JP2003020348A - 金属板貼合せ用ポリエステルフィルム - Google Patents

金属板貼合せ用ポリエステルフィルム

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JP2003020348A
JP2003020348A JP2001210420A JP2001210420A JP2003020348A JP 2003020348 A JP2003020348 A JP 2003020348A JP 2001210420 A JP2001210420 A JP 2001210420A JP 2001210420 A JP2001210420 A JP 2001210420A JP 2003020348 A JP2003020348 A JP 2003020348A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ラミネート性、成形加工性、味特性および耐衝
撃性に優れた金属容器に好適な金属板貼合せ用ポリエス
テルフィルムを提供することにある。 【解決手段】融点が246〜270℃のエチレンテレフ
タレートを主たる繰返し単位とするポリエステル(A)
30〜80重量%と、ブチレンテレフタレートを主たる
繰返し単位とするポリエステル(B)70〜20重量%
を混合してなるポリエステル層(I)からなるポリエス
テルフィルムであって、ポリエステル(A)とポリエス
テル(B)のエステル交換反応率が0.01〜50%で
ある金属板貼合せ用ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板貼合せ用ポ
リエステルフィルムに関するものである。詳しくは、ア
ルミニウム板などの金属板に接着剤を使用してもしくは
使用せずにラミネートした後、絞りやしごき加工により
容器に容易に成形することが可能であり、さらには味特
性、耐衝撃性に優れた金属板貼合せ用ポリエステルフィ
ルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属容器の内面および外面は腐食
防止を目的として、エポキシ系あるいはフェノール系な
どの各種熱硬化性樹脂を溶剤に溶解または分散させたも
のを塗布し、金属表面を被覆することが広く行われてい
た。しかしながら、このような熱硬化性樹脂による被覆
方法は、塗料の乾燥に長時間を要し、生産性が低下した
り、多量の有機溶剤による環境汚染など好ましくない問
題がある。
【0003】これらの問題を解決する方法としては、金
属容器の材料である、アルミニウム板、鋼板あるいは該
金属板にメッキなど各種の表面処理を施した金属板に、
フィルムをラミネートする方法がある。そして、フィル
ムのラミネート金属板を絞り成形やしごき成形加工して
金属容器を製造する場合、フィルムには次のような特性
が要求される。 (1)金属板へのラミネート性に優れていること。 (2)金属板との密着性に優れていること。 (3)成形性に優れ、成形後にピンホールなどの欠陥を生
じないこと。 (4)金属容器に対する衝撃によって、ポリエステルフィ
ルムが剥離したり、クラッ ク、ピンホールが発生し
たりしないこと。 (5)容器の内容物の香り成分がフィルムに吸着したり、
フィルムからの溶出物によ って内容物の風味がそこ
なわれないこと(以下、味特性と記載する)。 (6)容器の外面に用いる場合には、印刷性、意匠性に優
れていること。
【0004】これらの要求を解決するために多くの提案
がなされている。例えば、特開平9−194604号公
報には、特定の極限粘度を有するポリエステルをブレン
ドしたフィルムが開示され、また例えば特開2000−
313755号公報には特定の昇温結晶化温度を有する
フィルムが開示されている。さらには、特許第2851
468号公報、特許第2908160号公報、特許第2
908191号公報、特許第2908192号公報、特
許第2908195号公報、特許第2908196号公
報、特許第3016936号公報、特許第301694
3号公報、特許第3048725号公報などでは、24
5℃以下の融点を有する共重合ポリエステルとポリブチ
レンテレフタレートのブレンドフィルムまたは該フィル
ムに共重合ポリエステルを積層した積層フィルムが開示
されている。しかしながら、これらの提案は、上述のよ
うな多岐にわたる要求特性を必ずしも総合的に満足でき
るものではなく、特に優れたラミネート性、成形性が要
求される用途での味特性、耐衝撃性を両立することは困
難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来技術の問題点を解消することにあり、ラミネー
ト性、成形加工性、味特性および耐衝撃性に優れた金属
容器に好適な金属板貼合せ用ポリエステルフィルムを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、エチレンテ
レフタレートを主たる繰返し単位とし、融点が246〜
270℃のポリエステル(A)30〜80重量%と、ブ
チレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエ
ステル(B)70〜20重量%を混合してなるポリエス
テル層(I)からなるポリエステルフィルムであって、
ポリエステル(A)とポリエステル(B)のエステル交
換反応率が0.01〜50%である金属板貼合せ用ポリ
エステルフィルムによって達成することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の金属板貼合せ用ポリエス
テルフィルムを構成するポリエステルとは、主鎖中の主
要な結合をエステル結合とする高分子の総称であって、
通常ジカルボン酸成分とグリコール成分を重縮合反応さ
