JP2004233179A - 交流信号測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】交流信号の平均値を演算する期間がゼロクロス点で区切られていない場合は測定誤差が大きくなる可能性があるが、測定器の使用者がそのことを知ることができなかったという課題を解決する。
【解決手段】測定信号の周波数が途中で変化したり、周波数が低くて平均値を演算する期間がゼロクロス点で区切ることができない場合は、その旨のワーニング信号を出力して、表示器に表示するようにする。測定器の使用者が平均値演算期間の設定が不適切であることを直ちに知ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】測定信号の周波数が途中で変化したり、周波数が低くて平均値を演算する期間がゼロクロス点で区切ることができない場合は、その旨のワーニング信号を出力して、表示器に表示するようにする。測定器の使用者が平均値演算期間の設定が不適切であることを直ちに知ることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、交流信号を測定する装置に関し、特に信頼性を向上させた交流信号測定装置に関するものである。
【0001】
【従来の技術】
図3に交流信号測定装置の構成を示す。図3において、電圧入力回路2には交流電圧Vinが入力される。この交流電圧VinはAD変換器21でデジタル信号に変換されDSP5に入力される。22はゼロクロス検出器であり、交流電圧Vinのゼロクロス点を検出して、検出信号を出力する。また、交流電流Iinは電流入力回路3に入力され、AD変換器31でデジタル信号に変換され、DSP5に入力される。この交流電流Iinのゼロクロス点はゼロクロス検出器32で検出される。
【0002】
ゼロクロス検出器22,32の出力である検出信号はセレクタ4に入力される。セレクタ4は入力された2つのゼロクロス信号のうちいずれかを選択してDSP5に出力する。DSP5はセレクタ4の出力から所定の期間を定めて、この期間の間の入力電圧Vinと入力電流IinのAD変換器の出力から、電圧電流それぞれの実効値、平均値整流形実効値校正、単純平均値、ならびに有効電力値などを計算してCPU7に出力する。CPU7はDSP5に測定開始信号6を出力すると共に、DSP5が出力する有効電力値など読み込んで表示器8に表示する。
【0003】
次に、図4に基づいてDSP5が平均値を演算する期間の決定手順を説明する。図4(A)は入力電圧Vinまたは電流Iinの波形、(B)の斜線部は平均値を演算する期間、(C)はCPU7が出力する測定開始信号STである。測定開始信号STは使用者が設定した表示更新周期で出力される。
【0004】
DSP5は、測定開始信号STの直後の立ち上がりゼロクロス点から、次の測定開始信号STの直前の立ち上がりゼロクロス点までの期間を平均値演算期間とし、この期間の入力波形の平均値を演算する。なお、入力波形は入力電圧Vinと入力電流Iinのうち、セレクタ4が選択したゼロクロス信号が属する方を選択する。
【0005】
すなわち、表示更新周期T1ではt1からt2まで、表示更新周期T2ではt3からt4まで、表示更新周期T4ではt5からt6までを平均値演算期間とする。t6は入力波形の立ち下がりゼロクロス点であるが、平均値演算期間の開始点であるt5から1入力波形周期以上経過しているので、この時点を平均値演算期間の終了点としている。
【0006】
表示更新周期T3では、入力波形の周期が長くなっているので、この期間内に2つ以上立ち上がりゼロクロス点が発生しない。この場合はゼロクロス点に関係なく、表示更新周期T3全体を平均値演算期間とする。このように、ゼロクロス点を平均値演算期間の始点、終点とすることにより、入力波形の平均値を正確に求めることができる。
【0007】
なお、CPU7は測定開始信号STを出力する直前にDSP5が演算した電圧/電流の実効値、平均値整流形実効値校正、単純平均値、有効電力などを読み込み、表示器8の表示を更新するようにする。
【0008】
【特許文献1】
特開2002―055128号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような交流信号測定装置には次のような課題があった。
【0010】
前述したように、図3の交流信号測定装置では、表示更新周期内に入力波形の立ち上がりゼロクロス点が2つ以上発生しない場合は表示更新周期全体を平均値演算期間としている。このような場合は、入力波形のゼロクロス点で区切られた期間を平均値演算期間とすることができないので正確な平均値を求めることができない。そのため、測定値がふらついたり、測定値に大きな誤差が発生する可能性があった。
【0011】
