JP5650034B2 - コク味付与物質のスクリーニング方法、コク味付与物質及びその利用 - Google Patents

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本発明は、コク味付与物質のスクリーニング方法、コク味付与物質、飲食品の評価方法又は製造工程管理方法、及びコク味付与物質の検出用キットに関するものである。
飲食品分野において、呈味物質は古くから使用されてきた。特に、甘味、塩味、酸味、苦味に加え、2000年に舌の味蕾にある感覚細胞にグルタミン酸受容体(mGluR4)が発見されたうま味を加えた5基本味を有する物質又はこれらを増強する物質が調味料として広く利用されている。さらに、上記では表せない重要な味覚に「コク味」があり、これは、味の強さ(飲み応え)、味のひろがり(厚み)及び味の経時変化(余韻)が合わさったものである。
従来、コク味を付与するための物質として、グルタチオン誘導体、ゼラチン及びトロポミオシンの加熱物、スルホン基含有化合物、ペプチド性物質などがいくつか報告されている。特に、コク味を増強する方法として、ペプチド性のものは、分子量1000〜5000のペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物を飲食品に添加することを特徴とする、飲食品の風味改良方法が開示されている(特許文献1)。また、1000Da〜5000Daの画分から調製される糖鎖を有するメイラード反応産物がコク味付与作用を有することも開示されている(非特許文献1)。
また、有効成分として、分子量が1,000から30,000である糖鎖とペプチドが結合してなる糖ペプチドを含有するコク味付与機能を有する調味料などが開示されている(特許文献2)が、その例は少なく、未だ満足できるコク味付与物質は得られていない。
かかる現状から、より優れたコク味付与作用を有する物質の開発が望まれており、このため、簡便かつ高感度でコク味付与物質をスクリーニングできる方法が望まれている。例えばカルシウム受容体活性を指標とするスクリーニング方法(特許文献3)が開示されているが、この評価指標は、基本的にカルシウムのホメオスタシスに関して行われる生体機能・疾患病因に関する指標であり、目的とする「コク味」の指標としては、十分ではない。つまり、味わい又はコク味に寄与する成分の良好な指標がないことがコク味付与物質の開発の難しさにつながっていると言える。従って優れた指標を提示できるコク味付与物質のスクリーニング方法を提供することも必要とされている。
特許第3623753号 国際公開WO2006/104022 特表2009−514791号公報
Food Chemistry 99 (2006) 600-604
本発明は、少量で優れたコク味付与作用を発揮するコク味付与物質の新規なスクリーニング方法、及び少量で優れたコク味付与作用を発揮するコク味付与物質を提供することを課題とする。さらに、コク味付与物質を指標とする飲食品の評価方法及び製造工程管理方法、並びにコク味付与物質の検出用キットを提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、タンパク質又はペプチド中の側鎖アミノ基とカルボニル化合物とがアミノ−カルボニル反応(糖化反応又はメイラード反応ともいう)して生成するアミノ−カルボニル反応物である終末糖化産物AGE(Advanced Glycation End Products)、さらに好ましくはカルボキシアルキルアミノ酸に対する抗体と反応性を有する(該抗体と結合する)物質に、優れたコク味付与作用があることを見出した。また、カルボキシアルキルアミノ酸に対する抗体と反応性を有する物質の中でも、麦汁煮沸液に由来する分子量10〜20kDaのペプチドが特に強いコク味付与作用を有することを見出した。背景技術にも記載したが、国際公開WO2006/104022に開示された調味料は、糖ペプチド(分子量が1,000から30,000)を含有するが、本発明のスクリーンニング方法により得られるコク味付与物質は、タンパク質又はペプチド中の側鎖アミノ基とカルボニル化合物とがアミノ−カルボニル反応(糖化反応又はメイラード反応ともいう)して生成するアミノ−カルボニル反応物である終末糖化産物AGEであるため、前記糖ペプチドとは構造的にも全く異なるコク味付与物質である。また、本発明のスクリーニング方法で得られたコク味付与物質を飲食品に添加することにより飲食品にコク味を付与する又は該飲食品のコク味を増強させることができること、このような物質を指標として、飲食品のコク味等の定量的な評価及び飲食品の製造工程管理をすることができることを見出した。
本発明者らは、これらの知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
(1)カルボキシアルキルアミノ酸に対する抗体を使用し、該抗体に対する反応性を指標とすることを特徴とするコク味付与物質のスクリーニング方法。
(2)カルボキシアルキルアミノ酸が、カルボキシメチルリジン又はカルボキシエチルリジンである前記(1)に記載のスクリーニング方法。
(3)コク味付与物質が、甘味、塩味、酸味、苦味及びうま味の少なくとも一種を増強するものである前記(1)又は(2)に記載のスクリーニング方法。
(4)(a)抗体と被験物質とを接触させる工程、(b)被験物質に対する該抗体の結合を検出する工程、及び(c)該抗体に結合した被験物質を候補物質として選択する工程をこの順に含む前記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)抗体が、モノクローナル抗体である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)被験物質が、麦汁由来のものである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の方法により得られるコク味付与物質。
(8)麦芽煮沸液由来のものである前記(7)に記載のコク味付与物質。
(9)カルボキシメチルリジンを含み、かつ分子量10〜20kDaのペプチドである前記(7)又は(8)に記載のコク味付与物質。
(10)前記(7)〜(9)のいずれかに記載のコク味付与物質を指標とした、飲食品の評価方法又は製造工程管理方法。
(11)前記(7)〜(9)のいずれかに記載のコク味付与物質の量を測定する工程を含む前記(10)に記載の方法。
(12)前記(1)〜(5)のいずれかに記載のスクリーニング方法を行うためのカルボキシアルキルアミノ酸に対する抗体を含むコク味付与物質検出用キット。
