以下、図面を参照しつつ、脱水装置の一実施形態が説明される。尚、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」や「右」などの方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、脱水装置の原理を何ら限定するものではない。
(洗濯機)
図1は、本実施形態に従う脱水装置として例示される乾燥機能を有する洗濯機の概略的な縦断面図である。図1を用いて、脱水機能だけでなく洗濯機能及び乾燥機能を有する洗濯機が説明される。尚、本実施形態の原理は、洗濯機能や乾燥機能を有さない装置にも、好適に適用される。
洗濯機100は、略矩形箱状の筐体110と、筐体110内で直立する処理槽200と、を備える。上方に開口した処理槽200は、洗濯処理、脱水処理や乾燥処理といった様々な処理を行う。
筐体110は、略矩形箱状の下部筐体120と、下部筐体120上に固定される上部筐体130と、を備える。処理槽200は、主に、下部筐体120内に収容される。
図2は、下部筐体120の概略的な展開斜視図である。図1及び図2を用いて、下部筐体120が説明される。
下部筐体120は、略矩形筒状の側壁部121と、側壁部121を支持する矩形枠状の台座部122と、を備える。台座部122に固定された側壁部121は、処理槽200を囲むように立設される。
側壁部121は、背面壁123と、背面壁123とは反対側の正面壁124と、背面壁123と正面壁124との間で立設する左壁125と、左壁125とは反対側の右壁126と、を含む。
図3は、上部筐体130の概略的な斜視図である。図1乃至図3を用いて、上部筐体130が説明される。
上部筐体130は、洗濯機100の上面を形成する天壁131と、下部筐体120の背面壁123と略面一となる上背面壁133と、下部筐体120の正面壁124と略面一となる上正面壁134と、下部筐体120の左壁125と略面一となる上左壁135と、下部筐体120の右壁126と略面一となる上右壁136と、を含む。
図1に示される如く、洗濯機100は、背面壁123に沿って取り付けられた制御装置150を更に備える。制御装置150は、洗濯機100の洗濯処理、脱水処理や乾燥処理といった様々な処理の制御を司る。
図3に示される如く、天壁131の正面縁137に沿って、操作パネル151が取り付けられる。操作パネル151は、制御装置150に電気的に接続される。使用者は、操作パネル151を操作し、洗濯機100に所望の動作をさせることができる。
図3に示される如く、天壁131には、略円形の開口部138が形成される。図1に示される如く、上部筐体130は、開口部138を閉塞する蓋体139を更に備える。蓋体139は、天壁131に対して、上下に回動可能に取り付けられる。使用者は、蓋体139を上方に回動させ、処理槽200へ衣類を投入することができる。或いは、使用者は、蓋体139を上方に回動させ、処理槽200から衣類を取り出すことができる。本実施形態において、処理槽200は、衣類を収容する脱水槽として例示される。
図4は、上部筐体130に取り付けられる様々な要素を示す概略的な展開斜視図である。図1、図2及び図4を用いて、上部筐体130に取り付けられる要素が説明される。
洗濯機100は、処理槽200の振動を検出する機械式のスイッチ素子152を備える。制御装置150に電気的に接続されたスイッチ素子152は、処理槽200の振動に関する情報を含む検出信号を出力する。制御装置150は、スイッチ素子152からの検出信号に基づいて、処理槽200を制御する。
洗濯機100は、スイッチ素子152を支持する支持片140を更に備える。支持片140は、上部筐体130の上背面壁133に沿って固定される。支持片140の左端に取り付けられたスイッチ素子152は、下方に突出し、下部筐体120の背面壁123及び左壁125との間の角隅部に侵入する。
スイッチ素子152は、下方に延出するレバー部153と、レバー部153の姿勢に応じて検出信号を生成及び出力する信号生成部154と、を含む。処理槽200が、背面壁123及び左壁125との間の角隅部に向けて大きく変位するならば、図4に示される如く、レバー部153は、背面壁123(及び、上背面壁133)に向けて回動する。このとき、信号生成部154は、処理槽200の回転を停止(或いは、減速)するための検出信号を生成及び出力する。以下の説明において、背面壁123及び左壁125との間の角隅部に向かう方向は、第1方向FDと称される。また、第1方向FDと反対の方向は、第2方向SDと称される。
図5は、処理槽200の概略的な展開斜視図である。図1乃至図3並びに図5を用いて、処理槽200が説明される。
処理槽200は、衣類を脱水するために回転する内槽210と、内槽210を収容する外槽220と、を備える。使用者は、上部筐体130の蓋体139を開け、衣類を内槽210に収容することができる。
図1に示される如く、内槽210は、略円筒形状の周壁211と、周壁211の下端に接続される底壁212と、を備える。周壁211には、多数の透孔213が形成される。衣類から脱水された水は、透孔213を通じて、内槽210から排出される。外槽220は、透孔213から排出された水を受ける。
外槽220は、略円筒形状の周壁221と、周壁221に接続される底壁222と、を備える。周壁221は、底壁222が接続する下縁223と、下縁223とは反対側に上縁224と、を含む。
図1に示される如く、底壁222には開口部225が形成される。衣類から脱水された水は、開口部225を通じて、外槽220から排出される。洗濯機100は、開口部225に接続される接続ダクト226と、筐体110外へ水を排出するための排水システム300と、を更に備える。
図2に示される如く、台座部122は、側壁部121の背面壁123に略面一となる下背面壁143と、側壁部121の正面壁124と略面一となる下正面壁144と、側壁部121の左壁125と略面一となる下左壁145と、側壁部121の右壁126と略面一となる下右壁146と、を含む。下背面壁143には、排水口142が形成される。
図1に示される如く、排水システム300は、接続ダクト226に接続される第1端部311と排水口142に接続される第2端部312とを含む排水管310と、制御装置150の制御下で排水管310を開閉する排水弁320と、を備える。排水弁320が排水管310を開くと、外槽220中の水が排水管310を通じて、筐体110外へ排出される。
図1及び図5に示されるように、洗濯機100は、略丸皿状のパルセータ230を備える。パルセータ230は、内槽210の底壁212上で横たわる円板部231と、円板部231の周縁から上方に突出する傾斜リング232と、を含む。傾斜リング232は、上方に向けて拡がる。円板部231及び/又は傾斜リング232は、処理槽200内に収容された衣類を支持する。
パルセータ230は、円板部231及び傾斜リング232の上面から突出する攪拌リブ233を更に備える。攪拌リブ233は、放射状に延びる。パルセータ230は、衣類を洗濯する間及び/又は衣類を乾燥する間、回転する。かくして、これらの工程において、処理槽200内の衣類及び/又は洗濯水は適切に攪拌される。
洗濯機100は、制御装置150の制御下で、内槽210及びパルセータ230を選択的に回転する駆動機構400を更に備える。駆動機構400は、内槽210又はパルセータ230を回転させる駆動力を発生させる駆動モータ410と、内槽210に接続された第1シャフト420と、パルセータ230に接続される第2シャフト430と、駆動モータ410の駆動力の伝達を、第1シャフト420と第2シャフト430との間で切り替えるクラッチ装置440と、を備える。制御装置150の制御下で動作する駆動モータ410及びクラッチ装置440は、外槽220の底壁222に固定される。第1シャフト420は、外槽220の底壁222を貫き、内槽210の底壁212に接続される。第1シャフト420と同心回転する第2シャフト430は、第1シャフト420から突出し、内槽210内のパルセータ230に接続される。本実施形態において、駆動モータ410は、駆動部として例示される。
衣類を洗濯するための洗濯工程において、クラッチ装置440は、第2シャフト430へ駆動力が伝達されるように駆動力の伝達経路を切り替える。この結果、洗濯工程において、パルセータ230は、内槽210内で回転する。
図1に示される如く、洗濯機100は、衣類の洗濯に用いられる水を処理槽200へ供給するための給水システム500を更に備える。給水システム500は、上部筐体130の天壁131に形成された給水口501(図3参照)に取り付けられる給水部510と、給水部510から供給された水の経路を切り替える切替弁520と、切替弁520から外槽220への水の経路を規定する給水管530と、を備える。
給水部510は、例えば、水道の蛇口(図示せず)に接続される。上述の制御装置150は、例えば、給水システム500の切替弁520を制御する。切替弁520が、制御装置150の制御下で、給水管530への水路を開くと、水は、処理槽200へ供給される。
図5に示される如く、処理槽200は、洗濯中の衣類から分離したリントを捕捉並びに回収する回収袋214と、内槽210のバランスを保つように作用する流体バランサ215と、を含む。回収袋214及び流体バランサ215は、内槽210の上縁に取り付けられる。
図1に示される如く、外槽220は、周壁221の上縁224に接続され、内槽210上で横たわる上板227と、上板227に対して上下に回動可能に取り付けられた内蓋229と、を更に備える。使用者は、上部筐体130の蓋体139の下方の内蓋229を上方に回動させ、内槽210へ衣類を投入することができる。或いは、使用者は、内槽210から衣類を取り出すことができる。使用者が内蓋229を下方に回動させると、上板227と内蓋229との間でシール構造が形成される。かくして、処理槽200内の水が上板227の開口部からほとんど或いは全く漏出しない。
洗濯機100は、衣類を乾燥するための乾燥空気を循環する循環システム600を更に備える。循環システム600は、接続ダクト226に接続された管型の熱交換器610と、切替弁520から熱交換器610へ水を案内する案内管611と、を備える。切替弁520が案内管611への水路を開くと、水は熱交換器610へ供給される。
