JP4725280B2 - 微細形状の成形方法 - Google Patents
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Description
本発明は、光導波路基板を製造する際の微細形状の成形方法に関するものである。
光導波路基板は、クラッド中にクラッドより屈折率の高いコアが形成されて構成されたものである。この光導波路基板を製造する方法としては、例えば次のような方法が知られている。
まず、光硬化性材料を基板(例えばシリコン基板)上にスピンコート等により均一の厚みで塗布して、その上からコア形状(微細形状)を施した金型をプレスし、その状態で前記光硬化性材料を加熱硬化あるいは光硬化させることで、コア形状となる凹部を有するアンダークラッドを形成する。次いで、前記凹部にコア材料をスピンコート等により充填し硬化させることでコアを形成し、さらにその上にアンダークラッドを形成する際に使用した光硬化性材料をスピンコート等により均一の厚みで塗布し硬化させることでオーバークラッドを形成する。
しかし、前記のような金型をプレスしてアンダークラッドを形成する方法では、基板と金型との平行度が出ていないと、アンダークラッドの膜厚を均一にすることができないため、アンダークラッドの膜厚を均一にするには、金型及びプレス機を高精度に製造するとともに金型を高精度で位置決めする必要があり、高コストとなってしまうという問題があった。また、実際にそのようにしたとしても、各部の累積誤差によって基板と金型との平行度を数μm以下に抑えることは困難であった。
そして、このように形成されたアンダークラッドでは、厚みの精度が悪く、例えば厚みが薄くなったアンダークラッドを使用して光導波路基板を製造した場合には、基板であるシリコン基板に光が吸収され、伝播損失や偏波依存性が悪くなる。また、下面に対して上面が傾斜したアンダークラッドを使用した場合には、光導波路基板を光ファイバーと接続するときに、基板下面を基準とすると、イン側とアウト側のコア位置が異なることになり、コア位置検出に時間がかかり非効率となる。このため、コア形状となる凹部を有するアンダークラッドの厚みを均一にすることが重要となる。
そこで、特許文献1には、基板に平行に延びる軸周りに回動自在に構成された金型を用いることで、プレスする際にクラッド材(光硬化性材料)にかかる圧力を利用して基板に対する金型の平行度を出し、これによりアンダークラッドの厚みを均一にする方法が記載されている。
特開2005−178236号公報
しかしながら、前記の方法では、何らかの原因により金型が回動しなかった場合には基板と金型との平行度が出なくなる可能性があるため、さらに確実に均一な厚みのアンダークラッドを形成することが望まれている。
本発明は、このような事情に鑑み、アンダークラッドを構成する硬化性材料の膜厚を確実に均一とすることができる微細形状の成形方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の微細形状の成形方法は、光導波路基板を製造する際の微細形状の成形方法であって、基板上に所定高さを有する複数の位置決め部を設ける位置決め部生成工程と、前記基板上に、硬化性材料の層を、前記位置決め部の高さよりも厚く配置する硬化性材料配置工程と、下面に微細形状が施された金型を、前記硬化性材料に上方から押し付けて、前記位置決め部に当接させる金型当接工程と、前記金型を位置決め部に当接させた状態で、前記硬化性材料を硬化させる硬化性材料硬化工程とを含むことを特徴とするものである。
均一高さの位置決め部を簡単に形成するために、前記位置決め部生成工程では、基板上に光硬化性材料の層を均一の厚みで配置した後に、フォトリソグラフィーを行い、所定の部分の光硬化性材料を硬化させるとともに、他の部分の光硬化性材料を除去することにより、前記位置決め部を形成することが好ましい。
硬化性材料の膜厚の精度をより安定させるために、前記基板上に光硬化性材料の層を均一の厚みで配置するには、スピンコートにより行うことが好ましい。
金型が傾くことを効果的に抑制するために、前記基板として、略円形状のものを用い、前記位置決め部生成工程では、位置決め部を、基板と同心円上で等間隔に並ぶ位置に少なくとも3箇所設けることが好ましい。
位置決め部の上面の平滑性を確保するために、前記位置決め部生成工程では、位置決め部を、平面視において中心部が空洞の中空構造となるよう生成することが好ましい。
