JP3036782B2 - ヒト肝実質細胞増殖因子の生産方法および該因子を産生する形質転換体 - Google Patents

ヒト肝実質細胞増殖因子の生産方法および該因子を産生する形質転換体

Info

Publication number
JP3036782B2
JP3036782B2 JP2088592A JP8859290A JP3036782B2 JP 3036782 B2 JP3036782 B2 JP 3036782B2 JP 2088592 A JP2088592 A JP 2088592A JP 8859290 A JP8859290 A JP 8859290A JP 3036782 B2 JP3036782 B2 JP 3036782B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
growth factor
human hepatocyte
hhgf
hepatocyte growth
cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2088592A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03285693A (ja
Inventor
直実 喜多村
大地 仲
理恵 松井
美子 芳山
健久 石井
和展 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=13947107&utm_source=***_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3036782(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2088592A priority Critical patent/JP3036782B2/ja
Priority to CA002022752A priority patent/CA2022752C/en
Priority to AT90115397T priority patent/ATE152124T1/de
Priority to EP90115397A priority patent/EP0412557B1/en
Priority to HU904957A priority patent/HUT58798A/hu
Priority to DE69030539T priority patent/DE69030539T2/de
Priority to DE199090115397T priority patent/DE412557T1/de
Priority to KR1019900012415A priority patent/KR960006122B1/ko
Publication of JPH03285693A publication Critical patent/JPH03285693A/ja
Priority to US08/089,417 priority patent/US5500354A/en
Publication of JP3036782B2 publication Critical patent/JP3036782B2/ja
Application granted granted Critical
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は少なくとも蛋白質発現に必要なプロモーター
配列、シグナルペプチド様配列、ヒト肝実質細胞増殖因
子をコードするDNA配列及びターミネーター配列を有す
る発現ベクターにより形質転換された形質転換体、さら
にその形質転換体を培養することによりかかるヒト肝実
質細胞増殖因子を産生する方法に関する。
(従来の技術) 肝臓は、生体中唯一再生可能な臓器である。この肝再
生現象は肝移植実験や体液交流実験などから何らかの液
性因子によることが示唆されてきた。近年、本発明者ら
は肝実質細胞を生体内より取り出し生体外においてその
増殖を促進させるヒト由来の蛋白性因子すなわち、ヒト
肝実質細胞増殖因子(以下「hHGF」と略す。)を劇症肝
炎患者血漿より見いだし(バイオメディカルリサーチ
(Biomed.Res.)6巻231頁(1985)及びエクスペリメン
タルセルリサーチ(Exp.Cell.Res.)166巻138頁(198
6))、世界で初めて単一の蛋白質として精製すること
に成功した(特開昭63−22526号公報及びジャーナルオ
ブクリニカルインベスティゲーション(J.Clin.Inves
t.)81巻414頁(1988))。さらにhHGF蛋白質をコード
する遺伝子を単離するに至った(特許出願済(特願平1
−209449号)及びバイオケミカルバイオフィジカルリサ
ーチコミニュケーション(Biochem.Biophys.Res.Comu
n.)163巻967頁(1989))。
このhHGF蛋白質はシグナル様ペプチド配列から数え、
494個のアミノ酸からなるH鎖ペプチドと234個のアミノ
酸からなるL鎖ペプチドより構成される蛋白質で少なく
とも4箇所に糖鎖結合部位を持つことを特徴とする。こ
れら2つのペプチド鎖はジスルフィド結合(S−S結
合)により結合しており、肝実質細胞の増殖を生体外に
