JP5573375B2 - 光照射装置 - Google Patents
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Description
図5に、上記のような光照射装置に使用される、棒状の紫外線放電ランプの構成の一例を示す
紫外線放電ランプ1は、大きくは、封体と呼ばれるガラス(石英)管内に一対の電極1aが設けられた管本体部分(同図A,B部分)と、管内部の電極1aと外部の電極(リード線)5とをつなぐための金属箔(例えばモリブデン箔)1cが、埋設されたシール部Cとから構成されている。シール部Cは、封体の石英を加熱し金属箔との間に空間(隙間)を残さないように封止して構成されている。
封体内には水銀やランプの点灯に必要なガスが封入されている。なお、水銀以外に一種もしくは複数種の金属が封入されているランプもある。
シール部Cの両端(ランプの長手方向の両外側)にはセラミックス製または金属製のベース1bが取付けられており、このベース1bから、外部の電極(リード線)5を介して電極1aに電力が引き込まれる。またランプ1を光照射器に取り付ける際には、光照射器に設けられたランプ保持部材が、このベース1bの部分を保持する。
点灯時は、一対の電極1a間で放電が起き、管内に封入されている水銀や、水銀以外に金属が封入されている場合はそれらの金属が蒸発し、該金属特有のスペクトルを発光する。この時、両電極1a間である封体発光部Aは発光領域になり、管端部Bやシール部C及びベース1bの部分は非発光領域となる。
このような紫外線放電ランプは、一例をあげれば、定格18kWのものであって、電極1a間距離は約1100mm、内容積が約400cm3の封体内部に鉄、ヨウ化水銀、水銀などが封入されて、波長220nm〜400nmの光を放射する。
1は棒状の紫外線放電ランプ、2はランプハウス、2aは樋状のミラー、2bは風洞、2cは隔壁、2dは冷却風の吸い込み孔、3は吸引ファン、4はダクトであり、ランプハウス2の上部には、ダクト4を介して吸引ファン3が設けられている。
吸引ファン3が動作することにより、外部からランプハウス2内に冷却風が吸引され、棒状のランプ1の長手方向に直交するように冷却風が流れ、ランプ1およびミラー2aを冷却する。ランプ1およびミラー2aを冷却した冷却風は、隔壁2cに設けられたエアの吸い込み孔2dから風洞2bに引き込まれ、ダクト4から排気される。
なお、上記したように、ランプ1は、ベース1bにおいてランプ保持部材により保持されているが、本図において保持部材は省略している。
ランプ1から出射した光は、直接または樋状のミラー2aにより反射されて、ランプハウス2から、図中太い矢印で示した方向に出射し、被照射物であるワークに照射される。
光配向膜の幅が広くなるにつれ、ランプ1の発光部もそれに応じて長くする必要があるが、発光部(図5においてAで示した部分)が2m以上の長いランプは、例えば従来から使用されている発光部の長さが1m程度のランプに比べて取り扱いが不便である。またそのようなランプを収納するランプハウスの製作も難しくなる。その理由を以下に説明する。
2m以上の長いランプは、1人でランプの一端を持って持上げると、自重で折れてしまうことがある。そのため、ランプの運搬や光照射器への取り付けは2人で行わなければならない。
また、光照射器への取り付けにおいて、両ベース部分(1b)のみの支持では封体が自重によりたわみ、また管径の細いシール部(C)に大きな負荷がかかるので、光照射器にはランプたわみ防止の機構やベース部分(1b)以外での支持が必要となる。
即ちランプハウスの構造が、従来に比べて複雑になる。
上記したように、棒状の紫外線放電ランプ1は、発光領域と非発光領域とを有する。
そのため、そのようなランプ1を備えたランプハウス2を、図7に示すように、直線状に並べると、同図に示す近い光照射面Aにおいては、ランプを並べた方向に沿って、光が照射される領域と光が照射されない領域が交互に生じてしまい、(均一な)露光処理ができなくなってしまう。
そこで、光照射面Bのように、光照射面を光照射器から遠ざければ隣り合う光照射器(ランプ)から出射した光が重なり合い、上記の問題は解決できる。しかし、このようにすると、光照射面と光照射器との間隔が長くなり、その分照度が低下して処理時間が長くなる。
図中点線で囲った部分が、それぞれのランプ(ランプハウス)の光照射領域である。
