JPWO2008093572A1 - ポリオレフィン製微多孔膜 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、高容量化を目的とした新たな負極材料として、金属類や半金属類(例えば、ケイ素(Si)やスズ(Sn)等)を用いた合金系負極材料が検討されている。これらの合金系負極材料は、炭素系活物質に比べて遥かに高い容量を実現し得る。しかし、これらの合金系負極材料は一般に、炭素系活物質に比べて遥かに大きく膨張する。
特許文献2には、溶剤を含んだ状態での同時二軸延伸と、溶剤を抽出した後の延伸とを組み合わせる事で、圧縮時の透過性変化が少なく、電極膨張を吸収する技術が開示されている。
また、特許文献3、4には、気孔率が高く、イオン透過性の高い膜が開示されている。
即ち、従来のポリオレフィン製微多孔膜を電極の膨張が大きな電池に適用した場合、以下のような問題が生じる場合があった。
(1)セパレーターが圧縮を受けることで膜が潰れ、リチウムイオンの透過性が落ちる場合があった。その為、電池寿命を示すサイクル特性が劣る場合があった。
(2)特に角型電池においては、電極の膨張により褶曲が発生し易い。その為、電池膨れが発生し、放電性能の劣化やサイクル特性の劣化を生じる場合があった。
(3)膨張した電極によりセパレーターが破れて絶縁性が低下する場合があった。その為、内部短絡が発生し、電池の安全性が低下する場合があった。
即ち、本発明者らは、電極の膨張で変形しないという、いわゆる“潰れ難い膜”を指向するのではなく、容易に変形する膜を指向するものである。歪吸収性が良好であることは、充放電時の電極の膨張分を吸収できる空間を電池内に確保し得ることを意味する。その為、歪吸収性が良好であると、歪による微多孔膜の孔閉塞や透過性の低下、褶曲などが生じ難い傾向となる。その結果として、サイクル劣化や電池膨れが抑制された電池を実現し得る。
また、ここでいう絶縁性とは、電池内部における微多孔膜の絶縁性能を意味し、微多孔膜の突刺強度や耐電圧で評価し得る指標である。特に電極の膨張が大きな電池においては、電極が膨張することにより、電極活物質の凹凸が微多孔膜を突き破るおそれや、電極活物質の塗工エッジ部分が微多孔膜を裂く(切断する)おそれがある。電池の優れた安全性を得る為には、電池捲回を経て電極による圧縮や電圧の印加を受けた後でも、絶縁性能の確保(微多孔膜に欠損が生じないこと)が望まれる。
[1]気孔率が45%〜85%のポリオレフィン製微多孔膜において、最大孔径が0.1μm〜0.23μm、長さ方向(MD)弾性率が400MPa〜2000MPa、MD弾性率/幅方向(TD)弾性率比が1.5〜9、であることを特徴とするポリオレフィン製微多孔膜。
[2]MD引張破断強度が50〜500MPaである[1]記載のポリオレフィン製微多孔膜。
[3]TD引張破断強度が10MPa〜200MPaである[1]又は[2]に記載のポリオレフィン製微多孔膜。
[4]TD弾性率が60MPa〜1000MPaである[1]〜[3]のいずれかに記載のポリオレフィン製微多孔膜。
[5]TD最大収縮応力が500kPa以下である[1]〜[4]のいずれかに記載のポリオレフィン製微多孔膜。
[6]最大孔径と平均孔径の孔径比(最大孔径/平均孔径)が1〜1.55である[1]〜[5]のいずれかに記載のポリオレフィン製微多孔膜。
[7]極限粘度[η]が5.5dl/g〜33dl/gの超高分子量ポリエチレンを5質量%〜90質量%含む[1]〜[6]のいずれかに記載のポリオレフィン製微多孔膜。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載のポリオレフィン製微多孔膜を用いた非水電解液系二次電池用セパレーター。
[9]合金系負極電極リチウムイオン二次電池用セパレーター、又は角型リチウムイオン二次電池用セパレーターとして用いられる[8]に記載の非水電解液系二次電池用セパレーター。
[10][7]又は[8]に記載の非水電解液系二次電池用セパレーターを用いてなる非水電解液系二次電池。
なお、本実施の形態において「主成分」とは、特定の成分が全成分中に占める割合が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、特に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上であることを意味し、100質量%であっても良いことを意味する。
また、前記ポリオレフィン樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(密度が0.93g/cm3より低い)、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン(密度が0.93〜0.94g/cm3)、高密度ポリエチレン(密度が0.94g/cm3を越える)、超高分子量ポリエチレン、プロピレンホモポリマー(例えば、アイソタクティックポリプロピレン、アタクティックポリプロピレン等。ここでいう“プロピレンホモポリマー”とは、エチレンモノマーユニットの含量が1モル%以下であるポリプロピレンを意味する。)、エチレン−プロピレンランダム共重合体、ポリブテン、エチレンプロピレンラバー、等が挙げられる。