金型を基板に対して高精度に位置合わせするために、前記金型として、前記位置決め部と嵌合する嵌合部が設けられたものを用い、前記金型当接工程では、金型の嵌合部と前記位置決め部とを嵌合させた状態で金型を位置決め部に当接させることが好ましい。
本発明によれば、基板上に複数の位置決め部を設け、この位置決め部に金型を当接させるようにしたから、位置決め部の高さによって基板と金型との平行度が保たれるため、硬化性材料の膜厚を確実に均一とすることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る微細形状の成形方法は、位置決め部生成工程と、硬化性材料配置工程と、金型当接工程と、硬化性材料硬化工程とを含んでいる。以下、これらの工程を順に説明する。
1)位置決め部生成工程
まず、図1(a)及び(b)に示すように、基板1に光硬化性材料2を塗布し、スピンコートにより基板1上に光硬化性材料2の層を均一の厚みで配置する。具体的には、例えば基板1上に光硬化性材料2を1500μL塗布し、スピンコート法により基板1を800rpmで30秒間回転させた後、100℃で3分間加熱することで均一な厚み(25μm)の層を形成する。なお、この層の厚み、スピンコート時の回転数及び加熱条件は適宜変更可能である。
まず、図1(a)及び(b)に示すように、基板1に光硬化性材料2を塗布し、スピンコートにより基板1上に光硬化性材料2の層を均一の厚みで配置する。具体的には、例えば基板1上に光硬化性材料2を1500μL塗布し、スピンコート法により基板1を800rpmで30秒間回転させた後、100℃で3分間加熱することで均一な厚み(25μm)の層を形成する。なお、この層の厚み、スピンコート時の回転数及び加熱条件は適宜変更可能である。
基板1は、図2に示すように、円形状の一部にオリフラが形成された略円形状をなしており、シリコン、ガラス、石英、または金属等で構成されている。光硬化性材料2は、例えばメタクリロキシ基を有する光硬化性透明樹脂に、光重合開始剤を1質量パーセント、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルアセテートを20質量パーセントとなるように配合したものである。
前記光硬化性透明樹脂としては、メタクリロキシ基を有するもの以外にも、ビニル基やスチリル基等の不飽和二重結合を有する光硬化性樹脂や、エポキシ基を有する光硬化性樹脂等を使用可能である。ただし、これらの材料収縮を低減させるために、できるだけ反応基の量が少ない樹脂を使用することが好ましい。また、前記光重合開始剤としては、例えばα−アミノアルキルフェノン系のもの(IRGUACURE369:チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)を採用することができるが、材料種類や硬化条件に合わせて任意に選定可能である。
次に、図1(c)及び(d)に示すように、マスク3を用いてフォトリソグラフィーを行い、所定の部分の光硬化性材料2を硬化させるとともに、他の部分の光硬化性材料2を除去することにより、複数の位置決め部2aを形成する。
具体的には、マスク3は、光透過性の材料で構成されたベース部3aと、このベース部3aの下面を被覆する、所定位置に光を透過させる光透過部3cが設けられた被膜3bとからなっている。光透過部3cは、基板1の外周よりも一回り小さな円周上に等間隔(120°間隔)で並ぶ位置に3つ設けられており、各光透過部3cは、例えば、外径が10mm、内径が6mmのリング状をなしている。基板1として4インチシリコン基板を用い、この基板1にスピンコートにより光硬化性材料2の層を配置した場合には、材料種類や条件にもよるが、基板1の外周から2mm程度内側の領域は厚みが不均一となりやすいため、前記円周の径は、位置決め部2aが基板1の外周から5mm以上内側の領域内に位置するように設定されていることが好ましい。この基板1の外周から5mm以上内側の領域における光硬化性材料2の厚み分布は、接触式厚み測定装置で測定した結果0.2μm以内であった。
そして、前記円周の中心が基板1の中心と合致するようにマスク3と基板1とを位置合わせした状態で、マスク3を光硬化性材料2の層の上に載せるかあるいは数μmの間隔を隔てた位置に配置し、その上から20mW/cm2の強度の紫外線を1分間照射することにより、光透過部3cに対応する部分の光硬化性材料2を硬化させる。その後、メチルイソブチルケトン等の現像液で未硬化の光硬化性材料2を除去し、100℃で3分間加熱することで残存する現像液を揮発させる。これにより、図1(d)及び図3に示すように、基板1上に基板1と同心円上で等間隔に並ぶ位置に、平面視において中心部が空洞の中空構造となった3つの位置決め部2aを設けることができる。そして、これらの位置決め部2aの高さは、25μmで均一となっている。
