JP5573158B2 - フレキシブル透明導電フィルム及びこれを用いたフレキシブル機能性素子 - Google Patents

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Description

本発明は、透明導電層がベースフィルム上に形成された透明導電フィルムに関し、特に液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子、電子ペーパー素子、太陽電池、タッチパネルなどのフレキシブル機能性素子に使用される透明導電フィルムに関する。
近年、液晶表示素子を始めとする各種ディスプレイや携帯電話等の電子デバイスにおいては、軽薄短小化の動きが加速しており、それにともなって従来用いられてきたガラス基板をプラスチックフィルムに代替する研究が盛んに行われている。プラスチックフィルムは軽く且つフレキシビリティに優れているため、厚さ数μm程度の薄いプラスチックフィルムをベースフィルムとし、この上に透明導電層を形成してなる透明導電フィルムを、例えば、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」と略称する)、分散型エレクトロルミネッセンス素子(以下「分散型EL素子」と略称する)、電子ペーパー素子、太陽電池、又はタッチパネル等に適用できれば、極めて軽量で且つ柔軟なフレキシブル機能性素子を得ることが可能となる。
上記フレキシブル機能性素子に適用される透明導電フィルムとしては、図1に示すように、ベースフィルム1上に気相蒸着法により透明導電層2を形成したものがある。一般的には、ベースフィルム1上にスパッタリング法あるいはイオンプレーティング法等の物理的気相蒸着法を用いて、インジウム錫酸化物(以下「ITO」と略称する)の透明導電層2(以下「スパッタリングITO層」と略称する)を形成した透明導電フィルム(以下「スパッタリングITOフィルム」と略称する)が広く知られている。
例えば、上記スパッタリングITOフィルムは、ベースフィルムとしてのポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の透明プラスチックフィルムの上に、無機成分であるITOの単独層が物理的気相蒸着法で厚さ20〜50nm程度に形成されている。これにより、表面抵抗値が100〜300Ω/□(オーム・パー・スクエアと読む)程度の低抵抗な透明導電層を得ることが可能となる。
しかし、上記スパッタリングITO層は、無機成分の薄膜であって極めて脆いため、マイクロクラック(割れ)を生じやすいという問題がある。具体的には、ベースフィルムの厚みが50μm未満、例えば25μmのスパッタリングITOフィルムを前記フレキシブル機能性素子に適用する場合、ベースフィルムのフレキシビリティ(柔軟性)が高すぎて、ハンドリング中やフレキシブル機能性素子にした後にスパッタリングITO層に容易にクラックが生じ、透明導電層の導電性を著しく損ねることがある。従って、高いフレキシビリティが要求されるフレキシブル機能性素子には実用化されていないのが現状であった。
このため、上記スパッタリング等の気相蒸着法による透明導電層形成に代えて、例えば下記特許文献1〜6に示されるように、プラスチックのベースフィルム上に塗布法により比較的フレキシブルな透明導電層を形成する方法が提案されている。具体的には、導電性酸化物微粒子とバインダーとを主成分とする透明導電層形成用塗布液を、ベースフィルム上に塗布して乾燥した後、ロールによる圧縮(圧延)処理を行い、次いで、バインダー成分を硬化させる方法が示されている。
この方法によれば、図2に示すような、ベースフィルム1上に塗布法により透明導電層3が形成された透明導電フィルムを得ることができる。この方法は、ロールによる圧延処理により透明導電層中の導電性微粒子の充填密度を高めることができるため、透明導電層の電気(導電)特性及び光学特性を大幅に高めることができるという利点がある。
また、下記特許文献7には、ベースフィルムの表面上に、少なくとも透明コーティング層と、透明導電層と、蛍光体層と、誘電体層と、背面電極層とが順次形成された分散型エレクトロルミネッセンス素子が開示されている。この素子における透明導電層は、導電性酸化物粒子とバインダーとを主成分とする透明導電層形成用塗布液を透明コーティング層の表面上に塗布して塗布膜を形成した後、圧縮処理を施して形成されている。
特開平4−237909号公報 特開平5−036314号公報 特開2001−321717号公報 特開2002−36411号公報 特開2002−42558号公報 WO2007/039969号パンフレット 特開2006−202739号公報
上記した従来の塗布法による透明導電層の形成方法においては、透明導電層のフレキシビリティは大幅に改善されるものの、透明導電層は導電性酸化物粒子同士が点接触でつながった構造であって、その接触点を介して電流が流れることになるため、透明性や導電性(透明導電性)が上記スパッタリングITOフィルムに比べて劣っている。例えば、スパッタITOフィルムの比抵抗が2〜6×10−4Ω・cm程度であるのに対し、圧縮処理して緻密化したITO微粒子塗布膜でも2〜6×10−2Ω・cmと2桁程度高い。更に、塗布法による透明導電層は、経時劣化、雰囲気による変化等の影響を受け易く、導電安定性が悪いという問題点もあった。
即ち、スパッタリングITOフィルム並みの導電性及び透明性、並びに導電安定性を有し、更にフレキシビリティに優れる透明導電層を有する透明導電フィルムは得られておらず、前述の液晶表示素子、有機EL素子、分散型EL素子、電子ペーパー素子、太陽電池、タッチパネル等のフレキシブル機能性素子の製造において、透明電極として使用される透明導電フィルムの特性改善が強く求められていた。
