JP5635229B2 - 液晶表示装置用反射フィルム - Google Patents
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Description
[白色フィルム]
本発明における白色フィルムは、熱可塑性樹脂からなり、白色の着色剤またはボイド形成物質をフィルム中に含有させることによって白色を呈するようにしたフィルムである。着色剤またはボイド形成物質としては、例えば、無機粒子、有機粒子を用いることができる。
白色フィルムの熱可塑性樹脂としてポリエステルを用いる場合、ポリエステルとしては、ジカルボン酸成分とジオール成分とからなるポリエステルを用いる。このジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸、4,4’―ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸を挙げることができる。ジオール成分としては、例えばエチレングリコール、1,4―ブタンジオール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、1,6―ヘキサンジオールを挙げることができる。
本発明の液晶表示装置用反射フィルムは、白色フィルムおよび該白色フィルムの表面を被覆する透明粒子からなる。
本発明の液晶表示装置用反射フィルムにおいては、透明粒子が白色フィルム表面を被覆している。この被覆は、後に定義する被覆率で50〜100%、好ましくは60〜100%、さらに好ましくは70〜100%、特に好ましくは80〜100%の被覆率で白色フィルム表面を被覆していることをいう。被覆率が50%未満であると光の指向性が損なわれ輝度上昇が期待できない。
被覆率
=(6mm−(透明粒子に被覆されていない部分の積算長さ))/6mm×100(%)
露出率=(SとBとの間の距離)/(SとTとの間の距離)×100(%)
なお、切断面内における透明粒子の断面の中心は、粒子が球状の場合はその断面の円の中心とし、粒子が非球状の場合は、その断面の重心とする。
塗膜は、上述のバインダーの他に、さらにイソシアネート系、メラミン系、エポキシ系の架橋剤を配合して架橋されていてもよい。
本発明の液晶表示装置用反射フィルムの反射率は好ましくは96%以上である。反射率が96%以上であることによって高い輝度を得ることができる。
以下、本発明の反射フィルムを製造する方法の一例を説明する。この例では白色フィルムとして積層フィルムを用いる。なお、この白色フィルムとしては、例えば、テイジンテトロンUX02−225(帝人デュポンフィルム製)の名称で市販されているフィルムを用いることができる。
濾過したポリエステルの組成物は、溶融した状態でフィードブロックを用いた同時多層押出法により、ダイから多層に状態で押出し、積層未延伸シートを製造する。
分光光度計(島津製作所製UV−3101PC)に積分球を取り付け、BaSO4白板を100%とした時の反射率を波長550nmで測定し、この値を反射率とした。
液晶表示装置に反射板として用いたときの表示装置の輝度を評価した。ソニー(株)製32インチテレビ(ブラビアKDL−32V2500)のバックライトの反射フィルムを取り外し、かわり評価対象のフィルムを設置し、輝度計(大塚電子製Model MC−940)を用いて、バックライトの中心を真正面より測定距離500mmで輝度を測定した。相対輝度は、透明粒子の塗布層を設けていない比較例1の反射フィルムの輝度を基準として算出した、輝度の相対値である。
相対輝度=(反射フィルムの輝度)/(比較例1の反射フィルムの輝度)×100(%)
なお、相対輝度が101.0%以上あれば、バックライトとして優れた輝度上昇効果を得たといえる。
粒度分布計(堀場製作所製LA−950)にて、粒子の粒度分布を求め、d50での粒子径を平均粒子径とした。
日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡を用い、倍率1000倍にて、粒子を100個任意に測定し(球状以外の場合は(長径+短径)/2にて求める)、平均粒子径を求めた。
日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡を用い、倍率500倍にて、露出した粒子30個任意に観察し、長径、短径の値から下記式で求め平均値を算出した。
