JP5622286B2 - 組換えヒトg−csfの改善されたプロセシング - Google Patents

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Description

本発明は、組換えヒトG−CSFの改善されたプロセシングに関する。
G−CSFは、2個の鎖間ジスルフィド結合によって安定化されており、1個のO結合型糖質部分を含む、20kDaの糖タンパク質である。完全G−CSFは174アミノ酸を有する。G−CSFは、骨髄細胞、マクロファージ、及び線維芽細胞によって合成される。その主な機能は、好中性顆粒球及びその前駆細胞の成長分化因子となることである。また、G−CSFが成熟好中球を活性化することも当該技術分野で公知である。更に、G−CSFは、(他の造血系成長因子と一緒に)その他の種々の造血系前駆細胞の成長/分化を刺激し、内皮細胞の増殖及び移動を促進する。臨床的には、G−CSFは、好中性顆粒球レベルの欠乏(例えばがん/化学療法、エイズ、又は骨髄移植により生じる好中球減少症)の処置に用いられる。
発明の概要
ヒト同一G−CSFを用いて好中球減少症患者を処置するために、ヒト野生型G−CSFをコードするプラスミドをヒトの細胞にトランスフェクトした。選択したクローンの細胞培養上清からG−CSFを精製した後、かなりの量の分泌G−CSFでN末端が3アミノ酸切断されていることが観察された。この切断は、クローン特異的ではなく、細胞培養条件を変えても取り除くことはできなかった。
この観察に基づき、細胞、特にHEK293F細胞中でのG−CSF前駆体タンパク質のプロセシングが正確でないと結論づけた。具体的には、シグナルペプチダーゼ複合体が、シグナルペプチドを生理学的に除去するために予測される位置だけでなく、N末端切断を生じる更にもう1ヶ所で切断していると結論づけた。
野生型シグナルペプチドを有するヒト野生型G−CSFをプログラムTargetPを用いて解析した図である。 SP9シグナルペプチドを有するヒト野生型G−CSFをプログラムTargetPを用いて解析した図である。 SP10シグナルペプチドを有するヒト野生型G−CSFをプログラムTargetPを用いて解析した図である。 それぞれ野生型シグナルペプチド、SP9シグナルペプチド、又はSP10シグナルペプチドを有する前駆体タンパク質をコードするコンストラクトを用いた、HEK293F細胞中での完全G−CSFタンパク質の発現を示す図である(野生型の発現レベルを100%とする)。 SP9シグナルペプチドを有するヒト野生型G−CSFのアミノ末端のアミノ酸シークエンシング(エドマン分解)のクロマトグラムを示す図である。図a〜eは残基1〜5に対応する。アミノ酸配列解析の概要を下の表に示す。 SP10シグナルペプチドを有するヒト野生型G−CSFのアミノ末端のアミノ酸シークエンシング(エドマン分解)のクロマトグラムを示す図である。図a〜eは残基1〜5に対応する。アミノ酸配列解析の概要を下の表に示す。 グラノサイト(GRANOCYTE)のアミノ末端のアミノ酸シークエンシング(エドマン分解)のクロマトグラムを示す図である。図a〜eは残基1〜5に対応する。アミノ酸配列解析の概要を下の表に示す。 野生型シグナルペプチドを有するヒト野生型G−CSFのアミノ末端のアミノ酸シークエンシング(エドマン分解)のクロマトグラムを示す図である。図a〜eは残基1〜5に対応する。アミノ酸配列解析の概要を下の表に示す。 G−CSF SP9安定トランスフェクションのクローン単離により得られた2つの典型的クローンに対する、全長G−CSFの割合を比較した図である。残った非全長画分にはN末端が3アミノ酸切断されたG−CSFが主に含まれる。全長G−CSFの割合99%のラインが、N末端切断が1%以下であることに関連し、これが解析の検出下限である。 異なる培養pHで撹拌タンク型反応器中にて培養したクローン1を例に全長G−CSFの割合を比較した図である。クローン1はG−CSF SP9ベクター安定トランスフェクションのクローン単離により得られた。残った非全長画分にはN末端が3アミノ酸切断されたG−CSFが主に含まれる。振盪フラスコ中でのクローン1の参照用培養(pH調整なし)の全長G−CSFの割合を最初の灰色のバーに示す。全長G−CSFの割合99%のラインが、N末端切断が1%以下であることに関連し、これが解析の検出下限である。 