JP5543655B1 - ウコン中の有用成分を安定的に含有する飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビサクロンの分解を抑制してビサクロンを安定的に含有し、ビサクロンがもたらす効果を長く保持することが可能な飲料を提供することを目的とする。
【解決手段】ビサクロンを含有し、かつpHが3.1以上の範囲にある飲料。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビサクロンの分解を抑制してビサクロンを安定的に含有し、ビサクロンがもたらす効果を長く保持することが可能な飲料に関する。
ウコンは東南アジアを中心に、世界中の熱帯・亜熱帯地域で栽培されるショウガ科ウコン属の植物である。独特な香気と風味を有することから香辛料として、また生薬として古くから用いられている。最近では、根茎に含まれるクルクミンに抗炎症、抗腫瘍、肝機能改善、悪酔いの防止等のさまざまな効果があることが報告され、ウコンは、健康食品としても注目されている。
今日、ウコンの有用性に着目し、ウコン成分を配合した様々な飲食品が開発されており、中でも、ウコン成分を配合した酸性飲料はウコン独特の土臭さや苦味が抑えられ、飲みやすく、人気が高い。
本発明者らはこれまでに、ウコンがもたらす効果の有効成分の一つとしてビサクロンを同定し、ビサクロンが、血中エタノール濃度を低下させる効果、及び二日酔いの症状を抑制する効果を有することを確認している。
また、本発明者らはこれまでに、ビサクロンは水溶液中、特に酸性水溶液中、で非常に不安定であり、ビサクロンを飲料等に含めた場合には直ちに分解を生じ、その量が著しく減少してしまいビサクロンがもたらす所望の効果が著しく減衰してしまうということを見出した。そこで、本発明者らは水溶液中のビサクロンの分解を抑制すべく、化合物の一般的な分解防止剤(酸化防止剤やキレート剤等)をビサクロンを含有する水溶液中に加えてみたところ、当該分解防止剤ではビサクロンの分解を十分に、又は全く抑制できないことを確認した。
そこで本発明は、ビサクロンの分解を抑制してビサクロンを安定的に含有し、ビサクロンがもたらす効果を長く保持することが可能な飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、ビサクロンを含有する飲料のpH値を3.1以上とすることによって、当該飲料中におけるビサクロンの分解速度を顕著に抑制することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の特徴を有する。
[1] ビサクロンを含有し、かつpHが3.1以上の範囲にある飲料。
[2] ビサクロンがウコン抽出物に由来する、[1]の飲料。
[3] 一回の経口摂取量あたり、ビサクロンを0.5 mg以上含有する、[1]又は[2]の飲料。
[4] 一回の経口摂取量あたり、ビサクロンを0.15 mg以上含有する、[1]又は[2]の飲料。
[5] pHが3.1以上、5以下の範囲にある、[1]〜[4]のいずれかの飲料。
[6] pHが3.1以上、4.0未満の範囲にある、[1]〜[4]のいずれかの飲料。
[7] [1]〜[6]のいずれかの飲料が入れられた、容器詰飲料。
[8] 飲料材料とビサクロンを混合し、得られた混合物のpHを3.1以上の範囲に調節する工程を含む、飲料中のビサクロンの安定性を向上させる方法。
[9] ビサクロンがウコン抽出物に由来する、[8]の方法。
[10] 飲料材料とビサクロンを混合し、得られた混合物のpHを3.1以上の範囲に調節する工程を含む、ビサクロン含有飲料の製造方法。
[11] ビサクロンがウコン抽出物に由来する、[10]の方法。
[12] pHが3.1以上、5以下の範囲に調節する、[10]又は[11]の方法。
[13] pHが3.1以上、4.0未満の範囲に調節する、[10]又は[11]の方法。
本発明によれば、ビサクロンの分解を抑制してビサクロンを安定的に含有し、ビサクロンがもたらす効果を長く保持することが可能な飲料を提供することができる。