本発明によれば、少量で優れたコク味付与作用を発揮するコク味付与物質を効果的にスクリーニングすることができる。また、本発明のスクリーニング方法により得られるコク味付与物質は、優れたコク味付与作用を有するものであるため、該物質を少量使用するだけで飲食品のコク味を効果的に増強することができる。さらに、該コク味付与物質を指標とすることにより、飲食品の品質等の評価、飲食品の製造工程における管理等を効果的に行なうことができる。
図1は、麦汁とAGE抗体(CML抗体)とを反応させた間接競合ELISAの結果を示す図である。 図2Aは、煮沸前後の麦汁中に含まれるタンパク質をSDS−PAGEにより解析した結果を示す図であり、図2Bは、煮沸前後の麦汁中に含まれるAGE産物(メイラード反応したタンパク質)をウェスタンブロッティングにより検出した結果を示す図である。 図3は、煮沸した麦汁に含まれるタンパク質をゲル濾過により分離した際の各フラクション中の乾燥物重量を示す図である。 図4は、煮沸した麦汁に含まれるタンパク質をゲル濾過により分離した際の各フラクション中のAGE産物(メイラード反応したタンパク質)量を示す図である。 図5は、煮沸した麦汁に含まれるタンパク質をゲル濾過により分離した際の各フラクションについて官能試験を行なった結果を示す図である。 図6は、各ワインとAGE抗体(CML抗体)とを反応させた間接競合ELISAの結果を示す図である。 図7は、各ビールとAGE抗体(CML抗体)とを反応させた間接競合ELISAの結果を示す図である。 図8は、各味噌の抽出液とAGE抗体(CML抗体)とを反応させた間接競合ELISAの結果を示す図である。 図9は、各日本酒とAGE抗体(CML抗体)とを反応させた間接競合ELISAの結果を示す図である。 図10は、各チーズの抽出液とAGE抗体(CML抗体)とを反応させた間接競合ELISAの結果を示す図である。
本発明のコク味付与物質のスクリーニング方法は、タンパク質又はペプチドのアミノ−カルボニル反応産物(メイラード反応したタンパク質)に対する抗体を使用するものであり、カルボキシアルキルアミノ酸(以下、CM化アミノ酸ともいう)、ペントシジンなどのAGEに対する抗体を使用し、該抗体に対する反応性を指標とする。好ましくは、カルボキシアルキルアミノ酸に対する抗体を使用し、該抗体に対する反応性を指標とする。
カルボキシアルキルアミノ酸として、好ましくは、当該カルボキシアルキルアミノ酸のアルキル部分が炭素原子1個から炭素原子4個の低級アルキルであるものであり、より好ましくは、メチル又はエチルであり、特に好ましくは、メチルである。当該カルボキシアルキルアミノ酸のアミノ酸部分は、側鎖にアミノ基を有するアミノ酸であり、リジン、アルギニン、アスパラギン、又はグルタミンが好ましい。特に好ましくは、リジンである。
例えば、カルボキシアルキルアミノ酸中、カルボキシメチルリジン(以下、CMLともいう)は、側鎖アミノ基がカルボキシメチル化(以下、CM化ともいう)されたリジン(N−ε−カルボキシメチルリジン)であり、本発明におけるカルボキシアルキルアミノ酸として好ましい。同様に、アルキル部分がエチルであるカルボキシエチルリジン(以下、CELともいう)、アミノ酸部分がアルギニンであるカルボキシメチルアルギニン(以下、CMAともいう)なども好適である。
本発明における抗体は、カルボキシメチルリジン又はカルボキシエチルリジンに対する抗体が好ましく、中でも、カルボキシメチルリジンに対する抗体がより好ましい。
上記のカルボキシアルキルアミノ酸に対する抗体は、遊離のカルボキシアルキルアミノ酸に反応し、かつタンパク質又はペプチドを構成するアミノ酸であって側鎖にアミノ基を有するアミノ酸全体の内、アミノ基が1つでもカルボキシアルキル化された形で存在するカルボキシアルキルアミノ酸にも反応する抗体であることが好ましい。すなわち本発明で用いられる抗体は、遊離のカルボキシアルキルアミノ酸、カルボキシアルキルアミノ酸を含むタンパク質及びカルボキシアルキルアミノ酸を含むペプチドと反応性を有する(結合する)抗体である。中でも、本発明で用いられるカルボキシアルキルアミノ酸に対する抗体として、カルボキシアルキルアミノ酸を含むタンパク質及びカルボキシアルキルアミノ酸を含むペプチドと反応性を有する(結合する)抗体がより好ましい。
本発明におけるカルボキシアルキルアミノ酸を含むタンパク質及びカルボキシアルキルアミノ酸を含むペプチドは、通常、タンパク質又はペプチド中のリジン残基等の側鎖アミノ基とカルボニル化合物とが、アミノ−カルボニル反応(糖化反応又はメイラード反応ともいう)して生成するアミノ−カルボニル反応物であり、終末糖化産物AGE(Advanced Glycation End Products)の一種である。カルボキシアルキルアミノ酸を含むペプチドは、2個以上のアミノ酸を含めばよい。
本発明の方法において用いられる抗体は、抗原であるカルボキシアルキルアミノ酸、カルボキシアルキルアミノ酸を含むタンパク質、及びカルボキシアルキルアミノ酸を含むペプチドに結合し得る抗体分子全体又はその断片(例えば、Fab又はF(ab’)断片)を意味し、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよい。好ましくは、モノクローナル抗体である。ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体は、種々の方法のいずれかによって製造することができる。このような抗体の製造法は当該分野で周知である(例えばSambrook, J et al., Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)を参照)。
本発明の方法において用いられるモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体は、市販のものを購入して使用することができる。例えば、トランスジェニック社から供給されているAGE抗体が挙げられる。また、カルボキシアルキルアミノ酸を含むタンパク質又はカルボキシアルキルアミノ酸を含むペプチドを抗原として用いて製造することもできる。例えば、カルボキシメチルアミノ酸に対する抗体は、特開2000−219700号公報、特開2003−160599号公報、特許第4012722号明細書、特開2007−277263号公報、特開2007−326870号公報、特開2009−96731号公報等に記載されている方法に従って製造することができる。カルボキシエチルアミノ酸に対する抗体は、例えば、特開2008−266271号公報、特開2000−7700号公報等に記載されている方法に従って製造することができる。
