JP5643912B1 - プロポリス抽出物及びその製造方法、カプセル、並びに抗酸化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】外観特性に優れるプロポリス抽出物及びその製造方法、カプセル、並びに抗酸化剤を提供する。【解決手段】本発明のプロポリス抽出物は、抽出原料としてプロポリス原塊、又はプロポリス原塊から水若しくは親水性有機溶媒を用いた抽出処理後の残渣を使用し、抽出溶媒としてスクワレン、しそ油、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、小麦胚芽油、月見草油、及びブドウ油から選ばれる少なくとも一種の油性成分を用いて得られる抽出物を含んでなる。前記抽出溶媒は、スクワレン、しそ油、ドコサヘキサエン酸、及びエイコサペンタエン酸から選ばれる少なくとも一種であって、前記抽出物は、さらに10℃以下に冷却した後、濾過又は遠心分離により不溶性成分を除去したものであることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、外観特性に優れるプロポリス抽出物及びその製造方法、カプセル、並びに抗酸化剤に関する。
プロポリスは、巣の防御及び補強等を目的として、ミツバチが採取した植物の滲出液、新芽、及び樹脂等にミツロウを混ぜて作られる膠状ないしは蝋状の物質である。このプロポリスは、ミツバチが原料として巣箱周辺の種々の植物を採取して生産されるため、多種多様な成分を含有している。
プロポリスは、抗菌効果や抗炎症効果を有していることが古くから知られている。また、プロポリスの主要な生理活性として、抗酸化作用及び免疫賦活作用が知られている。そのため、プロポリスは、医薬品或いは健康食品の素材として古くから用いられてきた。プロポリス中に含まれる有効成分としては、極性の高い有機酸、フラボノイド類、ポリフェノール類、さらには極性の低いテルペノイド類等の非常に多様な種類の有効成分が確認されている。
従来より、プロポリスの摂取を容易にするために、生体適用性に優れる抽出溶媒を用いて、プロポリス原塊よりプロポリス抽出物を得る方法が用いられてきた。例えば、特許文献1は、水、親水性有機溶媒、水/親水性有機溶媒の混合液を抽出溶媒として用い、プロポリス原塊からプロポリス抽出物を得る方法について開示する。
特開2008−184427号公報
ところが、従来の水や親水性有機溶媒を用いて得られるプロポリス抽出物は、乳白色であり、外観特性が優れないという問題があった。
本発明の目的とするところは、外観特性に優れるプロポリス抽出物及びその製造方法、カプセル、並びに抗酸化剤を提供することにある。
本発明は、特定の油性成分を抽出溶媒として使用したことにより、外観特性に優れるプロポリス抽出物が得られることを見出したことに基づくものである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様では、抽出原料としてプロポリス原塊、又はプロポリス原塊から水若しくは親水性有機溶媒を用いた抽出処理後の残渣を使用し、抽出溶媒としてスクワレン、ドコサヘキサエン酸、及びエイコサペンタエン酸から選ばれる少なくとも一種の油性成分のみを用いて得られる抽出物を含んでなるプロポリス抽出物が提供される。記抽出物は、さらに10℃以下に冷却した後、濾過又は遠心分離により不溶性成分を除去したものであることが好ましい。
本発明の別の態様では、抽出原料としてプロポリス原塊、又はプロポリス原塊から水若しくは親水性有機溶媒を用いた抽出処理後の残渣を使用し、抽出溶媒としてスクワレン、ドコサヘキサエン酸、及びエイコサペンタエン酸から選ばれる少なくとも一種の油性成分のみを用いて抽出物を得る工程を含むプロポリス抽出物の製造方法が提供される。記抽出物を得た後、さらに該抽出物を10℃以下に冷却し、濾過又は遠心分離により不溶性成分を除去する工程を含むことが好ましい。
本発明の別の態様では、前記プロポリス抽出物を含有するカプセルが提供される。本発明の別の態様では、前記プロポリス抽出物を有効成分として含有する抗酸化剤が提供される。
本発明によれば、プロポリス抽出物の外観特性を向上させることができる。
