JP5621461B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、空調機、冷凍機、ブロワ、給湯機等に使用されるスクロール圧縮機に関するものである。
鏡板上に渦巻きラップを形成した固定スクロールと旋回スクロールをかみ合わせ複数の圧縮室を形成し、旋回スクロールに偏心部を有するクランク軸を連結させ、オルダムリングを用いて自転を防止し旋回運動をさせることで中心に向かって容積を減少させながら圧縮を行っていくスクロール圧縮機は、吸入室が圧縮空間を形成する渦巻きの外周部にあり、吐出孔が渦巻きの中心部に設けられ、吸入完了時の容積と圧縮終了時の容積とで決まる設定圧縮比が一定であるという特徴を有する。したがって、ある特定の吸入圧力と吐出圧力を持つ一つの運転条件に対しては、適正な設定圧縮比とすることにより、この運転条件に適した高効率のスクロール圧縮機が実現できる。
しかし実際には、例えばこのスクロール圧縮機を空調用冷媒圧縮機として使用した場合、外気温や湿度等によって空調負荷変動が起こるため、吸入圧力と吐出圧力は一年を通して様々に変化する。また、インバータ制御を用いた可変速運転によって圧力範囲はさらに拡大する。その結果、実際の運転圧縮比と設定圧縮比との間の差によって不足圧縮や過圧縮運転現象が発生する。不足圧縮時には、吐出孔付近のデッドボリュームに残留した高圧冷媒ガスが圧縮室に間欠的に逆流して再圧縮による入力の増加を招き、過圧縮時には、必要動力以上の圧縮動力が発生し入力の増加を招く結果となる。
過圧縮を低減する手段としてはバイパス孔を設けることが知られており、吐出孔に未だ開口していない圧縮室から吐出室へバイパス孔を介して吐出することで過圧縮損失の低減を図っている。しかし、前述のとおり、不足圧縮運転ではバイパス孔のデッドボリュームによる再圧縮損失が生じるため、バイパス孔の流路断面積には適正範囲が存在する。特に、旋回スクロールラップの外壁側と内壁側の二つの独立した圧縮室の閉じ込み容積が異なるスクロール圧縮機では、各圧縮室のバイパス孔流路断面積の適正範囲がそれぞれ異なるため、各圧縮室の閉じ込み容積に見合ったバイパス孔流路断面積を設定することで過圧縮損失を低減する手法を用いることが多い。
この過圧縮低減の手段としては種々の技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されているように、図8に示す固定スクロール101のラップ101a側から見た正面図において、固定スクロール101に組み合わされた斜線で示す旋回スクロール102のラップ102aの外壁側の第1圧縮室103aと内壁側の第2圧縮室103bには、固定スクロール101に形成されたそれぞれ複数の隣接するバイパス孔104a、104b、104c、105a、105bが開口し、固定スクロールラップ101aの内壁101bは吸入付近まで延長されて閉じ込み容積が第2圧縮室103bよりも第1圧縮室103aの方が大きい非対称スクロールの構成で、第1圧縮室103aのバイパス孔104a、104b、104cの数を第2圧縮室103bのバイパス孔105a、105bの数よりも多く設定している。
さらに、図9に示す固定スクロールラップ101aの反対側から見た正面図において、各圧縮室103a、103bのバイパス孔104a、104b、104c、105a、105bを包括するザグリ106a、106bを形成し、第1圧縮室103a側の隣接するバイパス孔104a、104b、104cにより形成される第1バイパス経路および第2圧縮室103b側の隣接するバイパス孔105a、105bにより形成される第2バイパ
ス経路のそれぞれを開閉させる逆止弁107を有している。したがって、逆止弁107が容易にリフトするようになり、逆止弁107のリフトの時間遅れによる吐出損失を抑制することができる。
特許第3942784号公報
特許文献1の構成は、バイパス孔のデッドボリュームを必要最小限にして不足圧縮時の再圧縮損失を低減しながら、過圧縮時の適正な流路断面積の確保と逆止弁のリフト促進によって過圧縮損失も低減することで、幅広い運転範囲に対応した高効率なスクロール圧縮機を提供している。しかしながら、複数のバイパス孔を包含する逆止弁は、それと同一流路断面積を持つ一個のバイパス孔の逆止弁と比較して大型化するため、第1圧縮室と第2圧縮室のバイパス孔の二つの逆止弁と吐出孔の逆止弁の合計三つの逆止弁の配置がより困難になり、三つの逆止弁が離散化しやすくなる。
さらに、圧縮室の圧縮比が狙いの運転圧縮比に概ね到達したタイミングでバイパス孔が開口するように設計すると、第1圧縮室と第2圧縮室の閉じ込み容積が概ね同一の対称スクロールでは、第1圧縮室と第2圧縮室の圧縮比はほぼ同時に運転圧縮比に到達するため、固定スクロールラップ外壁曲線の伸開開始角を基準とした各圧縮室のバイパス孔位置の伸開角が理論的に180度ずれ、概ね中心部に設けられた吐出孔と各圧縮室のバイパス孔は概ね一直線上に並んで三つの逆止弁をコンパクトにまとめることができるのに対し、上記従来の構成のような第1圧縮室と第2圧縮室の閉じ込み容積が異なる非対称スクロールでは、ある瞬間の第1圧縮室と第2圧縮室の圧縮比は異なるため、吐出孔と各圧縮室のバイパス孔は一直線上に並びにくく、三つの逆止弁がさらに離散化しやすくなるという問題がある。