図1はpH値の異なる飲料中のビサクロンに関する保存試験の結果を示す。 図2はビサクロン(0.15mg)の摂取による、二日酔い症状の抑制効果を示す。
本発明においてビサクロンとは次式で表される化合物又はその塩を指し、ビサボラン型セスキテルペン類に分類される化合物である:
Figure 0005543655
本明細書におけるビサクロンとは上記化合物の光学異性体も包含する概念である。
ビサクロンは植物原料から抽出又は精製したものであってもよいし、人為的に合成されたものであってもよいが、安全性の観点から植物原料から抽出又は分離/精製したものを用いることが好ましい。
前記植物原料としては、ショウガ科植物が好ましく、特にCurcuma longa(ウコン)、Curcuma aromatica、Curcuma zedoaria、Curcuma phaeocaulis、Curcuma kwangsiensis、Curcuma wenyujin、Curcuma xanthorrhizaが好ましい。植物原料の根茎等の適当な部位を原型のまま、あるいは適当な寸法又は形状にカットした形態で、あるいは粉砕物の形態で、有効成分の製造のための原料として使用することができる。これらの原料は適宜乾燥されたものであってよい。
植物原料からのビサクロンの抽出方法は特に限定されない。例えば、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ジエチルエーテル、石油エーテル、ヘキサン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、動植物油脂、又はそれらの溶媒の2種以上の混合物等の、前記有効成分を溶解可能な溶媒を用いて、植物原料から溶媒可溶性成分を抽出する。抽出溶媒としては、水及び/又は親水性抽出溶媒、具体的にはアルコールや水が好ましい。アルコールとしてはエタノールが好ましい。アルコールと水を混合して用いる場合の混合比は特に限定されないが、例えば重量比で10:90〜90:10の範囲が好ましく、20:80〜50:50の範囲がより好ましい。
得られた植物原料の抽出物を必要に応じてさらに、溶媒分画、クロマトグラフィー(カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等)及び/又は再結晶等の精製手段に付して、ビサクロンを分離又は精製してもよい。例えば、ビサクロンはウコンを植物原料とするメタノール抽出物を得て、当該抽出物をシリカゲルカラムでメタノール及びクロロホルムを用いて溶出させ、クルクミノイド(クルクミン、デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミンの混合物)よりも高極性の画分より分取用HPLCカラムを用いて分離又は精製することができる。
本発明においてビサクロンは植物原料の抽出物の形態であってもよいし、植物原料の抽出物より分離/精製された形態であってもよい。すなわち、本発明のビサクロン含有飲料中には、所定量のビサクロンを含む植物原料の抽出物を配合することができる。
本発明のビサクロン含有飲料には一回の経口摂取量当たり、ビサクロンを0.15 mg以上、好ましくは0.5 mg以上含めることができる。「一回の経口摂取量」とは、本発明のビサクロン含有飲料が一度に経口摂取される量、あるいは短い時間間隔(例えば10分以下、好ましくは5分以下の時間)をおいて連続的に複数回で経口摂取される総量を指し、例えば50 ml〜500 ml(典型的には50 ml、100 ml、150 ml、200 ml、250 ml、300 ml、350 ml、400 ml、450 ml又は500 ml)である。以下でも「一回の経口摂取量」をこの意味で用いる。また、本発明において「ビサクロンを0.15mg以上」及び「ビサクロンを0.5mg以上」とは、本発明のビサクロン含有飲料の少なくとも製造完了時、すなわち、本発明のビサクロン含有飲料が完成製品として少なくとも製造工場を出荷される段階において、「ビサクロンを0.15mg以上」及び「ビサクロンを0.5mg以上」含有していることをそれぞれ意味する。なお、飲料中のビサクロンの量は、飲料を酢酸エチルと混合し、遠心分離して得られた上澄み液から酢酸エチルを減圧留去後、アセトニトリルに溶解した液を分析サンプルとして、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に付すことにより求めることができる。
