JP5610691B2 - スクリーン印刷機 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品を実装する回路基板のランド(回路電極部)に、はんだを印刷するスクリーン印刷機に関する。
電子部品の実装においては、リフロー方式により、電子部品を回路基板にはんだ付けする方法が用いられている。すなわち、まず回路基板のランドにはんだを印刷し、次いで電子部品を回路基板に装着し、それから回路基板を加熱することにより、電子部品をランドにはんだ付けする方法が用いられている。この一連の工程において、スクリーン印刷機は、回路基板のランドにはんだを印刷するのに用いられている。
スクリーン印刷機は、スクリーンマスクと、スキージと、を備えている。印刷の際、スクリーンマスクは、回路基板の上方に配置される。また、スキージは、スクリーンマスクの上方に配置される。スクリーンマスクには、多数の印刷用開口部が開設されている。印刷用開口部は、回路基板のはんだ印刷予定位置に対応して、開設されている。はんだは、スクリーンマスク上面に配置されている。
はんだを回路基板に印刷する際は、まず、スクリーンマスク下面と回路基板上面とを当接させる。次いで、スキージにより、はんだを印刷用開口部に押し込む。押し込まれたはんだは、印刷用開口部を通過し、回路基板のはんだ印刷予定位置に転写される。このように、はんだは、スクリーンマスクの印刷用開口部を介して、回路基板に印刷される。
図24に、はんだ印刷後の回路基板の拡大模式図を示す。はんだ100は、粘性を有している。このため、はんだ100は、回路基板101のランド101aの上面のみならず、スクリーンマスク102の印刷用開口部102aの内周面にも、接着している。したがって、はんだ100をランド101aに転写するためには、スクリーンマスク102と回路基板101とを離間させる際、つまり版離れの際、印刷用開口部102aの内周面からはんだ100を剥がし、ランド101aの上面に定着させる必要がある。
ここで、印刷用開口部102aの内周面の面積をS100、印刷用開口部102aの開口面積をS101とすると、S101/S100が大きい方が、はんだ100の転写性が向上する。すなわち、印刷用開口部102aの形状が、短軸大径である方が、長軸小径であるよりも、はんだ100の転写性が向上する。その理由は、はんだ100のランド101aの上面に対する接着力の方が、はんだ100の印刷用開口部102aの内周面に対する接着力よりも、大きくなりやすいからである。
特開2006−142646号公報
ところで、近年、携帯電話などの電子機器のダウンサイジング化に伴い、回路基板101に小型の電子部品(例えば、0.4mm×0.2mmの大きさの電子部品)を実装するケースが増加している。小型の電子部品を回路基板101に実装するためには、印刷用開口部102aの孔径を小さくする必要がある。例えば、印刷用開口部102aの孔径を0.2mm程度にする必要がある。印刷用開口部102aの孔径が小さくなると、その分、印刷用開口部102aの開口面積S101が小さくなる。したがって、はんだ100の転写性を向上させるためには、印刷用開口部102aの内周面の面積S100を小さくする必要がある。すなわち、印刷用開口部102aの全長、つまりスクリーンマスク102の肉厚を、小さくする必要がある。一例として、汎用のスクリーンマスク102の肉厚が0.12mm程度の場合、小型の電子部品に対応するためには、スクリーンマスク102の肉厚を0.08mm程度にまで小さくする必要がある。
しかしながら、回路基板101には、小型の電子部品のみならず、従来から用いられている大型の一般的な電子部品も、実装される。すなわち、回路基板101には、様々な大きさの電子部品が混在している。このため、小型の電子部品を基準にスクリーンマスク102の肉厚を設定すると、一般的な電子部品にとって、はんだ100の転写量(S101×S100)が不足することになる。したがって、一般的な電子部品の回路基板101に対する接合力が不足するおそれがある。
このため、理想的には、汎用のスクリーンマスク102、言い換えると一般的な電子部品が必要とするはんだ100の転写量を確保可能な肉厚を有するスクリーンマスク102を用いて、大型の電子部品用のランド101aのみならず、小型の電子部品用のランド101aにまで、はんだ100を良好に転写可能であることが好ましい。言い換えると、S101/S100が小さい場合であっても、はんだ100の転写性が高い方が好ましい。
この点について、特許文献1には、空気によりはんだ100を印刷用開口部102aから押し出すスクリーン印刷機が開示されている。同文献記載のスクリーン印刷機は、はんだ100印刷後に、印刷用開口部102aに空気を圧入することで、はんだ100を印刷用開口部102aから押し出し、はんだ100をランド101aに定着させている。このため、大型の電子部品用のランド101aのみならず、小型の電子部品用のランド101aにまで、はんだ100を転写可能である。
しかしながら、同文献記載のスクリーン印刷機によると、はんだ印刷後におけるスクリーンマスク102と回路基板101との密着性が悪い場合、すなわちスクリーンマスク102下面と回路基板101上面との間に隙間がある場合、印刷用開口部102aに圧入した空気が、当該隙間から漏出するおそれがある。この場合、空気と共にはんだ100が当該隙間から漏出し、はんだ100のランド101aに対する転写形状が乱れるおそれがある。また、版離れ中に印刷用開口部102aに空気を圧入する場合も、やはりスクリーンマスク102下面と回路基板101上面との間の隙間から、当該空気が漏出するおそれがある。すなわち、はんだ100のランド101aに対する転写形状が乱れるおそれがある。また、同文献記載のスクリーン印刷機によると、空気の圧力を確保するため、スクリーンマスク102を上方からカバー部材で覆い、閉鎖空間を形成する必要がある。このため、スクリーン印刷機の構造が大掛かりになる。
本発明のスクリーン印刷機は、上記課題に鑑みて完成されたものである。したがって、本発明は、電子部品の大きさによらず、はんだの回路基板に対する転写性が高いスクリーン印刷機を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明のスクリーン印刷機は、はんだ印刷後の回路基板と該回路基板に略当接する版離れ前のスクリーンマスクとに、該回路基板と該スクリーンマスクとの積層方向に、一体的に慣性力を加え、該回路基板に対する該はんだの転写性を向上させる慣性力発生装置を備えてなることを特徴とする。
ここで、「略当接する」とは、回路基板とスクリーンマスクとが当接している場合は勿論、回路基板とスクリーンマスクとの間に微小な隙間(はんだを印刷可能な隙間)が介在している場合を含む。
ここで、慣性力とは、外力が加わっても外力が加わる前の状態を保とうとする抵抗力をいう。本発明のスクリーン印刷機は、慣性力発生装置を備えている。慣性力発生装置は、回路基板およびスクリーンマスクに対して、回路基板とスクリーンマスクとの積層方向に、加速度および減速度のうち少なくとも一方を与える。すなわち、慣性力発生装置は、回路基板およびスクリーンマスクに対して、回路基板とスクリーンマスクとの積層方向に、慣性力を加える。当該慣性力により、印刷後のはんだは、回路基板に押しつけられる。すなわち、はんだが回路基板に定着する。本発明のスクリーン印刷機によると、電子部品の大きさによらず、はんだの回路基板に対する転写性を向上させることができる。
また、回路基板とスクリーンマスクとの間に微小な隙間が介在している場合であっても、回路基板とスクリーンマスクとの積層方向と、当該隙間の延在方向と、が交差している。すなわち、慣性力の作用する方向と、隙間の延在方向と、が交差している。このため、隙間からはんだが漏出しにくい。したがって、はんだの回路基板に対する転写形状が乱れにくい。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記慣性力発生装置は、前記回路基板と前記スクリーンマスクとに、所定のパターンで、加速度および減速度の少なくとも一方を加えることにより、前記慣性力を加える構成とする方がよい。
加速度により慣性力を加える場合は、例えば、絶対値で減速度を上回る加速度を、回路基板とスクリーンマスクとに加えればよい。減速度により慣性力を加える場合は、例えば、絶対値で加速度を上回る減速度を、回路基板とスクリーンマスクとに加えればよい。