せることによって得ることができる。
【0008】ここでジカルボン酸成分としては、例え
ば、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルス
ルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン
酸、5−ナトリウムスルホンジカルボン酸、フタル酸な
どの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸
などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン
酸などの脂環族ジカルボン酸、パラオキシ安息香酸など
のオキシカルボン酸などを挙げることができる。
【0009】また、グリコール成分としては、例えば、
エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコールなどの脂肪族グリコール、ジエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コールなどのポリオキシアルキレングリコール、シクロ
ヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族グリコール
などが挙げられる。
【0010】本発明のポリエステルフィルムを構成する
ポリエステル(A)は、エチレンテレフタレートを主な
繰返し単位とすることが必要である。ここでエチレンテ
レフタレートとはジカルボン酸成分としてテレフタル
酸、グリコール成分としてエチレングリコールを用いた
縮合物であり、ポリエステル(A)がテレフタル酸とエ
チレングリコールのみからなるポリエチレンテレフタレ
ートであると好ましい。また、他のジカルボン酸成分お
よびグリコール成分を6モル%未満の範囲で共重合して
もよく、共重合成分としては、上記したジカルボン酸成
分およびグリコール成分などが挙げられる。また、本発
明の効果を阻害しない限りにおいて、トリメリット酸、
トリメシン酸、トリメチロールプロパンなどの多官能化
合物を共重合してもよい。
【0011】本発明のポリエステル(A)の融点は耐熱
性、生産性の観点から246〜270℃であることが必
要である。耐熱性の観点から融点が250〜265℃で
あるとさらに好ましい。
【0012】また、ポリエステル(A)の固有粘度は耐
衝撃性の観点から0.6〜1.0であることが好まし
く、特に耐熱性、耐経時性が要求される用途では、固有
粘度が0.63〜0.9であることが好ましく、0.6
7〜0.8であるとさらに好ましい。
【0013】本発明のポリエステルフィルムを構成する
ポリエステル(B)は、ブチレンテレフタレートを主な
構成単位とすることが必要である。ここでブチレンテレ
フタレートとはジカルボン酸成分としてテレフタル酸、
グリコール成分として1,4−ブタンジオールを用いた
縮合物であり、ポリエステル(B)がテレフタル酸と
1,4−ブタンジオールからなるポリブチレンテレフタ
レートであると好ましい。また、他のジカルボン酸成分
およびグリコール成分を本発明の効果を阻害しない限り
において共重合してもよく、共重合率は20モル%未満
であることが好ましい。共重合成分としては、上記した
ジカルボン酸成分およびグリコール成分などが挙げられ
る。
【0014】また、ポリエステル(B)の固有粘度は耐
衝撃性の観点から1.0以上であることが好ましい。さ
らに好ましくは1.1〜2.5であり、生産性の点から
1.1〜2.0の範囲であるとより一層好ましい。
【0015】本発明のポリエステルフィルムは生産性、
ラミネート性、成形性および耐衝撃性の点から上記した
ポリエステル(A)30〜80重量%とポリエステル
(B)70〜20重量%を混合してなるポリエステル層
(I)からなることが必要である。ポリエステル(B)
の混合率が70重量%を越えると結晶性が高くなり、製
膜性、成形性が悪化する場合があり、逆に20重量%未
満では耐衝撃性に劣る場合がある。より好ましくはポリ
エステル(B)の混合率が65〜30重量%である。ま
た、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、ポリエス
テル(A)および(B)以外の第3成分を混合してもよ
い。
【0016】ポリエステル(A)とポリエステル(B)
を混合する方法としては特に限定されるものではない
が、エステル交換反応の進行を抑える観点から、所定量
の混合比率で混合したポリエステル(A)および(B)
を押出機に供給し、溶融混練し、そのまま押出、キャス
ト、延伸工程を経て本発明のフィルムを得る方法が好ま
しく用いられる。
【0017】本発明の金属板貼合せ用ポリエステルフィ
ルムは耐衝撃性の点からポリエステル層(I)を構成す
るポリエステル(A)およびポリエステル(B)のエス
テル交換反応率が0.01〜50%であることが必要で
ある。エステル交換反応率が50%を越えるとポリエス
テルを(A)および(B)を混合して用いる意味がな
く、耐衝撃性が劣ってしまう。成形性、耐衝撃性の点か
らはエステル交換反応率はさらに好ましくは0.01〜
40%であり、0.01〜30%であるとより好まし
く、0.01〜20%であるとなお一層好ましい。
【0018】エステル交換反応率を0.01〜50%の
範囲内に制御する好ましい方法としては、ポリエステル
中に残存している触媒金属の活性を消失させるために、
ポリエステル原料を沸騰させた水中で熱処理する方法
や、ポリエステル(A)と(B)を混合して押出する際
にリン化合物を添加する方法などをとることができる。
ここで、沸騰させた水中で処理する方法では、その処理
時間は0.5〜8時間とするのが好ましい。また、リン