図3の構成では、CPU7は表示更新周期全体を平均値演算期間としたことを知ることができず、表示器8にその旨が表示されない。そのため、この交流信号測定装置の使用者は平均値演算が正確に行われているかを知ることができないという課題があった。従って、表示がふらついていても、入力信号自体がふらついているのか、あるいは平均値演算の過程で誤差が発生しているのかを直ちに知ることができないという課題があった。
【0012】
従って本発明の目的は、平均値演算が正確に行われているかを直ちに知ることができる交流信号測定装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、交流信号をデジタル値に変換するAD変換器と、前記交流信号のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出器と、このゼロクロス検出器の出力、前記AD変換器の出力および所定の周期を有する出力更新信号が入力される演算部とを有する測定装置であって、この演算部は前記ゼロクロス検出器の出力および前記出力更新信号に基づいて前記交流信号のゼロクロス点で区切られた所定の演算期間を定め、この演算期間内の前記AD変換器の出力に所定の演算を施して出力すると共に、前記所定の演算期間を定めることができなかったときに前記更新周期を前記演算期間としてこの期間内の前記AD変換部の出力に前記所定の演算を施して出力すると共に、ワーニング信号を出力するようにしたものである。正確な測定であるかどうかを知ることができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記演算部の出力を表示する表示部とこの表示部を制御する制御部を具備し、この制御部は前記演算部の出力を読み込んで前記表示部にこの読み込んだ値を表示すると共に、前記ワーニング信号が出力されたときに、ワーニング信号が出力された旨を前記表示部に表示するようにしたものである。表示が信頼できるかを直ちに知ることができる。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記制御部は前記演算部の出力および前記ワーニング信号を外部に出力するようにしたものである。測定値を外部記憶装置などに保存するときに有効である。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3いずれかに記載の発明において、前記演算部の出力は実効値であることを特徴としたものである。実効値の測定ができる。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4いずれかに記載の発明において、前記演算部の出力は平均値整流形実効値校正であることを特徴としたものである。平均値整流形実効値校正を得ることができる。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5いずれかに記載の発明において、前記演算部の出力は単純平均値であることを特徴としたものである。単純平均値を得ることができる。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし請求項6いずれかに記載の発明において、前記演算部の出力は有効電力であることを特徴としたものである。有効電力を測定できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、図に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明に係る交流信号測定装置の一実施例を示す構成図である。なお、図3と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。この実施例においても、電圧入力回路2に入力電圧Vinを入力してAD変換器21でデジタル信号に変換し、電流入力回路3に入力電流Iinを入力してAD変換器31でデジタル信号に変換する。また、これら入力電圧Vin、入力電流Iinのゼロクロス点をゼロクロス検出器22,32で検出する。
【0021】
これらゼロクロス検出器22,32の出力であるゼロクロス信号はセレクタ4で選択されてDSP5に入力される。DSP5はこのゼロクロス信号およびCPU7から出力される測定開始信号STに基づいて、演算を行う期間を定め、電圧電流それぞれの実効値、平均値整流形実効値校正、単純平均値、ならびに有効電力値などを演算する。CPU7はDSP5が演算した値を読み込んで表示器8に表示する。
【0022】
また、この実施例ではDSP5はワーニング信号1をCPU7に出力する。このワーニング信号1は図4の表示更新周期T3のように、2つ以上の立ち上がりゼロクロス点が見つからないために、表示更新周期全体を平均値演算期間にしたときに出力される。
【0023】
