JP5613137B2 - タイヤ加硫金型の設計方法 - Google Patents

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本発明は、オーバースピューを防止しつつセグメントの変形を防止しうるタイヤ加硫金型の設計方法に関する。
一般に、空気入りタイヤを加硫成形する加硫金型は、例えば、図12に示されるように、タイヤ周方向に分割された複数の扇状のセグメント2を具える。該セグメント2は、各々の分割面2aが合わされることにより、タイヤ周方向に環状で連続するトレッド成形面3を形成する。そして、このトレッド成形面3には、未加硫ゴム等を用いて形成された生カバーtのトレッド部が熱と圧力とを受けて押し当てられ、トレッドパターンが成形される。関連する技術としては、次のものが提案されている。
特開2004−216622号公報 特開2007−62270号公報 特開2008−194946号公報
ところで、上述のセグメント2には、パターンの反転形状を刻設するために比較的柔らかいアルミニウム合金等が使用されている。一方、セグメント2は、加硫成形中、環状に連続させるための型締めにより大きな圧力を受けるとともに、熱による膨張によって、前記分割面2aに大きな力が作用する。このため、セグメント2は、数ヶ月程度で分割面2a等に摩耗や変形が生じやすく、耐久性の面で問題があった。
このような問題点を解決するために、セグメント2の熱膨張を見込んで、セグメントを型締めするまでの初期状態において、前記分割面2a、2a間に予め初期ギャップを設けておくことが提案されている。
しかしながら、このような初期ギャップの量も、実験や経験値に依存した部分が大きい他、タイヤの外径毎に適正値が異なるため、未だ有効な改善策が提案されてはいない。
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、セグメントを有限個の要素に分割してセグメントモデルを設定し、このセグメントモデルの分割面を互いに揃えて位置合わせするとともに該分割面での接触を無効化して自由膨張を可能とする境界条件の下で自由膨張シミュレーションを行ない、この自由膨張シミュレーションからセグメントモデルの前記分割面での重複量を求め、この重複量に基づいてセグメントの初期ギャップを決定することを基本として、耐久性に優れたタイヤ加硫金型の設計方法を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、タイヤ周方向に分割された複数のセグメントを具え、該セグメントの分割面を合わせることにより環状に連続するトレッド成形面が形成されるタイヤ加硫金型の設計方法であって、前記セグメントを有限個の要素に分割してセグメントモデルを設定するステップと、前記セグメントモデルの分割面を互いに揃えて位置合わせするとともに該分割面での接触を無効化して自由膨張を可能とする境界条件を与え、しかも、温度及び圧力を作用させて前記セグメントモデルの自由膨張シミュレーションを行うステップと、前記自由膨張シミュレーションから一対のセグメントモデルの前記分割面での重複量を求めるステップと、前記重複量に基づいてセグメントの初期ギャップを決定するステップと、前記初期ギャップに基づいてセグメントを設計するステップとを含むことを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記重複量は、前記セグメントモデルのタイヤ半径方向の最も内側の重複量L1と、タイヤ半径方向の最も外側の重複量L2とを含む請求項1記載のタイヤ加硫金型の設計方法である。
また請求項3記載の発明は、前記初期ギャップは、下式を用いて決定される請求項2記載のタイヤ加硫金型の設計方法である。
セグメントのタイヤ半径方向の最も内側の初期ギャップG1=α・L1
セグメントのタイヤ半径方向の最も外側の初期ギャップG2=α・L2
(α:0.92〜0.98の値をとる安全率である。)
また請求項4記載の発明は、前記初期ギャップは、下式を用いて決定される請求項2記載のタイヤ加硫金型の設計方法である。
セグメントのタイヤ半径方向の最も内側の初期ギャップG1=α・L1+β(T−Tp)
