JP5646632B2 - 光学装置及び反射要素を方向付ける方法 - Google Patents

光学装置及び反射要素を方向付ける方法 Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2009年8月25日に出願された米国仮出願(61/236803)の優先権の利益を主張する。その仮出願は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
(分野)
本発明はリソグラフィ装置の一部を構成しうる光学装置、および反射要素を方向付ける方法に関する。
リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板のターゲット部分に転写する機械である。リソグラフィ装置は例えば集積回路(IC)の製造に用いられる。この場合、マスクまたはレチクルとも称されるパターニングデバイスが、集積回路の個々の層に対応する回路パターンを形成するために使用されうる。このパターンを、基板(例えばシリコンウエハ)上のターゲット部分(例えば1つまたは複数のダイもしくはダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は典型的には、基板に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層へのイメージングを介して行われる。一般に一枚の基板にはネットワーク状に隣接する一群のターゲット部分が含まれ、これらは連続的にパターン形成される。公知のリソグラフィ装置にはいわゆるステッパとスキャナとが含まれる。ステッパにおいては、ターゲット部分にパターン全体が一度に露光されるようにして各ターゲット部分は照射を受ける。スキャナにおいては、所与の方向(「走査」方向)にビームによりパターンを走査するとともに基板をこの方向に平行または逆平行に同期して走査するようにして各ターゲット部分は照射を受ける。
リソグラフィはICや他のデバイスおよび/または構成の製造における重要なステップのひとつとして広く認知されている。しかしながら、リソグラフィを使用して作成されるフィーチャの寸法が小さくなるにつれて、リソグラフィは小型のICや他のデバイスおよび/または構成を製造可能とするためのよりクリティカルな要素となってきている。
パターン印刷の限界の理論推定値は、解像度に関するレイリー基準によって以下に示される式(1)で与えられる
Figure 0005646632
ここでλは使用される放射の波長であり、NAはパターン印刷に使用される投影システムの開口数であり、k1はプロセスに依存する調整係数でありレイリー定数とも呼ばれ、CDは印刷されるフィーチャのフィーチャサイズ(または限界寸法)である。式(1)から、印刷可能なフィーチャサイズの最小値を3つの方法により引き下げることができることがわかる。すなわち露光波長λを短くすることにより、または開口数NAを大きくすることにより、またはk1の値を小さくすることにより引き下げることができる。
露光波長を短くしそれによって印刷可能な最小サイズを小さくするために、極端紫外(EUV)放射源を使用することが提案されている。EUV放射は、5ー20ナノメートル(nm)の範囲、例えば13ー14nmの範囲の波長を有する電磁波である。さらに波長10nm以下、例えば6.7nmや6.8nmなど5ー10nmの範囲のEUV放射も使用可能であることが提案されている。そのような放射は極端紫外放射または軟X線放射と呼ばれる。実現可能なソースは例えばレーザ生成プラズマ源、放電プラズマ源、または電子蓄積リングから供給されるシンクロトロン放射に基づくソースを含む。
EUV放射は、プラズマを用いて生成されてもよい。EUV放射を生成するための放射システムは、プラズマを供給する燃料を励起するためのレーザ装置と、プラズマを収容するためのソースコレクタモジュールとを含んでもよい。プラズマは例えば、レーザビームを適切な物質(例えばスズ)の粒子または適切な気体や蒸気(例えばXeガスやLi蒸気など)の流れ等の燃料に向けることにより生成されてもよい。結果として生じるプラズマは、例えばEUV放射などの出力放射を放出し、その出力放射は放射コレクタを用いて集められる。放射コレクタは、放射を受けてその放射をビームに集中させる鏡面垂直入射放射コレクタであってもよい。ソースコレクタモジュールは、プラズマを保持するための真空環境を提供するよう構成された囲い込み構造またはチャンバを含んでもよい。そのような放射システムは、典型的にレーザ生成プラズマ(LPP)源と呼ばれる。
一般にリソグラフィ装置は照明システムを含む。照明システムは例えばエキシマレーザや極端紫外放射源などのソースから放射を受け、放射ビーム(ときに「投影」ビームと呼ばれる)を提供し、その放射ビームはパターニングデバイスに入射する。放射ビームはパターニングデバイスによってパターン付与され、次に投影システムによって基板上に投影される。放射ビームを適切な照明モードで提供することによって、基板上に投影されるパターニングデバイスのイメージを改善できることがリソグラフィの分野において知られている。照明モードは、照明システムの瞳面における放射ビームの空間強度分布であり、この空間強度分布は照明システムの軸または光軸に関して中心をもつ。パターニングデバイスの面(照明システムのフィールド面)において、そのような空間強度分布は、放射の角強度分布と呼ばれる入射する放射の入射角の分布に対応する。望ましい照明モードは、例えば瞳面中央に照射部分を有する通常の照明モード、または瞳面に一つ以上の孤立した軸外照射部分を有する軸外照明モードであるかもしれない。したがって、典型的にはリソグラフィ装置の照明システムは強度分布調整装置を含む。この強度分布調整装置は、選択された照明モードが実現するよう照明システム内で放射ビームを方向付け、形成し、制御するよう構成される。
関連技術文献には、EUVリソグラフィ装置に用いる強度分布調整装置であって、所望の照明モードを得るために照明ビームを制御する装置が記載されている。例えば米国特許第6658084号を参照されたい。関連技術のEUVリソグラフィ装置の照明システムは、複数の反射要素を備える反射素子を含む。各反射要素はEUV放射のサブビームを瞳面のある位置に導くよう構成され、その結果複数の反射要素が効果的に環状照明モードをもたらす。ここで、瞳面における環状強度分布の外側の半径と内側の半径は制御可能である。内側の半径と外側の半径の大きさは通常、それぞれ、σinnerとσouterで表される。これらの数はそれぞれ、投影システムの開口数に対応する半径に対する内側の半径の比と、投影システムの開口数に対応する半径に対する外側の半径の比を表す。
このような照明システムの光学要素は容器内に配置され、EUV放射が容器を横切るときに流体によりEUV放射が実質的に吸収されないように、容器は真空環境を提供する。照明モードの制御や変更を可能とするため、一部の反射要素が可動または交換可能であってもよい。したがって、照明システムの可動反射要素を真空環境内で確実に駆動するという課題がある。
米国特許第6658084号
可動反射要素と、真空環境での使用に適した関連づけられたアクチュエータとを備える光学装置を提供することが望まれている。
ある態様によると、可動反射要素および関連づけられたアクチュエータを備える光学装置が提供される。アクチュエータは第1磁石と第2磁石とを備える。第1磁石は、その第1磁石が動くことにより可動反射要素が動くよう可動反射要素に接続される。第2磁石は、モータの動作によりその第2磁石が動くようモータに接続される。第2磁石は、その第2磁石が動くことにより第1磁石が動くように第1磁石に対して配置される。
ある態様によると、可動反射要素の向きを変更する方法が提供される。この方法は、モータを用いて第2磁石を動かすステップと、第2磁石の動きを利用して、第1磁石と第2磁石との間の磁気相互作用により第1磁石を動かすステップと、第1磁石の動きを利用して、第1磁石と可動反射要素との間の結合により可動反射要素の向きを変更するステップと、を備える。
本発明の実施の形態は、例示のみを目的として添付の模式的な図面を参照して説明される。図面では、対応する参照符号は、対応する部分を示す。
本発明の実施形態にかかるリソグラフィ装置を模式的に示す図である。 図2aは、放電生成によるプラズマ源を含む図1のリソグラフィ装置の一部をより詳細に示す模式図である。図2bは、レーザ生成によるプラズマ源を含む図1のリソグラフィ装置の一部をより詳細に示す模式図である。 リソグラフィ装置の照明システムの可動反射要素の動作を示す図である。 リソグラフィ装置の照明システムの可動反射要素の動作を示す図である。 図5aおよび5bは、リソグラフィ装置の照明システムの可動反射要素の動作およびその結果得られるyダイポール照明モードを示す図である。 図6aおよび6bは、リソグラフィ装置の照明システムの可動反射要素の動作およびその結果得られるxダイポール照明モードを示す図である。 瞳面の第1象限を示す図である。 図8は図8a、8b、8c、8d、および8eを含み、本発明の実施の形態を用いて獲得可能な五つの個別の照明モードを示す図である。 本発明の実施の形態に係る可動反射要素およびアクチュエータを示す図である。 図10は図10aおよび図10bを含み、上から見たアクチュエータの一部を示す図である。 本発明の実施の形態に係る可動反射要素およびアクチュエータを示す図である。 本発明の実施の形態の一部を形成するプレートを示す図である。 本発明の実施の形態の一部を形成する開口を示す図である。 図14は図14aおよび図14bを含み、発明の実施形態に係るアクチュエータの一部を形成しうる磁気遮蔽壁を示す図である。 発明の実施形態に係るアクチュエータの磁石であって逆方向に磁化された磁石の対を含む磁石を示す図である。 逆方向に磁化された磁石の対を含み、磁石の対は第三の磁石によって区切られている磁石を示す図である。 ヨーク(yoke)を含む逆方向に磁化された磁石の対を含む磁石を示す図である。
図1は、本発明の一実施形態に係るソースコレクタモジュールSOを含むリソグラフィ装置100を模式的に示す図である。
本装置は、
放射ビームB(例えばEUV放射)を調節するよう構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
パターニングデバイス(例えばマスクまたはレチクル)MAを正確に位置決めする第1ポジショナPMに接続され、パターニングデバイスMAを支持するよう構成されるサポート構造(例えばマスクテーブル)MTと、
基板(例えば、レジストでコーティングされたウエハ)Wを正確に位置決めする第2ポジショナPWに接続され、基板Wを保持するよう構成される基板テーブル(例えばウエハテーブル)WTと、
パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば1つまたは複数のダイを含む)ターゲット部分Cに投影する投影システム(例えば反射投影システム)PSと、を備える。
照明システムは、放射を方向付け、形成し、制御するための屈折光学素子、反射光学素子、磁気的光学素子、電磁気的光学素子、静電的光学素子、あるいは他の種類の光学素子などの様々なタイプの光学素子、またはこれらの任意の組合せの光学素子を含み得る。
サポート構造MTは、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置のデザイン、及び、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されるか否か等その他の条件に応じた方式でパターニングデバイスMAを保持する。サポート構造は、機械的固定、真空固定、静電固定、またはパターニングデバイスを保持するその他の固定技術を利用可能である。サポート構造は、例えばフレームまたはテーブルであってもよく、これらは固定されていてもよいし必要に応じて移動可能であってもよい。サポート構造は、パターニングデバイスを例えば投影システムに対して所望の位置に確実に位置決めしうる。