次に、この実施例の動作を図2に基づいて説明する。なお、図4と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。図2(A)は入力波形、(B)の斜線は平均値演算期間、(C)は測定開始信号STである。表示更新周期T1,T2では、それぞれt1,t2およびt3,t4に立ち上がりゼロクロス点があるので、平均値演算期間(斜線部)は表示更新周期より短くなり、その始点、終点はゼロクロス点に一致する。従って、ワーニング信号1は出力されない。
【0024】
表示更新周期T3では、入力波形の周期が長いので立ち上がりゼロクロス点は1つだけになる。そのため、平均値演算期間(斜線部)は表示更新周期T3全体になる。このときは正確な平均値が得られていない可能性があるので、ワーニング信号1が出力される。表示更新周期T4では立ち上がりゼロクロス点が2つ以上あるので平均値演算期間の始点、終点はゼロクロス点に一致するので、ワーニング信号1は出力されない。
【0025】
すなわち、平均値演算期間の開始、終了点が入力波形のゼロクロス点に同期できず、表示更新周期全体に設定されるときは、正確な平均値が得られていない可能性があるので、DSP5からCPU7にワーニング信号1を出力する。CPU7はこのワーニング信号を入力すると、表示器8にその旨を表示する。
【0026】
そのため、この交流信号測定装置の使用者は、平均値演算期間が適切に設定されていないことを表示器8の表示で知ることができるので、測定周期を長くしたり、波形が適切であるかなどのチェックを行うことができる。また、平均値演算期間が適切に設定されていないことを理解した上で使用することもできるので、より適切な測定をより短時間で行うことができる。
【0027】
なお、測定値を通信路などを介して遠隔地に伝送し、あるいは外部記憶装置に記憶する構成の測定装置では、このワーニング信号1を測定値の付随データとして伝送することもできる。このようにすることにより、測定データの信頼性をより向上させることができる。
【0028】
また、この実施例では有効電力や実効電圧、電流の測定装置について説明したが、他のゼロクロス点が発生する交流信号の測定装置に応用することもできる。
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次の効果が期待できる。
請求項1記載の発明によれば、交流信号をデジタル値に変換するAD変換器と、前記交流信号のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出器と、このゼロクロス検出器の出力、前記AD変換器の出力および所定の周期を有する出力更新信号が入力される演算部とを有する測定装置であって、この演算部は前記ゼロクロス検出器の出力および前記出力更新信号に基づいて前記交流信号のゼロクロス点で区切られた所定の演算期間を定め、この演算期間内の前記AD変換器の出力に所定の演算を施して出力すると共に、前記所定の演算期間を定めることができなかったときに前記更新周期を前記演算期間としてこの期間内の前記AD変換部の出力に前記所定の演算を施して出力すると共に、ワーニング信号を出力するようにした。
【0029】
前記ワーニング信号を参照することにより、ゼロクロス点で区切られた区間を演算期間とすることができたかどうかをチェックすることができる。そのため、この機器の使用者はワーニング信号が出力されたときに表示更新周期を長く設定する、不適切な演算期間であることを理解した上で測定値を読む、測定波形が不適切でないかどうかチェックするなどの対策を講じることができ、より適切な測定をより短時間で行うことができるという効果がある。
【0030】
また、測定値がふらついているときや、誤差が増大しているときは、逆にワーニング信号の有無をチェックすることで、入力交流信号の周波数に対する表示更新周期の設定がそのふらつきや誤差の一因となりうる状態かどうかを容易に判断できるという効果もある。
【0031】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、前記演算部の出力を表示する表示部とこの表示部を制御する制御部を具備し、この制御部は前記演算部の出力を読み込んで前記表示部にこの読み込んだ値を表示すると共に、前記ワーニング信号が出力されたときに、ワーニング信号が出力された旨を前記表示部に表示するようにした。
【0032】
ワーニング信号が表示されるので、この機器の使用者は演算期間が適切に設定されているかどうかを一目で知ることができるという効果がある。そのため、より適切な測定をより短時間で行うことができるという効果もある。
【0033】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の発明において、前記制御部は前記演算部の出力および前記ワーニング信号を外部に出力するようにした。測定値を外部記憶装置などに保存したり、遠隔地に伝送するときに、演算期間が適切に設定されていたかどうかをチェックすることができるので、より信頼性の高い測定を行うことができるという効果がある。
