JP5644068B2 - 感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造法、及びハードディスクサスペンション - Google Patents

感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造法、及びハードディスクサスペンション Download PDF

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Description

本発明は感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造法、及びそれを用いたハードディスクサスペンションに関するものである。
現存する有機高分子の中で最高クラスの耐熱性を有する芳香族ポリイミドは、そのはんだ耐熱性からフレキシブルプリント配線基板(FPC)、テープオートメーティッドボンディング(TAB)、チップオンフィルム(COF)や半導体チップのバッファーコート膜及び層間絶縁膜等に用いられている。ポリイミドの用途の殆どが上記のようなマイクロエレクトロニクス分野での使用であるため、宇宙航空分野のような特殊な用途を除けば、耐熱性は現時点でほぼ十分であり、耐熱性そのものの更なる向上を目指す研究はほぼ完結した感がある。
現在、物理的耐熱性(ガラス転移温度等)や化学的耐熱性(熱酸化安定性等)とポリイミドの化学構造との間の相関関係は大体解明されているといってよい。耐熱性高分子研究の現在の流れは、耐熱性を保持したままで、用途毎に要求される特性を如何に達成するかという方向である。最近、ポリイミド又はポリイミド樹脂組成物は、フレキシブルプリント配線基板(FPC)やテープオートメーティッドボンディング(TAB)用途において、さらに高度な寸法安定性が求められるようになり、低CTEに加え、低吸湿膨張係数(CHE)が必要になってきている(例えば特許文献1〜5)。
また、半導体チップの層間絶縁膜としてポリイミドが用いられているが、配線層における信号伝播速度の低下を防止するために絶縁層には低誘電率・低誘電正接が求められ、さらに熱応力緩和の観点から低CTE、デバイスの信頼性の観点から低吸水性も同時に要求される。またポリイミド絶縁層を形成する際、熱イミド化工程のような高温を適用できない場合があり、ポリイミド自身が有機溶媒に可溶であることが時として求められる。
しかしながらポリイミドの溶解性を高める分子設計は、Tgの低下やCTEの増加等、しばしば好ましくない影響を同時にもたらす。半導体チップの回路や無機のパッシベーション膜を外部応力から保護するためのバッファーコート膜としてポリイミド用いられているが、このようなポリイミドには、耐熱性、高弾性率、低熱膨張係数、低吸水率にて加えて、外部電子回路との接続のための微細穴あけ加工性即ち感光性が必要である。環境への配慮からアルカリ現像可能なポジ型感光性ポリイミドが望ましいが、現在知られているポジ型感光性ポリイミドでは解像度の点で十分ではない。
現行のポジ型感光性耐熱材料としては感光性ポリベンゾオキサゾールの方が感光性ポリイミドより高解像度の点で優れているが、現在知られているポリベンゾオキサゾール系では、上記の要求特性を全て満足することは困難であるのが現状である(例えば特許文献6〜10)。
上記要求特性を全て保持したまま解像度3μm、将来的には1μmを実現可能なポジ型感光性ポリイミドの開発が期待される。その他の半導体用絶縁膜として低CTEと低弾性率を同時に有する耐熱高分子材料が求められている。
近年のデジタル家電の普及と高性能化にともない,有機高分子の中で最高の耐熱性を有するポリイミドはその良好な熱特性,機械特性,電気特性を利用し,シリコン用の基板材料としての地位を不動のものにしている。最近ではポリイミドの利用は基板材料のみに止まらず、様々なその基板への応用も検討されてきており、その構成原料による改良も盛んである。
例えば、パソコン、ハードディスクの分野においても、ポリイミドはそのサスペンション用に利用されてきている。ハードディスクのレコーダー等に使用されているHDDでは、サスペンション部品の先端に磁気ディスクから記録を読み取る磁気ヘッドが組み込まれている。この磁気ディスクと磁気ヘッドとの隙間は0.01μm(十数nm)で一定にすることが求められており、これはジャンボジェット機が地上1mm以下で飛行する精度に相当する。このサスペンション部分は、ステンレスの薄箔でできている。この高精度を求められるサスペンション部分に使用されるポリイミド樹脂は、より吸湿膨張係数が低いものが望まれている(例えば特許文献11、12)。
特許第3712164号公報 特開2006−173655号公報 特開2008−1876号公報 特開2008−1877号公報 特開平10−36506号公報 特開2000−159887号公報 特開2000−290372号公報 特開2006−328407号公報 特許第3860359号公報 特開2006−328407号公報 特開2008−251121号公報 特開2008−310946号公報
しかしながら現状では、ステンレス箔より吸湿膨張が大きいポリイミドか、若しくは、同程度のものしかなく、次世代の大容量HDD・大容量通信時代に向けて、より吸湿膨張係数が低いものが要求されてきている。
本発明は、吸湿膨張係数が十分に低いハードディスクサスペンション保護膜用の感光性樹脂組成物、並びにこれを用いたレジストパターンの製造法、及びハードディスクサスペンションを提供することを目的とする。
本発明は、(A)下記一般式(1)で表される構造を有するポリイミド樹脂又はその前駆体、(B)架橋剤、及び(C)開始剤を含む、ハードディスクサスペンション保護膜用の感光性樹脂組成物を提供する。
Figure 0005644068

