JP5654695B2 - 麺帯用水中油型乳化組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、麺帯製品の製造に好適な水中油型乳化組成物に関する。
麺帯食品として、中華麺、パスタ類、うどん等の麺類や、餃子の皮、シューマイの皮等の皮物麺帯が広く食されている。
麺帯は、小麦粉、澱粉等の製麺原料を混ぜ合わせて混練し、得られた麺生地を所望の厚さに圧延して帯状にすることで調製され、この麺帯を用いて種々の麺帯食品が製造される。例えば麺類の製造では、麺帯は切り出されて生麺線となり、この生麺線は目的に応じて生麺、乾麺、蒸麺、即席乾麺等に加工される。
したがって、上記麺生地には、圧延に耐える伸展性と機械的強度が求められる。さらに、圧延時や切り出し時の機械への付着や、切り出した麺線等の固着を防ぐために、麺生地のベタつきを抑えることも求められる。
また、麺帯食品の食味は、一般的には、ソフトでありながら、適度な弾力を有するものが好まれる。
これらの要求を満たすべく、麺生地を改良するための種々の改良剤が検討されてきている。例えば、特許文献1には、多価アルコール類および/または糖アルコール類、食用油脂を含有し、さらにポリグリセリン脂肪酸エステルとレシチン等とを特定量含有する乳化性油脂組成物が記載され、この乳化性油脂組成物を麺生地に練り込むことで、製麺性、麺帯の状態、食感が向上したことが記載されている。特許文献1の実施例では、レシチンはポリグリセリン脂肪酸エステルの2倍量添加されている。
また、特許文献2には、主たる構成脂肪酸がパルミチン酸である多価アルコール脂肪酸エステルを含有する小麦粉添加用乳化油脂組成物が記載され、この乳化油脂組成物を用いて製造した麺生地は表面が滑らかで、茹でると歯ざわりが良く、コシのある麺が得られたことが記載されている。特許文献2の実施例では、ソルビトール液の配合量を20.0%とした乳化組成物を用いて麺が調製されている。
特開昭60−102139号公報 特開2009−136204号公報
本発明は、麺生地に配合することで、麺生地の表面を滑らかにしてベタつきを抑えるとともに伸展性を向上させることができ、さらに、麺帯食品の風味をより豊かにし、ソフトでありながらも、モチモチとした弾力のある歯ごたえの麺帯食品に仕上げることができる乳化組成物の提供に関する。
麺生地の調製では、しばしば食塩やかん水を溶解した水が配合される。かん水は、炭酸ナトリウム等のアルカリ性塩を主成分とするため、かん水を含む水はアルカリ性を示す。本発明者らはこの点に着目した。すなわち、高塩濃度下、且つ、アルカリ性条件下における乳化安定性を高めた乳化性改質剤を用いれば、麺生地製造の作業性が向上し、かつ、麺生地改質効果をより効果的に発揮させることができると考えた。
この着想の下、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、油脂、多価アルコール、水、特定のポリグリセリン脂肪酸エステル、及びリン脂質を特定量含有する水中油型の乳化組成物が、高塩濃度且つアルカリ性条件下においても乳化安定性に優れ、この乳化組成物を配合した麺生地はベトつきが抑えられて伸展性にも優れることを見い出した。さらに、この麺生地から麺帯食品を製造すると、旨みが付与されて風味が向上し、かつ、ソフトでありながらもモチモチとした歯応えを有する麺帯食品に仕上がることを見い出した。
本発明はこれらの知見に基づき完成させるに至ったものである。
本発明は、
a:油脂 25〜50質量%、
b:リン脂質 0.06〜1.8質量%、
c:多価アルコール 30〜60質量%、
d:平均重合度が5以上のポリグリセリンと炭素数12〜14の飽和脂肪酸とがエステル結合した構造を有し、エステル化率が40%未満であるポリグリセリン脂肪酸エステル 0.3〜2.4質量%、及び
e:水 10〜30質量%
を含有し、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量1質量部に対して前記リン脂質の含有量が0.2〜0.75質量部である、麺帯用水中油型乳化組成物を提供するものである。
また、本発明は、少なくとも穀粉と、水と、前記麺帯用水中油型乳化組成物とを混合して麺帯を調製することを含む、麺帯食品の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記麺帯用水中油型乳化組成物を用いた麺帯食品を提供するものである。
本発明の麺帯用水中油型乳化組成物は、高塩濃度環境下ないしアルカリ性環境下における乳化安定性がより高められている。本発明の麺帯用水中油型乳化組成物を麺生地に配合すれば、麺生地の表面をより滑らかにしてベトつきを抑えるとともに、麺生地の伸展性も大きく向上する。また、この麺生地を用いて製造した麺帯食品は、食感がソフトでありながら、十分な弾力をも有し、さらに旨みが向上して風味が高い。
本発明の麺帯用水中油型乳化組成物について以下に詳細に説明する。
本発明の麺帯用水中油型乳化組成物(以下、「本発明の乳化組成物」という。)は、少なくとも油脂(成分a)及びリン脂質(成分b)を特定量含有する油相と、少なくとも多価アルコール(成分c)、エステル化率が40%未満である特定のポリグリセリン脂肪酸エステル(成分d)及び水(成分e)を特定量含有する水相とから構成される。本発明の乳化組成物は、麺生地の改質に好適に用いられる。
本発明に用いる油脂(成分a)は、脂肪酸のグリセリンエステルであり、食用に適する動物性及び植物性の油脂から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。当該植物性油脂としては、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、米油、ひまわり油、胡麻油、及びこれらの硬化油、エステル交換油もしくは分別油から選ばれる1種又は2種以上の油脂が挙げられる。また、前記動物性油脂としては、例えば、ラード、牛脂、魚油、乳脂、豚脂、馬油、及びこれらの硬化油、エステル交換油もしくは分別油から選ばれる1種又は2種以上の油脂が挙げられる。本発明に用いる油脂としては、植物性油脂が好適に用いられる。
