JP5613418B2 - 蒸着フィルム - Google Patents
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Description
一方、前述のアルミニウム等の金属膜を形成した蒸着フィルムは、ガスバリア性の湿度依存性が小さい点や、内容物の状態を確認しやすい可視性に優れている点で好まれているが、近年ガスバリア性の要求レベルはさらに高まっており、工業材料・包装材料で広く用いられているポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)を原反とする蒸着PETフィルムでは不十分となってきた。
そこで本発明の課題は、優れたガスバリア性と加工適性、実用に耐えうる耐分解性を有する蒸着フィルムを提供することにある。
1) 樹脂組成物(1)からなる樹脂層(A)を少なくとも有するフィルムであり、樹脂層(A)の少なくとも片面に、金属または無機酸化物からなる蒸着層を有し、樹脂組成物(1)が、化1(以下、式(1)と言うこともある。)に示す構造を70モル%以上有するポリグリコール酸を含み、樹脂層(A)の蒸着層側の面の中心線平均粗さが5nm〜50nmであり、樹脂組成物(2)のガラス転移温度が65℃以下であり、樹脂層(B)、樹脂層(A)、蒸着層が、この順に積層されており、樹脂組成物(2)が、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、ポリオレフィン、およびこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでなり、水蒸気透過率が0.45g/(m 2 ・day)以下であることを特徴とする蒸着フィルムである。
本発明の蒸着フィルムは、樹脂組成物(1)からなる樹脂層(A)および樹脂組成物(2)からなる樹脂層(B)を少なくとも有するフィルムであり、樹脂層(A)の少なくとも片面に金属または無機酸化物からなる蒸着層を有し、樹脂組成物(1)が前述の化1に示す構造を70モル%以上有するポリグリコール酸を含み、樹脂層(A)の蒸着層側の面の中心線平均粗さが5nm〜50nmであり、樹脂組成物(2)のガラス転移温度が65℃以下であり、樹脂層(B)、樹脂層(A)、蒸着層が、この順に積層されており、樹脂組成物(2)が、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、ポリオレフィン、およびこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでなり、水蒸気透過率が0.45g/(m 2 ・day)以下である。
押出機に樹脂層(A)をなす樹脂組成物(1)をフィルターによる異物除去、ギアポンプによる流量適性化を行った後、口金よりシート状に吐出し、エアナイフまたは静電印加などの方式により、キャスティングドラムに密着させ、冷却固化せしめて未延伸フィルムとする。樹脂層(B)との積層構成の場合には、別の押出機に樹脂層(B)をなす樹脂組成物(2)を供給し、別々の流路にてフィルターによる異物除去、ギアポンプによる流量適性化を行った後、多層積層口金または口金の上部に設置したフィードブロックもしくは内部に複数のマニホールドを有する口金内にて合流、積層後、口金よりシート状に吐出し、エアナイフまたは静電印加などの方式により、キャスティングドラムに密着させ、冷却固化せしめて未延伸フィルムとする。
アンカーコート剤およびオーバーコート剤としては(以下、アンカーコート剤およびオーバーコート剤を、コート剤とする。)ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン−ビニルアルコール、アクリル、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリウレタン、およびポリエステル−ポリウレタン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂が好ましく用いられ、中でもポリエチレン−ビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、およびポリウレタン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む塗剤は、樹脂層(A)が低分子化してオリゴマーを生成することを抑止でき、また、ガスバリア性を補完できる点で好ましい。
<特性の評価方法>
本発明で用いた特性の評価方法は、下記のとおりである。
[分子量]ヘキサフルオロイソプロパノールを溶媒とし、40℃、1mL/分で、カラム(HFIP−LG+HFIP−806M×2本:SHODEX)を通し、分子量82.7万、10.1万、3.4万、1.0万、0.2万の分子量既知のPMMA(ポリメタクリル酸メチル)標準物質の示差屈折率検出による溶出時間から求めた検量線をあらかじめ作成し、その溶出時間から、重量平均分子量を計算した。
日本電子製JNM−30AL400を用いて、溶液プロトン核磁気共鳴法(1H−NMR)によりスペクトルを測定し、各ピークの積分強度より求められる組成比から重量%の形で算出した。
