JP5576328B2 - 作業車 - Google Patents
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Description
その結果、電源ユニットの配置に無理がなく、配管等の作業を低減し、走行機体の設計変更を行わずとも電源ユニットと空調装置とをルーフ部にコンパクトに備えることが可能な作業車が合理的に構成された。
しかも、ルーフ部の底壁と上壁との間のルーフ内空間に配置されるユニット収容ケースに電源ユニットを収容できる。また、ユニット収容ケースに吸気ダクトと排気ダクトとを接続して冷却空間を形成し、キャビン外部の空気を吸気ダクトで吸引し、ユニット収容空間を通過した空気を排気ダクトによりキャビン外部に送り出すファンを備えているので、電源ユニットに対する雨水や塵埃の侵入を抑制しながら、走行機体の走行が停止した状態においてもキャビン外部の空気を電源ユニットに供給する形態での冷却が可能になる。
前記電動モータで発電された電力を前記電源ユニットの前記二次電池に充電する充電モードと、前記電動モータに前記電源ユニットからの電力を供給する駆動モードとの切り換えを行う充放電制御手段を備えても良い。
をハイブリッド型に構成できる。
〔全体構成〕
図1に示すように、操向操作(操舵)自在な左右一対の前車輪1と、左右一対の後車輪2とを備えた走行機体Aの前部のエンジンボンネット3の内部にディーゼル型のエンジン4を備え、このエンジン4の後面側にジェネレータモータM(電動モータの一例)と主クラッチ機構Cとを収容する伝動ハウジング5を備え、この伝動ハウジング5の後面にミッションケース7が連結し、走行機体Aの後部で左右の後車輪2の上方を覆うように走行機体Aから外側方に張り出す形態で備えられた左右の後部フェンダー8の間に運転座席9を備え、この運転座席9を収容する運転空間を形成するキャビンDを備えて作業車としてのハイブリッド型のトラクタが構成されている。
上位概念として電力制御ユニットEと称する。
主制御システムは、図15に示すように、主制御ユニット101と、エンジン制御ユニット102と、ハイブリッド制御ユニット103と、モータ制御ユニット104と、整流昇圧ユニット105とを有しており、これらはECUとして構成される。また、この主制御システムは充放電手段として機能するものであり、走行伝動系に作用する負荷が小さい場合には、ジェネレータモータMからの発電電力を電源ユニットBの二次電池59に充電する充電モードを選択し、走行伝動系に作用する負荷が閾値を超えた場合には、電源ユニットBからの電力を第1電力制御ユニットE1で三相交流に変換してジェネレータモータMに供給する駆動モードを選択するように構成され、この駆動モードでは、ジェネレータモータMの駆動力を走行伝動系に伝えることによりエンジン回転をアシストして駆動力不足やエンジンストップを招くことのない走行を実現する。尚、走行伝動系とはエンジン4の駆動力を前車輪1と後車輪2とに伝える機能を有するミッションケース7等の伝動機構であり、ミッションケース7と制御構成の詳細とは後述する。
図2に示すように、エンジン4とジェネレータモータMとフライホイール15と主クラッチ機構Cとが、この順序で備えられ、エンジン4の後部に連結したリヤエンドプレート16に対して前述した伝動ハウジング5が連結し、これにより伝動ハウジング5にジェネレータモータMとフライホイール15と主クラッチ機構Cとが収容されている。
、ロータ22を出力軸4Aに連結する際には、図3(a)に示すように、ネジ軸18の先端がロータ22に突出するように螺合させた状態で、複数のスタッド軸24をロータ22のロータ貫通孔22Aに挿通させ、ネジ軸18の円錐状の先端を出力軸4Aの後面で回転軸芯X上に形成した円錐状の凹部4Bに嵌め込むことになる。この状態において、ネジ軸18をロータ22から抜き取る方向に回転操作することにより、永久磁石21がステータ23に吸引される吸引力によりロータ22と出力軸4Aの後端との距離を徐々に短縮することになる。この操作によりロータ22が出力軸4Aの後端に接触する位置に達した状態では、ロータ22の外周とステータ23の内周との間に間隙が形成され、この後、図3(b)に示すように、複数のスタッド軸24をフライホイール15のホイール貫通孔15Aに挿通させ、スタッド軸24にナット25を螺合させ締結することで、このロータ22とフライホイール15とが連結状態に達する。また、出力軸4Aの後面の中央位置には回転軸芯Xと同軸芯となる凹状の被嵌合部4Cが形成され、ロータ22の前面には回転軸芯Xと同軸芯となる凸状の嵌合部22Cが形成され、ロータ22を出力軸4Aに連結時には、被嵌合部4Cと嵌合部22Cとが嵌合して強固な位置決め状態に達する。