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、さらに、前記回路基板を支持する基板支持部材と、該回路基板の上方に前記スクリーンマスクが配置されるように該スクリーンマスクを支持するマスク支持部材と、を備え、前記慣性力発生装置は、該回路基板と該スクリーンマスクとを離接可能に、該基板支持部材と該マスク支持部材とを連結する構成とする方がよい。
本構成によると、慣性力発生装置により、回路基板とスクリーンマスクとを相対的に離間、接触させることができる。このため、例えば、回路基板撮像時において、撮像装置を、回路基板とスクリーンマスクとの間に、介挿することができる。また、版離れ時において、回路基板とスクリーンマスクとを離間させることができる。一方、印刷後かつ版離れ前においては、回路基板とスクリーンマスクとに、一体的に慣性力を加えることができる。
(4)好ましくは、上記(3)の構成において、前記慣性力発生装置は、シャフト部と、該シャフト部が挿通され該シャフト部が軸周りに回転することにより該シャフト部の軸方向に移動可能なナット部と、該ナット部と前記基板支持部材および前記マスク支持部材のうち一方とを連結可能な連結部と、を有するボールねじ装置であり、該基板支持部材および該マスク支持部材のうち他方は該ナット部に従動し、該ボールねじ装置は、該連結部を介して該ナット部と該基板支持部材および該マスク支持部材のうち一方とを連結し、該ナット部を移動させることにより、前記回路基板と前記スクリーンマスクとに一体的に慣性力を加える構成とする方がよい。
ボールねじ装置は、シャフト部とナット部と連結部とを備えている。基板支持部材およびマスク支持部材のうち一方は、連結部を介して、ナット部に接続、遮断可能である。基板支持部材およびマスク支持部材のうち他方は、ナット部に従動している。
本構成によると、例えば、回路基板撮像時や版離れ時においては、基板支持部材およびマスク支持部材のうち一方と、ナット部と、の連結を遮断することにより、回路基板とスクリーンマスクとを離間させることができる。詳しく説明すると、マスク支持部材がナット部に従動する場合は、連結部がナット部と基板支持部材との連結を遮断することにより、回路基板とスクリーンマスクとを離間させることができる。また、基板支持部材がナット部に従動する場合は、連結部がナット部とマスク支持部材との連結を遮断することにより、回路基板とスクリーンマスクとを離間させることができる。
一方、印刷後かつ版離れ前においては、基板支持部材およびマスク支持部材のうち一方と、ナット部と、を連結部により連結することにより、回路基板とスクリーンマスクとに一体的に慣性力を加えることができる。詳しく説明すると、マスク支持部材がナット部に従動する場合は、連結部がナット部と基板支持部材とを連結することにより、回路基板とスクリーンマスクとに一体的に慣性力を加えることができる。また、基板支持部材がナット部に従動する場合は、連結部がナット部とマスク支持部材とを連結することにより、回路基板とスクリーンマスクとに一体的に慣性力を加えることができる。
(5)好ましくは、上記(4)の構成において、前記基板支持部材は、被ガイド部を有し、さらに、前記回路基板と前記スクリーンマスクとに一体的に慣性力を加える際、該被ガイド部が摺動するガイド部を有するガイド部材を有する構成とする方がよい。
本構成によると、基板支持部材の動作方向を、被ガイド部とガイド部とにより、規制することができる。このため、慣性力の作用する方向を、規制することができる。また、被ガイド部とガイド部との摺動距離を調整することにより、慣性力を加える際の、回路基板およびスクリーンマスクの移動距離(ストローク)を調整することができる。すなわち、回路基板およびスクリーンマスクの最高速度を調整することができる。
(6)好ましくは、上記(3)の構成において、前記慣性力発生装置は、シャフト部と、該シャフト部が挿通され該シャフト部が軸周りに回転することにより該シャフト部の軸方向に移動可能な第一ナット部と、該シャフト部が挿通され該シャフト部が軸周りに回転することにより該シャフト部の軸方向に移動可能であると共に、自身が該シャフト部の軸周りに回転することにより該シャフト部の軸方向に移動可能な第二ナット部と、を有する二軸ボールねじ装置であり、前記基板支持部材および前記マスク支持部材のうち、一方は該第一ナット部に従動し、前記基板支持部材および前記マスク支持部材のうち、他方は該第二ナット部に従動し、該二軸ボールねじ装置は、該第一ナット部および該第二ナット部のうち少なくとも一方を移動させることにより、前記回路基板と前記スクリーンマスクとに一体的に慣性力を加える構成とする方がよい。
二軸ボールねじ装置は、シャフト部と第一ナット部と第二ナット部とを備えている。基板支持部材およびマスク支持部材のうち一方は、第一ナット部に従動している。基板支持部材およびマスク支持部材のうち他方は、第二ナット部に従動している。
第一ナット部は、シャフト部の回転に伴い、シャフト部の軸方向に移動可能である。第二ナット部は、第一ナット部同様に、シャフト部の回転に伴い、シャフト部の軸方向に移動可能である。また、第二ナット部は、自身が回転することにより、シャフト部の軸方向に移動可能である。すなわち、第二ナット部は、シャフト部が回転している場合は勿論、シャフト部が停止している場合も、シャフト部の軸方向に移動可能である。言い換えると、第一ナット部と第二ナット部とは、各々独立して移動可能である。
例えば、第一ナット部と第二ナット部とを、同方向に同じ速度で移動させることができる。また、第一ナット部と第二ナット部とを、同方向に異なる速度で移動させることができる。また、第一ナット部と第二ナット部とを、反対方向に同じ速度で移動させることができる。また、第一ナット部と第二ナット部とを、反対方向に異なる速度で移動させることができる。
このため、基板支持部材とマスク支持部材との間隔を、同時にあるいは所定の時間差で、自在に調整することができる。したがって、例えば、回路基板撮像時においては、回路基板とスクリーンマスクとの間に、迅速に所望の隙間を確保することができる。また、版離れ時においては、所望の版離れ速度(回路基板とスクリーンマスクとの相対速度)を確保することができる。一方、印刷後かつ版離れ前においては、回路基板とスクリーンマスクとに一体的に慣性力を加えることができる。
本発明によると、電子部品の大きさによらず、はんだの回路基板に対する転写性が高いスクリーン印刷機を提供することができる。
第一実施形態のスクリーン印刷機の上面図である。 同スクリーン印刷機の右側面図である。 同スクリーン印刷機の基板固定工程における模式右側面図である。 同スクリーン印刷機の撮像工程における模式右側面図である。 同スクリーン印刷機の版合わせ工程における模式右側面図である。 同スクリーン印刷機の転写工程第一段階における模式右側面図である。 同スクリーン印刷機の転写工程第二段階における模式右側面図である。 同スクリーン印刷機の転写工程第三段階における模式右側面図である。 同スクリーン印刷機の転写工程第四段階における模式右側面図である。 同スクリーン印刷機の定着工程における模式右側面図である。 同スクリーン印刷機の版離れ工程における模式右側面図である。 第二実施形態のスクリーン印刷機の斜視図である。 同スクリーン印刷機の上部分の右側面図である。 同スクリーン印刷機の基板支持部材付近の拡大斜視図である。 同スクリーン印刷機のマスク支持部材およびスキージ部材付近の拡大斜視図である。 図15の枠XVI内の拡大断面図である。 図15の枠XVII内の拡大断面図である。 同スクリーン印刷機の上部分の基板固定工程における模式右側面図である。 同スクリーン印刷機の上部分の撮像工程における模式右側面図である。 同スクリーン印刷機の上部分の版合わせ工程における模式右側面図である。 同スクリーン印刷機の上部分の転写工程における模式右側面図である。 同スクリーン印刷機の上部分の定着工程における模式右側面図である。 本発明のスクリーン印刷機の定着工程において採用可能な時間−速度パターンの模式図である。 はんだ印刷後の回路基板の拡大模式図である。
以下、本発明のスクリーン印刷機の実施の形態について説明する。
<第一実施形態>
[スクリーン印刷機の構成]
まず、本実施形態のスクリーン印刷機の構成について説明する。図1に、本実施形態のスクリーン印刷機の上面図を示す。マスク支持部材3、スキージ部材7は省略して示す。図2に、同スクリーン印刷機の右側面図を示す。基板支持部材2の被ガイド部材26、ガイド部材5のガイド部50は透過して示す。図1、図2に示すように、本実施形態のスクリーン印刷機1は、基板支持部材2と、マスク支持部材3と、ボールねじ装置4と、左右一対のガイド部材5と、基体6と、スキージ部材7と、を備えている。
