する適正な調整荷重のマスターカーブを用いて、当該偏芯調整手段を介した偏芯調整における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるために必要な調整荷重を制御する。
エネルギー照射時間に対する複合光学素子10におけるエネルギー硬化型樹脂層16の重合率の予測値に対する適正な調整荷重のマスターカーブは、第1及び前記第2の光学基材12,14の間における光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層16を挟んだ状態の試験片を用い、試験片における重合性樹脂層16の重合反応を促進させながら、所定の重合反応時間ごとに試験片における夫々の光学基材を基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるために必要な調整荷重を測定することにより、重合反応時間に対する複合光学素子10における第1及び前記第2の光学基材12,14に対する第1〜第4の偏芯調整手段21,25,29,33を介した偏芯調整のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整において、試験片の光学基材に対応する複合光学素子10における光学基材を基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるために必要な調整荷重の予測値を、当該重合反応時間に対する複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値に対する適正な調整荷重のマスターカーブとして取得し、制御パソコン44に記憶されている。
なお、図5において、符号38は偏芯計測に用いる光源、40は計測用の像形成部材(十字チャート)、42は像検出器(対物レンズを含むCCDカメラ)、46はハーフミラー、48はエネルギー照射手段としての紫外線照射に用いる光源である。
なお、図5の構成において、光源38にはレーザ光源を使用しているが、コリメート光を出射する光源であれば、どのような光源でもよい。また、光源38とハーフミラー46、及び像検出器42を結ぶ基準光軸L0と、光源48とハーフミラー46とを結ぶ照射軸(成形軸)とが、予め高精度に調整されていることは勿論である。なお、ハーフミラー46の代わりに、紫外線光を折り曲げるグラスファイバーを用いてもよい。
更に、像形成部材40は、図5の構成では十字チャートを用いたが、公知の透過光観察手段を付与させるものであれば、任意の形状、方式であればよく、治具レンズおよびフォーカス機構を具備してもよい。同様に、図5の構成の像検出機42では対物レンズを含むCCDカメラを用いているが、光を検出できる機器であればどのような機構でもよい。
次に、第一実施形態の複合光学素子の偏芯調整装置を用いた偏芯調整方法の具体的な手順について説明する。
(基材保持方法)
上述したように、第1の光学基材と第2の光学基材との間における光学面の位置に重合率が低い状態にあるエネルギー硬化型樹脂層を挟んだ状態の貼り合わせ面12bとは反対側の面12aの非球面形状部に第1の治具22を当接させ、不図示の真空吸着装置により真空吸着を行うことで、第1の治具22は、第1の光学基材12を保持する。
同様の方法で、貼り合わせ面14aとは反対側の面14bの非球面形状部に第3の治具30を当接させ、第2の治具30は、第2の光学基材14を保持する。
(調芯及び成型方法)
以下、図5を参照しながら、図6の偏芯調整に関するフローチャートを示す図、及び図7(a)〜図7(f)の光学芯の調整方法の説明図に基づき、第一実施形態における複合光学素子の調芯方法について説明する。なお、図7では、説明の便宜上、第1の光学基材と第2の光学基材との間を、適宜離して示してある。
光源38から発したコリメート光が、像形成手段(十字チャート)40を通過して、像検出器42にてコリメート光を検出することで基準光軸L0が設定される。
そこで、第1の光学基材12の有する第1の光学芯c1、第2の光学芯c2の偏芯調整を行う。
第1の光学基材12が、第1の治具22に保持されるとき、図7(a)に示すように、第1の光学芯c1は基準光軸L0に必ずしも一致していない。
そのため、図7(b)に示すように、第1の光学芯c1を基準光軸L0に一致させるように第1の治具22を移動させる。
この場合、図5に示すように、光源38から像形成部材(十字チャート)40を通過したコリメート光は、第1の光学基材12を透過して、像検出器42において像が検出される。ここで得られた像と、公知の偏芯調整量算出方法(例えば、特開2008-256900号公報参照)によって得られた偏芯調整量に基づき、制御パソコン44を介して第1の光学基材12を、第1の治具22を基準光軸L0に対して垂直なxy軸方向に移動させる。こうして、第1の光学芯c1を基準光軸L0に一致させる(図6のステップS1)。本実施の形態では、以下の光学芯と基準光軸の一致は、全て制御パソコン44を介した偏芯調整量の算出によって行う。
次に、像形成部材40のパターンを変更し、第2の光学芯c2についての偏芯像を検出し、第1の光学基材12における貼り合わせ面12bの偏芯調整量を算出する。その後、第1の光学基材12の側面に第2の治具26を当接させる。そして、図7(c)に示すように、第1の治具22に保持された第1の光学基材12を、第2の治具26により基準光軸L0に対してθ傾斜した方向に移動させて、第2の光学芯c2を基準光軸L0に一致させる(図6のステップS2)。
なお、第1の光学基材12はベルクランプ機構を有する第1の治具22により保持されているため、すでに調整した第1の光学芯c1は、移動することはない。
これで、第1の光学基材12において、貼り合わせ面12bとは反対側の面12aが有する第1の光学芯c1と、貼り合わせ面12bが有する第2の光学芯c2とが、基準光軸L0に一致する。
なお、第一実施形態では第1の光学芯c1を基準光軸L0に対してxy方向に移動させ、第2の光学芯を基準光軸L0に対してθ傾斜する方向に移動させて偏芯調整を行っているが、これに代えて第1の光学芯c1を基準光軸L0に対してθ傾斜する方向に移動させ、第2の光学芯を基準光軸L0に対してxy方向に移動させて偏芯調整を行っても良い。これは他の実施形態においても同様である。
次に、第2の光学基材14の有する第3の光学芯c3、第4の光学芯c4の偏芯調整を行う。図5、図7(d)に示すように、第3の治具30を、第2の光学基材4における貼り合わせ面14bとは反対側の面14aを移動可能に保持させる。
次に、図7(e)に示すように、第3の治具30を基準光軸L0に対して垂直方向(xy軸方向)に移動させることによって、第3の光学芯c3を基準光軸L0と一致させる。
この際、第3のモータ32をz軸方向にも動かすことにより、第3の光学芯c3を基準光軸L0と一致させると共に、基準光軸L0と平行方向(z軸方向)の移動によって、第2の光学基材14を第1の光学基材12に接近させる(図7(e)参照)。
次に、第2の光学基材14の側面に第4の治具34を当接させる。さらに、図7(f)に示すように、第3の光学芯c3を基準光軸L0に一致させたまま、この第3の光学芯c3を中心として第4の光学芯c4を基準光軸L0に対してθ方向に傾斜移動させて、第4の光学芯c4を基準光軸L0に一致させる(図6のステップS4)。このとき、第4の治具34の第4の光学芯c4を基準光軸L0に一致させながら第2の光学基材14と紫外線硬化型樹脂16とを接触させ、所定の樹脂肉厚になるまで押し広げる(図7(f)参照)。