以下に、カルボキシメチルリジン(CML)等のCM化アミノ酸に対する抗体を例に、抗体の具体的な製造方法の一例を示す。
1.CM化タンパク質、CM化ペプチド及びCM化アミノ酸の調製
CM化する対象となるタンパク質は、複合タンパク質、単純タンパク質、糖タンパク質、リポタンパク質などいずれのものでもよい。これらのタンパク質としては、例えばアルブミン(BSA等)、ヘモグロビン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ヒト血清アルブミン(HSA)、リボヌクレアーゼ(RNase)、βマイクログロブリン、ヒストン、コラーゲン、血球膜タンパク質、又は低密度若しくは高密度リポタンパク質などが挙げられる。また、タンパク質に限らず、ペプチド、例えばオリゴペプチド、ポリペプチドも用いることができ、タンパク質から修飾又は分解を受けて合成されたものも使用可能である。例えば、CMLに対する抗体を製造する場合には、リジンを含むタンパク質、ペプチド又はリジンをCM化して用いる。
上記のタンパク質又はペプチド中の側鎖アミノ基をCM化するには、BSAなどのタンパク質数十mg/mL(例えば5〜50mg/mL)と数十mg/mL(例えば10〜100mg/mL)のグリオキシル酸をリン酸緩衝液中(グリオキシル酸の5倍のモル量のNaCNBHを含む、pH7.4)で、室温で24時間程度反応させる方法などが好適である。上記方法によって得られたCM化タンパク質は、透析、液体カラムクロマトグラフィーなどによって精製された後、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体の作製に供される。
CM化ペプチド及びCM化アミノ酸は、上述したように得られたCM化タンパク質をトリプシン、ペプシン、パパイン、アプロチニン、ロイペプチン等のプロテアーゼ又は、塩酸、硫酸などの酸による加水分解処理で得ることができる。例えば、数十mg/mL(例えば5〜70mg/mL)の上記CM化タンパク質数十μL(例えば10〜50μL)と数十mg/mL(例えば10〜80mg/mL)のトリプシン溶液数十μL(例えば20〜50μL)とを混合し、37℃水浴中で3時間反応させる。5mMのAEBSFで反応を停止させ、これにより、上記CM化タンパク質を酵素処理することができ、CM化ペプチド及びCM化アミノ酸を得ることができる。なお、上記混合溶液にトリプシン阻害剤(例えば4-(2-Aminoethyl)benzenesulfonylfluoride,HCL(AEBSF))を添加することによって、トリプシンによる加水分解反応を停止させることができる。
2.CM化タンパク質に対する抗体の作製方法
(1)CM化タンパク質に対するモノクローナル抗体の作製
(i)抗体産生細胞の採取
前記のようにして作製したCM化タンパク質、CM化ペプチド又はCM化ペプチドを抗原として、哺乳動物、例えばラット、マウス、ウサギなどに投与する。抗原の動物1匹当たりの投与量は、アジュバントを用いないときは0.1〜10mgであり、アジュバントを用いるときは1〜100μgである。アジュバントとしては、フロイント完全アジュバント(FCA)、フロイント不完全アジュバント(FIA)、水酸化アルミニウムアジュバント等が挙げられる。免疫は、主として静脈内、皮下、腹腔内に注入することにより行われる。また、免疫の間隔は特に限定されず、例えば、好ましくは数日から数週間間隔、より好ましくは2〜5週間間隔で、好ましくは1〜10回、より好ましくは2〜5回免疫を行う。そして、最終の免疫日から、好ましくは1〜60日後、より好ましくは1〜14日後に抗体産生細胞を採集する。抗体産生細胞としては、脾臓細胞、リンパ節細胞、末梢血細胞等が挙げられるが、脾臓細胞又は局所リンパ節細胞が好ましい。
(ii) 細胞融合
ハイブリドーマを得るため、抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合を行う。抗体産生細胞と融合させるミエローマ細胞として、マウス等の動物の一般に入手可能な株化細胞を使用することができる。使用する細胞株としては、薬剤選択性を有し、未融合の状態ではHAT選択培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジンを含む)で生存できず、抗体産生細胞と融合した状態でのみ生存できる性質を有するものが好ましい。ミエローマ細胞としては、例えば、P3X63−Ag.8.U1(P3U1)、NS−I等のマウスミエローマ細胞株が挙げられる。
次に、上記ミエローマ細胞と抗体産生細胞とを細胞融合させる。細胞融合は、血清を含まないDMEM、RPMI−1640培地等の動物細胞培養用培地中で、好ましくは約1×10〜1×10個/mLの抗体産生細胞と約2×10〜2×10個/mLのミエローマ細胞とを混合し(抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞比5:1程度が好ましい)、細胞融合促進剤存在のもとで融合反応を行う。細胞融合促進剤として、平均分子量約1000〜6000ダルトン(Da)のポリエチレングリコール等を使用することができる。また、電気刺激(例えばエレクトロポレーション)を利用した市販の細胞融合装置を用いて抗体産生細胞とミエローマ細胞とを融合させることもできる。
(iii) ハイブリドーマの選別及びクローニング
細胞融合処理後の細胞から目的とするハイブリドーマを選別する。その方法として、細胞懸濁液を例えばウシ胎児血清含有RPMI−1640培地等で適当に希釈後、マイクロタイタープレート上に3×10個/well程度まき、各ウエルに選択培地を加え、以後適当に選択培地を交換して培養を行う。その結果、選択培地で培養開始後、10日前後から生育してくる細胞をハイブリドーマとして得ることができる。
次に、増殖してきたハイブリドーマの培養上清中に、CM化タンパク質に反応する抗体が存在するか否かをスクリーニングする。ハイブリドーマのスクリーニングは、通常の方法に従えばよく、特に限定されるものではない。例えば、ハイブリドーマとして生育したウエルに含まれる培養上清の一部を採集し、酵素免疫測定法、放射性免疫測定法等によってスクリーニングすることができる。