異なる培養pHで撹拌タンク型反応器中にて培養したクローン2を例に全長G−CSFの割合を比較した図である。クローン2はG−CSF SP9ベクター安定トランスフェクションのクローン単離により得られた。残った非全長画分にはN末端が3アミノ酸切断されたG−CSFが主に含まれる。振盪フラスコ中でのクローン2の参照用培養(pH調整なし)の全長G−CSFの割合を最初の灰色バーに示す。全長G−CSFの割合99%のラインが、N末端切断が1%以下であることに関連し、これが解析の検出下限である。 培養培地中の種々のインスリン濃度についてクローン2を例に全長G−CSFの割合を比較した図である。クローン2はG−CSF SP9ベクター安定トランスフェクションのクローン単離により得られた。残った非全長画分にはN末端が3アミノ酸切断されたG−CSFが主に含まれる。全長G−CSFの割合99%のラインが、N末端切断が1%以下であることに関連し、これが解析の検出下限である。 クローン2を例に、培養培地に15mg/Lのインスリンを添加し、pHを調整せずに大規模高細胞密度モードにて培養して異なる日に回収し、全長G−CSFの割合を比較した図である。クローン2はG−CSF SP9ベクター安定トランスフェクションのクローン単離により得られた。残った非全長画分にはN末端が3アミノ酸切断されたG−CSFが主に含まれる。全長G−CSFの割合99%のラインが、N末端切断が1%以下であることに関連し、これが解析の検出下限である。
発明の詳細な説明
驚くべきことに、改変したシグナルペプチド及び対応するG−CSF前駆体を用いることでN末端切断が減少することが見出された。
したがって、一実施形態では、本発明は、シグナルペプチドとG−CSFペプチドとを含むG−CSF前駆体であって、上記シグナルペプチドが、以下の変異の少なくとも1つを有するヒトG−CSF/b分子(配列番号4)のヒト野生型シグナルペプチドの配列を有する、G−CSF前駆体を提供する:
Glu29の欠失、
Glu26の挿入、
Lys11Leuの置換、
His21Pheの置換、及び
Gln28Leuの置換。
好ましい実施形態では、上記G−CSF前駆体は、上記変異の少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、又は5つ全てを有する。
本発明の別の実施形態では、上記G−CSF前駆体は、挿入、欠失、及び置換から選択される更なる変異を3つ以下有する。
本発明の別の実施形態は、本発明のG−CSF前駆体をコードするポリヌクレオチド及び上記ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドである。
本発明の別の実施形態は、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、及び本発明のポリヌクレオチド又は本発明のベクターのいずれかを含むトランスフェクト細胞である。
好ましい実施形態では、細胞は、真核細胞、好ましくはヒト細胞、より好ましくはHEK293細胞、より好ましくはHEK293F又はHEK293F由来細胞である。
一実施形態ではトランスフェクションは一過性であり、別の実施形態ではトランスフェクションは安定である。
本発明の別の実施形態は、
適切な培養培地中で本発明のトランスフェクト細胞を培養する工程;
上記培養培地からG−CSFを単離する工程
を含む、G−CSFを発現する方法である。
好ましい実施形態では、培養は、pHが6.8〜7.5、好ましくは7.1〜7.3、より好ましくは約7.2、で行われる。培養中、pHを調整することが好ましい。
別の実施形態では、培養は、5〜25mg/ml、好ましくは15〜25mg/ml、より好ましくは15〜20mg/ml、のインスリン存在下で行われる。
驚くべきことに、本発明の改変シグナルペプチドを用いると、産生されるG−CSFは切断の割合が非常に低く、好ましくは分子の5%未満、より好ましくは全G−CSFの1%未満である。1%が検出限界であると考えられる。
好ましくは、培養培地は無血清培地である。
大部分のG−CSFのグリコシル化パターンは変化しておらず、活性は野生型G−CSFと同じである。
したがって、本発明の方法により、医薬品用途に非常に適したG−CSFが製造される。
実施例1
正確なタンパク質プロセシングのためのG−CSF前駆体ペプチドの最適化