このような構成から、エンジン4の出力軸4Aに対してジェネレータモータMのロータ22を連結する際には、ロータ22のネジ孔22Bの全長より充分に長い寸法の送り速度調整用のネジ軸18を準備しておき、このネジ軸18の両端部がネジ孔22Bから突出するようにネジ孔22Bに螺合させ、出力軸4Aに備えたスタッド軸24がロータ22のロータ貫通孔22Aに貫通する状態にセットする。この状態では、ロータ22とステータ23との間に吸引力が作用するものであるが、ネジ軸18の一方の端部が出力軸4Aの凹部4Bの内面に接当するためロータ22が出力軸4Aに接近する方向(回転軸芯Xに沿う方向)への変位が抑制される。また、スタッド軸24がロータ22のステータ内面に接近する方向(回転軸芯Xに直交する方向)への変位が抑制される。
ミッションケース7は、図5に示すように、油圧変速ユニットFを内蔵しており、この油圧変速ユニットFで変速された走行駆動力をミッションケース7から前車輪1と後車輪2とに伝える伝動系が形成されている。油圧変速ユニットFの構成は図面に示していないが、エンジン4からの動力を断続する油圧式の変速クラッチと、シンクロメッシュ型の複数の変速ギヤと、夫々の変速ギヤのスリーブをシフト操作する複数の油圧式の変速シリンダと、変速シリンダを制御する変速バルブとを備えている。
図1に示すように、ミッションケース7の前方でエンジン4より更に前方位置には、前車輪1のステアリング作動を行う油圧式のステアリングユニット36が備えられている。
図7に示すように、このステアリングユニット36と、昇降シリンダ10と、PTOクラッチ37と、ADクラッチ35Cとが油圧装置の一例であり、図4及び図5に示すように、ミッションケース7の右側の外側部で、キャビンDのステップの下側には、これらに作動油を供給するため前部位置に第1油圧ポンプP1が備えられ、この後部位置に第2油圧ポンプP2が一直線状に配置され、ミッションケース7の左側の外側部には、ミッションケース7の潤滑油を濾過して作動油として第1油圧ポンプP1と第2油圧ポンプP2とに供給する油圧フィルタ38が取り付けられている。尚、第1油圧ポンプP1と第2油圧ポンプP2とによって電源ユニットBからの電力によって作動する電動油圧ポンプが構成され、第1油圧ポンプP1と第2油圧ポンプP2との下面がミッションケース7の下面より上側に位置するように相対的な位置関係が設定されている。
このような油圧構成から、油圧機器を作動させる際に第1油圧ポンプP1の第1ポンプモータP1m、又は、第2油圧ポンプP2の第2ポンプモータP2mを作動させることにより、油圧機器を作動させない場合に電力の無駄な消費をなくすことが可能となる。また、ミッションケース7の一方の外側部に電動油圧ポンプとして第1油圧ポンプP1と第2油圧ポンプP2との2つの油圧ポンプを配置し、ミッションケース7の他方の外側部に油圧フィルタ38を配置しているので、ミッションケース7と油圧ポンプとの間の油路長を最短にして油圧系の小型化を実現するだけではなく、例えば、ミッションケース7一方の外側部に油圧ポンプと油圧フィルタ38とを配置するものと比較してミッションケース7の両側部の空間を有効に利用して油圧系を構成することが可能となる。
キャビンDは、前部で支柱状となる左右一対の前ピラー41と、前後方向の中間で支柱状となる左右一対の中間ピラー42と、後部で支柱状となる左右一対の後ピラー43と、これらの上部に連結するトップフレーム44と、このトップフレーム44を覆う位置に配置されるルーフ部Rとを有している。キャビンDの前部位置で左右の前ピラー41に挟まれる位置にフロントガラス45を備え、両側部で前ピラー41と中間ピラー42との間にガラス製のドア46を開閉自在に備え、このドア46の後方位置で中間ピラー42と後ピラー43との間にサイドガラス47を備え、後部位置で左右の後ピラー43に挟まれる位置にリヤガラス48を備えている。この構成では左右一対の前ピラー41と、左右一対の中間ピラー42と、左右一対の後ピラー43とが断面形状コ字状となる鋼材が用いられ、これらの上端に対してトップフレーム44が溶接固定されている。