なお、前記ポリオレフィン樹脂としては、透過性と機械的強度を向上させる観点からポリエチレンを単独で用いることが好ましい。特に、膜強度の観点から、高密度ポリエチレンや中密度ポリエチレンの使用が好ましい。
また、当該超高分子量ポリエチレン、又はポリプロピレンが前記ポリオレフィン樹脂組成物中に占める割合としては、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、上限として好ましくは95質量%以下、好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。極限粘度[η]が5.5dl/g〜33dl/gの超高分子量ポリエチレンを5〜90質量%用いることは、機械的強度を向上させる観点から好ましい。また、極限粘度[η]が5.5dl/g〜33dl/gの超高分子量ポリエチレンを5〜80質量%用いることは、成形性の観点から好ましい。更に、高密度ポリエチレンを10〜95質量%用いることは、ポリオレフィン製微多孔膜の透過性を向上させる観点から好ましい。
このような無機充填材としてより具体的には、例えば、シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリンクレー、タルク、酸化チタン、カーボンブラック、珪藻土類などが挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。分散性や抽出の容易さからシリカを使用することが好ましい。
(I)ポリオレフィン樹脂と可塑剤とを溶融混練してシート状に成形後、可塑剤を抽出することで多孔化させる方法、
(II)ポリオレフィン樹脂を溶融混練して高ドロー比で押出した後、熱処理と延伸によってポリオレフィン結晶界面を剥離させることで多孔化させる方法、
(III)ポリオレフィン樹脂と無機充填材とを溶融混練してシート状に成形後、延伸によってポリオレフィン樹脂と無機充填材との界面を剥離させることで多孔化させる方法、(IV)ポリオレフィン樹脂を溶解後、ポリオレフィン樹脂に対する貧溶媒に浸漬させポリオレフィン樹脂を凝固させると同時に溶剤を除去することで多孔化させる方法、
などが挙げられる。
(a)ポリオレフィン樹脂(上述)、可塑剤、添加剤(上述)、及び必要に応じて無機充填材(上述)をヘンシェルミキサー等で混合し、造粒する工程。
(b)(a)工程で作成した混合物を、先端にT−ダイを装着した押出機中で溶融混練する工程。
(c)(b)工程で得た混練物を、T−ダイから押出し、両側から加熱ロールで圧延後、冷却してシート状に成形する(シート状の微多孔膜前駆体を形成する)工程。
(d)シート状の微多孔膜前駆体から可塑剤と、必要に応じて無機粉体とを抽出除去し、当該抽出後のシートを乾燥する工程。
(e)前記乾燥されたシートを延伸、並びに熱処理をする工程。
中でも、ポリエチレンとの相溶性、低透気度化及び低バブルポイント化を考慮すると、フタル酸エステルが好ましい。
前記可塑剤が、前記ポリオレフィン樹脂と当該可塑剤、及び必要に応じて配合される無機充填材との総量中に占める割合(質量分率)としては、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上であり、上限として好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下である。可塑剤の質量分率を80%以下とすることは、溶融成形時のメルトテンションを維持し、成形性を確保する観点から好ましい。一方、30%以上とすることは、均質な薄膜を得る観点から好ましい。即ち、30%以上とすることによって可塑化効果が十分となり、結晶状に折り畳まれたラメラ晶が効率よく引き伸ばされ、高倍率の延伸でもポリオレフィン鎖の切断が起こらず均一かつ微細な孔構造が実現し得、その結果、高い膜強度が実現し得る。更に、30%以上とすることは、押出し成形時の押し出し負荷が低減される傾向となり、高い生産性を実現する観点からも好ましい。
また、前記ポリオレフィン樹脂が、当該ポリオレフィン樹脂と可塑剤、及び必要に応じて配合される無機充填材の総量中に占める割合(質量分率)としては、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上であり、上限として好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下である。ポリオレフィン樹脂の割合は、微多孔膜の機械的強度を向上させる為に10%以上が好ましく、押出成形の際に製膜性、並びに微多孔膜の透過性を向上させる為に50%以下が好ましい。