化合物の添加量としては0.001〜10重量%添加す
るのが好ましい。さらに好ましいリン化合物としては、
添加の際のハンドリングの観点から融点が50℃以上の
室温で固体のものが好ましい。
【0019】本発明のポリエステルフィルムは金属板と
の密着性、耐衝撃性の観点から、ポリエステル層(I)
のCOOH末端基量が20〜50mmol/kgである
ことが好ましい。より好ましくは25〜45mmol/
kgであり、30〜45mmol/kgであるとさらに
好ましい。ポリエステル層(I)のCOOH末端基量が
50mmol/kgを越えると、金属容器としての保存
性や耐衝撃性に問題がある場合があり、また、COOH
末端基量が20mmol/kg未満では金属板との密着
性が悪化する、COOH末端基量を20〜50mmol
/kgとする方法は特に限定されるものではないが、ポ
リエステル(A)および(B)のCOOH末端基量を各
々好ましい範囲内とするとともに、製膜の溶融押出時に
分子量低下を抑制することが好ましい方法である。溶融
押出時に分子量低下を抑制するために、ポリエステルを
乾燥後、空気雰囲気に曝さないのはもちろんのこと、1
00℃以上に加熱した窒素などの不活性雰囲気下もしく
は真空下のホッパー内から押出機に供給することは好ま
しい方法である。
【0020】本発明のポリエステルフィルムは成形性、
耐衝撃性の観点からポリエステル層(I)の固有粘度が
0.7以上であることが好ましい。さらに好ましくは
0.7〜1.5の範囲内であり、固有粘度が0.75〜
1.5であると耐衝撃性がさらに良好となるのでより一
層好ましい。
【0021】本発明のポリエステルフィルムは、ポリエ
ステル層(I)の少なくとも片面にポリエステル層(I
I)として、融点が200〜245℃のポリエステル
(C)を配置してなる積層フィルムとすることが、ラミ
ネート性、耐衝撃性の観点から好ましい。さらに、ポリ
エステル層(II)をポリエステル層(I)の両側に配
置してなる、A/B/A型の積層フィルムとすること
は、製膜時のフィルムの反りを抑制することができ、さ
らに積層面の間違いによる生産ミスを防止できるという
点からもさらに好ましい。ここでポリエステル(C)は
上記したジカルボン酸成分とグリコール成分などを重縮
合反応させて得ることができ、共重合ポリエステルであ
っても構わない。また、金属板との密着性、耐衝撃性の
観点からポリエステル(C)の融点はさらに好ましく
は、200〜240℃であり、200〜230℃の範囲
内であればより一層好ましい。さらに、ポリエステル
(C)のCOOH末端基量が25mmol/kg以上で
あれば金属との密着性の点で好ましく、さらに好ましく
は30〜50mmol/kgである。さらに、ポリエス
テル(C)の固有粘度は成形性、耐衝撃性の観点から
0.7〜1.2であると好ましい。
【0022】また、ポリエステル(C)に2種類以上の
異なる樹脂を混合して用いることは、本発明の効果を阻
害しない限りにおいて、特に限定されるものではなく、
ポリエステルにポリエステル以外の樹脂を混合して用い
ても構わない。
【0023】さらに、本発明のポリエステル(C)から
なるポリエステル層(II)には、フィルムの取扱性、
加工性を向上させる目的で、平均粒子径0.6〜4.0
μmの粒子を0.01〜0.5重量%添加させることが
好ましい。平均粒子径が0.6μm未満では粒子を添加
した効果が低く、逆に4.0μmを越える粒子ではピン
ホール、粗大突起による押しキズ、擦りキズ等、フィル
ムの欠点となる場合がある。また、粒子を0.5重量%
を越えて添加すると加工の際、フィルム表面が削られる
場合がある。平均粒子径としてさらに好ましくは0.6
〜2.0μmであり、添加量としてさらに好ましくは
0.02〜0.3重量%、0.02〜0.2重量%だと
より一層好ましい。
【0024】添加する粒子としては、内部粒子、無機粒
子や有機粒子を用いることができるが、なかでも無機粒
子が好ましい。無機粒子としては、例えば、湿式および
乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミ、酸化チ
タン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化アルミ、マイカ、カオリン、クレーなどを挙げ
ることができる。また、内部粒子、無機粒子および有機
粒子は二種以上を併用してもよい。
【0025】また、ポリエステル層(I)にも上記した
粒子を上記した好ましい量添加することは、特に単層で
用いる場合にフィルムの取扱性、加工性の点で好まし
い。
【0026】さらに、本発明のポリエステル層(II)
は加工性の観点から該層表面の摩擦係数が0.1〜0.
3であると好ましい。摩擦係数が0.1未満であると製
膜時に巻き取る際に、巻きずれが発生する場合があり、
0.3を越えると加工時にフィルム削れが発生する場合
がある。摩擦係数としてさらに好ましくは0.15〜
0.25である。摩擦係数をかかる範囲とする方法とし
ては前述の粒子添加により達成する方法や、ポリエステ
ル(C)にシリコーン樹脂やワックスなどを0.01〜
1.0重量%添加する方法などを挙げることができる。
【0027】本発明の金属板貼合せ用フィルムはその厚
みが5〜40μmであることが、加工性、経済性、生産
性の観点から好ましく、さらに好ましくは8〜30μm
である。また、ポリエステル(C)を用いて積層フィル
ムとする場合にはその積層厚みの比は層(I):層(I
I)=1:1〜19:1であることが好ましい。さら
に、ポリエステル層(II)を層(I)の両側に配置し
てなる積層フィルムとする場合は、その積層厚みの比は
層(II):層(I):層(II)=1:1:1〜1:
38:1であることが好ましい。
【0028】また、本発明のポリエステルフィルムはラ