具体的には、ELISA法等により複数種のCM化タンパク質に反応し、複数種のCM化されていないタンパク質を抗原として、前者に反応し後者に反応しないモノクローナル抗体を産生する細胞であるハイブリドーマを樹立する。融合細胞のクローニングは、限界希釈法等により行う。そして、最終的に、複数種のCM化タンパク質とは反応するがCM化されていないタンパク質に反応しないモノクローナル抗体を産生する細胞であるハイブリドーマを樹立する。
(iv) モノクローナル抗体の採取
樹立したハイブリドーマからモノクローナル抗体を採取する方法として、通常の細胞培養法又は腹水形成法等を採用することができる。細胞培養法においては、得られたハイブリドーマを無血清の動物細胞培養培地中で、通常の培養条件(例えば37℃、5%CO濃度)で7〜14日間培養し、その培養上清から抗体を取得する。
腹水形成法の場合は、ミエローマ細胞由来の哺乳動物と同種系動物の腹腔内にハイブリドーマを約1×10個投与し、ハイブリドーマを大量に増殖させる。そして、1〜2週間後に腹水を採集する。上記抗体の採取方法において抗体の精製が必要とされる場合は、硫安塩析法、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過、アフィニティークロマトグラフィーなどの公知の方法を適宜選択して、又はこれらを組み合わせることにより精製することができる。
本発明においては、上記方法により得られるモノクローナル抗体等を好適に使用することができる。例えば、CMLに対する抗体として、特許第4012722及び特開2003−160599号公報の実施例1に記載されているMouse−Mouse hybridoma NF−1G(独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番1号)に、平成13年11月6日付でFERM P−18589として寄託されている);特開2000−219700号の実施例1に記載されているMouse−Mouse hybridoma CMS−10(独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番1号)に、平成11年1月20日付でFERM P−17153として寄託されている)等のハイブリドーマにより産生されるモノクローナル抗体を好適に使用できる。より好ましくは、Mouse−Mouse hybridoma NF−1G(独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番1号)に、平成13年11月6日付でFERM P−18589として寄託されている)により産生されるモノクローナル抗体である。CELに対する抗体として、例えば、特開2000−7700号公報の実施例1に記載されているハイブリドーマKNH−30(名称:「Mouse−Mouse hybridoma KNH−30」、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番1号)に、平成10年6月16日付でFERM P−16842として寄託されている)等により産生されるモノクローナル抗体等を好適に使用できる。
(2)CM化タンパク質に対するポリクローナル抗体の作製
前記CM化タンパク質又はCM化ペプチドを抗原として、これを哺乳動物、例えばラット、マウス、ウサギなどに投与する。抗原の動物1匹当たりの投与量は、アジュバントを用いないときは0.1〜100mgであり、アジュバントを用いるときは1〜100μgである。アジュバントとしては、フロイント完全アジュバント(FCA)、フロイント不完全アジュバント(FIA)、水酸化アルミニウムアジュバント等が挙げられる。免疫は、主として静脈内、皮下、腹腔内等に注入することにより行われる。また、免疫の間隔は特に限定されず、数日から数週間間隔、好ましくは2〜5週間間隔で、1〜10回、好ましくは2〜5回免疫を行う。そして、最終の免疫日から6〜60日後に、酵素免疫測定法(ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)又は EIA(enzyme immunoassay))、放射性免疫測定法(RIA;radioimmuno assay)等で抗体価を測定し、最大の抗体価を示した日に採血し、抗血清を得る。
その後は、CM化タンパク質(BSAなど)を用い、これらタンパク質に対する抗血清中のポリクローナル抗体の反応性をELISA法などで測定する。そして、CM化タンパク質に反応し、CM化されていないタンパク質に反応しない画分を集めることで、CM化されたタンパク質のみに反応するポリクローナル抗体を得ることができる。
上述した抗体の製造方法において、例えば、CM化タンパク質に替えてカルボキシエチル(CE化)タンパク質、CE化ペプチド、又はCE化アミノ酸を用いると、カルボキシエチルアミノ酸に対する抗体を製造することができる。
本発明においては、上記カルボキシアルキルアミノ酸に対する抗体を使用し、該抗体に対する反応性を指標としてコク味付与物質をスクリーニングする。該抗体に対する反応性とは、通常、該抗体と結合することを意味する。本発明の方法は、例えば、味の強さ(飲み応え)、味のひろがり(厚み)及び味の経時変化(余韻)の少なくとも一種を増強するコク味付与物質のスクリーニングに好適である。また、飲食品等において味の強さ(飲み応え)、味のひろがり(厚み)及び味の経時変化(余韻)の少なくとも一種が増強されると、甘味、塩味、酸味、苦味及びうま味のいずれか又はこれらの2以上も増強されることから、本発明の方法は、甘味、塩味、酸味、苦味及びうま味の少なくとも一種を増強するコク味付与物質のスクリーニングにも好適である。
本発明の方法は、例えば、(a)カルボキシアルキルアミノ酸に対する抗体と被験物質とを接触させる工程、(b)被験物質に対する該抗体の結合を検出する工程、及び(c)該抗体に結合した被験物質を候補物質として選択する工程をこの順に含むことが好ましい。本発明の方法は、さらに、(d)選択した候補物質のコク味付与効果を評価する工程を含んでもよい。
工程(a)における抗体と被験物質との接触(反応)は、通常溶液中で行われる。工程(a)において、抗体及び被験物質を溶液中で反応させる条件は特に限定されず、例えば、後述する工程(b)で使用される検出方法(例えば、ELISA法などの免疫検出法)における通常の条件を用いればよい。
工程(b)において、被験物質に対する抗体の結合(被験物質と抗体との結合)を検出する方法は特に限定されず、通常、公知の免疫検出法を用いることができる。例えば、酵素標識抗体を用いる方法のほか、抗体と抗原との結合を検出する公知の方法を好適に採用することができる。