セグメントのタイヤ半径方向の最も外側の初期ギャップG2=α・L2+β(T−Tp)
(α:0.92〜0.98の値をとる安全率、βは解析対象のセグメントの熱膨張係数、Taは自由膨張シミュレーションの初期温度、Tpはセグメントの製造時の温度である。)
本発明は、タイヤ周方向に分割された複数のセグメントを具え、該セグメントの分割面を合わせることにより環状に連続するトレッド成形面が形成されるタイヤ加硫金型の設計方法であって、前記セグメントを有限個の要素に分割してセグメントモデルを設定するステップと、前記セグメントモデルの分割面を互いに揃えて位置合わせするとともに該分割面での接触を無効化して自由膨張を可能とする境界条件を与え、しかも、温度及び圧力を作用させて前記セグメントモデルの自由膨張シミュレーションを行うステップと、前記自由膨張シミュレーションからセグメントモデルの前記分割面での重複量を求めるステップと、前記重複量に基づいてセグメントの初期ギャップを決定するステップと、前記初期ギャップに基づいてセグメントを設計するステップとを含むことを特徴とするタイヤ加硫金型の設計方法である。これにより、セグメントの耐久性を維持しつつオーバースピューを抑制しうるタイヤ加硫金型を設計することができる。
加硫金型の部分的な分解斜視図である。 加硫金型の断面図である。 本実施形態の処理手順を示すフローチャートである。 (a)はセグメントモデルを視覚化して示す斜視図、(b)はその側面図である。 セグメントモデルを環状に配置したセグメントモデル組立体の側面図である。 自由膨張シミュレーションを説明するセグメントモデル組立体の部分側面図である。 セグメントモデルなどを視覚化して示す斜視図である。 自由膨張シミュレーションを説明するセグメントモデルの模式的な側面図である。 周期境界条件を適用した単位モデルの模式的な側面図である。 セグメントモデルの分割面の応力分布図であり、(a)は従来例、(b)は実施例のものを示す。 セグメントモデルの分割面での接触力の平均値を示すグラフである。 セグメントを説明する側面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本発明の設計方法の対象となるタイヤ加硫金型は、図12に示したように、タイヤ周方向に分割された複数のセグメント2を具え、該セグメント2の分割面2aを合わせることにより環状に連続するトレッド成形面3が形成される。
また、図1及び図2に示されるように、タイヤ加硫金型Mは、例えば、生カバーt(タイヤ)の回転軸を垂直として用いられ、セグメント2に連なるとともに下側のサイドウォール面を成形する下サイドリング4aと、セグメント2の上部側に連なるとともに上側のサイドウォール面を成形する上サイドリング4bとを有する。上、下のサイドリング4b、4aのタイヤ半径方向内方には、ビード部を成形しうる上、下のビードリング5b、5aがそれぞれ接続されている。
さらに、タイヤ加硫金型Mは、セグメント2のタイヤ半径方向外側に嵌合されかつ斜面6aを有するセクターシュー6と、該セクターシュー6の斜面6aに対向する斜面7aを有するとともに、下降によってセクターシュー6及びセグメント2をタイヤ半径方向内方に押圧して型締めするアクチュエータリング7とを含んでいる。さらに、タイヤ加硫金型Mは、サイドリングの下、及び上に、それぞれ下プレート8a及び上プレート8bが配されている。
このようなタイヤ加硫金型Mでは、周知のように、アクチュエータリング7を上方に位置させることにより、各セグメント2の分割面2aを離間させて拡径させ、しかも上サイドリング4b及び上ビードリング5bを上部に位置させて生カバーtが投入される。しかる後、上サイドリング4b及び上ビードリング5bをアクチュエータリング7とともに下降させることにより、セグメント2の各分割面2aを接近させて型締めし生タイヤtを加硫成形する。
図3には、本実施形態のタイヤ加硫金型の設計方法の処理手順の一例が示されており、以下順に説明する。本実施形態の設計方法では、先ず、セグメントモデルが設定される(ステップS1)。