本発明の乳化組成物中の油脂の含有量は、25〜50質量%であるが、麺帯の改質効果の観点から、28質量%以上であることが好ましく、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは32質量%以上である。また、乳化安定性の観点から、本発明の乳化組成物中の油脂の含有量は、45質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは38質量%以下である。
本発明に用いるリン脂質(成分b)に特に制限はないが、例えば、フォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルセリン、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジン酸、リゾフォスファチジン酸、フォスファチジルグリセロール及びこれらの酵素処理物から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。また、大豆レシチンや卵黄レシチン等の天然レシチン又はその酵素分解物を用いてリン脂質を配合してもよい。本発明に用いるリン脂質としては、大豆由来のリン脂質、卵黄由来のリン脂質が好ましく、大豆由来のリン脂質が更に好ましい。
本発明の乳化組成物中、リン脂質の含有量は0.06〜1.8質量%であるが、麺帯の改質効果の観点から、0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上であることがより好ましく、0.3質量%以上であることがさらに好ましい。また、乳化安定性の観点から、本発明の乳化組成物中のリン脂質の含有量は1.6質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以下であることがより好ましく、1.4質量%以下であることがさらに好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましく、0.7質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明に用いる多価アルコール(成分c)は、水溶性であれば特に制限はないが、分子内に水酸基を3個以上有することが好ましい。多価アルコールとしては、例えば、ポリグリセリン、糖及び糖アルコールから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。乳化安定性の観点から、1種又は2種以上の糖アルコールを用いることが好ましい。糖アルコールとして、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、還元水飴、及びオリゴ糖アルコールから選ばれる1種又は2種以上を用いることがより好ましく、なかでもソルビトールを用いることが好ましい。
本発明の乳化組成物中、多価アルコールの含有量は30〜60質量%であるが、麺帯食品の保湿性向上の観点から、35質量%以上であることが好ましく、38質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましい。また、風味の観点から、本発明の乳化組成物中の多価アルコールの含有量は55質量%以下であることが好ましく、52質量%以下であることがより好ましく、48質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明に用いるポリグリセリン脂肪酸エステル(成分d)は、特定のポリグリセリンと特定の脂肪酸とがエステル結合した構造を有し、エステル化率が特定の範囲内にある。
本発明に用いる成分dのポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンは、グリセリンが脱水縮合して重合した構造を持つ。上記ポリグリセリンの平均重合度は5以上であるが、乳化安定性の観点から6以上であることが好ましく、より好ましくは7以上であり、さらに好ましくは8以上であり、さらに好ましくは9以上である。また、麺帯の改質効果の観点から、上記ポリグリセリンの平均重合度は15以下であることが好ましく、より好ましくは13以下であり、さらに好ましくは11以下である。ポリグリセリンの平均重合度は水酸基価から下式(3)より算出される。
MW=74n+18・・・式(1)
OHV=56110(n+2)/MW・・・式(2)
n=(112220−18OHV)/(74OHV−56110)・・・式(3)
MW:ポリグリセリンの平均分子量
n:ポリグリセリンの平均重合度
OHV:ポリグリセリンの水酸基価
本発明に用いる成分dのポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、炭素数12〜14の飽和脂肪酸の1種又は2種以上である。成分dのポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、ラウリン酸又はミリスチン酸が好ましく、より好ましくはミリスチン酸である。
本発明に用いる成分dのポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は、40%未満である。乳化安定性の観点から、上記エステル化率は30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、15%以下であることがさらに好ましい。また、麺帯の改質効果の観点から、上記エステル化率は4%以上であることが好ましく、より好ましくは6%以上である。
上記エステル化率は下記式により求められる。

エステル化率(%)=[エステル数/(エステル数+水酸基数)]×100