しかし、このようにランプハウスを配置すると、光照射領域がワークの搬送方向に対して前後にずれて生じる。そのため、ランプ(ランプハウス)の並ぶ方向とワークを搬送する方向とが直交するように、精度良く位置合せする必要がある。なぜなら、ワークの搬送方向がランプ(ランプハウス)の並ぶ方向に対して、同図中に矢印で示すように斜めになると、ワーク上に、光の照射量の少ない、場合によっては光がほとんど照射されない領域(図中斜線で示す)が生じてしまうからである。
さらに図8に示すように、光照射領域が直線状ではない場合は、ワークに照射される照射量が結果的に均一になったとしても、光を照射するタイミングが前後してしまい、ワークの光反応プロセス上で、問題になることも考えられる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、短いランプを備えた光照射器(ランプハウス)を複数並べる光照射装置において、光照射面と光照射器との間隔を長くすることなく、即ち照度が低下させることなく、かつ、光の照射される領域と光が照射されない領域が交互に生じることがないようにするとともに、光照射器(ランプハウス)を並べる方向とワークの搬送方向との厳密な位置合せを不要とし、光照射面に連続的な光照射領域が形成できるようにする、ことを目的とする。
各光照射部を、ワーク(被照射物)の搬送方向に対して直交する方向に伸びる棒状の放電ランプと、上記放電ランプからの光を上記ワークの方向以外の方向に反射する樋状の第1の反射ミラーと、上記ランプからの光と上記第1の反射ミラーにより反射された光を上記ワークの方向に反射する第2の反射ミラーで構成し、この光照射部を棒状の放電ランプの長手方向が直線状に配置されるように一つもしくはそれ以上隣接させて並べて配置して光照射部ユニットを構成する。
上記光照射部ユニットをワークの搬送方向に沿って2列に配置し、一方の列の光照射部の放電ランプの非発光部分(非発光領域)と、他方の列の光照射部の放電ランプの非発光部分(非発光領域)が対向しないようにランプの長手方向に位置をずらして、かつ、上記各光照射部から上記第2の反射ミラーにより反射されて出射した光が、ワーク上に連続した直線状の光照射領域を形成するように配置する。
上記のように光照射部ユニットをワークの搬送方向に沿って2列に配置し、一方の列の光照射部の放電ランプの非発光部分(ランプの端部)と、他方の列の光照射部の放電ランプの非発光部分(ランプの端部)が対向しないように、すなわち、ランプを互い違いに(千鳥状に)に配置することで、一方の列の光照射部から放射される光と、他方の列の光照射部から放射される光が補い合って、光が照射されない領域を生じさせることなく被光照射領域(ワーク)上に連続的に伸びる光照射領域を形成することができる。
また、一方の列の光照射部から放射される光と、他方の列の光照射部から放射される光が補い合うように構成したので、光照射面と光照射器との間隔を長くすることなく、ワーク上に均一な光照射領域を形成することができる。
なお、上記構成において、光照射部の第2の反射ミラーを、上記ランプからの光と上記第1の反射ミラーにより反射された光が、ワークに対して直交する方向に反射するように配置すればワークに垂直に光を入射させることができる。したがって、例えば偏光素子を介して偏光光をワークに照射する偏光光照射装置に適用し、偏光素子に垂直に光を照射することができる。
また、上記構成において、各光照射部の間に反射部材から構成され境界板を設けてもよい。このように構成することにより、隣接する光照射部からの光の影響を除去することができ、照度分布のばらつきの調整等が容易となる。
さらに、上記構成において、少なくとも第2の反射ミラーを、赤外線を透過させ、紫外線を反射するコールドミラーで構成することにより、ワーク(被照射物)の加熱を防ぐことができる。
(1)一方の列の光照射部から放射される光と、他方の列の光照射部から放射される光が補い合うように構成したので、光照射面と光照射器との間隔を長くすることなくランプの数だけ線状に長く延びる光照射領域を形成することができる。
そのため、光照射面での照度を低下させることなく、また、光の照射される領域と光が照射されない領域が交互に生じさせることがなく、ワーク(被照射物)に光を照射することができる。
(2)また、ワークの搬送方向に対して、光照射領域が前後にずれて存在することがないので、ランプを並べる方向とワークの搬送方向との厳密な位置合せは不要である。ワークの搬送方向がランプの並ぶ方向に対して斜めになったとしても、ワーク上に光が照射されない領域が生じることはない。
(3)ランプからの光を第2の反射ミラーにより折り返してワークに照射するので、光照射装置の高さを従来に比べて低くできる。そのため、高さ方向に制限のある場所での使用に有利である。