位置決め部2aを光硬化性材料2で形成する場合、位置決め部2aの高さやサイズが大きいときに顕著に現れる硬化時の材料収縮が原因の凹状変形により上面が平坦にならないおそれがある。前記のように位置決め部2aを中空構造とすることで、例えば位置決め部2aの外観形状が大きくても肉厚を小さくすることが可能となるため、硬化時の変形を抑制して、位置決め部2aの上面の平滑性を確保することができる。
ここで、さらに位置決め部2aの硬化性を増すために、例えば200℃で1時間程度加熱する等の加熱工程を設けてもよい。また、基板1と位置決め部2aとの密着性を向上させるために、シランカップリング剤による表面処理を施してもよい。
2)硬化性材料配置工程
その後、図4(a)及び(b)に示すように、基板1に熱硬化性材料4を塗布し、スピンコートにより基板1上に熱硬化性材料4の層を、位置決め部2aの高さよりも厚く均一の厚みで配置する。具体的には、例えば基板1上に熱硬化性材料4を1500μL塗布し、スピンコート法により前述した光硬化性材料2の層を形成するときの回転速度よりも遅い600rpmで基板1を30秒間回転させた後、100℃で3分間加熱する。このようにすることで、位置決め部2aの高さよりも厚く均一な厚みの層を形成することができる。
その後、図4(a)及び(b)に示すように、基板1に熱硬化性材料4を塗布し、スピンコートにより基板1上に熱硬化性材料4の層を、位置決め部2aの高さよりも厚く均一の厚みで配置する。具体的には、例えば基板1上に熱硬化性材料4を1500μL塗布し、スピンコート法により前述した光硬化性材料2の層を形成するときの回転速度よりも遅い600rpmで基板1を30秒間回転させた後、100℃で3分間加熱する。このようにすることで、位置決め部2aの高さよりも厚く均一な厚みの層を形成することができる。
熱硬化性材料4は、例えばメタクリロキシ基を有する光硬化性透明樹脂に、熱重合開始剤を1質量パーセント、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルアセテートを20質量パーセント配合したものである。
ここで、熱硬化性材料4として、光硬化性材料2のうちの光重合開始剤を熱重合開始剤に変更したものを用いているが、別の材料を使用してもかまわない。その場合は、予めスピンコート条件と形成塗膜厚みの関係を把握しておく必要がある。また、前記熱重合開始剤としては、例えば有機過酸化物(パーヘキサTMH:日本油脂社製)を採用することができるが、材料種類や硬化条件に合わせて任意に選定可能である。
3)金型当接工程
金型当接工程では、図5(a)及び(b)に示すような成形機6を使用して、下面に微細形状が施された金型5を、熱硬化性材料4に上方から押し付けて、位置決め部2aに当接させる。成形機6は、上ダイプレート6Aと、下ダイプレート6Bとを備え、金型5は、上ダイプレート6Aに連設された金型保持ブロック61に保持されている。
金型当接工程では、図5(a)及び(b)に示すような成形機6を使用して、下面に微細形状が施された金型5を、熱硬化性材料4に上方から押し付けて、位置決め部2aに当接させる。成形機6は、上ダイプレート6Aと、下ダイプレート6Bとを備え、金型5は、上ダイプレート6Aに連設された金型保持ブロック61に保持されている。
金型5は、厚みが300μmの薄板であり、その厚み精度は±1μmとなっている。そして、金型5の下面には、微細形状として、コアの形状となる断面が台形状(例えば、上辺6μm、下辺4.5μm、高さ5μm)の突条部5aが複数形成されている一方、金型5の上面は、平滑面となっていて、この上面には、金型固定ブロック62が接合されている。
金型固定ブロック62は、十分な厚み(例えば、10mm程度)を有している。この金型固定ブロック62の下面は、平面度が10μm以下の平滑面となっていて、磁力または真空吸着等で金型5の上面と接合されており、金型固定ブロック62が金型5と一体となっている。
このように、金型固定ブロック62と一体になっている金型5の突条部5aを有する下面は、反りやうねりのない平滑面となるため、金型5をプレスした後の熱硬化性材料4の上面も反りやうねりのない平滑面となる。金型5及び金型固定ブロック62の一体物は、周囲を下方から金型保持ブロック61に支持されているだけであり、金型固定ブロック62と上ダイプレート6Aとの間には、弾性体63が配設されている。