「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように放射ビームの断面にパターンを付与するのに使用されうる任意のデバイスを意味するものと広義に解釈されるべきである。放射ビームに付与されたパターンは、ターゲット部分において生成される集積回路等のデバイスにおける特定の機能層に対応してもよい。
パターニングデバイスは透過型であっても反射型であってもよい。パターニングデバイスの例にはマスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクはリソグラフィの分野では周知であり、バイナリマスクやレベンソン型位相シフトマスク、ハーフトーン型位相シフトマスク、更に各種のハイブリッドマスクタイプが含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例としては、小型のミラーがマトリックス状に配列され、各ミラーが入射してくる放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾斜されるものがある。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスにより反射された放射ビームにパターンを付与する。
投影システムは照明システムと同様に、屈折光学素子、反射光学素子、磁気的光学素子、電磁気的光学素子、静電的光学素子、その他の光学素子など各種の光学素子、またはこれらの任意の組合せの光学素子等、使用される露光放射に応じて、あるいは真空の使用等のその他の要因に応じて適切とされる光学素子を含み得る。他の気体は放射を吸収しすぎる可能性があるため、EUV放射については真空を使用することが望ましい。したがって、真空壁および真空ポンプを用いてビーム経路の全体に真空環境が提供されてもよい。
ここで図示されるように、本装置は(例えば反射型マスクを使用する)反射型である。
リソグラフィ装置は2つ(デュアルステージ)またはそれ以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプのものであってもよい。このような「マルチステージ」型の装置においては、追加的なテーブルが並行して使用されてもよく、あるいは1以上のテーブルが露光に使用されている間に1以上の他のテーブルで準備工程が実行されてもよい。
図1を参照すると、イルミネータILはソースコレクタモジュールSOから極端紫外放射ビームを受ける。EUV光を生成する方法は、例えばキセノン、リチウム、スズ等EUV域に一つ以上の輝線をもつ元素を少なくとも一種類含む物質をプラズマ状態に変化させるステップを含むが、必ずしもこれに限られるものではない。そのような方法の一つであり通例レーザ生成プラズマ(LPP)と呼ばれる方法においては、必要な輝線を放出する元素を有する物質の液滴、流れ、クラスタなどの燃料をレーザビームで照射することにより、必要なプラズマが生成されうる。ソースコレクタモジュールSOは、燃料を励起するレーザビームを提供する図1に図示されないレーザ装置を含むEUV放射システムの一部であってもよい。結果として生じるプラズマは、例えばEUV放射などの出力放射を放出し、その出力放射はソースコレクタモジュール内に配置される放射コレクタを用いて集められる。例えば、燃料を励起するためのレーザビームを提供するためにCO2レーザが用いられる場合には、レーザ装置とソースコレクタモジュールとは別体であってもよい。
このような場合、レーザ装置はリソグラフィ装置の一部を構成しているとはみなされず、放射ビームはビーム搬送系を利用してレーザ装置からソースコレクタモジュールへと到達する。このビーム搬送系は例えば適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含む。他の場合、例えば光源が通例DPP源と呼ばれる放電生成によるプラズマEUV生成装置である場合には、光源はソースコレクタモジュールと一体に構成されていてもよい。
イルミネータILは放射ビームの角強度分布を調整するアジャスタを備えてもよい。一般には、イルミネータの瞳面における照度分布の少なくとも前述の外側半径範囲および/または内側半径範囲(それぞれ値σouter、σinner)が調整されうる。さらにイルミネータILは、ファセットフィールド(facetted field)ミラーデバイスおよび瞳ミラーデバイスなどの種々の他の要素を備えてもよい。イルミネータは、パターニングデバイスへの入射としてビーム断面における所望の強度均一性及び角強度分布を得るべく放射ビームを調整するために用いられてもよい。
放射ビームBは、サポート構造(例えばマスクテーブル)MTに保持されているパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、そのパターニングデバイスによりパターンが付与される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過する。投影システムPSはビームを収束させ基板Wのターゲット部分Cに投影させる。第2ポジショナPWと位置センサPS2(例えば、干渉計、リニアエンコーダ、静電容量センサなど)とにより基板テーブルWTは正確に移動される。例えば基板テーブルWTは放射ビームBの経路に異なる複数のターゲット部分Cをそれぞれ位置決めするように移動される。同様に、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めするために、第1ポジショナPMと別の位置センサPS1を用いることができる。パターニングデバイス(例えばマスク)MAおよび基板Wは、マスクアラインメントマークM1、M2および基板アラインメントマークP1、P2を用いて位置合わせされてもよい。
図示の装置は以下のモードのうち少なくとも1つで使用することができる。
ステップモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンの全体が1回の照射で1つのターゲット部分Cに投影される間、サポート構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは実質的に静止状態とされる(すなわち1回の静的な露光)。そして、異なるターゲット部分Cが露光されるように基板テーブルWTがX方向及び/またはY方向に移動される。
スキャンモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される間、サポート構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは同期して走査される(すなわち1回の動的な露光)。サポート構造(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)特性及び像反転特性により定められてもよい。
別のモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される間、サポート構造(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して実質的に静止状態とされ、基板テーブルWTが移動され、または走査される。このモードでは一般にパルス放射源が用いられ、プログラマブルパターニングデバイスは必要に応じて、走査中に基板テーブルWTが移動するたびに、または走査中の連続する放射パルスと放射パルスの間に更新される。この動作モードは、上述のタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に適用可能である。
上記の使用モードを組み合わせて適用してもよいし、使用モードに変更を加えて適用してもよく、また全く別の使用モードを適用してもよい。
上述の通り、照明システムILは強度分布調整装置を備える。強度分布調整装置は、パターニングデバイスに入射する放射ビームの角強度分布を制御するために、照明システムの瞳面における放射ビームの空間強度分布を調整するよう構成される。強度分布調整装置を使用して、照明システムの瞳面において異なる照明モードを選択することができる。照明モードの選択は、例えばパターニングデバイスMAから基板W上へ投影されるべきパターンの性質に依存しうる。照明システム瞳面における放射ビームの空間強度分布は、放射ビームがパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射する前に、角強度分布に変換される。照明システムの瞳面とパターニングデバイスMA(パターニングデバイスはフィールド面にある)との間にはフーリエ関係が存在することは理解される。照明システムの瞳面はパターニングデバイスMAが配置されている対物面のフーリエ変換面であり、それは投影システムの瞳面と共役となっている。
図2aは装置100をより詳細に示す図である。装置は、ソースコレクタモジュールSOと、照明システムILと、投影システムPSとを含む。ソースコレクタモジュールSOは、ソースコレクタモジュールSOの囲い込み構造220内で真空環境が保持されるよう構成、配置される。EUV放射放出プラズマ210は、放電生成によるプラズマ源により形成されてもよい。EUV放射は、例えばXeガスやLi蒸気、Sn蒸気などのガスまたは蒸気により生成されてもよい。これらのガスまたは蒸気内には、電磁スペクトルのEUV範囲の放射を放出するために非常に熱い放電プラズマ210が生成される。非常に高温なプラズマ210は例えば放電によって生成される。放電は少なくとも部分的にイオン化されたプラズマをもたらす。放射を効率的に生成するためには、例えばXe、Li、Sn蒸気または他の任意の適切なガスまたは蒸気の例えば10Paの分圧が必要とされるであろう。ある実施の形態では、励起されたスズ(Sn)のプラズマがEUV放射を生成するために供給される。
高温プラズマ210によって放出された放射はソースチャンバ211から必須でないガスバリアまたは汚染物質トラップ230(汚染物質バリアまたはフォイルトラップとも呼ばれる)を通過してコレクタチャンバ212へと入る。必須でないガスバリアまたは汚染物質トラップ230は、ソースチャンバ211の開口内または開口の後に配置される。汚染物質トラップ230は、チャネル構造を含んでもよい。汚染物質トラップ230はまた、ガスバリアを含んでもよく、ガスバリアとチャネル構造の組み合わせを含んでもよい。ここでさらに示される汚染物質トラップまたは汚染物質バリア230は、本技術分野において知られているように、少なくともチャネル構造を含む。
コレクタチャンバ211は放射コレクタCOを含んでもよい。放射コレクタCOは、いわゆる斜入射型コレクタであってもよい。放射コレクタCOは上流放射コレクタサイド251と、下流放射コレクタサイド252とを有する。コレクタCOを通過する放射は、仮想ソース点IFに収束されるよう格子スペクトルフィルタ240で反射されうる。仮想ソース点IFは、一般的に中間焦点と呼ばれる。ソースコレクタモジュールは、仮想ソース点IFが囲い込み構造220の開口221またはその付近に位置するよう構成される。仮想ソース点IFは、放射放出プラズマ210の像である。
続いて放射は放射システムILを通過する。放射システムILは、以下第1反射素子22とも呼ばれるファセットフィールドミラーデバイス22と、以下第2反射素子24とも呼ばれるファセット瞳ミラーデバイス24とを含みうる。ファセットフィールドミラーデバイス22およびファセット瞳ミラーデバイス24は、パターニングデバイスMAにおける放射強度に所望の均一性をもたらすのみならず、パターニングデバイスMAにおいて放射ビームBの所望の角度分布をもたらすよう構成される。サポート構造に支持されるパターニングデバイスMAにおいて放射Bのビームが反射されると、パターンが付与されたビーム26が形成される。パターンが付与されたビーム26は、投影システムPSにより、反射要素28、30を介してウエハステージまたは基板テーブルWTに支持される基盤W上に結像される。
照明光学ユニットILおよび投影システムPSには、示されているよりも多くの要素が一般には存在しうる。リソグラフィ装置のタイプにより、必要に応じて格子スペクトルフィルタ240が設けられてもよい。さらに、図示されているよりも多くのミラーが設けられてもよい。例えば、図2aに示されるミラーと別に1ー6個の反射素子が投影システムPS内に追加的に存在してもよい。
