JP5575458B2 - 電気特性測定装置および電気特性測定方法 - Google Patents

電気特性測定装置および電気特性測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、交流信号の実効値などの電気特性を測定する電気特性測定装置および電気特性測定方法に関するものである。
この種の電気特性測定装置として、下記特許文献1に開示された交流信号測定装置が知られている。この交流信号測定装置は、予め規定された長さの表示更新周期毎に交流信号についての同種のゼロクロス点(例えば、立ち上がりゼロクロス点および立ち下がりゼロクロス点の一方のゼロクロス点)を検出しつつ、このゼロクロス点が表示更新周期内に複数検出されたときには、ゼロクロス点を平均値演算期間の始点および終点として(つまり、平均値演算期間の始点および終点をゼロクロス点に同期させて)、交流信号の平均値を算出する。
一方、表示更新周期内に同種のゼロクロス点が複数個検出されないときには、平均値演算期間の始点および終点をゼロクロス点に同期させることができないため、この交流信号測定装置では、表示更新周期の始点および終点を平均値演算期間の始点および終点として、つまり表示更新周期全体を平均値演算期間として、交流信号の平均値を算出する。また、このように平均値演算期間の始点および終点がゼロクロス点に同期していないときの平均値は正確でない可能性があるため、この交流信号測定装置では、その旨を示すワーニング信号を出力してその旨を表示器に表示する。
したがって、この交流信号測定装置では、平均値演算期間が適切に設定されていないことを表示器の表示で使用者が知ることができるので、測定周期(表示更新周期)を長くしたり、交流信号の波形が適切であるかなどのチェックを行うことが可能となっている。また、平均値演算期間が適切に設定されていないことを理解した上で使用することもできるので、適切な測定を短時間で行うことも可能となっている。
特開2004−233179号公報(第4−5頁、第2図)
ところが、上記の電気特性測定装置には、以下の課題が存在している。すなわち、この電気特性測定装置では、表示更新周期内に同種のゼロクロス点が複数個検出されないときには、表示更新周期全体を平均値演算期間として交流信号の平均値を算出してその平均値を表示器に表示すると共に、算出した平均値が正確でない可能性があることから、ワーニング信号を出力して表示器にその旨をしている。一方、表示更新周期内に同種のゼロクロス点が複数個検出されたときには、算出した交流信号の平均値が正確であるとして、ワーニング信号を出力することなく、算出した平均値を表示器に表示している。ここで、例えば、入力信号にノイズが重畳しているときには、ノイズが重畳していない入力信号においては本来ゼロクロス点とはならない数多くの点がゼロクロス点となり、ゼロクロス点の間隔も極めてランダムとなる。このため、平均値演算期間の始点および終点をゼロクロス点に同期させてこの入力信号の平均値を算出したときには、その平均値が正確でないこととなる。したがって、この電気特性測定装置には、平均値演算期間の始点および終点をゼロクロス点に同期させて平均値を算出するときにおいても、平均値が正確でない可能性があり、しかも、このときには平均値が正確でない旨も表示されないという不都合が生じる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、交流信号にノイズが重畳しているときにおいてもその交流信号の電気特性を正確に算出し得る電気特性測定装置および電気特性測定方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の電気特性測定装置は、表示更新周期毎に更新して表示する交流信号の電気特性を当該交流信号のサンプリング値に基づいて算出する処理部を備えた電気特性測定装置であって、前記交流信号についての予め規定された種類のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出部を備え、前記処理部は、前記表示更新周期内において前記ゼロクロス検出部によって前記ゼロクロス点が3回以上検出されかつ連続する2回の検出時点の各間隔同士を比較した比較値が予め規定された許容範囲内のときには、少なくともいずれかの当該連続する2回の検出時点間の前記サンプリング値に基づき、窓関数を用いない算出方式によって前記電気特性を算出し、前記ゼロクロス点が3回以上検出されかつ前記比較値が前記許容範囲外のときには、前記表示更新周期内における予め規定された取得期間の全ての前記サンプリング値に基づき、窓関数を用いた算出方式によって前記電気特性を算出する。
