JP5601681B2 - 無機粒子含有ポリオレフィン微多孔膜及び非水電解液電池用セパレータ - Google Patents
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Description
非水電解液電池の新たな用途として、車載用途への展開が急速に拡大しつつある。車載用途においては、長寿命、高出力、高容量、高電圧などの特性が求められており、その電池の持つ特徴からリチウムイオン二次電池が最も有力視されている。特に、高容量化への要求は大きく、構成材料や電池構造は日々多様化しており、電池内におけるセパレータには様々な状態での安全性が求められる。また、長寿命の観点から、保液性を高める目的で無機粒子を混合したセパレータも検討されている。
上記事情に鑑み、本発明は、無機粒子を含有したポリオレフィン微多孔膜において、良好な耐熱性を有し、非水電解液電池用セパレータとして使用した場合に良好な安全性を示す無機粒子含有ポリオレフィン微多孔膜、及びそれを含む非水電解液電池用セパレータを提供することを課題とする。
即ち、ポリオレフィン微多孔膜に無機粒子を含有させることで機械的強度や面固定された場合における耐熱性の向上は見られるものの、辺固定された状態における耐熱性の向上は必ずしも十分ではない。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を行った結果、無機粒子を含有したポリオレフィン微多孔膜において、1回目のDSCにより観察される融解ピーク数をP1N、引き続き冷却後に行われる2回目のDSCにより観察される融解ピーク数をP2Nとしたときに、
P1N>P2N
となる無機粒子含有ポリオレフィン微多孔膜が、辺固定された状態における耐熱性に優れることを見出し、さらに非水電解液電池用セパレータとしての安全性を高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]
ポリオレフィン樹脂と無機粒子とを含む微多孔膜であって、
前記無機粒子の含有割合が前記微多孔膜の総重量に対して10質量%以上80質量%以下であり、
前記微多孔膜のDSCにおいて、1回目の測定での融解ピーク数(P1N)が2つ以上あり、2回目の測定での融解ピーク数(P2N)が1回目の測定での融解ピーク数(P1N)よりも少なく、
TMAによる耐熱性評価において保持時間が240秒以上である、無機粒子含有ポリオレフィン微多孔膜。
[2]
前記ポリオレフィン樹脂がポリエチレンを主成分とした微多孔膜であって、前記微多孔膜のDSCにおいて、1回目の測定での融解ピーク数(P1N)が2つ以上あり、その融解ピーク温度が140℃未満と140℃以上に1つ以上存在する上記[1]記載の無機粒子含有ポリオレフィン微多孔膜。
[3]
上記[1]又は[2]記載の無機粒子含有ポリオレフィン微多孔膜を含む非水電解液電池用セパレータ。
(A):ポリオレフィンと無機粒子を原料とした溶融製膜。
(B):ポリオレフィンと無機粒子と第3物質(後工程で抽出除去する物質)を原料とした溶融製膜。
(A)−a:ポリオレフィンと無機粒子を溶融混錬した後、シート化。延伸により多孔化。
(B)−a:ポリオレフィンと無機粒子と第3物質を溶融混錬した後、シート化。第3物質を抽出(全て又は一部残留)することで多孔化。
(B)−b:ポリオレフィンと無機粒子と第3物質を溶融混錬した後、シート化。第3物質を抽出(全て又は一部残留)することで多孔化。次いで延伸により孔構造制御。
(B)−c:ポリオレフィンと無機粒子と第3物質を溶融混錬した後、シート化。延伸によりポリオレフィンと無機粒子及び第3物質の形態を制御。次いで第3物質を抽出(全て又は一部残留)することで多孔化。
(1)ポリオレフィン樹脂及び無機粒子を含むポリオレフィン樹脂組成物と、可塑剤とを所定の比率、所定のQ/N比(Q:押出量[kg/hr]、N:スクリュー回転数[rpm])で溶融混練する工程、
(2)前記混練工程の後、混練物をシート状に成形し、所定のドロー比で溶融延伸し、冷却してシート状成形体に加工する成形工程、
(3)前記成形工程の後、前記シート状成形体を面倍率20倍以上200倍以下で二軸延伸し、延伸物を形成する延伸工程、
(4)前記延伸物から可塑剤を抽出して多孔体を形成する多孔体形成工程。
なお、上述した各種パラメータの測定方法については、特に断りの無い限り、後述する実施例における測定方法に準じて測定されるものである。