於いて促進する活性が認められている(バイオケミカル
バイオフィジカルリサーチコミニュケーション(Bioche
m.Biophys.Res.Comun.)163巻967頁(1989))。各ペプ
チド鎖の遺伝子はH鎖及びL鎖ペプチドの順に連なった
形でコードされている。そのため一本のRNA上に転写さ
れ、同時に一つの蛋白質として翻訳される。その後N末
端側に存在するシグナル様配列の切断除去が起こりさら
にそれ以降の一本の蛋白鎖が二本に切断される。これに
よって生じた二本のペプチド鎖はS−S結合を介して機
能的な蛋白質を形成すると考えられる。
(発明が解決しようとする問題点) このhHGF蛋白質の生化学的ならびに生理的機能を明ら
かにすることは肝再生機構の解明のみならず、生体外に
おける安定な肝実質細胞の供給ならびに肝疾患に対する
治療薬の開発に重要な役割を担ってくる。しかしながら
hHGF蛋白質の生体における詳細な機能、あるいは肝障害
時における肝再生に対するhHGF蛋白質の効果等を調べる
ためには多量のhHGF蛋白質を必要とする。
ところが現在に至るまでhHGF蛋白質を取得する方法と
しては、劇症肝炎患者血漿を材料として、その中に微量
に存在するhHGF蛋白質の精製を行わざるをえなかった。
この方法は人的、時間的、価格的に必ずしも容易な方法
ではなく、またウイルスなどを始めとした感染源の存在
する患者血漿中から微量なhHGF蛋白質のみを安定にとり
だすことは困難を極める。これらの理由から劇症肝炎患
者血漿を材料としたhHGF蛋白質の安定かつ大量の精製は
行われていなかった。
(問題点を解決するための手段) そこで本発明者らは、hHGF蛋白質を組換えDNA技術に
より安定かつ大量に取得するため種々の検討をした結
果、この目的を有用なhHGF蛋白質をコードする遺伝子を
含む発現ベクターを新たに構築しhHGF蛋白質の発現を可
能にした。
即ち、本発明の要旨は、第2図で表わされるhHGF遺伝
子を有する発現ベクターで宿主細胞を形質転換し、得ら
れる形質転換体を培養してhHGFを生産することを特徴と
するhHGFの生産方法および該因子を産生する形質転換体
に存する。
以下に、本発明を説明する。
hHGF蛋白質の工業生産のためには、その蛋白質発現が
安定した宿主−ベクター系を選択すること、さらに発現
したhHGF蛋白質が生物学的活性すなわち肝実質細胞の増
殖活性を有している必要がある。特に天然のhHGF蛋白質
が糖蛋白質であること、またhHGF蛋白質が多くのシステ
イン残基を含み、そのシステイン残基間のチオール結合
の位置および蛋白質の高次構造が活性維持に重要である
ことを考慮する必要がある。
このような場合、宿主としては酵母や大腸菌例えば、
Saccharomyces cerevisiae株やEscherichiacoli YA−21
株等の微生物も使用することが出来るが、動物細胞例え
ばCHO細胞、COS細胞、マウスL細胞、マウスC127細胞、
マウスFM3A細胞等を用いて上記遺伝子を発現させること
が望ましい。またこれらの細胞を宿主とする場合は、第
1図に示すDNA配列中に含まれるシグナル様配列すなわ
ち1から87番目、1から93番目を含む未成熟のhHGF遺伝
子を細胞内に導入することにより、成熟型hHGF蛋白質が
細胞外に分泌生産されることが期待されるという利点が
挙げられる。
本発明において用いられる発現ベクターは、そのプロ
モーター下流にhHGF蛋白質の一部または全部のアミノ酸
配列をコードするDNA断片を有する。
プロモーターとしては、種々のプロモーターが報告さ
れているが、本発明においては、SV40プロモーターまた
はメタロチオネイン遺伝子のプロモーターが好ましい。
このプロモーターの下流に前述のシグナル様配列を含む
未成熟のhHGF遺伝子のDNA断片を転写方向に従って挿入
する。この場合、hHGF遺伝子のDNA断片を2−3個結合
したものを挿入してもよいし、また、hHGF遺伝子のDNA
断片の5′上流側にプロモーターを結合したDNA断片を
単位とし、転写方向を揃えて2−3個結合したものを挿
入してもよい。
上記hHGF遺伝子には、その下流にポリアデニル化部位
が存在することが必要である。例えば、SV40DNA、β−
グロビン遺伝子またはメタロチオネイン遺伝子由来のポ
リアデニル化部位がhHGF遺伝子の下流に1つ存在するこ
とが必要である。また、hHGF遺伝子にプロモーターを結
合したDNA断片を2−3個タンデムに挿入する方法を用
いた場合には、各hHGF遺伝子の3′側にそれぞれポリア
デニル化部位を存在させることが可能である。
上記の発現ベクターを用いて動物細胞例えばCHO細胞
を形質転換する際には、選択マーカーを用いることが望
ましい。選択マーカー遺伝子を該発現ベクターのポリア
デニル化部位下流に順方向あるいは逆方向に挿入してお
くと、形質転換体を得る際に、選択マーカー遺伝子を含
む別のプラスミドを二重形質転換する必要がない。この
ような選択マーカーとしては、メトトレキセート耐性を
与えるDHFR遺伝子(ジャーナルオブモレキュラバイオロ
ジー(J.Mol.Biol.)159巻601頁(1982))、抗生物質
G−418耐性を与えるNeo遺伝子(ジャーナルオブモレキ
ュラアプライドジェネティクス(J.Mol.Appl.Genet.)