加えて、実際の運転中には、下流側圧縮室から上流側圧縮室へのガス漏れや受熱等によって圧縮室内圧力の指圧線図は断熱圧縮時のそれとは異なるため、対称スクロールの構成であっても運転圧縮比に概ね到達するタイミングは第1圧縮室と第2圧縮室とで若干異なり、吐出孔と各圧縮室のバイパス孔は一直線上に並びにくくなる。すなわち、対称スクロール、非対称スクロールに関わらず、実運転に適したバイパス孔位置は吐出孔と一直線上に並びにくい。特に、逆止弁をリード弁とした場合、リフトのしやすさと折れ防止、騒音低減等の観点からリード弁には適切な長さと幅が存在するため、一直線上に並んでいない吐出孔とバイパス孔にリード弁を設けると複雑な配置となる。
さらに、バイパス孔の直径は旋回スクロールラップの幅よりも小さくすることで圧縮室間の漏れを防止する必要があることから、所定のガスの流量をバイパス孔から吐出させるためには各圧縮室に複数のバイパス孔を固定スクロールラップ曲線と概ね平行な曲線に沿って配置させることが多い。その結果、各圧縮室の複数のバイパス孔を包含し、かつ、リード弁とバイパス孔出口部とのシール長を確保しながら逆止弁の幅を最小化した、長円状の頭部を持つリード弁の長手方向軸が、第1圧縮室と第2圧縮室とで平行にならず、吐出孔のリード弁を含む三つのリード弁が様々な方向を向いて整列しなくなる。
特に、固定スクロールに設けられた複数のバイパス孔のうち、第2圧縮室のバイパス孔は第1圧縮室のそれよりも固定スクロールラップ巻き始め側に設けられることから、同じ伸開角度だけバイパス孔がずれたときのリード弁長手方向軸の角度のずれ量は第2圧縮室の方が大きく、第2圧縮室に開口する複数のバイパス孔の位置が三つのリード弁の配置に
大きな影響を与え、リード弁のコンパクト化設計に対して重要な要素の一つとなる。
このように、リード弁に代表される逆止弁が離散化して配置されると、逆止弁が開いて吐出されるガスの流れがお互いの逆止弁で妨げられて圧力損失が増大するし、騒音悪化の原因ともなる。また、固定スクロールの逆止弁側に、吐出室と密閉容器内部空間とを隔離するための隔離部材や騒音低減のための消音器を設けたスクロール圧縮機では、逆止弁の離散化によって隔離部材や消音器を大型化せざるを得ず、コストアップにもつながる。これは、逆止弁がリード弁以外の、例えばフリー弁の場合でも同様で、離散化によってフリー弁が大型化してコストアップするし、それに伴って隔離部材や消音器もコストアップする。
一方で、各圧縮室のバイパス孔の数は多ければ多いほどバイパス孔が圧縮室に開口しているクランク角範囲が広がり、それに伴ってバイパス孔が機能する運転圧縮比の範囲も広がるため、高効率化の面からは有利になる。したがって、バイパス孔のデッドボリュームをできるだけ抑えながら、その数をできるだけ多くすると同時に、逆止弁をコンパクト化することがスクロール圧縮機の高効率化と低コスト化を実現するためのキーポイントとなる。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、バイパス孔の数をできるだけ増やして幅広い運転範囲での吐出損失を低減させると同時に、逆止弁全体を整列、コンパクト化して逆止弁からの流出ガス流線の適正化による吐出損失低減と隔離部材や消音器の小型化によるコスト低減を実現することが可能な高効率、低コストのスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のスクロール圧縮機は、前記固定スクロールの中心部には吐出室に通じる吐出経路が形成され、前記固定スクロールに前記第1圧縮室と前記吐出室をバイパスするための第1バイパス経路が形成され、前記固定スクロールに前記第2圧縮室と前記吐出室をバイパスするための第2バイパス経路が形成され、前記第1バイパス経路と前記第2バイパス経路のそれぞれは少なくとも一つの孔によって構成され、前記吐出経路と前記バイパス経路にはそれぞれ逆止弁が配設され、前記第2バイパス経路は、前記第1圧縮室の前記第1バイパス経路よりも孔の数が少なく、孔の面積が大きい構成とするものである。
従来の構成では吐出孔と各バイパス経路の三つの逆止弁が離散化されて逆止弁からの流出ガスの干渉による吐出損失増加や逆止弁を覆う隔離部材等の大型化によるコストアップを招いていたものが、本構成によれば、過圧縮運転時に確実に吐出室へバイパスさせて吐出損失低減を実現すると同時に、第1バイパス経路と第2バイパス経路の孔の並びをできるだけ平行にして逆止弁を整列、コンパクト化できるため、逆止弁からの流出ガスの干渉抑制による吐出損失低減と逆止弁を覆う隔離部材等の小型化によるコスト低減が可能である。