この成形機6を用いて金型5を位置決め部2aに当接させるには、まず、下ダイプレート6Bの上に、熱硬化性材料4の層が配置された基板1を載せる。次いで、上ダイプレート6Aを下降させると、まず突条部5aの下面が熱硬化性材料4の上面に当接する。さらに上ダイプレート6Aを下降させると、弾性体63が圧縮変形しながら金型5を押し付けることにより、金型5が金型保持ブロック61から離間しながら突条部5aが熱硬化性材料4に押し込まれる。さらに、上ダイプレート6Aを下降させることにより、金型5がさらに熱硬化性材料4に押し付けられて全ての位置決め部2aに当接するまで下降するとともに、金型5が押し付けられた分の熱硬化性材料4が基板1の外周からはみ出すようになる。
この工程では、金型5と熱硬化性材料4との間にエアーが混入するおそれがあるので、真空チャンバー内に成形機6を設置して、この真空チャンバー内を真空ポンプによって真空状態とした状態でプレスを開始すれば、エアーの混入をなくすことができる。この場合の真空度は、0.1mbar程度でよい。
なお、弾性体63としては、10Nの力を負荷したときに、20μm以上変位するものを用いる。このような弾性体63を使用することで、金型5が位置決め部2aに当接したときの力を弾性体63で吸収することができるため、双方に作用する力を低減させることができる。
また、弾性体63がなくても、金型5と金型固定ブロック62の一体物の質量を大きくしておけば、その自重によって金型5を熱硬化性材料4に押し付けて位置決め部2aに当接させることができる。
4)硬化性材料硬化工程
金型当接工程で金型5を位置決め部2aに当接させた状態のままで、上ダイプレート6A及び下ダイプレート6Bのそれぞれに設けられたヒーター7によって、例えばそれらのダイプレート6A,6Bを120℃に加熱し、その温度を10分間保つことにより、熱硬化性材料4を硬化させる。その後、離型することで、図6に示すように、微細形状が転写されて凹部4aが形成された、均一膜厚25μm、平面度1μmの成形品を得ることができる。
金型当接工程で金型5を位置決め部2aに当接させた状態のままで、上ダイプレート6A及び下ダイプレート6Bのそれぞれに設けられたヒーター7によって、例えばそれらのダイプレート6A,6Bを120℃に加熱し、その温度を10分間保つことにより、熱硬化性材料4を硬化させる。その後、離型することで、図6に示すように、微細形状が転写されて凹部4aが形成された、均一膜厚25μm、平面度1μmの成形品を得ることができる。
ここで、金型5を位置決め部2aに当接させた状態で、金型5を基板1とともに成形機6から取り外し、別の炉で加熱硬化させることも可能である。
なお、図6では、凹部4aはストレートな形状になっているが、この凹部4aの形状は、突条部5aの形状によって適宜変更可能であり、例えば1本から8本に分岐するような分岐路を構成する形状であってもよい。
以上説明したように、本実施形態の微細形状の成形方法では、基板1上に均一高さの複数の位置決め部2aを設け、この位置決め部2aに金型5を当接させるようにしたから、位置決め部2aの高さによって基板1と金型5との平行度が保たれるため、熱硬化性材料4の膜厚を確実に均一とすることができる。
例えば、図7(a)に示すように、基板1と金型5との平行度が出ていない場合であっても、熱硬化性材料4の膜厚を均一とすることができる。図7(a)に示す状態から、上ダイプレート6Aを下降させると、図7(b)に示すように、まず金型5の下方に位置する部分が位置決め部2aに当接する。さらに上ダイプレート6Aを下降させると、弾性体63が圧縮変形しながら、金型5が位置決め部2aに当接した部分を支点として回動し、全ての位置決め部2aに当接するようになる。これにより、熱硬化性材料4の膜厚を均一とすることができる。
また、高さを規制するための位置決め部を下ダイプレート6Bや金型5に設けることも考えられるが、このようにした場合には、繰り返しの使用により、位置決め部の磨耗や損傷が生じることがあるが、本実施形態のように、基板1ごとに位置決め部2aを設けることにより、繰り返しの使用による位置決め部2aの磨耗や損傷が生じることがなく、信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態では、均一の厚みで配置した光硬化性材料2の層に対してフォトリソグラフィーを行っているので、均一高さの位置決め部2aを簡単に形成することができる。また、有機材料により位置決め部2aを形成することで、金型5が当接したときに金型5が傷つくことを抑制することができる。