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、従来のスパッタリングITOフィルム並みの透明性、導電性及び導電安定性を有し、更にフレキシビリティにも優れたフレキシブル透明導電フィルム、特に液晶表示素子、有機EL素子、分散型EL素子、電子ペーパー素子、太陽電池、タッチパネルなどのフレキシブル機能性素子に使用されるフレキシブル透明導電フィルムを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明が提供するフレキシブル透明導電フィルムは、厚さ3〜50μmのベースフィルムと、該ベースフィルムの一方の面に該ベースフィルムとの界面で剥離可能に張り合わされている支持フィルムと、該ベースフィルムの他方の面に積層された第1透明導電層及び第2透明導電層とからなるフレキシブル透明導電フィルムであって、前記第1透明導電層は物理的又は化学的気相蒸着法により形成されており、前記第2透明導電層は塗布法により形成されており、これら第1及び第2透明導電層は上記記載順又はその逆の順に積層されており、前記第1透明導電層は導電性酸化物を主成分とし、前記第2透明導電層は導電性酸化物微粒子とバインダーマトリックスとを主成分とし、前記第2透明導電層はその塗布後に前記支持フィルム及び前記ベースフィルムと共に、あるいは前記支持フィルム、前記ベースフィルム及び前記第1透明導電層と共に圧縮処理されており、前記第1透明導電層のクラック発生を抑制するか、又は該クラックが発生した場合に導電性劣化を抑制するように前記第1透明導電層と前記第2透明導電層とが互いに密着しており、前記バインダーマトリックスは水酸基を有しており、且つ、元々水酸基を含まない樹脂に水酸基を導入した水酸基変性樹脂、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、フェノキシ樹脂、及びビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる群より選ばれた樹脂であり前記第1透明導電層と前記第2透明導電層との密着力が、JIS K5600−5−6に準じたテープ剥離試験において「剥離しなかった個数/全体の個数=25/25」であることを特徴としている。
上記した本発明のフレキシブル透明導電フィルムにおいては、前記物理的又は化学的気相蒸着法が、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、熱CVD法、光CVD法、Cat−CVD法、又はMOCVD法のいずれであってよい。
上記した本発明のフレキシブル透明導電フィルムにおいては、前記導電性酸化物及び導電性酸化物微粒子は、酸化インジウム、酸化錫、及び酸化亜鉛からなる群より選ばれた一種以上を主成分として含有している。
上記した本発明のフレキシブル透明導電フィルムにおいては、前記導電性酸化物及び導電性酸化物微粒子に含まれる酸化物は、インジウム錫酸化物であることが好ましい。
上記した本発明のフレキシブル透明導電フィルムにおいては、前記バインダーマトリックスは、架橋されており、有機溶剤耐性を有していることが好ましい。
上記した本発明のフレキシブル透明導電フィルムにおいては、前記圧縮処理がロールの圧延処理により行われていることが好ましい。
また、本発明が提供するフレキシブル機能素子は、上記した本発明のフレキシブル透明導電フィルム上に、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機分散型エレクトロルミネッセンス素子、電子ペーパー素子、太陽電池、又はタッチパネルのいずれかの機能性素子が形成されており、ベースフィルムとの界面で上記支持フィルムが剥離除去されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、従来のスパッタリングITOフィルムと同等の透明性、導電性及び導電安定性を有すると同時に、フレキシビリティにも優れたフレキシブル透明導電フィルムを得ることができる。更に、このフレキシブル透明導電フィルムを用いれば、液晶表示素子、有機EL素子、分散型EL素子、電子ペーパー素子、太陽電池、タッチパネル等の各種フレキシブル機能性素子を安価に製造することができるので、工業的に有用である。
従来の透明導電フィルムの構造を示す概略の断面図である。 従来の透明導電フィルムの別な構造を示す概略の断面図である。 本発明に係るフレキシブル透明導電フィルムの構造を示す概略の断面図である。 本発明に係るフレキシブル透明導電フィルムの別な構造を示す概略の断面図である。 従来の透明導電フィルムを曲げた際のクラックの発生状況を示す概略の断面図である。 本発明に係るフレキシブル透明導電フィルムを曲げた際のクラックの発生状況を示す概略の断面図である。 従来の透明導電フィルムと本発明に係るフレキシブル透明導電フィルムのフレキシビリティ評価(2)に用いた試験サンプルを示す概略図(上方及び側方から見た図)である。 従来の透明導電フィルムを完全に二つ折りした際のクラックの発生状況を示す概略の断面図である。 本発明に係るフレキシブル透明導電フィルムを完全に二つ折りした際のクラックの発生状況を示す概略の断面図である。
符号の説明
1 ベースフィルム
2 気相蒸着法により形成された透明導電層
2a 第1透明導電層
3 塗布法により形成された透明導電層
3a 第2透明導電層
4 クラック
5 支持フィルムが剥離除去されたフレキシブル透明導電フィルム
5a 透明導電層表面
6 銀導電ペーストを用いて形成された平行電極
7 折り目ライン
本発明のフレキシブル透明導電フィルムは、ベースフィルム上に、物理的又は化学的気相蒸着法により形成された第1透明導電層と、塗布法により形成された第2透明導電層とが、この記載順又はその逆の順に積層されている。第1透明導電層は導電性酸化物を主成分とし、第2透明導電層は導電性酸化物微粒子とバインダーマトリックスとを主成分としている。更に、前記第1透明導電層と前記第2透明導電層とは互いに密着しており、これにより第1透明導電層のクラック発生を抑制し、又は該クラックが発生した場合の導電性劣化を抑制している。
このフレキシブル透明導電フィルム上に、液晶表示素子、有機EL素子、無機分散型EL素子、電子ペーパー素子、太陽電池、又はタッチパネルのいずれかの機能性素子が形成されて、フレキシブル機能性素子が形成される。
かかる本発明のフレキシブル透明導電フィルムに用いられるベースフィルムの厚さは、通常通り3μm以上(例えば3〜188μm)が好ましく、より好ましくは6〜125μmであり、更に好ましくは6〜50μmである。一般的に、ベースフィルムが厚くなると、その剛性が高くなり、フレキシブル機能性素子のフレキシビリティが損なわれる。一方、ベースフィルムが薄くなると、フレキシブル機能性素子のフレキシビリティは向上するが、製造工程において取扱いに困難をきたし易く、生産性が悪化する場合がある。
特に、ベースフィルムの厚さが3μmよりも薄くなると、一般に流通している汎用のフィルムが得られにくくなること、ベースフィルム自体の取扱いが極めて難しくなり、後述する支持フィルムによる裏打ちが困難になること、及びベースフィルム自体の強度が低下するため、フレキシブル機能性素子の透明導電層を含めた素子の構成要素にダメージが生じ得ること、などの問題があるため好ましくない。