【0034】
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし請求項3いずれかに記載の発明において、前記演算部の出力は実効値であることを特徴とした。より信頼性の高い実効値の測定ができるという効果がある。
【0035】
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし請求項4いずれかに記載の発明において、前記演算部の出力は平均値整流形実効値校正であることを特徴とした。より信頼性の高い平均値整流形実効値校正を得ることができるという効果がある。
【0036】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし請求項5いずれかに記載の発明において、前記演算部の出力は単純平均値であることを特徴とした。より信頼性の高い単純平均値を得ることができるという効果がある。
【0037】
請求項7記載の発明によれば、請求項1ないし請求項6いずれかに記載の発明において、前記演算部の出力は有効電力であることを特徴とした。より信頼性の高い有効電力値を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施例の動作を説明するための特性図である。
【図3】従来の交流信号測定装置の構成図である。
【図4】従来の交流信号測定装置の動作を説明するための特性図である。
【符号の説明】
1 ワーニング信号
2 電圧入力回路
21、31 AD変換器
22,32 ゼロクロス検出器
3 電流入力回路
4 セレクタ
5 DSP
6 測定開始信号
7 CPU
8 表示器
この発明は、交流信号を測定する装置に関し、特に信頼性を向上させた交流信号測定装置に関するものである。
【0001】
【従来の技術】
図3に交流信号測定装置の構成を示す。図3において、電圧入力回路2には交流電圧Vinが入力される。この交流電圧VinはAD変換器21でデジタル信号に変換されDSP5に入力される。22はゼロクロス検出器であり、交流電圧Vinのゼロクロス点を検出して、検出信号を出力する。また、交流電流Iinは電流入力回路3に入力され、AD変換器31でデジタル信号に変換され、DSP5に入力される。この交流電流Iinのゼロクロス点はゼロクロス検出器32で検出される。
【0002】
ゼロクロス検出器22,32の出力である検出信号はセレクタ4に入力される。セレクタ4は入力された2つのゼロクロス信号のうちいずれかを選択してDSP5に出力する。DSP5はセレクタ4の出力から所定の期間を定めて、この期間の間の入力電圧Vinと入力電流IinのAD変換器の出力から、電圧電流それぞれの実効値、平均値整流形実効値校正、単純平均値、ならびに有効電力値などを計算してCPU7に出力する。CPU7はDSP5に測定開始信号6を出力すると共に、DSP5が出力する有効電力値など読み込んで表示器8に表示する。
【0003】
次に、図4に基づいてDSP5が平均値を演算する期間の決定手順を説明する。図4(A)は入力電圧Vinまたは電流Iinの波形、(B)の斜線部は平均値を演算する期間、(C)はCPU7が出力する測定開始信号STである。測定開始信号STは使用者が設定した表示更新周期で出力される。
【0004】
DSP5は、測定開始信号STの直後の立ち上がりゼロクロス点から、次の測定開始信号STの直前の立ち上がりゼロクロス点までの期間を平均値演算期間とし、この期間の入力波形の平均値を演算する。なお、入力波形は入力電圧Vinと入力電流Iinのうち、セレクタ4が選択したゼロクロス信号が属する方を選択する。
【0005】
すなわち、表示更新周期T1ではt1からt2まで、表示更新周期T2ではt3からt4まで、表示更新周期T4ではt5からt6までを平均値演算期間とする。t6は入力波形の立ち下がりゼロクロス点であるが、平均値演算期間の開始点であるt5から1入力波形周期以上経過しているので、この時点を平均値演算期間の終了点としている。
【0006】
表示更新周期T3では、入力波形の周期が長くなっているので、この期間内に2つ以上立ち上がりゼロクロス点が発生しない。この場合はゼロクロス点に関係なく、表示更新周期T3全体を平均値演算期間とする。このように、ゼロクロス点を平均値演算期間の始点、終点とすることにより、入力波形の平均値を正確に求めることができる。
【0007】
なお、CPU7は測定開始信号STを出力する直前にDSP5が演算した電圧/電流の実効値、平均値整流形実効値校正、単純平均値、有効電力などを読み込み、表示器8の表示を更新するようにする。
【0008】
【特許文献1】
特開2002―055128号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような交流信号測定装置には次のような課題があった。