本発明のスクロール圧縮機は、過圧縮運転時に確実に吐出室へバイパスさせて吐出損失低減を実現すると同時に、第1バイパス経路と第2バイパス経路の孔の並びをできるだけ平行にして逆止弁を整列、コンパクト化できるため、逆止弁からの流出ガスの干渉抑制による吐出損失低減と逆止弁を覆う隔離部材等の小型化によるコスト低減ができ、高効率と低コストを両立することが可能である。
本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の縦断面図 同スクロール圧縮機の固定スクロールの逆止弁側正面図 同スクロール圧縮機の圧縮過程を説明する正面図 従来の構成における固定スクロールの正面図 本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の固定スクロールの正面図 本発明の実施の形態2における圧縮機構部の横断面図 本発明の実施の形態3における圧縮機構部の横断面図 従来のスクロール圧縮機の固定スクロールの正面図 従来のスクロール圧縮機の固定スクロールの逆止弁側正面図
第1の発明のスクロール圧縮機は、渦巻き状の固定スクロールラップ及び旋回スクロールラップを互いに噛み合わせて、両スクロール間に一対の圧縮室を形成し、クランク軸と自転防止部材によって前記旋回スクロールを旋回させ、前記旋回スクロールラップ外壁側の第1圧縮室と前記旋回スクロールラップ内壁側の第2圧縮室それぞれが吸入側より吐出側に向けて連続移行して流体を圧縮すべく容積変化するスクロール圧縮機であって、前記固定スクロールの中心部には吐出室に通じる吐出経路が形成され、前記固定スクロールに前記第1圧縮室と前記吐出室をバイパスするための第1バイパス経路が形成され、前記固定スクロールに前記第2圧縮室と前記吐出室をバイパスするための第2バイパス経路が形
成され、前記第1バイパス経路と前記第2バイパス経路のそれぞれは少なくとも一つの孔によって構成され、前記吐出経路と前記バイパス経路にはそれぞれ逆止弁が配設され、前記第2バイパス経路は、前記第1圧縮室の前記第1バイパス経路よりも孔の数が少なく、孔の面積が大きい構成とすることにより、バイパス孔の数をできるだけ増やして幅広い運転範囲での吐出損失を低減させると同時に、第2バイパス経路の孔の数をできるだけ少なくしながらその通路面積をできるだけ大きくとることで逆止弁をできるだけ小さくでき、第1バイパス経路と第2バイパス経路の孔の並びをできるだけ平行にすることで吐出孔の逆止弁を含む三つの逆止弁全体を整列、コンパクト化して逆止弁からの流出ガス流線の適正化による吐出損失低減と隔離部材や消音器の小型化によるコスト低減を実現することが可能である。
の発明は、特に、第1の発明のスクロール圧縮機において、前記逆止弁は薄板の弁体と前記弁体の可動範囲を拘束する弁押さえとから構成され、吐出経路と前記第1バイパス経路と前記第2バイパス経路のそれぞれに配設された少なくとも二つの前記弁体が一体化されて構成されているか、または、前記吐出経路と前記第1バイパス経路と前記第2バイパス経路のそれぞれに配設された少なくとも二つの前記弁押さえが一体化されて構成されることにより、部品点数を少なくして部品コストを低減するとともに、組立工数も削減されるので、組立コストの低減と組立ミスによる逆止弁機能低下リスクを抑えることも可能である。
の発明は、特に、第1または2の発明のスクロール圧縮機において、前記第1圧縮室と前記第2圧縮室の閉じ込み容積が異なる非対称スクロールとすることにより、第1圧縮室の閉じ込み容積の方が大きい非対称スクロールでは、高温の固定スクロールのラップ巻き終り部に設けられた吸入孔から第1圧縮室の閉じ込み位置までの固定スクロールラップ内通路が短縮されることで、低温ガスの受熱が抑制されて体積効率を向上させることが可能である。
一方、固定スクロールラップ巻き終り部の吸入孔よりもさらに巻き始め側に設けられた、吸入孔とは別のバイパス吸入孔によって能力制御を行なうスクロール圧縮機では、第2圧縮室の閉じ込み容積の方が大きくなることもあり、このような構成でも第1の発明と同様の効果が得られる。
の発明は、特に、第1〜のいずれか1つの発明のスクロール圧縮機において、前記吐出室と、圧縮機構部と前記圧縮機構部を駆動する電動機を収納する密閉容器の内部空間との間には、隔離部材または消音器が設けられることにより、隔離部材によって密閉容器内部でのガス流路を長くとってオイルミストを効果的に分離し、密閉容器外部へのオイ
ル持ち出しを抑制したり、消音器によって圧縮機構部摺動部や逆止弁で発生する騒音を抑制したりすることが可能である。そして、逆止弁がコンパクト化されることによって隔離部材や消音器も小さくでき、材料コスト低減が可能である。
なお、圧縮機構部が電動機の上側にある縦型スクロール圧縮機は圧縮機構部が密閉容器下部に貯留された高温オイルから受熱されないため高効率であり、一般的に多く用いられているが、第4の発明の構成はこのようなスクロール圧縮機に用いることで高効率と低オイル吐出、低騒音を実現でき、圧縮機構部が電動機の下側にある縦型スクロール圧縮機や圧縮機構部と電動機が横に並ぶ横型スクロール圧縮機でも吐出室と下部貯留オイルとを隔離する隔離部材は必要であり、同様の効果が期待できる。