ベースフィルムの材質は、透明性又は透光性を有し、且つ、その上に透明導電層が形成できるものであれば特に限定されず、各種プラスチックを用いることができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ウレタン、フッ素系樹脂等のプラスチックを用いることができる。それらの中でも、安価で且つ強度に優れ、透明性と柔軟性とを兼ね備えている等の観点から、PETフィルムが好ましい。
また、上記ベースフィルムとして、無機及び/又は有機(プラスチック)の繊維(針状、棒状、ウィスカー微粒子も含む)やフレーク状微粒子(板状も含む)で強化されたフィルムを用いてもよい。これらのような繊維やフレーク状微粒子で強化されたベースフィルムは、より薄いフィルムでも良好な強度を有することが可能となる。
尚、上記ベースフィルムにおいて、第1及び第2透明導電層が形成されない面に、ハードコーティング、アンチグレアコーティング、アンチリフレクション(低反射)コーティング、ガスバリアコーティング等を施してもよい。上記第1及び第2透明導電層が形成されない面は、最終的に、本発明に係るフレキシブル機能性素子(フレキシブル透明導電フィルムの第1又は第2透明導電層上に機能性素子を形成したもの)の最外表面となって外部に露出するため、この面にハードコーティングを施すことによって耐擦傷性が向上するため、例えば、上記フレキシブル機能性素子の表示性能の低下を効果的に防止すること等が可能となる。
同様に、この面にアンチグレアコーティングやアンチリフレクションコーティングを施すことによって、上記フレキシブル機能性素子の最外表面での外光反射が抑制されるため、表示性能を一層向上することが可能となる。また、酸素バリアや水蒸気バリア等のガスバリアコーティングを施すことによって、上記フレキシブル機能性素子が酸素や水蒸気で劣化しやすい素子であっても、素子の機能低下を効果的に防止することが可能となる。
上記ベースフィルムの厚さが3〜50μm(特に、3〜25μm)と薄い場合には、フレキシブル透明導電フィルムの製造工程での取扱いや生産性を考慮すると、支持フィルムを用いてベースフィルムを裏打ち(補強)するのが好ましい。この支持フィルム(裏打ちフィルムとも称する)は、ベースフィルムとの接合面に、接着後に剥離可能な微粘着層を有していることが望ましい。尚、一般的とは言えないが、支持フィルムの素材自体が微粘着性を有する場合は、支持フィルムが微粘着層の働きを兼ね備えるため、更に微粘着層を支持フィルム上に形成する必要はない。
上記支持フィルムは、その厚さが50μm以上が好ましく、より好ましくは75μm以上であり、更に好ましくは100μm以上である。支持フィルムの厚さが50μm未満であればフィルムの剛性が低下し、各種フレキシブル機能性素子の製造工程での取扱いに支障をきたし、更に基材の反り(カール)の問題や、機能性素子層の形成時(例えば、分散型EL素子における蛍光体層等の積層印刷時)等に問題を生じやすくなるからである。また、支持フィルムの厚さは、200μm以下であることが好ましい。200μmを超えると、フィルムが硬く、且つ重くなって扱いづらくなると同時に、コスト的にも好ましくないからである。
上記の支持フィルムの材質は特に限定されず、各種プラスチックを用いることができる。具体的には、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ウレタン、フッ素系樹脂、ポリイミド(PI)等のプラスチックを用いることができる。その中でも、安価で且つ強度に優れ、柔軟性も兼ね備えている等の観点から、PETフィルムが好ましい。支持フィルムの透明性は、フレキシブル機能性素子に対して要求される透明性には直接関係しないが、支持フィルムを通して製品としての素子の特性検査(輝度、外観、表示性能等)を行う場合があるため、透明であることが好ましく、この点でもPETフィルムが好ましい。
上記した支持フィルムは、ベースフィルムと密着した状態でフレキシブル透明導電フィルム及びフレキシブル機能性素子の作製工程を経て、最後にベースフィルムから剥離される。従って、前述した微粘着層は、適度な剥離性を有していることが好ましい。このような微粘着層の材料としては、アクリル系又はシリコーン系が挙げられる。これらの中で、シリコーン系の微粘着層は耐熱性に優れる点でより好ましい。
上記微粘着層は、具体的には、180°剥離試験(引張り速度=300mm/min)において、ベースフィルムとの剥離強度(剥離部における単位長さ当りの剥離に必要な力)が1〜40g/cmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは2〜20g/cmであり、更に好ましくは2〜10g/cmである。剥離強度が1g/cm未満では、支持フィルムとベースフィルムを接着したとしても、フレキシブル透明導電フィルムやフレキシブル機能性素子の製造工程において剥がれ易くなるため好ましくない。一方、剥離強度が40g/cmを超えると、支持フィルムとベースフィルムが剥がしづらくなるため、フレキシブル機能性素子の支持フィルムからの剥離工程の作業性の悪化、無理に剥がすことによる素子の伸びや透明導電層の劣化(亀裂等)、ベースフィルム面への微粘着層の一部の付着等が生ずる危険性が高くなる場合があるから好ましくない。
ところで、フレキシブル機能性素子によっては、フレキシブル透明導電フィルムに対し、加熱処理工程(例えば120〜140℃程度)を経て製造されることがある。従って、加熱処理工程を経た後でも上記剥離強度を維持している必要があり、そのためには、上記微粘着層の材質には耐熱性が要求される。また、フレキシブル透明導電フィルムの製造の際に紫外線硬化処理が適用されることがあり、この場合は、微粘着層の材質には耐紫外線性が必要となる。
更に、上記加熱処理工程を経てフレキシブル機能性素子が製造される場合は、加熱処理に伴ってフレキシブル透明導電フィルムの寸法が大きく変化しないのが望ましい。具体的には、上記加熱処理の前後で、上記フレキシブル透明導電フィルムの縦方向(MD)及び横方向(TD)の寸法変化率が共に0.3%以下であることが好ましく、より好ましくは0.15%以下であり、更に好ましくは0.1%以下である。ここで、プラスチックフィルムにおいては、加熱処理に伴う寸法変化率とは一般的に収縮率を示す。
プラスチックフィルムの縦方向(MD)及び横方向(TD)のいずれかの寸法変化率(収縮率)が0.3%を超えることは以下の点で好ましくない。即ち、フレキシブル透明導電フィルムが例えばフレキシブル分散型EL素子に使用される場合、フレキシブル透明導電フィルム上に蛍光体層、誘電体層、背面電極層等を順次積層することになる。その際、各層を形成する毎に形成用ペーストがパターン印刷され、乾燥され、加熱硬化されるため、各層を加熱硬化処理する度に寸法変化(収縮)が起こって印刷ずれが生じると、そのずれの大きさが分散型EL素子の製造における許容範囲を超える可能性があるからである。