同図において、1は棒状の紫外線放電ランプ、2はランプハウス、2aは樋状のミラー、5は光出射口、10は折り返しミラー(第2の反射ミラー)であり、同図では、ランプを支持する機構、ランプの冷却機構等は省略している。
前記図7に示した光照射装置においては、光照射器(ランプハウス)からの光は、被照射物であるワークの方向(図7においては図面下方)に光を照射することを想定していた。しかし、本発明の実施例の光照射部20においては、ランプハウス2からの光を、図1(b)に示すように、例えば水平方向に出射し、これを折り返しミラー10によりワークの方向に折り返す。
即ち、ランプハウス2内の樋状ミラー2aは、棒状のランプ1から出射する光を横方向に反射するように、光出射口5を横に向けて設ける。
なお、ワークWは、幅の広い例えば帯状のワークであり、ランプ1の長手方向に直交する方向(例えば同図の白抜き矢印方向)に、連続または間歇的に直線状に搬送される。図1(a)ではワークW上の矩形状の光照射領域を示している。
光出射口5に対向して、ランプハウス2から出射した光を被処理物であるワークの方向に反射する折り返しミラー10を設ける(樋状ミラー2aを第1の反射ミラーとすると、この折り返しミラー10は第2の反射ミラーである)。
図1においては、折り返しミラー10は、ランプハウス2から、ワークに対してほぼ平行に出射した光を、ワークのほうに向けて90°折り返す。これにより、ワークに光照射部20からの光が照射される。
また、図1においては、折り返しミラー10は平面ミラーであるが、平面ミラーに限られるものではない。例えば、断面が球面やパラボラ形状のものを使用しても良い。
図1に示す光をワーク(被照射物)の方向以外の方向に出射するランプハウス2と、ランプハウス2からの光をワークの方向に反射する折り返しミラー10を、一体で一つの光照射部という。
図2は、本発明の実施例の光照射装置の構成を説明する図であり、図2により本実施例の光照射装置の構成を説明する。なお、図2においても、ランプハウス2の外装等を省略して示しており、図2(a)は光照射器20を一列並べて光照射部ユニットを構成した状態を示し、図2(b)は(a)に示した光照射ユニットを2列並べて本実施例の光照射装置を構成した状態を示している。
図2(a)に示すように、棒状のランプ1の長手方向(ランプハウス2の長手方向)に沿って、被処理物(ワーク)の搬送方向に対して直交する方向に、光出射口20が同じ方向に向くように、隣接させて一列に並べる。同図においては、4つの光照射部が第1の光照射部ユニット31を構成している。各光照射部20の折り返しミラー101が、一定の間隔(光が照射されない領域の間隔)をあけて並ぶ。
上記のように光照射部20を、ランプ1の長手方向が直線状に配置されるように隣接させて一列に並べて配置したものを、第1の光照射部ユニット31と呼ぶ。
この例では各光照射部20の間に境界板11が設けられている。境界板11は、例えば両面が反射材で構成され、隣接する光照射部の方向に照射される光を反射する。
境界板11を設けることで、隣接する光照射部20からの光が各光照射部20に入射するのを防ぐことができる。したがって、隣接した光照射部20から入射する光を考慮することなく、各光照射部20で照度の調整を行うことができ、照度分布のばらつきを容易に調整することができる。
そこで、第1の光照射部ユニット31とは反対方向に光出射口を向けた第2の光照射部ユニット32を準備する。第2の光照射部ユニット32は、第1の光照射部ユニット31とほぼ同数の光照射部20を上記第1の光照射部ユニット31と同様に隣接させて並べたものであり、第2の光照射部ユニット31も折り返しミラー102が一定の間隔をあけて並ぶ。
そして、図2(b)に示すように、第1の光照射部ユニット31の一定の間隔をあけて並んでいる折り返しミラー101の間に、第2の光照射部ユニット32の折り返しミラー102が位置するように、言い換えればワーク(被照射物)の搬送方向に対して、一方の光照射部ユニットの光照射部が、他方の光照射部ユニットの光照射部の間に位置するように、第1の光照射部ユニット31と第2の光照射部ユニット32を組み合わせて配置する。
また、折り返しミラー101と102により反射されて第1の光照射部ユニット31と第2の光照射部ユニット32から出射する光の中心が、ランプの並ぶ方向に沿って一直線状に並ぶように配置する。