[式(1)中、Arはエーテル基及びカルボニル基を有さない4価の有機基を示し、Rはエーテル基及びカルボニル基を有さない2価の有機基を示し、nは1以上の整数を示す。]
上記Arは、
Figure 0005644068

で表される群から選択される4価の有機基を有することが好ましく、上記Rは、
Figure 0005644068

[式中、m,l,n,j及びkは1〜10の整数を示し、h及びiは0〜10の整数を示す。]
で表される群より選ばれる少なくとも1種の2価の有機基であることが好ましい。
上記(A)成分の親水性パラメーターは−7〜−3であることが好ましい。なお、「親水性パラメーター」とは、下記式(3)及び(4)により定義されるP(hydrophilicity)をいう。
Figure 0005644068

Figure 0005644068
[式中、aは酸二無水物の量(質量部)、Eは下記に示すモデル分子と水の水和エネルギーを理論計算(Gaussiannプログラム:HF/6-31G)により求めた値(kJ/mol)、MWはモデル分子の分子量、bjはジアミンの量(質量部)、Eは下記に示すモデル分子と水の水和エネルギーを理論計算(Gaussiannプログラム:HF/6-31G)により求めた値(kJ/mol)、MWはモデル分子の分子量をそれぞれ示す。]
本発明はまた、支持基板上に、上記本発明の感光性樹脂組成物を塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像液を用いて現像する工程を有するレジストパターンの製造法を提供する。
本発明はさらに、上記本発明の製造法により得られるレジストパターンを表面保護膜及び/又は層間絶縁膜として有するハードディスクサスペンションを提供する。
本発明により、硬化後の吸湿膨張係数が20以下となる感光性樹脂組成物、並びにこれを用いたレジストパターンの製造法、及びハードディスクサスペンションを提供することができる。
本発明のハードディスクサスペンションの好適な一実施形態を示す断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
<(A)成分:ポリイミド樹脂>
(A)上記一般式(1)で表されるポリイミド樹脂又はその前駆体(以下、単に「(A)ポリイミド樹脂」ともいう。)は、テトラカルボン酸二無水物(以下、単に「酸二無水物」ともいう。)とジアミンとから公知の方法によって合成することができる。
酸二無水物は、上記一般式(1)のArの部分に対応するものであり、その構造にエーテル結合を含まず、さらにArに対応する部分にカルボニル基を含まない。また、酸二無水物は芳香族酸二無水物であると好ましく、F原子を含むものがより好ましい。
ジアミンは、上記一般式(1)のRの部分に対応するものであり、その構造にエーテル結合及びカルボニル基を含まない。また、ジアミンは、芳香族ジアミンであると好ましく、F原子を含むものがより好ましい。
またこれらのモノマに関して、それぞれ水分子との結合エネルギーを計算した際には、その安定性が低い方が好ましい。
使用可能な芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ハイドロキノン−ビス(トリメリテートアンハイドライド)、メチルハイドロキノン−ビス(トリメリテートアンハイドライド)ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(ジオキソテトラヒドロフリル−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−テトラリン−1,2−ジカルボン酸二無水物が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
使用可能な芳香族ジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノデュレン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−エチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、o−トリジン、m−トリジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、p−ターフェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、シス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ポリイミド樹脂は、上記一般式(1)で表される構造(繰り返し単位)を有する。
ポリイミド樹脂は、上述のテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを選択して組合せ、有機溶媒中で反応させることにより合成することができる。具体的には、ポリイミド樹脂は、ほぼ当モルのテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを有機溶媒中、30〜80℃で2〜3時間付加重合してポリアミック酸(前駆体)を合成した後、120℃以上、好ましくは350℃以上で1〜5時間脱水縮合して閉環させてイミド化することで得られる。
また、本発明者らは、ポリイミド樹脂の親水性パラメーターが、吸湿膨張係数と密接に関係していることを見出した。以下、親水性パラメーターの理論計算について説明する。
<理論計算>
まず、テトラカルボン酸二無水物に関しては、下記一般式(1a)で表される酸二無水物を、理論計算上統一するために、下記式(1b)で表される構造に置き換え、構造最適化を行った。
Figure 0005644068