上記寸法変化率を低減させる方法としては、予め熱収縮させた低熱収縮タイプのベースフィルム、若しくは低熱収縮タイプの支持フィルムで裏打ちされたベースフィルムを用いる方法、ベースフィルム若しくは支持フィルムで裏打ちされたベースフィルムを予め熱収縮させておく方法、又はフレキシブル透明導電フィルムごと熱収縮させる方法等が考えられる。
本発明のフレキシブル透明導電フィルムにおいては、前述したように、導電性酸化物を主成分とし、物理的又は化学的気相蒸着法により形成された第1透明導電層と、導電性酸化物微粒子及びバインダーマトリックスを主成分とし、塗布法により形成された第2透明導電層とが、ベースフィルム上に任意の順序で積層され、これら第1透明導電層と第2透明導電層とは互いに強く密着している。例えば図3に示すように、ベースフィルム1上に、第1透明導電層2a及び第2透明導電層3aの順に積層してもよいし、その逆の順、即ち図4に示すように、ベースフィルム1上に、第2透明導電層3a及び第1透明導電層2aの順に積層してもよい。
尚、第1透明導電層2a及び第2透明導電層3aは、それぞれベースフィルム1上の全面に形成してもよいし、それぞれ必要な部分にだけ形成してもよい。一例を挙げれば、第1透明導電層2aをベースフィルム1上の全面に形成し、第2透明導電層3aはその第1透明導電層2a上の所定部分だけに形成(パターン形成)する場合、あるいは、その逆の場合等がある。第2透明導電層3aは塗布法により形成されるため、透明導電層形成用塗布液をパターン塗布することによってパターン形成を容易に行うことができる。このように、第1透明導電層2a及び/又は第2透明導電層3aをパターン形成することにより、ベースフィルム1上の必要な部分(領域)にのみフレキシビリティに優れる透明導電層を形成でき、更には、透明導電層の形成に必要な透明導電層形成用塗布液等の使用量を削減でき、フレキシブル透明導電フィルムの材料コストを低減することができる。
ここで、本発明のフレキシブル透明導電フィルムが優れたフレキシビリティを有する理由をより詳しく説明する。例えば図5に示すように、ベースフィルム1上に気相蒸着法により形成された透明導電層2を有する従来のスパッタITOフィルムのような透明導電フィルムを屈曲させた場合には、透明導電層2が極めて脆いため多くのクラック4が透明導電層2に発生し、クラック4が生じた部分の導電性が完全に損なわれて透明導電層2の抵抗値が大幅に上昇することとなる。
一方、図6に示すように、ベースフィルム1上に気相蒸着法により形成された第1透明導電層2aと塗布法により形成された第2透明導電層3aが積層された構造を有する本発明の一具体例の透明導電フィルムを屈曲させた場合には、第1透明導電層2a自体は極めて脆いものの、フレキシビリティに優れる第2透明導電層3aが第1透明導電層2aに強く密着して保護しているため、第1透明導電層2aのクラック発生が抑制され、また仮に第1透明導電層2aに幾らかのクラック4が発生しても、クラック4が生じた部分は第2透明導電層3aを介して電気的に接続されているため、透明導電層全体としては導電性が確保されて抵抗値の悪化を効果的に抑制できる。
尚、上記第2透明導電層3aの保護による第1透明導電層2aのクラック発生の抑制効果に関しては、ベースフィルム1上に、第1透明導電層2a及び第2透明導電層3aの順に積層すると、第1透明導電層2aが第2透明導電層3aとベースフィルム1とで挟み込まれてがっちりと固定される構造となるため、この逆の順に積層した場合よりも、強い効果が期待できる。一方、第1透明導電層2aにクラックが生じた場合に透明導電層3aを介して透明導電層全体の導電性を確保する効果に関しては、上記第1透明導電層2aと第2透明導電層3aの積層の順番によらず、等しく有効である。
第1透明導電層に適用される導電性酸化物としては、酸化インジウム、酸化錫、及び酸化亜鉛からなる群より選ばれた一つ以上を主成分とする導電性酸化物であって、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウム−タングステン酸化物(IWO)、インジウム−チタン酸化物(ITiO)、インジウムジルコニウム酸化物、錫アンチモン酸化物(ATO)、フッ素錫酸化物(FTO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)等が挙げられるが、透明性と導電性を具備していれば良く、これらに限定されない。ただし、上記中でもITO微粒子は最も高特性であるため好ましい。
上記第1透明導電層を形成するための物理的又は化学的気相蒸着法としては、例えば、汎用の方法であるスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、熱CVD法、光CVD法、Cat−CVD(Catalytic Chemical Vapor Deposition)法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法等を用いることができる。
尚、上記種々の方法で得られる第1透明導電層の構造は、前記導電性酸化物で構成される極めて緻密な膜であって、成膜条件にもよるが、例えば、アモルファス膜、結晶膜、アモルファスと結晶の混合膜等である。アモルファス膜は文字通り非晶質の均質な膜であり、一般に低温膜形成で得られるため、耐熱性に乏しいプラスチックフィルム上に形成しやすいが、膜の導電性や耐久性(耐酸性、高温高湿耐性等)が、結晶膜に比べて劣っている。一方、結晶膜は導電性酸化物結晶同士が結晶粒界を介してつながった構造の膜であり、結晶化のためある程度の高温が必要で、耐熱性に乏しいプラスチックフィルム上には形成しにくいが、導電性や耐久性に優れている。ただし、アモルファス膜、結晶膜のいずれの膜においても、空隙(ポア)がほとんどない導電性酸化物だけで構成される緻密な膜であるため、前述の塗布により形成される導電性酸化物粒子とバインダーマトリックスからなる透明導電膜に比べると、柔軟性に乏しくて脆く、クラックが生じ易いものの、優れた導電性を有している。