ミネート性、成形性、耐衝撃性の観点からフィルムの面
配向係数が0.04〜0.13の範囲内であることが好
ましい。さらに好ましくは0.05〜0.11である。
面配向係数が0.13を越えるとラミネート性、成形性
が悪化する場合があり、面配向係数が0.04未満であ
ると経時変化することで特性が悪化する場合がある。面
配向係数をかかる範囲とする方法としては、特に限定さ
れるものではないが、製膜の際の延伸温度、延伸倍率、
熱固定温度などを適切に制御することに達成する方法が
好ましい。
【0029】次に本発明のポリエステルフィルムに使用
するポリエステル樹脂の重合方法を記載する。
【0030】本発明のポリエステルを製造するに際して
は、従来公知の反応触媒、着色防止剤を使用することが
でき、反応触媒としては、例えば、アルカリ金属化合
物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、
マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合
物、アンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化
合物などを、着色防止剤としてはリン化合物などを使用
することができるが、特にこれらに限定されるものでは
ない。内容物取出性の観点からは、アルカリ金属化合物
および/もしくはアルカリ土類金属化合物を反応触媒に
用いることが好ましい。
【0031】通常、ポリエステルの製造が完結する以前
の任意の段階において、重合触媒としてアンチモン化合
物、ゲルマニウム化合物および/またはチタン化合物を
添加することが好ましい。このような方法としては、例
えば、ゲルマニウム化合物を例にすると、ゲルマニウム
化合物粉体をそのまま添加する方法や、あるいは特公昭
54−22234号公報に記載されているように、ポリ
エステルの出発原料であるグリコール成分中にゲルマニ
ウム化合物を溶解させて添加する方法を使用することが
できる。
【0032】かかるゲルマニウム化合物としては、例え
ば、二酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム水和物あ
るいはゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムエ
チレングリコキシドなどのゲルマニウムアルコキシド化
合物、ゲルマニウムフェノキシド化合物、リン酸ゲルマ
ニウム、亜リン酸ゲルマニウムなどのリン酸含有ゲルマ
ニウム化合物、酢酸ゲルマニウムなどを使用することが
できる。なかでも二酸化ゲルマニウムが好ましく用いら
れ、非晶質の二酸化ゲルマニウムが特に好ましく用いら
れる。
【0033】また、アンチモン化合物としては特に限定
されないが、例えば、三酸化アンチモンなどの酸化物、
酢酸アンチモンなどが使用される。また、さらにチタン
化合物としては、特に限定されないが、モノブチルチタ
ネートやジブチルチタネートなどやチタンテトラエトキ
シド、チタンテトラブトキシドなどのチタンテトラアル
コキシドが好ましく用いられる。
【0034】本発明のポリエステル(A)を重合する際
の重合触媒としては、上記の中でも特に非晶質二酸化ゲ
ルマニウムを用いるのが好ましい。また、ポリエステル
(B)の重合に際しては、モノブチルチタネートを重合
触媒として用いるのが特に好ましい。
【0035】次に具体的な例で説明する。例えば、ポリ
エチレンテレフタレートを製造するに際して、触媒とし
て二酸化ゲルマニウムを添加する場合には、テレフタル
酸成分とエチレングリコール成分をエステル交換または
エステル化反応させ、次に二酸化ゲルマニウム、リン化
合物を添加し、引き続き高温、減圧下で一定のジエチレ
ングリコール含有量になるまで重縮合させ、ゲルマニウ
ム元素含有重合体を得る方法が好ましく採用される。さ
らに好ましい方法としては、得た重合体をその融点以下
の温度において減圧下または不活性ガス雰囲気下で固相
重合反応し、アセトアルデヒドの含有量を減少させ、所
定の固有粘度、カルボキシ末端基を得る方法などが用い
られる。
【0036】次に本発明の金属板貼合せ用ポリエステル
フィルムの製造方法を記載する。フィルムの製膜方法と
しては特に限定されるものではないが、例えば、ポリエ
ステル(A)および(B)を所定の割合で混合後、ある
いは混合前に必要に応じて乾燥した後、十分に混合して
公知の溶融押出機に供給、溶融しスリット状のダイから
シート状に押出し、キャスティングドラムに密着させ冷
却固化し未延伸フィルムを得る。ここで、冷却ドラムに
シート状ポリマーを密着させる方法としては、たとえ
ば、ワイヤー状電極もしくはテープ状電極を使用して静
電印加する方法、キャスティングドラムと押出したポリ
マーシート間に水膜を設けたキャスト法、キャスティン
グドラム温度をポリエステルのガラス転移点〜(ガラス
転移点−20℃)にして押出したポリマーを粘着させる
方法、もしくはこれらの方法を複数組み合わせた方法な
どを好ましく用いることができる。これらの中でも、生
産性平面性の観点から静電印加する方法が好ましく使用
される。
【0037】次に、未延伸フィルムを用いて長手方向に
延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは幅方向に延伸
した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法、フィル
ムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二
軸延伸方法などにより延伸を行なう。
【0038】かかる延伸方法において、採用される延伸
倍率としては、それぞれの方向に好ましくは1.6〜