1巻327頁(1982))、ミコフェノール酸耐性を与える
大腸菌由来のEcogpt遺伝子(プロシーディングアンドナ
ショナルアカデミーオブサイエンス(Proc.Netl.Acad.S
ci.U.S.A.)78巻2072頁(1981))、抗生物質ハイグロ
マイシン耐性を与えるhph遺伝子(モレキュラセルバイ
オロジー(Mol.Cell.Biol.)5巻410頁(1985))等が
挙げられる。これらの各耐性遺伝子の5′上流側にはプ
ロモーター、例えば前述のSV40由来のプロモーターが挿
入されており、また、各耐性遺伝子の3′下流側には、
前述のポリアデニル化部位が含まれる。
発現ベクターに上記のような選択マーカー遺伝子が挿
入されていない場合には、形質転換体の選択のマーカー
を有するベクター例えばpSV2neo(ジャーナルオブモレ
キュラアプライドジェネティクス(J.Mol.Appl.Gene
t.)1巻327頁(1982))、pMBG(ネイチャー(Natur
e)294巻228頁(1981))、pSV2gpt(プロシーディング
アンドナショナルアカデミーオブサイエンス(Prec.Nat
l.Acad.Sci.U.S.A.)78巻2072頁(1981))、pAd−D26
−1(ジャーナルオブモレキュラバイオロジー(J.Mol.
Biol.)159巻601頁(1982))(J.Mol.Biol.159,601(1
982))などをhHGF遺伝子の発現ベクターと共に二重形
質転換し、選択マーカー遺伝子の表現形質により形質転
換体を容易に選択できる。
以上のような方法で、選択されるhHGF蛋白質遺伝子を
含有する細胞について選択マーカーを変更して二重形質
転換を繰り返すことは、約20倍程度発現量を上昇させ得
るので好ましい。
発現ベクターの動物細胞への導入はリン酸カルシウム
法(ビルオォジー(Virology)52巻456頁(1973))、
エレクトロポレーション法(ジャーナルオブメンブレン
バイオロジー(J.Membr.Biol.)10巻279頁(1972))等
が挙げられるが、リン酸カルシウム法が一般的である。
形質転換された動物細胞の培養は、常法により浮遊培
養または付着培養で行うことができる。培地としては、
MEM、RPMI1640などを用い、5−10%血清存在下もしく
は適当量のインシュリン、デキサメサゾン、トランスフ
ェリンの存在下、もしくは無血清下にて培養する。
hHGF蛋白質を産生している動物細胞はその培養上清中
に産生されたhHGF蛋白質を分泌することから、この組換
え体の培養上清を用いhHGF蛋白質の分離精製を行うこと
が可能である。具体的には生産されたhHGF蛋白質を含む
培養上清を各種クロマトグラフィー、例えば、S−セフ
ァロース、ヘパリンセファロース、ハイドロキシアパタ
イトもしくは硫酸化セルロファイン等を組み合わせたク
ロマトグラフィーにて精製することにより、hHGF蛋白質
を単離精製することができる。
(実施例) 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する
が、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定され
るものではない。
実施例1 [I] hHGF蛋白質発現プラスミドの調製 第3図にhHGF蛋白質発現プラスミドの調製方法応を示
す。hHGFcDNA(バイオケミカル・アンド・バイオフィジ
カル・リサーチ・コミュニケーション(B.B.R.C第163巻
(2)967頁−973頁(1989))を含むBam HI−Kpm I断
片すなわちhHGF蛋白翻訳開始点ATGより27塩基上流のBam
HI切断点から終止コドンTAGより8塩基上流のKpn I切
断点までの領域をカバーする約2.3kbのBam HI−Kpn I断
片を含むプラスミドpUCHGF1DNAを常法(「モレキュラー
・クローニング」、コールド・スプリング・ハーバー・
ラボラトリー、93頁(1982))により調製した。
次に該プラスミドDNA10μgを常法に従い制限酵素Kpn
Iで切断し、得られたDNA断片を常法に従いフェノール
・クロロホルム抽出を行い、エタノール沈澱により該DN
A断片を精製し10μの水に溶解した。
さらにこのDNA断片のKpn I切断点に第3図に示す両末
端が制限酵素Kpn I切断点をもちかつ内部に終止コドンT