なお、第2の光学基材14はベルクランプ機構を有する第3の治具30により保持されているため、すでに調整した第2の光学基材14における貼り合わせ面14bとは反対側の面面14aの第3の光学芯c3は、移動することはない。
これで、第2の光学基材14において、貼り合わせ面14bとは反対側の面14aが有する第3の光学芯c3と、貼り合わせ面14bが有する第4の光学芯c4とが、基準光軸L0と一致する。
なお、上述した第1の光学基材と同様に、第2の光学基材の偏芯調整においても、これに代えて第3の光学芯を基準光軸L0に対してθ傾斜する方向に移動させ、第4の光学芯を基準光軸L0に対してxy方向に移動させて偏芯調整を行っても良い。これは他の実施の形態においても同様である。
以上により、第1〜第4までの各光学芯が、基準光軸L0に一致し、これによって、それぞれの光学面が高精度に偏芯調整される。
なお、第一実施形態では、最初の偏心調整前に不図示の供給手段により、第1の光学基材12における貼り合わせ面12bに紫外線硬化型樹脂16を吐出している。
しかし、紫外線硬化型樹脂16の供給は、全ての光学基材間の偏心調整が完了する前であれば、いつでも良く、偏心調整途中に供給を行っても良い。例えば、ステップS2の工程後に、紫外線硬化型樹脂16を第1の光学基材12上へ供給し(図7(d)参照)、第2の光学基材14の偏芯調整と同時に、第2の光学基材14が、紫外線硬化型樹脂16の押延を行ってもよい。
(硬化方法)
制御パソコン44を介してメタルハライドランプである光源48を起動させ、ハーフミラー46を介して紫外線硬化型樹脂16へ紫外線照射を行う。これにより、任意時間の照射後、第1の光学基材12、紫外線硬化型樹脂16、及び第2の光学基材14からなる3層の複合光学素子10が得られる。本実施の形態では、重合性樹脂層を形成するために紫外線硬化型樹脂16を用いたが、熱硬化型樹脂や熱可塑性樹脂でもよい。その場合、紫外線照射のための光源48に代えて、熱源を用いて樹脂の硬化、可塑を行う。さらには、複数種類のモノマーを用いて重合させてもよい。
なお、第一実施形態では、第1の光学基材12と第2の光学基材14との間に樹脂を配した複合光学素子10について説明したが、これに限らない。例えば、複数(3つ以上)の夫々の光学基材の間に樹脂を配した複合光学素子に対しても、同様に適用することができる。さらには、球面を備えた金型と光学基材との間に樹脂を配して製造される、樹脂と光学基材とからなる複合光学素子に対しても、同様に適用することができる。
そして、第一実施形態の偏芯調整装置では、上述したように、制御パソコン44が、第1の光学基材12と第2の光学基材14との間における光学面の位置に重合率が低い状態にあるエネルギー硬化型樹脂層16を挟んだ状態で、エネルギー照射手段を介して光又は熱のエネルギーを照射することによってエネルギー硬化型樹脂層16の重合反応を促進させながら、予め求められたエネルギー照射時間に対する複合光学素子10におけるエネルギー硬化型樹脂層16の重合率の予測値を用いて、エネルギー照射時間に対する複合光学素子10におけるエネルギー硬化型樹脂層16の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測されるエネルギー照射時間内において、複合光学素子10における第1及び第2の光学基材12,14に対する第1〜前記第4の偏芯調整手段21,25,29,33を介した偏芯調整のうち少なくとも一方の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整を所定時間行ない、エネルギー照射時間に対する複合光学素子10におけるエネルギー硬化型樹脂層16の重合率の予測値において重合率が70%を超えると予測されるエネルギー照射時間が経過するときに、エネルギー照射手段を介した光又は熱のエネルギーを照射することによってエネルギー硬化型樹脂層16の重合反応を促進させながら行なう全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるための調整荷重の印加を解除するように制御する。
実施例1
次に、第一実施形態の複合光学素子の調整装置を用いた調整方法の実施例(実施例1−1〜実施例1−3)及び比較例(比較例1−1〜比較例1−3)について説明する。
(重合率に対する適正調整荷重の算出)
本実施例及び比較例においては、試験片に対し同一硬化条件により、エネルギー硬化型樹脂層を硬化させ、硬化完了品の樹脂のヤング率を100%とした上で、エネルギー照射時間におけるエネルギー硬化型樹脂層のヤング率との比から重合率を求め、求めた重合率を成形機上におけるエネルギー照射時間における重合率の予測値とした。
次に、荷重力測定端子を第2の光学基材14の外周端面部に取り付けた後に、貼り合わせ形状および貼り合わせ工程と同じ状態にし、紫外線照度が30±2mW/cm2のほぼ均一な照度分布を持つ紫外線照射を100秒間行う。ここで、照射時間5秒おきにおける第2の光学基材14を第1の光学基材12に対する光軸(第1の光学基材12と第2の光学基材14の球芯が通る軸)シフト方向に0.5mm(速度0.5mm/1sec)移動させるために必要な荷重量を求めた。これら照射時間長さにおける荷重量を当該照射時間における重合率の予測値に対する適正調整荷重のマスターカーブとして制御パソコン44に入力しておく。
(偏心荷重の付与方法)
本実施例及び比較例における偏心調整荷重の付与パターン(横軸:時間に対する縦軸:調整荷重)について図8を用いて説明する。
実施例1−1〜実施例1−3は、第一実施形態の調芯装置の制御パソコン44の制御に適合する偏心調整荷重の付与パターンであり、比較例1−1〜比較例1−3は、第一実施形態の調芯装置の制御パソコン44の制御に適合しない偏心調整荷重の付与パターンである。これら夫々の偏心調整荷重の付与パターンによる偏芯調整作動制御を行なう制御ソフトウェアを制御パソコン44にインストールした。
また、本実施例及び比較例にかかる全てのパターンの成形条件として、30℃下における紫外線照度が30±2mW/cm2を100秒間行い硬化完了させて、該硬化完了品を成形品として種々の評価を行った。
また、調整荷重は、適正な調整荷重量を導出したときと同じように、複合素子の光軸に対する第2の光学基材14のxy方向のシフト移動(光軸をZ軸として)に印加させている。なお、調整荷重を印加していない場合、上述の基材保持方法に例示される手段によりZ方向に第1の光学基材12と第2の光学基材14とが離間する方向に引き付けていることにより、基材保持力の影響は肉厚方向(Z方向)のみに現れるが肉厚方向の調整は制御パソコン44により調整され、偏芯調整のための荷重印加方向に対して垂直な方向であるため、光学基材への保持荷重と調整荷重とは影響を及ぼし合わない。
なお、実施例1における複合素子の性能規格は、軸上コマ量(偏心量)は0.8λ以下である。
(1)比較例1−1:(A1)パターン
比較例1−1は、光エネルギー照射前に偏心調整荷重をかけて調芯を完了し、その後調整荷重を(100秒間)かけないで光エネルギーを照射してエネルギー硬化型樹脂層を硬化させた場合の偏芯調整荷重の付与パターン((A1)パターン)である。(A1)パターンの調芯方法で調芯した場合、成形品の光学基材1の空気面の成形前との形状差(以下、面形状変化量)は、245μmで、軸上コマ量は3λ(概算)であった。
(2)比較例1−2:(B1)パターン
比較例1−2は、光エネルギー照射前に偏芯調整荷重をかけて調芯を完了し、その後引き続き光エネルギー照射前にかけた調整荷重をかけ続けて光エネルギーを照射してエネルギー硬化型樹脂層を硬化させた場合の偏芯調整荷重の付与パターン((B1)パターン)である。(B1)パターンの調芯方法で調芯した場合、成形品の面形状変化量は、142μmで、軸上コマ量は1.3λであった。