また、請求項2記載の電気特性測定装置は、請求項1記載の電気特性測定装置において、前記処理部は、前記表示更新周期内において前記ゼロクロス検出部によって前記ゼロクロス点が3回以上検出されなかったときに、前記取得期間の全ての前記サンプリング値に基づいて前記窓関数を用いた算出方式によって前記電気特性を算出する。
また、請求項3記載の電気特性測定方法は、表示更新周期毎に更新して表示する交流信号の電気特性を当該交流信号のサンプリング値に基づいて算出する電気特性測定方法であって、前記交流信号についての予め規定された種類のゼロクロス点を検出し、前記表示更新周期内において前記ゼロクロス点を3回以上検出しかつ連続する2回の検出時点の各間隔同士を比較した比較値が予め規定された許容範囲内のときには、少なくともいずれかの当該連続する2回の検出時点間の前記サンプリング値に基づき、窓関数を用いない算出方式によって前記電気特性を算出し、前記ゼロクロス点を3回以上検出しかつ前記比較値が前記許容範囲外のときには、前記表示更新周期内における予め規定された取得期間の全ての前記サンプリング値に基づき、窓関数を用いた算出方式によって前記電気特性を算出する。
また、請求項4記載の電気特性測定方法は、請求項3記載の電気特性測定方法において、前記表示更新周期内において前記ゼロクロス点を3回以上検出しなかったときに、前記取得期間の全ての前記サンプリング値に基づいて窓関数を用いた算出方式によって前記電気特性を算出する。
請求項1記載の電気特性測定装置および請求項3記載の電気特性測定方法では、予め規定された種類のゼロクロス点を3回以上検出しかつ連続する2回の検出時点の各間隔同士を比較した比較値が許容範囲外のときには、表示更新周期内における予め規定された取得期間の全てのサンプリング値に基づいて電気特性を算出する。このため、この電気特性測定装置および電気特性測定方法によれば、交流信号に対するノイズの重畳によって本来ゼロクロス点とはならない数多くの点がゼロクロス点となっている場合には、そのノイズに起因するゼロクロス点間のサンプリング値に基づいて不正確な電気特性が算出される事態を確実に防止することができる。また、窓関数を用いた算出方式によって電気特性を算出することにより、取得期間の始期および終期におけるサンプリング値が互いに異なって不連続となっている場合においても、取得期間の各サンプリング値に対して窓関数を掛けることで、始期および終期におけるサンプリング値が滑らかに値0に収束するような重み付けを行い、これによって電気特性を正確に算出することができる。したがって、この電気特性測定装置および電気特性測定方法によれば、交流信号にノイズが重畳しているときにおいても、その交流信号の電気特性を正確に算出することができる。また、この電気特性測定装置および電気特性測定方法によれば、取得期間の全てのサンプリング値に基づいて電気特性を算出するため、取得期間内の一部のサンプリング値に基づいて電気特性を算出する構成および方法と比較して、サンプリング値数が多い分、電気特性の算出精度を向上させることができる。
また、この電気特性測定装置および電気特性測定方法では、表示更新周期内において予め規定された種類のゼロクロス点を3回以上検出しかつ連続する2回の検出時点の各間隔同士を比較した比較値が予め規定された許容範囲内のときには、少なくともいずれかの連続する2回の検出時点間のサンプリング値に基づき、窓関数を用いない算出方式によって電気特性を算出する。このため、この電気特性測定装置および電気特性測定方法によれば、ノイズが重畳しておらず、かつゼロクロス点が基本周期と同じ周期で検出されるような交流信号の電気特性を算出する際には、始期および終期におけるサンプリング値が互いに等しい値0となる(つまり、始期および終期におけるサンプリング値が連続する)ゼロクロス点からゼロクロス点までのサンプリング値に基づいて、電気特性を最も正確に算出することができる。また、この電気特性測定装置および電気特性測定方法によれば、窓関数を用いない分だけ電気特性を高速で測定することができる。