測定条件は溶媒をCDCl3:HFIP=1:1として室温にて溶解、試料濃度20mg/mLとし、パルス幅を4.4μs/45°、取り込み時間を9秒、積算回数を8回とし、27℃で測定した。
フローテスターCFT−500(島津製作所製)を用いて、口金長さを10mm、口金径を1.0mm、荷重を5,10,15,20kgと変更して、測定温度270℃、予熱時間5分で測定した。剪断速度と溶融粘度の関係を測定し、100sec−1近傍の溶融粘度を求めた。
JISK7121(1999)に基づいて、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置”ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション”SSC/5200”を用いて求めた。サンプルパンに、樹脂層(B)から削り取った樹脂組成物(2)のサンプルを5mgずつ秤量し、昇温速度は20℃/minで走査した。示差走査熱量測定チャートのガラス転移の階段状の変化部分において、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線とガラス転移の階段状の変化部分の曲線とが交わる点から、Tgを求めた。
JISB0601(1976)に従って、触針式表面粗さ計(小坂研究所(株)製、高精度薄膜段差測定器、形式ET30HK)を用いてフィルム(基材フィルム)の被蒸着面を測定した。なお、この時の条件は、触針径円錐型0.5μmR、荷重16mg、カットオフ0.08mmとした。粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦方向をY軸とし、粗さ曲線をy=f(X)で表した時、次の式によって求められる値(μm)を中心線平均表面粗さRaとする。
Ra=(1/L)∫|f(X)|dx
なお、同じサンプルについて同様の測定を任意に場所を変えて5回行い、得られた5つの値の平均値をRaとした。
偏光板を通して基材フィルムを観察し、異物、欠点、フィッシュアイの個数を数え、個数(個/m2)を記録した。測定は100mm×100mm、N=5で行った。
JIS−B−7509(1955)に従い、ダイヤルゲージ式厚み計を用いて測定した。
フィルムの長手方向−厚み方向断面を観察面とするように、ミクロトームを使用して超薄切片を作成した。このフィルム断面の薄膜切片を、透過型電子顕微鏡を用いて倍率2万倍でフィルム断面写真を撮影し、フィルム幅方向のセンター部の各層の厚みを確認した。
ASTM D882−64T(2002)に従い、基材フィルム中の樹脂層(A)の引張弾性率を測定した。基材フィルムが樹脂層(A)と樹脂層(B)との積層構成を有する場合には、積層フィルム全体の引張弾性率と、樹脂層(A)を剥離させ残った樹脂層(B)のみを有するフィルムの引張弾性率を測定し、引張弾性率が層の厚みに比例するものとして樹脂層(A)の引張弾性率を算出した。
蒸着フィルムを長手方向および幅方向に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。サンプルに100mmの間隔で標線を描き、3gの錘を吊して150℃に加熱した熱風オーブン内に30分間設置し加熱処理を行った。熱処理後の標線間距離を測定し、加熱前後の標線間距離の変化から熱収縮率を算出し、寸法安定性の指標とした。測定は各蒸着フィルムとも長手方向および幅方向に5サンプル実施して平均値で評価を行った。
ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、アッベ屈折計を用いて、基材フィルムの樹脂層(A)側の表面の長手方向屈折率(Nx)、幅方向屈折率(Ny)、厚み方向屈折率(Nz)を測定し、下式から面配向係数(fn)を算出した。マウント液はジヨードメタンを用いた。
fn=(Nx+Ny)/2−Nz
温度35℃、湿度0%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の酸素透過率測定装置(機種名、“オキシトラン”(登録商標)(“OXTRAN”2/20))を使用して、JIS K7126−2(2006)に記載の電解センサ法に基づいて測定した。測定は、蒸着層側から酸素気流を当て、反対側で検出する測定方式で2回行い、2つの測定値の平均値を各実施例と比較例における酸素透過率の値とした。各実施例・比較例について、2枚の試験片で行った結果を酸素透過率の値とした。
温度35℃、湿度0%RHの条件でジーエルサイエンス(株)製混合ガス透過率測定装置GPM−250を使用して、JIS K7126−2(2006)に記載のガスクロマトグラフ法に基づいて測定した。測定は、蒸着層側から炭酸ガス気流を当て、蒸着層とは反対側で検出する測定方式で2回行い、2つの測定値の平均値を各実施例と比較例における炭酸ガス透過率の値とした。各実施例・比較例について、2枚の試験片で行った結果を炭酸ガス透過率の値とした。