中でも、予めポリオレフィン樹脂と可塑剤、あるいはポリオレフィン樹脂と無機充填材と可塑剤とをヘンシェルミキサー等を用い所定の割合で事前混練する工程を経て、該混練物を押出機(例えば、二軸押出機)に投入し、加熱溶融させながら所定可塑剤添加量の残り分を(例えば、サイドフィードする等の方法によって)任意の比率で導入し、更に混練する方法が好ましい。このような方法を採用することで、より分散性が良好なシートを得ることができ、高倍率の延伸が破膜することなく実施され得る。
可塑剤等を抽出する方法としてはバッチ式、連続式のいずれでもよいが、抽出溶剤に微多孔膜前駆体を浸漬することにより可塑剤等を抽出し、充分に乾燥させ、可塑剤等を多孔膜から実質的に除去することが好ましい。多孔膜の収縮を抑えるために、浸漬、乾燥の一連の工程中に多孔膜の端部を拘束することが好ましい。また、抽出後の多孔膜中の可塑剤等の残存量は1質量%未満にすることが好ましい。
このような抽出溶剤としては、例えば、n−ヘキサンやシクロヘキサン等の炭化水素類、塩化メチレンや1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ハイドロフルオロエーテルやハイドロフルオロカーボン等の非塩素系ハロゲン化溶剤、エタノールやイソプロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ水溶液、等を挙げることができる。
なお、本実施の形態においてMD方向とは上述の通り“長さ方向”と定義されるが、樹脂の押し出し方向(機械方向、流れ方向)を意味する。一方、TD方向とは上述の通り“幅方向”と定義されるが、シート状に押し出されたシートの幅方向(前記機械方向と略垂直方向)を意味する。
また、優れた歪吸収性、優れた透過性、圧縮時の絶縁性能を高めるにはTD延伸倍率を1.2倍以上とすることが好ましい。1.2倍以上の延伸をすることで、TDにもポリマー配向が起こり、微多孔膜の孔がTDにも広がる。ひいては圧縮時に裂けが生じにくくなり、圧縮時の優れた絶縁性能が実現され得る。なお、高温時の絶縁性能を高めるにはTD倍率は3.5倍以下が好ましい。延伸工程が複数に分かれている場合は、合計の延伸倍率で考える。
一方、TD延伸速度は、透過性能と絶縁性能を向上させる観点から、好ましくは10〜100%/秒、より好ましくは15〜100%/秒、更に好ましくは20〜100%/秒である。最大孔径を適正化し、優れた透過性と優れた絶縁性能を得るには、TD延伸速度は10%/秒以上が好ましい。更に、高温時の優れた絶縁性能を得るにはTD延伸速度は100%/秒以下が好ましい。
なお、ここで言う延伸速度は、予熱、熱固定を含まない実質的な延伸部分の長さと、延伸倍率から求められる。また、延伸工程が複数回に分かれる場合には、延伸速度は合計の長さと、合計の延伸倍率から求められる。
また、延伸方法としては、一枚膜を延伸する方法、複数枚を重ねて延伸する方法の、いずれも採用し得る。高い強機械的強度を得る為に、二枚以上重ねて延伸することが好ましい。
最大孔径を0.1μm以上とすることは、イオン透過性、サイクル特性を向上させる観点から好ましい。一方、最大孔径を0.23μm以下とすることは、絶縁性能を向上させる観点から好ましい。特に、本実施の形態において耐電圧と最大孔径は関係が深く、最大孔径を一定範囲以下とすることは、耐電圧を向上させ、良好な絶縁性を実現する観点から好ましい。
本実施の形態の微多孔膜のMD弾性率としては、400MPa以上、好ましくは500MPa以上、更に好ましくは600MPa以上、最も好ましくは800MPa以上であり、上限としては2000MPa以下である。MD弾性率は400MPa以上とすることは、微多孔膜が圧縮を受けた際に電極活物質による破膜を抑制し、良好な絶縁性能を確保する観点や、電池捲回時にMDに変形を起こして幅が狭くなり、捲回後に電極同士が接触するという問題を抑制する観点から好ましい。一方、2000MPa以下とすることは、微多孔膜が圧縮を受けた際に良好な歪吸収性を示し、且つ塗工エッジによる裂けを抑制する観点から好適である。
なお、電池から取り出したセパレーターから、圧縮を受ける前の膜厚を確認する方法としては、電極に接していない部分の厚みを測定する方法がある。
例えば、角型電池の製造工程においては、正極、負極、セパレーターを捲回後に熱プレスして捲回体が成形され、その後電池缶に挿入される。本実施の形態の微多孔膜のようにプレス時の膜厚変化量が大きいと、膜厚減少分の厚みを薄くするだけでなく、プレス後に捲回体が膨れるといった問題も解決できる為、電池へ缶の挿入がし易くなるという利点がある。更に、プレス後でも、電極に接していない部分のセパレーターは、電極エッジを包み込む形となり、電池が高温となった際でもセパレーター収縮による短絡を発生し難いという利点もある。
また、上述した各種パラメータの調整については、公知の方法を採用し得る。
東洋精機製の微少測厚器(タイプKBN、端子径Φ5mm、測定圧62.47kPaを用いて、雰囲気温度23±2℃で測定した。
100mm×100mm角の試料を微多孔膜から切り取り、その体積(mm3)と質量(mg)を求め、それらと膜密度(g/cm3)より、次式を用いて計算した。
気孔率=(体積−質量/膜密度)/体積×100