図2aに示されるコレクタ光学素子COは、コレクタ(または集光ミラー)の単なる例示として、斜入射型リフレクタ253、254および255がネスト化されたコレクタとして示されている。斜入射型リフレクタ253、254および255は、光軸Oの周りに軸対称に配置される。このタイプのコレクタ光学素子COは、好適には通例DPP源と呼ばれる放電生成によるプラズマ源と組み合わせて使用される。
あるいはまた、ソースコレクタモジュールSOは図2bに示されるようにLPP放射システムの一部であってもよい。レーザ装置LAは、例えばキセノン(Xe)、スズ(Sn)、リチウム(Li)等の燃料にレーザエネルギを与え、数十eVの電子温度をもつ高イオン化されたプラズマ210を生成するよう構成される。これらのイオンの脱励起および再結合過程において生成される高エネルギ放射がプラズマから放出され、近法線入射コレクタ光学素子COにより集められ、囲い込み構造220の開口221にて収束される。
本明細書ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用を具体例として説明しているが、ここで説明されるリソグラフィ装置は他の用途にも適用できるものと理解されたい。他の用途としては、集積光学システム、磁区メモリ用ガイダンスおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドの製造などがある。このような代替的な適用に関して、本明細書において「ウエハ」あるいは「ダイ」という用語が使用される場合はいつでも、それぞれ「基板」あるいは「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義であるとみなされうると、当業者であれば理解するであろう。本明細書で言及される基板は露光前または露光後において例えばトラック(典型的にはレジスト層を基板に塗布し、露光後のレジストを現像するツール)、メトロロジツール、及び/またはインスペクションツールにおいて処理されてもよい。適用可能であれば、本明細書の開示はそのような又は他の基板処理装置にも適用され得る。また、基板は例えば多層ICを製造するために複数回処理されてもよく、その場合には本明細書における基板という用語は、処理されている多数の層を既に含む基板をも意味してもよい。
上では特に光リソグラフィの文脈における本発明の実施の形態の使用を説明しているが、本発明は例えばインプリントリソグラフィなど他の用途にも適用可能であり、文脈が許す限り光リソグラフィに限られるものではないことは理解される。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイスのトポグラフィが基板上に生成されるパターンを決める。パターニングデバイスのトポグラフィを基板に設けられているレジスト層に押しつけ、すぐに電磁放射や熱や圧力やそれらの組み合わせを加えることによりレジストを硬化させてもよい。レジストが硬化した後、レジストにパターンを残したまま、パターニングデバイスがレジストから取り外される。
「レンズ」という用語は文脈が許す限り、屈折光学素子、反射光学素子、磁気光学素子、電磁気光学素子および静電光学素子を含む種々のタイプの光学素子のひとつまたはそれらの組み合わせを指し示してもよい。
本発明の具体的な実施の形態が上述のように説明されたが、本発明は上述の形式以外の形式でも実施可能であると理解されたい。例えば、本発明はコンピュータプログラムの形式を取ってもよい。このコンピュータプログラムは機械により読み取り可能なインストラクションの1つもしくは複数のシーケンスを含む。インストラクションは、上述の方法を記述する。あるいはまた、本発明は、そのようなコンピュータプログラムを記憶保持するデータ記録媒体(例えば半導体メモリ、磁気もしくは光学ディスク)の形式を取ってもよい。上述の記載は例示を目的としており、それに限定されるものではない。したがって、下記の特許請求の範囲から逸脱することなく、記載された発明に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
図3は、リソグラフィ装置の第1および第2反射素子を含む部分をより詳細に模式的に示す。第1反射素子22は、一次反射要素22a、22b、22c、22dを含む複数の一次反射要素を備える。第2反射素子24は、二次反射要素24a、24b、24c、24d、および、24a′、24b′、24c′、24d′を含む複数の二次反射要素を備える。以降、一次反射要素および二次反射要素はそれぞれ、視野ファセット(field facet)ミラーおよび瞳ファセットミラーとも称されうる。一次反射要素22a−dは二次反射要素24a−d、a’−d’に向けて放射を導く(反射する)よう構成される。4つの一次反射要素22a−dのみが示されているが、任意の数の一次反射要素が設けられてもよい。一次反射要素は、二次元アレイ(または他の二次元配列)に配置されてもよい。8つの二次反射要素24a−d、a’−d’のみが示されているが、任意の数(この数は典型的には一次反射要素の数の倍数である)の二次反射要素が設けられてもよい。二次反射要素は、二次元アレイ(または他の二次元配列)に配置されてもよい。
一次反射要素22a−dの向きは調整可能であり、選択された二次反射要素24a−d、a’−d’に向けて放射を導くために用いられうる。
第2反射素子24は照明システムILの瞳面Pと一致する。あるいは第2反射素子24は、照明システムILの瞳面Pの近傍に配置される。したがって第2反射素子24は、パターニングデバイスMA上に放射を導く仮想放射源(一般的に二次放射源とも呼ばれる)として作用する。第2反射素子24とパターニングデバイスMAとの間にさらなるミラー(図示せず)が設けられてもよい。後者のミラーは、複数のミラーのシステムであってもよく、使用中はパターニングデバイスMAが基板テーブルMTで支持される面上に、一次反射要素22a−dの像を投影するよう構成されてもよい。
第2反射素子24における放射ビームBの空間強度分布が放射ビームの照明モードを決定する。一次反射要素22a−dの向きは調整可能であるので、瞳面Pに異なる空間強度分布を形成するために使用されてもよく、それによって異なる照明モードが提供されうる。
使用中、放射ビームBは第1反射素子22の一次反射要素22a−dに入射する。各一次反射要素22a−dは、第2反射素子24の異なる二次反射要素24a−d、a’−d’に向けて放射のサブビームを反射する。第1サブビームBaは、第1一次反射要素22aによって第1二次反射要素24aに導かれる。第2、第3および第4サブビームBb、Bc、Bdは、第2、第3および第4一次反射要素22b、22c、22dによってそれぞれ第2、第3および第4二次反射要素24b、24c、24dに導かれる。
サブビームBa−dは、二次反射要素24a−dによってパターニングデバイスMAに向けて反射される。それらのサブビームはまとめて単一の放射ビームBを形成するものとみなされうる。この単一の放射ビームBはマスクMAの照明領域Eを照らす。照明領域Eの形状は、一次反射要素22a−dの形状により決定される。走査を行うリソグラフィ装置においては、照明領域Eは例えば、走査方向の幅が走査方向に垂直な方向の幅よりも狭い矩形あるいは湾曲した帯形状であってもよい。
各一次反射要素22a−dは、第2反射素子24の異なる二次反射要素24a−d、a’−d’に、中間焦点IFの像を形成する。実際には、中間焦点IFは有限の直径(例えば4−6mm)を有するプラズマ源の像となる。その結果、各一次反射要素22a−dは、二次反射要素24a−d、a’−d’に、(例えば3−5mmの)有限の直径を有する仮想ソース点IFの像を形成する。二次反射要素24a−d、a’−d’はそれぞれ、前述の像の直径よりも大きい直径を有する単一の瞳ファセットミラーとして構成されてもよい(放射が二次反射要素間に落ちて失われないようにするためである)。図では説明を容易にするため、中間焦点IF、および、中間焦点IFの像は点として示されている。
一次反射要素および二次反射要素は零でない光パワー(optical power)を有してもよい。例えば、各一次反射要素22a−dは照射を受けている二次反射要素またはその近傍に、仮想ソース点IFよりも小さい仮想ソース点IFの縮小像を形成してもよい。各二次反射要素24a−d、a’−d’は、フィールド面またはその近傍に、一次反射要素22a−dのうちの一つの像を形成してもよい。フィールド面には、基板の露光中、パターニングデバイスが配置される。これらの像は実質的に重なり、まとまって照明領域Eを形成する。
一次反射要素22a−dの向きは、瞳面Pに形成される照明モードを決定する。例えば一次反射要素22a−dは、放射サブビームが4つの最も内側の二次反射要素24c、d、a’、b’に導かれるよう方向付けられてもよい。これにより、通常(ディスク形状)照明モードの1次元等価物とみなされうる照明モードが提供される。そのような通常照明モードは、光軸Oに集中する比較的高い照度の部分と、それを取り囲む比較的低い照度または照度ゼロの部分とを有する瞳面における強度分布により特徴づけられる。したがって通常照明モードは以下、通常「軸上」照明とも呼ばれうる。代替的な例では一次反射要素22a−dは、放射サブビームが第2反射素子24の左端の2つの二次反射要素24a−b、および、第2反射素子の右端の2つの二次反射要素24c’−d’に導かれるよう方向付けられてもよい。これにより、例えば環状照明モードの1次元等価物とみなされうる照明モードが提供される。そのような照明モードは、光軸Oに集中する比較的低い照度または照度ゼロの部分と、それを取り囲む領域とを有する強度分布であって、取り囲む領域は少なくとも一つの比較的高い照度の部分をもつような瞳面における強度分布により特徴づけられる。したがってこの照明モードは以降、「軸外」照明とも呼ばれうる。
要素22a−dのいずれかのような一次反射要素はそれぞれ、2つの所定の向きすなわち第1の向きおよび第2の向きのうちのひとつに向けられうるように構成される。第1の向きは、一次反射要素が放射のサブビームを第2反射素子24上の第1所望区域に含まれる選択された二次反射要素に向けて反射するような向きである。第2の向きは、一次反射要素が放射のサブビームを第2反射素子24上の第2所望区域に含まれる選択された二次反射要素に向けて反射するような向きである。さらに、図3に示される視野ファセット22a−dのいずれかのような一次反射要素はそれぞれ、関連づけられた第1の向きと第2の向きとの間で可動である。
第1の向きにある視野ファセットミラーは、使用されるとき、事前に選択された特定の二次反射要素であって、複数の二次反射要素のうちから特に選択された二次反射要素を照射する。以下この選択された二次反射要素を第1の「関連づけられた」二次反射要素とよぶ。同様に、視野ファセットミラーが第2の向きにあるときに照射される要素を第2の「関連づけられた」二次反射要素とよぶ。同様に、前述の第1および第2所望区域を以下、第1および第2の「関連づけられた」区域ともよぶ。
図4は、第1反射素子22の第1一次反射要素22aを例として用いて、一次反射要素の第1の向きおよび第2の向きの間での動きを説明する。第1一次反射要素22aが第1の向きを向いているとき、その第1一次反射要素22aは、第2反射素子24の第1二次反射要素24aに放射サブビームBaを導く。第1一次反射要素22aが第2の向きを向いているとき、その第1一次反射要素22aは、第2反射素子24の第2二次反射要素24a’に放射サブビームBa’(点線により示す)を導く。対応する第1および第2区域は、図4に明示されていない。図4において第1および第2区域は、それぞれ第1二次反射要素24aおよび第2二次反射要素24a’によって占められる区域に一致するものと仮定されてもよい。しかしながら以下にさらに詳細に議論されるように、第1および第2区域は、瞳面P上の別個の領域であってもよく、それぞれ複数の二次反射要素を含んでもよい。