【0010】
前述したように、図3の交流信号測定装置では、表示更新周期内に入力波形の立ち上がりゼロクロス点が2つ以上発生しない場合は表示更新周期全体を平均値演算期間としている。このような場合は、入力波形のゼロクロス点で区切られた期間を平均値演算期間とすることができないので正確な平均値を求めることができない。そのため、測定値がふらついたり、測定値に大きな誤差が発生する可能性があった。
【0011】
図3の構成では、CPU7は表示更新周期全体を平均値演算期間としたことを知ることができず、表示器8にその旨が表示されない。そのため、この交流信号測定装置の使用者は平均値演算が正確に行われているかを知ることができないという課題があった。従って、表示がふらついていても、入力信号自体がふらついているのか、あるいは平均値演算の過程で誤差が発生しているのかを直ちに知ることができないという課題があった。
【0012】
従って本発明の目的は、平均値演算が正確に行われているかを直ちに知ることができる交流信号測定装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、交流信号をデジタル値に変換するAD変換器と、前記交流信号のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出器と、このゼロクロス検出器の出力、前記AD変換器の出力および所定の周期を有する出力更新信号が入力される演算部とを有する測定装置であって、この演算部は前記ゼロクロス検出器の出力および前記出力更新信号に基づいて前記交流信号のゼロクロス点で区切られた所定の演算期間を定め、この演算期間内の前記AD変換器の出力に所定の演算を施して出力すると共に、前記所定の演算期間を定めることができなかったときに前記更新周期を前記演算期間としてこの期間内の前記AD変換部の出力に前記所定の演算を施して出力すると共に、ワーニング信号を出力するようにしたものである。正確な測定であるかどうかを知ることができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記演算部の出力を表示する表示部とこの表示部を制御する制御部を具備し、この制御部は前記演算部の出力を読み込んで前記表示部にこの読み込んだ値を表示すると共に、前記ワーニング信号が出力されたときに、ワーニング信号が出力された旨を前記表示部に表示するようにしたものである。表示が信頼できるかを直ちに知ることができる。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記制御部は前記演算部の出力および前記ワーニング信号を外部に出力するようにしたものである。測定値を外部記憶装置などに保存するときに有効である。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3いずれかに記載の発明において、前記演算部の出力は実効値であることを特徴としたものである。実効値の測定ができる。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4いずれかに記載の発明において、前記演算部の出力は平均値整流形実効値校正であることを特徴としたものである。平均値整流形実効値校正を得ることができる。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5いずれかに記載の発明において、前記演算部の出力は単純平均値であることを特徴としたものである。単純平均値を得ることができる。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし請求項6いずれかに記載の発明において、前記演算部の出力は有効電力であることを特徴としたものである。有効電力を測定できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、図に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明に係る交流信号測定装置の一実施例を示す構成図である。なお、図3と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。この実施例においても、電圧入力回路2に入力電圧Vinを入力してAD変換器21でデジタル信号に変換し、電流入力回路3に入力電流Iinを入力してAD変換器31でデジタル信号に変換する。また、これら入力電圧Vin、入力電流Iinのゼロクロス点をゼロクロス検出器22,32で検出する。
【0021】
これらゼロクロス検出器22,32の出力であるゼロクロス信号はセレクタ4で選択されてDSP5に入力される。DSP5はこのゼロクロス信号およびCPU7から出力される測定開始信号STに基づいて、演算を行う期間を定め、電圧電流それぞれの実効値、平均値整流形実効値校正、単純平均値、ならびに有効電力値などを演算する。CPU7はDSP5が演算した値を読み込んで表示器8に表示する。