また、請求項2記載の電気特性測定装置および請求項4記載の電気特性測定方法では、表示更新周期内においてゼロクロス点を3回以上検出しなかったときに、取得期間の全てのサンプリング値に基づいて窓関数を用いた算出方式によって電気特性を算出する。このため、この電気特性測定装置および電気特性測定方法によれば、表示更新周期内においてゼロクロス点を3回以上検出できず(検出時点の間隔が2回以上存在せず)、交流信号にノイズが重畳しているか否かが判別できないときであっても、取得期間の全てのサンプリング値に基づいて窓関数を用いた算出方式によって電気特性を正確に測定することができる。
電気特性測定装置1の構成を示す構成図である。 電気特性測定装置1の動作概要を説明するタイミングチャートである。 電気特性算出処理50のフローチャートである。 電気特性測定装置1の動作の詳細を説明する第1のタイミングチャートである。 電気特性測定装置1の動作の詳細を説明する第2のタイミングチャートである。
以下、電気特性測定装置1および電気特性測定方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、電気特性測定装置1の構成について、図面を参照して説明する。
電気特性測定装置1は、図1に示すように、A/D変換部2、ゼロクロス検出部3、計測部4、処理部5、記憶部6および表示部7を備え、交流信号S1の電気特性(本例では一例として、実効値Vrms)を測定可能に構成されている。
A/D変換部2は、交流信号S1を入力すると共に、予め決められた周期(交流信号S1の周期に対して十分に短い周期)のサンプリングクロックで交流信号S1をサンプリングすることにより、交流信号S1の振幅をデジタルデータ(以下、「サンプリング値」ともいう)D1に変換して処理部5に出力する。
ゼロクロス検出部3は、一例として、しきい値がゼロボルトに規定されたコンパレータを備えて構成されて、交流信号S1の立ち上がりゼロクロス点および立ち下がりゼロクロス点のうちの予め決められた一方の種類のゼロクロス点(本例では一例として、立ち上がりゼロクロス点)を検出すると共に、ゼロクロス点の検出タイミングに同期して、一例としてパルス信号である検出信号S2を処理部5に出力する。
計測部4は、タイマICなどで構成されて、予め規定された表示更新周期T1の計測を繰り返し実行すると共に、表示更新周期T1毎に一例としてパルス信号である更新信号S3を処理部5に出力する。
処理部5は、CPUなどで構成されて、検出信号S2および更新信号S3を割り込み信号として入力すると共に、記憶部6に記憶されている動作プログラムに従って作動して、交流信号S1についての上記の電気特性をサンプリング値D1に基づいて算出する電気特性算出処理50(図3参照)を実行する。
記憶部6は、ROMおよびRAMなどの半導体メモリで構成されている。この記憶部6には、上記したように処理部5の動作を規定する動作プログラムが予め記憶されている。また、記憶部6は、処理部5のワークメモリとして機能して、処理部5がA/D変換部2から取得したサンプリング値D1、ゼロクロス検出部3によってゼロクロス点が検出された(検出信号S2を入力した)時点を特定可能なデータ(一例として、時刻データD2)、および処理部5が電気特性算出処理50で算出した電気特性としての実効値Vrmsを記憶する。表示部7は、LCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイ装置で構成されて、処理部5によって算出された実効値Vrmsなどを表示する。
次に、電気特性測定装置1による交流信号S1の電気特性の算出動作と共に、電気特性測定方法について、図面を参照して説明する。
まず、電気特性測定装置1では、作動状態において、A/D変換部2が交流信号S1に対するサンプリングを実行し、ゼロクロス検出部3が交流信号S1のゼロクロス点の検出を実行し、計測部4が表示更新周期T1の計測を実行する。したがって、処理部5には、A/D変換部2からサンプリング値D1がサンプリングクロックの周期で出力され、ゼロクロス検出部3から検出信号S2が間欠的に出力され、計測部4から更新信号S3が表示更新周期T1で出力される。
この状態において、処理部5は、図2に示すように、更新信号S3を入力した時点から所定時間(表示更新周期T1の数十分の一の時間)が経過した時点で図3に示す電気特性算出処理50を開始する。