本発明のビサクロン含有飲料のpHは3.1以上、好ましくは3.2以上、より好ましくは3.5以上、さらに好ましくは3.7以上の範囲から選択される値を有する。本発明においてpH値は品温20℃で測定された値を指す。
pHの下限はビサクロンの安定性に基づいて設定することができる。すなわち、飲料のpH値が3.1よりも小さい場合には当該飲料中に含まれるビサクロンの安定性は向上せず、当該飲料中に含まれるビサクロンの分解は抑制されることなく進む。一方、飲料のpH値が3.1以上、好ましくは3.2以上、より好ましくは3.5以上、さらに好ましくは3.7以上の場合には、pH値の上昇に伴い当該飲料中に含まれるビサクロンの安定性が向上し、当該飲料中に含まれるビサクロンの分解が抑制される。これによって、当該飲料はビサクロンがもたらす作用・効果を長く保持することができる。なお、本発明において「ビサクロンの安定性が向上する」、及び「ビサクロンの分解が抑制される」とは、飲料中のビサクロンの分解速度が、pH3.1未満の飲料中のビサクロンの分解速度と比べて緩やかになっていることを意味し、必ずしも、ビサクロンの分解が完全に停止していなくてもよい。
pH値の上限はビサクロンの安定性が向上される限り特に限定はされないが、好ましくは5以下、より好ましくは4未満とすることができる。飲料のpH値が5よりも高い場合においてビサクロンを植物原料の抽出物の形態で含む場合、当該飲料は植物原料の抽出物に起因する、「苦味」や「渋み」などの不快な呈味が感じられるという問題がある。したがって、本発明のビサクロン含有飲料のpH値の上限は5以下とすることができる。また、本発明のビサクロン含有飲料が清涼飲料水の形態である場合には、当該pH値の上限をpH 4.0未満とすることができる。食品衛生法の食品別規格基準によれば、清涼飲料水の殺菌・除菌の方法はpH 4.0を境に大きく異なっており、pH4.0未満のものの殺菌は、中心部温度を65℃10分間加熱することが求められるのに対して、pH4.0以上のものの殺菌は、中心部温度を85℃、30分間加熱することが求められる。故に、pH値の上限をpH 4.0未満とすることによって、殺菌工程による負荷を小さくし、殺菌工程におけるビサクロンの分解を小さくすることができ好ましい。
本発明のビサクロン含有飲料のpH値は、加えられる酸味料の量を適宜調節することにより調節することができる。酸味料としては飲料の製造に一般的に利用されるものが挙げられ、例えばクエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、酒石酸、又はこれらの塩などがあり、これらのうちの1種又は2種以上の混合物を加えることができる。
本発明のビサクロン含有飲料は水に上記の成分が含有されたものであるが、一又は複数の他の成分が更に含有されてもよい。
「他の成分」としては、ウコン色素が挙げられる。ウコン色素は、ウコンの根茎部分より、温時エタノールで、熱時油脂若しくはプロピレングリコールで、又は室温時〜熱時ヘキサン若しくはアセトンで抽出して得られるものであり、このようにして得られたウコン色素は主にクルクミンを含む。本発明のビサクロン含有飲料におけるウコン色素の量は一回の経口摂取量当たり、クルクミンが3〜50 mg、より好ましくは5〜40mg、特に好ましくは6〜30mgとなる量のウコン色素が配合されるのがよい。
さらに、「他の成分」としては、甘味料、増粘剤、香料、酸化防止剤、ビタミン類等が挙げられる。
甘味料としては、果糖、ブドウ糖、液糖等の糖類、はちみつ、スクラロース、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム等の高甘味度甘味料が挙げられる。
増粘剤としては、ジェランガム、キサンタンガム、ペクチン、グアーガム等の増粘多糖類が挙げられる。