野生型ヒトG−CSFアイソフォームbのcDNAがGenBankデータベースに公開されていた(NM_172219)。NM_172219に由来する任意の配列を有するG−CSF前駆体タンパク質の基本的に全てが、本発明のシグナルペプチド配列の改変に有用である。例示的な一実施形態では、前駆体タンパク質は、本明細書中に配列番号1(GenBank NP_757373)で示される配列を有する:
MAGPATQSPMKLMALQLLLWHSALWTVQEATPLGPASSLPQSFLLKCLEQVRKIQGDGAALQEKLCATYKLCHPEELVLLGHSLGIPWAPLSSCPSQALQLAGCLSQLHSGLFLYQGLLQALEGISPELGPTLDTLQLDVADFATTIWQQMEELGMAPALQPTQGAMPAFASAFQRRAGGVLVASHLQSFLEVSYRVLRHLAQP
プロセシングを受けていない野生型G−CSF前駆体タンパク質(配列番号1)は、30アミノ酸からなるシグナルペプチドを含む204アミノ酸を含む。プロセシングは、Ala30及びThr31の残基間で起こることが報告されている(GenBank NP_757373)。
最近の文献に、真核生物シグナルペプチドのコンセンサス配列及びシグナルペプチダーゼ複合体の機能が記載されている(Rapoport, 2007, Nature 450 (29), 663 - 669;Tuteja, 2005, Arch Biochem Biophys 441, 107-111;Dalbey et al., 1997, Protein Science 6, 1129-1138)。
G−CSFシグナルペプチドのアミノ酸配列を、上記コンセンサスシグナルペプチドの推定される特徴と比較した。複数のアミノ酸残基が推定されるモデルに適合しないことが見出された。具体的には、シグナルペプチドC末端の推定Ala−X−Alaモチーフは、正確な切断に必須であると考えられているが、G−CSF前駆体ペプチドでは荷電アミノ酸(Glu29)によって隔てられていた。更に、荷電残基Lys11及びHis21が、シグナルペプチドの疎水性領域に位置しているため、モデルの条件に合わない。
野生型G−CSFシグナルペプチドを、ソフトウェアSignalP及びTargetP(www.cbs.dtu.dk/services;Emanuelsson et al., 2007, Nature Protocols 2, 953-971)を用いてインシリコ(in silico)解析した。このソフトウェアにより、プロセシングはG−CSFの正しいN末端(Thr31)に予測されるが、更に他の複数の部位にも予測されることが示された(図1)。しかし、切断(truncation)部位(Gly34)におけるプロセシングはこのソフトウェアでは予測されなかった。
実施例2
野生型G−CSFシグナルペプチドを、上記の仮説的シグナルペプチダーゼモデルに関してアミノ酸配列の変化を最小にしてインシリコでモデル化した。得られた切断位置を、ソフトウェアSignalP及びTargetPを用いて再度解析した。インシリコ設計したモデル中のごく小数、例えばSP9 G−CSF及びSP10 G−CSFと命名したものが、G−CSFプロセシングが正しい位置(Thr31)でのみ予測され、これを最適化されたシグナルペプチドのヒントとした(SP9 G−CSF及びSP10 G−CSFの切断部位のインシリコ解析についてはそれぞれ図2及び図3を参照されたい)。複数のそのようなコンストラクトを選んで遺伝子合成した(ドイツ、レーゲンスブルクのジーンアート社(GeneArt))。SP9 G−CSFペプチド及びSP10 G−CSFペプチドをそれぞれコードする合成遺伝子を、真核生物用発現ベクターにクローニングし、HEK293F細胞のトランスフェクションに用いた。
実施例3
SP9 G−CSF前駆体タンパク質
SP9 G−CSF前駆体タンパク質は、野生型ヒトG−CSF前駆体タンパク質(配列番号1)のシグナルペプチド配列から得る。具体的には、野生型シグナルペプチドの29位のグルタミン酸(Glu29)を除去し、26位に挿入した(Glu26)。例示的な実施形態では、SP9 G−CSF前駆体タンパク質は本明細書中に配列番号2で示す配列を有する:
MAGPATQSPMKLMALQLLLWHSALWETVQATPLGPASSLPQSFLLKCLEQVRKIQGDGAALQEKLCATYKLCHPEELVLLGHSLGIPWAPLSSCPSQALQLAGCLSQLHSGLFLYQGLLQALEGISPELGPTLDTLQLDVADFATTIWQQMEELGMAPALQPTQGAMPAFASAFQRRAGGVLVASHLQSFLEVSYRVLRHLAQP