の発明は、特に、第1〜のいずれか1つの発明のスクロール圧縮機において、旋回スクロールの背面には吸入圧力よりも高い圧力が印加され、旋回スクロールが固定スクロールに押付けられて圧縮運転されることにより、低圧縮比運転時に旋回スクロールが固定スクロールから離反して漏れ損失が増加する現象を抑制でき、それに伴って各圧縮室の圧力は断熱圧縮時の圧力に近づいて下がる。その結果、概ね運転圧縮比に到達するクランク角が進んで、バイパス経路をより吐出側の圧縮室に開口するように巻き始め側に設けることになり、バイパス経路が設けられた旋回スクロールまたは固定スクロールのラップ曲率がさらに小さくなるため、逆止弁の整列、コンパクト化がより困難になる。したがって、このような構成に適用するとより効果的である。
の発明は、特に、第1〜のいずれか1つの発明のスクロール圧縮機において、バイパス経路の逆止弁側端部にはザグリが形成されることにより、逆止弁が作動してリフトする直前の逆止弁の座面への押付け力が小さくなり、容易にリフトするようになってリフト遅れに起因する吐出損失を低減することが可能である。そして、ザグリが形成された分だけ逆止弁を大きくしなければならず、より一層逆止弁の整列、コンパクト化が重要となるため、このような構成に適用するとより効果的である。
の発明は、特に、第1〜のいずれか1つの発明のスクロール圧縮機において、前記第1バイパス経路および前記第2バイパス経路が複数の孔で構成され、前記第2バイパス経路を構成する複数の前記孔の中心間距離が、前記第1バイパス経路を構成する複数の前記孔の中心間距離よりも大きい。
第2バイパス経路の孔の数は第1のバイパス経路の孔の数よりも少ないため、バイパス経路が圧縮室に連通し始めてから閉塞するまでの間の時間またはクランク角も他方のバイパス経路よりも短くなり、バイパス機能を果たす圧縮比の幅が減少してしまうという課題があるが、本構成により、他方のバイパス経路よりも少ない孔の数でバイパス経路の圧縮
室への開口時間または開口クランク角をできるだけ大きく確保することができ、幅広い運転条件の圧縮比に対応することが可能である。
の発明は、特に、第1〜のいずれか1つの発明のスクロール圧縮機において、バイパス経路設計圧縮比は第1圧縮室および第2圧縮室それぞれがバイパス経路と連通する瞬間の幾何学的な圧縮比で定義され、最も発生頻度の高い運転条件の運転圧縮比に対し、前記バイパス経路設計圧縮比が小さくなるように前記バイパス経路を構成している。
圧縮室が同時に複数存在するというスクロール圧縮機の特徴から、圧縮室の圧力は、その一つ下流側(吐出側)の圧縮室からのガスの流入と、上流側の吸入室への流出との収支により、漏れや受熱を考慮しない理論断熱圧縮時の圧力よりも大きくなることもあれば小さくなることもある。しかし、圧縮が進むにつれてクランク角に対する圧力上昇量と温度上昇量が大きくなることから下流側圧縮室からの流入の影響が大きく、一般的には圧縮室の圧力は理論断熱圧縮時の圧力よりも大きくなることが多い。これはすなわち、所定の圧縮比に到達するクランク角が理論断熱圧縮時よりも実機の方が早くなるということである。
そこで本構成により、理論よりも早めの圧縮室圧力上昇に対応して、より早いタイミングでバイパス経路が圧縮室に連通することで吐出損失を抑制して高効率のスクロール圧縮機を実現することが可能である。
の発明は、特に、第1〜のいずれか1つの発明のスクロール圧縮機において、前記固定スクロールラップ外壁と前記第2バイパス経路を構成する複数の孔それぞれとの距離が一定であるか、または、前記固定スクロールラップ内壁と前記第1バイパス経路を構成する複数の孔それぞれとの距離が一定である。
固定スクロールまたは旋回スクロールのラップ上面と、それに相対する他方のスクロールのラップ底面とは接触または微小な軸方向隙間を保持することによって圧縮室をシールし、圧縮室間のガス漏れを抑制している。
固定スクロールまたは旋回スクロールのうち、バイパス経路が形成されていない方のラップがバイパス経路の孔を閉塞しているとき、バイパス経路の孔の領域だけは微小な軸方向隙間を保持できないため、その領域以外の微小な軸方向隙間が保持された領域における最小シール長が圧縮室間のガス漏れによる漏れ損失に大きく寄与する。
そこで本構成により、バイパス経路を構成する複数の孔それぞれの最小シール長を一定の適切な大きさに設定することにより、漏れ損失を低減して圧縮機を高効率化できる。
しかしながら、バイパス経路の複数の孔をラップ壁面に沿って一定の距離で配置すると、第1のバイパス経路と第2のバイパス経路の孔を整列させることが困難となるため、本発明の基本構成によってより大きな効果を発揮する。