本発明に用いる成分dのポリグリセリン脂肪酸エステルの例としては、デカグリセリンモノラウレート、デカグリセリンモノミリステート、デカグリセリンジラウレート、デカグリセリンジミリステート、デカグリセリントリラウレート、デカグリセリントリミリステート、ヘキサグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンモノミリステート、ヘキサグリセリンジラウレート、ヘキサグリセリンジミリステートが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。本発明に用いるポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、デカグリセリンモノミリステート、デカグリセリンモノラウレートが好ましく、デカグリセリンモノミリステートが更に好ましい。
本発明の乳化組成物中、成分dのポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は0.3〜2.4質量%であるが、乳化安定性の観点から、0.35質量%以上であることが好ましく、0.4質量%以上であることがより好ましく、0.45質量%以上であることがさらに好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましく、0.6質量%以上であることがさらに好ましく、0.7質量%以上であることがさらに好ましく、0.8質量%以上であることがさらに好ましい。また、風味の観点から、本発明の乳化組成物中、成分dのポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は2.3質量%以下であることが好ましく、2.2質量%以下であることがより好ましく、2.1質量%以下であることがさらに好ましく、2質量%以下であることがさらに好ましく、1.8質量%以下であることがさらに好ましく、1.5質量%以下であることがさらに好ましく、1.2質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明に用いる水(成分e)に特に制限はなく、水道水、精製水、蒸留水、ミネラル水等を用いることができる。
本発明の乳化組成物中、水の含有量は10〜30質量%であるが、粘度低減による作業性向上の観点から、12質量%以上であることが好ましく、14質量%以上であることがより好ましく、16質量%以上であることがさらに好ましい。また、防腐・防黴性の観点から、28質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、23質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の乳化組成物は、成分dのポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量1質量部に対してリン脂質の含有量が0.2〜0.75質量部であるが、麺の改質効果の観点から、成分dのポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量1質量部に対して前記リン脂質の含有量が0.23質量部以上であることが好ましく、0.26質量部以上であることがより好ましく、0.3質量部以上であることがさらに好ましい。また、乳化安定性の観点から、成分dのポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量1質量部に対してリン脂質の含有量が0.72質量部以下であることが好ましく、0.7質量部以下であることがより好ましく、0.68質量部以下であることがさらに好ましい。
本発明の乳化組成物は、上記成分a〜eの他、残部にリン脂質及びポリグリセリン脂肪酸エステル以外の乳化剤、増粘多糖類、澱粉類、甘味料、着色料、着香料、調味料、pH調整剤、酸化防止剤、日持ち向上剤等を含有してもよい。
本発明の乳化組成物において、分散相を構成する油滴の平均粒子径は、粘度を低減し作業性を向上させる観点から1μm以上であることが好ましく、より好ましくは1.1μm以上である。また、乳化安定性の観点から、上記油滴の平均粒子径は1.5μm以下であることが好ましく、1.4μm以下であることがより好ましい。
油滴の平均粒子径は、後述する実施例に記載の方法で測定される。
本発明の乳化組成物は、上記の油脂及びリン脂質を含有する油相成分と、上記の多価アルコール、上記特定のポリグリセリン脂肪酸エステル及び水を含有する水相成分とを通常の方法で水中油型に乳化分散することで得ることができる。例えば、60℃程度まで加熱した水相成分をホモミキサーを用いて攪拌し、ここに同じく60℃程度まで加熱した上記油相成分を加えて攪拌し、乳化分散させることで得られうる。本発明の乳化組成物を安定した水中油型の乳化組成物とするために、本発明の乳化組成物において、水相成分は、上記油相成分に対して質量比(水相質量/油相質量)で1.5以上であることが好ましく、1.5〜4であることがより好ましい。
本発明の乳化組成物は麺帯食品の製造において、麺生地に配合して用いることが好ましい。同じく麺生地にしばしば配合されるかん水はアルカリ性を示すが、本発明の乳化組成物はアルカリ性条件下においても乳化安定性が高く、麺生地の改質効果に優れる。
本発明の乳化組成物が配合された麺生地を用いて麺帯食品を製造すると、より細やかで均一な気泡構造の麺帯食品が得られる。これにより、よりソフトで且つ弾力のある歯応えを麺帯食品全体にわたって均質に感じることができる。さらに、例えば即席麺を調製すれば、湯が麺全体に素早く行き渡るため、速やかに湯戻りする麺となる。
本発明の麺帯食品の製造方法(以下、単に、「本発明の製造方法」という。)は、少なくとも穀粉と、水と、前記麺帯用水中油型乳化組成物とを混合して麺帯を調製する工程を含む。当該麺帯の調製では、目的に応じて食塩、かん水、乳化剤、増粘安定剤、酸化防止剤、着色料、pH調整剤等も配合される。