(3)実施例1−1:(C1)パターン
実施例1−1は、光エネルギー照射前に偏心調整荷重をかけて調芯し、その後、光エネルギーの照射(重合率予測値)に合わせて調整荷重を変化させながら60秒間連続的にかけ続けて、エネルギー硬化型樹脂層を硬化させた場合の偏芯調整荷重の付与パターン((C1)パターン)である。(C1)パターンの調芯方法で調芯した場合、成形品の面形状変化量は、63μmで、軸上コマ量は0.7λであった。
(4)実施例1−2:(D1)パターン
実施例1−2は、光エネルギー照射前に偏心調整荷重をかけて調芯し、その後調整荷重を20秒間かけないまま光エネルギーを照射し、その後20秒間適正荷重をかけ、その後再び調整荷重を20秒かけないままエネルギー硬化型樹脂層を硬化させた場合の偏芯調整荷重の付与パターン((D1)パターン)である。(D1)パターンの調芯方法で調芯した場合、成形品の面形状変化量は40μmで、軸上コマ量は0.5λであった。
(5)実施例1−3:(E1)パターン
実施例1−3は、光エネルギー照射前に偏心調整荷重をかけて調芯し、その後、光エネルギーの照射(重合率予測値)に合わせて調整荷重を変化させながら20秒間かけた後、硬化反応を進めながら荷重をかけない時間を20秒間設け、その後に20秒間当該時間における適正な調整荷重をかけて、エネルギー硬化型樹脂層を硬化させた場合の偏芯調整荷重の付与パターン((E1)パターン)である。(E1)パターンの調芯方法で調芯した場合、成形品の面形状変化量は、58μmで、軸上コマ量は0.6λであった。
(6)比較例1−3:(F1)パターン
比較例1−3は、光エネルギー照射前に偏心調整荷重をかけて調芯し、その後調整荷重を60秒間かけないまま光エネルギーを照射し、その後40秒間適正な調整荷重をかけ、エネルギー硬化型樹脂層を硬化させた場合の偏芯調整荷重の付与パターン((F1)パターン)である。(F1)パターンの調芯方法で調芯した場合、成形品は、40秒間の荷重時間中である照射時間86秒で硬化したエネルギー硬化型樹脂層が剥離破壊してしまった。
これらの偏心調整荷重の付与パターンの例を表1−1に、そのパターンにより成形工程を行った複合光学素子の結果を表1−2に夫々示す。
表1−1
Figure 0005657296
Figure 0005657296
表1−2
Figure 0005657296
実施例1−1〜実施例1−3の調芯方法によれば、従来例である比較例1−1、1−2に比べて軸上コマ精度(透過光による素子全体の偏心精度)が向上する。
実施例2
次に、第一実施形態の複合光学素子の調芯装置を用いた調芯方法の実施例(実施例2−1〜実施例2−4)及び比較例(比較例2−1〜比較例2−2)について説明する。
(貼り合せる基材形状)
第1の光学基材12は、貼り合わせ面12bとは反対側の面12aが近似曲率半径R1=25mmの非球面形状に形成され、貼り合わせ面12bが近似曲率半径R2=28mmの非球面形状に形成された、両凹形状のレンズで、中心肉厚tl=3mm、外径Dl=φ50mmのプラスチック成形レンズである。材質は、COP(シクロオレフィンポリマー)樹脂(ゼオネックス480R:日本ゼオン(株)社製)という熱可塑性樹脂である。
第2の光学基材14は、貼り合わせ面14bとは反対側の面14aが近似曲率半径R3=46mmの非球面形状に形成され、貼り合わせ面14bが近似曲率半径R4=35mmの非球面形状に形成された、貼り合わせ側に凸の正メニスカス形状のレンズで、中心肉厚t2=7mm、外径D2=36mmのガラス成形レンズである。材質は、S−BAL42(オハラ(株)社製)である。
本実施例及び比較例における偏心調整荷重の付与パターン(横軸:時間に対する縦軸=調整荷重)について図9を用いて説明する。実施例2−1〜実施例2−4は、第一実施形態の調芯装置の制御パソコン44の制御に適合する偏心調整荷重の付与パターンであり、比較例2−1〜比較例2−2は、第一実施形態の調芯装置の制御パソコン44の制御に適合しない偏心調整荷重の付与パターンである。これら夫々の偏心調整荷重の付与パターンによる偏芯調整作動制御を行なう制御ソフトウェアを制御パソコン44にインストールした。
また、本実施例及び比較例にかかる全てのパターンの成形条件として、30℃下における紫外線照度が30±2mW/cm2を100秒間行い硬化完了させて、該硬化完了品を成形品として種々の評価を行った。
なお、実施例2における複合素子の性能規格は、軸上コマ量(偏心量)は0.9λ以下である。
(1)比較例2−1:(B2)パターン
比較例2−1は、光エネルギー照射前に偏心調整を行わず、その後100秒間の光エネルギー照射開始と同時に重合率0%に対する調整荷重を60秒間かけ続けて、エネルギー硬化型樹脂層を硬化させた場合の偏芯調整荷重の付与パターン((B2)パターン)である。(B2)パターンの調芯方法で調芯した場合、成形品の面形状変化量は、327μmで、軸上コマ量は5λ(概算値)であった。
(2)実施例2−1:(C2)パターン
実施例2−1は、光エネルギー照射前に偏心調整を行わず、その後100秒間の光エネルギー照射開始と同時に、光エネルギーの照射(重合率予測値)に合わせて調整荷重を変化させながら60秒間連続的にかけ続けて、光エネルギー硬化型樹脂層を硬化させた場合の偏芯調整荷重の付与パターン((C2)パターン)である。(C2)パターンの調芯方法で調芯した場合、成形品の面形状変化量は、70μmで、軸上コマ量は0.8λであった。また、光エネルギー照射前の偏心調整を行わないことにより生産上のスループットが向上した。
(3)実施例2−2:(D2)パターン
実施例2−2は、光エネルギー照射前に偏心調整を行わず、その後調整荷重を10秒間かけないまま光エネルギーを照射し、その後10秒間適正な調整荷重をかけるパターンを3回繰り返し、計60秒間偏心調整を行いながら、エネルギー硬化型樹脂層を硬化させた場合の偏芯調整荷重の付与パターン((D2)パターン)である。(D2)パターンの調芯方法で調芯した場合、成形品の面形状変化量は30μmで、軸上コマ量は0.5λであった。また、光エネルギー照射前の偏心調整を行わないことにより生産上のスループットが向上した。
(4)実施例2−3:(D3)パターン
実施例2−3は、光エネルギー照射前に偏心調整荷重をかけて調芯し、その後調整荷重を5秒間かけないまま光エネルギーを照射し、その後5秒間適正な調整荷重をかけるパターンを6回繰り返し、計60秒間偏心調整を行いながら、エネルギー硬化型樹脂層を硬化させた場合の偏芯調整荷重の付与パターン((D3)パターン)である。(D3)パターンの調芯方法で調芯した場合、成形品の面形状変化量は34μmで、軸上コマ量は0.6λであった。
(5)実施例2−4:(D4)パターン
実施例2−4は、光エネルギー照射前に偏心調整荷重をかけて調芯し、その後調整荷重を2.5秒間かけないまま光エネルギーを照射し、その後2.5秒間適正な調整荷重をかけるパターンを12回繰り返し、計60秒間偏心調整を行いながら、エネルギー硬化型樹脂層を硬化させた場合の偏芯調整荷重の付与パターン((D4)パターン)である。(D4)パターンの調芯方法で調芯した場合、成形品の面形状変化量は31μmで、軸上コマ量は0.6λであった。
(6)比較例2−2:(E2)パターン
比較例2−2は、光エネルギー照射前に偏心調整荷重をかけて調芯し、その後、光エネルギーの照射(重合率予測)に合わせて調整荷重を80秒間かけ続けて、エネルギー硬化型樹脂層を硬化させた場合の偏芯調整荷重の付与パターン((E2)パターン)である。(E2)パターンの調芯方法で調芯した場合、成形品は、光エネルギーの照射時間75秒経過時に硬化したエネルギー硬化型樹脂層が剥離破壊してしまった。