尚、体積は試料大きさと膜厚より計算し、膜密度は材料密度より計算した。
JIS P−8117に準拠し、ガーレー式透気度計(東洋精器(株)製、G−B2(商標))を用いた。内筒重量は567gで、直径28.6mm、645mm2の面積を空気100mlが通過する時間を測定した。
カトーテック製のハンディー圧縮試験器KES−G5(商標)を用いて、開口部の直径11.3mmの試料ホルダーで微多孔膜を固定した。次に固定された微多孔膜の中央部を、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/secで、25℃雰囲気下にて突刺試験を行ない評価した。得られた値を膜厚換算する事で、突刺強度(膜厚換算)を計算した。
ASTM E−128−61に準拠し、エタノール中でのバブルポイント法により算出した。
ASTM F−316−86に準拠し、エタノールを使用したハーフドライ法にて測定した。
上記最大孔径及び平均孔径の測定値を用い、以下の式で孔径比を算出した。
孔径比 = 最大孔径/平均孔径
JIS K7127に準拠し、島津製作所製の引張試験機、オートグラフAG−A型(商標)を用いて、MD及びTDサンプル(形状;幅10mm×長さ100mm)について測定した。また、サンプルはチャック間を50mmとした。
引張破断伸度(%)は、破断に至るまでの伸び量(mm)をチャック間距離(50mm)で除して、100を乗じることにより求めた。
引張破断強度(MPa)は、破断時の強度を、試験前のサンプル断面積で除することで求めた。なお、測定は、温度23±2℃、チャック圧0.30MPa、引張速度200mm/分で行った。
引張弾性率(MPa)は、得られる応力−歪曲線において伸度が1〜4%間の傾きで評価した。
熱機械的分析装置(島津TMA50)にて、サンプル長10mm、サンプル幅3mm、初期荷重1.0g、昇温速度10℃/分の条件にて測定した。収縮応力曲線において最大収縮荷重(g)を求め、下記の式より、TD最大収縮応力(Pa)を算出した。
最大収縮応力={最大収縮荷重/(3×T)}×100×9.807×10000
T:サンプル厚み(μm)
ここで、サンプル長(10mm)の方向はTDである。
原料のポリオレフィン及びそれを用いた微多孔膜について、それらの極限粘度[η]の測定は、ASTM D4020に基づき、デカリン溶媒における135℃での極限粘度[η]として評価した。
直径3cmのアルミニウム製電極で微多孔膜を挟み15gの荷重をかけ、これを菊水電子工業製の耐電圧測定機(TOS9201)に繋いで測定を実施した。測定条件は、交流電圧(60Hz)を1.0KV/secの速度でかけていき、短絡した電圧値を微多孔膜の耐電圧測定値とした。
サンプルを50mm×50mmに切り出し20枚重ねたのち、高平滑面を有するステンレス製の板に挟み、55℃の温度条件下、5MPaで30秒間プレスを行った。プレス前後の膜厚を測定し、その変化量を下記の式より算出した。プレス後膜厚変化量は、それぞれ20枚の平均値とした。
プレス後膜厚変化量(μm)=プレス前の膜厚(20枚平均)―プレス後の膜厚(20枚平均)
上記プレス後膜厚変化量の測定時と同様にしてプレス後の膜を作成した。その透気度を上述した方法により測定し、20枚の平均値をプレス後透気度とした。
上記プレス後膜厚変化量の測定時と同様にしてプレス後の膜を作成した。その耐電圧を上述した方法により測定し、20枚の平均値をプレス後耐電圧とした。
以下の基準に基づいて評価した。
○:シワを生じることなく捲回可能であった。
×:捲回時にシワが生じた。
正極の作製:活物質としてリチウムコバルト複合酸化物LiCoO2を92.2質量%、導電剤としてリン片状グラファイトとアセチレンブラックをそれぞれ2.3質量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)3.2質量%をN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面にダイコーターで塗付し、130℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。このとき、正極の活物質塗付量は250g/m2,活物質嵩密度は3.00g/cm3になるようにする。これを幅約40mmに切断して帯状にした。
負極の作製:活物質として人造グラファイト96.9質量%、バインダーとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4質量%とスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス1.7質量%を精製水中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の片面にダイコーターで塗付し、120℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。このとき、負極の活物質塗付量は106g/m2,活物質嵩密度は1.55g/cm3と高充填密度とした。これを幅約40mmに切断して帯状にした。