GA及び制限酵素Bam HI切断点を含む32塩基の合成リンカ
ーをManiatisらの方法(「モレキュラー・クローニン
グ」、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリ
ー、396頁−397頁(1982))に従い導入した。
これを用いて常法に従い大腸菌を形質転換し、得られ
た形質転換体よりプラスミドDNAを常法(「モレキュラ
ー・クローニング」、コールド・スプリング・ハーバー
・ラボラトリー、93頁(1982))により調製した。
次に該プラスミドDNA10μgを常法に従い制限酵素Bam
HIで切断し、この制限酵素反応液を1.0%アガロースゲ
ルによって電気泳動をすることにより目的の開始コドン
ATGと終止コドンTGAを含むhHGFDNA断片をベクター等の
目的以外のDNA断片と分離した。Maniatisらの方法
「(モレキュラー・クローニング」、コールド・スプリ
ング・ハーバー・ラボラトリー、164頁(1982))に従
いアガロースゲル断片から目的とするhHGF遺伝子をコー
ドする約2.3kbのBam HI−Bam HIDNA断片を調製した。得
られたDNA断片の末端を常法に従いT4DNAポリメラーゼに
て平滑末端にした後フェノール・クロロホルム抽出を行
い、エタノール沈澱により該DNA断片を精製し10μの
水に溶解した。
一方、発現ベクターpKCR(プロシーディング・アンド
・ナチュラル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc.N
at.Acad.Sci.)78巻1527頁(1981))0.05μgは予め常
法に従い平滑末端を生じる制限酵素Sam Iで切断し、フ
ェノール・クロロホルム抽出を行いエタノール沈澱によ
り精製した。これを400μの50mMトリス−塩酸(pH
8)、1mM塩化マグネシウム溶液に溶解したのちバクテリ
アルアルカリホスファターゼ(東洋紡、BAP−101)1ユ
ニットを添加し、65℃下30分の反応を施し脱燐酸化処理
を行った。次にこの反応液からフェノール・クロロホル
ム抽出とエタノール沈澱により該DNA断片を精製した10
μの水に溶解した。
上記の様に調製したpKCRベクターのDNA断片0.01μg
と前述の平滑末端化されたhHGFcDNAのBam HI断片0.1μ
gを含む反応液(66mMトリス−塩酸pH7.6、6.6mM塩化マ
グネシウム10mMジチオスレイトール、66μMATP)20μ
中にて14℃で12時間T4DNAリガーゼ(東洋紡LGA−101)
による結合反応を行った。このT4DNAリガーゼ反応液10
μを用いて大腸菌HB101株(宝酒造)を説明書に従い
形質転換し、アンピシリンを50μg/mlの濃度で含む培地
上で培養することにより数十個のアンピシリン耐性株を
得た。
これらの組換え体をManiatisらの方法(「モレキュラ
・クローニング」、コールド・スプリング・ハーバー・
ラボラトリー、86頁〜96頁(1982))に従い解析するこ
とにより、発現ベクターpKCRのプロモーターとポリアデ
ニレーション部位の中間に存在する制限酵素Sma I切断
部位にhHGF遺伝子が順方向に二連結したプラスミド、pK
CRHGF−2プラスミドを得ることが出来た。
その構造を第4図に示す。
[II] hHGF蛋白質を継代的に発現する細胞株の取得 実施例1−[I]により作製された発現ベクターpKCR
(プロシーデング・アンド・ナチュラル・アカデミー・
オブ・サイエンス(Proc.Nat.Acad.Sci.)78巻(2)15
27頁(1981))の制限酵素Bam HI切断部位にhHGFcDANが
二個挿入されたプラスミドpKCRHGF−2をManiatisらの
方法(「モレキュラー・クローニング」、コールド・ス
プリング・ハーバー・ラボラトリー、86頁〜96頁(198
2))に従い組換え体の大腸菌から回収、精製しHGF発現
プラスミドDNAを大量に得た。
一方形質転換細胞選択用のマーカーをコードするプラ
スミドpSV2neo(ジャーナル・オブ・アプライド・ジェ
ネティクス(Journal of Applied Genetics)1巻327頁
(1982))を有する組換え体の大腸菌およびpAd−D26−
1(ジャーナル・オブ・モレキュラ・バイオロジー(Jo