デカヒドロナフタリンへ試料の劣化防止のため2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを0.1質量%の濃度となるように溶解させ、これ(以下DHNと略す)を試料溶媒として用いた。
試料をDHNへ0.1質量%の濃度となるように150℃で溶解させ試料溶液を作製した。作製した試料溶液を10mL採取し、キャノンフェンスケ粘度計(SO100)により135℃での標線間通過秒数(t)を計測した。試料に無機粒子が含有している場合は、試料をDHNに溶解させた溶液をろ過し、無機粒子を除去したものを試料とした。なお、無機粒子が溶解除去可能な場合は、予め無機粒子を溶解除去した試料を用いてもよい。また、DHNを150℃に加熱した後、10mL採取し、同様の方法により粘度計の標線間を通過する秒数(tB)を計測した。得られた通過秒数t、tBを用いて次の換算式により極限粘度[η]を算出した。
[η]=((1.651t/tB−0.651)0.5−1)/0.0834
求められた[η]より、次式によりMvを算出した。
[η]=6.77×10−4Mv0.67
無機粒子の平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡にて計測した。具体的には、走査型電子顕微鏡(SEM)にて拡大した10μm×10μmの視野画像を直接、あるいはネガより写真に焼き付けた後、画像解析装置に読み込み、これから計算される各粒子の円換算径(面積を同じくする円の直径)の数平均値を、無機粒子の平均一次粒径とした。ただし、写真から画像解析装置に入力する際に染色境界が不明瞭な場合には、写真のトレースを行い、この図を用いて画像解析装置に入力を行った。
東洋精機製の微小測厚器、KBM(商標)を用いて室温23℃で測定した。
10cm×10cm角の試料をポリオレフィン微多孔膜から切り取り、その体積(cm3)と質量(g)を求め、それらと密度(g/cm3)より、次式を用いて計算した。
気孔率(%)=(体積−質量/混合組成物の密度)/体積×100
なお、混合組成物の密度は、用いたポリオレフィン樹脂と無機粒子の各々の密度と混合比より計算して求められる値を用いた。
JIS P−8117に準拠し、東洋精器(株)製のガーレー式透気度計、G−B2(商標)により測定した。
カトーテック製のハンディー圧縮試験器KES−G5(商標)を用いて、開口部の直径11.3mmの試料ホルダーでポリオレフィン微多孔膜を固定した。次に固定された微多孔膜の中央部を、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/secで、25℃雰囲気下にて突刺試験を行うことにより、最大突刺荷重として突刺強度(N)を得た。
島津製作所社製DSC60を用いて測定した。試料を直径5mmの円形に打ち抜き、数枚重ね合わせて3mgとしたものを測定サンプルとして用いた。これを直径5mmのアルミ製オープンサンプルパンに敷き詰め、クランピングカバーを乗せサンプルシーラーでアルミパン内に固定した。
1回目測定
窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで30℃から200℃までを測定し、融解吸熱曲線を得た。得られた融解吸熱曲線のピーク数をP1Nとし、ピークトップ温度を融点(℃)とした。
続いて200℃で5分間ホールドした後、10℃/minで200℃から30℃まで冷却し、30℃で5分間ホールドした。
2回目測定
1回目の測定に続いて、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで再度測定し、融解吸熱曲線を得た。得られた融解吸熱曲線のピーク数をP2Nとし、ピークトップ温度を融点(℃)とした。
セパレータをMD方向に100mm、TD方向に100mmに切り取り、150℃のオーブン中に1時間静置した。このとき、温風が直接サンプルにあたらないよう、サンプルを2枚の紙にはさんだ。サンプルをオーブンから取り出し冷却した後、長さ(mm)を測定し、以下の式にてMD熱収縮率を算出した。
MD熱収縮率(%)=(100−加熱後のMDの長さ)/100×100
JIS K7127に準拠し、島津製作所製の引張試験機、オートグラフAG−A型(商標)を用いて、MD及びTDサンプル(形状;幅10mm×長さ100mm)について測定した。また、サンプルはチャック間を50mmとし、サンプルの両端部(各25mm)の片面にセロハンテープ(日東電工包装システム(株)製、商品名:N.29)を貼ったものを用いた。更に、試験中のサンプル滑りを防止するために、引張試験機のチャック内側に、厚み1mmのフッ素ゴムを貼り付けた。引張強度(kg/cm2)は、破断時の強度を、試験前のサンプル断面積で除することにより求めた。なお、測定は、温度23±2℃、チャック圧0.30MPa、引張速度200mm/分で実施した。