非水電解液の調製:エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPF6を濃度1.0mol/リットルとなるように溶解させて調製した。
電池組立て:上記の微多孔膜セパレーター,帯状正極及び帯状負極を、帯状負極、セパレーター、帯状正極、セパレーターの順に重ねて渦巻状に12回捲回することで電極板積層体を作製した。この電極板積層体を55℃の温度条件下5MPaで30秒間平板状にプレスし、電池捲回体を得た。この電池捲回体の厚みをノギスで測定した。
作成した電池捲回体は、電池捲回体をアルミニウム製容器に収納し、正極集電体から導出したアルミニウム製リードを容器壁に、負極集電体から導出したニッケル製リードを容器蓋端子部に接続した。こうして作製されるリチウムイオン電池は、縦(厚み)6.3mm,横30mm,高さ48mmの大きさである。この電池容量は600mAhであった。
捲回体プレス後短絡:組立てた電池に100Vの電圧をかけて短絡試験を実施した。以下の基準に基づいて評価した。短絡した電池については、解体して原因を確認した。
○:短絡しなかった。
×:短絡した。
500回サイクル特性:容量維持率(%)として評価した。組立てた電池の初充放電として、先ず1/6Cの電流値で電圧4.2Vまで定電流充電した後に4.2Vの定電圧を保持するように電流値を絞り始めて合計8時間の初充電を行い、次に1/6Cの電流で2.5Vの終止電圧まで放電を行った。続いてサイクル充放電として、(i)電流量0.5C、上限電圧4.2V、合計8時間の定電流定電圧充電、(ii)10分間の休止、(iii)電流量0.5C、終止電圧2.5Vの定電流放電、(iv)10分間の休止なるサイクル条件で都合50回の充放電を行った。以上の充放電処理は全て20℃及び45℃の雰囲気下にてそれぞれ実施した。その後、上記初充電での放電容量に対する上記500サイクル目の放電容量の比を100倍することで、容量維持率(%)を求めた。
オーブン試験:組立てた電池のオーブン試験をするため、充電後の電池を室温から150℃まで5℃/分で昇温し、150℃で30分間放置した。以下の基準に基づいて評価した。
○:発火しなかった。
×:発火した。
正極、非水電解液の作成は、上記角型電池評価の際と同様に実施した。負極の作成、電池組立てを以下のように実施した。
負極の作製:活物質としてメカニカルアロイング法で調整されたCo−Sn−C粉末(元素組成比10−50−40%)を85質量%、導電助剤としてカーボンブラックを5質量%、バインダーとしてPVdFを10質量%からなる混合物をNMP中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の片面にダイコーターで塗付し、125℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。このとき、負極の活物質塗付量は53g/m2、活物質嵩密度は1.35g/cm3になるようにした。これを幅56mmに切断して帯状にした。
電池組立て:本上記のポリオレフィン製微多孔膜,帯状正極及び帯状負極を、帯状負極、セパレーター、帯状正極、セパレーターの順に重ねて渦巻状に複数回捲回することで電極板積層体を作製した。このとき、特に断らない限りは、該セパレーターの突起が設けられた面を該帯状負極の活物質に接する向きとして重ねた。この電極板積層体を外径が18mmで高さが65mmのステンレス製容器に収納し、正極集電体から導出したアルミニウム製タブを容器蓋端子部に、負極集電体から導出したニッケル製タブを容器壁に溶接した。その後、真空下85℃で12時間の乾燥を行い、次に、アルゴンボックス内にて容器内に前記した非水電解液を注入し、封口した。この電池容量は1800mAhであった。
50回サイクル特性:容量維持率(%)として評価した。組立てた電池の初充放電として、先ず1/6Cの電流値で電圧4.2Vまで定電流充電した後に4.2Vの定電圧を保持するように電流値を絞り始めて合計8時間の初充電を行い、次に1/6Cの電流で2.5Vの終止電圧まで放電を行った。続いてサイクル充放電として、(i)電流量0.5C、上限電圧4.2V、合計8時間の定電流定電圧充電、(ii)10分間の休止、(iii)電流量0.5C、終止電圧2.5Vの定電流放電、(iv)10分間の休止なるサイクル条件で都合50回の充放電を行った。以上の充放電処理は全て20℃及び45℃の雰囲気下にてそれぞれ実施した。その後、上記初充電での放電容量に対する上記50サイクル目の放電容量の比を100倍することで、容量維持率(%)を求めた。
[η]が7.0dl/gの超高分子量ポリエチレン19.2質量%、[η]が2.8dl/gの高密度ポリエチレン12.8質量%、フタル酸ジオクチル(DOP)48質量%、微粉シリカ20質量%を混合造粒した後、先端にTダイを装着した二軸押出機にて溶融混練した後に押出し、両側から加熱したロールで圧延し、厚さ110μmのシート状に成形した。該成型物からDOP、微粉シリカを抽出除去し微多孔膜(抽出膜)を作製した。該微多孔膜を2枚重ねて120℃で、MDに延伸速度100%/秒で5倍延伸した後、120℃でTDに延伸速度40%/秒で2倍延伸し、最後に138℃にて熱処理した。得られた微多孔膜の物性を表1に示す。