urnal of molecular biology)第159巻601頁(1982))
を有する組換え体の大腸菌から前述のManiatisらの方法
に従い該プラスミドDNAを回収、精製した。
得られた三種のプラスミドDNAを用いてAusubelらの方
法(カレント・プロトコール・イン・モレキュラー・バ
イオロジー(Current Protocols in Molecular Biolog
y)、グリーン・パブリッシング・アソシエイツ・アン
ド・ウイリーインターサイエンス(Greene Publishing
Associates and Wiley−Interscience)9・1・1章〜
9・1・1章(1987))を基にCHO細胞に二重形質転換
してCHO細胞を形質転換した。
即ち、まず直径9cmのシャーレの中でFCS(牛胎児血
清)が10%入ったERDF培地(極東製薬社製)中でCHO細
胞をセミコンフルエントな状態になるまで培養した。次
にシャーレから培地を除きそこにDNA溶液を滴加する
が、該DNA溶液は予め次に示す手順に従って調製した。
まず直径9cmのシャーレ一枚につき300μの2×HEBS
溶液(2×HEBS溶液;1.6%塩化ナトリウム、0.074%塩
化カリウム、0.05%燐酸水素二ナトリウム12水塩、0.2
%デキストロース、1%HEPES(pH7.05))と10μgの
プラスミドDNAおよび1μgのpSV2neoプラスミドDNA、
1μgのpAd−D26−1プラスミドDNAを加え、滅菌され
た水で570μに合わせた溶液をエッペンドルフ遠心管
中に準備する。次に該DAN溶液に30μの2.5Mの塩化カ
ルシウム溶液を滴加しながらボルテックスミキサーを用
い数秒間激しく混和する。これを室温で30分間放置する
が、その間およそ10分おきにボルテックスミキサーで混
和する。
この様にしてできたDNA溶液を前述の細胞にかけて室
温で30分間静置した。その後FCSが10%入ったERDF培置9
mlをシャーレに入れて、5%CO2存在下、37℃で4〜5
時間培養した。次にシャーレから培置を除き5mlの1×T
BS++溶液(1×TBS++溶液;25mMトリス−塩酸(pH7.
5)、140mM塩化ナトリウム、5mM塩化カリウム、0.6mM燐
酸水素二ナトリウム、0.08mM塩化カルシウム、0.08mM塩
化マグネシウム)で細胞を洗浄し、1×TBS++溶液を
除去した後、グリセロールを20%含む1×TBS++溶液5
mlを、細胞にかけて、室温で1〜2分間静置し、上清を
除去した。その後5mlの1×TBS++溶液で細胞を再び洗
浄し、FCSが10%入ったERDF培地10mlをシャーレに入れ
て5%CO2存在下、37℃で培養した。培養後、48時間が
経過した時点で培地を除き、5mlの1×TBS++溶液で細
胞を洗浄した後、細胞にトリプシン−EDTA溶液(シグマ
社)2mlをかけ、室温で30秒静置した。その後、トリプ
シン−EDTA溶液を除き、それから5分後にFCSが10%入
ったERDF培地10mlをシャーレに入れて細胞を剥がし、9c
mシャーレ一枚分の細胞を9cmシャーレ10枚に分けて薬剤
G418(G418硫酸塩(GENETICIN);GIBCO社)を200μg/ml
の濃度になるように加えて培養を続けた。その後10日が
経過した時点で生き残ったG418に耐性の細胞を単離し、
一つの培養用の穴およそ3.1cm2の24穴の培養皿を用い、
それぞれFCSが10%入ったERDF培地1ml中でおよそ7日間
培養し直した。
以上の細胞の培地をFCSを含まないERDF培地に代えて
培養を続け72時間が経過した細胞の培地を個別に2ml集
め、それをセントリコン濃縮器(ミリポア社)で50μ
に遠心濃縮してそのうち約15μをサンプルとして、SD
S−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った。
これを常法に従いウエスタブロット法で解析しhHGF蛋
白質の発現を確認した。
また、Gohdaらの方法(エクスペリメンタル・セル・
リサーチ(Experimental Cell Rescerch)166巻139頁〜
150頁(1986))によりhHGF活性を測定し生物学的活性
の存在を確認した。
さらに得られた細胞株は個別に単離された酵素イムノ
アッセイ法を行いhHGF蛋白質の定量を行った。