以下、本発明のプロポリス抽出物を具体化した一実施形態を説明する。
本実施形態のプロポリス抽出物は、抽出溶媒としてスクワレン、しそ油、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、小麦胚芽油、月見草油、及びブドウ油(グレープシードオイル)から選ばれる少なくとも一種の油性成分が用いられる。これらの油性成分を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの油性成分の中でも、抽出処理後の濾過操作性に優れる観点から、スクワレン、ドコサヘキサエン酸、及びエイコサペンタエン酸が好ましく適用される。
原料となるプロポリスは、巣の防御及び補強等を目的として、セイヨウミツバチ等のミツバチが採取した植物の滲出液、新芽及び樹皮等に唾液を混ぜて作られる膠状ないしは蝋状の物質である。本実施形態において使用されるプロポリスの産地は、特に限定されず、例えば中国、日本等のアジア諸国、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ等の南米諸国、ハンガリー、ブルガリア等のヨーロッパ、カナダ等の北米、オーストラリア、ニュージーランド等のオセアニア等を使用することができる。プロポリス原塊は、そのままの形態で抽出原料として使用することができる。また、抽出原料として、プロポリス原塊から水又は親水性有機溶媒を用いた抽出処理後の残渣を使用してもよい。かかる残渣中にも、上記抽出溶媒である油性成分に溶解する有用成分が含まれていることが期待される。親水性有機溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。これらの親水性有機溶媒を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記溶媒を用いて抽出処理する際、抽出処理前にプロポリス採取時に混入するゴミ等の夾雑物を除去し、粗粉砕することが好ましい。それにより、抽出効率をより向上させることができる。抽出溶媒の使用容量は、抽出原料の質量に対して好ましくは1〜20倍量、より好ましくは3〜15倍量である。抽出溶媒の使用容量が1倍量以上の場合には、目的成分の抽出効率をより向上させることができる。抽出溶媒の使用容量が20倍量以下の場合には、抽出機材及び装置をより小さくすることができ、作業性をより向上させることができる。抽出温度は抽出溶媒の種類により適宜設定されるが、5〜40℃であることが好ましく、より好ましくは室温環境により近い15〜30℃が採用される。抽出温度が5℃以上の場合には、有効成分の抽出率をより向上させることができる。逆に抽出温度が40℃以下の場合には、ロウ成分の抽出をより抑制することができ、抽出後の濾過性をより向上させることができる。なお、抽出操作は、抽出効率及び抽出率等の観点から、前記抽出温度で攪拌しながら、好ましくは1時間以上、より好ましくは3時間以上行う。そして、上記の抽出条件で有効成分を十分に抽出した後、濾紙濾過、濾過助剤である珪藻土濾過等の濾過処理又は遠心分離処理し、不溶性成分を除去することによりプロポリス抽出物を得ることができる。不溶性成分の除去は、濾過コスト、不溶性成分の除去効率、処理の簡易性の観点から珪藻土濾過が好ましく適用される。
前記プロポリス抽出物は、冷蔵(0〜10℃)保存の環境下における保存性をより向上させるために、さらに該プロポリス抽出物を好ましくは10℃以下、より好ましくは5℃以下に冷却し、その後、濾過又は遠心分離により不溶性成分を除去してもよい。かかる冷却処理が行われる場合、抽出溶媒としては、好ましくはスクワレン、しそ油、ドコサヘキサエン酸、及びエイコサペンタエン酸から選ばれる少なくとも一種が用いられる。これらの油性成分の中で、冷却後の濾過操作等の不溶性成分の除去性に優れる観点から、スクワレン、ドコサヘキサエン酸、及びエイコサペンタエン酸がより好ましく適用される。または、これらの油性成分の中で、冷却処理後に澄明性に優れる観点から、しそ油及びエイコサペンタエン酸がより好ましく適用される。不溶性成分の除去方法として濾過操作が用いられる場合、操作性の観点から、例えば濾紙濾過、及び珪藻土濾過が適用される。かかる冷却処理及びその後の不溶性成分の除去処理により、プロポリス抽出物を冷蔵保存する環境下においても、白濁を生じることなく、澄明度の高いプロポリス抽出物を得ることができる。上記処理の工程において、冷却時間は、特に限定されないが、作業効率等の観点から、好ましくは1時間以上、より好ましくは3時間以上である。