Figure 0005644068

[式中、R1は4価の芳香族基を示す。]
構造最適化を行った後、テトラカルボン酸二無水物に含まれるN、O、Sなどのヘテロ原子に水分子が配位したときの安定化エネルギーを計算によって求め、そのエネルギーの総和をEiとした。
次に、ジアミンに関しては、下記一般式(2a)で表されるジアミンを、テトラカルボン酸二無水物と同様に、計算上統一化するために、下記式(2b)で表される構造に置き換えて、構造最適化を行った。
Figure 0005644068

Figure 0005644068

[Rは2価の芳香族基を示す]
次に、ジアミンに含まれるN、O、Sなどのヘテロ原子に水分子が配位したときの安定化エネルギーを計算によって求め、そのエネルギーの総和をEjとした。
親水性の理論計算による評価は、分子軌道計算を用いて、種々のテトラカルボン酸二無水物及びジアミンについて個々に算出し、下記式(3)及び(4)により定義される親水性パラメーターP(hydrophilicity)として求めた。この場合に用いるのは、前駆体の合成時に組み合わせた、各成分の比率である。
Figure 0005644068

Figure 0005644068

ここでポリイミド前駆体の原料となる酸二無水物に関して、aは酸二無水物の量(質量部)、Eは下記に示すモデル分子と水の水和エネルギーを理論計算(Gaussiannプログラム:HF/6-31G)により求めた値(kJ/mol)、MWはモデル分子の分子量である。
さらにポリイミド前駆体の原料となるジアミンに関して、bjはジアミンの量(質量部)、Eは下記に示すモデル分子と水の水和エネルギーを理論計算(Gaussiannプログラム:HF/6-31G)により求めた値(kJ/mol)、MWはモデル分子の分子量である。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの組合せは、テトラカルボン酸二無水物10質量部、ジアミン10質量部の割合で組合せ、互いの合計が20質量部になるようにする。また、各成分は一種類のみではなく、数種類混ざっていてもよい。この場合、それぞれの組合せの合計が10質量部になればよく、比率や用いる成分の種類に制限はない。
例えば、テトラカルボン酸二無水物Aを2質量部、テトラカルボン酸二無水物Bを8質量部、ジアミンCを4質量部、ジアミンDを6質量部用いた場合には、
Σ(a/M.W.)+Σ(bj/M.W.)=(テトラカルボン酸二無水物A×2)+(テトラカルボン酸二無水物B×8)+(ジアミンC×4)+(ジアミンD×6)=20
となる。
テトラカルボン酸二無水物及びジアミンとしては、水との安定化エネルギーが小さいものを選択すると、よりCHEの小さな感光性樹脂組成物を得ることができる。
が得られる。
次にモノマの水和による安定化エネルギー(E)の計算方法について、酸二無水物として下記式(7a)で表されるBTDAを例にとって説明する。
Figure 0005644068
BTDAを上述のようにモデル化合物に置き換え、さらに水分子がモデル化合物に配位した様子を下記式(7b)に示す。
Figure 0005644068
モノマの水和による安定化エネルギー(Ei)は、分子軌道計算を用いて、各モノマについて個々に算出する。
BTDAの場合、Ei=ε(HO(1))×4+ε(HO(2))
となる。
下記表1に酸二無水物の構造式とモデル化合物を示す。
Figure 0005644068
分子軌道計算を用いて、各モノマについて個々に算出したモノマの水和による安定化エネルギー(E)及びエネルギーを分子量で割ったE(kJ/mol)/M.W.iを下記表2に示す。
Figure 0005644068
下記表3にジアミンの構造式とモデル化合物を示す。
Figure 0005644068
分子軌道計算を用いて、各モノマについて個々に算出したモノマの水和による安定化エネルギー(E)及びエネルギーを分子量で割ったEj(kJ/mol)/M.W.jを下記表4に示す。
Figure 0005644068