例えば、酵素標識抗体等を用いて、被験物質を添加した場合と添加しなかった場合との発色の程度を比較し、被験物質を添加した場合の発色の程度が大きい(又は小さい)場合に該被験物質が抗体と結合したと判定される。
一例として、例えば、工程(a)で被験物質と上記抗体とを反応させた後、酵素標識抗体(二次抗体)を添加して反応させる工程、次いで該酵素の基質を添加して酵素による発色反応をさせる工程、発色の程度を比色計等により測定する工程、該発色の程度を、被験物質を添加しない場合と比較する工程を行ない、該被験物質を添加した場合の発色の程度が、被験物質を添加しない場合と比較して大きい場合に該被験物質が抗体と結合したと判定される。
このような方法として、例えば、工程(a)で被験物質と上記抗体とを反応させた後、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)などで標識した抗マウスIgG抗体(二次抗体)をさらに反応させる方法が挙げられ、CM化アミノ酸、CM化ペプチド及びCM化タンパク質等のカルボキシアルキルアミノ酸又は該アミノ酸を含むペプチド若しくはタンパク質を検出及び定量することが可能である。
また、酵素標識抗体を用いる方法として、例えば、競合ELISA法(好ましくは間接競合ELISA法)によって被験物質に対する抗体の結合を検出することができる。CM化アミノ酸に対する抗体を用いる場合を例に挙げて説明すると、間接競合ELISA法においては、既知のCM化タンパク質、CM化ペプチド又はCM化アミノ酸(例えば、上記抗体の製造に用いたCM化アミノ酸等)をマイクロプレート、試験管等にコーティング(固定化)したものに、被験物質を含む試料及び上記CM化アミノ酸に対する抗体(一次抗体)を添加し競合反応をさせ、固定化したCM化アミノ酸等と結合しなかった被験物質及び一次抗体を洗浄除去後、二次抗体(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)などで標識した抗マウスIgG抗体等)を加えて一次抗体と結合させる。コントロールにおいては、被験物質を含む試料を添加しない以外は同様の手順を行う。次いで、酵素基質を添加して酵素による発色反応をさせ、発色の程度を比色計等で測定し、被験物質を添加した場合と被験物質を添加しなかった場合(コントロール)との発色度を比較する。被験物質の添加により、コントロールと比較して発色度が減少する場合には、該被験物質がCM化アミノ酸に対する抗体に結合したと判定される。
CM化アミノ酸に対する抗体への結合が検出された被験物質は、候補物質として選択される。
本発明の方法においては、1種又は2種以上の被験物質を含む試料を用いてスクリーニングを行なうことができる。試料は特に限定されないが、例えば、飲食品、その原料、中間原料等を好適に用いることができ、例えば、加熱や熟成などの工程によりメイラード反応が進行した飲食品、その原料、中間原料を好適に用いることができ、発泡酒等のビールテイスト飲料、ビール、及びその原料(麦汁、麦芽等)等のほか、シチュー、カレー、ラーメンや蛋白質加水分解調味料など、長時間加熱する食品も好適に用いることができる。さらに、日本酒、ワイン、熟成チーズ、味噌、醤油、塩辛などの熟成発酵食品も好適に用いることができる。試料は、好ましくは、麦汁、ワイン、ビール、味噌、日本酒、熟成チーズ等であり、特に好ましくは麦汁である。
選択した候補物質のコク味付与効果の評価は、例えば、官能評価等により行なうことができる。例えば、選択した候補物質の水溶液を調製し、該水溶液の官能評価を行なうことによりコク味付与効果を判定できる。また、例えば、飲食品に該候補物質を添加し、該候補物質を添加しない場合と比較してコク味が増強されると、コク味付与効果があると判定される。本発明におけるコク味付与物質は、例えば、味の強さ(飲み応え)、味のひろがり(厚み)及び味の経時変化(余韻)の少なくとも一種を増強するものであることが好ましい。例えば、飲食品に該候補物質を添加し、該候補物質を添加しない場合と比較して、味の強さ(飲み応え)、味のひろがり(厚み)及び味の経時変化(余韻)の少なくとも一種が増強されると、コク味付与効果があると判定される。コク味付与効果が確認された候補物質は、本発明におけるコク味付与物質として好適に用いられる。
スクリーニング方法により得られた1種又は2種以上のコク味付与物質は、タンパク質及びペプチドの精製に用いられる公知の手法、例えば、ゲルろ過等によりさらに精製することができる。また、SDS−PAGE、二次元電気泳動、アミノ酸分析等のタンパク質及びペプチドの分析に用いられる公知の手法により、その構造、アミノ酸組成等を適宜決定できる。
本発明のスクリーニング方法で得られるコク味付与物質も、本発明の1つである。本発明のコク味付与物質は、通常、メイラード反応を受けたアミノ酸を含むタンパク質若しくはペプチド、又はメイラード反応を受けたアミノ酸である。中でも、メイラード反応を受けたアミノ酸を含むタンパク質又はペプチドが好ましい。また、好ましくは、カルボキシアルキルアミノ酸を含むタンパク質若しくはペプチド、又はカルボキシアルキルアミノ酸であり、より好ましくは、カルボキシアルキルアミノ酸を含むタンパク質又はペプチドである。中でも、好ましくは、カルボキシメチルアミノ酸を含むタンパク質若しくはペプチド、又はカルボキシメチルアミノ酸であり、特に好ましくは、カルボキシメチルリジンを含むタンパク質又はペプチドである。
本発明のコク味付与物質の好ましい態様の1つは、麦汁煮沸液由来のものである。また、本発明のコク味付与物質は、好ましくは、カルボキシメチルリジンを含むペプチドであり、中でも、分子量10〜20kDaのペプチドが好ましい。
このようなカルボキシメチル化ペプチドは、例えば、試料として麦汁煮沸液を用い、カルボキシメチルリジンに対する抗体を用いて上記スクリーニング方法を行ない、選択された候補物質を含む組成物からSDS−PAGE等により分子量約10〜20kDaのペプチドを分離することにより容易に得ることができる。
上記コク味付与物質は、飲食品の評価方法、飲食品の製造工程管理における指標としても好適に用いられるものである。
上記コク味付与物質を指標とした、飲食品の評価方法又は製造工程管理方法も、本発明の1つである。指標として用いられるコク味付与物質は、1種又は2種以上であってよい。本発明の方法においては、コク味付与物質の量を指標とすることが好ましい。コク味付与物質の量を指標とすることにより、官能評価とは異なり、コク味を定量的に評価することができる。