これらの偏心調整荷重の付与パターンの例を表2−1に、そのパターンにより成形工程を行った複合光学素子の結果を表2−2に夫々示す。
表2−1
Figure 0005657296
Figure 0005657296
Figure 0005657296
Figure 0005657296
表2−2
Figure 0005657296
実施例2−2〜実施例2−4の調芯方法によれば、実施例1に比べて更に軸上コマ精度(透過光による素子全体の偏心精度)が向上する。
なお、本発明の複合光学素子の調芯方法及び調芯装置は、図5に示した第一実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、次に述べる図10や図11に示すような構成の調芯装置においても適用可能である。
第二実施形態
図10は本発明の第二実施形態にかかる複合光学素子の調芯装置20の全体構成を示す説明図である。なお、第一実施形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
(調芯装置の構成)
第二実施形態の複合光学素子の調芯装置20は、紫外線硬化型樹脂16を挟んで、対向配置された第1の光学基材12及び第2の光学基材14に光を透過させながら、夫々の光学面の光学芯c1〜c4を求めて偏芯調整を行ない、次いで、第1と第2の光学基材12,14の間に紫外線硬化型樹脂層16が接合された状態から第1の光学基材12を剥離して、第2の光学基材14に紫外線硬化型樹脂層16が接合された複合光学素子10を得る装置である。この製造装置20は、第1〜第4の偏芯調整手段21,25,29,33と、偏芯調整作動制御手段としての制御パソコン44と、剥離手段51とを備えている。
第一実施形態においては、第1〜第4の偏芯調整手段21,25,29,33は夫々独立して設けられていた。これに対し、第二実施形態の調芯装置においては、図10に示すように、第2の偏芯調整手段25の先端部の治具26に、ロッド25’を介して第1の偏芯調整手段21が設けられている。また、第4の調整手段33の先端部の治具34に、ロッド33’を介して第3の調整手段29が設けられている。このように、第二実施形態の調芯装置では、1つの光学部材における、xy方向を調整する偏芯調整手段と、θ方向を調整する偏芯調整手段とが一体に形成されている。
また、第一実施形態の調芯装置では、偏芯調整手段としてベルクランプ機構を用いたが、第二実施形態の調芯装置では、スクロールチャック機能を用いている。これらの機構により、光学基材の球面部分が広くベルクランプで光学面を保持できない基材形状であっても、球面部の外周を保持することで偏芯調整を行なうことができる。
また、第二実施形態の調芯装置においては、第2の偏芯調整手段25は、第2の治具26における複合光学素子とは反対側の端部に曲面26aを備えるとともに、第2の治具26の曲面26aを摺動させる曲面26a’を有する傾斜ガイド部材26’を有している。
これにより、第2の偏芯調整手段25は、第2のモータ28及び駆動ロッド27を介して、第2の治具26に対して基準光軸L0に沿う方向に移動させる力を加えたときに、第2の治具26の曲面26aが傾斜ガイド部材26’の曲面26a’に摺動することによって、第2の偏芯調整手段25全体が第1の偏芯調整手段21とともに基準光軸L0に対して傾斜方向に移動するようになっている。
また、第二実施形態の調芯装置においては、第4の偏芯調整手段33は、第4の治具34における複合光学素子とは反対側の端部に曲面34aを備えるとともに、第4の治具34の曲面34aを摺動させる曲面34a’を有する傾斜ガイド部材34’を有している。
これにより、第4の偏芯調整手段33は、第4のモータ36及び駆動ロッド35を介して、第4の治具34に対して基準光軸L0に沿う方向に移動させる力を加えたときに、第4の治具34の曲面34aが傾斜ガイド部材34’の曲面34a’に摺動することによって、第4の偏芯調整手段33全体が第3の偏芯調整手段29とともに基準光軸L0に対して傾斜方向に移動するようになっている。
また、剥離手段51は、第1の光学基材12における貼り合わせ面12に爪をかける離型爪治具52と、駆動ロッド53と、駆動ロッド53を介して離型爪治具52を移動させる第5のモータ54とを有している。また、第一実施形態の調芯装置では、像形成部材に十字チャートを用いていたが第二実施形態の調芯装置では輪帯穴を用いている。
その他の構成は、第一実施形態の調芯装置と同様である。
(基材保持方法)
基材保持方法は、第1の光学基材12の円周部に第1の治具22を当接させ、不図示の真空吸着装置により真空吸着を行うことで、第1の治具22は、第1の光学基材12を保持する。
同様の方法で、第2の光学基材14の円周部に第3の治具30を当接させ、第3の治具30は、第2の光学基材14を保持する。
(調芯及び成型方法)
以下、第二実施形態における複合光学素子の調芯方法について説明する。
像形成部材(輪帯穴)40を通過したコリメート光が第1の光学基材12を透過することで得られた像を、像検出器42が検出する。
そこで、得られた像と、公知の偏芯調整量算出方法によって導きだした偏芯調整量に基づき、制御パソコン44を介して第1の治具22を基準光軸L0に対して垂直なxy軸方向に移動させる。こうして、第1の光学基材1における貼り合わせ面12bとは反対側の面12aの第1の光学芯c1を基準光軸L0に一致させる。これにより、第1の光学芯c1の基準光軸L0への位置調整が完了する。
次に、像形成部材40のパターンを変更し、第2の光学芯c2についての偏芯像を検出し、第1の光学基材12における貼り合わせ面12bの偏芯調整量を算出する。この後、第1の治具22を含む第1の偏芯調整手段21を第2の治具26により移動させることによって、第1の光学基材12を第1の調整手段21及び第2の調整手段25とともに基準光軸L0に対してθ傾斜した方向に移動させ、第2の光学芯c2を基準光軸L0に一致させる。
次に、同様にして、第2の光学基材14の光軸(第3の光学芯c3と第4の光学芯c4を結ぶ軸)と基準光軸L0とを調整する。
すなわち、第3の治具30を基準光軸L0に対して垂直方向(xy軸方向)に移動させることによって、第3の光学芯c3を基準光軸L0と一致させる。さらに、第3の治具30を含む第3の調整手段29を第4の治具34により移動させることによって、第2の光学基材14を第3の調整手段29及び第4の調整手段33とともに基準光軸L0に対してθ傾斜した方向に移動させ、第4の光学芯c4を、基準光軸L0に一致させる。
以上により、第1〜第4までの各光学芯が、基準光軸L0に一致し、これによって、それぞれの光学面が高精度に偏芯調整される。
第二実施形態では、エネルギー硬化型樹脂の押延を第1の光学基材12の偏芯調整前に行う。紫外線硬化型樹脂16を不図示の供給手段により、第1の光学基材12に供給する。その後、第2の光学基材14を(基準光軸L0と平行な方向に)移動させ、第2の光学基材14と当該紫外線硬化型樹脂16とを接触させ、更に所定の樹脂肉厚になるまで接近移動(下降)させる。
そして、第1の光学基材12の調芯を実施し、その後、第2の光学基材14の調芯を実施し、樹脂層を含む4つの面12a,12b,14a,14bの光学芯c1〜c4についての偏芯調整を行なう。