(基体6、ガイド部材5)
基体6は、工場のフロアに配置されている。基体6は、矩形板状を呈している。
左右一対のガイド部材5は、各々、矩形板状を呈している。左右一対のガイド部材5は、基体6の上面の左右両縁付近から、上方に突設されている。左方のガイド部材5の右面には、前後一対のガイド部50が凹設されている。右方のガイド部材5の左面には、前後一対のガイド部50が凹設されている。四つのガイド部50は、各々、上下方向に延在する溝状を呈している。四つのガイド部50には、各々、後述する基板支持部材2の被ガイド部260が、上下方向に摺動可能に収容されている。
(基板支持部材2)
基板支持部材2は、基体6により、上下方向に移動可能に支持されている。基板支持部材2は、主に、前後一対のサイドクランプ20と、前後一対のエッジクランプ21と、上段テーブル22と、中段テーブル23と、下段テーブル24と、前後一対のベルトコンベア25と、四本の被ガイド部材26と、を備えている。
下段テーブル24は、矩形板状を呈している。下段テーブル24は、図示しないボールベアリングを介して、基体6に、前後方向、左右方向、垂直軸周り方向に、移動可能に支持されている。
中段テーブル23は、矩形板状を呈している。中段テーブル23は、下段テーブル24の上方に配置されている。中段テーブル23は、ガイドロッド230に案内されて、図示しないカム機構により、上下方向に移動可能である。また、中段テーブル23は、下段テーブル24に対して、独立して移動可能である。
上段テーブル22は、矩形板状を呈している。上段テーブル22は、中段テーブル23の上方に配置されている。上段テーブル22は、ガイドロッド230に支持されている。上段テーブル22は、図示しないモータにより、上下方向に移動可能である。また、上段テーブル22は、中段テーブル23に対して、独立して移動可能である。上段テーブル22の上面には、複数のバックアップピン220が装着されている。
前後一対のエッジクランプ21は、前後方向に対向して配置されている。すなわち、前後一対のエッジクランプ21は、下段テーブル24の上面の前後両縁付近から、上方に突設されている。前方のエッジクランプ21の上端は、後方に屈曲している。後方のエッジクランプ21の上端は、前方に屈曲している。一対のエッジクランプ21は、各々、前後方向に移動可能である。すなわち、一対のエッジクランプ21間の間隔は、調整可能である。
前後一対のサイドクランプ20は、前後方向に対向して配置されている。すなわち、前後一対のサイドクランプ20は、中段テーブル23の上面の前後両縁付近から、上方に突設されている。前方のサイドクランプ20の上端は、後方に屈曲している。後方のサイドクランプ20の上端は、前方に屈曲している。後方のサイドクランプ20は、前後方向に移動可能である。すなわち、一対のサイドクランプ20間の間隔は、調整可能である。
前後一対のベルトコンベア25は、前後方向に対向して配置されている。前方のベルトコンベア25は、前方のサイドクランプ20の後面上縁付近に配置されている。前方のベルトコンベア25は、左右方向に延在している。後方のベルトコンベア25は、後方のサイドクランプ20の前面上縁付近に配置されている。後方のベルトコンベア25は、左右方向に延在している。前後一対のベルトコンベア25には、矩形板状の回路基板Bが、橋渡し状に載置されている。
四本の被ガイド部材26は、矩形板状を呈している。四本の被ガイド部材26は、下段テーブル24下面の四隅付近から、下方に突設されている。左方の一対の被ガイド部材26の左面下端付近には、各々、小径円柱状の被ガイド部260が突設されている。右方の一対の被ガイド部材26の右面下端付近には、各々、小径円柱状の被ガイド部260が突設されている。
(ボールねじ装置4)
ボールねじ装置4は、ボールねじ部4F、4Rを備えている。ボールねじ部4Fは、基体6の上面の前縁付近に配置されている。ボールねじ部4Rは、基体6の上面の後縁付近に配置されている。ボールねじ部4Fとボールねじ部4Rとは、前後方向に対向して配置されている。
前方のボールねじ部4Fについて説明する。ボールねじ部4Fは、シャフト部40と、ナット部41と、左右一対の連結部42と、左右一対のガイド部43と、を備えている。シャフト部40は、丸棒状を呈している。シャフト部40は、基体6の上面の前縁略中央から、上方に突設されている。シャフト部40の外周面には、螺旋状の溝部(図略)が形成されている。シャフト部40は、モータ(図略)の駆動力により、軸周りに回転可能である。左右一対のガイド部43は、丸棒状を呈している。左右一対のガイド部43は、基体6の上面の前縁左右両端付近から、上方に突設されている。左右一対のガイド部43は、シャフト部40の左右両側に配置されている。
ナット部41は、矩形板状を呈している。ナット部41は、シャフト部挿通孔410と、左右一対のガイド部挿通孔411と、を備えている。シャフト部挿通孔410の内周面には、螺旋状の溝部(図略)が形成されている。シャフト部40は、シャフト部挿通孔410を、上下方向に貫通している。シャフト部40の外周面の溝部とシャフト部挿通孔410の内周面の溝部とは、多数のボール(図略)を介して、係合している。左右一対のガイド部43は、左右一対のガイド部挿通孔411を、上下方向に貫通している。左右一対の連結部42は、ナット部41の後面に突設されている。左右一対の連結部42は、各々、後方に突出可能な突出部(図略)を備えている。
後方のボールねじ部4Rの構成は、上述した前方のボールねじ部4Fの構成と、同様である。また、後方のボールねじ部4Rと前方のボールねじ部4Fとは、基板支持部材2を挟んで、略左右対称に配置されている。したがって、ここでは後方のボールねじ部4Rに関する説明を割愛する。
(マスク支持部材3、スキージ部材7)
マスク支持部材3は、基板支持部材2の上方に配置されている。マスク支持部材3は、前後一対のフレーム支持部302を備えている。前後一対のフレーム支持部302は、前後方向に対向している。前後一対のフレーム支持部302は、各々、左右方向に延在する細板状を呈している。前方のフレーム支持部302は、前方のナット部41の後面に固定されている。後方のフレーム支持部302は、後方のナット部41の前面に固定されている。フレーム300およびスクリーンマスク301は、マスク支持部材3に支持されている。フレーム300は、矩形枠状を呈している。フレーム300は、前後一対のフレーム支持部302間に、橋渡し状に載置されている。スクリーンマスク301は、矩形薄板状を呈している。スクリーンマスク301は、フレーム300に張設されている。スクリーンマスク301の略中央部には、基板対応部(図略)が配置されている。基板対応部は、回路基板Bと同じ形状を呈している。基板対応部には、多数の印刷用開口部(図略)が開設されている。印刷用開口部は、回路基板Bのはんだ印刷予定位置に対応して、開設されている。はんだは、スクリーンマスク301上面に配置されている。
スキージ部材7は、マスク支持部材3の上方に配置されている。スキージ部材7は、前後一対のスキージ用シリンダ装置70と、前後一対のスキージ71と、左右一対のガイド部材72とを備えている。左右一対のガイド部材72は、左右方向に対向している。左右一対のガイド部材72は、各々、前後方向に延在する角柱状を呈している。左右一対のガイド部材72は、各々、前後一対のナット部41間に架設されている。前後一対のスキージ用シリンダ装置70は、左右一対のガイド部材72に、前後方向に摺動可能に係合している。前後一対のスキージ71は、前後一対のスキージ用シリンダ装置70の下方に配置されている。前後一対のスキージ71は、上下方向に移動可能である。前後一対のスキージ71は、スクリーンマスク301上面に当接可能である。はんだ印刷時においては、前後一対のスキージ71は、交互に駆動される。前方のスキージ71は、前方から後方に向かって移動しながら、はんだをスクリーンマスク301の印刷用開口部に押し込む。後方のスキージ71は、後方から前方に向かって移動しながら、はんだをスクリーンマスク301の印刷用開口部に押し込む。
[はんだの印刷方法]
次に、本実施形態のスクリーン印刷機1によるはんだの印刷方法について説明する。はんだの印刷方法は、基板固定工程と、撮像工程と、版合わせ工程と、転写工程と、定着工程と、版離れ工程と、を有している。
(基板固定工程)