図4(a)には、セグメントモデル10を視覚化して示す斜視図、(b)にはその側面図がそれぞれ示される。該セグメントモデル10は、解析対象となる前記セグメント2の三次元形状が有限個の要素10a、10b、10c…に分割して離散化されることにより、コンピュータにて取り扱い可能な数値データとして設定される。具体的には、各要素10a、10b、10c…の節点座標値、要素形状、材料特性が定義され、コンピュータに記憶される。
前記材料特性としては、解析対象のセグメント2を構成する金属材料の密度、ヤング率及び減衰係数などが含まれる。また、各要素10a、10b、10c…には、例えば、3次元の4乃至6面体のソリッド要素が用いられるのが好ましい。
本実施形態のセグメントモデル10は、図5に示されるように、中心角が40゜の扇状をなし、その周方向の両端面が分割面Eをなす。また、本実施形態では、9個のセグメントモデル10の分割面Eを互いに揃えて周方向に連ねることにより、セグメントモデル10は、隙間なく360゜連続した環状体からなるセグメントモデル11を構成するようにモデル化されている。つまり、本実施形態では、環状のリングを9等分することで、初期ギャップが零のセグメントモデル10が形成されている。
次に、図6に示されるように、前記セグメントモデル10の分割面Eを互いに揃えて位置合わせするとともに該分割面Eでの互いの接触を無効化して自由膨張を可能とする境界条件を与え、しかも、温度及び圧力を作用させて前記セグメントモデル10の自由膨張シミュレーションが行われる(ステップS2)。
図6の態様は、コンピュータ上で、9つのセグメントモデル10をそれぞれ分割面Eで当接するように位置合わせすることにより、360゜の連続した前記セグメントモデル組立体11を設定し、このセグメントモデル組立体11に、加硫成形時に生じる温度及び圧力を作用させる条件を与え、セグメントモデル10の自由膨張シミュレーションが行われる。
また、上記自由膨張シミュレーションでは、各セグメントモデル10は、分割面Eでの互いの接触が無効化されることで自由膨張が可能な境界条件が与えられる。通常の自由膨張シミュレーションでは、熱を受けることで各セグメントモデル10は膨張する。セグメントモデル10のタイヤ周方向の伸長は、分割面Eを介して接触する他のセグメントモデル10によって拘束され、分割面Eの圧力を増大させるものとして働く。しかし、本実施形態の自由膨張シミュレーションでは、このようなタイヤ周方向で隣り合うセグメントモデル10、10間の接触を無効化し、両者の接触がないものとして各セグメントモデル10の自由な膨張変形が可能とされる。ただし、各セグメントモデル10の位置を固定するために、セグメントモデル10のタイヤ周方向の中心位置CLは変位不能に位置決めされる。
また、自由膨張シミュレーションにおいて、各セグメントモデル10に、実際の加硫成形時と同様に熱及び圧力が作用するように、図7に示されるように、前記タイヤ加硫金型Mを構成する各部品についても有限個の要素を用いてモデル化を行い、これらを用いて熱及び圧力を作用させるのが望ましい。本実施形態では、下、上のサイドリング5a、5bがモデル化された下、上のサイドリングモデル12a、12bと、セクターシュー6をモデル化したセクターシューモデル13と、アクチュエータリング7をモデル化したアクチュエータリングモデル14と、下、上プレート8a、8bをモデル化した下、上プレートモデル15a、15bとを含んでいる。
そして、図7に示したように、各モデルを組み合わせ、実際のタイヤ加硫金型Mと同様に、アクチュエータリングモデル14を用いてセクターシューモデル13を半径方向に移動させ、これによって、各セグメントモデル10に型締めの力を作用させている。また、各モデル12乃至15には、それぞれタイヤ加硫中の温度が定義される。このように、各セグメントモデル10に、実際の加硫金型Mと同様に熱及び圧力を作用させる場合には、より正確なシミュレーション結果を得るのに役立つ。
図8には、本実施形態の自由膨張シミュレーションを行ったセグメントモデル組立体11の部分側面図を示す。本実施形態のように、分割面Eでの接触を無効化した自由膨張シミュレーションを行った場合、隣り合う一対のセグメントモデル10A、10Bにおいて、各々の分割面Ea、Ebは、それぞれ膨張前の分割面Eを超えて他方のセグメントモデル側に位置することになる。これにより、隣り合うセグメントモデル10A、10Bは、互いに重なる重複部が形成される。