前記穀粉に特に制限はなく、例えば、小麦粉、米粉、そば粉、大麦粉、ライ麦粉、トウモロコシ粉、ひえ粉から選ばれる1種又は2種以上や、これと澱粉との組み合わせ等が挙げられる。使用する小麦粉の種類は特に限定されず、強力粉、中力粉、薄力粉の1種又は2種以上を用いることができる。
上記澱粉としては、例えば、小麦澱粉、大麦澱粉、ライ麦澱粉、エンバク澱粉等の麦類澱粉、トウモロコシ澱粉、米澱粉、豆類澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、ヒシ澱粉、クリ澱粉、サゴ澱粉、ナガイモ澱粉、レンコン澱粉、クワイ澱粉、ワラビ澱粉、ユリネ澱粉、アミロメイズ澱粉から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
上記穀粉は、さらにこんにゃく粉、グルテン粉、加工澱粉等を含んでもよい。
本発明において、麺帯食品の製造は常法により行うことができる。例えば中華麺を例にとれば、本発明の乳化組成物と、炭酸塩やリン酸塩を含有するアルカリ性水溶液であるかん水又は粉末かん水、食塩等を水中に混合して溶解ないし分散させ、これを水に対する質量比で2〜5倍量程度の穀粉と混合し、ミキサー等を用いて捏上げ、得られた麺生地を圧延ロールに通して所望の厚さの麺帯とし、次いで切り出し機にかけて麺線とし、この麺線を所望の長さに切断して生麺(即席生麺)を得ることができる。得られた生麺を調湿乾燥法等により乾燥すれば乾麺が得られ、蒸煮を施し冷却すれば蒸麺が得られ、連続的に蒸煮又は茹で処理を行った後、フライ用バスケットあるいは乾燥用バスケットに一食ずつ成形充填し、フライあるいは高温熱風乾燥処理すれば即席乾麺が得られる。中華麺以外の麺帯食品についても上記の方法に準じて常法により製造することができる。
本発明の製造方法において、本発明の乳化組成物の配合量は、麺帯の改質効果の観点から、穀粉の配合量100質量部に対して0.1質量部以上であることが好ましく、0.2質量部以上であることがより好ましく、0.5質量部以上であることがさらに好ましい。また、適度な油脂含量により良好な生地状態を維持する観点から、本発明の乳化組成物の配合量は、穀粉の配合量100質量部に対して5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましく、2質量部以下であることがさらに好ましい。
本発明の製造方法において、水の配合量は、穀粉の配合量100質量部に対して、10〜60質量部であることが好ましく、15〜50質量部であることがより好ましく、20〜40質量部であることがさらに好ましく、25〜35質量部であることがさらに好ましい。
本発明において、「麺帯食品」に特に制限はないが、麺類としては、例えば、中華麺、焼きそば、うどん、そば、及びパスタ類が挙げられる。なかでも、中華麺及び焼きそばから選ばれる麺類が好ましい。また、上記麺類は即席麺の形態であることが好ましい。また、皮物麺帯としては、餃子の皮、シュウマイの皮、ワンタンの皮、小龍包の皮等が挙げられる。なかでも、餃子の皮やシュウマイの皮が好ましい。
上述した実施形態に関し、本発明は以下の麺帯用水中油型乳化組成物、麺帯食品の製造方法、あるいは麺帯食品を開示する。
<1>
a:油脂 25〜50質量%、
b:リン脂質 0.06〜1.8質量%、
c:多価アルコール 30〜60質量%、
d:平均重合度が5以上のポリグリセリンと炭素数12〜14の飽和脂肪酸とがエステル結合した構造を有し、エステル化率が40%未満であるポリグリセリン脂肪酸エステル 0.3〜2.4質量%、及び
e:水 10〜30質量%
を含有し、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量1質量部に対して前記リン脂質の含有量が0.2〜0.75質量部である、麺帯用水中油型乳化組成物。
<2>
前記油脂が、好ましくは動物性及び植物性の油脂から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは植物性の油脂である、前記<1>に記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<3>
前記動物性油脂が、好ましくはラード、牛脂、魚油、乳脂、豚脂、馬油、及びこれらの硬化油、エステル交換油もしくは分別油から選ばれる1種又は2種以上である、前記<2>に記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<4>
前記植物性油脂が、好ましくは大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、米油、ひまわり油、胡麻油、及びこれらの硬化油、エステル交換油もしくは分別油から選ばれる1種又は2種以上である、前記<2>に記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<5>
前記油脂の含有量が、好ましくは28質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは32質量%以上である、前記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<6>
前記油脂の含有量が、好ましくは45質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは38質量%以下である、前記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<7>
前記油脂の含有量が、好ましくは28〜45質量%であり、より好ましくは30〜40質量%であり、さらに好ましくは32〜38質量%である、前記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<8>