熱交換器610は、接続ダクト226に接続される下端部612と、案内管611に接続される上端部613と、を含む。上方に向けて流れる乾燥空気は、熱交換器610の上端部613から流入した水と熱交換する。この結果、乾燥空気は、適切に除湿される。
循環システム600は、背面壁123に取り付けられた冷却ファン620を更に備える。冷却ファン620は、熱交換器610に向けて送風し、乾燥空気を冷却する。この結果、乾燥空気の除湿が促進される。
循環システム600は、除湿された乾燥空気を処理槽200へ送り込む送風ファン630と、送風ファン630と処理槽200との間で乾燥空気を加熱するヒータ640と、加熱された乾燥空気を処理槽200へ案内する導入管650と、を更に備える。導入管650は、上板227に接続される。循環システム600は、導入管650を通じて、処理槽200へ乾燥空気を送り込むとともに接続ダクト226を通じて乾燥空気を回収することができる。かくして、処理槽200の周りでの乾燥空気の循環が達成される。
洗濯機100は、筐体110と外槽220とを接続するサスペンション要素240を更に備える。外槽220を支持するサスペンション要素240は、外槽220から筐体110へ伝達される振動を減衰させる。
図6は、正面壁124と右壁126との間の角隅部の周りの概略的な拡大平面図である。図1、図2、図4及び図6を用いて、洗濯機100が更に説明される。
パルセータ230、内槽210及び外槽220は、略同心に配設される。脱水工程において、水を含んだ比較的重い衣類は、内槽210の周壁211に衝突する。或いは、衣類は、内槽210内で潜在的に偏在する。衣類の衝突及び/又は偏在は、処理槽200の振動を引き起こす。
外槽220の周壁221は、内槽210の周壁211に対向する内面241と、内面241とは反対側の外面242と、を含む。外面242は、側壁部121に対向する。図6に示される如く、外面242は、側壁部121に近接している。
洗濯機100は、加速度センサ700を更に備える。周壁221の外面242に取り付けられた加速度センサ700は、外面242の加速度を検出する。また、加速度センサ700は、外面242の加速度に応じた検出信号を制御装置150へ出力する。外面242の加速度は、処理槽200の振動に関する情報である。本実施形態において、加速度センサ700は、センサ要素として例示される。
加速度センサ700は、好ましくは、外槽220の半径方向の加速度成分及び外槽220の周方向の加速度成分のうち少なくとも一方を検出する。この結果、外槽220の振動は、適切に測定される。更に好ましくは、加速度センサ700は、外槽220の半径方向の加速度成分及び外槽220の周方向の加速度成分に加えて、上下方向(即ち、外槽220の半径方向及び外槽220の周方向に対して直交する方向)の加速度成分を検出してもよい。この結果、制御装置150は、加速度センサ700からの検出信号に基づいて、外槽220の振動パターンを適切に解析し、処理槽200の動作(例えば、駆動モータ410によって決定されるパルセータ230の回転数)を制御する。本実施形態において、制御装置150は、制御部として例示される。
加速度センサ700は、外槽220と正面壁124と右壁126とに囲まれる角隅部に配設される。略円筒状の外槽220と略矩形筒状の側壁部121との間に形成される空間は、加速度センサ700の配置に好適に利用されるので、加速度センサ700の配置のための追加的な空間の確保は必要とされない。かくして、小型の洗濯機100が提供される。
図4に関連して説明された如く、スイッチ素子152は、背面壁123と左壁125との間の角隅部に配設される。一方、加速度センサ700は、正面壁124と右壁126との間の角隅部に配設される。したがって、加速度センサ700は、スイッチ素子152に対して、筐体110の対角線上に(即ち、スイッチ素子152に対して、第2方向SDに)配設される。
図6に示される如く、処理槽200が時計回りに回転するならば、右壁126と背面壁123との間における衣類の偏在及び/又は衝突に起因する処理槽200の振動は、加速度センサ700によって検出される。左壁125と正面壁124との間における衣類の偏在及び/又は衝突に起因する処理槽200の振動は、スイッチ素子152によって検出される。したがって、処理槽200が半回転する期間以内で、処理槽200の振動は加速度センサ700及びスイッチ素子152のうち少なくとも一方によって検出されることとなる。かくして、処理槽200の振動は、迅速に検出される。
制御装置150は、スイッチ素子152及び加速度センサ700から出力された検出信号に基づき、処理槽200の振動モードを解析する。処理槽200の振幅が、振幅に対して定められた閾値を超えるならば、制御装置150は、駆動モータ410の回転数を低減させる。或いは、制御装置150は、駆動モータ410を停止させる。かくして、処理槽200の運動量が低減され、処理槽200の振幅が小さくなる。
図6に示される如く、外槽220の外面242は、側壁部121に近接している。上述の如く、加速度センサ700及びスイッチ素子152によって、処理槽200の振動は、迅速に検出されるので、外槽220の外面242と側壁部121との間の空間が狭くとも、外槽220と側壁部121との衝突は回避或いは緩和される。したがって、小型の洗濯機100が提供される。
加速度センサ700は、好ましくは、外槽220の上縁224の近傍に取り付けられる。加速度センサ700を調整或いは修繕しようとする作業者は、上部筐体130を下部筐体120から分離した後、外槽220の上縁224の近傍に取り付けられた加速度センサ700に容易にアクセスすることができる。したがって、加速度センサ700のメンテナンス、取付或いは除去が容易に行われる。加えて、外槽220の上縁224の振幅は、比較的大きいので、外槽220の上縁224の近傍に取り付けられた加速度センサ700は、外槽220の加速度を適切に検出することができる。
図7は、筐体110に取り付けられる熱交換器610の概略的な斜視図である。図8は、右壁126と背面壁123との間の角隅部の周りの概略的な拡大平面図である。図1、図6乃至図8を用いて、熱交換器610の取付が説明される。
筐体110は、背面壁123に取り付けられる背面カバー板129を更に含む。背面カバー板129と背面壁123との間で、熱交換器610は立設される。図8に示される如く、熱交換器610は、右壁126の近傍に配設される。したがって、図1に関連して説明された循環システム600は、処理槽200の回転中心に対して、加速度センサ700に近接した右壁126寄りに偏心して配設される。
循環システム600は、右壁126の近くで、処理槽200の上面(即ち、上板227)及び下面(即ち、外槽220の底壁222)と接続される。また、熱交換器610は、背面壁123及び背面カバー板129に沿って上方に延びる。したがって、循環システム600は、右壁126と背面壁123との間の角隅部の近傍領域を中心に、処理槽200の上下方向への変位を抑制する。
一方、右壁126と背面壁123との間の角隅部と対角線上に存する左壁125と正面壁124との間の角隅部の近傍領域において、処理槽200は、比較的、上下動しやすい。例えば、使用者が上板227上に水を零したとき、それ故、水は、左壁125と正面壁124との間の角隅部に向けて流れる。本実施形態において、左壁125と正面壁124との間の角隅部には、加速度センサ700やスイッチ素子152といったセンサ要素は存在しないので、上板227上で零された水によって、加速度センサ700やスイッチ素子152といったセンサ要素が故障することはほとんどない。かくして、信頼性の高い洗濯機100が提供される。
(加速度センサの構造)
図9は、加速度センサ700の概略的な縦断面図である。図10は、加速度センサ700の概略的な展開斜視図である。図11は、加速度センサ700の概略的な正面図である。図1、図6、図9乃至図11を用いて、加速度センサ700の構造が説明される。
加速度センサ700は、外槽220の加速度(即ち、処理槽200の振動)を検出する検出素子710を備える。検出素子710は、好ましくは、外槽220の半径方向の加速度成分及び外槽220の周方向の加速度成分のうち少なくとも一方を電気的に検出する。この結果、外槽220の振動は、適切に測定される。更に好ましくは、検出素子710は、外槽220の半径方向の加速度成分及び外槽220の周方向の加速度成分に加えて、上下方向(即ち、外槽220の半径方向及び外槽220の周方向に対して直交する方向)の加速度成分を検出してもよい。
検出素子710は、外槽220の加速度を検出する検出部711と、検出部711が生成した検出信号を制御装置150に伝達するための信号線712と、を含む。制御装置150は、加速度センサ700からの検出信号に基づいて、外槽220の振動パターンを適切に解析し、処理槽200の動作を制御する。
加速度センサ700は、検出素子710を保護する保護ケース800と、外槽220の外面242及び保護ケース800に接続される接続板750と、を更に備える。接続板750は、外槽220の外面242に沿って固定されるベース板751と、ベース板751から側壁部121に向けて、略直角に折り曲げられた折曲片752を含む。
ベース板751は、外槽220の外面242に対向する第1面753と、第1面753とは反対側の第2面754と、を含む。接続板750は、ベース板751の周縁に沿って、外槽220に向けて折り曲げられた周リブ755を更に含む。周リブ755は、第1面753と外槽220の外面242との間に空間を形成する。
なお通常は、剛性の低い樹脂製の外槽220が脱水時の振動によって変形や撓みを発生し、ノイズが発生する等のチップ713における誤出力を招く可能性もあるが、ベース板751を剛性の高い板金製とすれば、チップ713が外槽220の加速度を検知するとき、このような外槽220の変形や撓みの影響を受けにくく、チップ713が外槽220の加速度をより正確に検知できる効果もある。
保護ケース800は、ベース板751に沿って配設される第1ケース850と、第1ケース850に重ねられる第2ケース810と、を含む。
図12は、加速度センサ700の概略的な横断面図である。図9、図10及び図12を用いて、保護ケース800が説明される。