島津製作所TMA50(商標)を用いて測定した。MD方向に約15mm、TD方向に幅3mmに切り出したサンプルを、チャック間距離(MD方向)が10mmとなるようにチャックに固定し、専用プロープにセットした。初期荷重を0.0098N(1.0gf)とし、定長モードにて30℃より10℃/minの速度にてプロープを150℃まで昇温させ、続いて150℃で10分間保持した。150℃到達後から、収縮応力が0.0098N(1.0gf)を下回るまでの時間を保持時間とした。収縮応力が0.0098N(1.0gf)を下回った時点を破断とみなし、保持時間を耐熱性評価の指標とした。
a.電池作製
(a−1) 正極板作製
活物質としてリチウムコバルト複合酸化物LiCoO2を92.2重量%、導電剤としてリン片状グラファイトとアセチレンブラックをそれぞれ2.3重量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)3.2重量%をN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面にダイコーターで塗付し、130℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。このとき、正極の活物質塗付量は250g/m2,活物質嵩密度は3.00g/cm3になるようにした。これを幅約40mmに切断して帯状にした。
(a−2) 負極板作製
活物質として人造グラファイト96.9重量%、バインダーとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4重量%とスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス1.7重量%を精製水中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の片面にダイコーターで塗付し、120℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。このとき、負極の活物質塗付量は106g/m2,活物質嵩密度は1.35g/cm3になるようにした。これを幅約40mmに切断して帯状にした。
(a−3) 非水電解液の調製
非水電解液としてエチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1:1(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPF6を濃度1.0mol/リットルとなるように溶解させて調製した。
(a−4) 捲回・組み立て
上記の微多孔膜セパレータ、帯状正極及び帯状負極を、帯状負極、セパレータ、帯状正極、セパレータの順に重ねて渦巻状に複数回捲回することで電極板積層体を作製した。
この電極板積層体を平板状にプレス後、アルミニウム製容器に収納し、正極集電体から導出したアルミニウム製リードを容器壁に、負極集電体から導出したニッケル製リードを容器蓋端子部に接続した。さらにこの容器内に前記した非水電解液を注入し封口した。こうして作製される角型リチウムイオン電池は、縦(厚み)6.3mm,横30mm,高さ48mmの大きさで、公称放電容量が620mAhとなるように設計されていた。
上記のようにして組み立てたリチウムイオン電池にて、電流値310mA(0.5C)、終止電池電圧4.2Vの条件で6時間定電流定電圧(CCCV)充電を行った。このとき充電終了直前の電流値はほぼ0の値となった。その後、25℃雰囲気下で1週間放置(エージング)した。
その次に、電流値620mA(1.0C)、終止電池電圧4.2Vの条件で3時間定電流定電圧(CCCV)充電し、一定電流値(CC)620mAで電池電圧3.0Vまで放電する、というサイクルを行った。このときの放電容量を初回放電容量とした。初回放電容量が±10mA以内の電池を安全性評価に使用した。
電流値620mA(1.0C)、終止電池電圧4.2Vの条件で3時間定電流定電圧(CCCV)充電した電池に対して、中央部に、直径2.7mmの鉄製丸釘を、20℃環境下で、5mm/秒の速度で貫通させ、その時の発熱状態を観測した。電池貫通箇所近傍の電池表面における1秒後の温度と60秒後の温度を測定した。1秒後の温度が100℃未満の場合を合格とし、100℃以上の場合を不合格(×)とした。さらに、合格の場合において、60秒後においての電池表面温度が100℃未満の場合を好適(◎)とし、100℃以上の場合を適(○)と判断した。