これにより、光照射部ユニット31から放射される光と、光照射部ユニット32から放射される光が補い合って、光が照射されない領域を生じさせることなくワークW上に直線状の連続的に伸びる光照射領域を形成することができる。すなわち、ワークWの、第1の光照射部ユニット31から出射した光が照射できない領域を、第2の光照射部ユニット32から出射した光が補間するので、光照射面での光照射領域は、ランプの数だけ線状に長く延びて形成される。また、ワークWの搬送方向に対して光照射領域が、前記図8に示したように、前後にずれて形成されることもない。
また、光照射装置から出射する光の光軸に対して、第1の光照射部ユニット31と、第2の光照射部ユニット32が対称に配置されように構成することで、光照射領域における照度を均一にすることができる。
また、ワークが加熱されないように赤外線をカットする必要がある場合には、上記折り返しミラー10を、赤外線を透過させ紫外線を反射するコールドミラーで構成する。なお、折り返しミラー10とともに樋状ミラー2aをコールドミラーとしてもよい。
図3(a)は、光照射装置を構成する複数のランプ1と折り返しミラー10を上から見た図である。同図ではランプハウスの外装等は省略している。
第1の光照射部ユニット31は、4本のランプ(1−1,1一2,1−3,1−4)と、各ランプからの光をワークの方向に折り返す折り返しミラー(101−1,101−2,101−3,101−4)を有する。
第2の光照射部ユニット32も、4本のランプ(1−5,1−6,1−7,1−8)と、各ランプからの光をワークの方向に折り返す折り返しミラー(102−1,102−2,102−3,102−4)を有する。
同図に示すように、第1の光照射部ユニット31のランプ1−1とランプ1−2の間の非発光領域は、第2の光照射部ユニット32のランプ1−6からの光が補う。また、第1の光照射部ユニット31のランプ1−2とランプ1−3の間の非発光領域は、第2の光照射部ユニット32のランプ1−7からの光が補う。
縦軸は光照射領域の照度であり、横軸は光照射領域のランプ長手方向の位置である。点線が各ランプからの光の照度であり、実線が各ランプからの光を足し合わせた照度である。同図に示すように、第1の光照射部ユニット31の非発光領域は、第2の光照射部ユニット32の発光領域からの光が、反対に第2の光照射部ユニット32の非発光領域は、第1の光照射部ユニット31の発光領域からの光が、それぞれ補い合う。したがつて、光照射面(ワーク上)での光照射領域は、線状に長く延びて形成され、光が照射される領域と光が照射されない領域が交互に生じることがない。
図3(c)は、図3(a)を左側白抜き矢印Aの方向から見た図である。同図に示すように、第1の光照射部ユニット31と第2の光照射部ユニット32は、それぞれの折り返しミラー101,102により反射されて出射する光の中心が、ランプの並ぶ方向に沿って一直線状に並ぶように配置される。
また、ランプを並べる方向とワークの搬送方向との厳密な位置合せは不要であり、ワークの搬送方向がランプの並ぶ方向に対して斜めになったとしても、ワーク上に均一に光を照射することができる。
さらに、ランプハウス2からの光を折り返しミラー10により折り返してワークWに照射するように構成しているので、光照射装置の高さを低くすることができ、高さ方向に制限のある場所での使用することができる。
2 ランプハウス
2a 樋状のミラー
5 光出射口
10 折り返しミラー(第2の反射ミラー)
10,101,102 折り返しミラー(第2の反射ミラー)
20 光照射部
31,32 光照射部ユニット
Claims (1)
- 棒状の放電ランプを備えた一以上の光照射部を有する光照射部ユニットから出射する光を、連続または間歇的に直線状に搬送されるワークに対して照射する光照射装置であって、上記光照射部は、ワークの搬送方向に対して直交する方向に伸びる棒状の放電ランプと、上記放電ランプからの光を、上記ワークの方向以外の方向に反射する樋状の第1の反射ミラーと、上記ランプからの光と上記第1の反射ミラーにより反射された光を、上記ワークの方向に反射する第2の反射ミラーを有しており、
上記光照射部ユニットは、上記棒状の放電ランプの長手方向が直線状に配置されるように、一以上の光照射部を隣接させて並べて配置し、各光照射部の間に両面が反射材で構成された境界板を設けたものであり、
上記光照射部ユニットはワークの搬送方向に沿って2列に配置され、一方の列の光照射部の放電ランプの非発光部分と、他方の列の光照射部の放電ランプの非発光部分が対向しないようにランプの長手方向に位置をずらして、かつ、上記各光照射部から上記第2の反射ミラーにより反射されて出射した光が、ワーク上に連続した直線状の光照射領域を形成するように配置される
ことを特徴とする光照射装置。
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