具体的に、各電気特性算出処理50での処理部5の動作について、図3〜5を参照して詳細に説明する。
処理部5は、電気特性算出処理50を開始したときに、A/D変換部2から出力されているサンプリング値D1の取得処理を開始する(ステップ51)。これにより、サンプリング値D1を取得する取得期間T2(図4参照)が開始される。また、処理部5は、取得したサンプリング値D1の記憶部6への記憶処理も併せて開始する。
その後、処理部5は、サンプリング値D1の取得処理および記憶処理を実行しつつ、検出信号S2を入力したか否か(ステップ52)、および更新信号S3を入力したか否か(ステップ53)の検出を繰り返し実行する。この際に、処理部5は、検出信号S2を入力する都度、更新信号S3の入力(現在の表示更新周期T1の終期)を検出するまでの検出信号S2の入力回数(つまり、ゼロクロス検出部3によってゼロクロス点が検出された回数)をカウントすると共に、ゼロクロス点が検出された(検出信号S2を入力した)時点を特定可能な時刻データD2を記憶部6に記憶させる(ステップ54)。
次いで、処理部5は、上記ステップ52〜54の実行中に、次の更新信号S3を入力したとき(つまり、表示更新周期T1が経過したとき)には、各ステップ52〜54の実行を終了する。これにより、サンプリング値D1を取得する取得期間T2が終了する。続いて、処理部5は、この時点までのサンプリング値D1についての取得期間T2内(取得期間T2が含まれる表示更新周期T1内)における検出信号S2の検出回数を判別する(ステップ55)。
この判別の結果、検出信号S2の検出回数が3回以上のときには、処理部5は、記憶部6に記憶されている時刻データD2を読み出して、その時刻データD2に基づいてゼロクロス点が検出された検出時刻(検出時点)Ptを特定する。続いて、処理部5は、連続する(直近の)2回の検出時刻Ptの間隔I(図4に示す、検出時刻Pt1,Pt2の間隔I1、検出時刻Pt2,Pt3の間隔I2、検出時刻Pt3,Pt4の間隔I3、および検出時刻Pt4,Pt5の間隔I4)を算出する(ステップ56)。
次いで、処理部5は、算出した各間隔I1〜I4の中から2つを選択して、一方の間隔Iに対する他方の間隔Iの比率(間隔I同士を比較した比較値の一例)Rを算出し、この比率Rの算出を、各間隔I1〜I4の中から2つを選択する全ての組み合わせについて実行する。次いで、これらの比率Rが予め規定された許容範囲Rs(一例として、99%〜101%の範囲)内であるか否かを判別する(ステップ57)。この場合、交流信号S1にノイズが重畳しておらず(または、重畳しているノイズが僅かで)、かつ周波数が変動していない(または、周波数の変動が僅かな)ときには、図4に示すように、交流信号S1の周期(基本周期)と各間隔I1〜I4の間隔がほぼ等しくなる。このため、交流信号S1がこのような状態のときには、上記した各比率Rが許容範囲Rs内となる。この際には、処理部5は、各比率Rの全てが許容範囲Rs内である旨を判別して、続いて、検出信号S2の最初の検出時刻Pt1から最後の検出時刻Pt5までの間の全てのサンプリング値D1を読み出す(ステップ58)。
次いで、処理部5は、読み出したサンプリング値D1に基づき、例えば、窓関数を用いない二乗平均平方根算出方式(以下、「窓関数を用いない通常の算出方式」ともいう)によって交流信号S1の実効値Vrmsを算出する(ステップ59)。続いて、処理部5は、算出した電気特性を表示部7に表示させる(ステップ60)。
例えば、図2における2番目の電気特性算出処理50のように、電気特性Bを算出したときには、1つ前の表示更新周期T1において表示されていた表示内容(この例では電気特性A)に代えて電気特性Bを表示部7に表示させる。これにより、電気特性算出処理50が完了する。次いで、処理部5は、この電気特性算出処理50の完了後、次の更新信号S3を入力した時点から所定時間が経過した時点で、電気特性算出処理50を新たに開始する。
この場合、上記したステップ55〜ステップ60までの処理に要する時間(図4に示すデータ処理時間T3)は、表示更新周期T1(例えば120ms程度)と比較して極めて短時間(例えば、表示更新周期T1の数十分の一の時間)であるため、処理部5が上記の処理を繰り返し実行することにより、表示部7には処理部5によって算出された交流信号S1の電気特性が表示更新周期T1で更新されつつ表示される。