そして最後に理論計算値は、各モノマの安定化エネルギー(E)の総和で表す。この場合用いるのは、前駆体の合成時に用いた各成分の比率である。
つまり任意の酸無水物とジアミンの組合せからなるポリイミド樹脂の親水性は、式(3)に示した親水性パラメーターP(hydrophilicity)として求めることができる。つまり、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、テトラカルボン酸二無水物A:2質量部、テトラカルボン酸二無水物B:8質量部、ジアミンC:4質量部、ジアミンD:6質量部の割合で組み合わせた場合には、親水性パラメーターP(hydrophilicity)は
P(hydrophilicity)=Σ(aii/M.W.i)+Σ(bjEj/M.W.)=(テトラカルボン酸二無水物AのEi(kJ/mol)/M.W.i×2)+(テトラカルボン酸二無水物BのEi(kJ/mol)/M.W.i×8)+(ジアミンCのEj(kJ/mol)/M.W.j×4)+(ジアミンDのEj(kJ/mol)/M.W.j×6)
のように計算される。
吸湿膨張係数を低減できる観点から、上述の親水性パラメーターP(hydrophilicity)は−7.0以上−3.0以下であることが好ましい。
(A)ポリイミド樹脂又はその前駆体の重量平均分子量は、成膜性及び現像性をより向上できる観点から、20000〜200000であることが好ましく、30000〜70000であることがより好ましく、40000〜60000であることが特に好ましい。
(A)ポリイミド樹脂又はその前駆体の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、40〜90質量%であることが好ましく、45〜80質量%であることがより好ましく、50〜70質量%であることが特に好ましい。
<(B)成分:架橋剤>
(B)架橋剤は、分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも1つ有する化合物であれば特に限定されない。
(B)架橋剤としては、例えば、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート等のN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート((メタ)アクリロイル基を有するアミン化合物)、アミド結合及び2以上のエチレン性不飽和基を有する化合物、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー又はウレタンオリゴマー、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート、フタル酸系化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して使用される。
上記アミド結合及び2以上のエチレン性不飽和基を有する化合物においては、分子内のアミド結合の数は2〜12であることが好ましく、4〜8であることがより好ましい。また、このアミド結合及び2以上のエチレン性不飽和基を有する化合物において、分子内のエチレン性不飽和基の数は、2〜6であることが好ましい。これらの条件を満たすことにより、アミド結合及び2以上のエチレン性不飽和基を有する化合物は、(A)ポリイミド樹脂の前駆体(ポリアミック酸)との相溶性及び現像性のバランスが良くなる傾向がある。なお、分子内のアミド結合の数が2未満であると、硬化物のガラス転移温度が低下する傾向があり、12を超えると、現像性が低下する傾向がある。また、分子内のエチレン性不飽和基の数が2未満であると、現像性が低下する傾向がある。
上記分子内にアミド結合及び2以上のエチレン性不飽和基を有する化合物としては、下記一般式(21)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005644068