実施例1で作成した抽出膜を2枚重ねて120℃でMDに延伸速度120%/秒で6倍、120℃でTDに延伸速度40%/秒で2倍延伸し、最後に135℃で熱処理した。得られた物性を表1に示す。
実施例1で作成した抽出膜を2枚重ねて120℃でMDに延伸速度90%/秒で4.5倍、120℃でTDに延伸速度35%/秒で1.8倍延伸し、最後に135℃で熱処理した。得られた物性を表1に示す。
実施例1で作成した抽出膜を2枚重ねて120℃でMDに延伸速度120%/秒で6倍、120℃でTDに延伸速度40%/秒で2倍延伸し、最後に132℃で熱処理した。得られた物性を表1に示す。
実施例1と同様に溶融混練して押出し、厚さ130μmの圧延膜を作成し、その後抽出を行い、2枚重ねて120℃でMDに延伸速度90%/秒で4.5倍、120℃でTDに延伸速度35%/秒で1.8倍延伸し、最後に135℃で熱処理した。得られた物性を表1に示す。
実施例5で作成した抽出膜を2枚重ねて120℃でMDに延伸速度100%/秒で5倍、120℃でTDに延伸速度40%/秒で2倍延伸し、最後に132℃で熱処理した。得られた物性を表1に示す。
[η]が11.5dl/gの超高分子量ポリエチレン10.2質量%、[η]が1.8dl/gの高密度ポリエチレン10.2質量%、[η]が1.8dl/gの直鎖状低密度ポリエチレン13.6質量%のポリオレフィンを用いて、厚さ110μmの圧延膜を作成した後抽出を行い、2枚重ねて115℃でMDに延伸速度100%/秒で5倍、115℃でTDに延伸速度40%/秒で2倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表1に示す。
実施例7で作成した抽出膜を115℃でMDに延伸速度130%/秒で6.5倍、115℃でTDに延伸速度40%/秒で2倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表1に示す。
実施例5で作成した抽出膜を2枚重ねて115℃でMDに延伸速度120%/秒で6倍、115℃でTDに延伸速度45%/秒で2.2倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表1に示す。
実施例5で作成した抽出膜を2枚重ねて115℃でMDに延伸速度100%/秒で4.5倍、115℃でTDに延伸速度35%/秒で2倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表1に示す。
実施例5で作成した抽出膜を2枚重ねて115℃でMDに延伸速度120%/秒で4倍、115℃でTDに延伸速度50%/秒で2.5倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表1に示す。
実施例5で作成した抽出膜を2枚重ねて115℃でMDに延伸速度300%/秒で6倍、115℃でTDに延伸速度90%/秒で1.5倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表1に示す。
実施例5で作成した抽出膜を2枚重ねて115℃でMDに延伸速度140%/秒で4.5倍、115℃でTDに延伸速度50%/秒で2.5倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表1に示す。
実施例5で作成した抽出膜を2枚重ねて115℃でMDに延伸速度350%/秒で6.5倍、115℃でTDに延伸速度90%/秒で1.5倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表1に示す。
実施例5で作成した抽出膜を120℃でMDに延伸速度100%/秒で5倍、115℃でTDに延伸速度35%/秒で1.8倍延伸し、最後に135℃で熱処理した。得られた物性を表1に示す。
実施例7で作成した抽出膜を115℃でMDに延伸速度100%/秒で5.5倍、115℃でTDに延伸速度40%/秒で2倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表1に示す。
実施例5で作成した抽出膜を2枚重ねて115℃でMDに延伸速度200%/秒で5倍、115℃でTDに延伸速度45%/秒で1.8倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表1に示す。
実施例5で作成した抽出膜を2枚重ねて115℃でMDに延伸速度100%/秒で4倍、115℃でTDに延伸速度45%/秒で2.5倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表1に示す。