10の発明は、特に、第1〜のいずれか1つの発明のスクロール圧縮機において、作動流体として二酸化炭素を用い、前記第2バイパス経路が1個の孔で構成され、前記第1バイパス経路が2個の孔で構成されることにより、自然冷媒の二酸化炭素を用いることで地球温暖化防止に寄与すると同時に、HFC等のフロン系冷媒と比較して体積循環量が小さいという特徴からバイパス経路の総断面積を比較的小さくできるため、孔の数を最小限とすることで孔のデッドボリューム残留ガスの再膨張、再圧縮による損失の低減と加工工数の低減を図ることが可能である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の縦断面図である。図1において、鉄製の密閉容器1の内部全体は吐出管2に連通する高圧雰囲気となり、その中央部に電動機3、上部に圧縮機構が配置され、電動機3の回転子3aに固定されたクランク軸4の一端を支承する圧縮機構の本体フレーム5が密閉容器1に固定されており、その本体フレーム5に固定スクロール6が取り付けられている。
クランク軸4に設けられた軸方向の油通路7は、その一端が給油ポンプ装置8に通じ、他端が最終的に旋回スクロール9の偏心軸受10に通じている。固定スクロール6と噛み合って圧縮室11を形成する旋回スクロール9は、渦巻き状の旋回スクロールラップ9aと偏心軸受10とを直立させた旋回鏡板9bとからなり、固定スクロール6と本体フレーム5との間に配置されている。
固定スクロール6は、固定鏡板6aと渦巻き状の固定スクロールラップ6bとからなり、固定スクロールラップ6bの中央部に吐出孔12と吐出孔12に通じる吐出室13、外周部に吸入孔14および圧縮が開始されるまでの流体通路である吸入室15が配置されている。
クランク軸4の主軸から偏心してクランク軸4の上端部に配置された偏心軸16は、旋回スクロール9の偏心軸受10と係合摺動すべく構成されている。旋回鏡板9bの背面9cと、旋回スクロール9の軸方向への移動を規制する本体フレーム5に設けられたスラスト拘束面5aとの間は、微小な隙間が設けられている。本体フレーム5のスラスト拘束面5aには環状シール部材17が遊合状態で装着されており、その環状シール部材17はその内側の背面室18と外側の背圧室19とを仕切っている。
給油ポンプ装置8によって吸い上げられたオイルはクランク軸4の油通路7を通り、旋回スクロール9の偏心軸受10と偏心軸16との間に形成された軸方向の内部空間20へ導かれ、一方は旋回スクロール9の旋回鏡板背面9cに設けられた絞り部21を経由して固定スクロール6と本体フレーム5とによって囲まれて形成される背圧室19へと通じ、旋回スクロール9を固定スクロールラップ6bに押さえつける機能を持った背圧調整弁22、オイル供給通路22aを通って吸入室15へと導かれる。もう一方は偏心軸受10、背面室18、主軸受23を通り圧縮機構外部へ排出される。
吐出孔12の出口側を開閉する逆止弁装置24が固定スクロール6の固定鏡板6aの平面上に取り付けられており、その逆止弁装置24は薄鋼板製のリード弁24aと弁押さえ24bとからなる。
クランク軸4の下端は密閉容器1内に溶接や焼き嵌めして固定された副軸受け25により軸受けされ、安定に回転することができる。副軸受け25はジャーナル軸受け構成となっており、給油ポンプ装置8によって吸い上げられたオイルの一部が副軸受け25へと供給される。
圧縮機構にて圧縮されて吐出孔12から吐出された直後のガスと、吐出管2から吐出される直前のガスはマフラー26によって仕切られ、吐出孔12から吐出された直後のガスはマフラー26の内部空間を経由して、圧縮機構外周部付近に設けられた下向きガス流路27を通り、図示された点線矢印のごとく回転子3a上部へと導かれる。ここで主軸受け
23などを潤滑後排出されたオイルと合流し、回転子3a内部に設けられた回転子通路3bを介して回転子3a下部へと到達後、ガスとオイルの混合流が遠心力によって固定子3c下部コイルエンドに衝突し、気液分離される。気液分離後のガスは固定子3c外周に設けられた固定子通路3dを介して電動機3上部へと導かれ、圧縮機構に設けられた図示されていない上向きガス流路を通って圧縮機構上側空間へ到達後、吐出管2から密閉容器1外部へと吐出される。
図2は固定スクロール6を逆止弁24側から見た図で、吐出孔12と一対のバイパス経路28、29の一体化された逆止弁24が一点鎖線で示されている。また、各座面には逆止弁24よりも一回り小さい大きさのザグリ30が固定スクロール6に施されている。なお、吐出孔12のみ旋回スクロール9に形成されていても本願発明と同様の効果が得られるが、吐出孔12も固定スクロール6に形成されている方がより効果的であるし、逆止弁24の配置や密閉容器内ガス経路の構成も容易である。
図3は固定スクロールラップ6b側から見た圧縮室11の圧縮過程を示す図で、固定スクロールラップ6bと旋回スクロールラップ9aを組み合わせている。旋回スクロールラップ9aの外壁側で形成される第1圧縮室11aと内壁側で形成される第2圧縮室11bは閉じ込み容積が概ね同一の対称スクロールである。
第1圧縮室11aが所定の運転圧縮比に到達した時に開口する第1バイパス経路28は第1バイパス孔28a、28b、28cの三つの孔から構成され、第2バイパス経路29は第2バイパス孔29a、29bの二つの孔から構成されており、固定スクロールラップ6bに沿って壁面から概ね一定の距離だけ離れた位置に鏡板6aを貫通して設けられている。第1バイパス経路28と第2バイパス経路29の総断面積は概ね等しく、第2バイパス孔29a、29bの直径は第1バイパス孔28a、28b、28cの直径よりも大きい。