温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の水蒸気透過率測定装置(機種名、“パ−マトラン”(登録商標)W3/31)を使用して、JIS K7129(2000)に記載のB法(赤外センサー法)に基づいて、水蒸気透過率を測定した。測定は、蒸着層側から水蒸気流を当て、蒸着層とは反対側で検出する測定方式で2回行い、2つの測定値の平均値を各実施例と比較例における水蒸気透過率の値とした。各実施例・比較例について、2枚の試験片で行った結果を水蒸気透過率の値とした。
[ポリエチレンテレフタレート(PET)の重合]
テレフタル酸ジメチル194重量部とエチレングリコール124重量部に、酢酸マグネシウム4水塩0.1重量部および三酸化アンチモン0.05重量部を加え、140〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行った。ついで、重縮合反応缶に移行し、リン酸0.05重量部のエチレングリコール溶液を加えて5分間撹拌した後、低重合体を30rpmで撹拌しながら、反応系を230℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、100Paまで減圧した。3時間重合反応させ所定の撹拌トルクとなった時点で重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングし、その後、回転式反応容器に仕込み、190℃、67Paの減圧下において5時間固相重合を行い、固有粘度0.79のポリエチレンテレフタレートのペレットを得た。270℃100sec−1での溶融粘度は4800poiseだった。
テレフタル酸100重量部、1,4−ブタンジオール110重量部の混合物を窒素雰囲気下で140℃まで昇温して均一溶液とした。その後、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.067重量部、モノヒドロキシブチルスズオキサイド0.067重量部を加え160℃〜230℃まで昇温し、生成する水とテトラヒドロフランを留出しつつエステル化反応を行った。エステル化反応生成物を重縮合反応缶に移行し、テトラ−n−ブチルチタネート0.09重量部、安定剤として日本チバガイギー社製‘イルガノックス1010’0.13重量部およびリン酸0.026重量部を添加した。ついで、反応系を230℃から徐々に250℃まで昇温するとともに、常圧から133Pa以下に減圧した。2時間50分後に重縮合反応を終了させ、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングして固有粘度0.90のポリブチレンテレフタレートのペレットを得た。その後、回転式反応容器に仕込み、190℃、67Paの減圧下において8時間固相重合を行い、のポリブチレンテレフタレート樹脂を得た。得られたポリブチレンテレフタレートの固有粘度は1.20、融点は230℃、270℃100sec−1での溶融粘度は3000poiseだった。
テレフタル酸150重量部とエチレングリコール87重量部にユニケマ社製水素添加ダイマー酸‘PRIPOL1009’を8重量部添加し、窒素雰囲気下で140℃まで昇温して均一溶液とした。その後、160℃〜230℃、0.2MPaまで昇温、加圧し、生成する水を留出しつつエステル化反応を行った。重縮合反応缶に移行し、リン酸0.05重量部のエチレングリコール溶液、および三酸化アンチモン0.05重量部を加えて5分間撹拌した後、低重合体を30rpmで撹拌しながら、反応系を230℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、100Paまで減圧した。3時間重合反応させ所定の撹拌トルクとなった時点で重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングした後、回転式真空乾燥機にて140℃で4時間乾燥し、固有粘度0.72の共重合ポリエステル(融点245℃)を得た。270℃100sec−1での溶融粘度は3000poiseだった。
固有粘度0.9dl/g、融点222℃のポリプロピレンテレフタレート樹脂(シェル化学(株)製“コルテラ”(登録商標)CP509201)を準備した。
分子量18万、融点221℃、Tg42℃、270℃100sec−1での溶融粘度3500poiseのホモポリグリコール酸樹脂を準備し、回転式真空乾燥機にて150℃4時間乾燥して用いた。
分子量17万、融点205℃、Tg40℃、270℃100sec−1での溶融粘度 3000poiseのLラクチド10モル共重合ポリグリコール酸を準備した。
分子量17万、融点190℃、Tg40℃、270℃100sec−1での溶融粘度 3000poiseのLラクチド18モル共重合ポリグリコール酸を準備した。