本発明の第1透明導電層は、アモルファス膜、結晶膜、アモルファスと結晶の混合膜等の構造のいずれでもよく、フレキシブル透明導電フィルムが適用されるフレキシブル機能性素子に応じて適宜選択することができる。ちなみに、PETフィルムをベースフィルムとして適用した場合では、PETフィルムが150℃程度の耐熱性を有するため、アモルファスと結晶のいずれのタイプのスパッタITOフィルムも市場で容易に調達することが可能である(製造が容易なアモルファスタイプのスパッタITOフィルムの方が、結晶タイプよりも安価である)。
ところで、上記第1透明導電層の表面は、通常の成膜条件では比較的平坦であり、平均表面粗さ(Ra)はアモルファス膜で0.5〜1nm、結晶膜で3〜5nmであるが、第1透明導電層上に塗布法によって第2透明導電層を形成する場合には、第1透明導電層の表面に微小な凹凸部を形成してもよい。これにより、アンカー効果によって、第2透明導電層中のバインダーマトリックスと第1透明導電層の微小凹凸部とが強固に結合して、層間の密着力を高めることが可能となる。尚、上記第1透明導電層表面の微小凹凸部は、成膜条件を適宜調整することによって形成してもよいし、予めベースフィルムの表面に微小な凹凸を形成しておき、その上に第1透明導電層を均一に成膜することによって形成してもよい。
一方、第2透明導電層の形成は、以下に示す塗布法により行うことができる。即ち、導電性酸化物微粒子とバインダーマトリックスとなるバインダー成分とを溶剤に分散させて透明導電層形成用塗布液を調製し、この塗布液をベースフィルム又は第1透明導電層上に塗布し、乾燥して塗布層を形成する。必要に応じ、この塗布層に後述の圧縮処理を行った後、バインダー成分を硬化させて、第2透明導電層を形成する。前述のように、第2透明導電層は、導電性酸化物粒子とバインダーマトリックスとを主成分としているため、第1透明導電層と比べると、導電性では劣るものの、非常に優れた柔軟性を有するという特徴がある。
尚、上記ベースフィルム上に、直接、導電性酸化物を主成分とする第1透明導電層を気相蒸着法で形成する場合や、直接、導電性酸化物微粒子とバインダーマトリックスとを主成分とする第2透明導電層を塗布法で形成する場合には、第1透明導電層や第2透明導電層との密着力を高めるために、ベースフィルムに易接着処理、具体的には、プラズマ処理、コロナ放電処理、又は短波長紫外線照射処理等を予め施してもよい。一方、上記第1透明導電層上に、直接、導電性酸化物微粒子とバインダーマトリックスとを主成分とする第2透明導電層を塗布法で形成する場合には、第1透明導電層との密着力をより高めるために、上記透明導電層形成用塗布液に、導電性酸化物からなる第1透明導電層との密着性付与剤を配合してもよい。密着性付与剤には、例えばシリコン系やチタン系などのカップリング剤を用いることができる。
上記第2透明導電層に適用される導電性酸化物微粒子としては、酸化インジウム、酸化錫、及び酸化亜鉛からなる群より選ばれた一つ以上を主成分とする導電性酸化物微粒子がある。例えば、インジウム錫酸化物(ITO)微粒子、インジウム亜鉛酸化物(IZO)微粒子、インジウム−タングステン酸化物(IWO)微粒子、インジウム−チタン酸化物(ITiO)微粒子、インジウムジルコニウム酸化物微粒子、錫アンチモン酸化物(ATO)微粒子、フッ素錫酸化物(FTO)微粒子、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)微粒子、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)微粒子等が挙げられるが、透明性と導電性を具備していれば良く、これらに限定されない。ただし、上記中でもITO微粒子は、最も高特性であるため好ましい。
導電性酸化物微粒子の平均粒径は、1〜500nmが好ましく、5〜100nmが更に好ましい。平均粒径が1nm未満では後述する透明導電層形成用塗布液の製造が困難となり、また得られる透明導電層の抵抗値が高くなる。一方、500nmを超えると、該透明導電層形成用塗布液中で導電性酸化物微粒子が沈降し易くなるため、取扱いが容易でなくなると同時に、透明導電層において高透過率と低抵抗値を同時に達成することが困難になる。尚、上記導電性酸化物微粒子の平均粒径は、透過電子顕微鏡(TEM)で観察された値を示している。
透明導電層形成用塗布液のバインダー成分は、導電性酸化物微粒子同士を結合させ膜の導電性と強度を高める働きや、下地との密着力を高める働きがある。また、フレキシブル機能性素子の製造工程において、各種機能性膜を積層印刷等で形成する場合に用いる各種印刷ペーストに含まれる有機溶剤によって透明導電層が劣化する恐れのある場合には、その劣化防止のため、透明導電層に耐溶剤性を付与する働きも有している。
ここで、透明導電層を劣化させやすい有機溶剤とは、透明導電層の有機バインダーである各種樹脂を膨潤又は溶解しやすい溶剤であって、例えば、ケトン系、エステル系、アルキルアミド系溶剤や、トルエン、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。逆に、透明導電層を劣化させにくい有機溶剤は、透明導電層の有機バインダーの種類にもよるが、水系、アルコール系、グリコール系溶剤等である。バインダーとしては、有機バインダー、無機バインダー、有機−無機ハイブリッドバインダーを用いることが可能であり、上記役割を満たすように、透明導電層形成用塗布液が塗布される下地の条件等をも考慮して、適宜選定することができる。
上記有機バインダーとしては、アクリル樹脂やポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂も適用できなくはないが、一般的には上述した透明導電層の劣化防止等の理由から耐溶剤性を有することが好ましく、そのために架橋可能な樹脂であることが必要であり、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等から選定することが望ましい。例えば、熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、フッ素樹脂など、常温硬化性樹脂としては2液性のエポキシ樹脂やウレタン樹脂など、紫外線硬化性樹脂としては各種オリゴマー、モノマー、光開始剤を含有する樹脂など、電子線硬化性樹脂としては各種オリゴマー、モノマーを含有する樹脂などを挙げることができるが、これら樹脂に限定されるものではない。
尚、第2透明導電層と第1透明導電層(スパッタITO層等の導電性酸化物層)が互いに強く密着するためには、第2透明導電層の上記有機バインダーが第1透明導電層を構成する導電性酸化物層と密着することが望ましく、そのためには、上記有機バインダーは水酸基(−OH)を有していることが好ましい。水酸基を含む有機バインダーは、その水酸基部分が第1透明導電層の導電性酸化物層の表面と強く結合(水素結合等)して、第1透明導電層と第2透明導電層との密着力を高める作用を有するからである。