酸化防止剤としては、ビタミンC、酵素処理ルチン、トコフェロール(ビタミンE)、カテキン等が挙げられる。
ビタミン類としては、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンE、ナイアシン、イノシトール等が挙げられる。
甘味料、増粘剤、香料、酸化防止剤、ビタミン類等は、当業者が飲料に通常採用する範囲内の量で適宜配合することができる。
本発明のビサクロン含有飲料は、容器詰飲料とすることができる。
本発明のビサクロン含有飲料を収容するための容器は、飲料用容器として使用される容器を適宜用いることができ、限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)製容器、所謂PETボトルや、金属缶容器等が挙げられる。容器の形態は特に限定されない。また、容器の容量は特に限定されないが、例えば50〜500 ml(典型的には50 ml、100 ml、150 ml、200 ml、250 ml、300 ml、350 ml、400 ml、450 ml又は500 ml)、好ましくは100〜200 mlとすることができる。
本発明のビサクロン含有飲料を容器に収容する手段は任意である。
本発明のビサクロン含有飲料は、前記ビサクロン又はビサクロンを含有する植物原料の抽出物及び酸味料、必要に応じて上述のようなウコン色素及びその他の成分、並びに残部として水を混合して製造することができる。各成分の配合量は上記したとおりである。上記したとおり、pH値が3.1以上、好ましくは3.2以上、より好ましくは3.5以上の範囲にあるビサクロン含有飲料は、ビサクロンの分解を抑制し、ビサクロンがもたらす作用・効果を長く保持することができると共に、植物原料の抽出物やウコン色素による風味を調整し、不快な呈味(苦味や渋み等)が不快感を与えない程度、又は飲みやすさを感じる程度にまで低減された飲料を得ることができる。
本発明のビサクロン含有飲料は、アルコール摂取後の起床時のいわゆる二日酔い症状(特に、頭重感、吐き気、倦怠感、アルコール残り感、胃の不快症状)の軽減作用を有する飲料として使用することができる。
I.保存試験
ビサクロン含有飲料のpH値によるビサクロンの保存安定性について以下のとおり試験した。
試験には実施例1−5及び比較例1を用いた。
Figure 0005543655
ウコン色素は、ウコン(Curcuma longa)の根茎部分をアセトンを用いて抽出し、減圧してアセトンを揮発させることにより得たものである。このウコン色素には30重量%のクルクミンが含有される。
ビサクロンはウコン抽出物の形態で用いた。ウコン抽出物はウコン(Curcuma longa)の根茎部分を水を用いて抽出して得たものである。ウコン抽出物中のビサクロンの量は、抽出物を酢酸エチルと混合し、遠心分離して得られた上澄み液から酢酸エチルを減圧留去後、アセトニトリルに溶解した液を分析サンプルとして、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に付すことにより求めた。HPLCは以下の条件で行った。
Figure 0005543655
各飲料のpHはクエン酸及び/又はクエン酸3ナトリウムを用いて行った。表中のpH値は品温20℃で測定された値を指す。
各飲料は水以外の成分(粉末原料)を混合した後、水に添加溶解して、液体原料を投入して100 mLの水溶液とし、93℃に加熱したものを金属缶にホットパックして作製した。各飲料についてそれぞれ4本作製した。
各試験飲料を、93℃加熱前、及び93℃加熱・ホットパック後、並びに、40℃の条件下に、7日間、14日間、及び30日間保存した後、各飲料中のビサクロンの量を測定した。各飲料中のビサクロンの量は、飲料を酢酸エチルと混合し、遠心分離して得られた上澄み液から酢酸エチルを減圧留去後、アセトニトリルに溶解した液を分析サンプルとして、上記ウコン抽出物中のビサクロン量の測定方法と同様に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定した。93℃加熱前のサンプルのビサクロン含量を100%とした時の、各サンプルのビサクロン含量を百分率で算出した。