次に、本実施形態において、コンピュータは、上記自由膨張シミュレーションの結果から、一対のセグメントモデル10A、10Bの分割面Eでの重複量を求める(ステップS3)。これは、各モデルの節点座標等から容易に計算される。また、図8に示されるように、重複量Lは、タイヤ半径方向の位置で異なるため、好ましくは、セグメントモデル10のタイヤ半径方向の最も内側の重複量L1と、タイヤ半径方向の最も外側の重複量L2とを含めるのが望ましい。
実際の加硫金型Mにおいて、重複量L1、L2は生じないが、この値に基づいてセグメント2の分割面2aの圧力が増大し、セグメント2の変形等をもたらす。他方、セグメント2の分割面2aの接触力が小さすぎると、セグメント2の分割面2aから生カバーのゴムが吸い上げられ、過剰なバリやスピューを生成させる(以下、これらの不具合を「オーバースピュー」と呼ぶことがある。)。従って、セグメント2は、上記自由膨張シミュレーションを行ったときの重複量が最適となるように、設計される必要がある。
そこで、本実施形態では、前記重複量に基づいてセグメントの初期ギャップが決定される(ステップS4)。初期ギャップは、上で述べたように、熱及び外力を作用させることなく、図5の側面視のように、各セグメント(セグメントモデル10)のタイヤ周方向の中心線CLをタイヤ回転軸Oを通るように位置合わせして環状に並べたときに、隣り合うセグメント(セグメントモデル10)の向き合う分割面E、E間に形成される型締め前の初期の隙間である。なお、図5に示したセグメントモデル組立体11は、初期ギャップが零のものが示されている。
本実施形態において、コンピュータは、初期ギャップを下式を用いて決定する。
セグメントのタイヤ半径方向内側の初期ギャップG1=α・L1
セグメントのタイヤ半径方向外側の初期ギャップG2=α・L2
ここで、L1、L2は、上記自由膨張シミュレーションで得られたタイヤ半径方向の内側及び外側の重複量、αは0.92〜0.98の値をとる安全率である。
発明者らは、重複量と初期ギャップとの関係が、耐久性やオーバースピューについてどのような影響を及ぼすかについて種々の実験を行った。その結果、概ね、初期ギャップを、自由膨張シミュレーションで得られたセグメントモデル10の重複量L1、L2の92〜98%とすることによって、セグメントの耐久性を維持しつつオーバースピューを抑制しうることを見出し前記安全率αを設定した。ただし、本発明は、このような安全率の値に限定されるものではないのは言うまでもない。
さらに、好ましい態様としては、前記初期ギャップを、下式を用いて決定することができる。
セグメントのタイヤ半径方向内側の初期ギャップG1=α・L1+β(T−Tp)
セグメントのタイヤ半径方向外側の初期ギャップG2=α・L2+β(T−Tp)
ここで、L1、L2及びαは、上記と同様であるが、βは解析対象のセグメントの熱膨張係数、Taは自由膨張シミュレーションの初期温度、Tpは、セグメントの製造時の温度である。
このような決定方法は、自由膨張シミュレーションを行う際の初期温度Taと、セグメントの製造時の温度Tpとが異なる場合、予め温度差に見合ったセグメントの膨張量を考慮して、初期ギャップを決定することができる。従って、より確実に耐久性を高めつつオーバースピューを抑制しうるセグメントの設計に特に有効である。
なお、上記自由膨張シミュレーションでは、セグメントモデル10を環状に連ねたセグメントモデル組立体11を用いているが、これらは一対のセグメントモデルの配置の周期的な繰り返し構造である。従って、このような構造は、例えば、図9に示されるように、周期境界条件を用いて計算対象の要素数を減らすことができる。図9の場合、分割面Eを介して接触する一対のセグメントモデル10A、10Bの各半分の単位モデル12が周期的に連続するものとされる。従って、要素の変形計算等も単位モデル12のみについて行うことができ、計算時間を短縮できる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施することができる。
タイヤサイズ155R65/14の空気入りタイヤを成形するタイヤ加硫金型を例に挙げ、本発明の効果を確認した。主な仕様は、次の通りである。