以上のように構成されたスクロール圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。図3(a)に示すクランク角にて第1圧縮室11a、第2圧縮室11bともに吸入ガスを閉じ込み、旋回スクロールラップ9aが旋回して図3(b)のクランク角の時に第1バイパス孔a28aと第2バイパス孔a29aがほぼ同時にそれぞれ第1圧縮室11aと第2圧縮室11bに開口し始める。このときの各圧縮室11a、11bの圧縮比は概ね運転圧縮比に到達しており、ほぼ吐出圧力である。
さらに圧縮が進み、図3(c)のクランク角では第1バイパス経路28と第2バイパス経路29の全てのバイパス孔28a、28b、28c、29a、29bが各圧縮室11a、11bに開口しており、同時に、固定スクロールラップ6bと旋回スクロールラップ9aとは中心部巻き始め部でお互いが離間し始めている。すなわち、第1圧縮室11aと第2圧縮室11b、および吐出孔12付近のデッドボリュームの全てが連通して同一圧力になり始める瞬間である。このクランク角から後は吐出孔12と各バイパス経路28、29の三つの経路を通じて吐出室13へ吐出される。
各圧縮室11a、11bの圧力上昇が理想的な断熱圧縮である場合、図3(b)から図3(c)までの間は、吐出圧力に到達済みの各圧縮室11a、11bのガスはそれぞれのバイパス経路28、29から吐出室13へ吐出され、各圧縮室11a、11bの閉じ込み容積が概ね等しいことから循環量も概ね等しく、各バイパス経路28、29の流路断面積も概ね等しいため、各圧縮室11a、11bはバランスよくガスが吐出される。
しかし、実運転では固定スクロールラップ6bや旋回スクロールラップ9aの壁面や上面での各圧縮室11a、11bのシール点における漏れや高温状態の固定スクロール6や
旋回スクロール9からガスへの熱伝達等によって各圧縮室11a、11bの圧力はバランスよくならないことが多い。一般的には、漏れや熱伝達等によって各圧縮室11a、11bの圧力は断熱圧縮時の圧力よりも高くなるため、所定の運転圧縮比で各バイパス経路28、29から効率的に吐出させるには、各バイパス経路28、29を吸入巻き終り側へ移動させる必要がある。
すなわち、第1圧縮室11a、第2圧縮室11bそれぞれが各バイパス経路28、29と連通する瞬間の幾何学的な圧縮比を第1バイパス経路設計圧縮比および第2バイパス経路設計圧縮比と定義すると、第1バイパス経路設計圧縮比および第2バイパス経路設計圧縮比を所定の運転圧縮比よりも小さくする必要がある。
これは、各圧縮室11a、11bの閉じ込み容積が異なる非対称スクロールでも同様である。
図4は第1バイパス経路28と第2バイパス経路29の孔の数と直径が等しい従来の構成の場合の各バイパス経路28、29の理想的な位置を断熱圧縮時と実運転時とで比較したもので、断熱圧縮時の第1バイパス経路28を構成する第1バイパス孔28c、28d、28e、第2バイパス経路29を構成する第2バイパス孔29c、29d、29eに対して、実運転時は孔二つ分だけ吸入側へ移動した第1バイパス孔28a、28b、28cと第2バイパス孔29a、29b、29cとで各バイパス経路28、29が構成されている。
このとき、第2バイパス経路29の位置は第1バイパス経路28の位置と比較して固定スクロールラップ6bの巻き始め側にあり、各バイパス孔28a、28b、28c、28d、28e、29a、29b、29c、29d、29eは固定スクロールラップ6bに沿って平行に配置されているため、曲率の小さい固定スクロールラップ6b巻き始め側にある第2バイパス経路29を構成する三つの第2バイパス孔29a、29b、29cの並びは、長円状の頭部を持つリード弁を想定した場合、そのリード弁の長手方向の軸は断熱圧縮時の第2バイパス孔29c、29d、29eの長手方向軸に対して大きく傾く。そして、その傾き度合いは第1バイパス経路28よりも大きくなる。
一方、図5に示す、第1バイパス経路28よりも第2バイパス経路29の方が孔の数が少なく、直径が大きい本発明の構成の場合、断熱圧縮時の第1バイパス孔28c、28d、28e、第2バイパス孔29c、29dと、孔二つ分だけ吸入側へ移動した実運転時の第1バイパス孔28a、28b、28c、第2バイパス孔29a、29bとを比較すると、断熱圧縮時の第2バイパス孔29c、29dの長手方向軸と実運転時との第2バイパス孔29a、29bの長手方向軸との傾きは図4の従来の構成の場合よりも小さくなる。すなわち、第1バイパス経路28と第2バイパス経路29とで設計圧縮比変更時の孔の並びの平行度が悪化しにくいということである。