第1ケース850は、ベース板751の第2面754に沿って配設される第1主板851と、第1主板851の周縁から側壁部121に向けて突出する第1外周壁852と、第1外周壁852よりも内方で、側壁部121に向けて突出する内壁853と、を備える。
図13は、第2ケース810が除去された加速度センサ700の概略的な正面図である。図9乃至図13を用いて、第1ケース850及び第2ケース810が説明される。
検出部711は、加速度を検出するチップ713と、チップ713と信号線712とを接続するコネクタ714と、を備える。内壁853は、第1外周壁852によって囲まれた空間を区画し、チップ713及びコネクタ714を収容並びに保持するための収容室を形成する。
図10に示される如く、第1外周壁852は、略U字形状の凹部854が形成された上外壁855と、上外壁855と対向する下外壁856と、を備える。下外壁856には、信号線712が挿通されるための凹部857が形成される。
図12に示される如く、第2ケース810は、第1主板851に対向する第2主板811と、第2主板811からベース板751の第2面754に向けて突出する第2外周壁812と、を備える。第2外周壁812が内壁853と第1外周壁852との間に挿入されると、検出素子710を収容するための収容空間が形成される。
図10に示される如く、第1外周壁852は、上外壁855の右端と下外壁856の右端との間で延びる右外壁858を含む。第1ケース850は、右外壁858に隣接して形成されたフック片859を更に備える。フック片859は、第2ケース810に向けて突出する。
図11に示される如く、第2ケース810は、第2外周壁812から右方に突出する係合部813を更に備える。係合部813は、スナップフィット式にフック片859と係合する。
図10に示される如く、接続板750は、ベース板751の左縁から第1ケース850に向けて突出する突出舌756と、突出舌756に対して左方に折り曲げられた副折曲片757とを更に備える。第1外周壁852は、右外壁858とは反対側の左外壁860を更に含む。第1ケース850は、上外壁855から折曲片752に向けて突出する第1固定柱861と、左外壁860から突出する副固定柱862と、を更に備える。副固定柱862は、左外壁860に隣接する。副折曲片757は、副固定柱862上で突出する。第2ケース810は、第2外周壁812から上方に(即ち、折曲片752に向けて)突出する第2固定柱814を更に備える。第2固定柱814は、上外壁855に形成された凹部854に嵌め込まれる。第1固定柱861、第2固定柱814及び副固定柱862には、下方に延びるネジ穴が形成される。
図14は、加速度センサ700の概略的な平面図である。図10、図11及び図14を用いて、接続板750への保護ケース800の固定が説明される。
図10に示される如く折曲片752及び副折曲片757には、貫通孔758がそれぞれ形成される。加速度センサ700は、固定ネジ770を更に備える。固定ネジ770は、一般的なネジと同様に、螺旋状の突条を有する棒状のネジ部771とネジ部771の端部に形成された頭部772とを備える。固定ネジ770は、貫通孔758にそれぞれ挿入される。
固定ネジ770は、第1固定柱861に形成されたネジ穴と螺合する第1固定ネジ773と、第2固定柱814に形成されたネジ穴と螺合する第2固定ネジ774と、副固定柱862に螺合する第3固定ネジ775と、を含む。保護ケース800は、固定ネジ770を用いて、接続板750に固定される。
図14に示される如く、固定ネジ770の頭部772には、略十文字の溝部776が形成される。使用者は、溝部776へドライバ(図示せず)の先端を挿入し、ネジ部771を回転操作することができる。かくして、ネジ部771は、第1固定柱861、第2固定柱814及び副固定柱862に対して、それぞれ進退することができる。
図11に示される如く、第1固定ネジ773の頭部772及び第1固定柱861は、折曲片752を挟む。また、第2固定ネジ774の頭部772及び第2固定柱814も、折曲片752を挟む。第3固定ネジ775の頭部772及び副固定柱862は、副折曲片757を挟む。図14に示される如く、頭部772は、折曲片752及び副折曲片757上に現れるので、使用者は、側壁部121と外槽220との間の空間を利用して、加速度センサ700に対する作業を効率的に行うことができる。
図15は、加速度センサ700の概略的な背面図である。図9、図10及び図15を用いて、接続板750への保護ケース800の固定が更に説明される。
図10に示される如く、ベース板751の下部には、開口部759が形成される。第1ケース850は、第1主板851の下端から下方に突出する爪部863を更に備える。図9及び図15に示される如く、ベース板751の第2面754に取り付けられた第1ケース850の爪部863は、周リブ755によって形成された第1面753と外槽220の外面242との間の空隙内に挿入される。かくして、保護ケース800の下部も接続板750に適切に固定される。
図16は、加速度センサ700の下部の概略的な断面図である。図17は、加速度センサ700の概略的な底面図である。図10、図16及び図17を用いて、第1ケース850と第2ケース810との間の接続が説明される。
第2ケース810は、第2外周壁812の下縁から下方に突出する舌片815を更に備える。また、第1ケース850の下外壁856には、スリット864が形成される。舌片815は、スリット864に挿入される。かくして、第2ケース810は、接続板750及び第1ケース850に適切に接続される。
(予備攪拌動作)
図18は、第1水位まで洗濯水が処理槽200に供給された洗濯機100の概略的な断面図である。図19は、第1水位より低い第2水位まで洗濯水が処理槽200に供給された洗濯機100の概略的な断面図である。図6、図9、図18及び図19を用いて、洗濯機100が実行する予備攪拌動作が説明される。
衣類を洗濯するための洗い工程が行われるとき、給水システム500は、制御装置150の制御下で、第1水位まで洗濯水を供給する。その後、洗濯機100は、第1水位で衣類を洗濯する。
洗濯機100は、洗い工程を実行する前に、予備攪拌動作を行う。予備攪拌動作のために、給水システム500は、制御装置150の制御下で、第1水位より低い第2水位まで、洗濯水を処理槽200へ供給する。処理槽200への給水開始時において、洗濯水中の洗剤の濃度は、比較的高く、且つ、不均一になりがちである。予備攪拌動作が実行されると、洗濯水は適切に攪拌され、洗剤の濃度の均一化が図られる。また、洗濯水が適切に泡立ち、その後の洗い工程における衣類に対する洗浄効果が向上する。予備攪拌動作の完了後、給水システム500は、洗濯水を処理槽200へ更に供給し、洗濯水の水位を第1水位にする。その後、洗い工程が実行される。
予備攪拌動作が実行されている間、駆動モータ410は、制御装置150の制御下で、パルセータ230を双方向に交互に回転させる。この結果、処理槽200内の洗濯水及び衣類が攪拌される。
上述の如く、予備攪拌動作が実行されている間の処理槽200内の水位は低いので、回転するパルセータ230の攪拌リブ233は、処理槽200内の衣類の直接的に衝突しやすい。攪拌リブ233の回転に伴う遠心力によって、処理槽200内の衣類は、その後、内槽210の周壁211に衝突する。処理槽200に供給された洗濯水を吸収した衣類が内槽210の周壁211に衝突するならば、処理槽200の比較的大きな振動が引き起こされる。
図6に関連して説明された如く、筐体110と処理槽200との間の空隙は、比較的狭い。したがって、大きく振動する処理槽200は、筐体110に衝突する。
図9に関連して説明された加速度センサ700は、衣類と内槽210との衝突位置にほとんど影響を受けず、処理槽200の振動を検出することができるので、予備攪拌動作時の処理槽200の振動の検出に好適に用いられる。
本実施形態において、制御装置150は、予備攪拌動作時における処理槽200の振動に対して定められた閾値を予め記憶している。処理槽200の振動が、予備攪拌動作の間、閾値を超えるとき、駆動モータ410は、制御装置150の制御下で、パルセータ230の回転を低減する。この結果、処理槽200の過度の振動は発生しにくくなる。
図20は、予備攪拌動作の概略的なフローチャートである。図9、図18乃至図20を用いて、予備攪拌動作が説明される。
(ステップS110)
予備攪拌動作が開始されると、ステップS110が実行される。ステップS110において、給水システム500は、制御装置150の制御下で、洗濯水を処理槽200へ供給する。処理槽200内の洗濯水の水位が第2水位に到達すると、ステップS120が実行される。
(ステップS120)
ステップS120において、駆動モータ410は、制御装置150の制御下で、パルセータ230を回転させる。その後、ステップS130が実行される。
(ステップS130)
ステップS130において、加速度センサ700は、パルセータ230の回転軸に対して半径方向の加速度成分及びパルセータ230の回転方向の加速度成分のうち少なくとも一方を検出する。より好ましくは、加速度センサ700は、パルセータ230の回転軸に対して半径方向の加速度成分及びパルセータ230の回転方向の加速度成分に対して直交する方向の加速度成分を検出する。加速度センサ700は、検出された加速度に関する情報を含む検出信号を制御装置150に出力する。制御装置150は、検出信号に基づき、処理槽200の振動を解析し、処理槽200の振動が、閾値を超えているか否かを判定する。処理槽200の振動が閾値を超えていないならば、ステップS140が実行される。処理槽200の振動が閾値以上であるならば、ステップS150が実行される。
(ステップS140)
制御装置150は、予備攪拌動作に対して割り当てられた期間を予め記憶している。また、制御装置150は、パルセータ230が駆動されている時間を測定する。パルセータ230が駆動されている時間が予備攪拌動作に対して割り当てられた期間を超えているならば、ステップS160が実行される。パルセータ230が駆動されている時間が予備攪拌動作に対して割り当てられた期間よりも短いならば、ステップS120が実行される。
(ステップS150)
ステップS150において、駆動モータ410は、制御装置150の制御下で、パルセータ230の回転を停止する。その後、ステップS160が実行される。
(ステップS160)