図3に、本実施形態のスクリーン印刷機の基板固定工程における右側面図を示す。図3に示すように、基板固定工程においては、上段テーブル22および中段テーブル23を上昇させ、バックアップピン220により、一対のベルトコンベア25から、回路基板Bを持ち上げる。回路基板Bの上面と、一対のサイドクランプ20の上面と、一対のエッジクランプ21の上面と、が略面一になる高度で、一対のサイドクランプ20により、回路基板Bを前後方向から挟持する。
(撮像工程)
図4に、本実施形態のスクリーン印刷機の撮像工程における模式右側面図を示す。図4に示すように、撮像工程においては、まず、カメラ90を、回路基板Bとスクリーンマスク301との間に、介挿する。続いて、カメラ90上方のスクリーンマスク301のマーク(図略)と、カメラ90下方の回路基板Bのマーク(図略)と、を撮像する。それから、撮像データを基に、回路基板Bとスクリーンマスク301の基板対応部とが上下方向に対向するように、下段テーブル24を駆動する。その後、カメラ90を、回路基板Bとスクリーンマスク301との間から、退出させる。
(版合わせ工程)
図5に、本実施形態のスクリーン印刷機の版合わせ工程における模式右側面図を示す。図5に示すように、版合わせ工程においては、ボールねじ装置4の前後一対のシャフト部を軸周りに回転させる。すなわち、前後一対のナット部41を、合計四本のガイド部43に沿って、下降させる。前後一対のナット部41間には、マスク支持部材3およびスキージ部材7が架設されている。このため、前後一対のナット部41を下降させると、マスク支持部材3も下降する。マスク支持部材3が下降することにより、スクリーンマスク301の下面が回路基板Bの上面に密着する。
(転写工程)
図6に、本実施形態のスクリーン印刷機の転写工程第一段階における模式右側面図を示す。図6に示すように、転写工程第一段階においては、連結部42から突出部420を突出させる。すなわち、前方の一対の突出部420と後方の一対の突出部420とにより、前後方向から、下段テーブル24を挟持する。そして、連結部42を介して、ナット部41と基板支持部材2とを連結する。
図7に、本実施形態のスクリーン印刷機の転写工程第二段階における模式右側面図を示す。図7に示すように、転写工程第二段階においては、ボールねじ装置4の前後一対のシャフト部を軸周りに回転させる。すなわち、前後一対のナット部41を、合計四本のガイド部43に沿って、上昇させる。前後一対のナット部41間には、マスク支持部材3およびスキージ部材7が架設されている。並びに、前後一対のナット部41は、連結部42を介して、基板支持部材2に連結されている。このため、前後一対のナット部41を上昇させると、マスク支持部材3および基板支持部材2が、スクリーンマスク301と回路基板Bとの密着性を確保した状態で、一体的に上昇する。この際、基板支持部材2の四つの被ガイド部260は、ガイド部材5の四つのガイド部50に沿って、ガイド部50の上下方向長さ分だけ上昇する。
図8に、本実施形態のスクリーン印刷機の転写工程第三段階における模式右側面図を示す。図8に示すように、転写工程第三段階においては、まず、スキージ用シリンダ装置70からスキージ71を下降させ、スキージ71をスクリーンマスク301の上面に接触させる。次いで、この状態のまま、スキージ用シリンダ装置70を、ガイド部材72に沿って、前後方向に移動させる。この際、スキージ71は、スクリーンマスク301上面のはんだを、印刷用開口部に押し込む。押し込まれたはんだは、回路基板Bの上面のはんだ印刷予定位置に付着する。
図9に、本実施形態のスクリーン印刷機の転写工程第四段階における模式右側面図を示す。図9に示すように、転写工程第四段階においては、スキージ71をスクリーンマスク301の上面から、上方に離間させる。
(定着工程)
図10に、本実施形態のスクリーン印刷機の定着工程における模式右側面図を示す。図10に示すように、定着工程においては、ボールねじ装置4の前後一対のシャフト部を軸周りに回転させる。すなわち、前後一対のナット部41を、合計四本のガイド部43に沿って、下降させる。前後一対のナット部41間には、マスク支持部材3およびスキージ部材7が架設されている。並びに、前後一対のナット部41は、連結部42を介して、基板支持部材2に連結されている。このため、前後一対のナット部41を下降させると、マスク支持部材3および基板支持部材2が、スクリーンマスク301と回路基板Bとの密着性を確保した状態で、一体的に下降する。この際、基板支持部材2の四つの被ガイド部260は、ガイド部材5の四つのガイド部50に沿って、ガイド部50の上下方向長さ分だけ下降する。
ここで、本工程におけるシャフト部の回転速度は、最初ゆっくりと、その後徐々に速くなり、最後に急停止するように、設定されている。このため、スクリーンマスク301および回路基板Bは、最初ゆっくりと下降し、その後徐々に下降速度を増し、最後に最高速度から急停止する。スクリーンマスク301および回路基板Bが急停止する際、印刷用開口部のはんだは、回路基板Bの上面に、急停止の際の慣性力により、押しつけられる。
(版離れ工程)
図11に、本実施形態のスクリーン印刷機の版離れ工程における模式右側面図を示す。図11に示すように、版離れ工程においては、まず、連結部42の四つの突出部420から、下段テーブル24を解放する。すなわち、前後一対のナット部41と、基板支持部材2と、の連結を遮断する。次いで、ボールねじ装置4により、前後一対のナット部41とマスク支持部材3とスキージ部材7とを上昇させる。並びに、一対のサイドクランプ20から、回路基板Bを解放する。また、上段テーブル22および中段テーブル23を下降させ、回路基板Bを、一対のベルトコンベア25に、橋渡し状に載置する。すなわち、図2に示す状態に、スクリーン印刷機1を復帰させる。
[作用効果]
次に、本実施形態のスクリーン印刷機1の作用効果について説明する。本実施形態のスクリーン印刷機1は、ボールねじ装置4を備えている。ボールねじ装置4は、回路基板Bおよびスクリーンマスク301に対して、上方から下方に向かって減速度を与えることにより、慣性力を加える。当該慣性力により、印刷後のはんだは、回路基板Bに押しつけられる。すなわち、はんだが回路基板Bに定着する。本実施形態のスクリーン印刷機1によると、電子部品の大きさによらず、はんだの回路基板Bに対する転写性を向上させることができる。
また、回路基板Bとスクリーンマスク301との間に微小な隙間が介在している場合であっても、慣性力が作用する方向(上下方向)と、隙間の延在方向(水平方向)と、が略直交している。このため、隙間からはんだが漏出しにくい。したがって、はんだの回路基板Bに対する転写形状が乱れにくい。
また、本実施形態のスクリーン印刷機1によると、ボールねじ装置4により、回路基板Bとスクリーンマスク301とを相対的に離間、接触させることができる。このため、撮像工程においては、図4に示すように、カメラ90を、回路基板Bとスクリーンマスク301との間に、介挿することができる。また、版離れ工程においては、図11、図2に示すように、回路基板Bとスクリーンマスク301とを離間させることができる。一方、定着工程においては、図10に示すように、回路基板Bとスクリーンマスク301とに、一体的に慣性力を加えることができる。
また、本実施形態のスクリーン印刷機1によると、基板支持部材2の動作方向を、被ガイド部260とガイド部50とにより、規制することができる。このため、慣性力の作用する方向を、規制することができる。また、被ガイド部260とガイド部50との摺動距離(ガイド部50の上下方向長さ)を調整することにより、慣性力を加える際の、回路基板Bおよびスクリーンマスク301の移動距離(ストローク)を調整することができる。すなわち、回路基板Bおよびスクリーンマスク301の速度を調整することができる。
また、本実施形態のスクリーン印刷機1によると、シャフト部40の外周面の溝部の傾斜やピッチ、シャフト部挿通孔410の内周面の溝部の傾斜やピッチを調整することにより、回路基板Bおよびスクリーンマスク301の速度を調整することができる。並びに、シャフト部40の回転速度を調整することにより、回路基板Bおよびスクリーンマスク301の速度を調整することができる。
<第二実施形態>
[スクリーン印刷機の構成]
まず、本実施形態のスクリーン印刷機の構成について説明する。図12に、本実施形態のスクリーン印刷機の斜視図を示す。図13に、同スクリーン印刷機の上部分の右側面図を示す。なお、図1、図2と対応する部位については、同じ符号で示す。
図12、図13に示すように、本実施形態のスクリーン印刷機1は、基板支持部材2と、マスク支持部材3と、二軸ボールねじ装置8と、基体6と、スキージ部材7と、左右一対のフレーム9と、撮像装置91と、を備えている。