その結果、図2おいて、実運転時に適正に吐出されるように構成した各バイパス経路28、29と吐出孔12の逆止弁24は整列してコンパクトにまとめることができる。したがって、逆止弁24からの流出ガスがお互いに邪魔しあうことがないので吐出損失の悪化を抑制することができ、吐出孔12から吐出された直後の吐出室13内のガスと吐出管2から吐出される直前のガスとを仕切る機能と逆止弁24の作動音低減機能とを兼ね備えたマフラー26を小型化して材料費削減による低コスト化も実現することが可能である。
第1バイパス経路28と第2バイパス経路29の孔の並びの平行度が悪かったとしても、ザグリ30をその分だけ大きくし、それに伴って逆止弁24の頭部も大きくすれば逆止弁24の三つのリード弁は整列可能であるが、頭部が大きくなり、逆止弁24からの吐出
時のリフトのしやすさや、吐出が完了して逆止弁24が閉じる時の衝撃音等が悪化し、逆止弁24自体が大型化してしまう。したがって、第1バイパス経路28と第2バイパス経路29の孔の並びの平行度は逆止弁24の構成に対して非常に重要であり、本発明はその平行度を小さく保つことができる。
なお、第2バイパス経路29は必ずしも2個である必要はなく、ガスの体積循環量に応じて増やしてもよいし、1個で構成してもよい。また、その全ての孔の直径が第1バイパス経路28の孔の直径よりも大きい必要はなく、逆止弁24の整列、コンパクト化が図れるのであれば1個だけ直径を大きくしてもよい。さらに、本実施の形態では、逆止弁24が一体化されて部品点数削減と組立工数削減を行なっているが、三つの逆止弁24が別体であっても逆止弁24の整列、コンパクト化による効果に何ら変わりはない。
また、特に大循環量のスクロール圧縮機では、各バイパス経路28、29の孔の数が増えるため、逆止弁24の整列、コンパクト化が非常に困難になるので本発明の構成はより効果的である。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における圧縮機構部横断面図である。固定スクロール6に3個の孔28a、28b、28cで構成された第1バイパス経路28と2個の孔29a、29bで構成された第2バイパス経路29が設けられ、第2バイパス経路29は第1バイパス経路28よりも孔の数が少なく、孔の面積が大きいため、実施の形態1と同様、各バイパス経路28、29と吐出孔12の逆止弁24は整列してコンパクトにまとめることができる。
同時に、第2バイパス経路29は第1バイパス経路28よりも孔の中心間距離が大きく設定されており、第2バイパス経路29が第2圧縮室11bに開口している時間をできるだけ大きく確保でき、幅広い運転条件の圧縮比に対応して過圧縮による吐出損失の低減を実現することが可能である。
図6において、第1圧縮室11aの閉じ込み容積は第2圧縮室11bよりも大きい非対称スクロールである。この構成では、各バイパス経路28、29を設ける位置が概ね対称ではなくなるため、逆止弁24を整列、コンパクト化するためには第1バイパス経路28と第2バイパス経路29の設計圧縮比が異なる設計とせざるを得ない場合が多いが、その場合には特に、本発明の構成によって逆止弁24の整列、コンパクト化と各バイパス経路28、29が各圧縮室11a、11bに開口する適正なタイミングとを両立しやすいため、より効果的に高効率化と低コスト化、低騒音化を実現することが可能である。
また、第1圧縮室11aの方が第2圧縮室11bよりも体積循環量が大きいことに対応し、第1バイパス経路28の総断面積を第2バイパス経路29よりも大きく設定することでそれぞれの圧縮室11a、11bでバイパス経路28、29からの過圧縮を抑えた適切な吐出を図り、吐出損失の低減を実現している。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3における圧縮機構部横断面図である。固定スクロール6に2個の孔28a、28bで構成された第1バイパス経路28と、それらの各孔28a、28bよりも面積が大きい1個の孔29aで構成された第2バイパス経路29が設けられており、第1圧縮室11aの閉じ込み容積が第2圧縮室11bよりも大きい非対称スクロールであることに対応して第1バイパス経路28の総断面積は第2バイパス経路29の総断面積よりも大きく設定されている。したがって、実施の形態1と同様、各バイパス経路28、29と吐出孔12の逆止弁24は整列してコンパクトにまとめることができるとと
もに、各圧縮室11a、11bの閉じ込み容積に見合ったバイパス通路28、29の流路断面積を設定することで過圧縮による吐出損失を低減することが可能である。
本実施の形態は自然冷媒の二酸化炭素を冷媒として使用しており、冷媒放出による地球温暖化リスクを最小限にできる。
二酸化炭素はHFC等のフロン系冷媒と比較して体積循環量が小さいという特徴からバイパス経路28、29の総断面積を比較的小さくできるため、孔の数を最小限とすることで孔のデッドボリューム残留ガスの再膨張、再圧縮による損失の低減と加工工数の低減を図ることが可能である。