可塑剤として、平均分子量12,000のポリエチレングリコール72重量部とL−ラクチド28重量部に対し、オクチル酸錫0.07重量部を混合し、撹拌装置付きの反応容器中で窒素雰囲気中190℃で60分間重合し、平均分子量2,330のポリ乳酸セグメントを有する、ポリエチレングリコールとポリ乳酸のブロック共重合体を作製した。ポリ乳酸(ネーチャーワークス製D体1.2モル%、分子量16万 融点168℃ Tg 58℃)80重量部と可塑剤20重量部、カルボジイミド系架橋剤(“カルボジライト”(登録商標)LA−1日清紡製)0.5重量部の混合物を100℃で4時間、5torrの真空下で減圧乾燥した後、シリンダー温度190℃の2軸混練押出機に供して溶融混練し均質化した後にチップ化した組成物を得た。その後、回転式真空乾燥機にて100℃で4時間乾燥して用いた。
回転式真空乾燥機にて100℃で4時間乾燥したポリ乳酸(ネーチャーワークス製 D体1.2モル%、分子量16万 融点168℃ Tg 58℃)のペレット70重量部と、回転式真空乾燥機にて50℃で8時間乾燥したポリ乳酸(ネーチャーワークス製 D体12モル%、分子量16万 Tg 58℃)のペレット30重量部をブレンドしたものを用いた。
(EVOH系塗剤)
エチレン−ビニルアルコール系塗剤エクセバール(登録商標)RS−4105(クラレ製、エチレン含量5モル%、鹸化度98.5モル%)水/イソプロピルアルコール(重量比9:1)で希釈し、固形分濃度10重量%溶液とした。
分子量3.6万、水酸基価70mg(KOH/g)、Tg93℃、ニトリル含有量18重量%のポリアクリロニトリル系塗剤をメチルエチルケトンで希釈し固形分濃度10重量%溶液とした。
ウレタン基濃度とウレア基濃度の合計32.5重量% 酸価25.1mg(KOH/g)のポリウレタン系塗剤を水/イソプロピルアルコール(重量比9:1)で希釈し、固形分濃度10重量%溶液とした。
単軸押出機−1に樹脂層(A)となる樹脂組成物(1)としてPGA1を100重量部供給し、265℃で押出、平均目開き25μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過した後、口金より25℃の温度のドラムに巻き付けてシート状に冷却固化した。該フィルムを60℃でロールにて長手方向に4.4倍に延伸、ただちに室温に冷却し、テンターに導き、延伸50℃の温度で幅方向に4.4倍延伸し、次いで幅方向に5%の弛緩を与えつつ190℃の温度で熱処理をし二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは15μmであった。
延伸・熱処理条件を表1のとおり変更したほかは参考例1と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
樹脂組成物(1)をPGA2 100重量部とし、延伸・熱処理条件を表1のとおり変更した他は参考例1と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
樹脂組成物(1)をPGA3 100重量部とし、延伸・熱処理条件を表1のとおり変更した他は参考例1と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
押出の際、フィルターでのポリマー濾過工程を設けず、延伸・熱処理条件を表1のとおり変更した他は参考例1と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
単軸押出機−1に樹脂層(A)となる樹脂組成物(1)としてPET1を100重量部供給し、285℃で押出、平均目開き15μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過した後、口金より25℃の温度のドラムに巻き付けてシート状に冷却固化した。該フィルムを90℃でロールにて長手方向に3.8倍に延伸、ただちに室温に冷却し、テンターに導き、延伸100℃の温度で幅方向に3.9倍延伸し、次いで幅方向に5%の弛緩を与えつつ230℃温度で熱処理をし二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは15.0μmであった。その後参考例1と同様に蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
ただし、表中の記載は下記の通りである。
MD:フィルム長手方向
TD:フィルム幅方向
PGA1:ポリグリコール酸
PGA2:Lラクチド10モル共重合ポリグリコール酸
PGA3:Lラクチド15モル共重合ポリグリコール酸
fn:面配向係数
単軸押出機−1に樹脂層(A)となる樹脂組成物(1)としてPGA1を100重量部を供給し、265℃で押出、平均目開き25μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過させ単軸押出機−2に樹脂層(B)となる樹脂組成物(2)としてPBT60重量部、PET40重量部を供給し、270℃で押出、平均目開き12μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過させた後、多層口金にて樹脂層(A)/樹脂層(B)の二層構成となるよう積層させ、25℃の温度のドラムに巻き付けてシート状に冷却固化した。