(基体6、フレーム9)
基体6は、工場のフロアに配置されている。基体6は、直方体箱状を呈している。
左右一対のフレーム9は、各々、下方に開口するC字枠状を呈している。左右一対のフレーム9は、基体6の上面の左右両縁付近から、上方に突設されている。左右一対のフレーム9は、左右方向に対向している。
(二軸ボールねじ装置8)
図14に、本実施形態のスクリーン印刷機の基板支持部材付近の拡大斜視図を示す。図15に、本実施形態のスクリーン印刷機のマスク支持部材およびスキージ部材付近の拡大斜視図を示す。
図12〜図15に示すように、二軸ボールねじ装置8は、四つの二軸ボールねじ部8Fl、8Fr、8Rl、8Rrと、三つの第一ナット部用タイミングベルト80と、第一ナット部用モータ(図略)と、三つの第二ナット部用タイミングベルト81と、第二ナット部用モータ82と、を備えている。
二軸ボールねじ部8Flは、基体6の上面の左前隅付近に配置されている。二軸ボールねじ部8Frは、基体6の上面の右前隅付近に配置されている。二軸ボールねじ部8Rlは、基体6の上面の左後隅付近に配置されている。二軸ボールねじ部8Rrは、基体6の上面の右後隅付近に配置されている。
右前の二軸ボールねじ部8Frについて説明する。二軸ボールねじ部8Frは、シャフト部83と、第一ナット部84と、第二ナット部85と、第一ナット部用プーリー86と、第二ナット部用プーリー87と、を備えている。
シャフト部83は、丸棒状を呈している。シャフト部83は、基体6の上面から、上方に突設されている。シャフト部83の外周面には、螺旋状の溝部830が形成されている。シャフト部83の下端は、第一ナット部用モータに連結されている。シャフト部83は、第一ナット部用モータの駆動力により、軸周りに回転可能である。
第一ナット部84は、円筒状を呈している。第一ナット部84は、シャフト部83に環装されている。第一ナット部84の内周面には、螺旋状の溝部(図略)が形成されている。シャフト部83の外周面の溝部830と第一ナット部84の内周面の溝部とは、多数のボール(図略)を介して、係合している。このため、第一ナット部84は、シャフト部83が軸周りに回転することにより、上下方向に移動可能である。
第一ナット部用プーリー86は、円筒状を呈している。第一ナット部用プーリー86は、シャフト部83に環装されている。第一ナット部用プーリー86は、シャフト部83の外周面に固定されている。第一ナット部用プーリー86は、第一ナット部84の下方に配置されている。
第二ナット部85は、円筒状を呈している。第二ナット部85は、シャフト部83に環装されている。第二ナット部85は、第一ナット部84の上方に配置されている。図16に、図15の枠XVI内の拡大断面図を示す。図16に示すように、第二ナット部85は、内筒部850と、外筒部851と、軸受部852と、を備えている。内筒部850は、長軸円筒状を呈している。内筒部850の内周面には、螺旋状の溝部(図略)が形成されている。シャフト部83の外周面の溝部830と内筒部850の内周面の溝部とは、多数のボール(図略)を介して、係合している。このため、内筒部850は、シャフト部83が軸周りに回転することにより、上下方向に移動可能である。並びに、内筒部850は、後述する第二ナット部用モータ82の駆動力により、自身がシャフト部83の軸周りに回転することにより、上下方向に移動可能である。外筒部851は、短軸円筒状を呈している。外筒部851は、内筒部850の径方向外側に配置されている。軸受部852は、内筒部850と外筒部851との間に介装されている。軸受部852を介して、内筒部850と外筒部851とは互いに独立して回転可能である。並びに、内筒部850と外筒部851とは、一体的に上下方向に移動可能である。
第二ナット部用プーリー87は、円筒状を呈している。第二ナット部用プーリー87は、第二ナット部85の内筒部850に環装されている。第二ナット部用プーリー87は、内筒部850の外周面に固定されている。第二ナット部用プーリー87は、第二ナット部85の外筒部851の上方に配置されている。
左前の二軸ボールねじ部8Flの構成は、上述した右前の二軸ボールねじ部8Frの構成と、同様である。したがって、ここでは左前のボールねじ部8Flに関する説明を割愛する。
右後の二軸ボールねじ部8Rrについて説明する。二軸ボールねじ部8Rrの構成と、上述した右前の二軸ボールねじ部8Frの構成と、の相違点は、第一ナット部用プーリー86の上方に、第一ナット部左右連結用プーリー88が配置されている点である。並びに、第二ナット部用プーリー87の上方に、第二ナット部左右連結用プーリー89が配置されている点である。したがって、ここでは、相違点についてのみ説明する。
図14に示すように、第一ナット部左右連結用プーリー88は、円筒状を呈している。第一ナット部左右連結用プーリー88は、シャフト部83に環装されている。第一ナット部左右連結用プーリー88は、シャフト部83の外周面に固定されている。
図15に示すように、第二ナット部左右連結用プーリー89は、円筒状を呈している。図17に、図15の枠XVII内の拡大断面図を示す。図17に示すように、第二ナット部左右連結用プーリー89は、シャフト部83に、相対的に回転可能に環装されている。第二ナット部左右連結用プーリー89は、第二ナット部用プーリー87の上面に固定されている。
左後の二軸ボールねじ部8Rlの構成は、上述した右後の二軸ボールねじ部8Rrの構成と、同様である。したがって、ここでは左後のボールねじ部8Rlに関する説明を割愛する。
図14に示すように、第一ナット部用タイミングベルト80は、ゴム製であって環状を呈している。第一ナット部用タイミングベルト80は、合計三つ配置されている。このうち、一番目の第一ナット部用タイミングベルト80は、右側の前後一対の第一ナット部用プーリー86間に張設されている。また、二番目の第一ナット部用タイミングベルト80は、左側の前後一対の第一ナット部用プーリー86間に張設されている。また、三番目の第一ナット部用タイミングベルト80は、後方の左右一対の第一ナット部左右連結用プーリー88間に張設されている。すなわち、三つの第一ナット部用タイミングベルト80は、前方に開口するコ字状に配置されている。
図15に示すように、第二ナット部用タイミングベルト81は、ゴム製であって環状を呈している。第二ナット部用タイミングベルト81は、合計三つ配置されている。このうち、一番目の第二ナット部用タイミングベルト81は、右側の前後一対の第二ナット部用プーリー87間に張設されている。また、二番目の第二ナット部用タイミングベルト81は、左側の前後一対の第二ナット部用プーリー87間に張設されている。また、三番目の第二ナット部用タイミングベルト81は、後方の左右一対の第二ナット部左右連結用プーリー89間に張設されている。すなわち、三つの第二ナット部用タイミングベルト81は、前方に開口するコ字状に配置されている。
図15に示すように、第二ナット部用モータ82は、後述するマスク支持部材3の後縁略中央に配置されている。上記三つの第二ナット部用タイミングベルト81のうち、後方の第二ナット部用タイミングベルト81は、第二ナット部用モータ82の回転軸820にも巻き掛けられている。
(基板支持部材2)
図12〜図14に示すように、基板支持部材2は、基体6の上方に配置されている。基板支持部材2は、主に、前後一対の固定壁部27と、可動壁部28と、上段テーブル22と、中段テーブル23と、下段テーブル24と、前後一対のベルトコンベア25と、ボールねじ部29と、を備えている。
下段テーブル24は、矩形板状を呈している。下段テーブル24の四隅には、四つの第一ナット部固定孔240が穿設されている。四つの第一ナット部固定孔240の内周面には、各々、第一ナット部84が固定されている。
前後一対の固定壁部27は、下段テーブル24の上面に立設されている。前方の固定壁部27は、左右方向に長い薄板状を呈している。前方の固定壁部27は、下段テーブル24の前部に配置されている。後方の固定壁部27は、左右方向に長い細板状を呈している。後方の固定壁部27は、下段テーブル24の後縁に沿って配置されている。
ボールねじ部29は、左右一対のシャフト部290と、左右一対のナット部291と、を備えている。シャフト部290は、前後一対の固定壁部27間に架設されている。ナット部291は、多数のボール(図略)を介して、シャフト部290に係合している。