【0022】
また、この実施例ではDSP5はワーニング信号1をCPU7に出力する。このワーニング信号1は図4の表示更新周期T3のように、2つ以上の立ち上がりゼロクロス点が見つからないために、表示更新周期全体を平均値演算期間にしたときに出力される。
【0023】
次に、この実施例の動作を図2に基づいて説明する。なお、図4と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。図2(A)は入力波形、(B)の斜線は平均値演算期間、(C)は測定開始信号STである。表示更新周期T1,T2では、それぞれt1,t2およびt3,t4に立ち上がりゼロクロス点があるので、平均値演算期間(斜線部)は表示更新周期より短くなり、その始点、終点はゼロクロス点に一致する。従って、ワーニング信号1は出力されない。
【0024】
表示更新周期T3では、入力波形の周期が長いので立ち上がりゼロクロス点は1つだけになる。そのため、平均値演算期間(斜線部)は表示更新周期T3全体になる。このときは正確な平均値が得られていない可能性があるので、ワーニング信号1が出力される。表示更新周期T4では立ち上がりゼロクロス点が2つ以上あるので平均値演算期間の始点、終点はゼロクロス点に一致するので、ワーニング信号1は出力されない。
【0025】
すなわち、平均値演算期間の開始、終了点が入力波形のゼロクロス点に同期できず、表示更新周期全体に設定されるときは、正確な平均値が得られていない可能性があるので、DSP5からCPU7にワーニング信号1を出力する。CPU7はこのワーニング信号を入力すると、表示器8にその旨を表示する。
【0026】
そのため、この交流信号測定装置の使用者は、平均値演算期間が適切に設定されていないことを表示器8の表示で知ることができるので、測定周期を長くしたり、波形が適切であるかなどのチェックを行うことができる。また、平均値演算期間が適切に設定されていないことを理解した上で使用することもできるので、より適切な測定をより短時間で行うことができる。
【0027】
なお、測定値を通信路などを介して遠隔地に伝送し、あるいは外部記憶装置に記憶する構成の測定装置では、このワーニング信号1を測定値の付随データとして伝送することもできる。このようにすることにより、測定データの信頼性をより向上させることができる。
【0028】
また、この実施例では有効電力や実効電圧、電流の測定装置について説明したが、他のゼロクロス点が発生する交流信号の測定装置に応用することもできる。
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次の効果が期待できる。
請求項1記載の発明によれば、交流信号をデジタル値に変換するAD変換器と、前記交流信号のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出器と、このゼロクロス検出器の出力、前記AD変換器の出力および所定の周期を有する出力更新信号が入力される演算部とを有する測定装置であって、この演算部は前記ゼロクロス検出器の出力および前記出力更新信号に基づいて前記交流信号のゼロクロス点で区切られた所定の演算期間を定め、この演算期間内の前記AD変換器の出力に所定の演算を施して出力すると共に、前記所定の演算期間を定めることができなかったときに前記更新周期を前記演算期間としてこの期間内の前記AD変換部の出力に前記所定の演算を施して出力すると共に、ワーニング信号を出力するようにした。
【0029】
前記ワーニング信号を参照することにより、ゼロクロス点で区切られた区間を演算期間とすることができたかどうかをチェックすることができる。そのため、この機器の使用者はワーニング信号が出力されたときに表示更新周期を長く設定する、不適切な演算期間であることを理解した上で測定値を読む、測定波形が不適切でないかどうかチェックするなどの対策を講じることができ、より適切な測定をより短時間で行うことができるという効果がある。
【0030】
また、測定値がふらついているときや、誤差が増大しているときは、逆にワーニング信号の有無をチェックすることで、入力交流信号の周波数に対する表示更新周期の設定がそのふらつきや誤差の一因となりうる状態かどうかを容易に判断できるという効果もある。
【0031】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、前記演算部の出力を表示する表示部とこの表示部を制御する制御部を具備し、この制御部は前記演算部の出力を読み込んで前記表示部にこの読み込んだ値を表示すると共に、前記ワーニング信号が出力されたときに、ワーニング信号が出力された旨を前記表示部に表示するようにした。
【0032】