その結果、発現量の確認された細胞株B−1,B−27,B
−102を得た。
実施例2 [I] hHGF遺伝子を有する発現ベクターを用いて繰り
返し形質転換して得られる、hHGF蛋白質を継代的に発現
する細胞株の取得 実施例1−[I]により取得した、hHGF遺伝子発現ベ
クターpKCRHGF−2及びミコフェノール酸耐性の形質転
換細胞選択用のマーカーをコードするプラスミドpMBG
(Nature 294,228(1981))を有する組換え体の大腸菌
から、前述のManiatisらの方法に従い該プラスミドDNA
を回収、精製した。
得られた二種のプラスミドDNAを用いてAusubelらの方
法(カレント・プロトコール・イン・モレキュラー・バ
イオロジー(Current Protocols in Molecular Biolog
y)、グリーン・パブリッシング・アソシエイツ・アン
ド・ウイリーインターサイエンス(Greene Publishing
Assoiates and Wiley−Interscience)9・1・1章〜
9・1・4章(1987))を基に、実施例1−[II]によ
って得られたhHGF蛋白質を継代的に発現する細胞株のう
ち、hHGFの発現量の多いもの3株(B−1、B−27、B
−102)を単離し、それらを個別に二重形質転換して該
細胞を形質転換した。
すなわち、まず直径9cmシャーレの中でFCSが10%入っ
たERDF培地中で、前述のhHGF蛋白質を継代的に発現する
細胞株を個別にセミコンフルエントな状態になるまで培
養した。次にシャーレから培地を除きそこにDNA溶液を
滴加するが、該DNA溶液は、10μgのpKCRHGF−2プラス
ミドDNA及び1μgのpMBGプラスミドDNAを用いる以外
は、実施例1−[II]と同様の手順で調製した。
この様にしてできたDNA溶液を前述の細胞にかけて室
温で30分間静置した。その後FCSが10%入ったERDF培地9
mlをシャーレに入れて、5%CO2存在下、37℃で4〜5
時間培養した。次にシャーレから培地を除き5mlの1×T
BS++溶液(前述)で細胞を洗浄し、1×TBS++溶液
を除去した後、グリセロールを20%含む1×TBS++溶
液5mlを細胞にかけて、室温で1〜2分間静置し、上清
を除去した。その後5mlの1×TBS++溶液で細胞を再び
洗浄し、FCSが10%入ったERDF培地10mlをシャーレに入
れて5%CO2存在下、37℃で培養し、48時間が経過した
時点で培地を除き、5mlの1×TBS++溶液で細胞を洗浄
した後、細胞にトリプシン−EDTA溶液(シグマ社)2ml
をかけ、室温で30秒静置した。その後、トリプシン−ED
TA溶液を除き、それから5分後にFCSが10%入ったα−M
EM(−)培地10mlをシャーレに入れて細胞を剥がし、9c
mシャーレ一枚の細胞を9cmシャーレ10枚に分けて薬剤ミ
コフェノール酸(シグマ社製)を1μg/ml及びキサンチ
ン(シグマ社製)を250μg/mlの濃度になるように加え
て培養を続けた。その後10日が経過した時点で生き残っ
たミコフェノール酸に耐性の細胞を単離し、一つの培養
用の穴がおよそ3.1cm2の24穴の培養皿を用い、それぞれ
FCSが10%入ったERDF培地1ml中でおよそ7日間培養し直
した。
以上の細胞の培地をFCSを含まないERDF培地に代えて
培養を続け72時間が経過した細胞の培地を個別に2ml集
め、それらをセントリコン濃縮器(ミリポア社)で50μ
に遠心濃縮してそのうち約15μをサンプルとしてSD
S−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った。
これを常法に従いウエスタンブロット法で解析しhHGF
蛋白質の発現を確認した。
また、Gohdaらの方法(エクスペリメンタル・セル・
リサーチ(Experimental Cell Reserch)166巻139頁〜1
50頁(1986))によりhHGF活性を測定し生物学的活性の
存在を確認した。
その結果を第5図に示す。
さらに、得られた細胞株のうちいくつかを個別に単離
し酵素イムノアッセイ法でhHGF蛋白質の発現量を確認し
た結果、二重形質転換前の細胞株B−102の発現量のお
よそ20倍の発現量を示す細胞株BD−24を得た。
(発明の効果) 本発明の係わるhHGF遺伝子を挿入された発現ベクター