さらには、スピンコートで光硬化性材料2の層の厚みを均一にすることにより、高さ精度のよい位置決め部2aを形成することができるため、熱硬化性材料4の膜厚の精度をより安定させることができる。
また、位置決め部2aを、基板1と同心円上で等間隔に並ぶ位置に3つ設けているので、これらの位置決め部2aによって、金型5が傾くことを効果的に抑制することができる。なお、本実施形態では、位置決め部2aを、基板1と同心円上で等間隔に並ぶ位置に3つ設けているが、この位置決め部2aは少なくとも3つあればよく、4つ以上設けられていてもよい。
前記実施形態では、位置決め部2aに当接する部分がフラットな金型5を用いているが、例えば、図8(a)に示すように、位置決め部2aに対応する位置に、当該位置決め部2aに嵌合する嵌合部5bが設けられた金型5’を用いてもよい。この嵌合部5bは、位置決め部2aの中空構造を利用したものであり、当該位置決め部2aに内嵌可能な円形断面の凸部で構成されている。この凸部の外径は、位置決め部2aの内径よりも数μm小さく設定されており、基板1と金型5’の若干の位置ずれを吸収できるようになっている。
なお、金型5’には、例えば十字状のアライメントマーク(図示せず)が設けられており、この金型5’を用いる際には、図9に示すように、基板1の金型5’のアライメントマークと対応する位置に、アライメントマーク2bを設ける。このアライメントマーク2bは、前記位置決め部生成工程で、被膜3bの所定位置の2箇所に、4つの正方形がマトリクス状に並ぶアライメントマーク用光透過部(図示せず)が設けられたマスク3を用いれば、位置決め部2aと同時に形成することができる。
そして、下ダイプレート6Bに基板1を配置し、CCDカメラでアライメントを行った後に前記金型当接工程に従って金型5’を下降させれば、嵌合部5bが位置決め部2aに嵌合し、その状態で金型5’が位置決め部2aに当接するようになる。
このようにすれば、金型5’を基板1に対して高精度に位置合わせすることができるため、熱硬化性材料4の厚み精度を確保しつつ、凹部4aの位置精度も確保することができる。
なお、位置決め部2aは中空構造になっている必要はなく、大きさが小さい場合には中実構造となっていてもよい。この場合には、図8(b)に示すように、金型5’に、位置決め部2aに外嵌可能な凹部で構成される嵌合部5cを設ければよい。
また、前記実施形態では、位置決め部2aを基板1に設けているが、図10(a)に示すように、金型5に所定高さの複数の位置決め部5dを設けてもよい。このようにしても、図10(b)及び(c)に示すように、基板1と金型5との平行度が出ていない場合であっても、位置決め部5dの高さによって確実に熱硬化性材料4の膜厚を均一にすることができる。ただし、前述したように位置決め部5dの磨耗や損傷の観点から、基板1に位置決め部2aを設ける方が好ましい。
なお、前記の微細形状の成形方法により成形された成形品を使って、図11に示すような光導波路基板を製造するには、次のようにすればよい。
前記硬化性材料硬化工程で硬化させられた熱硬化性材料4は、アンダークラッドとなっている。このアンダークラッド4の上に、コア材料を塗布し、スピンコート法により基板1を4500rpmで30秒間回転させることにより、凹部4aにコア材料を充填させる。このコア材料は、アンダークラッド4に使用した樹脂とは別のメタクリロキシ基を有する光硬化性透明樹脂に、光重合開始剤を1質量パーセント、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルアセテートを70質量パーセント配合したものである。次いで、ホットプレートを用いて、100℃で3分間加熱することで溶媒を除去し、窒素雰囲気下で20mW/cm2の強度の紫外線を5分間照射することでコア材料を硬化させてコア8を形成する。
その後、アンダークラッド4及びコア8の上に、オーバークラッド材料を塗布し、スピンコート法により基板1を900rpmで30秒間回転させることでオーバークラッド材料の層を形成する。このオーバークラッド材料は、アンダークラッド4に使用した樹脂と同一のメタクリロキシ基を有する光硬化性透明樹脂に、光重合開始剤を1質量パーセント、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルアセテートを20質量パーセント配合したものである。次いで、ホットプレートを用いて、100℃で3分間加熱することで溶媒を除去し、窒素雰囲気下で20mW/cm2の強度の紫外線を5分間照射することでオーバークラッド材料を硬化させてオーバークラッド9を形成する。