5.5倍、さらに好ましくは1.7〜4.5倍である。
また、延伸速度は1,000〜200,000%/分であ
ることが望ましく、延伸温度はポリエステルのガラス転
移点〜(ガラス転移点+100℃)の温度範囲であれば
任意の温度とすることができるが、好ましくは、80〜
140℃、特に好ましくは長手方向の延伸温度を90〜
125℃、幅方向の延伸温度を80〜130℃とするの
がよい。また、延伸は各方向に対して複数回行なっても
よい。
【0039】さらに二軸延伸の後にフィルムの熱処理を
行なうが、この熱処理はオーブン中、加熱されたロール
上など従来公知の任意の方法により行なうことができ
る。熱処理温度は120〜240℃の範囲の任意の温度
とすることができるが、成形加工性、耐衝撃性の点から
120〜230℃の熱処理温度であることが好ましい。
かかる温度より低温であれば、耐衝撃性が悪化し、高温
であれば成形加工性が悪化することがある。成形後の耐
衝撃性の点からは150〜220℃であればさらに好ま
しく、170〜210℃の範囲であればよりいっそう好
ましい。また、熱処理時間は他の特性を悪化させない範
囲において任意とすることができるが、通常1〜30秒
間行うのが好ましい。さらに、熱処理はフィルムを長手
方向および/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。
【0040】また、本発明の好ましい形態である積層フ
ィルムを得る方法としては、特に限定されるものではな
いが、ポリエステル(A)および(B)を混合したもの
とポリエステル(C)を各々別の押出機に供給して口金
上部に設置したフィードブロック内にて積層して一挙に
積層シートを得る共押出法、ポリエステル(A)および
(B)からなるフィルムを予め製膜し、ポリエステル
(C)を基材層上に押出ラミネートする方法、製膜途中
の未延伸もしくは一軸延伸したシート上に溶媒に溶解も
しくは分散させたポリエステル(C)をコーティング
し、少なくとも一軸延伸を行ない、熱処理を経て積層フ
ィルムを得る方法、および溶媒に溶解もしくは分散させ
たポリエステル(C)をオフラインでコーティングする
方法などを挙げることができる。生産性の面からは、一
挙に積層フィルムを得ることが可能である共押出法が好
ましい。
【0041】本発明の金属板貼合せ用フィルムは、アル
ミニウム板や鋼板、ブリキなどの金属板に貼り合せた
後、絞り成形やしごき成形によって製造する金属容器の
内面被膜用に好適に使用することができる。また、絞り
成形やしごき成形を施さない金属容器の胴、蓋、底の被
膜用としても良好な金属接着性、成形性および耐衝撃性
を有するため好ましく使用することができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
る。なお、特性は以下の方法により測定、評価した。
【0043】(1)固有粘度 ポリエステルもしくはポリエステルフィルムをオルソク
ロロフェノールに溶解し、25℃において測定した。積
層フィルムの場合は、(II)層を削り取った後に測定
に供した。
【0044】(2)融点 ポリエステルを結晶化させた後、約10mg精秤し、示
差走査熱量計(パーキンエルマー社製 DSC2型)に
て、20℃/分の昇温速度で測定し、融解に伴う吸熱ピ
ークのピーク位置から融点を求めた。
【0045】(3)面配向係数 アッベ式屈折計を用いて、ナトリウムD線に対するフィ
ルムの長手方向の屈折率Nx、幅方向の屈折率Nyおよ
び厚み方向の屈折率Nzを23℃で測定した。それぞれ
の屈折率より面配向係数を下記の式で求めた。その際、
マウント液としてヨウ化メチレンを使用し、屈折計の接
眼部に偏光板アナライザーを取り付けて測定を行った。
【0046】 面配向係数 = (Nx+Ny) / Nz (4)エステル交換反応率 ポリエステル層(I)のみを削り取り、重水素化クロロ
ホルムに3重量%溶解後、プロトン核磁気共鳴分光法
(1H−NMR:500MHz)を用いてエチレンテレ
フタレート単位/ブチレンテレフタレート単位およびそ
のエステル交換に起因するピークに対してカーブ分離を
行い、ピークの積分値を求め、下記の式でエステル交換
反応率を算出した。
【0047】(式) エステル交換反応率=SEB/(S
E+SB+SEB)*100 ただし、SE:エチレンテレフタレートに帰属されるピ
ークの積分値、SB:ブチレンテレフタレートに帰属さ
れるピークの積分値、SEB:エチレンテレフタレートと
ブチレンテレフタレートがエステル交換したことにより
現れるピークの積分値 (5)COOH末端基量 ポリエステルもしくはフィルムをオルソクロロフェノー
ル/クロロホルム(重量比7/3)に90〜100℃2
0分の条件で溶解し、アルカリで電位差適定を行い求め
た。積層フィルムの場合は、(II)層を削り取った後
に測定に供した。
【0048】(6)平均粒子径 フィルムの表面からポリエステル樹脂をプラズマ低温灰
化処理法で除去し粒子を露出させる。処理条件はポリエ
ステル樹脂は灰化されるが粒子はダメージを受けない条
件を選択する。これを走査型電子顕微鏡(SEM)で観
察し、粒子の画像をイメージアナライザーで処理する。
観察箇所を変えて粒子数5000個以上で次の数値処理
を行いそれによって求めた数平均径Dを平均粒径とす
る。
【0049】D=ΣDi /N ここで、Di は粒子の円相当径、Nは粒子数である。
【0050】なお、内部粒子ではフィルムの切片断面を
透過型顕微鏡観察により行ってもよい。
【0051】(7)摩擦係数 フィルムを幅12.7mmのテープ状にスリットしたス
リットフィルムを、テープ走行試験器を用いてステンレ
ス製ガイドピン(表面粗度:Raで100nm)上を走
行させる(走行速度250m/分、巻き付け角60°、
出側張力90g、走行回数1回)。このとき、入り側の