上記水酸基(−OH)を含む有機バインダーとしては、上述の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等において、元々水酸基(−OH)を含まない樹脂に水酸基(−OH)を導入した各種水酸基変性樹脂、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、フェノキシ樹脂、ビスフェノールA型(DGEBA[ビスフェノールAジグリシジルエーテル]型)エポキシ樹脂等を挙げることができるが、これら樹脂に限定されるものではない。
また、上記水酸基(−OH)を含む樹脂以外であっても、第1透明導電層(スパッタITO層等の導電性酸化物層)と強く密着し、且つある程度の強度(硬度、強靭性)を有するものであれば、有機バインダーとして用いることが可能である。
また、上記無機バインダーとしては、シリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル、チタニアゾル等を主成分とするバインダーを挙げることができる。例えば、上記シリカゾルとしては、テトラアルキルシリケートに水や酸触媒を加えて加水分解し、脱水縮重合を進ませた重合物、あるいは既に4〜5量体まで重合を進ませた市販のアルキルシリケート溶液を、更に加水分解と脱水縮重合を進行させた重合物等を利用することができる。
ただし、脱水縮重合が進行し過ぎると、溶液粘度が上昇して最終的に固化してしまうので、脱水縮重合の度合いについては、透明基板上に塗布可能な上限粘度以下に調整する。脱水縮重合の度合いは上限粘度以下のレベルであれば特に限定されないが、膜強度、耐候性等を考慮すると、重量平均分子量で500〜50000程度が好ましい。上記アルキルシリケート加水分解重合物(シリカゾル)は、透明導電層形成用塗布液の塗布・乾燥後の加熱時において脱水縮重合反応(架橋反応)がほぼ完結し、硬いシリケートバインダーマトリックス(酸化ケイ素を主成分とするバインダーマトリックス)になる。上記脱水縮重合反応は膜の乾燥直後から始まり、時間が経過すると導電性酸化物微粒子同士が動けなくなる程強固に固めてしまうため、無機バインダーを用いた場合には、後述する圧縮処理は、透明導電層形成用塗布液の塗布・乾燥後、可能な限り速やかに行う必要がある。
上記無機バインダーは水酸基(−OH)を有しているため、基本的に、第1透明導電層の導電性酸化物層とは強く密着しやすい。ただし、無機バインダーを単独で用いた場合は、膜の硬化時の無機バインダーの硬化収縮力が大きく、膜の内部応力が高くなって、逆に密着性を阻害する恐れがあることや、無機バインダーマトリックス単体のフレキシビリティがそれ程高くないことから、以下に述べるように有機バインダーと組合わせた有機−無機ハイブリッドバインダーとして用いる方が好ましい。
有機−無機ハイブリッドバインダーとしては、例えば、前述のシリカゾルを一部有機官能基で修飾したバインダーや、シランカップリング剤等の各種カップリング剤を主成分とするバインダーが挙げられる。有機−無機ハイブリッドバインダーは、無機バインダーに有機成分が導入され柔軟性が付与されて、膜の内部応力を緩和できるため、無機バインダー単独で用いた場合の上記密着性阻害の問題を生じにくい特徴がある。また、無機バインダーや有機−無機ハイブリッドバインダーを用いた第2透明導電層は、必然的に優れた耐溶剤性を有しているが、下地となるベースフィルム又は第1透明導電層との密着力や、第2透明導電層の柔軟性等が悪化しないように、適宜選定する必要がある。
本発明で用いられる透明導電層形成用塗布液中の、導電性酸化物微粒子とバインダー成分の割合は、透明導電層形成用塗布液の種類や塗布による透明導電層の形成方法にもよるが、仮に導電性酸化物微粒子とバインダー成分の比重をそれぞれ7.2程度(ITOの比重)と1.2程度(通常の有機樹脂バインダーの比重)と仮定した場合、重量比で、導電性酸化物微粒子:バインダー成分は75:25〜97:3が好ましく、より好ましくは80:20〜95:5であり、更に好ましくは85:15〜93:7である。その理由は、75:25よりバインダー成分が多いと第2透明導電層の抵抗値が高くなりすぎ、逆に97:3よりバインダー成分が少ないと第2透明導電層の強度が低下すると同時に、下地となるベースフィルム又は第1透明導電層との十分な密着力が得られなくなるからである。
上記の透明導電層形成用塗布液は、以下の方法で調製される。まず、導電性酸化物微粒子を溶剤、及び必要に応じて分散剤、と混合した後、分散処理を行い導電性酸化物微粒子分散液を得る。分散剤としては、シランカップリング剤等の各種カップリング剤、各種高分子分散剤、アニオン系・ノニオン系・カチオン系等の各種界面活性剤が挙げられる。これら分散剤は、用いる導電性酸化物微粒子の種類や分散処理方法に応じて適宜選定することができる。また、分散剤を全く用いなくても、適用する導電性酸化物微粒子と溶剤の組合せや、分散方法の如何によっては、良好な分散状態を得ることができる場合がある。分散剤の使用は膜の抵抗値や耐候性を悪化させる可能性があるので、分散剤を用いない透明導電層形成用塗布液が最も好ましい。分散処理としては、超音波処理、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ビーズミル等の汎用の方法を適用することができる。
得られた導電性酸化物微粒子分散液にバインダー成分を添加し、更に導電性酸化物微粒子濃度、溶剤組成等の成分調整を行うことにより、透明導電層形成用塗布液が得られる。ここでは、バインダー成分を導電性酸化物微粒子の分散液に加えたが、前述の導電性酸化物微粒子の分散工程前に予め加えてもよく、特に制約はない。導電性酸化物微粒子濃度は、用いる塗布方法に応じて、適宜設定すればよい。