以上のように、本発明にかかるスクロール圧縮機は、過圧縮運転時に確実に吐出室へバイパスさせて吐出損失低減を実現すると同時に、第1バイパス経路と第2バイパス経路の孔の並びをできるだけ平行にして逆止弁を整列、コンパクト化できるため、逆止弁からの流出ガスの干渉抑制による吐出損失低減と逆止弁を覆う隔離部材等の小型化によるコスト低減ができ、高効率と低コストを両立することが可能であり、HFC系冷媒やHCFC系冷媒を用いたエアーコンディショナーやヒートポンプ式給湯機のほかに、自然冷媒の二酸化炭素を用いたエアーコンディショナーやヒートポンプ式給湯機などの用途にも適用できる。
1 密閉容器
3 電動機
4 クランク軸
6 固定スクロール
6b 固定スクロールラップ
9 旋回スクロール
9a 旋回スクロールラップ
11 圧縮室
11a 第1圧縮室
11b 第2圧縮室
12 吐出孔
13 吐出室
24 逆止弁
24a リード弁
24b 弁押さえ
26 マフラー
28 第1バイパス経路
29 第2バイパス経路
30 ザグリ

Claims (10)

  1. 渦巻き状の固定スクロールラップ及び旋回スクロールラップを互いに噛み合わせて、両スクロール間に一対の圧縮室を形成し、クランク軸と自転防止部材によって前記旋回スクロールを旋回させ、前記旋回スクロールラップ外壁側の第1圧縮室と前記旋回スクロールラップ内壁側の第2圧縮室それぞれが吸入側より吐出側に向けて連続移行して流体を圧縮すべく容積変化するスクロール圧縮機であって、前記固定スクロールの中心部には吐出室に通じる吐出経路が形成され、前記固定スクロールに前記第1圧縮室と前記吐出室をバイパスするための第1バイパス経路が形成され、前記固定スクロールに前記第2圧縮室と前記吐出室をバイパスするための第2バイパス経路が形成され、前記第1バイパス経路と前記第2バイパス経路のそれぞれは少なくとも一つの孔によって構成され、前記吐出経路と前記バイパス経路にはそれぞれ逆止弁が配設され、前記第2バイパス経路は、前記第1圧縮室の前記第1バイパス経路よりも孔の数が少なく、孔の面積が大きいことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記逆止弁は薄板の弁体と前記弁体の可動範囲を拘束する弁押さえとから構成され、吐出経路と前記第1バイパス経路と前記第2バイパス経路のそれぞれに配設された少なくとも二つの前記弁体が一体化されて構成されているか、または、前記吐出経路と前記第1バイパス経路と前記第2バイパス経路のそれぞれに配設された少なくとも二つの前記弁押さえが一体化されて構成されている請求項1記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記第1圧縮室と前記第2圧縮室の閉じ込み容積が異なる非対称スクロールである請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記吐出室と、圧縮機構部と前記圧縮機構部を駆動する電動機を収納する密閉容器の内部空間との間には、隔離部材または消音器が設けられている請求項1〜のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記旋回スクロールの背面には吸入圧力よりも高い圧力が印加され、前記旋回スクロールが前記固定スクロールに押付けられて圧縮運転される請求項1〜のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  6. 前記バイパス経路の前記逆止弁側端部にはザグリが形成されている請求項1〜のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  7. 前記第1バイパス経路および前記第2バイパス経路が複数の孔で構成され、前記第2バイパス経路を構成する複数の前記孔の中心間距離が、前記第1バイパス経路を構成する複数の前記孔の中心間距離よりも大きい請求項1〜のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  8. バイパス経路設計圧縮比は第1圧縮室および第2圧縮室それぞれがバイパス経路と連通する瞬間の幾何学的な圧縮比で定義され、最も発生頻度の高い運転条件の運転圧縮比に対し、前記バイパス経路設計圧縮比が小さくなるように前記バイパス経路を構成した請求項1〜7のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  9. 前記固定スクロールラップ外壁と前記第2バイパス経路を構成する複数の孔それぞれとの距離が一定であるか、または、前記固定スクロールラップ内壁と前記第1バイパス経路を構成する複数の孔それぞれとの距離が一定である請求項1〜のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  10. 作動流体として二酸化炭素を用い、前記第2バイパス経路が1個の孔で構成され、前記第1バイパス経路が2個の孔で構成された請求項1〜のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
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