[式(21)中、R、R及びRは各々独立に、2価の有機基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、R及びRは各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を示す。]
上記一般式(21)で表される化合物は、オキサゾリン基含有化合物とカルボキシル基含有化合物及び/又はフェノール性水酸基含有化合物とを反応させて得られる、アミド結合を有するジ(メタ)アクリレートであることが好ましい。かかる上記一般式(21)で表される重合性化合物は、例えば、下記一般式(17)で表されるビスオキサゾリンと、1分子中にフェノール性水酸基を2つ有する化合物と、(メタ)アクリル酸とを反応させることにより得ることができる。
Figure 0005644068
一般式(17)中、Yは2価の有機基を示すが、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいピリジレン基、又は炭素数1〜10の枝分かれしていてもよいアルキレン基であることが好ましい。また、R及びRは各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を示す。
上記一般式(17)で表されるビスオキサゾリンとしては、例えば、2,2’−(1,3−フェニレン)ビス−2−オキサゾリン、2,6−ビス(4−イソプロピル−2−オキサゾリン−2−イル)ピリジン、2−2’−イソプロピリデンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2−2’−イソプロピリデンビス(4−ターシャリーブチル−2−オキサゾリン)等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記1分子中にフェノール性水酸基を2つ有する化合物としては、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシメチルナフタレン、ジヒドロキシジメチルナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)エーテル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン等が挙げられる。これらの中でも特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンが好ましい。
フェノール性水酸基含有化合物及び/又はカルボキシル基含有化合物とオキサゾリン基含有化合物との反応は、反応温度50〜200℃で行うのが好ましい。反応温度が50℃未満では反応が遅くなり、反応温度が200℃では副反応が多く生じる傾向がある。場合により、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の極性有機溶剤中で反応を行ってもよい。
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14でありプロピレン基の数が2〜14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO,PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ここで、「EO」とはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有するものを示す。また、「PO」とはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有するものを示す。
上記グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂(a)と、(メタ)アクリル酸(b)とを反応させて得られるエポキシアクリレート化合物などが挙げられる。また、上記エポキシアクリレート化合物のOH基に、テトラヒドロフタル酸無水物等の酸無水物を反応させて得られる酸変性エポキシアクリレート化合物を用いることもできる。このような酸変性エポキシアクリレート化合物としては、例えば、EA−6340(新中村化学製、商品名)が商業的に入手可能である。
上記ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物としては、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーと、イソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物;EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート;EO又はPO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート;カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレート;ジオール化合物などが挙げられる。
吸湿膨張係数(CHE)をより低減できる観点から、これら架橋剤の中でも特に、アミド結合及び2以上のエチレン性不飽和基を有する化合物を含むことが好ましい。
(B)架橋剤の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、5〜55質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、20〜45質量%であることが特に好ましい。
<(C)成分:開始剤>
(C)開始剤は、活性光線により遊離ラジカルを生成するものであれば特に制限はなく用いることができる。
(C)開始剤としては、芳香族ケトン、アシルフォスフィンオキサイド、オキシムエステル類、キノン類、ベンゾインエーテル化合物、ベンジル誘導体、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、アクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物、及びチタノセン化合物等が挙げられる。
芳香族ケトンとしては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(すなわちミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オンが挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイドとしては、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド等が挙げられる