本発明の方法は、コク味付与物質の量を測定する工程を含むことが好ましい。本発明におけるコク味付与物質、すなわちCM化アミノ酸、CM化ペプチド又はCM化タンパク質等のカルボキシアルキルアミノ酸又は該アミノ酸を含むペプチド若しくはタンパク質(好ましくは、CM化ペプチド又はCM化タンパク質等のカルボキシアルキルアミノ酸を含むペプチド又はタンパク質)の量は、上述したスクリーニング方法で用いた抗体を用いて、酵素免疫測定法等の公知の方法により定量することができる。例えば、上述したモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体と試料とを反応させ、次いで酵素標識抗体を用いることにより、コク味付与物質であるCM化アミノ酸、CM化ペプチド及びCM化タンパク質等のカルボキシアルキルアミノ酸又は該アミノ酸を含むペプチド若しくはタンパク質を定量することができる。また、上述したスクリーニング方法で用いた抗体を用いて競合ELISA法を行なうことによっても、コク味付与物質であるCM化アミノ酸、CM化ペプチド及びCM化タンパク質等を定量することができる。
飲食品等に含まれるコク味付与物質の量の測定は、より具体的には、飲食品等そのものを試料溶液として、又は該飲食品等から調製した試料溶液を用いて、例えば、カルボキシアルキルアミノ酸に対する抗体と試料溶液とを接触させる工程、及び(b)試料溶液中のカルボキシアルキルアミノ酸、又はそれを含むペプチド若しくはタンパク質に対する該抗体の結合を検出する工程を含む方法等により行うことができる。
このような定量方法の一例として、競合ELISA法(好ましくは間接競合ELISA法)によってカルボキシアルキルアミノ酸、カルボキシアルキルアミノ酸を含むペプチド又はタンパク質を定量する方法について説明する。CM化アミノ酸に対する抗体を用いる場合を例に挙げて説明すると、間接競合ELISA法においては、既知のCM化タンパク質、CM化ペプチド又はCM化アミノ酸(例えば、上記抗体の製造に用いたCM化アミノ酸等)をマイクロプレート、試験管等にコーティング(固定化)したものに、試料溶液及び上記CM化アミノ酸に対する抗体(一次抗体)を添加し競合反応をさせ、固定化したCM化アミノ酸等と結合しなかった試料溶液画分及び一次抗体を洗浄除去後、二次抗体(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)などで標識した抗マウスIgG抗体等)を加えて一次抗体と結合させる。コントロールにおいては、試料溶液を添加しない以外は同様の手順を行う。次いで、酵素基質を添加して酵素による発色反応をさせ、発色の程度を比色計等で測定し、試料溶液を添加した場合と試料溶液を添加しなかった場合(コントロール)との発色度を比較する。試料溶液の添加により、コントロールと比較して発色度が減少する場合には、該試料溶液中のCM化アミノ酸、CM化アミノ酸を含むペプチド又はタンパク質に結合したと判定される。つまり試料溶液中にCM化アミノ酸、CM化アミノ酸を含むペプチド及びタンパク質の1種又は2種以上が含まれることが確認できる。また、競合ELISA法においては、CM化アミノ酸、CM化アミノ酸含むペプチド及びCM化アミノ酸を含むタンパク質量が多いほど発色度の減少の度合いが大きくなる。従って、CM化アミノ酸、CM化アミノ酸含むペプチド及びCM化アミノ酸を含むタンパク質の量は、発色度の減少の度合いにより測定される。
また、例えば、濃度既知の既知カルボキシアルキルアミノ酸、若しくは該アミノ酸を含むペプチド溶液(又は該アミノ酸を含むタンパク質溶液)を試料溶液の代わりに用いて上記と同様の手順を行って得られた発色度の減少に対する試料溶液の発色度の減少の割合から、カルボキシアルキルアミノ酸、該アミノ酸を含むペプチド又はタンパク質濃度を、既知のカルボキシアルキルアミノ酸を含むペプチド溶液(又はタンパク質溶液)に対して得ることができる。
飲食品の評価方法においては、飲食品中のコク味付与物質の量を測定することにより、飲食品のコク味、味の厚み等を定量的に評価することができる。例えば、ある飲食品中のコク味付与物質の量(濃度)が他の飲食品と比較して多いと、コク味付与物質量が多い飲食品の方が、コク味において優れ、味の厚みがあると評価される。また、飲食品中のコク味付与物質量が一定値以上であると、コク味において優れ、味の厚みがある飲食品であると評価できため、飲食品の品質管理を容易にかつ効率的に行なうこともできる。
飲食品の製造工程管理方法においては、例えば、製造工程の1又は2以上の時点において、原料、中間生成物、又は最終製品をサンプリングし、サンプリングした試料中のコク味付与物質量(濃度)を測定することが好ましい。これにより、原料、中間生成物、又は最終製品のコク味を定量的に評価できるため、最終製品の品質を容易にかつ効率的に管理することができる。また、製造工程の各段階におけるコク味付与物質量の変化をモニターすることによっても、製品の品質を評価及び管理することができる。
このように飲食品の製造工程を管理することにより、一定の品質の飲食品を効率よく製造することができる。
本発明は、上記スクリーニング方法を行うためのカルボキシアルキルアミノ酸に対する抗体を含むコク味付与物質検出用キットも包含する。抗体は、AGE産物に対する抗体であれば良く、上述したカルボキシアルキルアミノ酸に対する抗体が好ましいものの1つである。
このようなキットは、上述したスクリーニング方法、飲食品の評価方法、製造工程管理方法等に好適に使用されるものである。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
参考例1
欧州産麦芽を市販の穀類粉砕機で乾式粉砕し、その4倍の重量の水を加え、常法に従い52℃で20分、65℃で60分撹拌した後、遠心分離及び濾紙濾過によって麦汁を得た(サンプル1)。サンプル1をオートクレーブで100℃で90分間加熱して得られた液体をサンプル2とした。サンプル1にカラメル色素(池田糖化工業株式会社製)を加えることにより430nmにおける吸光度をサンプル2と等しくしたものをサンプル3とした。なお、麦汁の色調による評価は一般的に430nmにおける吸光度を測定することにより行われる。サンプル1〜3の吸光度(430nm)の測定は分光光度計(島津製作所製)により測定した。
上記で製造したサンプル1から3を用いて、訓練されたパネラー20人により味の強さ(飲み応え)、味のひろがり(厚み)及び味の経時変化(余韻)について官能評価を実施した。その結果、サンプル2が最も評価が高く、サンプル1及び3は同程度の評価であり、サンプル2と比較すると低かった。