要素22a−dのグループのような一次反射要素のグループの各一次反射要素は、放射サブビームを各一次反射要素22a−dに関連づけられた第1区域および第2区域に導くよう構成されてもよい。第1区域および第2区域は、他の一次反射要素から放射サブビームを受ける区域とは異なる固有の区域である。ここで他の一次反射要素とは、前述の要素22a−dのグループのような一次反射要素のグループに属さない要素である。各一次反射要素22a−dを適切に構成することにより、所望の照明モードに対応する空間強度分布を生成するように、放射を第2反射素子24上の要求される区域に導くことができる。
図3および図4は4個の一次反射要素22a−dのみを示しているが、第1反射素子22はより多くの一次反射要素を備えてもよい。第1反射素子22は例えば100個以下、200個以下または400個以下の一次反射要素を備えてもよい。第1反射素子22は例えば100−800個の範囲の任意の数の一次反射要素を備えてもよい。反射要素はミラーであってもよい。第1反射素子22は、1024(例えば32×32)個のミラーからなるアレイまたは4096(例えば64×64)個のミラーからなるアレイもしくは任意の適切な数のミラーを含んでもよい。一次反射要素は二次元格子形状に配列されてもよい。一次反射要素は、放射ビームを横切る面に配置されてもよい。
第1反射素子22は一次反射要素のアレイを一つ以上含んでもよい。例えば一次反射要素は、複数のアレイを形成するよう配置され、またはグループ化されてもよい。ここで各アレイは例えば32×32個のミラーを有してもよい。本明細書では、「アレイ」という用語は単一のアレイまたはアレイのグループを意味しうる。
二次反射要素24a−d、a’−d’は第2反射素子を取り付ける面に対して二次反射要素の向きが固定されるように取り付けられてもよい。
図5および図6は、瞳面Pにおける空間強度分布を変更することにより所望の照明モードを得るために、放射を再方向付けする原理を模式的に示す。図5bおよび図6bの図の平面は、図5aおよび図6aに示される瞳面Pと一致する。図の説明を容易とするため、図5bおよび図6bにおいて直交座標系が示されている。示されている直交座標系は、本発明を用いて得られうる空間強度分布の向きに対するいかなる制限の暗示をも意図するものではない。空間強度分布の半径範囲はσinner(内側半径範囲)およびσouter(外側半径範囲)によって定義される。内側および外側半径範囲は円形であってもよく、または他の形状であってもよい。
上述の通り、瞳面Pにおける放射ビームの空間強度分布(およびしたがって照明モード)は、例えば要素22a−dのような一次反射要素の向きによって決定される。例えば照明モードは、一次反射要素22a−dのそれぞれを選択し、選択された一次反射要素22a−dを必要とされる通りにその第1の向きまたは第2の向きに動かすことによって与えられ、制御されてもよい。
この例では16個の一次反射要素が存在し、図5aおよび図6aではそのうちの4個のみが示されている(一次反射要素22a−d)。図5bに示されるように、一次反射要素22a−dがそれぞれ第1の向きを向いているとき、放射のサブビームBa、Bb、Bc、Bdは関連付けられた第1区域724a、724b、724c、724dに向けて反射される。これらの区域はそれぞれ、図5aおよび図6aに示される二次反射要素24a、24b、24c、24dを含む。図5bを参照すると、第1区域724a−dは図5bの上部にあるかまたは上部に近い。他の一次反射要素(図示せず)もまた第1の向きにあり、放射のサブビームを隣接する第1区域のグループ73、74、75に導く。これらの第1区域には図5bの上部にあるかまたは上部に近いものがあり、また図5bの下部にあるかまたは下部に近いものもある。放射のサブビームを受ける区域は点線を用いて網掛け表示されている。図5bから、一次反射要素22a−dが第1の向きにあり、他の一次反射要素(図示せず)もまた第1の向きにあるとき、極(ポール)がy方向に分離されているダイポール照明モードが形成されることが分かる。
図6bに示されるように、一次反射要素22a−dが第2の向きを向いているとき、放射のサブビームは関連づけられた第2区域724a’、724b’、724c’、724d’に向けて反射される。これらの区域はそれぞれ、図5aおよび図6aに示される二次反射要素24a’、24b’、24c’、24d’を含む。図6bを参照すると、第2区域724a’−d’は図の右端にあるかまたは右端に近い。前述の他の一次反射要素もまた第2の向きにあり、放射のサブビームを隣接する第2区域のグループ76、77、78に導く。これらの第2区域には図の右端にあるかまたは右端に近いものがあり、また図の左端にあるかまたは左端に近いものもある。放射のサブビームを受ける区域は点線を用いて網掛け表示されている。図6bから、一次反射要素22a−dおよび他の一次反射要素が第2の向きにあるとき、極(ポール)がx方向に分離されているダイポール照明モードが形成されることが分かる。
y方向ダイポール照明モードからx方向ダイポール照明モードへの切り替えは、一次反射要素22a−dのそれぞれを第1の向きから第2の向きへ動かすステップを含む。同様に、x方向ダイポール照明モードからy方向ダイポール照明モードへの切り替えは、一次反射要素22a−dのそれぞれを第2の向きから第1の向きへ動かすステップを含む。
以下でさらに説明されるように、他のモードの形成は、一次反射要素22a−dのうちの一部を第1の向きへと動かし、一部を第2の向きへと動かすステップを含みうる。各一次反射要素に関連づけられた第1および第2区域、および、各一次反射要素の対応する第1の向きおよび第2の向きは、生成されうる有用な照明モードの数を最大化するように選択されてもよい。
一次反射要素を所定の軸の周りで回転させることによって一次反射要素を第1の向きと第2の向きとの間で動かしてもよい。アクチュエータを使用して一次反射要素を動かしてもよい。
ひとつ以上の一次反射要素が同じ軸の周りに回転するよう駆動されるようにそれらの一次反射要素が構成されてもよい。一個以上の他の一次反射要素が、他の所定の軸の周りに回転するよう駆動されるようにそれらの一次反射要素が構成されてもよい。
ある実施の形態では、一次反射要素は、その一次反射要素を第1の向きと第2の向きとの間で動かすよう構成されたアクチュエータを備える。アクチュエータは例えばモータであってもよい。第1および第2の向きはエンドストップによって規定されてもよい。第1エンドストップは、一次反射要素が第1の向きを越えて動くことを防ぐ機械装置を備えてもよい。第2エンドストップは、一次反射要素が第2の向きを越えて動くことを防ぐ機械装置を備えてもよい。エンドストップを含む、一次反射要素のための適切なマウントについて以下にさらに説明される。
一次反射要素の動きがエンドストップによって制限されるので、一次反射要素の位置を監視する必要なく(例えば、一つ以上の位置監視センサおよびフィードバックシステムを使用する必要なく)、一次反射要素を正確に第1の向きまたは第2の向きへ動かすことができる。一次反射要素は十分正確に方向付けされうる。これにより一次反射要素は、パターニングデバイスから基板上へのパターンのリソグラフィ投影において使用されるのに十分な質を有する照明モードを形成しうる。
アクチュエータに供給される駆動信号はバイナリ信号であってもよい。アクチュエータは一次反射要素を第1エンドストップまたは第2エンドストップへ動かしさえすればよいので、可変アナログ電圧や可変デジタル電圧などのより複雑な信号を使用する必要はない。より複雑なシステムよりもむしろアクチュエータに対してバイナリ(2値)駆動信号を使用することにより、そうでない場合よりもシンプルな制御システムを使用することができる。
図5および図6に関連して上述した装置は、16個の一次反射要素と、第2反射素子24上の32個の区域とを備える。実際には、より多くの一次反射要素が設けられてもよい。また一方で、いくつかの異なる照明モードを獲得しうる方法を説明するためには、一次反射要素の個数は16個で十分である。第2反射素子24上の32個の区域のそれぞれに関連づけられた16個の一次反射要素を用いて、環状、cクァッド(c-quad)、クェーサ(quasar)、ダイポールyおよびダイポールxの照明モードを得ることができる。これらの照明モードは、放射を照明システムの瞳面における32個の関連づけられた区域のうち望ましい選択である16個に適切に導くように16個の一次反射要素を構成することにより形成される。第2反射素子24の瞳ファセットミラーの反射面は、瞳面またはその近傍に配置されるため、第2反射素子24上の区域は、照明システムの瞳面における区域として有効に特定され、指し示されることは理解される。簡単にするため、以下、第2反射素子上の「区域」と照明システムの瞳面における「区域」は区別されない。
図7は、照明システムの瞳面の第1象限Q1を示す図である。第1象限Q1は、瞳面に交差する光軸Oの周囲を囲む円環形に配置された多くの区域を含む。照明システムは、5つの異なる所望の照明モードを生成するよう構成される。この象限の区域724aーd、724a′ーd′は、各第1反射要素22aーdから、放射のサブビームBa、Bb、Bc、Bdを受けうる。照明区域の内側半径範囲はσinnerと呼ばれる。照明区域の外側半径範囲はσouterと呼ばれる。簡単にするため、図7において各区域はただ一つの二次反射要素と関連づけられるとものと仮定する。図7において区域724aーdおよび724a’ーd’は、それぞれ二次反射要素24aーdおよび二次反射要素24a’ーd’に関連付けられる。
しかしながら代替的に、各区域に複数の二次反射要素が関連付けられてもよいことは理解される。各区域に、例えば10個から20個の間の二次反射要素が設けられてもよい。この場合、それにしたがって一次反射要素の数は増減される。例えば、所与の照明区域に10個の二次反射要素が存在する場合、その区域へ放射を導くよう構成された10個の一次反射要素が存在する(各一次反射要素は放射をその区域内の異なる二次反射要素に導くよう構成される)。以下の説明で「一次反射要素」という用語が使用される場合、これは一斉に動くよう構成された複数の一次反射要素を含んでもよい。
瞳面全体にわたる照明区域の相対表面積、すなわち投影レンズの開口数に対応する瞳面積で正規化された構成区域の表面積は、(σouter −σinner )/2となる。したがって、エタンデュ比X(すなわち、使用されている瞳面面積の逆数)は、X=2/(σouter −σinner )となる。
図7に示される象限Q1には8個の各二次反射装置24a−d、24a’−d’を含む8個の区域が存在する(瞳面全体では32個の区域に対応する)。一次反射要素によって反射された放射のサブビームによって各区域が照射されるよう各区域のサイズおよび形状が規定される。各一次反射要素は個々に、同じ象限の異なる部分の2つの異なる区域を照らすよう構成される。より具体的には、各一次反射要素は、第1の向きと第2の向きとの間で動くことによって、同じ象限にある第1の関連づけられた区域または第2の関連づけられた区域のいずれかに放射を導くことにより照射し、したがって第1の関連づけられた二次反射要素または第2の関連づけられた二次反射要素のいずれかを照射するよう構成される。
図7においては同じ象限Q1に対となる区域724a、a’、724b、b’、724c、c’、および724d、d’が設けられているが、必ずしもこれに限られない。例えば、第1区域がひとつの象限に設けられ、対応する第2区域は異なる象限に設けられてもよい。区域の対となる第1区域と第2区域との離間距離が大きくなると、放射サブビームをそれらの区域に導くために一次反射要素により要求される回転量もまた増える。区域の位置は、一次反射要素に要求される回転量が最小化されるように、またはどの一次反射要素に対しても所定の最大回転量以上回転することが要求されないように選択されてもよい。区域の位置は、照明モードの所望のセットが得られうるような(例えば、図8に関連してさらに以下に説明されるような)ものであってもよい。