実施例4
SP10 G−CSF前駆体タンパク質
SP10 G−CSF前駆体タンパク質は、野生型ヒトG−CSF(配列番号1)のシグナルペプチド配列から得る。具体的には、11位のリジンをロイシンに置換し(Lys11Leu)、ヒスチジン21をフェニルアラニンに置換し(His21Phe)、グルタミン28をロイシンに置換した(Gln28Leu)。例示的な実施形態では、SP10 G−CSFペプチドは本明細書中に配列番号3で示す配列を有する:
MAGPATQSPMLLMALQLLLWFSALWTVLEATPLGPASSLPQSFLLKCLEQVRKIQGDGAALQEKLCATYKLCHPEELVLLGHSLGIPWAPLSSCPSQALQLAGCLSQLHSGLFLYQGLLQALEGISPELGPTLDTLQLDVADFATTIWQQMEELGMAPALQPTQGAMPAFASAFQRRAGGVLVASHLQSFLEVSYRVLRHLAQP
シグナルペプチド中には変化があるものの、完全G−CSFペプチドは野生型のままであることに留意することが重要である(配列番号1、配列番号2、配列番号3の残基31〜204)。
実施例5
SP9 G−CSF及びSP10 G−CSCFをコードする発現ベクターを用いた一過性トランスフェクション
SP9 G−CSF又はSP10 G−CSFをそれぞれコードする発現ベクターでHEK293F細胞を一過性にトランスフェクトした。3日後に上清を回収した。G−CSFの分泌をELISAで測定した。データから、野生型シグナルペプチドを有するG−CSFに匹敵するか、それよりも高い発現レベルが示された(図4)。
G−CSFを高純度に精製した。2種類の産物、SP9 G−CSF及びSP10 G−CSFのそれぞれの精製は、プロトコールを改変せずに野生型G−CSFと同様に行った。
実施例6
野生型G−CSF、市販品であるグラノサイト(中外製薬のカナダ特許第1341389号、CHO細胞中で産生されたG−CSF)、SP9 G−CSF、及びSP10 G−CSFのアミノ末端配列をエドマン分解により決定した(ドイツ、マーティンスリート(Martinsried)のトップラボ社(TopLab))。驚くべきことに、2種類の発現産物SP9 G−CSF及びSP10 G−CSFのデータは、切断のない正しいN末端のみを示していた(図5及び図6)。同じことがグラノサイトでも観察された(図7)。一方、野生型シグナルペプチドを有するG−CSFでは切断が見られ(図8)、また、他の複数の設計コンストラクトでも、インシリコでSignalP又はTargetPにより1ヶ所のみの切断部位が予測されていたにも関わらず、切断が見られた(不図示)。
実施例7
細胞増殖アッセイにおいてSP9 G−CSF及びSP10 G−CSFの活性を測定し、グラノサイトと比較した。SP9 G−CSF及びSP10 G−CSFの細胞増殖活性はグラノサイトよりも優れていた。
実施例8
GluC消化後にMALDI TOFペプチドマスフィンガープリント解析を行い、SP9 G−CSF及びSP10 G−CSFのグリコシル化を決定した。反射スペクトル(reflector spectrum)は、HEK293F細胞によって産生されたSP9 G−CSF又はSP10 G−CSFと野生型G−CSFとの間に何ら差を示さなかった。
実施例9
SP9 G−CSFをコードする発現ベクターを用いた安定トランスフェクションにより得られたクローンの評価
HEK293F細胞を、SP9 G−CSFをコードする発現ベクターで安定にトランスフェクトした。トランスフェクション安定後に均質なクローンを単離した。選択したクローンの上清を異なる発酵規模で解析した。そのために、回収した上清からG−CSFを高純度に精製し、そのアミノ末端配列、グリコシル化パターン、及び活性について評価した。
一過性トランスフェクションのプールから得られたSP9 G−CSFの上清の解析ではN末端の3アミノ酸切断は観察されなかったが、いくつかのクローンでは3アミノ酸の切断を完全に抑制できないことが観察された。この影響はクローン依存的であり、更に、培養規模及び培養条件に依存していた。
このクローン依存性(図9)は、SP9 G−CSFベクターを得るためのG−CSFシグナルペプチド配列の改変がシグナルペプチドの正確な切断を強く支持していることを示唆している。しかし、100%正確な切断は依然としてクローン特異的代謝の影響を受ける。