上記試験から、従来から指標とされている麦汁の色調(430nmにおける吸光度)は、麦汁を加熱することによって生成する味わい及びコクの指標とならないことが明らかとなった。
実施例1
1.麦汁調製方法
欧州産麦芽を市販の穀類粉砕機で乾式粉砕し、その4倍の重量の水を加え、常法に従い52℃で20分、65℃で60分撹拌した後、遠心分離及び濾紙濾過によって麦汁を得た。得た麦汁をオートクレーブで100℃で90分間加熱して得られた液体を煮沸麦汁とした。
2.競合ELISA法
CM化リジンに対する抗体(一次抗体)は、特許第4012722号明細書の実施例1に記載の方法に従って調製した。
特許第4012722号明細書の実施例1に記載の方法に従って得たCM化アルブミンを含む溶液をマイクロプレートに加え、2時間静置しCM化タンパク質等をプレート上に固定化(コーティング)した。溶液とコーティングされていないCM化タンパク質等を洗浄除去後、ゼラチンを含む溶液をプレート上に加え、1時間静置し、以後の工程でプレート上にその他の成分が固定化されないようにゼラチンを固定化した(ブロッキング)。ゼラチン溶液とコーティングされていないゼラチンを洗浄除去後、被験物質を含む試料溶液(上記の煮沸麦汁)及び上記CM化アミノ酸(CM化リジン)に対する抗体(一次抗体)を添加し、1時間静置し競合反応をさせた。固定化したCM化アミノ酸等と結合しなかった被験物質及び一次抗体を洗浄除去後、二次抗体(西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP))で標識した抗マウスIgG抗体を加えて一次抗体と結合させた。コントロールにおいては、煮沸麦汁を添加しない以外は同様の手順を行った。溶液と一次抗体に結合していない二次抗体を洗浄除去後、酵素基質を添加して酵素による発色反応をさせ発色を確認後、濃硫酸により発色を停止させた後に、発色の程度(492nmの吸光度)を比色計等で測定し、煮沸麦汁を添加した場合と煮沸麦汁を添加しなかった場合(コントロール)との発色度を比較した。この方法においては、被験物質の添加によりコントロールと比較して発色度が減少する場合に、該被験物質がCM化アミノ酸に対する抗体に結合したと判定される。煮沸麦汁の添加により、コントロールと比較して発色度が減少したことから、煮沸麦汁中に含まれる物質がCM化アミノ酸に対する抗体に結合したと判定した。CM化アミノ酸に対する抗体と結合した物質を、AGE産物(終末糖化産物)として選択した。
該煮沸麦汁中のAGE産物の濃度は、濃度既知の既知のCM化タンパク質(特許第4012722号明細書の実施例1に記載の方法に従って得たCM化アルブミン)溶液を被験物質を含む試料溶液(煮沸麦汁)の代わりに用いて上記と同様の手順を行って得られた発色度の減少に対する試料溶液の発色度の減少の割合から、該AGE産物が含まれている濃度を既知のCM化タンパク質溶液に対して得た。
図1に結果を示す。図1のグラフの縦軸は、コントロールとの発色度の差(492nmにおける吸光度の差:ΔAbs.@492nm)である。AGE産物含量が多いほど492nmにおける吸光度の差が大きくなる。図1より、麦汁中のAGE産物は、煮沸により増加することが分かった。図1中、既知AGEタンパク質は、AGE−HSA(タンパク質濃度:0.2mg/mL)である。
3.SDS−PAGE及びウェスタンブロッティング
煮沸前麦汁及び煮沸後麦汁をそれぞれ濃縮し、SDS−PAGEによる電気泳動を行った。同一ゲルにサンプル及び分子量マーカーを2セットアプライして電気泳動を行った後ゲルを分割し、1セットはクマシーブルー染色を行い、もう1セットはウェスタンブロッティングに供した。ウェスタンブロッティングは常法に従って行い、一次抗体としては抗カルボキシメチルリジン抗体、二次抗体としてはペルオキシダーゼ標識ヤギ抗体を用いてAGE産物(メイラード反応したタンパク質)の検出を行った。
図2のAに、SDS−PAGEの結果を示す。図2のA中、STDは、分子量マーカーである。(1)は、煮沸前麦汁であり、(2)は、煮沸後麦汁である。
図2のBに、ウェスタンブロッティングの結果を示す。図2のB中、(1)は、煮沸前麦汁であり、(2)は、煮沸後麦汁である。図2のBに矢印で示す15kdのバンドが、検出されたAGE産物(メイラード反応したタンパク質)であり、麦汁中の多くのタンパク質の中から、AGE産物(メイラード反応したタンパク質)を特異的に検出することが出来た。
実施例2
麦汁中の成分の分子量による分取
実施例1と同様にして得られた煮沸麦汁を、ゲルろ過により分子量で分画分取した。
すなわち、煮沸麦汁を透析膜(SPECTRUM LABS社製、Spectra/Por(登録商標)7、分画分子量10kDa)を用いて2日間透析を行い、低分子成分を麦汁中から除去した。得られた透析麦汁を、減圧下溶媒を留去することによって4倍程度に濃縮した後、ゲル濾過分画の大型カラム(長さ30cm、内径2cm)を用いて、水を移動相として分子量分画フラクションを得た。フラクションは各4mLとし、得られたフラクションをNo.1〜No.10とした。この操作を10回繰り返し、各操作で得られた同じ番号のフラクションを合一して官能実験及び競合ELISAに用いた。フラクション中のAGE産物(メイラード反応したタンパク質)量は実施例1の競合ELISA法により測定した。なお、合一した各フラクションは凍結乾燥により乾燥固体重量を測定した。
その結果、フラクションNo.7、No.9及びNo.11中にタンパク質が検出された。結果を図3に示す。図3の縦軸は、フラクションあたりの乾燥固体重量を示す。さらに、分取した各フラクション中に含まれるメイラードタンパク質量を、競合ELISAにより測定した結果を図4に示す。図4から分かるように、AGE産物(メイラード反応したタンパク質)はフラクションNo.9からのみ検出された。
実施例3
官能評価
上記のゲル濾過で得られたフラクションのうち、固体乾燥物が含まれているがAGE産物(メイラード反応したタンパク質)を含まないフラクションNo.7及びNo.11の画分とAGE産物(メイラード反応したタンパク質)を含むフラクションNo.9について、官能評価を行なった。具体的には各フラクションの固体乾燥物を市販のビール(サントリー酒類製)にそれぞれ10ppm増加するように添加したものをサンプルとし、該市販ビールをコントロールとして、訓練されたパネラーにより飲み応え、味の厚み、及び余韻の量を評価した。コントロールの値を1とし、各フラクションの飲み応え、味の厚み、及び余韻の量がコントロールよりも高く感じたときはスコアを2、強く感じたときのスコアは3として、それぞれのフラクションの固体乾燥物を評価した。