第1一次反射要素22a(図5および図6参照)は、第1の向きを向いている場合に象限Q1の第1の関連づけられた区域724aを照らし、第2の向きを向いている場合にその象限の第2の関連づけられた区域724a’を照らすよう構成される。第2一次反射要素22bは、第1の向きを向いている場合に第1の関連づけられた区域724bを照らし、第2の向きを向いている場合に第2の関連づけられた区域724b’を照らすよう構成される。第3一次反射要素22cは、第1の向きを向いている場合に第1の関連づけられた区域724cを照らし、第2の向きを向いている場合に第2の関連づけられた区域724c’を照らすよう構成される。第4一次反射要素22dは、第1の向きを向いている場合に第1の関連づけられた区域724dを照らし、第2の向きを向いている場合に第2の関連づけられた区域724d’を照らすよう構成される。
他の象限(図示せず)においても、区域および関連づけられた一次反射要素についての同等な配置が適用されてもよい。
各一次反射要素を所定の軸の周りで回転させることによってその一次反射要素を第1の向きと第2の向きとの間で動かしてもよい。複数の一次反射要素が同じ軸の周りに回転可能であるよう構成され、配置されてもよい。例えば、瞳面の同じ象限の隣接する区域の対に関連付けられた一次反射要素の対は、同じ軸の周りを回転するよう構成されてもよい。説明された例では、隣接する区域の対である区域724a、724bに関連付けられた第1および第2一次反射要素22a、22bは第1軸AAの周りで回転するよう構成され、隣接する区域の対である区域724c、724dに関連付けられた第3および第4一次反射要素22c、22dは第2軸BBの周りで回転するよう構成される。第1軸AAは象限Q1のx軸に対して56.25°をなすよう配置され、第2軸BBは象限Q1のx軸に対して33.75°をなすよう配置される。図7の平面には第1および第2軸AA、BBが示されているが、これは説明の容易化のみを目的とする。これらの軸は、第1反射素子22の面上またはその近傍にあり、より具体的には、対となる一次反射要素22a、22bおよび22c、22dの回転の中心を含む面上またはその近傍にある。第1および第2軸AA、BBは、照明システムの光軸Oを通過する。
追加的にまたは代替的に、瞳面の向かい側の象限において対応する区域に関連づけられた一次反射要素が同じ軸の周りで回転するよう構成されてもよい。例えば、第1象限Q1に関連付けられた一次反射要素22a、b、および、第3象限に関連付けられた対応する各一次反射要素が、第1軸AAの周りで回転するよう構成されてもよい。同様に、第1象限Q1に関連付けられた一次反射要素22c、d、および、第3象限に関連付けられた対応する各一次反射要素が第2軸BBの周りで回転するよう構成されてもよい。
第2象限に関連付けられた一次反射要素および第4象限に関連付けられた一次反射要素は、第3軸(例えば、x軸に対して123.75°をなすよう配置された軸)の周りで回転されてもよい。さらに、第2象限に関連付けられた一次反射要素および第4象限に関連付けられた一次反射要素は、第4軸(例えば、x軸に対して146.25°をなすよう配置された軸)の周りで回転されてもよい。これらの象限は図7に示されていない。
一次反射要素は、同じ軸の周りで同じ向きまたは反対の向きに回転するよう構成されてもよい。
複数の一次反射要素が同じ軸の周りで同じ向きに回転するよう共にグループ化されている場合、一次反射要素を第1の向きと第2の向きとの間で動かすよう構成されたアクチュエータは単純化されうる。例えば、同じ軸の周りで回転するようグループ化された一次反射要素に関連付けられたアクチュエータは、それらの一次反射要素を一斉に動かすよう構成されてもよい。したがって、4つの所定の回転軸が存在する実施の形態においては、4個のアクチュエータが設けられてもよい。
図8は、説明された装置を使用して(すなわち16個の一次反射要素および4つの回転軸を用いて)、5つの異なる照明モードが照明システムの瞳面においてどのように形成されうるかを示す。照明モードは以下の通りである。環状照明モード(図8a)、ダイポールx照明モード(図8b)、ダイポールy照明モード(図8c)、クェーサ照明モード(図8d)、および、cクァッド照明モード(図8e)。
図8aに示されるような環状照明モードを生成するために、第1象限に関連付けられた一次反射要素22a−dは、区域724b、724d、724a’、724c’が照らされるよう方向付けられる。これは、第1一次反射要素22aを第1軸AAの周りで第2の向きへ回転させ、第2一次反射要素22bを第1軸AAの周りで第1の向きへ回転させ、第3一次反射要素22cを第2軸BBの周りで第2の向きへ回転させ、第4一次反射要素22dを第2軸BBの周りで第1の向きへ回転させることにより達成される。第2、第3および第4象限の区域に関連付けられた一次反射要素も同様に方向付けられる。
図8b(図6bも参照)に示されるようなダイポールx照明モードを生成するために、第1象限に関連付けられた一次反射要素は、区域724b’、724a’724d’、724c’が照らされるよう方向付けられる。これは、第1一次反射要素22aを第1軸AAの周りで第2の向きへ回転させ、第2一次反射要素22bを第1軸AAの周りで第2の向きへ回転させ、第3一次反射要素22cを第2軸BBの周りで第2の向きへ回転させ、第4一次反射要素22dを第2軸BBの周りで第2の向きへ回転させることにより達成される。第2、第3および第4象限の区域に関連付けられた一次反射要素も同様に方向付けられる。
図8c(図5bも参照)に示されるようなダイポールy照明モードを生成するために、第1象限に関連付けられた一次反射要素は、区域724a、724b、724c、724dが照らされるよう方向付けられる。これは、第1一次反射要素22aを第1軸AAの周りで第1の向きへ回転させ、第2一次反射要素22bを第1軸AAの周りで第1の向きへ回転させ、第3一次反射要素22cを第2軸BBの周りで第1の向きへ回転させ、第4一次反射要素22dを第2軸BBの周りで第1の向きへ回転させることにより達成される。第2、第3および第4象限の区域に関連付けられた一次反射要素も同様に方向付けられる。
図8dに示されるようなクェーサ照明モードを生成するために、第1象限に関連付けられた一次反射要素は、区域724c、724d、724b’、724a’が照らされるよう方向付けられる。これは、第1一次反射要素22aを第1軸AAの周りで第2の向きへ回転させ、第2一次反射要素22bを第1軸AAの周りで第2の向きへ回転させ、第3一次反射要素22cを第2軸BBの周りで第1の向きへ回転させ、第4一次反射要素22dを第2軸BBの周りで第1の向きへ回転させることにより達成される。第2、第3および第4象限の区域に関連付けられた一次反射要素も同様に方向付けられる。
図8eに示されるようなcクァッド照明モードを生成するために、第1象限に関連付けられた一次反射要素は、区域724a、724b、724d’、724c’が照らされるように方向付けられる。これは、第1一次反射要素22aを第1軸AAの周りで第1の向きへ回転させ、第2一次反射要素22bを第1軸AAの周りで第1の向きへ回転させ、第3一次反射要素22cを第2軸BBの周りで第2の向きへ回転させ、第4一次反射要素22dを第2軸BBの周りで第2の向きへ回転させることにより達成される。第2、第3および第4象限の区域に関連付けられた一次反射要素も同様に方向付けられる。上記のいかなる例においても、(二次反射素子上の)区域の照明は、放射のサブビームを対応する二次反射要素へと導くステップを含むことは理解される。
図8に示される照明モードの上記の説明において、第2、第3および第4象限の区域に関連付けられた一次反射要素は第1象限と同様に方向付けられることが言及された。以下、これがどのようになされるか説明する。図8から、ダイポール、クェーサおよびcクァッドモードはx軸およびy軸について対称であることが分かる。しかしながら図8aの環状モードは、(90°またはその倍数の回転について)回転対称であるが、x軸、y軸のいずれについても対称ではない。
本発明のある態様によると、所望の複数の照明モードが同じ対称性を共有しないとき、区域の位置が以下のように構成されることは理解される。すなわち、各区域の対は関連付けられた区域の対を有し、その2つの対は象限を二等分する線SS(図7参照)について対称となるよう配置される。例えば、区域24a、a’からなる第1対は、区域24c、c’からなる第3対に関連付けられる。これら2つの対は線SSについて対称となっている。区域24b、b’からなる第2対は、区域24d、d’からなる第4対に関連付けられる。これら2つの対もまた線SSについて対称となっている。他の象限に対しても同じ制限が課される。
第2象限は第1象限の鏡像である。第3および第4象限は第1および第2象限の鏡像である。区域をこのように配置することにより、図8に示される全ての照明モードを得ることが可能となる。図8b−dに示される照明モードのいずれかが生成されるとき、各象限の対応する一次反射要素の向きは同じである。図8aの環状モードが生成されるとき、第1および第3象限の一次反射要素の向きは、第2および第4象限の一次反射要素に適用される向きと反対である。
上述の図では少数の一次反射要素のみ示しているが、より一層大きい数の一次反射要素が使用されてもよい第1反射素子22は例えば100個以下、200個以下、400個以下、またはそれより多い一次反射要素を備えてもよい。一次反射要素は二次元格子形状に配列されてもよい。一次反射要素は、放射ビームを横切る面に配置されてもよい。各一次反射要素は、所与の照明区域の一部に向けて放射を導いてもよい。例えば、図7を参照して、第1照明区域24aは、複数の部分(例えば数十個の部分)にさらに分割されてもよい。各部分は、異なる一次反射要素から放射を受ける。
一次反射要素はミラーであってもよく、その他適切な反射要素であってもよい。
図9は、本発明の実施の形態に係るミラー110用のアクチュエータ109を示す図である。ミラー110は、図3に示される反射素子22の前述の複数の一次反射要素の一つである。具体的には、ミラー110は一次反射要素22a−dの一つであってもよい。アクチュエータは、ミラー110を第1の向きと第2の向きとの間で回転させるために用いられうる。
アクチュエータ109は、ミラー110が設けられたロッド111を備える。ロッド111はピボット112に回転可能に取り付けられる。図9の両方向矢印は、ロッド111とミラー110の回転方向を示す。ロッド111は、一つ以上のバネ(図示せず)によって中心位置(例えば図9のロッド111が垂直となる位置)に向けて弾性的に付勢される。ミラーはロッドに固定されているため、ピボット112のまわりのロッド111の回転により、ミラー110の回転が引き起こされる。ロッド111の最下端に磁石113が設置されている。以下、この磁石をロッド磁石113とよぶ。
磁石114が回転可能マウント115内に保持されている。以下、この磁石を作動磁石114とよぶ。回転可能マウント115は、回転可能マウントに隣接して配置されたモータ116により軸Rのまわりを回転するよう駆動される。モータ116は、コントローラ117によって制御される。
ロッド磁石113は作動磁石114に引き寄せられ、作動磁石に向かって動く。図9に示されるように、作動磁石114に向かうロッド磁石113の動きはエンドストップ118によって制限される。作動磁石114が図9に示す位置にあるとき、ロッド111の位置は図9に示す位置となる。これは例えば、ミラー110の第1の向きに対応しうるロッド111の第1位置とみなされてもよい。
ロッド111は例えば、モータがロッド111をエンドストップ118に対して押すようにモータ116に電力を供給し続けることにより、第1位置に保持されてもよい。
モータ116は、モータのスイッチが切られたときロッド111を第1位置に保持するために十分堅牢な歯車装置(gearing)を含んでもよい。ロッド111が第1位置と第2位置の間の位置に弾性的に付勢される場合、歯車装置は、その弾性的付勢によりロッド111が第1位置から動かされることを妨げるために十分堅牢であってもよい。