実施例1で作成した抽出膜を2枚重ねて120℃でMDに延伸速度40%/秒で2倍、120℃でTDに延伸速度40%/秒で8倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表2に示す。MD弾性率が低い為捲回性が悪い。また、最大孔径が大きすぎる為、絶縁性能に劣る。
実施例1で作成した抽出膜を1枚のまま120℃でMDに延伸速度80%/秒で4倍延伸した。得られた物性を表2に示す。MD弾性率/TD弾性率比が高い為角型電池捲回体の短絡試験で裂けによる短絡が発生した。
実施例7で作成した抽出膜を2枚重ねて118℃でMDに延伸速度100%/秒で4倍、118℃でTDに延伸速度20%/秒で4倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表2に示す。最大孔径が大きすぎる為絶縁性能に劣る。また、MD/TD弾性率比が低い為、オーブン試験に合格しなかった。
実施例7で作成した抽出膜を2枚重ねて115℃でMDに延伸速度100%/秒で4.5倍、115℃でTDに延伸速度2%/秒で2.2倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表2に示す。最大孔径が大きすぎる為絶縁性能に劣る。また、孔径分布が広いことで圧縮後の透過性能も充分ではない。
[η]が2.8dl/gの高密度ポリエチレン25質量%、DOP50質量%、微粉シリカ25質量%を混合造粒した後、先端にTダイを装着した二軸押出機にて溶融混練した後に押出し、両側から加熱したロールで圧延し、厚さ110μmのシート状に成形した。実施例1で作成した抽出膜を1枚のまま、115℃でMDに延伸速度70%/秒で3.5倍、115℃でTDに延伸速度30%/秒で1.5倍延伸し、最後に120℃で熱処理した。得られた物性を表2に示す。MD弾性率が低い為捲回性が劣る。また、突刺強度が低い為角型電池捲回体の短絡試験で破れによる短絡が発生した。
[η]が7.0dl/gの超高分子量ポリエチレン60質量%、[η]が2.8dl/gの高密度ポリエチレン40質量%を、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリマー混合物を得た。得られたポリマー混合物を二軸押出し機へフィーダーにより供給しながら、流動パラフィンを押出し機シリンダーにポンプにより注入した。溶融混練では、押し出される全混合物中に占める流動パラフィン量比は60質量%となるように、フィーダー及びポンプを調整した。押出した後は、T−ダイを経て表面温度30℃に制御された冷却ロールで圧延し、1600μmシート状に成型した。
次に、同時二軸テンター延伸機に導き、120℃で延伸速度40%/秒でMD倍率7倍、TD倍率6.3倍の同時二軸延伸を行った後、流動パラフィンを抽出除去した。
さらに、TDテンター熱固定機で120℃にて延伸速度10%/秒で1.1倍延伸し、最後に135℃で熱処理を行った。得られた微多孔膜の物性を表2に示す。
気孔率が低い為プレス膜厚変化量が小さい事に加え、透気度が高い為プレス後透気度が高くなり、結果としてクッション性が劣り、膨張の大きい負極を用いた際のサイクル特性が悪い。また、MD/TD弾性率比が低い為、オーブン試験に合格しなかった。
比較例6の圧延膜を120℃で延伸速度30%/秒でMD倍率5倍、TD倍率5倍の同時二軸延伸を行った後、流動パラフィンを抽出除去した。
さらに、TDテンター熱固定機で120℃にて延伸速度20%/秒で1.5倍延伸し、最後に135℃で熱処理を行った。得られた微多孔膜の物性を表2に示す。
透気度が高い為プレス後透気度が高くなり、結果としてクッション性が劣り、膨張の大きい負極を用いた際のサイクル特性が悪い。また、MD/TD弾性率比が低い為、オーブン試験に合格しなかった。
実施例1で作成した抽出膜を2枚重ねて115℃でMDに延伸速度200%/秒で3.5倍、115℃でTDに延伸速度120%/秒で1.2倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表2に示す。
実施例1で作成した抽出膜を2枚重ねて115℃でMDに延伸速度250%/秒で5倍、115℃でTDに延伸速度120%/秒で1.2倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表2に示す。
実施例1で作成した抽出膜を2枚重ねて115℃でMDに延伸速度300%/秒で6倍、115℃でTDに延伸速度110%/秒で1.1倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表2に示す。
実施例7で作成した抽出膜を2枚重ねて118℃でMDに延伸速度1000%/秒で5.3倍、118℃でTDに延伸速度20%/秒で1.8倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表2に示す。
実施例7で作成した抽出膜を2枚重ねて118℃でMDに延伸速度500%/秒で5倍、118℃でTDに延伸速度2%/秒で1.6倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表2に示す。