クローン特異的代謝に影響を与えるための主なアプローチは、培養条件の最適化である。
G−CSFのシグナルペプチド配列の正確な切断に対する培養pHの影響を、2つの典型的なクローンで評価した。両方のクローンを、実験室規模の撹拌タンク型反応器中でそれぞれpH6.6、6.8、7.0、及び7.2で培養した。G−CSF含有上清を高純度に精製し、そのアミノ末端配列について評価した(図10及び図11)。両方の典型的クローンについて、G−CSFクローンの細胞培養のpHを7.2に調整することで、全長G−CSFの割合が99%を超える、シグナルペプチド配列の正確なプロセシングを達成できることが観察された。99%を超える値は、シークエンス方法の検出下限である1%に相当する。
実施例10
pHを調整せずに培養培地中のインスリン濃度を変えた振盪フラスコ培養を1つのクローンを例に行った。インスリン濃度は5mg/L〜20mg/Lで変化させた。G−CSF含有上清を高純度に精製し、そのアミノ末端配列について評価した(図12)。評価したクローンの例において、pH調整のない培養条件の場合、培養培地中のインスリン濃度を15〜20mg/Lに最適化することでシグナルペプチド配列の正確なプロセシングが得られることが観察された。
培地供給に灌流モードを用いた大規模高細胞密度培養を1つのクローンを例について行った。培養のpHは調整せず、培養中、6.8〜7.2で変化する。培養培地のインスリン濃度は最適濃度である15mg/Lに調整した。4つの選択された培養時点、培養6日目、7日目、17日目、及び21日目に由来するG−CSF含有上清を高純度に精製し、そのアミノ末端配列について評価した(図13)。細胞密度及びG−CSFの生産性に依存せず、解析した全ての上清で、全長G−CSFが99%を超えるシグナルペプチド配列の正確なプロセシングが達成された。したがって、最適化されたインスリン濃度15mg/Lの添加は、大規模高細胞密度培養においてN末端の切断を回避するのに有効である。

Claims (14)

  1. シグナルペプチドとヒトG−CSFペプチドとを含むG−CSF前駆体であって、前記シグナルペプチドが、以下の変異の少なくとも1つを有するヒトG−CSF/b分子のヒト野生型シグナルペプチドの配列(配列番号4)を有する、G−CSF前駆体:
    Glu29の欠失、
    Glu26の挿入、
    Lys11のLeuによる置換、
    His21のPheによる置換、及び
    Gln28のLeuによる置換。
  2. 請求項1に記載の変異の少なくとも3つを有する、請求項1に記載のG−CSF前駆体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のG−CSF前駆体をコードするポリヌクレオチド。
  4. 請求項に記載のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド。
  5. 請求項又は請求項に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
  6. 請求項若しくは請求項に記載のポリヌクレオチド、又は請求項に記載のベクターを含むトランスフェクト細胞。
  7. 前記細胞が真核細胞である、請求項に記載のトランスフェクト細胞。
  8. 前記細胞がHEK293F細胞である、請求項又は請求項に記載のトランスフェクト細胞。
  9. トランスフェクションが一過性である、請求項〜請求項のいずれか一項に記載のトランスフェクト細胞。
  10. トランスフェクションが安定である、請求項〜請求項のいずれか一項に記載のトランスフェクト細胞。
  11. 請求項〜請求項10のいずれか一項に記載のトランスフェクト細胞を適切な培養培地中で培養する工程;
    前記培養培地からG−CSFを単離する工程
    を含む、G−CSFを発現させる方法。
  12. 培養が、pH6.8〜7.5で行われる、請求項11に記載の方法。
  13. 培養が、5〜25mg/mlのインスリン存在下で行われる、請求項11又は請求項12に記載の方法。
  14. 前記培養培地が無血清である、請求項11〜請求項13のいずれか一項に記載の方法。
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