・タイヤの外径:553mm
・セグメント
外径:690mm
分割数:9等分割
ヤング率:70.5GPa
ポアソン比:0.33
密度:2.68g/cm3
・セグメントモデル(図4(a)、(b)の形状を基調とした)
要素数:2684、節点数:3672
このセグメントモデルを使用して自由膨張シミュレーションを行った。重複量は、次の通りであった。
タイヤ半径方向内側の重複量L1:0.27mm
タイヤ半径方向外側の重複量L2:0.32mm
次に、安全率αとして0.95を採用し、セグメント間の初期ギャップが次のように決定された。
<実施例>
タイヤ半径方向内側の初期ギャップG1=α×L1=0.26mm
タイヤ半径方向外側の初期ギャップG2=α×L2=0.30mm
次に、この初期ギャップを有するセグメントモデルを定義し、分割面での接触を考慮した通常の膨張シミュレーションを行った。同様に、経験則的に定められた下記の初期ギャップを有する従来のセグメントを参考としたセグメントモデルについても同様の膨張シミュレーションが行われた。
<従来例>
タイヤ半径方向内側の初期ギャップG1=0.24mm
タイヤ半径方向外側の初期ギャップG2=0.30mm
テストの結果は、図10及び図11に示される。
図10には、セグメントモデルの分割面の応力分布図であり、(a)が従来例、(b)が実施例である。白く表示されている部分が、応力が大きいことを示している。シミュレーションの結果、実施例のセグメントモデルの分割面は、従来例のセグメントモデルのそれに比べると、大きな応力が作用している領域が少ないことが分かる。
図11は、各セグメントモデルの分割面に作用する接触力の平均値を示したグラフである。図11から明らかなように、実施例のセグメントモデルは、従来例の半分以下の接触力であることが確認された。なお、実施例のセグメントモデルに基づいて実際のセグメントを試作したところ、オーバースピューは見られなかった。
2 セグメント
3 トレッド成形面
10 セグメントモデル
E セグメントモデルの分割面
M 加硫金型

Claims (4)

  1. タイヤ周方向に分割された複数のセグメントを具え、該セグメントの分割面を合わせることにより環状に連続するトレッド成形面が形成されるタイヤ加硫金型の設計方法であって、
    前記セグメントを有限個の要素に分割してセグメントモデルを設定するステップと、
    前記セグメントモデルの分割面を互いに揃えて位置合わせするとともに該分割面での接触を無効化して自由膨張を可能とする境界条件を与え、しかも、温度及び圧力を作用させて前記セグメントモデルの自由膨張シミュレーションを行うステップと、
    前記自由膨張シミュレーションから一対のセグメントモデルの前記分割面での重複量を求めるステップと、
    前記重複量に基づいてセグメントの初期ギャップを決定するステップと、
    前記初期ギャップに基づいてセグメントを設計するステップとを含むことを特徴とするタイヤ加硫金型の設計方法。
  2. 前記重複量は、前記セグメントモデルのタイヤ半径方向の最も内側の重複量L1と、タイヤ半径方向の最も外側の重複量L2とを含む請求項1記載のタイヤ加硫金型の設計方法。
  3. 前記初期ギャップは、下式を用いて決定される請求項2記載のタイヤ加硫金型の設計方法。
    セグメントのタイヤ半径方向の最も内側の初期ギャップG1=α・L1
    セグメントのタイヤ半径方向の最も外側の初期ギャップG2=α・L2
    (α:0.92〜0.98の値をとる安全率である。)
  4. 前記初期ギャップは、下式を用いて決定される請求項2記載のタイヤ加硫金型の設計方法。
    セグメントのタイヤ半径方向の最も内側の初期ギャップG1=α・L1+β(T−Tp)
    セグメントのタイヤ半径方向の最も外側の初期ギャップG2=α・L2+β(T−Tp)
    (α:0.92〜0.98の値をとる安全率、βは解析対象のセグメントの熱膨張係数、Taは自由膨張シミュレーションの初期温度、Tpはセグメントの製造時の温度である。)
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