ここで、コア材料を塗布する前とオーバークラッド材料を塗布する前にプラズマ処理等の表面処理を行えば、材料の濡れ性が向上し、各層の密着性が向上するため、このような表面処理を行うことが好ましい。
なお、コア材料やオーバークラッド材料としては、光重合開始剤を配合した光硬化性材料を使用しているが、熱重合開始剤を配合した熱硬化性材料を使用してもよいし、光硬化性樹脂に代えて熱硬化性樹脂を使用してもよい。
また、コアが多層となった光導波路基板を製造する場合には、オーバークラッド9の上にさらに位置決め部2aを設け、前記実施形態と同様に、オーバークラッド9の上にアンダークラッド4、コア8、オーバークラッド9を積層していけばよい。このように、アンダークラッド4を形成するごとに位置決め部2aを設けることにより、多層品であっても高精度な成形品とすることができる。
そして、このような方法で製造した光導波路は、シリコン基板に光が吸収されることで起こる伝播損失や偏波依存性が悪くなるという問題がなくなる。また、光ファイバーとの接続作業時間が短くなり、生産性が向上する。
なお、本発明の微細形状の成形方法は、光導波路基板以外でも、例えば図12に示すような高さ精度が要求されるマイクロレンズ10を基板1上に成形する際にも利用可能である。このマイクロレンズ10は、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂で構成され、レンズ部となる複数の突起部10aを有しており、本発明の微細形状の成形方法を利用すれば、これらの突起部10aの高さを高精度かつ均一にすることができる。さらには、その他の光学部品を組み込む基板やそれらの複合部品等にも有効に利用可能である。
1 基板
2 光硬化性材料
2a 位置決め部
3 マスク
4 熱硬化性材料
5,5’ 金型
5a 突条部(微細形状)
5b,5c 嵌合部
6 成形機
6A 上ダイプレート
6B 下ダイプレート
7 ヒーター
8 コア
9 クラッド
2 光硬化性材料
2a 位置決め部
3 マスク
4 熱硬化性材料
5,5’ 金型
5a 突条部(微細形状)
5b,5c 嵌合部
6 成形機
6A 上ダイプレート
6B 下ダイプレート
7 ヒーター
8 コア
9 クラッド
Claims (6)
- 光導波路基板を製造する際の微細形状の成形方法であって、
基板上に所定高さを有する複数の位置決め部を設ける位置決め部生成工程と、
前記基板上に、硬化性材料の層を、前記位置決め部の高さよりも厚く配置する硬化性材料配置工程と、
下面に微細形状が施された金型を、前記硬化性材料に上方から押し付けて、前記位置決め部に当接させる金型当接工程と、
前記金型を位置決め部に当接させた状態で、前記硬化性材料を硬化させる硬化性材料硬化工程とを含むことを特徴とする微細形状の成形方法。 - 前記位置決め部生成工程では、基板上に光硬化性材料の層を均一の厚みで配置した後に、フォトリソグラフィーを行い、所定の部分の光硬化性材料を硬化させるとともに、他の部分の光硬化性材料を除去することにより、前記位置決め部を形成することを特徴とする請求項1に記載の微細形状の成形方法。
- 前記基板上に光硬化性材料の層を均一の厚みで配置するには、スピンコートにより行うことを特徴とする請求項2に記載の微細形状の成形方法。
- 前記基板として、略円形状のものを用い、前記位置決め部生成工程では、位置決め部を、基板と同心円上で等間隔に並ぶ位置に少なくとも3箇所設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の微細形状の成形方法。
- 前記位置決め部生成工程では、位置決め部を、平面視において中心部が空洞の中空構造となるよう生成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の微細形状の成形方法。
- 前記金型として、前記位置決め部と嵌合する嵌合部が設けられたものを用い、前記金型当接工程では、金型の嵌合部と前記位置決め部とを嵌合させた状態で金型を位置決め部に当接させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の微細形状の成形方法。
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