前記プロポリス抽出物は、例えば冷凍庫(−15℃以下)のように零下保存の環境下における保存性をより向上させるために、さらに該プロポリス抽出物を好ましくは−5℃以下、より好ましくは−10℃以下に冷却し、その後、濾過又は遠心分離により不溶性成分を除去してもよい。かかる冷却処理が行われる場合、抽出溶媒としては、上記冷却後の濾過操作等の不溶性成分の除去性及び冷却処理後に澄明性に優れる観点から、スクワレンが好ましく適用される。濾過操作による不溶性成分の除去方法としては、操作性の観点から、例えば濾紙濾過、及び珪藻土濾過が用いられる。上記冷却処理及びその後の不溶性成分の除去処理により、プロポリス抽出物を零下保存する環境下においても、白濁を生じることなく、澄明度の高いプロポリス抽出物を得ることができる。上記処理の工程において、冷却時間は、特に限定されないが、作業効率等の観点から、好ましくは1時間以上、より好ましくは3時間以上である。
次に、上記のように構成されたプロポリス抽出物の作用を説明する。
本実施形態のプロポリス抽出物は、特定の油性成分を抽出溶媒として使用したことにより、澄明性が高く、また、所定条件下で保存した場合においても、高い澄明性を維持することができる。したがって、外観特性に優れるプロポリス抽出物を得ることができる。
本実施形態のプロポリス抽出物は、有機酸や桂皮酸誘導体等の有用成分が含有されるため、摂取により、これまでプロポリスにおいて見出されている効能、例えば抗菌効果、抗炎症効果、抗酸化作用、免疫賦活作用等の発揮が期待される。特に、本実施形態のプロポリス抽出物は、優れた抗酸化作用を発揮する。
本実施形態のプロポリス抽出物の具体的な配合形態としては、飲食品、医薬品及び化粧品等として適用することができる。飲食品に適用する場合、プロポリス抽出物を飲食品そのものとして、又は種々の食品素材又は飲料品素材に配合して使用することができる。飲食品の形態としては、特に限定されず、液状、ゲル状等のいずれであってもよく、また剤形としては、カプセル剤、ドリンク剤のいずれであってもよい。その中でも、外気との接触を抑制することができる観点から、カプセル剤であることが好ましい。より好ましくは、本実施形態のプロポリス抽出物は、高い澄明性を有し、優れた外観特性を発揮する観点から、透明又は半透明のカプセル皮膜により製造されるカプセル剤として適用される。前記飲食品としては、その他の成分としてゲル化剤含有食品、糖類、香料、甘味料、油脂、基材、賦形剤、食品添加剤、副素材、増量剤等を適宜配合してもよい。
本実施形態のプロポリス抽出物を医薬品として使用する場合は、主として服用(経口摂取)により投与される。剤形としては、特に限定されないが、例えば、カプセル剤、液剤等が挙げられる。また、添加剤として賦形剤、基剤、乳化剤、溶剤、安定剤等を配合してもよい。本実施形態のプロポリス抽出物は、澄明性を有し、優れた外観特性を発揮する観点から、透明又は半透明のカプセル皮膜により製造されるカプセル剤として適用される。
本実施形態のプロポリス抽出物を化粧品に適用する場合、化粧品基材に配合することにより製造することができる。化粧品の形態は、乳液状、クリーム状等のいずれであってもよい。このような化粧品を肌に適用することにより、例えば抗酸化作用等の効能の発揮を得ることができる。化粧品基剤は、一般に化粧品に共通して配合されるものであって、例えば、油分、精製水及びアルコールを主要成分として、界面活性剤、保湿剤、酸化防止剤、増粘剤、抗脂漏剤、血行促進剤、美白剤、pH調整剤、色素顔料、防腐剤及び香料から選択される少なくとも一種が適宜配合される。