官能評価の平均スコアを、図5に示す。メイラード反応したタンパク質を多く含む画分(フラクションNo.9)は、他の画分と比較して味わい付与に効果が大きいことが分かった。
実施例4
以下のワイン、ビール、味噌抽出液、日本酒及びチーズ抽出液を検体として用いて、実施例1と同様にして、各検体中のAGE産物(メイラード反応したタンパク質)の量を競合ELISA法により分析した。
1.ワイン
シャトームートンロートシルト2007(商品名、シャトームートンロートシルト製(フランス))
シャトームートンロートシルト1975(商品名、シャトームートンロートシルト製(フランス))
バローロボルゴーニュ2001(商品名、ボルゴーニュ製(イタリア))
バローロボルゴーニュ1967(商品名、ボルゴーニュ製(イタリア))
上記の各ワインを、競合ELISAに供した。
2.ビール
カンティヨン グーズ(商品名、カンティヨン醸造所製、ベルギー産の3年以上熟成したランビックビールと熟成の若いビールをブレンドしたビール)
カンティヨン グランクリュ ブルオクセラ(商品名、カンティヨン醸造所製、ベルギー産の3年以上熟成したランビックビールのみを使用したビール)
上記の各ビールを、競合ELISAに供した。
3.味噌抽出液
石井味噌三年蔵白(一年熟成)(商品名、石井味噌社製)
石井味噌三年蔵赤(三年熟成)(商品名、石井味噌社製)
サンプル(上記の各味噌)5gに15gの水を加えて、10000rpm、2分ホモゲナイザーにて十分に攪拌を行った。その後に5000rpm、30分4℃、で遠心分離を実施し、その上澄み液を0.45μmの径のフィルター(商品名GLクロマトディスク 水系0.45μm、クラボウ社製)でろ過したものを競合ELISAに供した。
4.日本酒
月桂冠PREMIUM 山田錦大吟醸(商品名、月桂冠社製)
月桂冠PREMIUM 雄町純米吟醸(商品名、月桂冠社製)
月桂冠浪漫 超特選秘蔵酒十年(商品名、月桂冠社製)
月桂冠王冠(商品名、月桂冠社製)
木戸泉二十五年古酒(商品名、木戸泉酒造社製)
達磨正宗千歳不易十五年古酒(商品名、白木恒助商店より購入)
上記の各日本酒を、競合ELISAに供した。
5.チーズ抽出液
ベームスターゴーダ(Vlaskaas)(商品名、CONO社製(オランダ)、熟成なし)
ベームスターゴーダpremier(商品名、CONO社製(オランダ)、6ヶ月熟成タイプ)
ベームスターゴーダclassic(商品名、CONO社製(オランダ)、18ヶ月熟成タイプ)
ベームスターゴーダX-O-ExtraOld(商品名、CONO社製(オランダ)、26ヶ月熟成タイプ)
サンプル(上記の各チーズ)30gに水90gを加えて、15000rpm、2分ホモゲナイザーにて十分に攪拌を行った。その後に3500rpm、15分、4℃で遠心分離を行った。遠心分離後、3層に分かれたうちの真ん中の水層をデカンテーションにより分けとり、さらにその水層を再度遠心分離し上澄み液を得た。その上澄み液を0.45μmの径のフィルター(商品名GLクロマトディスク 水系0.45μm、クラボウ社製)でろ過したものを競合ELISAに供した。
検体中のAGE産物の量の比較は、実施例1と同様に、コントロールとの発色度の比較(492nmにおける吸光度の差:ΔAbs.@492nm)により行った。492nmにおける吸光度の差は、AGE産物を競合ELISA法にて測定した際に、その含有量に応じて大きくなる吸光度測定値の差異である。つまり、AGE産物含量が多いほど492nmにおける吸光度の差が大きくなる。
結果を、図6〜10に示す。図6〜10のグラフの縦軸は、図1と同様に、コントロールとの発色度の差(492nmにおける吸光度の差:ΔAbs.@492nm)である。
検体に用いたワイン、ビール、味噌、日本酒及びチーズは、いずれも熟成を経て製造された飲食品であるが、いずれの検体にもAGE産物が含まれていた。さらに、図6〜10より、飲食品の熟成が進むほど、AGE産物量が多くなることが分かる。
実施例5
訓練されたパネラー5名(パネラーA〜E)により、実施例4の各検体について官能評価を行った。評価基準は、以下のとおりである。
コク味を感じない:1、コク味をあまり感じない:2、コク味を感じる:3、コク味をやや強く感じる:4、コク味を強く感じる:5の評点で評価を行った。
官能評価の結果を、表1〜5に示す。表1〜5に示す官能評価の結果は、実施例4のAGE産物の分析結果と一致した。つまり、AGE産物の含有量が多いほど、官能評価の官能点(評価点)が高く、コク味があると判定された。従って、カルボキシアルキルアミノ酸に対する抗体を使用するスクリーニング方法により検出されるカルボキシアルキル化ペプチド、カルボキシアルキル化タンパク質等は、実際にコク味付与に効果的な物質であること、該カルボキシアルキル化ペプチド、カルボキシアルキル化タンパク質等の量を測定することにより、飲食品等のコク味を定量的に評価できることが確認された。
本発明は、コク味付与物質のスクリーニング方法、該スクリーニング方法によって得られるコク味付与物質、飲食品の評価方法又は製造工程管理方法、及びコク味付与物質の検出用キットとして、食品分野等において有用である。

Claims (6)

  1. カルボキシアルキルアミノ酸に対する抗体を使用し、該抗体に対する反応性を指標とすることを特徴とするコク味付与物質のスクリーニング方法。
  2. カルボキシアルキルアミノ酸が、カルボキシメチルリジン又はカルボキシエチルリジンである請求項1に記載のスクリーニング方法。
  3. コク味付与物質が、甘味、塩味、酸味、苦味及びうま味の少なくとも一種を増強するものである請求項1又は2に記載のスクリーニング方法。
  4. (a)抗体と被験物質とを接触させる工程、(b)被験物質に対する該抗体の結合を検出する工程、及び(c)該抗体に結合した被験物質を候補物質として選択する工程をこの順に含む請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 抗体が、モノクローナル抗体である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 被験物質が、麦汁由来のものである請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
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