一方、例えば、図5に示すように、交流信号S1にノイズが重畳しているときには、本来ゼロクロス点とはならない時点でゼロクロス点が検出される(ゼロクロス点がランダムに検出される)ことがある。このような状態では、上記したステップ56において算出した間隔I(同図に示す、検出時刻Pt6,Pt7の間隔I5、検出時刻Pt7,Pt8の間隔I6、検出時刻Pt8,Pt9の間隔I7、検出時刻Pt9,Pt10の間隔I8、検出時刻Pt10,Pt11の間隔I9、および検出時刻Pt11,Pt12の間隔I10)が大きく変動するため、上記の比率Rが許容範囲Rs外となることがある。この際には、処理部5は、上記したステップ57において、各比率Rのいずれかまたは全部が許容範囲Rs外である旨を判別する。
ここで、図5に示すように、交流信号S1に対するノイズの重畳によってゼロクロス点が8回検出され、このときの最初の検出時刻Pt1から最後の検出時刻Pt12までのサンプリング値D1に基づいて窓関数を用いない通常の算出方式で電気特性を算出したとすると、検出時刻Pt6から検出時刻Pt12までの間に、実際には4周期分程度のサンプリング値D1しか取得していないにも拘わらず、7周期分のサンプリング値D1が取得されたものとして算出が行われる結果、算出された電気特性が不正確となる。このため、この電気特性測定装置1では、処理部5が、ステップ57において、各比率Rのいずれかまたは全部が許容範囲Rs内ではない旨を判別したときには、最初の検出時刻Pt1から最後の検出時刻Pt12までのサンプリング値D1の読み出しに代えて、取得期間T2内における全てのサンプリング値D1を読み出して(ステップ61)、電気特性を算出する。
この場合、取得期間T2の始期および終期がゼロクロス点と一致する(始期および終期におけるサンプリング値D1が値0となる)ことは極めて希であるため、一般的に、取得期間T2の始期および終期におけるサンプリング値D1は互いに異なっている(いわゆる、取得期間T2で切り出したサンプリング値D1の最初と最後が不連続となる現象が生じる)。そして、切り出しによって不連続となっているサンプリング値D1に基づいて、窓関数を用いない算出方式で算出した電気特性の値は、一般的に不正確な値となる。このため、処理部5は、取得期間T2内における全てのサンプリング値D1に基づいて電気特性を算出する際には、窓関数を用いない算出方式に変えて、例えば、パーセバル関係式から導き出される窓関数を用いた算出方式で算出して(ステップ62)、算出した電気特性を表示部7に表示させる(ステップ60)。
この窓関数を用いた算出方式では、取得期間T2の各サンプリング値D1に対して窓関数を掛けることで、始期および終期におけるサンプリング値D1が滑らかに値0に収束するような重み付けを行い、これによって電気特性を正確に算出することが可能となっている。なお、この算出方式に用いる窓関数としては、ガウス窓、ハニング窓(ハン窓)、ハミング窓、ブラックマン窓、カイザー窓、バートレット窓などの各種の窓関数を用いることができるが、本例では、一例としてハニング窓を用いた算出方式によって電気特性を算出する。
また、例えば、ゼロクロス点が3回以上検出されなかったときには、処理部5は、上記ステップ55において、検出信号S2の検出回数が3回未満であると判別して、次いで、取得期間T2内における全てのサンプリング値D1を読み出して(ステップ61)、電気特性を算出する。この場合、上記したように、取得期間T2で切り出したサンプリング値D1の最初と最後が不連続であり、このようなサンプリング値D1に基づいて窓関数を用いない算出方式で算出した電気特性の値は一般的に不正確な値となる。このため、処理部5は、検出信号S2の検出回数が3回未満であると判別したときにおいても、上記した窓関数を用いた算出方式によって電気特性を正確に算出して(ステップ62)、算出した電気特性を表示部7に表示させる(ステップ60)。