前記リン脂質が、好ましくはフォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルセリン、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジン酸、リゾフォスファチジン酸、フォスファチジルグリセロール及びこれらの酵素処理物から選ばれる1種又は2種以上である、前記<1>〜<7>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<9>
前記リン脂質が、好ましくは天然レシチン又はその酵素分解物である、前記<1>〜<7>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<10>
前記天然レシチンが、好ましくは大豆レシチン又は卵黄レシチンである、前記<9>に記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<11>
前記リン脂質の含有量が、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上である、前記<1>〜<10>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<12>
前記リン脂質の含有量が、好ましくは1.6質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以下であり、さらに好ましくは1.4質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.7質量%以下である、前記<1>〜<11>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<13>
前記リン脂質の含有量が、好ましくは0.1〜1.6質量%であり、より好ましくは0.2〜1.5質量%であり、さらに好ましくは0.3〜1.4質量%であり、さらに好ましくは0.3〜1質量%であり、さらに好ましくは0.3〜0.7質量%である、前記<1>〜<10>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<14>
前記多価アルコールが、好ましくは分子内に水酸基を3個以上有する、前記<1>〜<13>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<15>
前記多価アルコールが、好ましくはポリグリセリン、糖及び糖アルコールから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは1種又は2種以上の糖アルコールであり、さらに好ましくはソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、還元水飴、及びオリゴ糖アルコールから選ばれる1種又は2種以上であり、さらに好ましくはソルビトールである、前記<1>〜<14>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<16>
前記多価アルコールの含有量が、好ましくは35質量%以上であり、より好ましくは38質量%以上であり、さらに好ましくは40質量%以上である、前記<1>〜<15>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<17>
前記多価アルコールの含有量が、好ましくは55質量%以下であり、より好ましくは52質量%以下であり、さらに好ましくは48質量%以下である、前記<1>〜<16>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<18>
前記多価アルコールの含有量が、好ましくは35〜55質量%であり、より好ましくは38〜52質量%であり、さらに好ましくは40〜48質量%である、前記<1>〜<15>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<19>
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が、好ましくは6以上であり、より好ましくは7以上であり、さらに好ましくは8以上であり、さらに好ましくは9以上である、前記<1>〜<18>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<20>
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が、好ましくは15以下であり、より好ましくは13以下であり、さらに好ましくは11以下である、前記<1>〜<19>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<21>
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が、好ましくは6〜15であり、より好ましくは7〜13であり、さらに好ましくは8〜11であり、さらに好ましくは9〜11である、前記<1>〜<18>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<22>
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する飽和脂肪酸が、好ましくはラウリン酸又はミリスチン酸であり、より好ましくはミリスチン酸である、前記<1>〜<21>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<23>
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率が、好ましくは30%以下であり、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下である、前記<1>〜<22>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<24>