該フィルムを、ロールにて60℃で長手方向に4.0倍に延伸、ただちに室温に冷却し、テンターに導き、50℃の温度で幅方向に4.0倍延伸し、次いで幅方向に5%の弛緩を与えつつ190℃の温度で熱処理をし二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは15.0μmであり、樹脂層(A)/樹脂層(B)の厚み比は1:5であった。得られたフィルムについて窒素と炭酸ガスの混合気体(炭酸ガス濃度比15体積%)雰囲気下で、フィルム温度を60℃に保ちつつ、30W・分/m2でコロナ放電処理を施して巻き取った。フィルム走行装置を具備した真空蒸着装置内にセット、1.00×10−2Paの高減圧状態にした後に、20℃の冷却金属ドラムを介して走行させた。このとき、アルミニウム金属を加熱蒸発し、酸素ガスを吹き込みながらフィルムの樹脂層(A)側に蒸着層を形成した。蒸着後、真空蒸着装置内を常圧に戻して、巻取ったフィルムを巻き返し、40℃の温度で2日間エージングして、蒸着フィルムを得た。なお、蒸着フィルムの光学濃度は蒸着中にインラインで確認し0.08となるよう制御した。
樹脂層(B)の成分、延伸・熱処理条件を表2のとおり変更したほかは参考例8と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
樹脂層(B)となる樹脂組成物(2)としてPPT 80重量部、PET 20重量部と変更した他は参考例8と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
樹脂層(B)となる樹脂組成物(2)としてPET−DA 100重量部と変更した他は参考例8と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
参考例8で製膜した二軸延伸フィルムを用い、同様にコロナ処理を行った後、蒸着源を酸化珪素に変更して蒸着フィルムを得た。
参考例9で製膜した二軸延伸フィルムを用い、同様にコロナ処理を行った後、蒸着源を酸化珪素に変更して蒸着フィルムを得た。
樹脂層(B)の成分を変更し、蒸着源をアルミに変更した以外は、参考例8と同様にして蒸着フィルムを得た。
押出の際、フィルターでのポリマー濾過工程を設けず、延伸・熱処理条件を表2のとおり変更した他は参考例7と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
比較例2で用いた製膜した二軸延伸フィルムを用い、コロナ処理を行った後、参考例7と同様に蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
ただし、表中の記載は下記の通りである。
PBT:ポリブチレンテレフタレート
PET:ポリエチレンテレフタレート
PPT:ポリプロピレンテレフタレート
PET−DA:ポリエチレンテレフタレート/ダイマー酸共重合ポリエステル
単軸押出機−1に樹脂層(A)となる樹脂組成物(1)としてPGA2を100重量部供給し、265℃で押出、平均目開き25μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過させ、単軸押出機−2に樹脂層(B)となる樹脂組成物(2)としてPLA1を100重量部供給し、240℃で押出、平均目開き25μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過させた後、多層口金にて積層させ、25℃の温度のドラムに巻き付けてシート状に冷却固化した。該フィルムを、延伸60℃、ロールにて長手方向に3.0倍に延伸、ただちに室温に冷却し、テンターに導き、延伸60℃の温度で幅方向に3.0倍延伸し、次いで幅方向に5%の弛緩を与えつつ150℃の温度で熱処理をし二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは15.0μmであり、樹脂層(A)/樹脂層(B)の厚み比は1:3.8であった。以降の蒸着加工は参考例8と同様に行った。
樹脂層(A)となる樹脂組成物(1)としてPGA1を100重量部供給し、延伸・熱処理条件を表3のとおり変更したほかは、比較例26と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
延伸・熱処理条件を表3のとおり変更したほかは、比較例26と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
比較例26で製膜した二軸延伸フィルムを用い、同様にコロナ処理を行った後、蒸着源を酸化珪素に変更して蒸着フィルムを得た。
樹脂層(B)となる樹脂組成物(2)としてPLA2を100重量部供給し、延伸・熱処理条件を表3のとおり変更したほかは、比較例26と同様にフィルム厚み15.0μmとなるよう製膜し、その後蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
蒸着源をアルミに変更した以外は、実施例31と同様に蒸着フィルムを得た。
蒸着源をアルミに変更した以外は、実施例33と同様に蒸着フィルムを得た。