可動壁部28は、前後一対の固定壁部27の間に、介装されている。ボールねじ部29の一対のナット部291は、可動壁部28の左右両縁付近に固定されている。可動壁部28は、ボールねじ部29により、前後方向に移動可能である。可動壁部28の下縁には、下方に開口する切欠部280が形成されている。
前後一対のベルトコンベア25は、前後方向に対向して配置されている。前後一対のベルトコンベア25は、左右方向に延在している。前方のベルトコンベア25は、前方の固定壁部27の後面に配置されている。後方のベルトコンベア25は、可動壁部28の前面に配置されている。前後一対のベルトコンベア25には、矩形板状の回路基板Bが、橋渡し状に載置されている。可動壁部28を動かすことにより、前後一対のベルトコンベア25間の間隔を調整することができる。
中段テーブル23は、矩形板状を呈している。中段テーブル23は、下段テーブル24の上方に配置されている。中段テーブル23は、上下方向に移動可能である。また、中段テーブル23は、下段テーブル24に対して、独立して移動可能である。中段テーブル23の移動代は、切欠部280により確保されている。
上段テーブル22は、矩形板状を呈している。上段テーブル22は、中段テーブル23の上方に配置されている。上段テーブル22は、上下方向に移動可能である。また、上段テーブル22は、中段テーブル23に対して、独立して移動可能である。上段テーブル22の移動代は、切欠部280により確保されている。上段テーブル22の上面には、複数のバックアップブロック221が配置されている。
(マスク支持部材3)
図12、図13、図15〜図17に示すように、マスク支持部材3は、マスク用テーブル31と左右一対のフレーム支持部302とを備えている。
マスク用テーブル31は、前方に開口するコ字板状を呈している。マスク用テーブル31の四隅には、四つの第二ナット部固定孔310が穿設されている。四つの第二ナット部固定孔310の内周面には、各々、第二ナット部85の外筒部851が固定されている。左右一対のフレーム支持部302は、左右方向に対向している。左右一対のフレーム支持部302は、前後方向に延在している。左右一対のフレーム支持部302は、マスク用テーブル31の下面に、左右方向に離間して固定されている。左方のフレーム支持部302は、前方から見て、L字状を呈している。右方のフレーム支持部302は、前方から見て、逆L字状を呈している。
フレーム300およびスクリーンマスク301は、マスク支持部材3に支持されている。フレーム300は、矩形枠状を呈している。フレーム300は、左右一対のフレーム支持部302間に、橋渡し状に載置されている。スクリーンマスク301は、矩形薄板状を呈している。スクリーンマスク301は、フレーム300に張設されている。スクリーンマスク301の略中央部には、基板対応部(図略)が配置されている。基板対応部は、回路基板Bと同じ形状を呈している。基板対応部には、多数の印刷用開口部(図略)が開設されている。印刷用開口部は、回路基板Bのはんだ印刷予定位置に対応して、開設されている。はんだは、スクリーンマスク301上面に配置されている。
(スキージ部材7)
スキージ部材7は、マスク支持部材3の上方に配置されている。スキージ部材7は、架設部材73と、前後一対のスキージ71と、左右一対のガイド部材72とを備えている。左右一対のガイド部材72は、左右方向に対向している。左右一対のガイド部材72は、各々、前後方向に延在する段付き角柱状を呈している。左右一対のガイド部材72は、マスク用テーブル31の上面に、左右方向に離間して固定されている。
架設部材73は、左右方向に長い角柱状を呈している。架設部材73の下面の左右両端には、一対の被ガイド部730が凹設されている。左右一対の被ガイド部730は、左右一対のガイド部材72に、前後方向に摺動可能に係合している。
前後一対のスキージ71は、架設部材73の下方に配置されている。前後一対のスキージ71は、上下方向に移動可能である。前後一対のスキージ71は、スクリーンマスク301上面に当接可能である。はんだ印刷時においては、前後一対のスキージ71は、交互に駆動される。前方のスキージ71は、前方から後方に向かって移動しながら、はんだをスクリーンマスク301の印刷用開口部に押し込む。後方のスキージ71は、後方から前方に向かって移動しながら、はんだをスクリーンマスク301の印刷用開口部に押し込む。
(撮像装置91)
図12、図13に示すように、撮像装置91は、カメラ910と、左右一対のガイド部911と、を備えている。左右一対のガイド部911は、左右方向に対向している。左右一対のガイド部911は、前後方向に長い角柱状を呈している。左方のガイド部911は、左方のフレーム9の前縁と後縁との間に架設されている。右方のガイド部911は、右方のフレーム9の前縁と後縁との間に架設されている。カメラ910は、左右一対のガイド部911に対して、前後方向に摺動可能である。
[スクリーン印刷機の動き]
次に、本実施形態のスクリーン印刷機1の動きについて説明する。まず、基板支持部材2を上下方向に動かす場合について説明する。基板支持部材2を動かす場合は、第一ナット部用モータを駆動する。前述したように、図14に示す、右前の二軸ボールねじ部8Frのシャフト部83は、第一ナット部用モータに連結されている。第一ナット部用モータの駆動力は、右前のシャフト部83から、右前の第一ナット部用プーリー86→右側の第一ナット部用タイミングベルト80→右後の第一ナット部用プーリー86→右後の第一ナット部左右連結用プーリー88→後方の第一ナット部用タイミングベルト80→左後の第一ナット部左右連結用プーリー88→左後の第一ナット部用プーリー86→左側の第一ナット部用タイミングベルト80→左前の第一ナット部用プーリー86という伝達経路で、右後、左後、左前のシャフト部83に伝達される。このため、四つの第一ナット部84つまり基板支持部材2は、四本のシャフト部83が軸周りに回転することにより、同期して上下方向に移動する。このように、第一ナット部用モータを駆動することにより、基板支持部材2を上下方向に動かすことができる。
続いて、マスク支持部材3およびスキージ部材7を動かす場合について説明する。マスク支持部材3およびスキージ部材7を動かす場合は、第一ナット部用モータおよび図15に示す第二ナット部用モータ82のうち、少なくとも一方を駆動する。
第一ナット部用モータの駆動力は、前述した伝達経路で、各シャフト部83に伝達される。ここで、図16、図17に示すように、四本のシャフト部83には、第一ナット部84の他に、第二ナット部85の内筒部850も環装されている。このため、四つの第二ナット部85つまりマスク支持部材3およびスキージ部材7は、四本のシャフト部83が軸周りに回転することにより、同期して上下方向に移動する。このように、第一ナット部用モータを駆動することにより、マスク支持部材3およびスキージ部材7を上下方向に動かすことができる。
また、第二ナット部用モータ82の駆動力は、図15に示す、回転軸820から、後方の第二ナット部用タイミングベルト81→左右一対の第二ナット部左右連結用プーリー89→後方の左右一対の第二ナット部用プーリー87→左右両側の第二ナット部用タイミングベルト81→前方の左右一対の第二ナット部用プーリー87という伝達経路で、後方左右、前方左右の第二ナット部85の内筒部850(図16、図17参照)に伝達される。このため、四つの第二ナット部85の内筒部850は、シャフト部83の軸周りに回転しながら、同期して上下方向に移動する。したがって、四つの第二ナット部85の外筒部851つまりマスク支持部材3およびスキージ部材7は、同期して上下方向に移動する。このように、第二ナット部用モータ82を駆動することにより、マスク支持部材3およびスキージ部材7を上下方向に動かすことができる。
以上説明したように、第一ナット部用モータおよび第二ナット部用モータ82のうち少なくとも一方を駆動することにより、あるいは各モータの回転速度を変えることにより、あるいは各モータの回転方向を正逆制御することにより、基板支持部材2と、マスク支持部材3およびスキージ部材7と、を各々独立して、あるいは一体的に動かすことができる。
[はんだの印刷方法]
次に、本実施形態のスクリーン印刷機1によるはんだの印刷方法について説明する。はんだの印刷方法は、基板固定工程と、撮像工程と、版合わせ工程と、転写工程と、定着工程と、版離れ工程と、を有している。
(基板固定工程)
図18に、本実施形態のスクリーン印刷機の上部分の基板固定工程における模式右側面図を示す。説明の便宜上、スキージ71、フレーム300、スクリーンマスク301は、透過して示す。