結果を図1に示す。飲料のpH値が2.9であるものと比べて、飲料のpH値が3.1及び3.3以上である場合に、飲料中のビサクロン量の減衰速度(グラフ傾き)が緩やかになることが示された。また、飲料のpH値が3.1及び3.3であるものと比べて、飲料のpH値が3.5以上である場合に、飲料中のビサクロン量の減衰速度(グラフ傾き)がさらに緩やかになることが示された。すなわち、飲料のpH値が3.1以上である場合において、飲料中のビサクロンの分解が抑制されビサクロンが安定的に含有され得ることが確認され、また飲料のpH値が3.5以上である場合において、飲料中のビサクロンの分解がさらに抑制されビサクロンが安定的に含有され得ることが確認された。
II.官能評価
ビサクロン含有飲料のpH値による飲みやすさへの影響について以下のとおり試験した。
試験には上記実施例1及び実施例4に加えて、以下の実施例6−9を用いた。
Figure 0005543655
各試験飲料は、上記組成にて、上記「I.保存試験」における試験飲料と同様に調製した。
パネラーI-Vが各試験飲料を摂取し、その飲みやすさを5段階で評価した。
各試験飲料の官能評価結果を次表に示す。飲料のpH値が6.0以上の場合、飲みにくいと感じられた。
Figure 0005543655
以上の結果より、飲料組成物中のビサクロンは飲料組成物のpH値が2.9であるものと比べて、飲料組成物のpH値が3.1及び3.3以上である場合に、飲料組成物中のビサクロン量の減衰速度(グラフ傾き)が緩やかになることが示された。また、飲料組成物のpH値が3.1及び3.3であるものと比べて、飲料組成物のpH値が3.5以上である場合に、飲料組成物中のビサクロン量の減衰速度(グラフ傾き)がさらに緩やかになることが示された。すなわち、飲料組成物中のビサクロンは飲料組成物のpH値が3.1以上である場合に、その減衰速度が抑制され、保存安定性が高まることが確認され、また、飲料組成物のpH値が3.5以上である場合に、その減衰速度がさらに抑制され、保存安定性が高まることが確認された。
一方、ウコン抽出物に由来するビサクロンを含有する飲料組成物はpH値が6.0以上となると飲料として飲みにくくなることが確認された。
III.二日酔い症状に対する効果
ビサクロンの二日酔い症状に対する効果について以下のとおり試験した。
1.試験飲料
ビサクロン含有試験飲料(実施例A)は、水以外の成分(粉末原料)を混合した後、水に添加溶解して100mLの水溶液とし、93℃に加熱したものを金属缶にホットパックして作製した。比較例aはホットパックした後、さらに40℃にて一週間保存した以外は、上記実施例Aと同様に作製した。各試験飲料のpH値は3.1とした。ビサクロンは酸性水溶液中、40℃にて保存することによって分解が促進され、試験飲料中のビサクロンを減少させることができる。
ウコン色素は、ウコン(Curcuma longa)の根茎部分をアセトンを用いて抽出し、減圧してアセトンを揮発させることにより得たものである。このウコン色素には30重量%のクルクミンが含有され、各試験飲料中にはクルクミンが30mg含まれた。
ビサクロンはウコン抽出物の形態で用いた。すなわち、ビサクロンを所定量含有するウコン抽出物を各試験飲料中に配合した。ウコン抽出物はウコン(Curcuma longa)の根茎部分の根茎部分を水を用いて抽出して得たものである。各試験飲料中のビサクロンの量は、上記と同様にHPLCに付すことにより求めた。
実施例A及び比較例aは以下の組成を有した。ビサクロンが実施例Aには0.15mg、比較例aにはビサクロンが検出されなかった。
Figure 0005543655
2.試験対象者
試験対象者は、アルコール飲料を飲むことができる20〜65才の男女から選抜した13名とした。アルコール飲料が飲めない人(自己申告)、通院中の人、服薬中の人、腎臓・肝臓疾患に疾病のある人、各種過敏症の人は試験対象者から除外した。
3.試験方法
各試験飲料について以下の手順により二日酔い抑制効果を確認した。