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率が、好ましくは4%以上であり、より好ましくは6%以上である、前記<1>〜<23>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<25>
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率が、好ましくは4〜30%であり、より好ましくは6〜20%であり、さらに好ましくは6〜15%である、前記<1>〜<22>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<26>
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、好ましくはデカグリセリンモノラウレート、デカグリセリンモノミリステート、デカグリセリンジラウレート、デカグリセリンジミリステート、デカグリセリントリラウレート、デカグリセリントリミリステート、ヘキサグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンモノミリステート、ヘキサグリセリンジラウレート、及びヘキサグリセリンジミリステートから選ばれる1種又は2種以上である、前記<1>〜<25>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<27>
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が、好ましくは0.35質量%以上であり、より好ましくは0.4質量%以上であり、さらに好ましくは0.45質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは0.6質量%以上であり、さらに好ましくは0.7質量%以上であり、さらに好ましくは0.8質量%以上である、前記<1>〜<26>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<28>
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が、好ましくは2.3質量%以下であり、より好ましくは2.2質量%以下であり、さらに好ましくは2.1質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以下であり、さらに好ましくは1.8質量%以下であり、さらに好ましくは1.5質量%以下であり、さらに好ましくは1.2質量%以下である、前記<1>〜<27>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<29>
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が、好ましくは0.35〜2.3質量%であり、より好ましくは0.4〜2.2質量%であり、さらに好ましくは0.45〜2.1質量%であり、さらに好ましくは0.5〜2質量%であり、さらに好ましくは0.6〜1.8質量%であり、さらに好ましくは0.7〜1.5質量%であり、さらに好ましくは0.8〜1.2質量%である、前記<1>〜<26>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<30>
前記水の含有量が、好ましくは12質量%以上であり、より好ましくは14質量%以上であり、さらに好ましくは16質量%以上である、前記<1>〜<29>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<31>
前記水の含有量が、好ましくは28質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは23質量%以下である、前記<1>〜<30>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<32>
前記水の含有量が、好ましくは12〜28質量%であり、より好ましくは14〜25質量%であり、さらに好ましくは16〜23質量%である、前記<1>〜<29>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<33>
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量1質量部に対して、前記リン脂質の含有量が、好ましくは0.23質量部以上であり、より好ましくは0.26質量部以上であり、さらに好ましくは0.3質量部以上である、前記<1>〜<32>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<34>
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量1質量部に対して、前記リン脂質の含有量が、好ましくは0.72質量部以下であり、より好ましくは0.7質量部以下であり、さらに好ましくは0.68質量部以下である、前記<1>〜<33>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<35>
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量1質量部に対して、前記リン脂質の含有量が、好ましくは0.23〜0.72質量部であり、より好ましくは0.26〜0.7質量部であり、さらに好ましくは0.3〜0.68質量部である、前記<1>〜<32>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<36>
分散相を構成する油滴の平均粒子径が、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは1.1μm以上である、前記<1>〜<35>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<37>