このように、この電気特性測定装置1および電気特性測定方法では、表示更新周期T1内において予め規定された種類のゼロクロス点を3回以上検出しかつ連続する2回の検出時刻Ptの各間隔I同士の比率Rが許容範囲Rs外のときには、表示更新周期T1内における取得期間T2の全てのサンプリング値D1に基づいて電気特性を算出する。このため、この電気特性測定装置1および電気特性測定方法によれば、交流信号S1に対するノイズの重畳によって本来ゼロクロス点とはならない数多くの点がゼロクロス点となっている場合には、そのノイズに起因するゼロクロス点間の検出時刻Ptの間のサンプリング値D1に基づいて不正確な電気特性が算出される事態を確実に防止することができる。また、窓関数を用いた算出方式によって電気特性を算出することにより、取得期間T2の始期および終期におけるサンプリング値D1が互いに異なって不連続となっている場合においても、取得期間T2の各サンプリング値D1に対して窓関数を掛けることで、始期および終期におけるサンプリング値D1が滑らかに値0に収束するような重み付けを行い、これによって電気特性を正確に算出することができる。したがって、この電気特性測定装置1および電気特性測定方法によれば、交流信号S1にノイズが重畳しているときにおいても、その交流信号S1の電気特性を正確に算出することができる。また、この電気特性測定装置1および電気特性測定方法によれば、取得期間T2の全てのサンプリング値D1に基づいて電気特性を算出するため、取得期間T2内の一部のサンプリング値D1に基づいて電気特性を算出する構成および方法と比較して、サンプリング値D1数が多い分、電気特性の算出精度を向上させることができる。
また、この電気特性測定装置1および電気特性測定方法では、表示更新周期T1内において予め規定された種類のゼロクロス点を3回以上検出しかつ連続する2回の検出時刻Ptの各間隔I同士の比率Rが許容範囲Rs内のときには、検出時刻Pt間のサンプリング値D1に基づいて窓関数を用いない通常の算出方式によって電気特性を算出する。このため、この電気特性測定装置1および電気特性測定方法によれば、ノイズが重畳しておらず、かつゼロクロス点が基本周期と同じ周期で検出されるような交流信号S1の電気特性を算出する際には、始期および終期におけるサンプリング値D1が互いに等しい値0となる(つまり、始期および終期におけるサンプリング値D1が連続する)ゼロクロス点からゼロクロス点までのサンプリング値D1に基づいて、電気特性を最も正確に算出することができる。また、この電気特性測定装置1および電気特性測定方法によれば、窓関数を用いない分だけ電気特性を高速で測定することができる。
また、この電気特性測定装置1および電気特性測定方法では、表示更新周期T1内においてゼロクロス点を3回以上検出しなかったときに、取得期間T2の全てのサンプリング値D1に基づいて窓関数を用いた算出方式によって電気特性を算出する。このため、この電気特性測定装置1および電気特性測定方法によれば、表示更新周期T1内においてゼロクロス点を3回以上検出できず(検出時刻Ptの間隔Iが2回以上存在せずに)交流信号S1にノイズが重畳しているか否かが判別できないときであっても、取得期間T2の全てのサンプリング値D1に基づいて窓関数を用いた算出方式によって電気特性を算出することができるため、電気特性を正確に算出することができる。
なお、連続する2回の検出時刻Ptの各間隔I同士を比較した比較値の一例として、一方の間隔Iに対する他方の間隔Iの比率Rを算出し、この比率Rが許容範囲Rs内であるか否かを判別する構成および方法について上記したが、上記の比較値として、一方の間隔Iと他方の間隔Iとの差分値を算出し、その差分値が予め規定された許容範囲内であるか否かを判別する構成および方法を採用することもできるし、一方の間隔Iまたは他方の間隔Iに対するその差分値の比率を算出し、この比率が予め規定された許容範囲内であるか否かを判別する構成および方法を採用することもできる。
また、表示更新周期T1内においてゼロクロス点が3回以上検出されかつ比率Rが許容範囲Rs内のときに、検出信号S2の最初の検出時刻Ptから最後の検出時刻Ptまでの間の全てのサンプリング値D1に基づいて電気特性を算出する例について上記したが(上記電気特性算出処理50のステップ58)、必ずしも最初の検出時刻Ptから最後の検出時刻Ptまでの間のサンプリング値D1を用いる必要はなく、任意に選択した検出時刻Ptの間のサンプリング値D1に基づいて窓関数を用いない通常の算出方式によって電気特性を算出することができる。一例として、図4における、検出時刻Pt1から検出時刻Pt2までの間のサンプリング値D1、検出時刻Pt2から検出時刻Pt3までの間のサンプリング値D1、および検出時刻Pt1から検出時刻Pt3までの間のサンプリング値D1などを用いることができる。また、図4における、検出時刻Pt1から検出時刻Pt2までの間のサンプリング値D1、および検出時刻Pt3から検出時刻Pt4までの間のサンプリング値D1の双方(つまり、連続していない2つの間隔Iにおけるサンプリング値D1)を用いることもできる。さらに、図4における、検出時刻Pt1から検出時刻Pt2までの間のサンプリング値D1に基づいて窓関数を用いない通常の算出方式によって電気特性を算出すると共に、検出時刻Pt3から検出時刻Pt4までの間のサンプリング値D1に基づいて窓関数を用いない通常の算出方式によって電気特性を算出し、双方の算出値を平均する構成および方法を採用することもできる。