キャビンDのルーフ部Rに備えられる電源ユニットBは、二次電池59の温度上昇を抑制する目的から、キャビン外部の空気を吸引して冷却風として二次電池59と電池管理システム60とに供給する冷却系を備えている。
このような構成から、前部ファン67と後部ファン68とを駆動して冷却空間Nに外気を吸引する際には、図8に示す如く、前ガイド板69Fの上側を通過した空気が、後ガイド板69Rの下端に周り込む形態で流動し、エアーフィルタ70で塵埃が除去された後に、吸気ダクト65に流れ込む。また、電源ユニットBがルーフ部Rの内部のルーフ内空間Kに配置されているので、雨水が電源ユニットBに対して直接的に接触することがなく、外気を吸引する際には、吸気開口Raに雨水や塵埃が侵入可能な状況にある場合でも、この雨水や塵埃を開放部(図示せず)から下方に排出することで吸気ダクト65に吸引されず、この雨水や塵埃が冷却空間Nに侵入して二次電池59に付着することもない。
図8及び図9に示すように、エアーコンディショナーSは、ルーフ部Rの後端位置で後ピラー43より更に後方に張り出した位置に備えられている。エアーコンディショナーSは、左右一対の後ピラー43の上端より低い配置高さで、左右一対の後ピラー43に亘って設けられた横フレームに支持されている。このエアーコンディショナーSは、内部にエバポレータ(図示せず)と電気ヒータとを有した空調ユニット75と、この空調ユニット75に空気を送る送風ファン77とを備えている。キャビンDの内部において底壁61(キャビン内の天井壁)の下側には吸気口80が形成され、この底壁61の左右にはエアーコンディショナーSから送り出される空気をキャビンDの内部に供給する左右一対の空調ダクト78を備えている。
続しており、この換気ダクト81の開閉自在な切換板82が備えられている。換気空間Tはルーフ部Rの側部に形成された換気口72を介して外部と連通している。換気ダクト81は、ユニット収容ケース64の電池収容空間64Aに隣接する位置に配置され、図9に示すように平面視では、電池収容空間64Aの外壁に近接する部位が斜め姿勢に成形された角パイプ状に形成されている。
このような構成のため、切換板82を閉じ姿勢に設定してエアーコンディショナーSを可動させた場合には、キャビン内の吸気口80から吸引した空調ユニット75で温調し、この空気を空調ダクト78を介してキャビン内に送り出すことでキャビン内の空気を循環させながら空調を行う循環モードでの空調が実現する。
右側の第1電力制御ユニットE1と左側の第2電力制御ユニットE2とは電力の出力対象が異なるだけで基本的に共通する構成を有しているため、これらを一括して電力制御ユニットEとして説明する。図10〜図14に示すように、電力制御ユニットEは、後部フェンダー8の下側で後車輪2の上側に備えられている。前述したように、この電力制御ユニットEは、設定される電圧で、設定される周波数となる三相交流を生成するVVVF型のインバータとして構成されている。
面で後端側には鋼材等の高強度の材料が用いられ下方に突出するスクレーパ87が備えられ、この保護プレートの86の上面で後端側には縦壁状となる隔壁88が備えられている。尚、図面では、保護プレート86の上面に対してケース部85を連結した構造を示しているが、これらの中間に隙間を形成しても良い。また、スクレーパ87は保護プレート86の前部位置の1箇所、又は、前部位置と後部位置との2箇所に備えても良く、3箇所以上備えても良い。
このような構成から、後部フェンダー8の下側と後車輪2との間の空間を有効利用しながら下方に開放した空間に対して電力制御ユニットEを配置することにより、良好な放熱を実現できるものにしている。特に、ケース部85と保護プレート86とで成る規制手段を備えているので、後車輪2から跳ね上げられた小石や泥土が電力制御ユニットEに付着することや損傷させることがない。後車輪2に付着した土塊や藁等が後部フェンダー8の内部に持ち込まれる状況においても、この土塊や藁等にスクレーパ87が接触して後車輪2から掻き落とすことになり、冷却効果を損なうこともない。