図9にはまた、非磁性物質119のシートが示されている。シート119は、ミラー110、ロッド111およびロッド磁石113を作動磁石114、回転可能マウント115、およびモータ116に対して封止する。この封止は、作動磁石114、回転可能マウント115、およびモータ116から生じる汚染物質がリソグラフィ装置の他の場所に入ることを防ぐ。汚染物質は例えば、モータから時折放出される粒子や、モータのベアリングの潤滑油から気体として放出される(アウトガスとして知られるプロセス)炭化水素化合物を含みうる。もしもこの汚染物質がミラー110の表面に付着したならば、ミラーの反射率を低減させるであろう。封止材は、このような事態が生じることを防止する。シート119は非磁性物質で形成されるため、このシートは作動磁石114とロッド磁石113との間の磁気相互作用に干渉しない。
シート119は例えば、ステンレス鋼、または他の適切な材質で作られてもよい。その材質は例えば金属であってもよく、またはその他の多量のアウトガスを生じさせない物質であってよい。
シート119は、封止囲い(点線120で示される)の一部を構成してもよい。封止囲いの内部には作動磁石114、回転可能マウント115、およびモータ116が配置される。ミラー110、ロッド111およびロッド磁石113は、低圧力(例えば5Pa以下)で提供される水素(またはそのほかの気体)で包囲されてもよい。作動磁石114、回転可能マウント115、およびモータ116を封止囲いの内部に設けることで、水素ガスがそれらと接触することを防止できる。これにより、水素が磁石114、115、またはモータ116内に存在する磁石の作用に影響を与えることを防止できる。
図10は上から見た作動磁石114および回転可能マウント115を示す。図10aは、第1位置にある回転可能マウント115を示す。第1位置においては作動磁石114が図の左側(xの負の方向)にある。これは、回転可能マウント115の図9で示される位置に対応する。
回転可能マウント115は図10aの矢印で示されるように、180°回転されてもよい。回転可能マウント115を180°回転させると、回転可能マウントは図10bに示される第2位置に動く。第2位置においては作動磁石114が図の右側(xの正の方向)にある。回転可能マウント115は図10bの矢印で示されるように、反対に180°回転されて、第1位置に戻されうる。
図11は回転可能マウント115が第2位置にあるときのアクチュエータ109を示す。作動磁石114は、図11の右側にある。ロッド磁石113は作動磁石114に引き寄せられるため、ロッド磁石は作動磁石に向かって、その動きがエンドストップ121で止められるまで動く。図11に示されるロッド111の位置は例えば、ミラー110の第2の向きに対応しうるロッド111の第2位置とみなされてもよい。
前述のように、シート119は封止囲い120の一部を構成する。封止囲い120の内部には作動磁石114、回転可能マウント115、およびモータ116が配置される。アクチュエータ109およびミラー110は、アレイ内に設けられる複数のアクチュエータおよびミラーの一つであってもよい。この場合、複数の作動磁石、回転可能マウント、モータは、同じ囲いの中に配置されてもよい。囲いは、アレイの作動磁石、回転可能マウントおよびモータ全てを保持してもよく、あるいは、アレイの作動磁石、回転可能マウントおよびモータの一部を保持してもよい。
囲いは、ステンレス鋼、または他の適切な材質で形成されうる。その材質は非磁性体であってもよい。その材質は例えば金属であってもよく、またはその他の多量のアウトガスを生じさせない物質であってよい。
コントローラ117は、囲いの内部に配置されてもよく、囲いの外に配置されてもよい。複数のモータを制御するために単一のコントローラが用いられてもよい。あるいはまた、各モータが異なるコントローラによって制御されてもよい。
複数のモータが封止囲いの中に設けられる場合、封止囲いの中に各モータへの制御信号を運ぶために一つ以上のワイヤが用いられてもよい。封止囲いの中へと通過するワイヤの数は少なくすることが望ましいであろう。これは、制御信号を多重化し、数を減らしたワイヤを介して多重化された信号を封止囲いの中へ通過させることにより実現されうる。その後制御信号は封止囲いの中に配置された多重分離装置を用いて多重分離されうる。制御信号はその後モータに受け渡されてもよい。多重分離装置は、コントローラの一部を形成してもよい。
代替的な構成においては、作動磁石114、回転可能マウント115およびモータ116はそれぞれ別個の封止囲い内に配置されてもよい。
作動磁石114は回転可能マウント115の内部に保持されているように図示されているが、作動磁石114は回転可能マウント115を超えて拡がるように設けられてもよい。例えば、作動磁石は回転可能マウント上に設置されてもよい。回転可能マウント115は円形であるように図示されているが、回転可能マウントは任意の適切な形状であってよい。回転可能マウントは、モータ116の回転軸Rから作動磁石114をずらす。回転可能マウント115は例えば、モータ116の回転軸Rを横切って延びるアームであってもよい。モータは例えば、回転軸Rのまわりの回転をもたらす任意の適切なタイプの回転モータであってよい。
作動磁石114は円筒形として図示されているが、作動磁石は任意の適切な形状であってよい。例えば、作動磁石はアーチ型、正方形、または長方形であってもよい。
図9および図11においてエンドストップ118、121は、シート119から外側に延びるブロックとして示されている。しかしながら、これは単なる例示でありエンドストップは任意の適切な形状をとりうる。例えば、エンドストップは、物質のプレートに設けられた開口の形をとってもよい。図12は4つの開口123a、123b、123c、123dを含むプレート122の例を上から見た図を示す。各開口123aーdには、4個のロッド磁石113a、113b、113c、113d用のエンドストップ118、121が設けられる。プレート122の端は点線で模式的に示されている。
エンドストップ118、121は、開口123の周囲に形成される。この例において、ロッド磁石113aーdはその断面が円形であり、開口123の周囲の各端には曲線部分が設けられている。この曲線部分は、ロッド磁石113aーdの曲率半径よりも大きい曲率半径を有する。これにより、ロッド磁石の開口に対する一つの接触点が提供される。一つの接触点を設けることで、ロッド磁石113が複数の接触点の間で滑る可能性を低減できる。これによりまた、接触点間をスライドする間に汚染物質が発生する可能性を低減できる。
図12においては、ロッド磁石のうちの一つのロッド磁石113aが第2位置にあり、開口123の周囲の右端に設けられたエンドストップ121と接触している。残りの3つのロッド磁石113bーdは第1位置にあり、それぞれ開口123の周囲の左端に設けられたエンドストップ118と接触している。
ロッド磁石113aーdが第1および第2位置の間を動くとき開口の辺(side)に接触する可能性が有意に高くならぬように、開口123の幅は十分広い(開口の辺との接触により、ロッド磁石または開口からの汚染物質の放出が引き起こされうる)。
プレート122は、これよりも大きくてもよく、例えば多数の開口を含んでもよい。例えば、ミラーアレイの全てのアクチュエータに対してエンドストップを提供する単一のプレート122が用いられてもよい。
図12に示される開口123は全て同じ向きを有するが、異なる開口は異なる向きを有してもよい。向きの異なる開口を設けることにより、アクチュエータが異なる経路に沿って動くことができる。よって、関連づけられたミラー110の異なる軸のまわりの回転を生じさせることができる例えば図7を参照すると、第1のミラーに対しては軸AAのまわりの回転、第2のミラーに対しては軸BBのまわりの回転が所望されるかもしれない。これを達成するために、適切に方向付けられた開口と、適切に方向付けられたロッドピボットとが用いられてもよい。
ロッドピボット112(図9参照)は、ロッド111とロッド磁石113がピボットの向きを横切る線の方向に動くようロッド111とロッド磁石113の動きを制約してもよい。例えば図9においてピボット112はy方向に平行な軸を有し、ロッド111はx方向に動くよう制約される。しかしながら、ピボットの軸は必ずしもy方向に平行でなくてもよい。ピボットは、適切な任意の方向に延びる軸(例えば図7に示される軸AA、BB)を有してよい。
ロッドピボット112は、ロッド111とロッド磁石113が線の方向に動くようにそれらの動きを制約しなくともよく、代わりにそれらに対して横方向にも動く自由度を提供するよう構成されてもよい。この場合、ロッド111とロッド磁石113の第1位置と第2位置を二つの方向に対して決定するためにエンドストップが用いられてもよい。この場合の例が図13に関連して説明される。
図13は、プレートに設けられた開口130を示す図である(プレートの端は示されていない)。ロッド磁石132が第1位置132aから第2位置132bへ動く様子が示されている。第1位置132aおよび第2位置132bは、軸LL上に位置する。軸LLは、ロッド磁石132によって駆動されるミラー(図示せず)の所望の第1の向きおよび第2位置の向きを提供するように選択されている。
作動磁石(図示せず)により、ロッド磁石は第1位置132aから動かされる。ロッド磁石は、ロッドによってピボットに接続される。ピボットはロッド磁石がx方向に動くことを可能とし、さらにロッド磁石がy方向に動くための多少の自由度を提供する。ロッド磁石はy方向に自由に動くことができるが、x方向に優先的に動くよう弾性的に付勢されてもよい。したがってロッド磁石は(円形の破線132cで示されるように)開口130の壁130aに接触するまでx方向に動くかもしれない。続いてロッド磁石は開口130の壁130aに沿って移動し、第2の壁130bに接触するまで動くだろう。開口130の第1の壁130aと第2の壁130bはともにロッド磁石の第2位置132bを決定する。
ロッド磁石が第1位置132aに動くとき、第1位置は開口130の第3の壁130cと第4の壁130dによって決定される。
ロッド磁石の第1位置および第2位置を決定するために開口130の形と方向が用いられてもよい。例えば、開口130をより長くすると、第1の向きおよび第2の向きの間で回転されるミラーの回転量が増加する。開口130の向きを変えることで、ロッド磁石の第1位置と第2位置を結ぶ軸LLの向きが変わる(したがって、ミラーの回転軸が変わる)。開口130が設けられるプレートは、各ロッド111の所望の第1位置と第2位置、および関連づけられた各ミラー110の第1の向きおよび第2の向きの選択を可能とするよう十分精密に製造されうる。
開口130は、任意の適切な形状であってよい。例えば、開口の壁は、直線よりもむしろ曲線であってもよく、開口の端は角として形成されてもよく丸みをおびた形とされてもよい。
ロッド磁石132とともにベアリング(例えばボールベアリング)が設けられてもよい。ベアリングは開口130の壁を滑るよりもむしろ、開口130の壁130aーdに沿って回転するよう構成される。これにより、壁130aーdまたはロッド磁石132から汚染物質が放出される可能性を低減できる。
図13においては一つの開口が示されているが、この開口はプレートに設けられる複数の開口のうちの一つであってもよい。
前述の実施形態においては、ロッド磁石113がエンドストップと接触した。しかしながら代わりに、ロッド111の他の部分がエンドストップと接触してもよい。例えば、ロッド磁石113は、ロッド111の一部を形成する囲いの内部に保持されてもよく、その囲いがエンドストップと接触してもよい。
前述の実施形態においては、ロッド磁石113と作動磁石114とは、互いに引きつけ合うよう構成された。しかしながら、ロッド磁石113と作動磁石114とは、互いに反発するよう構成されてもよい。この場合、以下の点を除いて前述と同様の方法で駆動される。すなわち、作動磁石114は第1位置と第2位置の間でロッド磁石113を引くのではなく、第1位置と第2位置の間でロッド磁石を押す点が異なる。
回転可能マウント115が所望の位置(例えば図10aおよび10bに示される位置)を越えて回転するのを防止するため、エンドストップ(図示せず)が用いられてもよい。この場合、モータ116は回転可能マウント115の位置を正確に制御する必要はない。それはエンドストップにより提供されるためである。モータ116は例えば、通常の電気モータであってもよい。モータ116は例えば、ブラシレスモータであってもよい。