本実施形態のプロポリス抽出物によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、抽出原料であるプロポリス原塊等から、抽出溶媒としてスクワレン、しそ油、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、小麦胚芽油、月見草油、及びブドウ油から選ばれる少なくとも一種の油性成分を用いてプロポリス抽出物を得た。したがって、外観特性に優れるプロポリス抽出物が得られる。例えば、常温付近における保存環境下において、外観特性を低下させる不溶性成分の析出に伴う、白濁等の発生を抑止することができる。
また、特に透明又は半透明のカプセル皮膜により製造されるカプセル剤として適用した場合、優れた外観特性を有するプロポリス抽出物含有カプセル剤を得ることができる。
(2)本実施形態のプロポリス抽出物は、好ましくは、抽出溶媒として、スクワレン、しそ油、ドコサヘキサエン酸、及びエイコサペンタエン酸から選ばれる少なくとも一種を使用し、プロポリス原塊等から抽出物を得た後、さらに冷蔵処理し、濾過又は遠心分離により不溶性成分が除去処理される。かかる処理により、特に冷蔵保存する環境下において、外観特性を低下させる不溶性成分の析出に伴う、白濁等の発生を抑止することができる。
(3)本実施形態のプロポリス抽出物は、より好ましくは、抽出溶媒として、スクワレンを使用し、プロポリス原塊等から抽出物を得た後、さらに零下処理し、濾過又は遠心分離により不溶性成分が除去処理される。かかる処理により、特に零下保存する環境下において、外観特性を低下させる不溶性成分の析出に伴う、白濁等の発生を抑止することができる。
(4)本実施形態のプロポリス抽出物は、抽出溶媒として、好ましくは、スクワレン、ドコサヘキサエン酸、及びエイコサペンタエン酸が好ましく適用される。したがって、抽出処理後の濾過の操作性をより向上させ、効率的にプロポリス抽出物を得ることができる。
(5)本実施形態のプロポリス抽出物は、特に好ましくは抗酸化剤として適用される。抗酸化剤として、飲食品、医薬品、化粧品の分野において好ましく適用することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態のプロポリス抽出物は、高い澄明性を有していることから、好ましくは透明又は半透明のカプセル皮膜により製造されるカプセル剤として適用される。カプセル剤としては、ソフトカプセル及びハードカプセルのいずれでもよい。また、胃で崩壊するカプセル剤であっても、腸内で崩壊するよう設計された腸溶性カプセルのいずれであってもよい。
・上記実施形態のプロポリス抽出物は、これまでプロポリスにおいて見出されている効能、例えば抗菌作用、抗炎症作用、抗酸化作用、免疫賦活作用等の発揮を目的とした剤に適用することができる。しかしながら、上記実施形態のプロポリス抽出物は、これらの効能の発揮を目的とした剤又は使用に限定されるものではない。
以下に試験例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(試験例1:プロポリス抽出物の製造)
まず、ブラジル産グリーンプロポリス原塊を粉砕機(ABSOLUTE3:大阪ケミカル社製)により5秒程度粉砕し、Test-Sieve(網目間2.8mm、6.5メッシュ)にて篩にかけて粉末を回収した。これを繰り返し、1kgのプロポリス粉砕物を得た。
次に、300mL容のビーカーに上記プロポリス粉砕物を30g、及び下記表1に記載される各例の油性成分をそれぞれ150gずつ加えた。スターラーバーを入れ、室温(25℃)にて16時間撹拌しながら抽出処理した。抽出処理後、濾過処理するために、濾過助剤として、珪藻土(SILIKA 600S:中央シリカ社製)を12gずつ各ビーカーへ添加した。
ブフナーロートに濾紙(アドバンテック社製のNo.2)をセットして、各オイル30gを用いて珪藻土5gのプレコートを実施し、吸引濾過した(最終的に、各例の油性成分の全量は180gとなる)。かかる吸引濾過の際の濾過性について下記の基準により評価した。
上記のように得られた濾液をプロポリス抽出物として、室温(25℃)の環境下に3日間放置し、放置後の濾液について、一般的に透過光濁度の測定に用いられる波長660nmを測定するとともに、外観特性について以下の基準により評価した。また、プロポリス抽出物中の有効成分である有機酸及び桂皮酸誘導体の含有量を、超高速液体クロマトグラフィ(UHPLC)を用い、下記条件に従い測定した。結果をそれぞれ表1に示す。