ワーニング信号が表示されるので、この機器の使用者は演算期間が適切に設定されているかどうかを一目で知ることができるという効果がある。そのため、より適切な測定をより短時間で行うことができるという効果もある。
【0033】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の発明において、前記制御部は前記演算部の出力および前記ワーニング信号を外部に出力するようにした。測定値を外部記憶装置などに保存したり、遠隔地に伝送するときに、演算期間が適切に設定されていたかどうかをチェックすることができるので、より信頼性の高い測定を行うことができるという効果がある。
【0034】
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし請求項3いずれかに記載の発明において、前記演算部の出力は実効値であることを特徴とした。より信頼性の高い実効値の測定ができるという効果がある。
【0035】
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし請求項4いずれかに記載の発明において、前記演算部の出力は平均値整流形実効値校正であることを特徴とした。より信頼性の高い平均値整流形実効値校正を得ることができるという効果がある。
【0036】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし請求項5いずれかに記載の発明において、前記演算部の出力は単純平均値であることを特徴とした。より信頼性の高い単純平均値を得ることができるという効果がある。
【0037】
請求項7記載の発明によれば、請求項1ないし請求項6いずれかに記載の発明において、前記演算部の出力は有効電力であることを特徴とした。より信頼性の高い有効電力値を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施例の動作を説明するための特性図である。
【図3】従来の交流信号測定装置の構成図である。
【図4】従来の交流信号測定装置の動作を説明するための特性図である。
【符号の説明】
1 ワーニング信号
2 電圧入力回路
21、31 AD変換器
22,32 ゼロクロス検出器
3 電流入力回路
4 セレクタ
5 DSP
6 測定開始信号
7 CPU
8 表示器
Claims (7)
- 交流信号をデジタル値に変換するAD変換器と、前記交流信号のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出器と、このゼロクロス検出器の出力、前記AD変換器の出力および所定の周期を有する出力更新信号が入力される演算部とを有し、この演算部は前記ゼロクロス検出器の出力および前記出力更新信号に基づいて前記交流信号のゼロクロス点で区切られた所定の演算期間を定め、この演算期間内の前記AD変換器の出力に所定の演算を施して出力すると共に、前記所定の演算期間を定めることができなかったときに前記更新周期を前記演算期間としてこの期間内の前記AD変換部の出力に前記所定の演算を施して出力すると共に、ワーニング信号を出力するようにしたことを特徴とする交流信号測定装置。
- 前記演算部の出力を表示する表示部およびこの表示部を制御する制御部を有し、この制御部は前記演算部の出力を読み込んで前記表示部にこの読み込んだ値を表示すると共に、前記ワーニング信号が出力されたときに、ワーニング信号が出力された旨を前記表示部に表示するようにしたことを特徴とする請求項1記載の交流信号測定装置。
- 前記制御部は前記演算部の出力および前記ワーニング信号を外部に出力するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の交流信号測定装置。
- 前記演算部の出力は実効値であることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれかに記載の交流信号測定装置。
- 前記演算部の出力は平均値整流形実効値校正であることを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれかに記載の交流信号測定装置。
- 前記演算部の出力は単純平均値であることを特徴とする請求項1ないし請求項5いずれかに記載の交流信号測定装置。
- 前記演算部の出力は有効電力であることを特徴とする請求項1ないし請求項6いずれかに記載の交流信号測定装置。
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-
2003
- 2003-01-30 JP JP2003021442A patent/JP2004233179A/ja active Pending
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