ステップS160において、給水システム500は、制御装置150の制御下で、第1水位まで洗濯水を処理槽200へ供給する。その後、洗い工程が実行される。
図21は、他の予備攪拌動作の概略的なフローチャートである。図18乃至図21を用いて、予備攪拌動作が説明される。
図21に示されるフローチャートにおいて、上述のステップS150からステップS160までの処理が相違する。したがって、ステップS150からステップS160までの工程が説明される。
(ステップS151)
ステップS150において、パルセータ230の回転が停止されると、ステップS151が実行される。ステップS151において、制御装置150は、ステップS150の実行回数をカウントする。その後、ステップS152が実行される。
(ステップS152)
制御装置150は、ステップS151で得られたカウント値に対する閾値(カウント閾値)を予め記憶している。カウント閾値は、例えば、「2」に設定されている。カウント値がカウント閾値に等しいならば、ステップS160が実行される。カウント値がカウント閾値と等しくない(即ち、カウント値がカウント閾値より小さい)ならば、ステップS153が実行される。
(ステップS153)
ステップS153において、給水システム500は、制御装置150の制御下で、所定量の洗濯水を処理槽200へ供給する。その後、ステップS120が実行され、パルセータ230による攪拌が再開される。
図22は、ステップS153が行われたときの洗濯機100の概略的な断面図である。図18、図19、図21及び図22を用いて、ステップS153が説明される。
ステップS153の実行の結果、処理槽200内の洗濯水の水位は、第1水位と第2水位との間の第3水位となる。その後のステップS120におけるパルセータ230の回転に伴う衣類の処理槽200内での移動は、増加された洗濯水によって、より大きな抵抗を受ける。したがって、処理槽200の振動は生じにくくなる。
図23は、他の予備攪拌動作の概略的なフローチャートである。図19、図20及び図23を用いて、予備攪拌動作が説明される。
図23に示されるフローチャートにおいて、図20のフローチャート中のステップS150に代えて、ステップS155が実行される。
(ステップS155)
ステップS155において、駆動モータ410は、制御装置150の制御下で、パルセータ230の回転数を低減する。この結果、低減された回転数のパルセータ230を用いて、予備攪拌動作が継続されるので、処理槽200の過度の振動が生じにくくなる。
(乾燥工程)
加速度センサ700が検出する処理槽200の振動は、乾燥工程にも好適に利用される。
図24は、乾燥工程の概略的なフローチャートである。図1及び図24を用いて、乾燥工程が説明される。
(ステップS210)
乾燥工程が開始されると、ステップS210が実行される。ステップS210において、制御装置150は、乾燥工程の開始時刻からの経過時間を測定する。その後、ステップS220が実行される。
(ステップS220)
ステップS220において、パルセータ230が処理槽200内の衣類の絡みを解消するように動作する解し工程が実行される。解し工程におけるパルセータ230及び駆動モータ410の動作は、後述される。解し工程が終了すると、ステップS230が実行される。
(ステップS230)
ステップS230において、パルセータ230が処理槽200内の衣類を跳ね上げるように動作する跳ね上げ工程が実行される。跳ね上げ工程におけるパルセータ230及び駆動モータ410の動作は、後述される。跳ね上げ工程が終了すると、ステップS240が実行される。
(ステップS240)
制御装置150は、乾燥工程の実行時間に対して設定された設定時間を予め記憶している。乾燥工程の開始時刻からの経過時間が、設定時間を超えているならば、乾燥工程が終了される。乾燥工程の開始時刻からの経過時間が、設定時間を超えていないならば、ステップS220が再度実行される。
かくして、乾燥工程に割り当てられた期間内で、解し工程と跳ね上げ工程が交互に繰り返されることとなる。
図25は、解し工程において、駆動モータ410によって駆動されるパルセータ230の回転動作を概略的に表すタイミングチャートである。図1、図24及び図25を用いて、解し工程におけるパルセータ230の動作が説明される。
解し工程は、例えば、2回の解しサイクルを含んでもよい。解しサイクル中、パルセータ230は、比較的低い回転速度(例えば、80rpm)で、所定期間(例えば、1.5秒)回転し、その後、所定期間(例えば、1.0秒)停止する。その後、パルセータ230は、同様に、比較的低い回転速度(例えば、80rpm)で、所定期間(例えば、1.5秒)回転し、その後、所定期間(例えば、1.0秒)停止する。
パルセータ230は、上述の間歇的な左回転を行った後、回転速度をステップ状に増大させて左方に回転する。パルセータ230は、所定期間(例えば、2秒)停止した後、同様に、回転速度をステップ状に増大させて右方に回転する。例えば、パルセータ230は、80rpmで1.5秒間、左又は右に回転した後、130rpmで0.8秒間、左又は右に回転してもよい。
駆動モータ410が、制御装置150の制御下で、ステップ状に速度を増大させてパルセータ230を回転する結果、攪拌リブ233に直接的に接触する衣類と周囲の他の衣類との間に剪断力が生じ、衣類間の絡みが解消される。図23に示されるパルセータ230は、左回転及び右回転の両方において、ステップ状に速度を変化させている。代替的に、パルセータ230は、左回転及び右回転のうち一方の回転において、ステップ状に速度を変化させてもよい。
本実施形態において、上述の間欠式の回転動作とステップ状の加速回転動作とを含む解しサイクルが2回繰り返される。したがって、解し工程は、比較的短期間(例えば、15秒程度)で完了する。一方、跳ね上げ工程は、解し工程よりも長い期間(例えば、約4分)、実行される。
図26は、跳ね上げ工程において、駆動モータ410によって駆動されるパルセータ230の回転動作を概略的に表すタイミングチャートである。図1、図6、図9、図24及び図26を用いて、跳ね上げ工程におけるパルセータ230の動作が説明される。
跳ね上げ工程において、駆動モータ410は、パルセータ230を左方向及び右方向に交互に回転する。例えば、駆動モータ410は、130rpmで0.7秒間、左方向にパルセータ230を回転する。その後、駆動モータ410は、1.2秒間、パルセータ230を停止させる。更にその後、駆動モータ410は、130rpmで0.7秒間、右方向に回転させる。1つの左回転動作と1つの右回転動作を含む動作パターンは、以下の説明において、動作サイクルと称される。上述の動作サイクルは、跳ね上げ工程に割り当てられた期間(例えば、4分)、繰り返される。上述の解し工程とは異なり、跳ね上げ工程における左方向又は右方向のパルセータ230の回転速度は、略一定である。
左右に交互に回転するパルセータ230の攪拌リブ233に衝突した衣類は、跳ね上げられる。この結果、処理槽200内で、衣類は転動し、衣類の均一な乾燥が促される。
水分を含む衣類が跳ね上げられ、内槽210の周壁211に衝突するならば、処理槽200の比較的大きな振動が引き起こされる。
図6に関連して説明された如く、筐体110と処理槽200との間の空隙は、比較的狭い。したがって、大きく振動する処理槽200は、筐体110に衝突する。
本実施形態において、制御装置150は、処理槽200の振動に対して定められた閾値を予め記憶している。制御装置150は、加速度センサ700が検出した処理槽200の振動と閾値とを比較し、駆動モータ410に対する制御モードを切り替える。以下の説明において、処理槽200の振動が閾値を下回っているときの制御装置150の駆動モータ410に対する制御モードは、第1制御モードと称される。また、処理槽200の振動が閾値を上回っているときの制御装置150の駆動モータ410に対する制御モードは、第2制御モードと称される。第2制御モード下での駆動モータ410及び駆動モータ410に駆動されるパルセータ230の動作は、第1制御モード下でのこれらの動作と相違する。第2制御モード下で制御される駆動モータ410は、後述されるように、第1制御モード下で制御される駆動モータ410よりも少ない仕事量でパルセータ230を回転させる。
図27は、図24のステップS230に関連して説明された跳ね上げ工程の概略的なフローチャートである。図1、図9、図24及び図27を用いて、跳ね上げ工程が説明される。
(ステップS231)
跳ね上げ工程が開始されると、ステップS231が実行される。ステップ231において、制御装置150は、跳ね上げ工程の開始時刻からの経過時間を測定する。その後、ステップS232が実行される。
(ステップS232)
ステップS232において、制御装置150は、第1制御モードで、駆動モータ410を制御する。第1制御モードでの駆動モータ410の制御は後述される。ステップS232の後、ステップS233が実行される。
(ステップS233)
制御装置150は、処理槽200の振動に対して定められた閾値を予め記憶している。ステップS233において、加速度センサ700は、パルセータ230の回転軸に対して半径方向の加速度成分及びパルセータ230の回転方向の加速度成分のうち少なくとも一方を検出する。より好ましくは、加速度センサ700は、パルセータ230の回転軸に対して半径方向の加速度成分及びパルセータ230の回転方向の加速度成分に対して直交する方向の加速度成分を検出する。制御装置150は、加速度センサ700が検出した加速度のデータに基づき、処理槽200の振動モードを解析し、処理槽200の振動と閾値とを比較する。処理槽200の振動が閾値より低いならば、ステップS234が実行される。処理槽200の振動が閾値よりも大きいならば、ステップS235が実行される。
(ステップS234)
制御装置150は、跳ね上げ工程が実行される時間に対して設定された設定時間(例えば、4分)を予め記憶している。跳ね上げ工程の開始時刻からの経過時間が、設定時間を超えているならば、跳ね上げ工程が終了される。跳ね上げ工程の開始時刻からの経過時間が、設定時間を超えていないならば、ステップS232が再度実行される。
(ステップS235)