分散相を構成する油滴の平均粒子径が、好ましくは1.5μm以下であり、より好ましくは1.4μm以下である、前記<1>〜<36>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<38>
分散相を構成する油滴の平均粒子径が、好ましくは1〜1.5μmであり、より好ましくは1.1〜1.4μmである、前記<1>〜<35>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<39>
油相成分に対する水相成分の割合(水相成分/油相成分)が、好ましくは1.5以上であり、より好ましくは1.5〜4である、前記<1>〜<38>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
<40>
少なくとも穀粉と、水と、前記<1>〜<39>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物とを混合して麺帯を調製することを含む、麺帯食品の製造方法。
<41>
穀粉が、好ましくは小麦粉、米粉、そば粉、大麦粉、ライ麦粉、トウモロコシ粉、及びひえ粉から選ばれる1種又は2種以上を含有する、前記<40>に記載の製造方法。
<42>
前記穀粉が、好ましくは澱粉を含有する、前記<40>又は<41>に記載の製造方法。
<43>
前記澱粉が、好ましくは小麦澱粉、大麦澱粉、ライ麦澱粉、エンバク澱粉、トウモロコシ澱粉、米澱粉、豆類澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、ヒシ澱粉、クリ澱粉、サゴ澱粉、ナガイモ澱粉、レンコン澱粉、クワイ澱粉、ワラビ澱粉、ユリネ澱粉、及びアミロメイズ澱粉から選ばれる1種又は2種以上である、前記<42>に記載の製造方法。
<44>
前記穀粉が、好ましくはこんにゃく粉、グルテン粉、及び加工澱粉から選ばれる1種又は2種以上を含む、前記<40>〜<43>のいずれか1つに記載の製造方法。
<45>
前記穀粉の配合量100質量部に対して、前記<1>〜<39>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物の配合量が、好ましくは0.1質量部以上であり、より好ましくは0.2質量部以上であり、さらに好ましくは0.5質量部以上である、前記<40>〜<44>のいずれか1つに記載の製造方法。
<46>
前記穀粉の配合量100質量部に対して、前記<1>〜<39>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物の配合量が、好ましくは5質量部以下であり、より好ましくは3質量部以下であり、さらに好ましくは2質量部以下である、前記<40>〜<45>のいずれか1つに記載の製造方法。
<47>
前記穀粉の配合量100質量部に対して、前記<1>〜<39>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物の配合量が、好ましくは0.1〜5質量部であり、好ましくは0.2〜3質量部であり、より好ましくは0.5〜2質量部である、前記<40>〜<44>のいずれか1つに記載の製造方法。
<48>
前記穀粉の配合量100質量部に対して、水の配合量が、好ましくは10〜60質量部であり、より好ましくは15〜50質量部であり、さらに好ましくは25〜35質量部である、前記<40>〜<47>のいずれか1つに記載の製造方法。
<49>
少なくとも穀粉と、水と、前記<1>〜<39>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物と、かん水とを混合して麺帯を調製することを含む、前記<40>〜<48>のいずれか1つに記載の製造方法。
<50>
前記麺帯食品が、好ましくは中華麺、焼きそば、うどん、そば、パスタ類、餃子の皮、シュウマイの皮、ワンタンの皮、及び小龍包の皮から選ばれる1種又は2種以上である、前記<40>〜<49>のいずれか1つに記載の製造方法。
<51>
前記<40>〜<50>のいずれか1つに記載の製造方法により得られる麺帯食品。
<52>
前記<1>〜<39>のいずれか1つに記載の麺帯用水中油型乳化組成物を用いた麺帯食品。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[分析方法]
油滴の平均粒子径:
試料を0.5%ドデシル硫酸ナトリウム溶液に適量希釈して、その懸濁液をレーザー回析式粒度分布測定装置SALD−2100(島津製作所社製)の撹拌槽に分散し、乳化粒子径(単位:μm)を分析した。体積基準の粒子径分布より算出される体積基準の平均粒子径を平均粒子径とした。
[調製例1] 麺帯用乳化組成物の調製
ナタネ油(日清オイリオ社製)及び大豆レシチン(商品名:日清レシチンDX、日清オイリオ社製、リン脂質含有量64質量%)を下記表1に示す割合(単位:質量部)で混合して油相成分を調製した。
また、70%ソルビトール(商品名:ソルビトール花王、花王社製)、デカグリセリンモノミリステート(商品名:リョートーポリグリエステルM−7D、三菱化学フーズ社製)、及び水を下記表1に示す割合(単位:質量部)で混合して水相成分を調製した。
上記水相成分を上記油相成分に徐々に添加しながらホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて60℃、11500rpmで攪拌乳化し、水中油型の乳化組成物である実施例1〜5及び比較例1〜8を得た。得られた各乳化組成物を15℃まで冷却し、冷蔵庫(5℃)にて1日保存した後、下記の試験例に用いた。表1の中段には、各乳化組成物中の成分a〜eの含有量(単位:質量%)を併せて示した。
[試験例1] 食塩含有アルカリ性水溶液中での乳化安定性