を宿主細胞に導入することにより、今まで困難であった
生物学的活性を有するhHGF蛋白質を大量、安定かつ容易
に生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はヒト肝実質細胞増殖因子をコードする遺伝子の
塩基配列を表わす。 第2図はヒト肝実質細胞増殖因子をコードする遺伝子か
ら推定されるアミノ酸配列を示す。 第3図は、ヒト肝実質細胞増殖因子を発現するベクター
を構築する工程を表わす。 第4図は、本発明のヒト肝実質細胞増殖因子をコードす
るDNAを有する発現ベクターの構造を表わす。 第5図は、本発明のヒト肝実質細胞増殖因子をコードす
るDNAを有する発現ベクターを有するCHO細胞が産生する
ヒト肝実質細胞増殖因子をを含む培養上清の生物学的活
性を示したものである。
フロントページの続き (72)発明者 芳山 美子 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 石井 健久 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 高橋 和展 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−22526(JP,A) 特開 平3−130091(JP,A) J.Clin.Invest., 1988,Vol.81,p.414−419 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記アミノ酸配列で表されるヒト肝実質細
    胞増殖因子をコードする遺伝子を有する発現ベクターで
    動物細胞または酵母を形質転換し、得られる形質転換体
    を培養してヒト肝実質細胞増殖因子を生産することを特
    徴とするヒト肝実質細胞増殖因子の生産方法。
  2. 【請求項2】下記塩基配列で表されるヒト肝実質細胞増
    殖因子をコードする遺伝子を有する発現ベクターで動物
    細胞または酵母を形質転換し、得られる形質転換体を培
    養してヒト肝実質細胞増殖因子を生産することを特徴と
    するヒト肝実質細胞増殖因子の生産方法。
  3. 【請求項3】下記アミノ酸配列で表されるヒト肝実質細
    胞増殖因子をコードする遺伝子を有する発現ベクターで
    動物細胞または酵母を形質転換して得られる形質転換体
    に対し、さらに該ヒト肝実質細胞増殖因子をコードする
    遺伝子を有する発現ベクターを用いて繰り返し形質転換
    し、得られる形質転換体を培養してヒト肝実質細胞増殖
    因子を生産することを特徴とするヒト肝実質細胞増殖因
    子の生産方法。
  4. 【請求項4】下記アミノ酸配列で表されるヒト肝実質細
    胞増殖因子をコードする遺伝子を有する発現ベクターで
    形質転換して得られるヒト肝実質細胞増殖因子を産生す
    る動物細胞。
JP2088592A 1989-08-11 1990-04-03 ヒト肝実質細胞増殖因子の生産方法および該因子を産生する形質転換体 Expired - Lifetime JP3036782B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2088592A JP3036782B2 (ja) 1990-04-03 1990-04-03 ヒト肝実質細胞増殖因子の生産方法および該因子を産生する形質転換体
CA002022752A CA2022752C (en) 1989-08-11 1990-08-07 Hepatic parenchymal cell growth factor, gene encoding the same, process for producing the factor, and transformants producing the factor
DE199090115397T DE412557T1 (de) 1989-08-11 1990-08-10 Wachstumsfaktor aus parenchymalen lebenszellen, dafuer kodierendes gen, verfahren zur herstellung dieses faktors und transformanten.