粘度平均分子量(Mv)27万の高密度ポリエチレン「SH800」(旭化成ケミカルズ(株)製)を13.4質量部、Mv200万の超高分子量ポリエチレン「UH850」(旭化成ケミカルズ(株)製)を5.8質量部、平均一次粒径が12nmであるシリカ「RX200」(日本アエロジル(株)製)を12.8質量部、可塑剤として流動パラフィン「スモイル P−350P」((株)松村石油研究所製)を15.4質量部、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.1質量部添加したものをスーパーミキサーにて予備混合した。得られた混合物をフィーダーにより二軸同方向スクリュー式押出機フィード口へ供給した。また溶融混練し、押し出される全混合物(100質量部)中に占める流動パラフィン量比が68質量部となるように、流動パラフィンを二軸押出機シリンダーへサイドフィードした。溶融混練条件は、スクリュー回転数50rpm、押出量30kg/hで行った。この時のQ/N比は0.6であった。設定温度は、混練部は160℃、Tダイは230℃とした。続いて、溶融混練物をTダイよりシート状に押出し、表面温度70℃に制御された冷却ロールで冷却し、厚み1800μmのシート状のポリオレフィン樹脂組成物を得た。この時、Tダイの幅A[mm]と冷却後のシート幅B[mm]の比率、すなわちB/Aが0.8となるように、冷却ロールの速度を調整した。次に連続して同時二軸テンターへ導き、縦方向に7倍、横方向に6.4倍に同時二軸延伸を行った。この時の延伸設定温度は122℃であった。次に塩化メチレン槽に導き、十分に塩化メチレンに浸漬して流動パラフィンを抽出除去した。その後塩化メチレンの乾燥を行った。更に横テンターに導き横方向に1.84倍延伸したのち最終出口は1.65倍となるように10%の緩和率とし(緩和率=(1.84−1.65)/1.84×100=10%)、無機含有ポリオレフィン微多孔膜の巻取りを行った。横延伸部の設定温度は137℃、緩和部の設定温度は144℃であった。製膜条件を表1に、微多孔膜の特性を表2に示す。またTMAの評価結果を図1に、DSCの評価結果を図15に示す。さらに電池評価結果を表2に示す。なお、得られた微多孔膜を600℃で30分間焼成し、残重量からシリカ量を算出したところ、39.8質量%であり、配合されたシリカはほぼ抽出されず、残存していた。他の実施例、比較例も原料組成比から算出されるシリカ含有量と比較し±1%未満の値を示した。
製膜条件を表1に示すように変更し、表1に記載された条件以外は実施例1と同様にして製膜することにより微多孔膜を得た。
実施例4は、Mv27万の高密度ポリエチレン「SH800」を13.0質量部、Mv200万の超高分子量ポリエチレン「UH850」を5.5質量部に、シリカ「RX200」(日本アエロジル(株)製)を18.5質量部に変更し、表1に記載された条件以外は実施例1と同様にして製膜することにより微多孔膜を得た。
実施例6は、Mv27万の高密度ポリエチレン「SH800」を10.8質量部、Mv200万の超高分子量ポリエチレン「UH850」を4.6質量部に、ランダムポリプロピレン「B221WA」((株)プライムポリマー製)を3.8質量部に変更し、表1に記載された条件以外は実施例1と同様にして製膜することにより微多孔膜を得た。
実施例7は、Mv27万の高密度ポリエチレン「SH800」を23.0質量部、Mv200万の超高分子量ポリエチレン「UH850」を5.8質量部に、シリカ「RX200」(日本アエロジル(株)製)を3.2質量部に変更し、表1に記載された条件以外は実施例1と同様にして製膜することにより微多孔膜を得た。
実施例8は、Mv200万の超高分子量ポリエチレン「UH850」を6.4質量部に、シリカ「RX200」(日本アエロジル(株)製)を25.6質量部に変更し、表1に記載された条件以外は実施例1と同様にして製膜することにより微多孔膜を得た。
微多孔膜の特性を表2に示す。またTMAの評価結果を図2〜8に示す。さらに電池評価結果を表2に示す。