アスペクト比=長径/短径
(6−1)サンプルの作成
ミクロトームを用いて、フィルムから切片サンプル1と切片サンプル2を切り出した。切片サンプル1は、フィルム面内に無作為に選んだ一方向とフィルムの厚み方向が切断面となるように切り出した切片サンプルであり、切片サンプル2は、切片サンプル1で選んだ無作為な一方向と直交する方向と厚み方向が切断面となるように切り出した切片サンプルである。
切片サンプル1のバインダーの塗膜面の長さ3mmの領域と、切片サンプル2のバインダーの塗膜面の長さ3mmの領域との合計長さ6mmの測定領域について、日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡を用い、倍率3000倍にて観察した。
露出率は、切片サンプルの切断面内における透明粒子の断面の中心を通りフィルムの塗膜面に垂直に向かう直線を引いたときに、この直線がフィルム切片の切断面内において透明粒子の表面と交わる2つの点のうち、露出した側の表面にある点をS、露出していない側の表面にある点をTとし、さきの直線がバインダーの塗膜面と交わる点をBとしたとき、(SとBとの間の距離)/(SとTとの間の距離)で表される。
すなわち、露出率(%)は、下記式で定義される。
露出率=(SとBとの間の距離)/(SとTとの間の距離)×100(%)
なお、切断面内における透明粒子の断面の中心は、粒子が球状の場合はその断面の円の中心とし、粒子が非球状の場合は、その断面の重心とする。
(7−1)サンプルの作成
上記(6)で得たサンプルについて評価を行った。
切片サンプル1のバインダーの塗膜面の長さ3mmの領域と、切片サンプル2のバインダーの塗膜面の長さ3mmの領域との合計長さ6mmの測定領域について、日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡を用い、倍率3000倍にて観察した。
被覆率は、切片サンプルの切断面内における測定領域において、透明粒子に被覆されていないフィルム表面の部分の長さを積算して、下記式で求めた(図1参照)。
被覆率
=(6mm−(透明粒子に被覆されていない部分の積算長さ))/6mm×100(%)
フィルムサンプルの断面をデジタルマイクロスコープ(HIROX Co.Ltd.,
HI−SCOPE Advanced KH−3000)にて倍率5倍にて観察撮影し、写真からバインダーの厚みを判定し、任意に10点測定してそれらの平均値を求めた。
ボイド形成剤として硫酸バリウム粒子を含有するポリエステル組成物からなる反射層とポリエステルからなる支持層の2層から構成されたフィルム総厚み225μmの白色フィルム(帝人デュポンフィルム製 テイジンテトロンUX02−225)の反射層(反射率98.5%)のうえに、ダイコーティング装置にて、下記の調液レシピに示す組成からなる塗液を、wet厚み25g/m2の塗布量で塗布した後、オーブン内にて乾燥して反射フィルムを得た。
調液レシピ1)
・透明粒子: 積水化成品工業 MBX−30SS (35重量%)
・アクリルバインダー: 日本触媒 ユーダブルS2740 (23重量%)
・架橋剤: 日本ポリウレタン工業社 コロネートHL (2重量%)
・有機溶剤: 酢酸ブチル (40重量%)
塗液を下記の調液レシピに示す組成からなる塗液に変更し、wet厚み12g/m2の塗布量で塗布する他は実施例1と同様にして反射フィルムを得た。
調液レシピ2)
・透明粒子: 積水化成品工業 MBX−15SS (35重量%)
・アクリルバインダー: 日本触媒 ユーダブルS2740 (23重量%)
・架橋剤: 日本ポリウレタン工業社 コロネートHL (2重量%)
・有機溶剤: 酢酸ブチル (40重量%)
得られたフィルムとしての物性は表の通りであった。
塗液を下記の調液レシピに示す組成からなる塗液に変更し、wet厚み40g/m2の塗布量で塗布する他は実施例1と同様にして反射フィルムを得た。
調液レシピ3)
・透明粒子: 積水化成品工業 MBX−50SS (32重量%)
・アクリルバインダー: DIC アクリディックA807BA(25重量%)
・架橋剤: 日本ポリウレタン工業社 コロネートHL (3重量%)
・有機溶剤: 酢酸ブチル (40重量%)
得られたフィルムとしての物性は表の通りであった。
塗液を下記の調液レシピに示す組成からなる塗液に変更し、wet厚み10g/m2の塗布量で塗布する他は実施例1と同様にして反射フィルムを得た。