また、上記の電気特性測定装置1では、A/D変換部2を含む構成を採用しているが、電気特性測定装置にA/D変換部を含めずに、電気特性測定装置の外部にA/D変換部を配置する構成を採用することもできる。この構成では、処理部5は交流信号S1のサンプリング値D1を外部から直接入力することになるが、この場合には、ゼロクロス検出部3を例えば論理回路で構成して、このゼロクロス検出部3がサンプリング値D1を入力しつつ、その極性を判別することで、交流信号S1についてのゼロクロス点を検出する構成としたり、また、処理部5が、サンプリング値D1を入力しつつ、その極性を判別することで、交流信号S1についてのゼロクロス点を直接検出する構成、つまりゼロクロス検出部3としても機能する構成を採用することもできる。
また、電気特性としての交流信号S1の実効値Vrmsを算出する例について上記したが、交流信号S1についての他の電気特性(例えば、平均値)を算出する際に適用することもできる。
1 電気特性測定装置
3 ゼロクロス検出部
4 計測部
5 処理部
D1 サンプリング値
I 間隔
Pt 検出時刻
R 比率
Rs 許容範囲
S1 交流信号
S2 検出信号
S3 更新信号
T1 表示更新周期
T2 取得期間

Claims (4)

  1. 表示更新周期毎に更新して表示する交流信号の電気特性を当該交流信号のサンプリング値に基づいて算出する処理部を備えた電気特性測定装置であって、
    前記交流信号についての予め規定された種類のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出部を備え、
    前記処理部は、前記表示更新周期内において前記ゼロクロス検出部によって前記ゼロクロス点が3回以上検出されかつ連続する2回の検出時点の各間隔同士を比較した比較値が予め規定された許容範囲内のときには、少なくともいずれかの当該連続する2回の検出時点間の前記サンプリング値に基づき、窓関数を用いない算出方式によって前記電気特性を算出し、前記ゼロクロス点が3回以上検出されかつ前記比較値が前記許容範囲外のときには、前記表示更新周期内における予め規定された取得期間の全ての前記サンプリング値に基づき、窓関数を用いた算出方式によって前記電気特性を算出する電気特性測定装置。
  2. 前記処理部は、前記表示更新周期内において前記ゼロクロス検出部によって前記ゼロクロス点が3回以上検出されなかったときに、前記取得期間の全ての前記サンプリング値に基づいて前記窓関数を用いた算出方式によって前記電気特性を算出する請求項1記載の電気特性測定装置。
  3. 表示更新周期毎に更新して表示する交流信号の電気特性を当該交流信号のサンプリング値に基づいて算出する電気特性測定方法であって、
    前記交流信号についての予め規定された種類のゼロクロス点を検出し、
    前記表示更新周期内において前記ゼロクロス点を3回以上検出しかつ連続する2回の検出時点の各間隔同士を比較した比較値が予め規定された許容範囲内のときには、少なくともいずれかの当該連続する2回の検出時点間の前記サンプリング値に基づき、窓関数を用いない算出方式によって前記電気特性を算出し、前記ゼロクロス点を3回以上検出しかつ前記比較値が前記許容範囲外のときには、前記表示更新周期内における予め規定された取得期間の全ての前記サンプリング値に基づき、窓関数を用いた算出方式によって前記電気特性を算出する電気特性測定方法。
  4. 前記表示更新周期内において前記ゼロクロス点を3回以上検出しなかったときに、前記取得期間の全ての前記サンプリング値に基づいて窓関数を用いた算出方式によって前記電気特性を算出する請求項3記載の電気特性測定方法。
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