また、第二実施形態の調芯装置は、第一実施形態と同様に、制御パソコン44が、第1の光学基材12と第2の光学基材14との間における光学面の位置に重合率が低い状態にあるエネルギー硬化型樹脂層16を挟んだ状態で、エネルギー照射手段を介して光又は熱のエネルギーを照射することによってエネルギー硬化型樹脂層16の重合反応を促進させながら、予め求められたエネルギー照射時間に対する複合光学素子10におけるエネルギー硬化型樹脂層16の重合率の予測値を用いて、エネルギー照射時間に対する複合光学素子10におけるエネルギー硬化型樹脂層16の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測されるエネルギー照射時間内において、複合光学素子10における第1及び前記第2の光学基材12,14に対する第1〜第4の偏芯調整手段21,25,29,33を介した偏芯調整のうち少なくとも一方の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整を所定時間行ない、エネルギー照射時間に対する複合光学素子10におけるエネルギー硬化型樹脂層16の重合率の予測値において重合率が70%を超えると予測されるエネルギー照射時間が経過するときに、エネルギー照射手段を介した光又は熱のエネルギーを照射することによってエネルギー硬化型樹脂層16の重合反応を促進させながら行なう複合光学素子10における第1及び前記第2の光学基材12,14に対する第1〜第4の偏芯調整手段21,25,29,33を介した偏芯調整における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるための調整荷重の印加を解除するように制御する。
重合反応時間に対する複合光学素子10における重合性樹脂層16の重合率の予測値は、光学基材12,14の間における光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層16を挟んだ状態の試験片を用い、試験片における重合性樹脂層16の重合反応を促進させながら、所定の重合反応時間ごとに重合性樹脂層のヤング率を測定することによって求め、制御パソコン44に記憶されている。
また、制御パソコン44は、重合反応時間に対する複合光学素子における重合性樹脂層16の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、複合光学素子10における第1及び前記第2の光学基材12,14に対する第1〜第4の偏芯調整手段21,25,29,33を介した偏芯調整のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整を重合性樹脂層16の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整工程における当該光学基材に対する調整荷重の印加を1回以上解除するように制御することもできるようになっている。
また、制御パソコン44は、予め取得されたエネルギー照射時間に対する複合光学素子10におけるエネルギー硬化型樹脂層16の重合率の予測値に対する適正な調整荷重のマスターカーブを用いて、当該偏芯調整手段を介した偏芯調整における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるために必要な調整荷重を制御する。
エネルギー照射時間に対する複合光学素子10におけるエネルギー硬化型樹脂層16の重合率の予測値に対する適正な調整荷重のマスターカーブは、第1及び前記第2の光学基材12,14の間における光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層16を挟んだ状態の試験片を用い、試験片における重合性樹脂層16の重合反応を促進させながら、所定の重合反応時間ごとに試験片における夫々の光学基材を基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるために必要な調整荷重を測定することにより、重合反応時間に対する複合光学素子10における第1及び前記第2の光学基材12,14に対する第1〜第4の偏芯調整手段21,25,29,33を介した偏芯調整のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整において、試験片の光学基材に対応する複合光学素子10における光学基材を基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるために必要な調整荷重の予測値を、当該重合反応時間に対する複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値に対する適正な調整荷重のマスターカーブとして取得し、制御パソコン44に記憶されている。
(硬化、剥離方法)
調芯後、制御パソコン44を介して硬化手段である光源48(なお、第二実施形態ではメタルハライドランプを用いている)を起動させ、ハーフミラー46を介して紫外線硬化型樹脂16に紫外線照射を行う。
更に、紫外線硬化型樹脂16の硬化後に離型爪治具52を第1の光学基材12のコバ部に当接させた後に、第2の光学基材14を基準光軸L0の方向に上昇させて第2の光学基材14を紫外線硬化型樹脂層16から離間させる。これにより、第1の光学基材12と紫外線硬化型樹脂16からなる2層の複合光学素子11が得られる。
その他の構成及び作用効果は、第一実施形態の調芯装置と略同じである。
第三実施形態
図11は本発明の第三実施形態にかかる複合光学素子の調芯装置20の全体構成を示す説明図である。なお、第一実施形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
(製造装置の構成)
第三実施形態の複合光学素子の調芯装置は、調整光としてのレーザ光を照射する光源38、及びその反射光を検出する像検出器42を一体に備えており、光源48は基準光軸L0上に設けられていて、図5に示したハーフミラー48は設けられていない。
その他の構成及び作用効果は、第一実施形態の調芯装置と略同じである。
本発明の複合光学素子の調芯方法は、光学基材間に樹脂層を有する複合光学素子の製造を行う分野に有用である。
10 複合光学素子
12 第1の光学基材
12a 貼り合わせ面とは反対側の面
12b 貼り合わせ面
14 第2の光学基材
14a 貼り合わせ面とは反対側の面
14b 貼り合わせ面
16 紫外線硬化型樹脂(層)
20 複合光学素子の調芯装置
21 第1の偏芯調整手段
22 第1の治具
23 駆動ロッド
24 第1のモータ
25 第2の偏芯調整手段
26 第2の治具
26a 曲面
26’ 傾斜ガイド部材
26a’ 曲面
27 駆動ロッド
28 第2のモータ
29 第3の偏芯調整手段
30 第3の治具
31 駆動ロッド
32 第3のモータ
33 第4の偏芯調整手段
34 第4の治具
34a 曲面
34’ 傾斜ガイド部材
34a’ 曲面
35 駆動ロッド
36 第4のモータ
38 レーザ光源
40 像形成部材
42 像検出器
44 制御パソコン
46 ハーフミラー
48 光源
L0 基準光軸
c1 第1の光学芯
c2 第2の光学芯
c3 第3の光学芯
c4 第4の光学芯

Claims (26)

  1. 少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層を挟んだ状態で、前記重合性樹脂層の重合反応を促進させることによって完成させる、前記重合性樹脂層と前記重合性樹脂層の少なくとも一方の側に光学基材を備えた複合光学素子の製造工程において用いる、複合光学素子の調芯方法において、