トラクタの電力制御構成の概要を図15に示している。この電力制御構成は、電源ユニ
ットBの二次電池59からの直流電力をリレーボックスGを介して第1,第2電力制御ユニットE1,E2に供給する電源ケーブル92を有した電力供給系を備えている。第1電力制御ユニットE1は、供給された直流電力を三相交流電力に変換し出力ケーブル91を介してジェネレータモータMに供給し、第2電力制御ユニットE2は、供給された直流電力を三相交流電力に変換し出力ケーブル91を介して第1ポンプモータP1mと第2ポンプモータP2mとに供給する。図面には示していないが、第2電力制御ユニットE2は、エアーコンディショナーSのコンプレッサにも電力を供給する。
42 ピラー(中間ピラー)
43 ピラー(後ピラー)
59 二次電池
60 電池管理手段(電池管理システム)
61 底壁
62 上壁
64 ユニット収容ケース
65 吸気ダクト
66 排気ダクト
67 ファン(前部ファン)
68 ファン(後部ファン)
92 電力ケーブル(電源ケーブル)
98 信号ケーブル(電池制御ケーブル)
B 電源ユニット
D キャビン
K ルーフ内空間
T 換気空間
M 電動モータ
N 冷却空間
R ルーフ部
S 空調装置(エアーコンディショナー)
Claims (3)
- 電源ユニットからの電力によって作動する電動モータの駆動力を走行伝動系に伝える作業車であって、
運転者が搭乗するキャビンのルーフ部に前記電源ユニットと、前記キャビンの内部の空気温度の調整を行う空調装置とを備えており、
前記ルーフ部が下側の底壁と上側の上壁との間にルーフ内空間が形成される構成を有しており、
このルーフ内空間に対して、前記電源ユニットを収容するユニット収容ケースと、このユニット収容ケースに対してキャビン外部の空気を供給する吸気ダクトと、前記ユニット収容ケースの空気をキャビン外部に送り出す排気ダクトとを配置することで、この吸気ダクトの内部空間と、ユニット収容ケースの内部空間と、排気ダクトの内部空間とを併せて冷却空間が形成され、前記吸気ダクトを介してキャビン外部の空気を吸引し、この空気を前記ユニット収容ケースから前記排気ダクトを介してキャビン外部に排出するファンが前記冷却空間の内部に備えられており、
前記空調装置から送り出される空気を前記キャビンの内部に供給する左右一対の空調ダクトを備えており、
前記ユニット収容ケースを前記ルーフ部における左右中央部に配置してあり、
前記ユニット収容ケースの左右両外側に前記左右一対の空調ダクトを分散して配置してあり、
キャビン外部の空気を取り込む換気空間が、前記冷却空間と分離する状態で前記ルーフ部に形成され、前記空調装置でキャビン内部の換気を行う際には前記換気空間から取り込んだ空気を前記空調装置に供給するように構成され、
側面視において、前記冷却空間を構成する前記ユニット収容ケース、前記吸気ダクト、及び、排気ダクトが、前記空調装置及び前記空調ダクトの上方に配置され、
前記側面視で、前記換気空間が前記排気ダクトの上方に配置されるとともに、前記換気空間から前記空調装置側に延びる換気ダクトが前記排気ダクトと交差して配置されている作業車。 - 電源ユニットからの電力によって作動する電動モータの駆動力を走行伝動系に伝える作業車であって、
運転者が搭乗するキャビンのルーフ部に前記電源ユニットと、前記キャビンの内部の空気温度の調整を行う空調装置とを備え、
前記電源ユニットが、二次電池と、この二次電池の充電と放電とを管理する電池管理手段とを備えており、前記二次電池に接続する電力ケーブルと、前記電池管理手段に接続する信号ケーブルとが、前記キャビンの複数のピラーのうち互いに異なるものの内部に配設されている作業車。 - 前記電動モータとして、発電機として機能するものが用いられ、前記走行伝動系と前記電動モータとに駆動力を伝えるエンジンが備えられると共に、
前記電動モータで発電された電力を前記電源ユニットの前記二次電池に充電する充電モードと、前記電動モータに前記電源ユニットからの電力を供給する駆動モードとの切り換えを行う充放電制御手段を備えている請求項2記載の作業車。
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