図18に示すように、基板固定工程においては、上段テーブル22および中段テーブル23を上昇させ、バックアップブロック221により、一対のベルトコンベア25から、回路基板Bを持ち上げる。回路基板Bの上面と、前方の固定壁部27の上面と、可動壁部28の上面と、が略面一になる高度で、前方の固定壁部27と可動壁部28とにより、回路基板Bを前後方向から挟持する。
(撮像工程)
図19に、本実施形態のスクリーン印刷機の上部分の撮像工程における模式右側面図を示す。図19に示すように、撮像工程においては、まず、第一ナット部用モータを駆動し、二軸ボールねじ装置8のシャフト部83を軸周りに回転させる。そして、第一ナット部84つまり基板支持部材2を、下方に移動させる。同時に、第二ナット部用モータを駆動し、二軸ボールねじ装置8の第二ナット部85をシャフト部83の軸周りに回転させる。そして、第二ナット部85つまりマスク支持部材3およびスキージ部材7を、上方に移動させる。このようにして、回路基板Bとスクリーンマスク301との間に、所定の隙間を確保する。
次に、ガイド部911に沿って、カメラ910を、回路基板Bとスクリーンマスク301との間に、介挿する。続いて、カメラ910上方のスクリーンマスク301のマーク(図略)と、カメラ910下方の回路基板Bのマーク(図略)と、を撮像する。それから、撮像データを基に、回路基板Bとスクリーンマスク301の基板対応部とが上下方向に対向するように、位置合わせを行う。その後、ガイド部911に沿って、カメラ910を、回路基板Bとスクリーンマスク301との間から、退出させる。
(版合わせ工程)
図20に、本実施形態のスクリーン印刷機の上部分の版合わせ工程における模式右側面図を示す。図20に示すように、版合わせ工程においては、第二ナット部用モータを駆動し、二軸ボールねじ装置8の第二ナット部85をシャフト部83の軸周りに回転させる。そして、第二ナット部85つまりマスク支持部材3およびスキージ部材7を、下方に移動させる。マスク支持部材3が下降することにより、スクリーンマスク301の下面が回路基板Bの上面に密着する。
(転写工程)
図21に、本実施形態のスクリーン印刷機の上部分の転写工程における模式右側面図を示す。図21に示すように、転写工程においては、まず、架設部材73からスキージ71を下降させ、スキージ71をスクリーンマスク301の上面に接触させる。次いで、この状態のまま、架設部材73を、ガイド部材72に沿って、前後方向に移動させる。この際、スキージ71は、スクリーンマスク301上面のはんだを、印刷用開口部に押し込む。押し込まれたはんだは、回路基板Bの上面のはんだ印刷予定位置に付着する。その後、スキージ71をスクリーンマスク301の上面から、上方に離間させる。
(定着工程)
図22に、本実施形態のスクリーン印刷機の上部分の定着工程における模式右側面図を示す。図22に示すように、定着工程においては、第一ナット部用モータを駆動し、二軸ボールねじ装置8のシャフト部83を軸周りに回転させる。そして、第一ナット部84および第二ナット部85を、同時に上方に移動させる。つまり、基板支持部材2、マスク支持部材3、スキージ部材7を、同時に上方に移動させる。
ここで、本工程におけるシャフト部の回転速度は、最初速く、その後徐々に遅くなり、最後にゆっくりと停止するように、設定されている。このため、スクリーンマスク301および回路基板Bは、最初急上昇し、その後徐々に上昇速度を減じ、最後にゆっくりと停止する。スクリーンマスク301および回路基板Bが急上昇する際、印刷用開口部のはんだは、回路基板Bの上面に、急上昇の際の慣性力により、押しつけられる。
(版離れ工程)
版離れ工程においては、図22に示すように、まず、第一ナット部用モータを駆動し、二軸ボールねじ装置8のシャフト部83を軸周りに回転させる。そして、第一ナット部84つまり基板支持部材2を、下方に移動させる。同時に、第二ナット部用モータを駆動し、二軸ボールねじ装置8の第二ナット部85をシャフト部83の軸周りに回転させる。そして、第二ナット部85つまりマスク支持部材3およびスキージ部材7を、下方に移動させる。このようにして、図18に示す状態に、スクリーン印刷機1を復帰させる。
続いて、前方の固定壁部27と可動壁部28とから、回路基板Bを解放する。また、上段テーブル22および中段テーブル23を下降させ、回路基板Bを、一対のベルトコンベア25に、橋渡し状に載置する。すなわち、図13に示す状態に、スクリーン印刷機1を復帰させる。
[作用効果]
次に、本実施形態のスクリーン印刷機1の作用効果について説明する。本実施形態のスクリーン印刷機1は、二軸ボールねじ装置8を備えている。二軸ボールねじ装置8は、回路基板Bおよびスクリーンマスク301に対して、下方から上方に向かって加速度を与えることにより、慣性力を加える。当該慣性力により、印刷後のはんだは、回路基板Bに押しつけられる。すなわち、はんだが回路基板Bに定着する。本実施形態のスクリーン印刷機1によると、電子部品の大きさによらず、はんだの回路基板Bに対する転写性を向上させることができる。
また、回路基板Bとスクリーンマスク301との間に微小な隙間が介在している場合であっても、慣性力が作用する方向(上下方向)と、隙間の延在方向(水平方向)と、が略直交している。このため、隙間からはんだが漏出しにくい。したがって、はんだの回路基板Bに対する転写形状が乱れにくい。
また、本実施形態のスクリーン印刷機1によると、図14に示すように、基板支持部材2は、第一ナット部84に従動している。並びに、図15〜図17に示すように、マスク支持部材3は、第二ナット部85に従動している。
第一ナット部84は、シャフト部83の回転に伴い、上下方向に移動可能である。第二ナット部85は、第一ナット部84同様に、シャフト部83の回転に伴い、上下方向に移動可能である。また、第二ナット部85は、自身が回転することにより、上下方向に移動可能である。すなわち、第二ナット部85は、シャフト部83が回転している場合は勿論、シャフト部83が停止している場合も、シャフト部83の軸方向に移動可能である。すなわち、第一ナット部84と第二ナット部85とは、各々独立して移動可能である。
例えば、第一ナット部84と第二ナット部85とを、同方向に同じ速度で移動させることができる。また、第一ナット部84と第二ナット部85とを、同方向に異なる速度で移動させることができる。また、第一ナット部84と第二ナット部85とを、反対方向に同じ速度で移動させることができる。また、第一ナット部84と第二ナット部85とを、反対方向に異なる速度で移動させることができる。
このため、基板支持部材2とマスク支持部材3との間隔を、同時にあるいは所定の時間差で、自在に調整することができる。したがって、撮像工程においては、図19に示すように、基板支持部材2を下方に、マスク支持部材3を上方に、同時に移動させることができる。すなわち、基板支持部材2だけが上下方向に移動可能である場合と比較して、カメラ910用のスペースを、迅速に確保することができる。また、版離れ工程においては、図22、図18に示すように、所望の版離れ速度(回路基板Bとスクリーンマスク301との相対速度)を確保することができる。一方、定着工程においては、図22に示すように、回路基板Bとスクリーンマスク301とに一体的に慣性力を加えることができる。
また、本実施形態のスクリーン印刷機1によると、シャフト部83の外周面の溝部の傾斜やピッチ、第一ナット部84の内周面の溝部の傾斜やピッチ、第二ナット部85の内筒部850の内周面の溝部の傾斜やピッチを調整することにより、回路基板Bおよびスクリーンマスク301の速度を調整することができる。並びに、シャフト部83の回転速度を調整することにより、回路基板Bおよびスクリーンマスク301の速度を調整することができる。
<その他>
以上、本発明のスクリーン印刷機の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
上記第一実施形態においては、回路基板Bおよびスクリーンマスク301を最高速度状態から急停止させることにより、はんだに慣性力を加えた。また、上記第二実施形態においては、回路基板Bおよびスクリーンマスク301を停止状態から急発進させることにより、はんだに慣性力を加えた。しかしながら、はんだに慣性力を加える方法は、特に限定しない。回路基板Bおよびスクリーンマスク301に加速度あるいは減速度を段階的に加えることにより、はんだに慣性力を加えてもよい。