    前記夫々の光学基材を偏芯調整の基準となる所定の基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるための調整荷重を印加して、前記夫々の光学基材の有する夫々の光学芯を前記基準光軸に一致させる複数の偏芯調整工程を備え、
    予め、重合反応時間に対する前記複合光学素子における前記重合性樹脂層の重合率の予測値を求めておき、
    少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層を挟んだ状態で、前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における前記重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程を所定時間行ない、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における前記重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が70%を超えると予測される重合反応時間が経過するときに、前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なう全ての偏芯調整工程における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるための調整荷重の印加を解除することを特徴とする複合光学素子の調芯方法。
  2. 前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における前記重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程を前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整工程における当該光学基材に対する前記調整荷重の印加を1回以上解除することを特徴とする請求項1に記載の複合光学素子の調芯方法。
  3. 予め、少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層を挟んだ状態の試験片を用い、前記試験片における前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら、所定の重合反応時間ごとに前記試験片における夫々の光学基材を前記基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるために必要な調整荷重を測定することにより、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程において、前記試験片の光学基材に対応する前記複合光学素子における光学基材を前記基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるために必要な調整荷重の予測値を、当該重合反応時間に対する前記複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値に対する適正な調整荷重のマスターカーブとして取得しておき、
    前記複合光学素子における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるために必要な調整荷重を、前記マスターカーブを用いて制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の複合光学素子の調芯方法。
  4. 前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程を前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整工程において、前記重合性樹脂層を加熱する加熱工程を併用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合光学素子の調芯方法。
  5. 前記重合性樹脂層の重合反応を促進させる前に、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程を行なうことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合光学素子の調芯方法。
  6. 前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程を所定時間行なうことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の複合光学素子の調芯方法。
  7. 少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にあるエネルギー硬化型樹脂層を挟んだ状態で、前記エネルギー硬化型樹脂層への光又は熱のエネルギー照射を介して前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させることによって完成させる、前記エネルギー硬化型樹脂層と前記エネルギー硬化型樹脂層の少なくとも一方の側に光学基材を備えた複合光学素子の製造工程において用いる、複合光学素子の調芯方法において、
    前記夫々の光学基材を偏芯調整の基準となる所定の基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるための調整荷重を印加して、前記夫々の光学基材の有する夫々の光学芯を前記基準光軸に一致させる複数の偏芯調整工程と、
    光又は熱のエネルギーを前記重合率が低い状態にある前記エネルギー硬化型樹脂層に照射するエネルギー照射工程、
    を備え、
    予め、エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子における前記エネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値を求めておき、
    少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にあるエネルギー硬化型樹脂層を挟んだ状態で、前記エネルギー照射工程を介して前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら、前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子における前記エネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測されるエネルギー照射時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程を所定時間行ない、前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子における前記エネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値において重合率が70%を超えると予測されるエネルギー照射時間が経過するときに、前記エネルギー照射工程を介して前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら行なう全ての偏芯調整工程における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるための調整荷重の印加を解除することを特徴とする複合光学素子の調芯方法。