張力をTiとして、次式を用いて摩擦係数を算出した。 摩擦係数=2.20log(90/Ti) (8)ラミネート性 215℃に加熱したティンフリースチール鋼板(厚さ
0.24mm)にフィルムを20m/分で貼り合せた
後、40℃の水槽で急冷した。その後、該フィルムラミ
ネート鋼板をフィルムの最高融点+15℃で10秒間熱
処理後、再度水槽で急冷した。該ラミネート鋼板より長
手方向に長さ50mm、幅15mmの矩形型サンプル片
を切り出した。サンプル片の端10mmのフィルムと鋼
板をはく離し、その後引張試験機を用いて300mm/
分の速度ではく離強度の測定を行った。10回に渡り測
定を実施し、その時の平均値にて下記の基準で評価し
た。なお、2層積層フィルムの場合は、ポリエステル層
(II)側を鋼板への貼り合せ面とした。 A級:0.7kg/15mm以上 B級:0.7〜0.3kg/15mm C級:0.3kg/15mm未満 (7)成形性 上記ラミネート鋼板を絞り成形機で成形(成形比(最大
厚み/最小厚み)=1.8)し、容器を得た。得られた
容器内に1%の塩化ナトリウム水溶液を入れ37℃で5
0時間放置後、塩化ナトリウム水溶液中の電極と金属容
器に6Vの電圧をかけて3秒後の電流値を読みとり、容
器10個について測定し、平均値を下記の基準で評価し
た。 A級:0.001mA未満 B級:0.001〜0.01mA C級:0.01mA以上 (8)味特性 上記ティンフリースチール鋼板をアルミニウム板(厚さ
0.22mm)に変更して、上記と同様に製容器した容
器に120℃×30分の加圧水蒸気処理を行った後、水
を充填し、密封後37℃で4週間放置し、その後開封し
てフィルムからの溶出成分による濁度測定を濁度計(安
井器械製 高感度濁度・色度計 TUB801)にて行
ない、以下の基準で評価を行なった。なお、濁度の測定
にあたっては、予め水質試験用濁度標準液(和光純薬
(株)製)にて検量線を作成して行なった。 A級:0.10未満 B級:0.15〜0.10 C級:0.15以上。
【0052】(9)耐衝撃性 上記アルミニウム容器を加圧水蒸気処理後、水を満た
し、5℃に冷却後、高さ1.3mから塩化ビニル製タイ
ル床面に落下させた後、37℃で1週間放置した。その
後水中の電極とアルミニウム容器に6Vの電圧をかけ3
秒後の電流値を読みとり、容器10個について測定し、
平均値を下記の基準で評価した。 A級:0.003mA未満 B級:0.003〜0.01mA C級:0.01mA以上 (実施例1)ポリエステル(A)として沸騰水で5時間
処理を行ったポリエチレンテレフタレートを、ポリエス
テル(B)としてイソフタル酸10モル%共重合ポリブ
チレンテレフタレートを、重量比1:1で混合して使用
した。また、ポリエステル(C)としてカルナウバワッ
クスを0.6重量%添加したイソフタル酸12モル%共
重合ポリエチレンテレフタレートを用いた。それぞれの
ポリエステルの物性を表1に示した。
【0053】各々のポリエステル(A+BとC)を個別
に真空乾燥した後、個別の押出機にて溶融押出を行な
い、口金上部に設置したフィードブロック内にて積層
し、口金から25℃に冷却した金属ロール上に静電印加
を行ないながら吐出させA/B/A型の積層未延伸シー
トを得た。
【0054】次いで、該未延伸シートを80℃に加熱
し、長手方向に3.0倍延伸し、テンター式延伸機にお
いて幅方向に95℃で3.0倍延伸した。その後、テン
ター内で3%のリラックスをかけながら、210℃で熱
処理を5秒間施した後、巻き取って二軸延伸積層ポリエ
ステルフィルムを得た。この二軸延伸積層ポリエステル
フィルムを評価したところ、表3に示した物性を有して
おり、表5に示すように優れた特性を有していた。
【0055】(実施例2)ポリエステル(A)として沸
騰水で4時間処理を行ったポリエチレンテレフタレート
を、ポリエステル(B)としてイソフタル酸10モル%
共重合ポリブチレンテレフタレートを、ポリエステル
(A)の混合率が65重量%となるように混合して使用
した。また、ポリエステル(C)としてイソフタル酸1
0モル%共重合ポリエチレンテレフタレートを用いた。
それぞれのポリエステルの物性を表1に示した。
【0056】各々のポリエステル(A+BとC)を個別
に真空乾燥した後、個別の押出機にて溶融押出を行な
い、口金上部に設置したフィードブロック内にて積層
し、口金から20℃に冷却した金属ロール上に静電印加
を行ないながら吐出させA/B型の積層未延伸シートを
得た。
【0057】次いで、該未延伸シートを85℃に加熱
し、長手方向に3.2倍延伸し、テンター式延伸機にお
いて幅方向に98℃で3.1倍延伸した。その後、テン
ター内で4%のリラックスをかけながら、215℃で熱
処理を4秒間施した後、巻き取って二軸延伸積層ポリエ
ステルフィルムを得た。この二軸延伸積層ポリエステル
フィルムを評価したところ、表3に示した物性を有して
おり、表5のとおり優れた特性を有していた。
【0058】(実施例3)ポリエステル(A)として沸
騰水で5時間処理を行い、かつ予め二軸のベント式押出
機でリン酸を0.1重量%添加したポリエチレンテレフ
タレートを、またポリエステル(B)として二軸のベン
ト式押出機でリン酸を0.2重量%添加したイソフタル
酸5モル%共重合ポリブチレンテレフタレートを、重量
比4:1で混合して使用した。また、ポリエステル
(C)としてイソフタル酸3モル%共重合ポリブチレン
テレフタレートを用いた。それぞれのポリエステルの物
性を表1に示した。
【0059】各々のポリエステル(A+BとC)を個別
に真空乾燥した後、個別の押出機にて溶融押出を行な
い、口金上部に設置したフィードブロック内にて積層
し、口金から10℃に冷却した金属ロール上に静電印加
を行ないながら吐出させA/B/A型の積層未延伸シー
トを得た。