透明導電層形成用塗布液に用いる溶媒としては、特に制限はなく、塗布方法、成膜条件、下地がベースフィルムとなる場合はその材質等により適宜選定することができる。例えば、水、メタノール(MA)、エタノール(EA)、1−プロパノール(NPA)、イソプロパノール(IPA)、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール(DAA)等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等のエステル系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル(MCS)、エチレングリコールモノエチルエーテル(ECS)、エチレングリコールイソプロピルエーテル(IPC)、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル(PGM)、プロピレングリコールエチルエーテル(PE)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGM−AC)、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート(PE−AC)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール誘導体、トルエン、キシレン、メシチレン、ドデシルベンゼン等のベンゼン誘導体、ホルムアミド(FA)、N−メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、ミネラルスピリッツ、ターピネオール等、及びこれらのいくつかの混合液が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、第2透明導電層の形成において、透明導電層形成用塗布液を塗布・乾燥して得られる塗布層に対して必要に応じて施される圧縮処理について説明する。上記した塗布層はベースフィルムごと(若しくは第1透明導電層及びベースフィルムごと)圧縮処理を行い、次いで圧縮処理された塗布層のバインダー成分を硬化させる。圧縮処理を行うと第2透明導電層中の導電性微粒子の充填密度が上昇するため、光の散乱を低下させて第2透明導電層の光学特性を向上させるだけでなく、導電性や膜強度を大幅に高めることができる。尚、第2透明導電層に圧縮処理を施すか否かについては、用いる透明導電層形成用塗布液の種類、透明導電層への要求特性、フレキシブル透明導電フィルムを適用するフレキシブル機能性素子の種類やその使用環境、フレキシブル透明導電フィルムの製造コスト(圧縮処理の適用による製造コスト上昇)等を考慮して、適宜判断すればよい。
圧縮処理としては、例えば、透明導電層形成用塗布液が塗布・乾燥されているベースフィルムを、ハードクロムメッキされた金属ロール等により圧延すればよい。この場合のロールの圧延圧力は、線圧で29.4〜490N/mm(30〜500kgf/cm)が好ましく、98〜294N/mm(100〜300kgf/cm)がより好ましい。線圧が29.4N/mm(30kgf/cm)未満では、圧延処理による透明導電層の抵抗値改善の効果が不十分である。一方、線圧が490N/mm(500kgf/cm)を超えると、圧延設備が大型化すると同時に、ベースフィルムや支持フィルムが歪んでしまったり、第1透明導電層の上に塗布液が塗布されているときは、その第1透明導電層にクラックが生じたりする場合がある。また、上記金属ロールの圧延処理における単位面積当りの圧延圧力(N/mm)は、線圧をニップ幅(金属ロールと透明導電フィルムの接触部分において金属ロールで透明導電フィルムがつぶされる領域の幅)で割った値である。ニップ幅は、金属ロールの径と線圧にもよるが、150mm程度のロール直径であれば、0.7〜2mm程度である。
厚さ3〜50μmの薄いベースフィルムを用いる場合には、支持フィルムを裏打ちした後上記圧延処理を施すことによって、ベースフィルムの歪みやしわの発生を効果的に防止できる。更に、ハードクロムメッキされた金属ロールによる圧延処理では、その金属ロール表面の凹凸が極めて小さい鏡面ロールを用いることで、上記圧延処理後に得られる透明導電層の表面を極めて平滑にすることができる。これは、透明導電層形成用塗布液を塗布して得られる塗布層に凸部分があった場合でも、その凸部分を上記金属ロールによる圧延処理で物理的に平らにできるからである。透明導電層の表面の平滑性がよいと、後述する各種フレキシブル機能性素子において、電極間のショートや素子の欠陥の発生を防止する効果があり、非常に好ましい。
以上の方法により、本発明におけるフレキシブル透明導電フィルムが完成する。次に、本発明のフレキシブル透明導電フィルムが適用可能なフレキシブル機能性素子について説明する。このようなフレキシブル機能性素子としては、液晶表示素子、有機EL素子、分散型EL素子、電子ペーパー素子、太陽電池、タッチパネル等を挙げることができる。
液晶表示素子は、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)等のディスプレイに広く用いられている非発光型の電子表示素子であり、単純マトリクス方式(パッシブマトリックス方式)とアクティブマトリクス方式があり、画質や応答スピードの点でアクティブマトリクス方式が優れている。その基本構造は、液晶を透明電極で挟み込み電圧駆動で液晶分子を配向させて表示を行うものであるが、実際の素子は、上記透明電極に加え、更にカラーフィルター、位相差フィルム、偏光フィルム等を積層して用いられている。
また、別のタイプの液晶表示素子には、窓等の光シャッターやディスプレイ等に用いられている高分子分散型液晶素子(以下PDLC素子と略称する)やポリマーネットワーク液晶素子(以下PNLC素子と略称する)も含まれる。いずれもその基本構造は、上述のように、液晶層を電極(少なくとも一方は透明電極であり、そこに本発明の透明導電層が使用される)で挟み込み、電圧駆動で液晶分子を配向させて、液晶層の透明/不透明の外観変化を生じさせる構造体であるが、上記液晶表示素子と異なり、実際の素子において、位相差フィルム、偏光フィルムを必要とせず、素子の構造を単純にできるという特徴がある。
ここで、PDLC素子は、高分子樹脂マトリックス中にマイクロカプセル化した液晶が分散した構造で、PNLC素子は、樹脂の網目状ネットワークの網目の部分に液晶が充填した構造であり、一般にPDLC素子は液晶層の樹脂含有割合が高いため数十V以上(例えば、80V程度)の交流駆動電圧が必要なのに対し、液晶層の樹脂含有割合を低くできるPNLC素子は数〜15V程度の交流電圧で駆動できる特徴がある。
有機EL素子は、液晶表示素子と違って自発光素子であり、低電圧駆動で高輝度が得られるためディスプレイ等の表示装置として期待されている。その構造は、アノード電極層としての透明導電層上に、ポリチオフェン誘導体等の導電性高分子からなる正孔注入層(ホール注入層)、有機発光層(蒸着形成される低分子発光層や塗布形成される高分子発光層)、カソード電極層(発光層への電子注入性のよい、仕事関数の低いマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)等の金属層)、ガスバリアコーティング層(あるいは金属やガラスでの封止処理)を順次形成したものである。上記ガスバリアコーティング層は、有機EL素子の劣化を防止するために必要とされ、酸素及び水蒸気に対するバリア性能が求められるが、例えば水蒸気に対しては、水蒸気透過率で10−5g/m/day程度以下の非常に高いバリア性能が要求される。