粘度平均分子量(Mv)27万の高密度ポリエチレン「SH800」(旭化成ケミカルズ(株)製)を16.8質量部、Mv200万の超高分子量ポリエチレン「UH850」(旭化成ケミカルズ(株)製)を7.2質量部、平均一次粒径が12nmであるシリカ「RX200」(日本アエロジル(株)製)を16質量部、可塑剤として流動パラフィン「スモイル P−350P」((株)松村石油研究所製)を19.2質量部、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.1質量部添加したものをスーパーミキサーにて予備混合した。得られた混合物をフィーダーにより二軸同方向スクリュー式押出機フィード口へ供給した。また溶融混練し、押し出される全混合物(100質量部)中に占める流動パラフィン量比が60質量部となるように、流動パラフィンを二軸押出機シリンダーへサイドフィードした。溶融混練条件は、スクリュー回転数80rpm、押出量18kg/hで行った。この時のQ/N比は0.23であった。設定温度は、混練部は200℃、Tダイは220℃とした。続いて、溶融混練物をTダイよりシート状に押出し、表面温度40℃に制御された冷却ロールで冷却し、厚み1800μmのシート状のポリオレフィン樹脂組成物を得た。この時、Tダイの幅A[mm]と冷却後のシート幅B[mm]の比率、すなわちB/Aが0.74となるように、冷却ロールの速度を調整した。次に連続して同時二軸テンターへ導き、縦方向に7倍、横方向に6.4倍に同時二軸延伸を行った。この時の延伸設定温度は122℃であった。次に塩化メチレン槽に導き、十分に塩化メチレンに浸漬して流動パラフィンを抽出除去した。その後塩化メチレンの乾燥を行った。更に横テンターに導き横方向に1.84倍延伸したのち最終出口は1.65倍となるように10%の緩和率とし(緩和率=(1.84−1.65)/1.84×100=10%)、無機含有ポリオレフィン微多孔膜の巻取りを行った。横延伸部の設定温度は137℃、緩和部の設定温度は139℃であった。製膜条件を表3に、微多孔膜の特性を表4に示す。またTMAの評価結果を図9に、DSCの評価結果を図16に示す。さらに電池評価結果を表4に示す。
製膜条件を表3に示すように変更し、表3に記載された条件以外は比較例1と同様にして製膜することにより微多孔膜を得た。
比較例3は、Mv27万の高密度ポリエチレン「SH800」を36.0質量部、Mv200万の超高分子量ポリエチレン「UH850」を9.0質量部に変更し、シリカ「RX200」(日本アエロジル(株)製)を使用しなかったこと以外は、表3に記載された条件及び比較例1と同様にして製膜することにより微多孔膜を得た。
比較例4は、Mv27万の高密度ポリエチレン「SH800」を13.4質量部、Mv200万の超高分子量ポリエチレン「UH850」を5.8質量部に、ランダムポリプロピレン「B221WA」((株)プライムポリマー製)を4.8質量部に変更し、表3に記載された条件以外は比較例1と同様にして製膜することにより微多孔膜を得た。
比較例5は、Mv27万の高密度ポリエチレン「SH800」を24.3質量部、Mv200万の超高分子量ポリエチレン「UH850」を6.1質量部に変更し、シリカ「RX200」(日本アエロジル(株)製)を1.6質量部に変更し、表3に記載された条件以外は比較例1と同様にして製膜することにより微多孔膜を得た。
比較例6は、Mv200万の超高分子量ポリエチレン「UH850」を5.6質量部に変更し、シリカ「RX200」(日本アエロジル(株)製)を34.4質量部に変更し、表3に記載された条件以外は比較例1と同様にして製膜することにより微多孔膜を得た。
微多孔膜の特性を表4に示す。またTMAの評価結果を図10〜14に示す。さらに電池評価結果を表4に示す。
Claims (3)
- ポリオレフィン樹脂と無機粒子とを含む微多孔膜であって、
前記無機粒子の含有割合が前記微多孔膜の総重量に対して10質量%以上80質量%以下であり、
前記微多孔膜のDSCにおいて、1回目の測定での融解ピーク数(P1N)が2つ以上あり、2回目の測定での融解ピーク数(P2N)が1回目の測定での融解ピーク数(P1N)よりも少なく、
TMAによる耐熱性評価において保持時間が240秒以上である、無機粒子含有ポリオレフィン微多孔膜。 - 前記ポリオレフィン樹脂がポリエチレンを主成分とした微多孔膜であって、前記微多孔膜のDSCにおいて、1回目の測定での融解ピーク数(P1N)が2つ以上あり、その融解ピーク温度が140℃未満と140℃以上に1つ以上存在する請求項1記載の無機粒子含有ポリオレフィン微多孔膜。
- 請求項1又は2記載の無機粒子含有ポリオレフィン微多孔膜を含む非水電解液電池用セパレータ。
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