オキシムエステル類としては、例えば、下記式(8)で示される1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)(商品名:イルガキュア−OXE−01(以下、Irg−OXE−01という場合もある)、チバスペシャルティーケミカルズ社製)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(O−アセチルオキシム)(商品名:OXE−02、チバスペシャルティーケミカルズ社製)、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−[O−(エトキシカルボニル)オキシム](商品名:Quantacure−PDO、日本化薬社製)等が挙げられる。
Figure 0005644068
キノン類としては、例えば、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノンが挙げられる。
ベンゾインエーテル化合物としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルが挙げられる。
ベンジル誘導体としては、例えば、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン
等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタールが挙げられる。
2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体としては、例えば、2−(2−クロロフェニル)−1−〔2−(2−クロロフェニル)−4,5−ジフェニル−1,3−ジアゾール−2−イル〕−4,5−ジフェニルイミダゾール等の2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体が挙げられる。
アクリジン誘導体としては、例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタンが挙げられる。
チタノセン化合物としては、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2−(1H−ピル−1−イル)エチル)フェニル]チタン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2−(1H−ピル−1−イル)プロピル)フェニル]チタン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2−(1H−ピル−1−イル)メチル)フェニル]チタン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル]チタン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2,5−ジメチルピリ−1−イル)フェニル]チタン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2,5−ジエチルピリ−1−イル)フェニル]チタン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2,5−ジイソプロピルピリ−1−イル)フェニル]チタン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2,5−ビスジメチルアミノピリ−1−イル)フェニル]チタン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2,5−ジメチル−3−メトキシピリ−1−イル)フェニル]チタン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−メトキシフェニル]チタン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−イソプロポキシフェニル]チタン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−n−プロポキシフェニル]チタン等が挙げられる。
(C)開始剤は、常法によって合成してもよく、市販のものを入手してもよい。
入手可能な開始剤としては、例えば、イルガキュア−369、イルガキュア−907、イルガキュア−651、イルガキュア−819、イルガキュア−OXE−01(以上、いずれもチバスペシャリティーケミカルズ(株)製、商品名)等が挙げられる。
上述した開始剤の中でも、特に光硬化性の向上や高感度化の観点から、アシルフォスフィンオキサイド、オキシムエステル類、又はチタノセン化合物が好ましい。
(C)開始剤の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、0.5〜5質量%であることが特に好ましい。(C)開始剤の含有量が上記範囲を外れると、含有量が上記範囲内である場合と比較して、感光性樹脂組成物の感度が低下したり、相溶性が低下したりする傾向にある。
<溶媒>
上述の感光性樹脂組成物は、溶媒に溶解させたものであってもよい。
溶媒としては、例えば、含窒素系溶剤類(N,N’−ジメチルスルホキシド、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジエチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N,N’−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチレンホスホアミド、N−メチルピロリドン等)、ラクトン類(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン等)、脂環式ケトン類(シクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン等)、エーテル類(3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテルアセテート等)、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート溶媒、トリエチレングリコール等のグリコール系溶媒、m−クレゾール、p−クレゾール、3−クロロフェノール、4−クロロフエノール等のフェノール系溶媒、アセトフェノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどが好ましく採用される。さらに、その他の一般的な有機溶剤、即ちフェノール、o−クレゾール、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールメチルアセテート、エチルセロソルブ、プチルセロソルブ、2−メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロへキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、ブタノール、エタノール、キシレン、トルエン、クロルベンゼン、ターペン、ミネラルスピリット、石油ナフサ系溶媒なども添加して使用できる。