EP90115397A EP0412557B1 (en) 1989-08-11 1990-08-10 Hepatic parenchymal cell growth factor, gene encoding the same, process for producing the factor, and transformants producing the factor
HU904957A HUT58798A (en) 1989-08-11 1990-08-10 Process for producing growth factor of parenchimic hepatic celles, the gen for coding this and transformants for producing this factor
DE69030539T DE69030539T2 (de) 1989-08-11 1990-08-10 Wachstumsfaktor aus parenchymalen Lebenszellen, dafür kodierendes Gen, Verfahren zur Herstellung dieses Faktors und Transformanten
AT90115397T ATE152124T1 (de) 1989-08-11 1990-08-10 Wachstumsfaktor aus parenchymalen lebenszellen, dafür kodierendes gen, verfahren zur herstellung dieses faktors und transformanten
KR1019900012415A KR960006122B1 (ko) 1989-08-11 1990-08-11 간의 실질 세포 성장 인자, 이를 코딩하는 유전자, 이 인자를 생산하는 방법, 및 이 인자를 생산하는 형질전환체
US08/089,417 US5500354A (en) 1989-08-11 1993-07-09 Hepatic parenchymal cell growth factor gene encoding the same, process for producing the factor and transformants producing the factor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2088592A JP3036782B2 (ja) 1990-04-03 1990-04-03 ヒト肝実質細胞増殖因子の生産方法および該因子を産生する形質転換体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03285693A JPH03285693A (ja) 1991-12-16
JP3036782B2 true JP3036782B2 (ja) 2000-04-24

Family

ID=13947107

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2088592A Expired - Lifetime JP3036782B2 (ja) 1989-08-11 1990-04-03 ヒト肝実質細胞増殖因子の生産方法および該因子を産生する形質転換体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3036782B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3305355B2 (ja) * 1991-06-03 2002-07-22 三菱化学株式会社 肝実質細胞増殖剤
WO1994004175A1 (en) * 1992-08-24 1994-03-03 Toshikazu Nakamura Hgf production promoter
MX2016013667A (es) 2014-04-28 2017-01-23 Eisai R&D Man Co Ltd Formulacion liofilizada de factor de crecimiento hepatico (hgf).
US11548926B2 (en) 2016-03-17 2023-01-10 Eisai R&D Management Co., Ltd. Method for producing an active hepatocyte growth factor (HGF)

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
J.Clin.Invest.,1988,Vol.81,p.414−419

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03285693A (ja) 1991-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7893240B2 (en) High level expression of recombinant human erythropoietin having a modified 5′-UTR
KR960016560B1 (ko) 인체 과립구 콜로니 자극인자 폴리펩타이드 유도체, 이를 코드화하는 dna, dna를 함유하는 재조합 플라스미드, 플라스미드를 함유하는 미생물 및 폴리펩타이드를 제조하는 방법
JP5590788B2 (ja) α−ガラクトシダーゼA欠損症の治療
JP2022023174A (ja) 皮膚の創傷、障害、及び疾患を処置するための組成物及び方法
EP0412557B1 (en) Hepatic parenchymal cell growth factor, gene encoding the same, process for producing the factor, and transformants producing the factor
CA2926218A1 (en) Polynucleotides encoding low density lipoprotein receptor
AU2013243954A1 (en) Modified polynucleotides for the production of cosmetic proteins and peptides
EA026499B1 (ru) Композиция и лекарственное средство, содержащие рекомбинантную человеческую идуронат-2-сульфатазу, и способ их получения
CN103952388B (zh) 重组的弹性蛋白酶蛋白质及其制备方法和用途
JP3121611B2 (ja) 神経成長因子を真核生物細胞において発現させるための遺伝子ベクター
JP3036782B2 (ja) ヒト肝実質細胞増殖因子の生産方法および該因子を産生する形質転換体
US5989856A (en) Pharmaceutical composition having an endoproteolytic activity; a process for endoproteolytically processing (precursor) proteins and for the (micro)biological production of proteins
JP2963163B2 (ja) ヒト肝実質細胞増殖因子
JP3072628B2 (ja) ヒト肝実質細胞増殖因子をコードする染色体dna
JPH03130091A (ja) 組換ヒト肝実質細胞増殖因子
US20230407334A1 (en) Pseudotyped particles, modified cells, related compositions, and related methods
JP2019530637A (ja) 長時間作用型凝固因子viiおよびその製造方法
JP5622286B2 (ja) 組換えヒトg−csfの改善されたプロセシング
KR910005624B1 (ko) 인체 과립성 백혈구의 콜로니 자극 인자 활성을 갖는 당단백질의 제조방법
JP2980889B2 (ja) 肝実質細胞増殖因子
AU2023289270A1 (en) N-terminal and/or c-terminal cleaved soluble ph20 polypeptide and use thereof
CN117229371A (zh) 新型冠状病毒变异毒株的S蛋白突变体及其基因工程化mRNA和疫苗组合物
WO1995023861A1 (fr) MEGACARYOPOIETINE HUMAINE ET ISOLEMENT DE CELLE-CI, CLONAGE D'ADNc, ET PREPARATION DE LA PROTEINE RECOMBINEE
JP2009249292A (ja) ポリリン酸を安定化剤とするエリスロポエチン溶液製剤
JPH05208998A (ja) 新規な蛋白質、それをコードする遺伝子および該蛋白質の産生方法