モータ116は、回転可能マウント115用のエンドストップが不要となるよう回転可能マウント115の向きを制御するために用いられてもよい。モータ116は例えば、回転可能マウント115の向きを制御するために用いられるステッパモータであってもよい。
図10aにおいては、回転可能マウント115が第1位置から第2位置へと時計回りに回転する様子が示されている。これに代えて、回転可能マウント115は第1位置から第2位置へと反時計回りに回転してもよい。
既述の実施形態においては、モータ116の回転軸から磁石をずらす回転可能マウント115を回転させることにより、作動磁石114の動作が達成された。しかしながら、作動磁石114を動かす他の方法が用いられてもよい。例えばモータは、作動磁石が取付られているクランクシャフトを駆動するよう構成されてもよい。あるいはまたモータは歯を駆動してもよい。歯は作動磁石につながれている歯付きバー(ラック)を駆動する。さらなる実施形態においては、作動磁石はリニアモータによって駆動されてもよい。リニアモータは、作動磁石を第1位置から第2位置へ直線状に動かすよう構成される。
さらなる構成(図示せず)においては作動磁石を動かすためにバイメタルモータが用いられてもよい。バイメタルモータは、一端に作動磁石を有するバイメタル帯板(strip)を備えてもよい。バイメタル帯板は、その板に加えられる電流に反応して作動磁石を第1位置と第2位置との間で動かすよう構成されてもよい。
作動磁石に近接するがその作動磁石によって駆動されることは意図されていない一つ以上のロッド磁石に対する作動磁石の影響を低減するため、磁気遮蔽が設けられてもよい。例えば開口123aーdが設けられているプレート122によって磁気遮蔽が提供されてもよい。これは例えば、プレート122を強磁性体で形成することにより達成されてもよい。
磁石113、114は、任意の適切な物質で製造されうる。これらの磁石のうち一つ以上の磁石が、ネオジウムを含んでもよい。例えば、一つ以上の磁石が、鉄、ホウ素、ネオジウムを含む化合物から製造されてもよい。
磁気遮蔽が設けられた本発明の実施の形態が図14に模式的に示される。図14aは、上から見た磁気遮蔽を示す。磁気遮蔽は、ロッド磁石遮蔽壁140および作動磁石遮蔽壁142と、ロッド磁石を備える(第1位置141aと第2位置141bにおけるロッド磁石が示されている)。図14aはまた、関連づけられた第1位置143aと第2位置143bにおける作動磁石も示す。図14bは、一方の側面から見たロッド磁石遮蔽壁140および作動磁石遮蔽壁142を、第1位置141aにおけるロッド磁石と、第1位置143bにおける作動磁石とともに示す。図14bはまた、ロッド磁石遮蔽壁140と作動磁石遮蔽壁142との間に配置される非磁性物質のシート145の一部を示す。説明を容易にするため、非磁性物質のシート145は図14aから省略されている。
非磁性物質のシート145は、囲い(図示せず)の一部を構成する。囲いは、作動磁石143、モータ(図示せず)、およびアクチュエータの他の部分をロッド磁石141、ロッド磁石遮蔽壁140、およびミラー(図示せず)から隔離した環境内に封止する。
ロッド磁石遮蔽壁140は、磁性物質のリング(例えば低炭素鋼等の鋼のような強磁性体)を含む。作動磁石遮蔽壁142は、磁性物質(例えば低炭素鋼等の鋼等の強磁性体等)のシートに形成される開口150を備える。作動磁石遮蔽壁142は、開口150の形は異なるが、図12のプレート122に対応してもよい。
開口150は、作動磁石143の移動の反対の端にある面151a、bにおいて、凹形に曲げられている。凹型面151a、bは、二つの凸型面152a、bによってつながれている。窪み153a、bが各凸型面152a、bに形成されている。各窪み153a、bは、円の一部の形である。
作動磁石遮蔽壁142の開口150は例えば図14に示すように、作動磁石の移動方向にロッド磁石遮蔽壁140よりも長くてもよい。ロッド磁石遮蔽壁140はエンドストップとして機能することにより、ロッド磁石141の移動を制限してもよい。作動磁石遮蔽壁142の開口150もまた、エンドストップとして機能することにより、作動磁石143の移動を制限してもよい。開口150は、移動方向に作動磁石遮蔽壁142よりも長いため、作動磁石143は、ロッド磁石141よりも遠くまで移動してもよい。
図14aから分かるように、ロッド磁石141が第1位置141aにあるとき、ロッド磁石遮蔽壁140の最も内側の面がエンドストップとして機能する。作動磁石遮蔽壁142の開口150の凹形部分151aにより、作動磁石143は、関連づけられた第1位置143aへと、ロッド磁石141よりも遠くまで移動できる。同様に、ロッド磁石141が第2位置141bにあるとき、ロッド磁石遮蔽壁140の最も内側の面がエンドストップとして機能する。作動磁石遮蔽壁142の開口150の凹形部分151bにより、作動磁石143は、関連づけられた第2位置143bへと、ロッド磁石141よりも遠くまで移動できる。
ロッド磁石遮蔽壁140と作動磁石遮蔽壁142とは、非磁性物質のシート145に隔てられているが、互いに近接する。このように近接させて配置することにより、ロッド磁石遮蔽壁140は、ロッド磁石141と作動磁石143の両方の磁場に対して有意な効果をもつ。同様に、作動磁石遮蔽壁142は、作動磁石143とロッド磁石141との両方の磁場に対して有意な効果をもつ。ロッド磁石遮蔽壁140と作動磁石遮蔽壁142が一体となって合成された遮蔽効果を提供するともいえる。
作動磁石遮蔽壁142とロッド磁石遮蔽壁140によりもたらされる合成遮蔽効果により、作動磁石143を第1位置143a(または第2位置143b)に保持するために必要な力が低減される。
作動磁石143およびロッド磁石141は、互いに引き合うように磁化されている。従って本発明の実施形態において、作動磁石143とロッド磁石141とは、互いに並ぶよう弾性的に付勢される。作動磁石143が第1位置143aにあるとき、作動磁石143はもはやロッド磁石141と並んでおらず、したがってロッド磁石は、作動磁石をロッド磁石の方に引き付ける力を作用させる。この力は、作動磁石遮蔽壁142とロッド磁石遮蔽壁140によりもたらされる合成遮蔽効果によりロッド磁石141の磁場が部分的に作動磁石143の磁場から遮蔽されるため、低減される。
作動磁石143を第1位置143aまたは第2位置143bに保持するために必要な力が低減されるため、作動磁石は、そうでない場合よりも出力される力の弱いモータで駆動されうる。
ロッド磁石遮蔽壁140と作動磁石遮蔽壁142とにより、ロッド磁石141を第1位置から第2位置へと(そしてその逆へと)動かすために必要な力が低減されうる。ロッド磁石遮蔽壁140と作動磁石遮蔽壁142とは、ロッド111の弾性的付勢を打ち消し、または実質的に打ち消す(図11参照)。
出力値の弱いモータは出力値の高いモータよりも、廉価に製造、稼働されうる。したがって、アクチュエータを製造し、稼働する際のコストを低減しうる。さらに、このモータは電流使用量が少ない。よってより廉価な駆動エレクトロニクスを用いて駆動されうる。
ロッド磁石遮蔽壁140と作動磁石遮蔽壁142とは、ロッド磁石141および作動磁石143を近接するアクチュエータの磁石から遮蔽しうる。
「磁石遮蔽壁」という用語は、不要な磁場の強さを、その磁石遮蔽壁がない場合に存在する不要な磁場の強さに比べて低減する磁性体を意味するものと解釈されうる。
非磁性物質のシート145は例えば0.5mm厚さであってもよい(または他の厚さを有してもよい)。非磁性物質のシート145を厚みが薄い非磁性体として設けることにより、ロッド磁石141と作動磁石143とを互いに近くすることができ、よってそれらの間に強い結合を構築できる。ロッド磁石遮蔽壁140は、非磁性物質のシート145と接触していてもよい。作動磁石遮蔽壁142もまた、非磁性物質のシート145と接触していてもよい。非磁性物質145は、ロッド磁石遮蔽壁140の磁場または作動磁石遮蔽壁142の磁場に対して大きい影響を及ばさない。他の構成では、ロッド磁石遮蔽壁140と非磁性物質のシート145との間、および/または作動磁石遮蔽壁142と非磁性物質のシート145との間に他の物質が置かれてもよい。
例えば0.5mmの隙間がロッド磁石141と非磁性物質のシート145との間に設けられてもよい。同様に、例えば0.5mmの隙間が作動磁石143と非磁性物質のシート145との間に設けられてもよい。
ロッド磁石遮蔽壁140と作動磁石遮蔽壁142とは、非磁性物質のシート145に対して構造的な支持を提供する。これにより、非磁性物質のシート145はシートの片面が真空であり、その反対側は真空でないことにより生じる力に耐えることができる。
作動磁石遮蔽壁の開口150は、図14に示す形とは異なる形であってもよい。同様に、ロッド磁石遮蔽壁140も図14に示す形とは異なる形を有してもよい。これらの形にかかわらず、ロッド磁石遮蔽壁140と作動磁石遮蔽壁142とは一体となって合成された遮蔽効果を提供する。合成された遮蔽効果により、作動磁石143を第1位置143aまたは第2位置143bに保持するために必要な力が低減される。
出力される力または出力トルクが比較的弱いモータを用いることは有利であることは理解される。しかしながら、回転可能マウント115を作動磁石114と共に駆動するモータ116は、本発明のある態様によると代替的に、比較的高い出力トルクをもたらすよう構成されたモータであってもよい。その場合の利点は、ロッド111の第1位置と第2位置との間の位置(例えば図9の中央位置)への弾性的付勢が、熱伝導を高めるように構築されうることである。このような構成は典型的に、対応するより高い堅牢性を特徴とする。熱伝導が高められることにより、EUV放射の吸収による一次反射要素の加熱問題が軽減される。例えば、アクチュエータ109それぞれの、より高い堅牢性に打ち勝つために、モータ116は、縮小係数(Reduction Factor)が10以上の歯車システム(gear system)を含んでもよい。縮小係数がより小さい場合、歯車装置(gearing)はもはや、モータのスイッチが切られたときロッド111を第1位置(または第2位置)に保持するのに十分なほど堅牢ではないかもしれない。さらに、歯車縮小係数が10以上の範囲にある場合、モータを駆動するために必要な電流は、変速装置(gear box)を含まないモータを駆動するために必要な電流に比べて、係数10以上低減されうる。
本発明のある態様によると、比較的堅牢性の高いアクチュエータ109は、図15に示すようにロッド磁石113およびアクチュエータ磁石114を含む。ロッド磁石113は、平行かつ逆方向に磁化された一対の磁石1131および1132を備える。磁化の方向は、移動方向(図9、11、15のx方向)に対して実質的に垂直であり、例えば図15のxy平面に対して垂直である。磁化の方向は図15において矢印で示される。アクチュエータ磁石114は、それぞれ磁石1131および1132と同じ方向に磁化された一対の磁石1141および1142を含む。磁石1131および1132は、互いに直接隣接するように配置されてもよく、あるいはまた図16に示すように、移動方向(図9、11のx方向)に磁化された第3磁石1133を囲むように配置されてもよい。同様に、磁石1141および1142は、互いに直接隣接するように配置されてもよく、あるいはまた前述の磁石1133の磁化の向きと逆向きに磁化された第3磁石1143を囲むよう配置されてもよい。磁石1133および1143の存在により、アクチュエータの堅牢性のさらなる向上が達成される。