ステップS235において、制御装置150は、第2制御モードで、駆動モータ410を制御する。第2制御モードでの駆動モータ410の制御は後述される。ステップS235の後、ステップS236が実行される。
(ステップS236)
制御装置150は、跳ね上げ工程が実行される時間に対して設定された設定時間(例えば、4分)を予め記憶している。跳ね上げ工程の開始時刻からの経過時間が、設定時間を超えているならば、跳ね上げ工程が終了される。跳ね上げ工程の開始時刻からの経過時間が、設定時間を超えていないならば、ステップS235が再度実行される。
図28Aは、第1制御モードから第2制御モードへ切り替えられたときのパルセータ230の回転動作を概略的に示すタイミングチャートである。図1、図27及び図28Aを用いて、パルセータ230の回転動作が説明される。
第1制御モード下で制御される駆動モータ410は、パルセータ230を比較的高い回転速度で、左又は右に回転する。ステップS233における判定の結果、処理槽200の振動が閾値より高いならば、制御装置150は、第2制御モードで駆動モータ410を制御する。第2制御モード下で制御される駆動モータ410は、第1制御モード下で制御される駆動モータ410よりも低い回転速度で、パルセータ230を回転する。この結果、処理槽200内の衣類の跳ね上げ量が低減され、処理槽200の振動も小さくなる。
図28Bは、第1制御モードから第2制御モードへ切り替えられたときのパルセータ230の他の回転動作を概略的に示すタイミングチャートである。図1、図24、図27及び図28Bを用いて、パルセータ230の回転動作が説明される。
第1制御モード下で制御される駆動モータ410は、パルセータ230を比較的長時間、左又は右に回転する。ステップS233における判定の結果、処理槽200の振動が閾値より高いならば、制御装置150は、第2制御モードで駆動モータ410を制御する。第2制御モード下で制御される駆動モータ410は、第1制御モード下で制御される駆動モータ410よりも短い時間で、パルセータ230を回転する。かくして、第2制御モード下で回転するパルセータ230の角変位量は、動作サイクルにおいて、第1制御モード下で回転するパルセータ230の角変位量よりも小さくなる。
図24及び図27のフローチャートから明らかであるが、第2制御モードで跳ね上げ工程が終了しても、その後の解し工程に引き続き実行される跳ね上げ工程において、第1制御モードで駆動モータ410が実行される。後続の解し工程において、衣類間の絡みが緩和されるので、処理槽200の振動は生じにくくなる。したがって、後続の跳ね上げ工程が第1制御モードで開始されても、処理槽200の過度の振動はほとんど生じない。第1制御モードでの跳ね上げ工程の開始の結果、処理槽200内の衣類は適切に跳ね上げられ、衣類は効率的に乾燥される。
図29は、他の跳ね上げ工程の他のフローチャートである。図1、図24、図27及び図29を用いて、跳ね上げ工程が説明される。
制御装置150は、跳ね上げ工程が実行される時間に対して設定された2つの設定時間(第1設定時間及び第2設定時間)を予め記憶している。第2設定時間は、第1設定時間よりも短い。
(ステップS237)
図29に示されるフローチャートにおいて、図27のフローチャート中のステップS234に代えて、ステップS237が実行される。跳ね上げ工程の開始時刻からの経過時間が、第1設定時間を超えているならば、跳ね上げ工程が終了される。跳ね上げ工程の開始時刻からの経過時間が、設定時間を超えていないならば、ステップS232が再度実行される。
(ステップS238)
図29に示されるフローチャートにおいて、図27のフローチャート中のステップS236に代えて、ステップS238が実行される。跳ね上げ工程の開始時刻からの経過時間が、第2設定時間を超えているならば、跳ね上げ工程が終了される。跳ね上げ工程の開始時刻からの経過時間が、設定時間を超えていないならば、ステップS235が再度実行される。
図29に示されるフローチャートに従うと、第2制御モードへの切り替えがなされると、跳ね上げ工程が短期間で終了し、後続の解し工程に移る。この結果、衣類は、より効率的に乾燥される。
(脱水工程)
加速度センサ700が検出する処理槽200の振動は、脱水工程にも好適に利用される。脱水工程において、駆動機構400は、内槽210を回転させる。制御装置150は、内槽210の回転数と、加速度センサ700が検出した処理槽200の振動と、に基づいて、駆動モータ410を制御する。
図30は、制御装置150の機能構成を表す概略的なブロック図である。図1及び図30を用いて、制御装置150が説明される。
制御装置150は、第1入力部161、第2入力部162、演算部163、記憶部164、決定部165及び出力部166を備える。
駆動モータ410は、制御装置150の第1入力部161に、内槽210の回転数に関する情報を含む速度データを出力する。第1入力部161は、その後、決定部165及び演算部163に速度データを出力する。
加速度センサ700は、制御装置150の第2入力部162に、処理槽200の振動に関する情報を含む振動データを出力する。第2入力部162は、その後、演算部163に振動データを出力する。
演算部163は、例えば、振動データからノイズを除去するといった様々なデータ処理を行う。演算部163によるデータ処理は後述される。演算部163は、データ処理後の振動データを決定部165へ出力する。
記憶部164は、後述される決定部165の様々な決定プロセスのために用いられる様々な閾値を記憶する。記憶部164が記憶する閾値や他の情報は後述される。
決定部165は、記憶部164から決定プロセスに必要な閾値を読み出し、第1入力部161及び演算部163からの速度データ及び振動データに基づき、様々な決定を行う。決定部165による決定プロセスは、後述される。決定部165は、決定プロセスを経て得られた結果を出力部166に出力する。
出力部166は、決定部165による決定プロセスの結果に従って、駆動モータ410を制御するための制御信号を生成し、駆動モータ410に出力する。かくして、駆動モータ410及び駆動モータ410によって回転駆動される内槽210は、決定部165による決定プロセスの結果に従って動作する。
図31は、脱水工程における処理槽200に対する振動制御の概念を表すグラフである。図1、図30及び図31を用いて、処理槽200に対する振動制御が説明される。
図31の上側のグラフは、処理槽200の振動振幅の時間変化を表す。図31の下側のグラフは、内槽210の回転数の時間変化を表す。
図31の下側のグラフに示される如く、駆動モータ410は、例えば、740rpmの目標回転数に向けて、内槽210の回転数を比例的に増大させている。記憶部164は、目標回転数に関するデータを記憶していてもよい。決定部165は、操作パネル151への使用者の入力に従って、目標回転数に向けて内槽210の回転数を増加させることを決定する。出力部166は、決定部165の決定に従い、内槽210の回転数を目標回転数に向けて増大させる。
図31の上側のグラフには、処理槽200の振動に対して定められた制御閾値CTが示される。記憶部164は、制御閾値CTに関するデータを予め記憶している。
制御閾値CTは、第1制御閾値CT1と、第1制御閾値CT1よりも低く設定された第2制御閾値CT2と、を含む。第1制御閾値CT1は、内槽210の回転数が、例えば、650rpmから680rpmまでの範囲にあるとき有効とされる。第2制御閾値CT2は、内槽210の回転数が680rpmより大きいときに有効とされる。記憶部164は、第1制御閾値CT1に関するデータと、第1制御閾値CT1が有効となる内槽210の回転数の範囲に関するデータとを関連づけて、予め記憶している。また、記憶部164は、第2制御閾値CT2関するデータと、第2制御閾値CT2が有効となる内槽210の回転数の範囲に関するデータとを関連づけて、予め記憶している。本実施形態において、650rpmの内槽210の回転数は、第1回転数として例示される。また、680rpmの内槽210の回転数は、第2回転数として例示される。代替的に、他の回転数の値が、第1制御閾値及び第2制御閾値の有効範囲を規定する回転数として用いられてもよい。
図30に関連して説明された如く、演算部163は、第1入力部161から速度データを取得し、第2入力部162から振動データを取得する。したがって、演算部163は、速度データと振動データとに基づいて、処理槽200の振幅を算出することができる。演算部163は、算出された振幅に関する振幅データを決定部165へ出力する。本実施形態において、演算部163は、取得部として例示される。
図31の上側のグラフには、決定部165に出力された振幅データの時間変化が表されている。振幅データは、時刻「t」において、第2制御閾値を超える値を示している。図31の下側のグラフに示される如く、時刻「t」において、駆動モータ410によって加速されている内槽210の回転数は、650rpmを超えているので、制御閾値CTの有効範囲内に存する。
決定部165は、振幅データと制御閾値CT(図31に示されるグラフ中では、第2制御閾値CT2)とを比較する。上述の如く、時刻「t」における振幅データの値は、第2制御閾値CT2より大きいので、決定部165は、内槽210の加速を停止することを決定する。出力部166は、決定部165の決定に従う制御信号を駆動モータ410に出力する。かくして、駆動モータ410は、制御装置150の制御下で、制御閾値CTの有効回転数の下限値(本実施形態において、650rpm)を上回り、且つ、目標回転数(本実施形態において、740rpm)を下回る回転数で、内槽210を定常回転(等速回転)させる。
図31の下側のグラフには、上述の内槽210の加速を停止させる制御が行われないときの速度データの時間変化が点線で示されている。上述の制御なしでは、内槽210の回転数は、740rpmの目標回転数に向けて、比例的に増加し続ける。
図31の上側のグラフには、上述の内槽210の加速を停止させる制御が行われないときの振幅データの時間変化及び異常な振動(例えば、筐体110と処理槽200が激しく衝突するような振動)が発生する振幅領域Aが示されている。尚、振幅領域Aは、経験的に定められるが、典型的には、内槽210の回転数が大きくなるにつれて、異常な振動が発生する処理槽200の振幅は小さくなる。