実施例7で作成した抽出膜を2枚重ねて118℃でMDに延伸速度1000%/秒で6.2倍、118℃でTDに延伸速度20%/秒で1.8倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表2に示す
実施例7で作成した抽出膜を2枚重ねて118℃でMDに延伸速度5%/秒で5倍、118℃でTDに延伸速度2%/秒で2倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表2に示す。
実施例7で作成した抽出膜を2枚重ねて118℃でMDに延伸速度10%/秒で5倍、118℃でTDに延伸速度1%/秒で2倍延伸し、最後に125℃で熱処理した。得られた物性を表2に示す。
[η]が11.5dl/gの超高分子量ポリエチレン5質量%、[η]が2.8dl/gの高密度ポリエチレン23質量%、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリマー混合物を得た。得られたポリマー混合物を二軸押出し機へフィーダーにより供給しながら、流動パラフィンを押出し機シリンダーにポンプにより注入した。溶融混練では、押し出される全混合物中に占める流動パラフィン量比は72質量%となるように、フィーダー及びポンプを調整した。押出した後は、T−ダイを経て表面温度40℃に制御された冷却ロールで圧延し、1400μmシート状に成型した。
次に、同時二軸テンター延伸機に導き、124℃で延伸速度30%/秒でMDに5倍、TDに5倍の同時二軸延伸を行った後、流動パラフィンを抽出除去した。次に、120℃で延伸速度11%/秒でMDに1.1倍した後、120℃で延伸速度13%/秒でTDに1.3倍延伸し、最後に130℃で熱処理を行った。得られた微多孔膜の物性を表2に示す。
[η]が11.5dl/gの超高分子量ポリエチレン5質量%、[η]が2.8dl/gの高密度ポリエチレン23質量%、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリマー混合物を得た。得られたポリマー混合物を二軸押出し機へフィーダーにより供給しながら、流動パラフィンを押出し機シリンダーにポンプにより注入した。溶融混練では、押し出される全混合物中に占める流動パラフィン量比は72質量%となるように、フィーダー及びポンプを調整した。押出した後は、T−ダイを経て表面温度40℃に制御された冷却ロールで圧延し、2000μmシート状に成型した。
次に、同時二軸テンター延伸機に導き、117℃で延伸速度30%/秒でMDに5倍、TDに5倍の同時二軸延伸を行った。その際、MD2.5倍、TD2.5倍に延伸した時点で、延伸を継続しながら温度を117℃から125℃に1℃/秒の速度で昇温した。その後、流動パラフィンを抽出除去した。次に、110℃で延伸速度15%/秒でTDに1.5倍した後、最後に110℃で熱処理を行った。得られた微多孔膜の物性を表2に示す。
Claims (10)
- 気孔率が45%〜85%のポリオレフィン製微多孔膜において、
最大孔径が0.1μm〜0.23μm、
長さ方向(MD)弾性率が400MPa〜2000MPa、
MD弾性率/幅方向(TD)弾性率比が1.5〜9、
であることを特徴とするポリオレフィン製微多孔膜。 - MD引張破断強度が50〜500MPaである請求項1記載のポリオレフィン製微多孔膜。
- TD引張破断強度が10MPa〜200MPaである請求項1又は2に記載のポリオレフィン製微多孔膜。
- TD弾性率が60MPa〜1000MPaである請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレフィン製微多孔膜。
- TD最大収縮応力が500kPa以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオレフィン製微多孔膜。
- 最大孔径と平均孔径の孔径比(最大孔径/平均孔径)が1〜1.55である請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリオレフィン製微多孔膜。
- 極限粘度[η]が5.5dl/g〜33dl/gの超高分子量ポリエチレンを5質量%〜90質量%含む請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリオレフィン製微多孔膜。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリオレフィン製微多孔膜を用いた非水電解液系二次電池用セパレーター。
- 合金系負極電極リチウムイオン二次電池用セパレーター、又は角型リチウムイオン二次電池用セパレーターとして用いられる請求項8に記載の非水電解液系二次電池用セパレーター。
- 請求項7又は8に記載の非水電解液系二次電池用セパレーターを用いてなる非水電解液系二次電池。
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