【0060】次いで、該未延伸シートを87℃に加熱
し、長手方向に3.4倍延伸し、テンター式延伸機にお
いて幅方向に103℃で3.1倍延伸した。その後、テ
ンター内で5%のリラックスをかけながら、200℃で
熱処理を4秒間施した後、巻き取って二軸延伸積層ポリ
エステルフィルムを得た。この二軸延伸積層ポリエステ
ルフィルムを評価したところ、表3に示した物性を有し
ており、表5のように優れた特性を有していた。
【0061】(実施例4)ポリエステル(A)として沸
騰水で1時間処理を行ったイソフタル酸4モル%共重合
ポリエチレンテレフタレートを、ポリエステル(B)と
してポリブチレンテレフタレートを、重量比3:7で混
合して使用した。また、ポリエステル(C)としてイソ
フタル酸17モル%共重合ポリエチレンテレフタレート
を用いた。それぞれのポリエステルの物性を表1に示し
た。
【0062】各々のポリエステル(A+BとC)を個別
に真空乾燥した後、個別の押出機にて溶融押出を行な
い、口金上部に設置したフィードブロック内にて積層
し、口金から15℃に冷却した金属ロール上に静電印加
を行ないながら吐出させA/B型の積層未延伸シートを
得た。
【0063】次いで、該未延伸シートを70℃に加熱
し、長手方向に3.1倍延伸し、テンター式延伸機にお
いて幅方向に90℃で3.0倍延伸した。その後、テン
ター内で5%のリラックスをかけながら、200℃で熱
処理を4秒間施した後、巻き取って二軸延伸積層ポリエ
ステルフィルムを得た。この二軸延伸積層ポリエステル
フィルムを評価したところ、表3に示した物性を有して
おり、表5のように優れた特性を有していた。
【0064】(実施例5)ポリエステル(A)として二
軸のベント式押出機でリン酸を0.15重量%添加した
2,6−ナフタレンジカルボン酸3モル%共重合ポリエ
チレンテレフタレートを、ポリエステル(B)としてポ
リブチレンテレフタレートを、重量比2:3で混合して
使用した。それぞれのポリエステルの物性を表1に示し
た。また、ポリエステル(C)は用いなかった。
【0065】ポリエステル(A)と(B)を混合したも
のを真空乾燥した後、単軸の押出機にて溶融押出を行な
い、口金上部に設置したフィードブロック内にて積層
し、口金から25℃に冷却した金属ロール上に静電印加
を行ないながら吐出させ未延伸シートを得た。
【0066】次いで、該未延伸シートを75℃に加熱
し、長手方向に3.2倍延伸し、テンター式延伸機にお
いて幅方向に110℃で3.1倍延伸した。その後、テ
ンター内で3%のリラックスをかけながら、200℃で
熱処理を5秒間施した後、巻き取って二軸延伸ポリエス
テルフィルムを得た。この二軸延伸ポリエステルフィル
ムを評価したところ、表3に示した物性を有しており、
表5のように優れた特性を有していた。
【0067】(比較例1)表3に示したポリエチレンテ
レフタレートのみを使用した。ポリエチレンテレフタレ
ートを真空乾燥した後、単軸の押出機にて溶融押出を行
ない、口金から25℃に冷却した金属ロール上に静電印
加を行ないながら吐出させ未延伸シートを得た。
【0068】次いで、該未延伸シートを97℃に加熱
し、長手方向に3.5倍延伸し、テンター式延伸機にお
いて幅方向に110℃で3.4倍延伸した。その後、テ
ンター内で3%のリラックスをかけながら、220℃で
熱処理を5秒間施した後、巻き取って表4の物性を示す
二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。この二軸延伸ポ
リエステルフィルムを評価したところ、表5に示したと
おり特性が劣っていた。
【0069】(比較例2)表3に示したイソフタル酸5
モル%共重合ポリブチレンテレフタレートとポリエチレ
ンテレフタレートを使用した。各々のポリエステルを真
空乾燥した後、個別の押出機にて溶融押出を行ない、口
金上部に設置したフィードブロック内にて積層し、口金
から15℃に冷却した金属ロール上に静電印加を行ない
ながら吐出させA/B/A型の積層未延伸フィルムを巻
き取った。この未延伸フィルムの物性は表4のとおりで
ある。このフィルムを評価したところ、表5に示したと
おり特性が劣っていた。
【0070】(比較例3)ポリエステル(A)としてポ
リエチレンテレフタレートを、ポリエステル(B)とし
てイソフタル酸5モル%共重合ポリブチレンテレフタレ
ートを、重量比8:2で混合して使用した。それぞれの
ポリエステルの物性を表2に示した。なお、ポリエステ
ル(C)は用いなかった。
【0071】混合したポリエステル(A)と(B)を真
空乾燥した後、押出機にて溶融押出を行ない、口金上部
に設置したフィードブロック内にて積層し、口金から2
5℃に冷却した金属ロール上に静電印加を行行いながら
吐出させ未延伸シートを得た。
【0072】次いで、該未延伸シートを93℃に加熱
し、長手方向に3.2倍延伸し、テンター式延伸機にお
いて幅方向に110℃で3.1倍延伸した。その後、テ
ンター内で2%のリラックスをかけながら、220℃で
熱処理を3秒間施した後、巻き取って二軸延伸ポリエス
テルフィルムを得た。この二軸延伸ポリエステルフィル
ムを評価したところ、表4に示した物性を有しており、
表5のように特性が劣っていた。
【0073】(比較例4)ポリエステル(A)としてポ
リエチレンテレフタレートを、ポリエステル(B)とし
てポリブチレンテレフタレートを、ポリエステル(A)
の混合率が70重量%となるように混合して使用した。
また、ポリエステル(C)としてイソフタル酸15モル
%共重合ポリエチレンテレフタレートを用いた。それぞ
れのポリエステルの物性を表2に示した。
【0074】各々のポリエステル(A+BとC)を個別
に真空乾燥した後、個別の押出機にて溶融押出を行な
い、口金上部に設置したフィードブロック内にて積層