図9および11のxy平面における磁力線の空間的広がりは、ロッド磁石113およびアクチュエータ磁石114がそれぞれ単一の磁石からなる場合の磁力線の空間的広がりに比べて抑制されることは理解される。その結果、隣接するアクチュエータ間の磁場のクロストークの問題がさらに軽減される。さらに、駆動磁石(drive magnet)が湾曲磁石(flex magnet)に対して動かされるときに生じるロッド磁石とアクチュエータ磁石の間の横方向の力が、ロッド磁石とアクチュエータ磁石がそれぞれ単一の磁石からなる場合に生じるであろう横方向の力に比べて大きくなる。本実施形態のアクチュエータ109は、ロッドとアクチュエータ磁石がそれぞれ単一の磁石からなる実施形態に比べて、同じ総磁石体積を保ちつつ、ロッド磁石の運動方向における少なくとも1.3倍大きい力の能力(または堅牢性)をもつ磁気結合をもたらす。さらに、例えば図12に示される遮蔽壁122、または、図14bに示される遮蔽壁140および142のような磁気遮蔽壁との組み合わせにより、アクチュエータの位置範囲についてアクチュエータの比較的低い負の堅牢性(negative stiffness)がもたらされる。ここでアクチュエータの位置範囲は、アクチュエータが弾性的に付勢される前述の中央位置を中央とする位置範囲である。その位置範囲において、単一磁石のロッドとアクチュエータ磁石を用いるアクチュエータは、より高い負の堅牢性を特徴とする。前述の比較的低い負の堅牢性は、モータ116のギアアセンブリが、(中央位置におけるミラー110の対応する向きの誤差とともに)バックラッシュを突破する危険性を低減する。
以下のさらなる例によって示されるように、本発明は、ロッド磁石とアクチュエータ磁石の両方が逆向きに磁化された磁石の対を含む実施形態に限られるものではない。別の実施形態によると、二つの磁石のうちの一つのみ、すなわちロッド磁石113またはアクチュエータ磁石114のいずれかのみが、逆向きに磁化された磁石の対を含んでもよい。
ロッド磁石とアクチュエータ磁石のうちの一つまたは各々は、さらにヨーク170を含んでもよい。ヨーク170は、ロッド磁石および/またはアクチュエータ磁石の表面であってロッド磁石とアクチュエータ磁石の間の空間と反対側の面に配置される。ヨーク170の存在により、隣接するアクチュエータ間の磁場のクロストークがさらに低減される。ヨークは、例えば鉄のヨークであってもよい。別の実施形態は、アクチュエータ磁石全体が単一のヨークで置き換えられる点を除いては、この実施形態と同様である。さらに別の実施形態においては、ロッド磁石とアクチュエータ磁石とは、磁石1133と1143、およびヨークで構成される。各ヨークは、磁石1131、1132、1141,1142を置き換える。これらのヨークが存在する実施形態のいずれにおいても、隣接するアクチュエータ間の磁場のクロストークがさらに低減される。各ヨークは、例えば鉄のヨークであってもよい。ヨークによって磁石が置き換えられる上述のアクチュエータは製造は容易であるが、どの磁石もヨークによって置き換えられない実施形態に比べて堅牢性が低い。
逆向きに磁化された磁石の対をロッド磁石とアクチュエータ磁石が含む実施形態はまた、ロッド磁石とアクチュエータ磁石の移動方向に垂直な軸について円筒対称に構成されてもよい。例えば、磁石1131は、円筒形の磁石1132を取り囲む円筒形の磁石であってもよい。この場合逆向きの磁化は、円筒の軸に対して垂直に構成される。このような構成において、磁石1133は円筒形の内側の磁石と外側の磁石の間に配置され、半径方向に磁化されてもよい。このような円筒形のロッド磁石およびアクチュエータ磁石をもつアクチュエータは、磁石の移動方向に垂直な軸について実質的に円筒状に一様な(rotationally uniform)堅牢性を有するが、これが望ましい場合もある。
「モータ」という用語は、上述の例示のモータに限定することを意図するものではなく、その代わり、電気を運動に変換し、または他のエネルギを運動に変換する任意の装置(例えば油圧を運動に変換する油圧モータなど)を包含するものと意図される。
既述の実施形態においては、ミラー110は、回転可能に取付けられたロッド111に接続され、ロッド111には磁石113が設けられている。磁石113を動かすことにより、ロッド111が動き、それによりミラーが回転する。あるいは別の実施形態においては、磁石がミラーのより低い表面に取り付けられていてもよく、ミラーは枢動可能に取り付けられていてもよい。ミラー装着磁石に向かい、又はミラー装着磁石から離れる向きの作動磁石の動きが、ミラーの回転を引き起こす。さらに別の実施形態においては、磁石がミラーのその他の方向の運動を引き起こしてもよい。通常、磁石とミラーとの間には結合があってもよい。
いくつかの図において直交座標系が示されている。これは図の説明を容易とするためのものであり、本発明のいかなる部分についても、特定の向きが必須であることを意図するものではない。
上述の実施形態では、ミラー110に言及した。ミラー110は、反射要素の一例にすぎない。任意の適切な反射要素が使用されてもよい。
上述の実施形態では、(例えばEUVリソグラフィ装置の一部を構成する)反射照明システムに言及した。しかしながら、本発明の実施の形態は、屈折要素を含む照明システムに提供されてもよい。例えば、本発明の実施の形態はDUVリソグラフィ装置において提供されてもよい。反射光学素子に代えてまたは加えて、一つ以上の屈折光学素子が照明システムの瞳面に設けられてもよい。
本発明の説明された実施の形態においてはリソグラフィ装置の照明システムに言及したが、本発明の実施の形態はリソグラフィ装置の任意の適切な位置に設けられてもよい。
反射要素のアレイはリソグラフィ装置の文脈の中で説明されたが、アレイは他の装置において設けられてもよい。
本発明の具体的な実施の形態が上述のように説明されたが、本発明は上述の形式以外の形式でも実施可能であると理解されたい。本説明は本発明を限定することを意図するものではない。
本明細書で説明された特徴は本発明の全ての態様に適用可能であり、任意の組み合わせで使用可能である。

Claims (22)

  1. 可動反射要素と、関連づけられたアクチュエータと、開口を有するプレートとを備える光学装置であって、
    前記アクチュエータは第1磁石と第2磁石とを備え、
    前記第1磁石は、該第1磁石が動くことにより前記可動反射要素が動くよう該可動反射要素に接続され、
    前記第2磁石は、モータの動作により該第2磁石が動くよう該モータに接続され、
    前記第2磁石は、該第2磁石が動くことにより前記第1磁石が動くように該第1磁石に対して配置され
    前記開口は、
    前記第1磁石の動きを制限し、該第1磁石の第1位置を決定するよう構成された第1エンドストップと、
    前記第1磁石の動きを制限し、該第1磁石の第2位置を決定するよう構成された第2エンドストップと、を備えることを特徴とする光学装置。
  2. 請求項1に記載の光学装置であって、前記第1磁石は、回転可能に取り付けられたロッドにより前記可動反射要素に接続されることを特徴とする光学装置。
  3. 請求項1または2に記載の光学装置であって、前記モータと前記第2磁石とは、前記可動反射要素と前記第1磁石とに対して封止されることを特徴とする光学装置。
  4. 請求項1からのいずれかに記載の光学装置であって、前記モータは回転モータであり、前記第2磁石は該回転モータの回転軸からずれた位置に配置されることを特徴とする光学装置。
  5. 請求項1からのいずれかに記載の光学装置であって、前記可動反射要素と関連づけられたアクチュエータとは、複数の可動反射要素と複数の関連づけられたアクチュエータとからなるアレイの一部であることを特徴とする光学装置。
  6. 請求項に記載の光学装置であって、前記アレイの前記モータと前記第2磁石とは、前記アレイの前記可動反射要素と前記第1磁石とに対して封止される囲いの中に配置されることを特徴とする光学装置。
  7. 請求項に記載の光学装置であって、前記囲いの中に多重分離装置が配置され、該多重分離装置は、多重化された入力信号を多重分離し、前記複数のモータのそれぞれに信号を供給するよう構成されることを特徴とする光学装置。
  8. 請求項からのいずれかに記載の光学装置であって、前記プレートは複数の前記開口を有し、
    各開口において、
    前記第1エンドストップは、関連づけられた第1磁石の動きを制限し、該関連づけられた第1磁石の第1位置を決定するよう構成され、
    前記第2エンドストップは、前記関連づけられた第1磁石の動きを制限し、該関連づけられた第1磁石の第2位置を決定するよう構成されることを特徴とする光学装置。
  9. 請求項1から8いずれかに記載の光学装置であって、前記プレートは強磁性体で形成されることを特徴とする光学装置。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の光学装置であって、
    前記第1エンドストップは、前記第1磁石の動きを第1の方向に制限するよう構成され、
    前記第2エンドストップは、前記第1磁石の動きを前記第1の方向に制限するよう構成されることを特徴とする光学装置。
  11. 請求項1から9のいずれかに記載の光学装置であって、
    前記第1エンドストップは、前記第1磁石の動きを第1の方向およびそれを横切る第2の方向に制限するよう構成され、
    前記第2エンドストップは、前記第1磁石の動きを前記第1の方向およびそれを横切る第2の方向に制限するよう構成されることを特徴とする光学装置。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の光学装置であって、前記第1磁石はベアリングとともに設けられることを特徴とする光学装置。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の光学装置であって、本装置はさらに磁気遮蔽壁を備え、該磁気遮蔽壁は、
    第1磁石に関連づけられた第1遮蔽壁と、
    第2磁石に関連づけられた第2遮蔽壁と、を備え、
    前記第1遮蔽壁と第2遮蔽壁とは互いに近接することを特徴とする光学装置。
  14. 請求項13に記載の光学装置であって、合成遮蔽効果が、前記第2磁石を前記第1位置または第2位置に保持するために必要な力を前記第1および第2遮蔽壁がない場合に比べて低減するよう作用することを特徴とする光学装置。
  15. 請求項13または14に記載の光学装置であって、前記第2遮蔽壁は、磁性物質で形成されたプレートを含み、前記プレートには前記第2磁石が配置される開口が設けられることを特徴とする光学装置。
  16. 請求項13から15のいずれかに記載の光学装置であって、前記第1遮蔽壁は、前記第1磁石が配置される磁性物質の円環を含むことを特徴とする光学装置。
  17. 請求項13から16のいずれかに記載の光学装置であって、少なくとも前記第1遮蔽壁または前記第2遮蔽壁のいずれかが、前記第1磁石と前記第2磁石の間に位置する非磁性物質のシートと接触することを特徴とする光学装置。
  18. 請求項1から17のいずれかに記載の光学装置であって、前記第1磁石または前記第2磁石は磁石の対を含み、前記磁石の対の部材は、平行かつ逆向きに磁化されていることを特徴とする光学装置。
  19. 請求項1から18のいずれかに記載の光学装置を含むリソグラフィ装置。
  20. 可動反射要素の向きを変更する方法であって、
    モータを用いて第2磁石を動かすステップと、
    前記第2磁石の動きを利用して、第1磁石と該第2磁石との間の磁気相互作用を介して該第1磁石を動かすステップと、
    前記第1磁石の動きを利用して、該第1磁石と前記可動反射要素との間の結合を介して該可動反射要素の向きを変更するステップと、
    プレートの開口に設けられる第1エンドストップにより、前記第1磁石の動きを制限し、該第1磁石の第1位置を決定するステップと、
    前記開口に設けられる第2エンドストップにより、前記第1磁石の動きを制限し、該第1磁石の第2位置を決定するステップと、を備えることを特徴とする方法。
  21. 請求項20に記載の方法であって、前記第1磁石は、回転可能に取り付けられたロッドにより前記可動反射要素に接続されることを特徴とする方法。
  22. 請求項20または21に記載の方法であって、前記モータと前記第2磁石とは、前記可動反射要素と前記第1磁石とに対して封止されることを特徴とする方法。
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