得られた各乳化組成物を食塩含有アルカリ性水溶液中に添加し、乳化安定性を評価した。具体的には、水30gに食塩10gと粉末かん水(オリエンタル酵母工業社製)2gを溶解して食塩含有アルカリ性水溶液(pH13)を調製し、これに上記各乳化組成物10gを添加して35℃に静置して、24時間後に下記評価基準により乳化安定性を評価した。
結果を表1に示す。
−乳化安定性の評価基準−
3:均一な乳化分散系である。
2:底部に水相が生じる。
1:底部に水相が生じ、上面に油相が生じる。
[調製例2] 麺類の調製
水30gに食塩10g、粉末かん水(オリエンタル酵母工業社製)2g、上記各種乳化組成物10gを溶解ないし分散して練水を調製した。この練水を35℃で24時間置いた後、水300gを加えて希釈し、これを小麦粉1000gに加え、10分間混合してそぼろ状の麺生地とした。
得られた麺生地について、製麺ロール(ロール間隙3.5mm)にて麺帯にまとめ、室温下(約20℃)、ビニール袋中に入れて30分間熟成させた。次いで、麺帯をさらに製麺ロールで圧延し、約1.4mm厚の麺帯とした後、No.22の角刃を用いて麺線に切り出し、この麺線をビニール袋に入れて室温下(約20℃)に一晩放置し、中華麺を得た。
[試験例2] 製麺性の評価
上記調製例2における麺生地について、そのべたつき伸展性を評価することで製麺性を評価した。以下に評価基準を示し、結果を表1に示す。
−製麺性の評価基準−
5:ベとつきがより抑えられ、生地伸展性に富む。
4:ベとつきが少なく、生地伸展性が良好である。
3:ベとつきを感じ、生地伸展性にやや劣る。
2:ベとつきがやや強く、生地伸展性に劣る。
1:ベとつきが強く、生地伸展性も悪い。
[試験例3] 風味及び食感の評価
上記調製例2で得られた中華麺のうち、上記試験例2において製麺性が評価4以上のものについて十分量の沸騰水中にて2分30秒茹であげ、風味と食感を、専門パネル5名により下記評価基準に基づき評価した。結果を表1に示す。
−風味の評価基準−
5:旨みがより高められて、美味しさがより向上している。
4:旨みが高められて美味しい。
3:旨みが高められていないが、異味も感じない。
2:やや異味を感じ、美味しさに劣る。
1:かなり異味が強く、美味しくない。
−食感の評価基準−
5:食感がよりソフトでありながら、モチモチとした弾力のある歯応えも堪能できる。
4:食感がソフトで、モチモチとした弾力のある歯応えも感じる。
3:普通の食感である。
2:やや柔らかすぎて、弾力が弱い。
1:柔らかすぎて、歯応えをほとんど感じない。
Figure 0005654695
表1の結果から、成分dとは異なるポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた場合又は成分dのポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が本発明で規定するよりも少ない場合には、乳化安定性に劣る結果となり、これを用いて調製した麺生地はベトつきが強く生地伸展性も悪かった(比較例1、9、10)。逆に、成分dのポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が本発明で規定するよりも高いと乳化安定性は良好で、製麺性も改善するが、これを用いて製造した麺帯食品の風味に劣る結果となった(比較例8)。
また、リン脂質を含まない場合は、乳化安定性と製麺性のいずれにも劣る結果となった(比較例3、5、7)。リン脂質の含有量が本発明で規定するよりも高い場合も同様に、乳化安定性と製麺性のいずれにも劣る結果となった(比較例6)。
さらに、個々の成分の含有量が本発明の規定内であっても、成分dのポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量に対するリン脂質の含有量の比率が本発明で規定するよりも高い場合には、乳化安定性と製麺性が顕著に劣る結果となった(比較例2、4)。
これに対し、本発明の規定のすべてを満足する乳化組成物は、いずれも乳化安定性に優れ、これを用いて調製した麺生地は、ベトつきがより抑えられ、生地伸展性に富むものであった。また、当該麺生地から調製した麺帯食品は、旨みが高められて美味しく、さらに、食感がソフトで、モチモチとした弾力のある歯応えを感じるものであった(実施例1〜12)。

Claims (5)

  1. a:大豆油、菜種油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、米油、ひまわり油及び胡麻油から選ばれる1種又は2種以上の油脂 25〜50質量%、
    b:大豆由来のリン脂質 0.06〜1.8質量%、
    c:糖アルコールからなる多価アルコール 30〜60質量%、
    d:平均重合度が5以上のポリグリセリンと炭素数12〜14の飽和脂肪酸とがエステル結合した構造を有し、エステル化率が40%未満であるポリグリセリン脂肪酸エステル 0.3〜2.4質量%、及び
    e:水 10〜30質量%
    を含有し、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量1質量部に対して前記大豆由来のリン脂質の含有量が0.2〜0.75質量部である、麺帯用水中油型乳化組成物。
  2. 麺帯用水中油型乳化組成物中の油滴の平均粒子径が1μm以上である、請求項1に記載の麺帯用水中油型乳化組成物。
  3. 少なくとも穀粉と、水と、請求項1又は2に記載の麺帯用水中油型乳化組成物とを混合して麺帯を調製する工程を含む、麺帯食品の製造方法。
  4. 穀粉の配合量100質量部に対して、請求項1又は2に記載の麺帯用水中油型乳化組成物の配合量が0.1質量部以上である、請求項に記載の麺帯食品の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の麺帯用水中油型乳化組成物を用いた麺帯食品。
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