し、口金から20℃に冷却した金属ロール上に静電印加
を行ないながら吐出させA/B/A型の積層未延伸シー
トを得た。
【0075】次いで、該未延伸シートを85℃に加熱
し、長手方向に3.2倍延伸し、テンター式延伸機にお
いて幅方向に97℃で3.2倍延伸した。その後、テン
ター内で4%のリラックスをかけながら、210℃で熱
処理を6秒間施した後、巻き取って二軸延伸積層ポリエ
ステルフィルムを得た。この二軸延伸積層ポリエステル
フィルムを評価したところ、表4に示した物性を有して
おり、表5のとおり特性が劣っていた。
【0076】(比較例5)ポリエステル(A)として沸
騰水で10分間処理を行った2,6−ナフタレンジカル
ボン酸3モル%共重合ポリエチレンテレフタレートを、
ポリエステル(B)としてイソフタル酸15モル%共重
合ポリブチレンテレフタレートを、ポリエステル(A)
の混合率が60重量%となるように混合して使用した。
また、ポリエステル(C)としてキャンデリラワックス
を0.2重量%含有させたイソフタル酸25モル%共重
合ポリエチレンテレフタレートを用いた。それぞれのポ
リエステルの物性を表3に示した。
【0077】各々のポリエステル(A+BとC)を個別
に真空乾燥した後、個別の押出機にて溶融押出を行な
い、口金上部に設置したフィードブロック内にて積層
し、口金から20℃に冷却した金属ロール上に静電印加
を行ないながら吐出させA/B型の積層未延伸シートを
得た。
【0078】次いで、該未延伸シートを65℃に加熱
し、長手方向に3.1倍延伸し、テンター式延伸機にお
いて幅方向に98℃で3.0倍延伸した。その後、テン
ター内で6%のリラックスをかけながら、175℃で熱
処理を4秒間施した後、巻き取って二軸延伸積層ポリエ
ステルフィルムを得た。この二軸延伸積層ポリエステル
フィルムを評価したところ、表3に示した物性を有して
おり、表5のとおり特性が劣っていた。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】 なお、上記表中の略号は、以下のとおりである。 PET:ポリエチレンテレフタレート PBT:ポリブチレンテレフタレート PET/I*:イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフ
タレート(*は共重合モル%を示す、以下同じ) PBT/I*:イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフ
タレート PET/N*:2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合
ポリエチレンテレフタレート
【0084】
【発明の効果】金属板上にラミネートした後、容器に成
形する際に割れが発生することなく容易に成形可能であ
り、さらに成形後に落下などの衝撃が加わった際にもク
ラックが入ったりせず、耐衝撃性に優れた金属板貼合せ
用用ポリエステルフィルムを提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA45 AA46 AB18 AB21 AB25 AB26 AF28 AH19 BA01 BB06 BB07 BB08 BC01 4F100 AB00D AK41A AK41C AK42B AL05B AT00D BA03 BA04 BA06 BA07 BA10A CA23A CA23C JK11 JK16A JK16C JL01 JL11 4J002 CF06W CF07X DE136 DE146 DE236 DG046 DH046 DJ006 DJ016 DJ036 DJ046 DJ056 FA086 FD016 GF00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレートを主たる繰返し
    単位とし、融点が246〜270℃のポリエステル
    (A)30〜80重量%と、ブチレンテレフタレートを
    主たる繰返し単位とするポリエステル(B)70〜20
    重量%を混合してなるポリエステル層(I)からなるポ
    リエステルフィルムであって、ポリエステル(A)とポ
    リエステル(B)のエステル交換反応率が0.01〜5
    0%である金属板貼合せ用ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 ポリエステル層(I)のCOOH末端基
    量が20〜50mmol/kgである請求項1に記載の
    金属板貼合せ用ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のポリエステル
    層(I)の少なくとも片面に融点が200〜245℃の
    ポリエステル(C)からなるポリエステル層(II)を
    配置してなる積層フィルムからなる金属板貼合せ用ポリ
    エステルフィルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステル層(II)に平均粒子径
    0.6〜4.0μmの粒子を0.01〜0.5重量%添
    加してなる請求項3に記載の金属板貼合せ用ポリエステ
    ルフィルム。
  5. 【請求項5】 ポリエステル層(II)がポリエステル
    層(I)の両側に配置されてなる積層フィルムである請
    求項3または4に記載の金属板貼合せ用ポリエステルフ
    ィルム。
  6. 【請求項6】 ポリエステル層(II)表面の摩擦係数
    が0.1〜0.3である請求項3〜5のいずれかに記載
    の金属板貼合せ用ポリエステルフィルム。
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