図31の下側のグラフの点線で示されるような継続的な内槽210の加速の結果、内槽210の振幅は、異常な振動が引き起こされる振幅領域Aに突入する。本実施形態において、振幅領域Aを下回るように、制御閾値CTが設定されているので、処理槽200の異常な振動は生じにくくなる。
上述の如く、振幅データの値が制御閾値CTを超えると、目標回転数を下回る回転数で内槽210が回転し、脱水工程が継続される。この結果、処理槽200の振動は抑制される一方で、脱水効率は低減する。このため、決定部165は、振幅データの値が制御閾値CTを超えると、目標回転数に対応して定められた脱水時間を延長することを決定する。
図32は、脱水時間の延長のために用いられるデータテーブルである。図1、図3、図30乃至図32を用いて、脱水時間の延長のための処理が説明される。
使用者は、操作パネル151に所望の入力を行う。操作パネル151への入力に従って、決定部165は、内槽210の目標回転数(図32に示されるデータテーブルでは、780rpm又は740rpm)及び目標回転数に対応して定められた基本脱水時間(図32に示されるデータテーブルでは、「1分未満」、「1分〜2分」、「2分〜5分」、「5分〜10分」、「10分〜14分」、「14分以上」)を決定する。
図31に関連して説明された如く、出力部166からの制御信号に従い、駆動モータ410が内槽210を定常回転させた後、駆動モータ410は、定常回転している内槽210の回転数に関する速度データを第1入力部161へ出力する。その後、定常回転している内槽210の回転数に関する速度データは、決定部165に入力される。したがって、決定部165は、内槽210の実際の回転数に関する速度データを取得することができる。
記憶部164は、目標回転数、基本脱水時間及び実際の内槽210の回転数に関連づけられた延長期間に関する延長データを予め格納する。決定部165は、操作パネル151の入力に従って決定された目標回転数並びに基本脱水時間と、第1入力部161によって入力された内槽210の実際の回転数に関する速度データと、に基づいて、記憶部164から対応する延長データを読み出す。例えば、操作パネル151の入力に従って決定された目標時間及び基本脱水時間が、それぞれ、740rpm及び「5分〜10分」であり、且つ、第1入力部161によって入力された内槽210の実際の回転数に関する速度データが690rpmであるならば、決定部165は、5分間だけ脱水時間を延長することを決定する。
図3に示される如く、操作パネル151は、好ましくは、表示部159を備える。表示部159は、基本脱水時間を表示する。決定部165が、脱水時間を延長するならば、表示部159は、延長された脱水時間を表示する。かくして、使用者は、脱水工程に要する時間を知ることができる。尚、使用者への脱水時間は、音声や使用者に脱水時間の情報を伝達することができる他の手法によって通知されてもよい。
図31の上側のグラフには、処理槽200の振動に対して定められた停止閾値HTが示される。記憶部164は、制御閾値CTより大きな値に設定された停止閾値HTに関するデータを予め記憶している。
停止閾値HTは、第1停止閾値HT1と、第1停止閾値HT1よりも低く設定された第2停止閾値HT2と、を含む。第1停止閾値HT1は、内槽210の回転数が、例えば、650rpm以下の範囲にあるとき有効とされる。第2停止閾値HT2は、内槽210の回転数が650rpmより大きいときに有効とされる。記憶部164は、第1停止閾値HT1に関するデータと、第1停止閾値HT1が有効となる内槽210の回転数の範囲に関するデータとを関連づけて、予め記憶している。また、記憶部164は、第2停止閾値HT2関するデータと、第2停止閾値HT2が有効となる内槽210の回転数の範囲に関するデータとを関連づけて、予め記憶している。
内槽210の回転数が、650rpm以下であるとき、決定部165は、第1停止閾値HT1と処理槽200の振幅データとに基づき、内槽210を停止させるか否かを決定する。処理槽200の振幅データが第1停止閾値HT1を超えるならば、駆動モータ410は、制御装置150の制御下で、内槽210を停止させる。
内槽210の回転数が、650rpmより大きいとき、決定部165は、第2停止閾値HT2と処理槽200の振幅データとに基づき、内槽210を停止させるか否かを決定する。処理槽200の振幅データが第2停止閾値HT2を超えるならば、駆動モータ410は、制御装置150の制御下で、内槽210を停止させる。
図33A乃至図33Cは、内槽210の加速時における上述の制御を概略的に示すフローチャートである。図1、図30乃至図33Cを用いて、内槽210の加速時における制御が説明される。
(ステップS310)
脱水工程が開始すると、ステップS310が実行される。ステップS310において、目標回転数及び基本脱水時間が、操作パネル151への使用者の入力に基づき決定される。その後、ステップS320が実行される。
(ステップS320)
ステップS320において、脱水工程の開始時刻からの経過時間が測定される。その後、ステップS330が実行される。
(ステップS330)
ステップS330において、内槽210の回転が開始する。その後、内槽210は、ステップS310において決定された目標回転数に向けて加速される。その後、ステップS340が実行される。
(ステップS340)
ステップS340において、決定部165は、内槽210の実際の回転数と、第1回転数(例えば、650rpm)と、を比較する。内槽210の回転数が第1回転数より小さいならば、ステップS350が実行される。内槽210の回転数が、第1回転数より大きいならば、ステップS370が実行される。
(ステップS350)
ステップS350において、決定部165は、処理槽200の振幅データと第1停止閾値HT1とを比較する。処理槽200の振幅データが第1停止閾値HT1より大きいならば、ステップS360が実行される。処理槽200の振幅データが第1停止閾値HT1より小さいならば、ステップS330が再度実行され、内槽210は更に加速される。
(ステップS360)
ステップS360において、出力部166は、駆動モータ410を停止させるための制御信号を生成する。制御信号が、駆動モータ410にその後出力されると、駆動モータ410及び内槽210が停止する。
(ステップS370)
ステップS370において、決定部165は、内槽210の回転数が、第1回転数(例えば、650rpm)と第2回転数(例えば、680rpm)との間にあるか否かを判定する。内槽210の回転数が、第1回転数(例えば、650rpm)と第2回転数(例えば、680rpm)との間にあるならば、ステップS380が実行される。内槽210の回転数が、第2回転数以上であるならば、ステップS440が実行される。
(ステップS380)
ステップS380において、決定部165は、処理槽200の振幅データと第2停止閾値HT2とを比較する。処理槽200の振幅データが第2停止閾値HT2より大きいならば、ステップS360が実行される。処理槽200の振幅データが第2停止閾値HT2より小さいならば、ステップS390が実行される。
(ステップS390)
ステップS390において、決定部165は、処理槽200の振幅データと第1制御閾値CT1とを比較する。処理槽200の振幅データが第1制御閾値CT1より大きいならば、ステップS400が実行される。処理槽200の振幅データが第1制御閾値CT1より小さいならば、ステップS330が再度実行され、内槽210は更に加速される。
(ステップS400)
ステップS400において、出力部166は、内槽210の加速を停止させるための制御信号を生成する。制御信号が、駆動モータ410にその後出力されると、駆動モータ410は、内槽210を定常回転させる。その後、ステップS410が実行される。
(ステップS410)
ステップS410において、図32に関連して説明された如く、脱水時間が延長される。その後、ステップS420が実行される。
(ステップS420)
ステップS420において、決定部165は、脱水工程の開始時刻からの経過時間とステップS410において再設定された脱水時間とを比較する。ステップS420は、脱水工程の開始時刻からの経過時間が再設定された脱水時間を超えるまで繰り返される。その後、ステップS430が実行される。
(ステップS430)
ステップS430において、駆動モータ410が停止し、脱水工程が終了する。
(ステップS440)
ステップS440において、決定部165は、内槽210の回転数が、第2回転数(例えば、680rpm)と目標回転数(例えば、740rpm)との間にあるか否かを判定する。内槽210の回転数が、第2回転数(例えば、680rpm)と目標回転数(例えば、740rpm)との間にあるならば、ステップS450が実行される。内槽210の回転数が、第2回転数以上であるならば、ステップS470が実行される。
(ステップS450)
ステップS450において、決定部165は、処理槽200の振幅データと第2停止閾値HT2とを比較する。処理槽200の振幅データが第2停止閾値HT2より大きいならば、ステップS360が実行される。処理槽200の振幅データが第2停止閾値HT2より小さいならば、ステップS460が実行される。
(ステップS460)
ステップS460において、決定部165は、処理槽200の振幅データと第2制御閾値CT2とを比較する。処理槽200の振幅データが第2制御閾値CT2より大きいならば、ステップS400が実行される。処理槽200の振幅データが第2制御閾値CT2より小さいならば、ステップS330が再度実行され、内槽210は更に加速される。
(ステップS470)
ステップS470において、決定部165は、目標回転数で内槽210を定常回転させることを決定する。出力部166は、内槽210を定常回転させるための制御信号を生成並びに出力する。その後、ステップS480が実行される。
(ステップS480)
ステップS480において、決定部165は、処理槽200の振幅データと第2停止閾値HT2とを比較する。処理槽200の振幅データが第2停止閾値HT2より大きいならば、ステップS360が実行される。処理槽200の振幅データが第2停止閾値HT2より小さいならば、ステップS490が実行される。
(ステップS490)