上述の感光性樹脂組成物の硬化後10μm膜の吸湿膨張係数は、20以下であり、10以下であることがより好ましい。
[ハードディスクサスペンション]
図1は、本発明のハードディスクサスペンションの好適な一実施形態を示す断面図である。図1に示すハードディスクサスペンション10は、ステンレス箔1と、ステンレス箔1上に形成されたポリイミド1層(PI1層)3と、PI1層3上の2箇所に設けられたCu配線7と、一方のCu配線7上に形成されたAu配線9と、PI1層3上にCu配線7及びAu配線9を覆うように設けられたポリイミド2層(PI2層)5と、を備える。
上記PI1層3は層間絶縁膜として機能し、PI2層5は表面保護膜として機能する。これらの層は上述の感光性樹脂組成物を用いて作製することができる。
すなわち、上述の感光性樹脂組成物をロール状のステンレス箔(PI1層)に塗布し乾燥する工程、I線、G線、又はH線で露光し、パターンを形成する工程、現像液を用いて現像する工程、及び350度で1時間硬化する工程を経て、PI1層3又はPI2層5を作製することができる。
上述の感光性樹脂組成物は、ネガ型であり、露光された部分以外の部分が現像により除去される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに制限されるもので
はない。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるも
のではない。
(ポリイミド前駆体の合成)
(合成例1)
攪拌機、温度計、窒素導入管及びディーンスタ−ク還流冷却器を備えた200mLのセ
パラブルフラスコに、ジアミンとして、TFDB(6.841g)を加え、溶媒として、NMP36.5gを入れ、室温でジアミンが均一に溶解するまで攪拌する。ジアミンが完全に溶解したら、酸二無水物として、PMDA(4.659g)を少しずつ加える。一晩室温で攪拌して目的とするポリイミド前駆体を得た。
(合成例2〜13)
ジアミン及び酸二無水物の種類及び配合比を表5に示すとおりとした他は、合成例1と同様にして、ポリイミド前駆体を合成した。
(比較合成例1〜8)
ジアミン及び酸二無水物の種類及び配合比を表6に示すとおりとした他は、合成例1と同様にして、ポリイミド前駆体を合成した。
なお、合成例1〜13及び比較合成例1〜8で得られたポリイミド前駆体の重量平均分子量(Mw)は、合成例1が42000、合成例2が50000、合成例3が48000、合成例4が38000、合成例5が50000、合成例6が52000、合成例7が43000、合成例8が41000、合成例9が51000、合成例10が60000、合成例11が49000、合成例12が55000、合成例13が43000、比較合成例1が50000、比較合成例2が62000、比較合成例3が71000、比較合成例4が54000、比較合成例5が56000、比較合成例6が44000、比較合成例7が49000、比較合成例8が49000であった。
また、ポリイミド前駆体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレンを用いた検量線から換算した。GPCの測定条件を以下に示す。
検出器:日立D-2520GPC Integrator
ポンプ:日立L-2130形ポンプ
カラム:日立GL-S300MDT-5カラム
ガードカラム:日立GL-S300MDT-5ガードカラム
Figure 0005644068
Figure 0005644068
Figure 0005644068
Figure 0005644068
(実施例2〜5、7、8、10、12〜15、参考例1、6、9、11、比較例1〜5)
上記の方法で合成したポリイミド前駆体に、架橋剤としてMDAP、BPA−BDAM、及び/又はMMEのいずれかを組み合わせて配合し、さらに、開始剤としてチタノセン、又はIrg−OXE−01を加えて実施例2〜5、7、8、10、12〜15、参考例1、6、9、11及び比較例1〜5の感光性樹脂組成物を調製した。配合した成分の量は表9及び10に示すとおりである。
Figure 0005644068
Figure 0005644068
ここで、BPA−BDAMは以下の方法で合成したものである。温度計、撹拌装置の付
いた1リットルの反応容器に、1,3−フェニレンビスオキサゾリン380.0g(2.0mol)とビスフェノールA228.0g(1.0mol)とを入れ、150℃で10時間撹拌した。その後、メトキノン(500ppm)とメタクリル酸140.0g(2.0mol)とを加えて100℃で6時間撹拌し、ジメチルアセトアミド190gを滴下した。この混合物をさらに100℃で6時間撹拌し、酸価が1.1mgKOH/gになったところで撹拌を止めて、光重合性不飽和化合物である下記式(20)で表される化合物(BPA−BDAM)の溶液を得た。得られた溶液の固形分は80質量%であった。
Figure 0005644068
また、MDAP及びMMEは、それぞれ下記構造で表される(メタ)アクリロイル基を有するアミン化合物である。
Figure 0005644068
[各種特性の評価]
実施例及び比較例で作製したポリイミド樹脂の湿度膨張係数を以下の方法で評価した。その結果を表7及び8に示す。また、低CHEポリマを予測するための理論計算の方法を以下に示す。
<現像性>
実施例2〜5、7、8、10、12〜15、参考例1、6、9、11及び比較例1〜5の各感光性樹脂組成物をシリコンウエハ上にスピンコート塗布して、85℃で2分間加熱し、21段のステップタブレット段数を介してi線ステッパにより800mJ/cmで露光した。その後2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像を行い、ステップタブレットの5段目までが剥れがないものをA、それ以外をBとした。
<吸湿膨張係数(CHE)の測定>
実施例2〜5、7、8、10、12〜15、参考例1、6、9、11及び比較例1〜5の各感光性樹脂組成物をシリコンウエハ上に塗布して、75℃で2分、続いて85℃で2分間加熱し、i線ステッパにより800mJ/cmで露光した。露光後、350℃で1時間加熱して、膜厚10μmのポリイミド硬化膜を得た。
得られた硬化膜をシリコンウエハから剥がし、5mm×20mmの短冊形に切り取った(チャック間長さ:15μm)。それをTMAで測定し、一定加重(250mN)、一定温度(25度)で湿度20%RH(1時間)から80%RH(1時間)に1時間かけて変化させたときの試験膜の長さを測定し、以下の式によって湿度膨張係数を算出した。