<濾過性>
濾過処理の際、“5”は、濾過速度が減少することなく流れるように短時間に濾過できる場合、“4”は、濾過速度がやや減少するが流れるように短時間に濾過できる場合、“3”は、濾過速度が減少するが濾過できる場合、“2”は、濾過速度が減少し、濾過に時間を要する場合、“1”は、濾過速度が減少し、途中で濾過できなくなる場合とした。
<澄明性>
各例の抽出液を50mLのサンプル瓶に入れ、標準光源下において、目視にて澄明性を評価した。“5”は、優れた澄明性を有する場合、“4”は、やや澄明性が低下する場合、“3”は、僅かに濁っている場合、“2”は、やや濁っている場合、“1”は、濁っている場合として評価した。
<成分含有量>
プロポリス抽出物中の有効成分として、有機酸(p−クマル酸)、桂皮酸誘導体(アルテピリンC,バッカリン、ドルパニン)の4成分に着目し、それらの成分の含有量を、下記UHPLC条件に従い測定した。
試料(20μL)にエタノールを加え50〜100倍希釈した。これらをフィルター濾過し、分析試料とした。p−クマル酸(4.8mg)、バッカリン(5.57mg)、ドルパニン(3.98mg)、アルテピリンC(4.85mg)をメスフラスコ(25mL容)に秤量し、エタノールでメスアップした。これを順次5倍希釈し、検量線作成用の標準溶液とした。得られた結果を用いて、絶対検量法より、プロポリス抽出物中の上記有機酸及び桂皮酸誘導体の合計含有量を測定した。
<UHPLC条件>
カラム:BEH−C18カラム(内径2.1mm×長さ100mm)(ウォーターズ社製)、カラム温度:45℃、注入量:1μL、PDA:280nm。
溶媒A:水(0.1%リン酸)、溶媒B:アセトニトリル(0.1%リン酸)。
0分:溶媒Aを90%、溶媒Bを10%→10分:溶媒Aを0%、溶媒Bを100%(リニアグラジエント)、流速:0.3mL/分。
表1に示されるように、各実施例及び各参考例において抽出溶媒として用いられる油性成分は、澄明性の高く、吸光度の低い着色が少ないプロポリス抽出液が得られることが確認された。一方、各比較例においては、室温保存環境下において、白濁が生じたり、又はOD660nmの数値が高く、外観特性が低下することが確認された。
(試験例2:プロポリス抽出物の冷却処理後の澄明性の評価)
(A)試験例1において得られたプロポリス抽出物について、4℃の環境下で一晩(16時間)放置した後、ブフナーロートに濾紙(アドバンテック社製のNo.2)をセットして、吸引濾過を行った。試験試料として、実施例1,3,、参考例2及び比較例1〜8のプロポリス抽出物を使用した。試験例1と同様の評価基準で、濾過性及び澄明性について評価した。尚、濾過装置は、保存環境温度に調整後に使用した。評価結果を表2に示す。
(B)試験例1において得られたプロポリス抽出物について、−20℃の環境下で一晩(16時間)放置した後、ブフナーロートに濾紙(アドバンテック社製のNo.2)をセットして、吸引濾過を行った。試験試料として、実施例1及び比較例1,7のプロポリス抽出物を使用した。試験例1と同様の評価基準で、濾過性及び澄明性について評価した。尚、濾過装置は、保存環境温度に調整後に使用した。測定結果を表2に示す。
各例のプロポリス抽出物は、4℃の環境下で一晩(16時間)放置した後は、いずれの試料も白濁が生じていた。表2に示されるように、実施例1,3,及び参考例2の試験試料は、冷蔵保存後に簡易な濾過処理によって澄明性の高い抽出液が得られることが確認された。表2の各実施例及び参考例2のプロポリス抽出物は、冷蔵保存の環境下においても優れた外観特性が得られることが期待される。一方、各比較例においては、濾過処理しても澄明性の高い抽出液を得ることができなかった。また、各実施例及び参考例2において、濾過処理後においても、有機酸及び桂皮酸誘導体の含有量が、表1に示される常温保存後のプロポリス抽出物と比較して低下することはなかった。