ステップS490において、決定部165は、処理槽200の振幅データと第2制御閾値CT2とを比較する。処理槽200の振幅データが第2制御閾値CT2より大きいならば、ステップS400が実行される。処理槽200の振幅データが第2制御閾値CT2より小さいならば、ステップS500が実行される。
(ステップS500)
ステップS500において、決定部165は、脱水工程の開始時刻からの経過時間とステップS310において決定された基本脱水時間とを比較する。脱水工程の開始時刻からの経過時間が基本脱水時間に達していないならば、ステップS480が再度実行される。脱水工程の開始時刻からの経過時間が基本脱水時間に達しているならば、ステップS430が実行される。
加速度センサ700は、内槽210の回転軸に対して半径方向の第1加速度成分及び内槽210の回転方向の第2加速度成分のうち少なくとも一方を検出する。演算部163は、内槽210の1回転ごとの振動データに基づき、処理槽200の振幅を演算する。この結果、図33に関連して説明された一連の制御処理で用いられた振幅データと制御閾値CT及び停止閾値HTとの比較が適切に行われる。しかしながら、内槽210の回転数が比較的低いとき(例えば、内槽210の回転数が100rpm以下であるとき)、内槽210の回転数は、不安定であることが多い。したがって、内槽210の低速回転時における振動検出の改良が必要とされる。
加速度センサ700は、上述の如く、第1加速度成分及び第2加速度成分だけでなく、これらに直交する第3加速度成分(即ち、鉛直方向の加速度成分)も検出することができる。本発明者は、内槽210が比較的低い速度で回転しているとき、第3加速度成分のデータが第1加速度成分及び第2加速度成分のデータより安定していることを見出した。また、本発明者は、第1加速度成分乃至第3加速度成分のデータ間に相関関係を見出した。
図34は、100rpmの回転数に到達するまでの内槽210の回転数の時間変化及び処理槽200の加速度の時間変化を概略的に示すグラフである。図1、図30及び図34を用いて、加速度センサ700が出力する加速度データを直接的に利用した内槽210の回転に対する制御が説明される。
本実施形態において、記憶部164は、上述の第1制御閾値CT1の有効範囲の下限値(即ち、第1回転数)より低く設定された内槽210の回転数の範囲と関連づけて、加速度センサ700から出力される加速度データに対して定められた加速度閾値を記憶してもよい。図34は、0rpm乃至100rpmの内槽210の回転数の範囲において有効な加速度閾値を示している。加速度閾値は、例えば、240mmGに設定されてもよい。本実施形態において、100rpmの内槽210の回転数は、第3回転数として例示される。尚、内槽210の他の回転数が、第3回転数として用いられてもよい。
したがって、第1停止閾値HT1は、演算部163が算出する振幅データに対して定められる振幅閾値と、加速度センサ700が出力する加速度データに対して定められる加速度閾値と、を含んでもよい。第1入力部161が出力した速度データが100rpm未満の値を示すとき、演算部163は、加速度センサ700からの加速度データを直接的に決定部165に出力してもよい。このとき、決定部165は、記憶部164から加速度閾値を読み出し、加速度データと加速度閾値とを比較する。加速度データの値が加速度閾値を上回っているならば、決定部165は、内槽210を停止させる決定を行う。加速度データの値が加速度閾値を下回っているならば、決定部165は、内槽210の加速を継続することを決定する。第1入力部161が出力した速度データが100rpmを超えているならば、演算部163は、上述の如く、速度データ及び加速度データを用いて、内槽210の1回転当たりの振幅を演算し、演算結果を決定部165に出力する。このとき、決定部165は、記憶部164から振幅閾値を読み出し、振幅データと振幅閾値とを比較する。振幅データの値が振幅閾値を上回っているならば、決定部165は、内槽210を停止させる決定を行う。振幅データの値が振幅閾値を下回っているならば、決定部165は、内槽210の加速を継続することを決定する。
(ノイズ除去処理)
上述の如く、演算部163は、決定部165による決定プロセスに用いられる比較データ(即ち、加速度データ及び振幅データ)を出力する。加速度センサ700が出力する加速度データは、多くの場合、ノイズを含む。決定部165による適切な決定を達成するために、演算部163は、好ましくは、ノイズの除去処理を行う。演算部163は、ノイズの除去処理が施与された加速度データを決定部165に出力する。或いは、演算部163は、ノイズの除去処理が施与された加速度データを用いて、振幅データを演算並びに出力する。
図35は、ノイズ除去処理に対するシミュレーションのために作成された加速度データを表すグラフである。図30及び図35を用いて、演算部163によるノイズ除去処理が説明される。
図35のグラフの曲線で表されるデータは、加速度センサ700によって連続して取得された複数のデータ点を含む。
図36は、図35に示されるデータにノイズが混入されたことを表すグラフである。図30、図35及び図36を用いて、演算部163によるノイズ除去処理が更に説明される。
図36のグラフに表されるようなノイズが混入されると、内槽210の回転動作に対する決定部165の決定は、潜在的に不適切なものとなる。例えば、内槽210は、不必要に停止される。或いは、大きな異音が生じているにも拘わらず、内槽210は、回転を続けることとなる。本実施形態において、演算部163は、図36に示されるグラフのデータ点のうち1つのデータ点(以下、対象データ点と称される)がノイズであるか否かを略リアルタイムで判定する。
図37は、演算部163がノイズ除去処理のために行う絶対値化処理後のデータを表すグラフである。図30、図35乃至図36を用いて、演算部163による絶対値化処理が更に説明される。
加速度センサ700が出力する加速度データの正負は、多くの場合、処理槽200の振幅の方向に応じて切り替わる。演算部163は、演算処理の容易化のため、まず、第2入力部162からの加速度データを絶対値化する。
図38乃至図40は、図37に関連して説明された絶対値化処理の後に行われるスクリーニング処理を表すグラフである。図30、図36乃至図40を用いて、スクリーニング処理が説明される。
スクリーニング処理のためにノイズ閾値NTが設定される。本実施形態において、ノイズ閾値NTは、高閾値NT1、高閾値より低く設定された中閾値NT2及び中閾値NT2より低く設定された低閾値NT3を含む。高閾値NT1は、ノイズである可能性が極めて高いデータ点をスクリーニング除去するために用いられる。中閾値NT2は、高閾値NT1が対象とするデータ点と比べて、ノイズである可能性が低いデータ点をスクリーニング除去するために用いられる。低閾値NT3は、中閾値NT2が対象とするデータ点よりもノイズである可能性が低いが、ノイズである可能性が尚残るデータ点をスクリーニング除去するために用いられる。
図38には、高閾値NT1として、例えば、「800」の値が示されている。図39には、中閾値NT2として、例えば、「600」の値が示されている。図40には、低閾値NT3として、例えば、「400」の値が示されている。
演算部163は、まず、高閾値NT1を用いたスクリーニング処理を行う。図38の上側のグラフは、高閾値NT1を用いたスクリーニング処理前のデータ点の分布を示す。図38の下側のグラフは、高閾値NT1を用いたスクリーニング処理後のデータ点の分布を示す。
図38には、データ点D11乃至D17が示されている。データ点D11乃至D17のうち、データ点D12、D14、D15の値は、高閾値NT1より大きい。データ点D12、D14、D15が演算部163によって処理される対象データ点となるとき、演算部163は、これらのデータ点D12、D14、D15の値をそれぞれ「0」に設定する。尚、演算部163は、他のデータ点D11、D13、D16及びD17の値を維持する。
図41は、高閾値NT1を用いたスクリーニング処理の後に行われる中閾値NT2を用いたスクリーニング処理の概略的なフローチャートである。図30、図39及び図41を用いて、中閾値NT2を用いたスクリーニング処理が説明される。
演算部163は、高閾値NT1を用いたスクリーニング処理の後、中閾値NT2を用いたスクリーニング処理を行う。図39の上側のグラフは、中閾値NT2を用いたスクリーニング処理前のデータ点の分布を示す。図39の下側のグラフは、中閾値NT2を用いたスクリーニング処理後のデータ点の分布を示す。
図39には、データ点D21乃至D27が示されている。データ点D21乃至D27のうち、データ点D21、D22、D24乃至D26の値は、中閾値NT2より大きい。尚、データ点D23は、上述の高閾値NT1を用いたスクリーニング処理によって、「0」の値に設定されている。
(ステップS610)
中閾値NT2を用いたスクリーニング処理が開始されると、ステップS610が実行される。ステップS610において、演算部163は、第2入力部162からの加速度データから対象データ点の値を読み取る。その後、ステップS620が実行される。
(ステップS620)
ステップS620において、演算部163は、対象データ点の値と中閾値NT2との比較を行う。対象データ点の値が中閾値NT2よりも大きいならば、ステップS630が実行される。対象データ点の値が中閾値NT2よりも小さいならば、ステップS670が実行される。
(ステップS630)
ステップS630において、演算部163は、カウント値を1つ増大させる。尚、本実施形態において、カウント値に対するデフォルト値は「0」に設定されている。ステップS630の後、ステップS640が実行される。
(ステップS640)
ステップS640において、演算部163は、カウント値が1以上であるか否かを判定する。カウント値が1以上であるならば、ステップS650が実行される。カウント値が1未満であるならば、ステップS660が実行される。
(ステップS650)
ステップS650において、対象データ点の値は、「0」に設定される。その後、低閾値NT3を用いたスクリーニング処理が実行される。
(ステップS660)
ステップS660において、対象データ点の値は、維持される。その後、低閾値NT3を用いたスクリーニング処理が実行される。
(ステップS670)
ステップS670において、対象データ点の値は、維持される。その後、ステップS680が実行される。