調液レシピ4)
・透明粒子: 積水化成品工業 MBX−12SS (38重量%)
・アクリルバインダー: 日本触媒 ユーダブルS2740 (25重量%)
・架橋剤: 日本ポリウレタン工業社 コロネートHL (3重量%)
・有機溶剤: 酢酸エチル (34重量%)
得られたフィルムとしての物性は表の通りであった。
塗液を下記の調液レシピに示す組成からなる塗液に変更し、wet厚み7g/m2の塗布量で塗布する他は実施例1と同様にして反射フィルムを得た。
調液レシピ5)
・透明粒子: 積水化成品工業 MBX−10SS (19重量%)
・アクリルバインダー: 日本触媒 ユーダブルS2740 (37重量%)
・架橋剤: 日本ポリウレタン工業社 コロネートHL (4重量%)
・有機溶剤: 酢酸エチル (40重量%)
塗液を下記の調液レシピに示す組成からなる塗液に変更し、wet厚み8g/m2の塗布量で塗布する他は実施例1と同様にして反射フィルムを得た。
調液レシピ6)
・透明粒子: 綜研化学 MX−1000 (40重量%)
・アクリルバインダー: 日本触媒 ユーダブルS2740 (25重量%)
・架橋剤: 日本ポリウレタン工業社 コロネートHL (2重量%)
・有機溶剤: メチルエチルケトン (33重量%)
白色フィルム上に塗液をコートせずにフィルムを評価した。
塗液を下記の調液レシピに示す組成からなる塗液に変更し、wet厚み40g/m2の塗布量で塗布する他は実施例1と同様にして反射フィルムを得た。
調液レシピ7)
・アクリルバインダー: 日本触媒 ユーダブルS2740 (57重量%)
・架橋剤: 日本ポリウレタン工業社 コロネートHL (3重量%)
・有機溶剤: 酢酸ブチル (40重量%)
塗液を下記の調液レシピに示す組成からなる塗液に変更し、wet厚み2g/m2の塗布量で塗布する他は実施例1と同様にして反射フィルムを得た。
調液レシピ8)
・粒子: 綜研化学 MX−150 (30重量%)
・アクリルバインダー: 日本触媒 ユーダブルS2740 (27重量%)
・架橋剤: 日本ポリウレタン工業社 コロネートHL (3重量%)
・有機溶剤: 酢酸ブチル (40重量%)
塗液を下記の調液レシピに示す組成からなる塗液に変更し、wet厚み80g/m2の塗布量で塗布する他は実施例1と同様にして反射フィルムを得た。
調液レシピ8)
・粒子: Potters−Ballotini Co.Ltd.
品名 J−120 (30重量%)
・アクリルバインダー: 日本触媒 ユーダブルS2740 (27重量%)
・架橋剤: 日本ポリウレタン工業社 コロネートHL (3重量%)
・有機溶剤: 酢酸ブチル (40重量%)
塗液を下記の調液レシピに示す組成からなる塗液に変更し、wet厚み40g/m2の塗布量で塗布する他は実施例1と同様にして反射フィルムを得た。
調液レシピ9)
・粒子: 積水化成品工業 MBX−50 (3重量%)
・アクリルバインダー: DIC アクリディックA807BA(50重量%)
・架橋剤: 日本ポリウレタン工業社 コロネートHL (3重量%)
・有機溶剤: 酢酸ブチル (44重量%)
塗液を下記の調液レシピに示す組成からなる塗液に変更し、wet厚み8g/m2の塗布量で塗布する他は実施例1と同様にして反射フィルムを得た。
調液レシピ10)
・粒子: 積水化成品工業 MBX−8 (1重量%)
・アクリルバインダー: DIC アクリディックA807BA(56重量%)
・架橋剤: 日本ポリウレタン工業社 コロネートHL (3重量%)
・有機溶剤: 酢酸ブチル (40重量%)
Claims (2)
- 白色フィルムおよび該白色フィルムの表面を被覆する透明粒子からなる液晶表示装置用反射フィルムであって、該液晶表示装置用反射フィルムの直上に光源を有し、該透明粒子がバインダーの塗膜によって白色フィルムの表面に支持されており、該透明粒子の平均粒子径が10μm以上であり、該反射フィルムの表面において5〜100%の露出率の透明粒子が50〜100%の被覆率で白色フィルム表面を被覆していることを特徴とする、バックライト方式液晶表示装置用反射フィルム。
- 透明粒子とバインダーとの重量比率が、透明粒子100重量部に対してバインダー10〜70重量部である、請求項1記載のバックライト方式液晶表示装置用反射フィルム。
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