  8. 前記光学基材の光学面に、前記エネルギー硬化型樹脂層を挟んで対向するように、他の光学基材を備える複合光学素子の製造工程において用いることを特徴とする請求項7に記載の複合光学素子の調芯方法。
  9. 前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子における前記エネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測されるエネルギー照射時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程を前記エネルギー照射工程を介して前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整工程における当該光学基材に対する前記調整荷重の印加を1回以上解除することを特徴とする請求項7又は8に記載の複合光学素子の調芯方法。
  10. 予め、少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にあるエネルギー硬化型樹脂層を挟んだ状態の試験片を用い、前記試験片に対して光又は熱のエネルギーを照射することによって前記試験片における前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら、所定のエネルギー照射時間ごとに前記試験片における夫々の光学基材を前記基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるために必要な調整荷重を測定することにより、前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程において、前記試験片の光学基材に対応する前記複合光学素子における光学基材を前記基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるために必要な調整荷重の予測値を、当該エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子におけるエネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値に対する適正な調整荷重のマスターカーブとして取得しておき、
    前記複合光学素子における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるために必要な調整荷重を、前記マスターカーブを用いて制御することを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の複合光学素子の調芯方法。
  11. 前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整工程を前記エネルギー照射工程を介して前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整工程において、前記エネルギー硬化型樹脂層を加熱する加熱工程を併用することを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の複合光学素子の調芯方法。
  12. 前記エネルギー照射工程を介して前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させる前に、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程を行なうことを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の複合光学素子の調芯方法。
  13. 前記エネルギー照射工程を介して前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら、前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子におけるエネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測されるエネルギー照射時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整工程を所定時間行なうことを特徴とする請求項7〜12のいずれかに記載の複合光学素子の調芯方法。
  14. 少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層を挟んだ状態で、前記重合性樹脂層の重合反応を促進させることによって完成させる、前記重合性樹脂層と前記重合性樹脂層の少なくとも一方の側に光学基材を備えた複合光学素子の製造工程において用いる、複合光学素子の調芯装置において、
    前記夫々の光学基材を偏芯調整の基準となる所定の基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるための調整荷重を印加して、前記夫々の光学基材の有する夫々の光学芯を前記基準光軸に一致させる複数の偏芯調整手段と、
    少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にある重合性樹脂層を挟んだ状態で、前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら、予め求められた重合反応時間に対する前記複合光学素子における前記重合性樹脂層の重合率の予測値を用いて、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における前記重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整を所定時間行ない、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における前記重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が70%を超えると予測される重合反応時間が経過するときに、前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なう全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるための調整荷重の印加を解除するように制御する偏芯調整作動制御手段を有することを特徴とする複合光学素子の調芯装置。
  15. 前記偏芯調整作動制御手段は、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における前記重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整を前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整手段を介した偏芯調整における当該光学基材に対する前記調整荷重の印加を1回以上解除するように制御することを特徴とする請求項14に記載の複合光学素子の調芯装置。
  16. 前記偏芯調整作動制御手段は、予め取得された前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値に対する適正な調整荷重のマスターカーブを用いて、当該偏芯調整手段を介した偏芯調整における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるために必要な調整荷重を制御することを特徴とする請求項14又は15に記載の複合光学素子の調芯装置。