次の内容の試験を1週間を開けて2回実施した。
試験前日に上記実施例A又は比較例aを摂取した後、2時間にわたって食事をしながら飲酒した。個人ごとに酒量並びに食事のメニュー及び量を管理し、2回の試験ともほぼ同じ酒量及び食事条件になるようにした。
飲酒後に就寝し、7時間を目安として睡眠をとった。飲酒後摂取できる水の量は200mLまでとした。起床後に二日酔いに関するアンケートを行った。
以下の事項は禁止した。
二日酔い改善効果のある医薬、食品の摂取
4.試験スケジュール
試験対象者5名に対し、実施例Aを試験飲料として摂取する前記試験(1回目の試験)を行い、次に比較例aについて前記試験(2回目の試験)を行った。また、試験対象者の残りの8名に対して比較例aを試験飲料として摂取する前記試験(1回目の試験)を行い、次に実施例Aについて前記試験(2回目の試験)を行った。
5.アンケートによる評価項目
アンケートでは、各試験対象者に、頭痛、頭重感、吐き気、倦怠感、アルコール残り感、胃の不快症状の6項目についてVAS法による自己評価結果を記入させた。
VAS (Visual Analog Scale) 法とは、自覚的症状の程度を数値化して評価する検査である。直線状に、考えられうる最高の状態を右端、最低を左端としてその線分上に自分の状態の程度を示してもらう方法である。主観的な評価のために臨床医学でも広く用いられており、特に同被験者間の投与前後の状態の比較などに使われる。
6.試験結果
各試験飲料を摂取した試験での個々の評価項目について、被験者全員のVAS記入値を集計した平均値を得た。結果を図2に示す。
ビサクロン0.15mgを含有する実施例Aでは、ビサクロンを含まない比較例aと比較して、二日酔い症状である頭痛、頭重感、吐き気、倦怠感、アルコール残り感、胃の不快症状のすべての項目について抑制がみられ、特に「頭重感」や「胃の不快症状」を抑制する作用が有意に高いことが確認された。
以上の結果より、少なくとも0.15mgのビサクロンを摂取することによって、二日酔い症状抑制効果を得られることが明らかとなった。

Claims (12)

  1. 一回の経口摂取量あたり0.15 mg以上のビサクロンを含有し、かつpHが2.9を超える範囲にある、加熱殺菌された飲料。
  2. ビサクロンがウコン抽出物に由来する、請求項1に記載の飲料。
  3. 一回の経口摂取量あたり、ビサクロンを0.5 mg以上含有する、請求項1又は2に記載の飲料。
  4. pHが2.9を超え、5以下の範囲にある、請求項1〜のいずれか1項に記載の飲料。
  5. pHが2.9を超え、4.0未満の範囲にある、請求項1〜のいずれか1項に記載の飲料。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の飲料が入れられた、容器詰飲料。
  7. 飲料材料とビサクロンを混合し、得られた混合物のpHを2.9を超える範囲に調節する工程を含む、飲料中のビサクロンの安定性を向上させる方法。
  8. ビサクロンがウコン抽出物に由来する、請求項に記載の方法。
  9. 飲料材料とビサクロンを混合し、得られた混合物のpHを2.9を超える範囲に調節する工程を含む、ビサクロン含有飲料の製造方法。
  10. ビサクロンがウコン抽出物に由来する、請求項に記載の方法。
  11. pHを2.9を超え、5以下の範囲に調節する、請求項又は10に記載の方法。
  12. pHを2.9を超え、4.0未満の範囲に調節する、請求項又は10に記載の方法。
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JPN6014002174; Acta Pharmaceutica Sinica, 2008, Vol.43, No.7, p.724-727 *
JPN6014002176; International Immunopharmacology, 2008, Vol.8, p.1272-1281 *

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