また、各例のプロポリス抽出物は、−20℃の環境下で一晩(16時間)放置した後は、いずれの試料も白濁が生じていた。表2に示されるように、実施例1の試験試料は、零下保存後に簡易な濾過処理によって澄明性の高い抽出液が得られることが確認された。一方、各比較例においては、濾過処理しても澄明性の高い抽出液を得ることができなかった。実施例1のスクワレンを用いたプロポリス抽出物は、零下保存の環境下においても優れた外観特性が得られることが期待される。また、実施例1において、濾過処理後においても、有機酸及び桂皮酸誘導体の含有量が、表1に示される常温保存後のプロポリス抽出物と比較して低下することはなかった。
(試験例3:プロポリス抽出物の抗酸化活性試験)
上記のように得られた実施例1,3,及び参考例2のプロポリス抽出物について、抗酸化活性について測定した。実施例1は−20℃保存及び濾過処理後のプロポリス抽出物を使用し、実施例3,及び参考例2は、4℃保存及び濾過処理後のプロポリス抽出物を使用した。比較対照として、抽出処理前のスクワレン、しそ油、ドコサヘキサエン酸、及びエイコサペンタエン酸の各油性成分を用いた。ブランクとして蒸留水を使用した。
抗酸化活性は、ラジカル捕捉能試験により測定した。本試験では、ラジカル状態で517nmの極大吸収を持つDPPH(1,1-Diphenyl-2-picrylhydrazyl)が抗酸化物質により還元されて退色することを利用するものである。
まず、96ウェルのプレートに溶媒(20%AcOEt/EtOH)を50μLずつ分注した。次に、適宜希釈した各濃度の各試料を100μLずつ添加した(N=2)。DPPH(20%AcOEt/EtOH)を50μLずつ分注し、反応を開始した。反応開始30分後にプレートリーダーでOD520nmを測定した。この時の値をAsとする。ブランクの値として、DPPHの代わりに上記各溶媒を加えたウェルも用意し、同様に測定した。この時の値をAcとする。上記のように得られた各数値より、吸光度A(A=As−Ac)を求めた。吸光度Aを用いてGraphPad Prism5(MDF社製)を用いて、得られたグラフよりIC50を算出した。結果を表3に示す。
表3に示されるように、スクワレン、しそ油、ドコサヘキサエン酸、及びエイコサペンタエン酸から得られるプロポリス抽出物について、優れた抗酸化活性を有することが確認された。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)前記抽出溶媒は、スクワレンであって、前記抽出物は、さらに−10℃以下に冷却した後、濾過又は遠心分離により不溶性成分を除去したものである前記プロポリス抽出物。従って、この(a)に記載の発明によれば、プロポリス抽出物を零下条件下において保存した場合であっても、澄明性等の外観特性を低下させることがない。

Claims (6)

  1. 抽出原料としてプロポリス原塊、又はプロポリス原塊から水若しくは親水性有機溶媒を用いた抽出処理後の残渣を使用し、
    抽出溶媒としてスクワレン、ドコサヘキサエン酸、及びエイコサペンタエン酸から選ばれる少なくとも一種の油性成分のみを用いて得られる抽出物を含んでなるプロポリス抽出物。
  2. 記抽出物は、さらに10℃以下に冷却した後、濾過又は遠心分離により不溶性成分を除去したものであることを特徴とする請求項1に記載のプロポリス抽出物。
  3. 抽出原料としてプロポリス原塊、又はプロポリス原塊から水若しくは親水性有機溶媒を用いた抽出処理後の残渣を使用し、
    抽出溶媒としてスクワレン、ドコサヘキサエン酸、及びエイコサペンタエン酸から選ばれる少なくとも一種の油性成分のみを用いて抽出物を得る工程を含むプロポリス抽出物の製造方法。
  4. 記抽出物を得た後、さらに該抽出物を10℃以下に冷却し、濾過又は遠心分離により不溶性成分を除去する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載のプロポリス抽出物の製造方法。
  5. 請求項1又は請求項2に記載のプロポリス抽出物を含有するカプセル。
  6. 請求項1又は請求項2に記載のプロポリス抽出物を有効成分として含有する抗酸化剤。
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