  17. さらに、前記重合性樹脂層を加熱する加熱手段を備え、
    前記偏芯調整作動制御手段は、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整を前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整手段を介した偏芯調整において、前記加熱手段を介した前記重合性樹脂層の加熱を併せて行なうように制御することを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の複合光学素子の調芯装置。
  18. 前記偏芯調整作動制御手段は、前記重合性樹脂層の重合反応を促進させる前に、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整を行なうように制御することを特徴とする請求項14〜17のいずれかに記載の複合光学素子の調芯装置。
  19. 前記偏芯調整作動制御手段は、前記重合性樹脂層の重合反応を促進させながら、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整を所定時間行なうように制御することを特徴とする請求項14〜18のいずれかに記載の複合光学素子の調芯装置。
  20. 少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にあるエネルギー硬化型樹脂層を挟んだ状態で、前記エネルギー硬化型樹脂層への光又は熱のエネルギー照射を介して前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させることによって完成させる、前記エネルギー硬化型樹脂層と前記エネルギー硬化型樹脂層の少なくとも一方の側に光学基材を備えた複合光学素子の製造工程において用いる、複合光学素子の調芯装置において、
    前記夫々の光学基材を偏芯調整の基準となる所定の基準光軸に対して垂直方向又は傾斜方向に移動させるための調整荷重を印加して、前記夫々の光学基材の有する夫々の光学芯を前記基準光軸に一致させる複数の偏芯調整手段と、
    光又は熱のエネルギーを前記重合率が低い状態にある前記エネルギー硬化型樹脂層に照射するエネルギー照射手段と、
    少なくとも一方の側が光学基材をなす複数の所定部材の間における前記光学基材の光学面の位置に重合率が低い状態にあるエネルギー硬化型樹脂層を挟んだ状態で、前記エネルギー照射手段を介して光又は熱のエネルギーを照射することによって前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら、予め求められた前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子における前記エネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値を用いて、前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子における重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測されるエネルギー照射時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整を所定時間行ない、前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子における前記エネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値において重合率が70%を超えると予測されるエネルギー照射時間が経過するときに、前記エネルギー照射手段を介して光又は熱のエネルギーを照射することによって前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら行なう全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるための調整荷重の印加を解除するように制御する偏芯調整作動制御手段を有することを特徴とする複合光学素子の調芯装置。
  21. 前記光学基材の光学面に、前記エネルギー硬化型樹脂層を挟んで対向するように、他の光学基材を備える複合光学素子の製造工程において用いることを特徴とする請求項20に記載の複合光学素子の調芯装置。
  22. 前記偏芯調整作動制御手段は、前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子における前記エネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測されるエネルギー照射時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整を前記エネルギー照射手段を介して光又は熱のエネルギーを照射することによって前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整手段を介した偏芯調整における当該光学基材に対する前記調整荷重の印加を1回以上解除するように制御することを特徴とする請求項20又は21に記載の複合光学素子の調芯装置。
  23. 前記偏芯調整作動制御手段は、予め取得された前記エネルギー照射時間に対する前記複合光学素子におけるエネルギー硬化型樹脂層の重合率の予測値に対する適正な調整荷重のマスターカーブを用いて、当該偏芯調整手段を介した偏芯調整における当該光学基材に対する当該方向へ移動させるために必要な調整荷重を制御することを特徴とする請求項20〜22のいずれかに記載の複合光学素子の調芯装置。
  24. さらに、前記エネルギー硬化型樹脂層を加熱する加熱手段を備え、
    前記偏芯調整作動制御手段は、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整のうち少なくとも一つ以上の光学基材に対する偏芯調整手段を介した偏芯調整を前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら行なうときに、当該偏芯調整手段を介した偏芯調整において、前記加熱手段を介した前記重合性樹脂層の加熱を併せて行なうように制御することを特徴とする請求項20〜23のいずれかに記載の複合光学素子の調芯装置。
  25. 前記偏芯調整作動制御手段は、前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させる前に、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整を行なうように制御することを特徴とする請求項20〜24のいずれかに記載の複合光学素子の調芯装置。
  26. 前記偏芯調整作動制御手段は、前記エネルギー硬化型樹脂層の重合反応を促進させながら、前記重合反応時間に対する前記複合光学素子における重合性樹脂層の重合率の予測値において重合率が0%から70%までの間であると予測される重合反応時間内において、前記複合光学素子における全ての光学基材に対する全ての偏芯調整手段を介した偏芯調整を所定時間行なうように制御することを特徴とする請求項20〜25のいずれかに記載の複合光学素子の調芯装置。
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