(ステップS680)
ステップS680において、カウント値はリセットされる。この結果、カウント値は「0」となる。その後、低閾値NT3を用いたスクリーニング処理が実行される。
データ点D21が対象データ点となるときのカウント値が「0」であるならば、図41に示される処理にしたがって、ステップS660の処理がなされる。したがって、図39の上側のグラフと下側のグラフとの間で、データ点D21の値変動は生じない。
データ点D21が処理されるとき、ステップS630において、カウント値は「1」に設定されている。したがって、後続のデータ点D22が対象データ点となるとき、カウント値は、「1」である。かくして、データ点D22の値は、ステップS650の処理に従い、「0」に設定される。
データ点D23が処理されるとき、図41に示される処理にしたがって、ステップS670の処理がなされる。したがって、図39の上側のグラフと下側のグラフとの間で、データ点D21の値変動は生じない。
データ点D23が処理されるとき、ステップS680において、カウント値はリセットされている。したがって、後続のデータ点D24が対象データ点となるとき、カウント値は、「0」である。データ点D24が処理されるとき、図41に示される処理にしたがって、ステップS660の処理がなされる。したがって、図39の上側のグラフと下側のグラフとの間で、データ点D24の値変動は生じない。
データ点D24が処理されるとき、ステップS630において、カウント値は「1」に設定されている。したがって、後続のデータ点D25が対象データ点となるとき、カウント値は、「1」である。かくして、データ点D25の値は、ステップS650の処理に従い、「0」に設定される。
データ点D25が処理されるとき、ステップS630において、カウント値は「2」に設定されている。したがって、後続のデータ点D26が対象データ点となるとき、カウント値は、「2」である。かくして、データ点D26の値は、ステップS650の処理に従い、「0」に設定される。
図42は、中閾値NT2を用いたスクリーニング処理の後に行われる低閾値NT3を用いたスクリーニング処理の概略的なフローチャートである。図30、図40及び図42を用いて、低閾値NT3を用いたスクリーニング処理が説明される。
演算部163は、中閾値NT2を用いたスクリーニング処理の後、低閾値NT3を用いたスクリーニング処理を行う。図40の上側のグラフは、低閾値NT3を用いたスクリーニング処理前のデータ点の分布を示す。図40の下側のグラフは、低閾値NT3を用いたスクリーニング処理後のデータ点の分布を示す。
図40には、データ点D31乃至D37が示されている。データ点D31乃至D37のうち、データ点D31、D33乃至D36の値は、低閾値NT3より大きい。尚、データ点D32は、上述の高閾値NT1又は中閾値NT2を用いたスクリーニング処理によって、「0」の値に設定されている。
(ステップS710)
低閾値NT3を用いたスクリーニング処理が開始されると、ステップS710が実行される。ステップS710において、演算部163は、第2入力部162からの加速度データから対象データ点の値を読み取る。その後、ステップS720が実行される。
(ステップS720)
ステップS720において、演算部163は、対象データ点の値と低閾値NT3との比較を行う。対象データ点の値が低閾値NT3よりも大きいならば、ステップS730が実行される。対象データ点の値が低閾値NT3よりも小さいならば、ステップS770が実行される。
(ステップS730)
ステップS730において、演算部163は、カウント値を1つ増大させる。尚、本実施形態において、カウント値に対するデフォルト値は「0」に設定されている。ステップS730の後、ステップS740が実行される。
(ステップS740)
ステップS740において、演算部163は、カウント値が2以上であるか否かを判定する。カウント値が2以上であるならば、ステップS750が実行される。カウント値が2未満であるならば、ステップS760が実行される。
(ステップS750)
ステップS750において、対象データ点の値は、「0」に設定される。
(ステップS760)
ステップS760において、対象データ点の値は、維持される。
(ステップS770)
ステップS770において、対象データ点の値は、維持される。その後、ステップS780が実行される。
(ステップS780)
ステップS780において、カウント値はリセットされる。この結果、カウント値は「0」となる。
データ点D31が対象データ点となるときのカウント値が「0」であるならば、図42に示される処理にしたがって、ステップS760の処理がなされる。したがって、図40の上側のグラフと下側のグラフとの間で、データ点D31の値変動は生じない。
データ点D31の後続のデータ点D32の値は、低閾値NT3より低い。図42に示される処理にしたがって、ステップS760の処理がなされるので、図40の上側のグラフと下側のグラフとの間で、データ点D32の値変動は生じない。
データ点D32が対象データ点となるとき、ステップS780において、カウント値は「0」に設定されている。後続のデータ点D33が対象データ点となるとき、図42に示される処理にしたがって、ステップS760の処理がなされる。したがって、図40の上側のグラフと下側のグラフとの間で、データ点D33の値変動は生じない。
データ点D33が処理されるとき、ステップS730において、カウント値は「1」に設定されている。後続のデータ点D25が処理されるとき、図42に示される処理にしたがって、ステップS760の処理がなされる。したがって、図40の上側のグラフと下側のグラフとの間で、データ点D34の値変動は生じない。
データ点D34が処理されるとき、ステップS730において、カウント値は「2」に設定されている。したがって、後続のデータ点D35が対象データ点となるとき、カウント値は、「2」である。かくして、データ点D35の値は、ステップS750の処理に従い、「0」に設定される。
データ点D35が処理されるとき、ステップS730において、カウント値は「3」に設定されている。したがって、後続のデータ点D36が対象データ点となるとき、カウント値は、「3」である。かくして、データ点D36の値は、ステップS750の処理に従い、「0」に設定される。
図43は、上述のスクリーニング処理後の加速度データを表すグラフである。図37及び図43を対比し、スクリーニング処理が更に説明される。
図43に示される如く、上述のスクリーニング処理を通じて、ノイズデータは、大幅に削減されている。しかしながら、上述のスクリーニング処理を通じても、決定部165が適切に決定プロセスを実行するには、大きすぎるノイズデータが残存している。したがって、後述される第1平均化処理を通じて、加速度データが平滑化されることが好ましい。
図44は、第1平均化処理後の加速度データを表すグラフである。図30、図40、図43及び図44を用いて、第1平均化処理が説明される。
演算部163は、対象データ点の直前に取得されたデータ点(直前データ点)の値と対象データ点との差異を演算する。例えば、演算部163がデータ点D32を対象データ点として処理しているならば、直前データ点は、データ点D31となる。演算部163は、直前データ点と対象データ点との差異に対して定められた差分閾値と、直前データ点と対象データ点との差異を演算する。本実施形態において、差分閾値として、「170」の値が用いられる。尚、差分閾値は、他の値であってもよい。
図40の下側のグラフを参照すると、データ点D31は、「400」を超える値であるのに対し、後続のデータ点D32は、「0」の値である。したがって、これらのデータ点D31,D32間の差異は、「170」の値に設定された差分閾値を超える。
以下の数式は、第1平均化処理に用いられる演算式である。
例えば、データ点D32が対象データ点であるならば、直前のデータ点D31の値を4倍した値と対象データ点(データ点D32)の値との加算値を「5」で除算した値が、第1平均化処理後のデータ点D32の値として設定される。
図43及び図44の対比から明らかであるが、第1平均化処理を通じて、ノイズの影響が大幅に緩和される。
図45は、第1平均化処理の後に行われる第2平均化処理を説明するグラフである。図30及び図45を用いて、第2平均化処理が説明される。
図45には、データ点D51乃至D57が示されている。データ点D51乃至D54に対しては、第2平均化処理がなされている。演算部163は、データ点D55に対して、第2平均化処理を行っている。尚、データ点D56及びD57に対しては、第2平均化処理はなされていない。図45の上側のグラフは、第2平均化処理前のデータ点D55を示している。図45の下側のグラフは、第2平均化処理後のデータ点D55を示している。
演算部163は、対象データ点(データ点D55)に対して先行する4つの先行データ点(データ点D51乃至D54)の値と対象データ点とを、対象データ点の処理に用いる処理群として取り扱う。演算部163は、設定された処理群の中から、最も大きなデータ点を除去し、平均化処理のための対象群を生成する(生成処理)。
図45において、演算部163は、データ点D55を処理するために、データ点D51乃至D55からなる処理群を設定する。処理群の中で、データ点D53が最も大きい値を有するので、演算部163は、データ点D53を処理群の中から除去する。この結果、データ点D51,D52、D54及びD55からなる対象群が生成される。データ点D51の値は、例えば、「450」である。データ点D52の値は、例えば、「300」である。データ点D54の値は、例えば、「550」である。データ点D55の値は、例えば、「100」である。対象群に対する平均化処理の結果、第2平均化処理後のデータ点D55の値は、「350」に設定される。
図46は、上述の第2平均化処理の後に得られる加速度データのグラフである。図30、図35、図44及び図46を用いて、第2平均化処理が更に説明される。
図44及び図46を比較すると、第2平均化処理によってノイズの影響が更に緩和されることが分かる。図35と図46とを比較すると、図46に示されるグラフは、図35のノイズ混入前の加速度データに対して絶対値化処理をしたときに近似した曲線を表す。かくして、決定部165は、適切に決定プロセスを実行することができる。