単軸押出機−1に樹脂層(A)となる樹脂組成物(1)としてPLA1を100重量部を供給し、230℃で押出、平均目開き25μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過した後、口金より25℃の温度のドラムに巻き付けてシート状に冷却固化した。該フィルムを85℃でロールにて長手方向に3.5倍に延伸、ただちに室温に冷却し、テンターに導き、延伸75℃の温度で幅方向に3.5倍延伸し、次いで幅方向に5%の弛緩を与えつつ150℃の温度で熱処理をし参考例8と同様に蒸着加工を施し、蒸着フィルムを得た。
単軸押出機−1に樹脂層(A)となる樹脂組成物(1)としてPGA1を100重量部を供給し、265℃で押出、平均目開き25μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過させ単軸押出機−2に樹脂層(B)となる樹脂組成物(2)としてPBT60重量部、PET40重量部を供給し、270℃で押出、平均目開き12μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルターにてポリマーを濾過させた後、多層口金にて樹脂層(A)/樹脂層(B)の二層構成となるよう積層させ、25℃の温度のドラムに巻き付けてシート状に冷却固化した。該フィルムを、ロールにて60℃で長手方向に4.0倍に延伸、ただちに室温に冷却したのち、樹脂層(A)面にコロナ処理を行い、調製したEVOH系塗剤をフィルム上に流延し、番手6のバーコーターにて塗布した。その後テンターに導き、60℃の温度で幅方向に4.0倍延伸し、次いで幅方向に5%の弛緩を与えつつ190℃の温度で熱処理をし二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは15.0μmであり、樹脂層(A)/樹脂層(B)の厚み比は1:5であった。得られたフィルムについて窒素と炭酸ガスの混合気体(炭酸ガス濃度比15体積%)雰囲気下で、フィルム温度を60℃に保ちつつ、30W・分/m2でコロナ放電処理を施して巻き取った。フィルム走行装置を具備した真空蒸着装置内にセット、1.00×10−2Paの高減圧状態にした後に、20℃の冷却金属ドラムを介して走行させた。このとき、アルミニウム金属を加熱蒸発し、酸素ガスを吹き込みながら蒸着薄膜層を形成した。蒸着後、真空蒸着装置内を常圧に戻して、巻取ったフィルムを巻き返し、40℃の温度で2日間エージングして、蒸着フィルムを得た。なお、蒸着フィルムの光学濃度は蒸着中にインラインで確認し0.08となるよう制御した。
コート剤をウレタン系塗剤に変更した他は参考例36と同様に製膜、蒸着加工し、蒸着フィルムを得た。
参考例8で得られた二軸延伸フィルムを巻き取った後、樹脂層(A)面にコロナ処理を施し、PAN系塗剤を番手4のコーターにて塗布し、100℃で乾燥させた。その後の蒸着加工は参考例8と同様に行い、蒸着フィルムを得た。
参考例8で得られた蒸着済みのフィルムの蒸着面上にEVOH系塗剤を番手4バーコーターにて塗布し、100℃で乾燥させフィルムを得た。
コート剤をPAN、ウレタン系塗剤とした他は参考例39と同様に塗布しフィルムを得た。
参考例37で得られた蒸着フィルムの蒸着面上にPAN系塗剤を番手4のバーコーターにて塗布し、100℃で乾燥させフィルムを得た。
ただし、表中の記載は下記の通りである。
EVOH:エチレン−ビニルアルコール系塗剤
PAN:ポリアクリロニトリル系塗剤
PU:ウレタン系塗剤
Claims (4)
- 樹脂組成物(1)からなる樹脂層(A)および樹脂組成物(2)からなる樹脂層(B)を少なくとも有するフィルムであり、樹脂層(A)の少なくとも片面に、金属または無機酸化物からなる蒸着層を有し、樹脂組成物(1)が、化1に示す構造を70モル%以上有するポリグリコール酸を含み、樹脂層(A)の蒸着層側の面の中心線平均粗さが5nm〜50nmであり、樹脂組成物(2)のガラス転移温度が65℃以下であり、樹脂層(B)、樹脂層(A)、蒸着層が、この順に積層されており、樹脂組成物(2)が、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、ポリオレフィン、およびこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでなり、水蒸気透過率が0.45g/(m 2 ・day)以下であることを特徴とする蒸着フィルム。
- 樹脂組成物(2)が、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートを、ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート=95/5〜5/95の重量比で含んでなる、請求項1に記載の蒸着フィルム。
- 蒸着フィルムを150℃で30分間熱処理した後の、長手方向の熱収縮率が8%以下、幅方向の熱収縮率が8%以下である、請求項1または2に記載の蒸着フィルム。
- 幅方向の延伸温度を45〜55℃として得られることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の蒸着フィルム。
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