また、第二実施形態のスクリーン印刷機1を用いて、回路基板Bおよびスクリーンマスク301を最高速度状態から急停止させることにより、はんだに慣性力を加えてもよい。同様に、第一実施形態のスクリーン印刷機1を用いて、回路基板Bおよびスクリーンマスク301を停止状態から急発進させることにより、はんだに慣性力を加えてもよい。すなわち、定着工程における回路基板Bおよびスクリーンマスク301の移動方向、はんだに対する慣性力の方向は、特に限定しない。
また、上記第一実施形態においては、ボールねじ装置4により、はんだに慣性力を加えた。また、上記第二実施形態においては、二軸ボールねじ装置8により、はんだに慣性力を加えた。しかしながら、例えば、回路基板Bおよびスクリーンマスク301を自然落下させることにより、はんだに慣性力を加えてもよい。また、回路基板Bおよびスクリーンマスク301を油圧シリンダ、エアシリンダ、ソレノイドなどのアクチュエータで動かすことにより、はんだに慣性力を加えてもよい。また、動いている回路基板Bおよびスクリーンマスク301を、例えばゴム、ウレタンなどの弾性部材製のストッパに衝突させることにより、はんだに慣性力を加えてもよい。つまり、衝撃により、はんだに慣性力を加えてもよい。
また、上記第一実施形態における、連結部42に対して突出部420を出入りさせる機構は特に限定しない。油圧シリンダ、エアシリンダ、ソレノイドなどのアクチュエータを用いてもよい。また、上記実施形態の定着工程における、回路基板Bおよびスクリーンマスク301の移動距離は特に限定しない。所望の慣性力が得られるように、適宜調整すればよい。
また、回路基板Bとスクリーンマスク301との版合わせの位置(高さ)は特に限定しない。回路基板Bの搬送高さや、前工程、次工程における回路基板Bの位置などを考慮して、設定すればよい。
また、定着工程におけるスクリーンマスク301および回路基板Bの時間−速度パターンも特に限定しない。図23に、本発明のスクリーン印刷機の定着工程において採用可能な時間−速度パターンの模式図を示す。なお、図23は、スクリーンマスク301および回路基板Bに急激な減速度を加えることにより、はんだを回路基板Bに定着させる場合を示す。
図23のパターンaに示すように、最初緩やかに加速し、途中最高速度状態を保ち、最後に急激に減速、停止するように、スクリーンマスク301および回路基板Bを制御してもよい。また、図23のパターンbに示すように、最初緩やかに加速し、最高速度状態になった直後に急激に減速、停止するように、スクリーンマスク301および回路基板Bを制御してもよい。また、図23のパターンcに示すように、最初緩やかに加速し、最高速度状態になった直後に急激に減速、停止するというパターン(パターンb)を、複数回繰り返してもよい。また、勿論、パターンaを複数回繰り返してもよい。
また、スクリーンマスク301および回路基板Bに急激な加速度を加えることにより、はんだを回路基板Bに定着させる場合は、図23に示す時間−速度パターンを、時系列的に逆に進行させればよい。
また、上記(5)の構成、第二実施形態のスクリーン印刷機1は、回路基板Bおよびスクリーンマスク301に一体的に慣性力を加える用途に用いなくてもよい。当該用途に用いない場合であっても、基板支持部材2とマスク支持部材3とを、各々独立して駆動することができるというメリットを、上記(5)の構成、第二実施形態のスクリーン印刷機1は有している。例えば、撮像工程などを迅速に実行できるため、回路基板B生産のサイクルタイムを短縮することができる。また、版合わせ工程や版離れ工程において、回路基板Bとスクリーンマスク301との接触、分離を、緻密に制御することができる。また、版合わせ工程において、版合わせの高度を上下自在に制御することができる。
1:スクリーン印刷機、2:基板支持部材、3:マスク支持部材、4:ボールねじ装置、4F:ボールねじ部、4R:ボールねじ部、5:ガイド部材、6:基体、7:スキージ部材、8:二軸ボールねじ装置、8Fl:二軸ボールねじ部、8Fr:二軸ボールねじ部、8Rl:二軸ボールねじ部、8Rr:二軸ボールねじ部、9:フレーム。
20:サイドクランプ、21:エッジクランプ、22:上段テーブル、23:中段テーブル、24:下段テーブル、25:ベルトコンベア、26:被ガイド部材、27:固定壁部、28:可動壁部、29:ボールねじ部、31:マスク用テーブル、40:シャフト部、41:ナット部、42:連結部、43:ガイド部、50:ガイド部、70:スキージ用シリンダ装置、71:スキージ、72:ガイド部材、73:架設部材、80:第一ナット部用タイミングベルト、81:第二ナット部用タイミングベルト、82:第二ナット部用モータ、83:シャフト部、84:第一ナット部、85:第二ナット部、86:第一ナット部用プーリー、87:第二ナット部用プーリー、88:第一ナット部左右連結用プーリー、89:第二ナット部左右連結用プーリー、90:カメラ、91:撮像装置。
220:バックアップピン、221:バックアップブロック、230:ガイドロッド、240:第一ナット部固定孔、260:被ガイド部、280:切欠部、290:シャフト部、291:ナット部、300:フレーム、301:スクリーンマスク、302:フレーム支持部、310:第二ナット部固定孔、410:シャフト部挿通孔、411:ガイド部挿通孔、420:突出部、730:被ガイド部、820:回転軸、830:溝部、850:内筒部、851:外筒部、852:軸受部、910:カメラ、911:ガイド部。
B:回路基板。

Claims (5)

  1. はんだ印刷後の回路基板と該回路基板に略当接する版離れ前のスクリーンマスクとに、該回路基板と該スクリーンマスクとの積層方向に、一体的に慣性力を加え、該回路基板に対する該はんだの転写性を向上させる慣性力発生装置を備えてなり、
    該慣性力発生装置は、該回路基板と該スクリーンマスクとを一体的に上昇または下降させ、
    該回路基板と該スクリーンマスクとを上昇させる場合には、急上昇させた後、該回路基板と該スクリーンマスクとを略当接した状態のまま停止させることにより、該急上昇時の正の加速度による慣性力により、該はんだを該回路基板に押しつけ、
    該回路基板と該スクリーンマスクとを下降させる場合には、該回路基板と該スクリーンマスクとを略当接した状態のまま急停止させることにより、該急停止時の負の加速度による慣性力により、該はんだを該回路基板に押しつけるスクリーン印刷機。
  2. さらに、前記回路基板を支持する基板支持部材と、該回路基板の上方に前記スクリーンマスクが配置されるように該スクリーンマスクを支持するマスク支持部材と、を備え、
    前記慣性力発生装置は、該回路基板と該スクリーンマスクとを離接可能に、該基板支持部材と該マスク支持部材とを連結する請求項1に記載のスクリーン印刷機。
  3. 前記慣性力発生装置は、シャフト部と、該シャフト部が挿通され該シャフト部が軸周りに回転することにより該シャフト部の軸方向に移動可能なナット部と、該ナット部と前記基板支持部材および前記マスク支持部材のうち一方とを連結可能な連結部と、を有するボールねじ装置であり、
    該基板支持部材および該マスク支持部材のうち他方は該ナット部に従動し、
    該ボールねじ装置は、該連結部を介して該ナット部と該基板支持部材および該マスク支持部材のうち一方とを連結し、該ナット部を移動させることにより、前記回路基板と前記スクリーンマスクとに一体的に慣性力を加える請求項2に記載のスクリーン印刷機。
  4. 前記基板支持部材は、被ガイド部を有し、
    さらに、前記回路基板と前記スクリーンマスクとに一体的に慣性力を加える際、該被ガイド部が摺動するガイド部を有するガイド部材を有する請求項3に記載のスクリーン印刷機。
  5. 前記慣性力発生装置は、シャフト部と、該シャフト部が挿通され該シャフト部が軸周りに回転することにより該シャフト部の軸方向に移動可能な第一ナット部と、該シャフト部が挿通され該シャフト部が軸周りに回転することにより該シャフト部の軸方向に移動可能であると共に、自身が該シャフト部の軸周りに回転することにより該シャフト部の軸方向に移動可能な第二ナット部と、を有する二軸ボールねじ装置であり、
    前記基板支持部材および前記マスク支持部材のうち、一方は該第一ナット部に従動し、
    前記基板支持部材および前記マスク支持部材のうち、他方は該第二ナット部に従動し、
    該二軸ボールねじ装置は、該第一ナット部および該第二ナット部のうち少なくとも一方を移動させることにより、前記回路基板と前記スクリーンマスクとに一体的に慣性力を加える請求項2に記載のスクリーン印刷機。
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