吸湿膨張係数(ppm/RH%)=[(X−Y)/15*1]×[100/60*2]
X=湿度80%時の膜の長さ(μm)
Y=湿度20%時の膜の長さ(μm)
:測定範囲の長さ(μm)
:湿度の変化量(80%−20%)
<低線熱膨張係数(CTE)の測定>
実施例2〜5、7、8、10、12〜15、参考例1、6、9、11及び比較例1〜5の各ポリイミド前駆体樹脂組成物をシリコンウエハ上に塗布して、75度で2分、続いて85度で2分間加熱し、i線ステッパにより800mJ/cmで露光した。露光後、350℃で1時間加熱して、膜厚10μmのポリイミド硬化膜を得た。
得られた硬化膜を2mm×3cmに切り取り、セイコー社製TMA/SS6000の熱機械測定装置を用いて、10g/分の加重をかけながら30〜420℃まで(昇温速度5℃/分)加熱した。その際の100〜200℃間の硬化膜の伸び率の傾きを測定してCTEとした。

Claims (5)

  1. (A)下記一般式(1)で表される構造を有するポリイミド樹脂又はその前駆体、(B)架橋剤、及び(C)開始剤を含む、ハードディスクサスペンション用の感光性樹脂組成物。
    Figure 0005644068
    [式(1)中、Arは
    Figure 0005644068
    で表される群から選択される4価の有機基を示し、Rはエーテル基及びカルボニル基を有さず、且つF原子を含む1種の2価の有機基を示し、nは1以上の整数を示す。]
  2. 前記Rが、
    Figure 0005644068
    [式中、m,l,n,j及びkは1〜10の整数を示し、i〜10の整数を示す。]
    で表される群より選ばれる1種の2価の有機基である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(A)成分の親水性パラメーターが−7〜−3である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 支持基板上に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像液を用いて現像する工程を有するレジストパターンの製造法。
  5. 請求項4記載の製造法により得られるレジストパターンを表面保護膜及び/又は層間絶縁膜として有するハードディスクサスペンション。
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