分散型EL素子は、蛍光体粒子を含む層に強い交流電界を印加して発光させる自発光素子であり、従来から、携帯電話、リモートコントローラー等の液晶ディスプレイのバックライト等に用いられてきた。また、近年の新しい用途として、例えば、携帯電話、リモートコントローラー、PDA、ラップトップPC等の携帯情報端末等の各種デバイスのキイ入力部品(キイパッド)の光源として組み込まれている。上記キイパッドに適用する場合には、素子をできるだけ薄く、フレキシブルにして、打鍵耐久性やキイ操作の良好なクリック感の確保が求められている。その基本構造は、透明電極としての透明導電層上に、少なくとも蛍光体層、誘電体層、背面電極層がスクリーン印刷等により順次形成されており、実際のデバイスでは、銀等の集電電極や、絶縁保護層等が更に形成されているのが、一般的である。
電子ペーパー素子は、自らは発光しない非発光型の電子表示素子であり、電源を切っても表示がそのまま残るメモリ効果を備えており、文字表示のためのディスプレイとして期待されている。その表示方式には、電気泳動法により着色粒子を電極間の液体中で移動させる電気泳動方式や、二色性を有する粒子を電場で回転させることにより着色させるツイストボール方式、例えばコレステリック液晶を透明電極で挟み込んで表示を行う液晶方式、着色粒子(トナー)や電子粉流体(Quick Response Liquid Powder)を空気中で移動させて表示を行う粉体系方式、電気化学的な酸化・還元作用に基づき発色を行うエレクトロクロミック方式、電気化学的な酸化・還元により金属を析出・溶解させ、これに伴う色の変化で表示を行うエレクトロデポジション方式等を挙げることができる。尚、各種方式の電子ペーパー素子において、その表示安定性を確保するためには、表示層への水蒸気の混入を防止する必要があり、方式にもよるが、例えば、水蒸気透過率は0.01〜0.1g/m/dayが要求される。
太陽電池は、太陽光線を電気エネルギーに変換する発電素子であり、シリコン太陽電池、CIS太陽電池(銅−インジウム−セレン薄膜)、CIGS太陽電池(銅−インジウム−ガリウム−セレン薄膜)、色素増感型太陽電池、有機薄膜太陽電池等があり、例えば、アモルファスシリコン太陽電池であれば、透明基材上に透明電極、半導体発電層(アモルファスシリコン)、金属電極を順次形成したものである。
タッチパネルは、位置入力素子であり、抵抗方式や静電容量方式等がある。例えば、抵抗方式タッチパネルでは、座標を検出するための座標検出用抵抗膜としての2枚の透明導電フィルムがドット状の透明スペーサーを介して貼り合わされている構造を有している。透明導電フィルムには打点耐久性が必要とされ、透明導電層はクラックが生じないようなフレキシビリティが求められる。
上記いずれのフレキシブル機能性素子においても、素子の薄型化、軽量化、及びフレキシビリティ(可撓性)付与がますます重要な課題となっている。これらの課題は、上記の本発明のフレキシブル透明導電フィルムを適用することによって、即ち、本発明のフレキシブル透明導電フィルムの透明導電層上に、液晶表示素子、有機EL素子、分散型EL素子、電子ペーパー素子、太陽電池、タッチパネル等のフレキシブル機能性素子を形成することによって達成することができる。
尚、上記フレキシブル機能性素子においてディスプレイ機能を有する液晶素子、有機EL素子、電子ペーパー素子では、その表示方式は前述の単純マトリクス方式(パッシブマトリックス方式)とアクティブマトリクス方式のいずれであってもよい。例えば、単純マトリクス方式では、ラインパターン電極を有する2枚の電極付フィルムを、それらのラインパターン電極が互いに直交し、且つ電極面が対向するようにして機能性層(表示層)を挟み込めばよく、本発明のフレキシブル透明導電フィルムの適用では、第1及び第2透明導電層をライン状にパターニングしたものを上記2枚の電極付フィルムの少なくとも一方に用いればよい。
一方、アクティブマトリクス方式では、全面に透明導電層(コモン電極)が形成された透明導電フィルムと、走査配線及び信号配線に接続したTFT(薄膜トランジスタ)と画素電極とが表示画素ごとに形成された背面フィルム(バックプレーン)とを、それらの電極面が対向するようにして機能性層(表示層)を挟み込めばよく、本発明のフレキシブル透明導電フィルムの適用では、そのままコモン電極側のフィルムとして用いたり、第1及び第2透明導電層を画素電極形状にパターニングして背面フィルムとして用いたりすることができる。尚、上記TFTには、シリコンTFTに比べてフレキシビリティに優れる有機TFTを用いることが好ましい。有機TFTは、プラスチックフィルム上に塗布(印刷)形成できる点で、コスト的にもシリコンTFTより優れている。
このように、本発明に係る液晶表示素子、有機EL素子、分散型EL素子、電子ペーパー素子、太陽電池、タッチパネル等の各種フレキシブル機能性素子は、スパッタリングITOフィルムと同等の透明性と導電性を有すると同時に、フレキシビリティにも優れているフレキシブル透明導電フィルムを透明電極材料として用いているため、素子の軽量化、薄型化が可能で、取扱いも容易なため、例えば、カード(ICカード、クレジットカード、プリペイドカード等)等の薄型デバイスや携帯用のデバイス(携帯電話、電子ブック、PDA等)を含め種々のデバイスに適用することができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例中の「%」は、特に記載のない限り「質量%」を示し、また「部」は「重量部」を示している。なお、以降の説明において、実施例1、実施例2及び実施例3はそれぞれ参考例1、参考例2及び参考例3と読み替えるものとする。
[実施例1]
平均粒径0.03μmの粒状のITO微粒子(商品名:SUFP−HX、住友金属鉱山製)36gを、溶剤としてのメチルイソブチルケトン(MIBK)24g及びシクロヘキサノン36gと混合し、分散処理を行った。その後、水酸基を含有するウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂バインダー3.8g、光開始剤(ダロキュアー1173)0.2g、微量のシランカップリング剤を加えて良く攪拌して、平均分散粒径125nmのITO微粒子が分散した透明導電層形成用塗布液(A液)を得た。尚、導電性酸化物微粒子(ITO微粒子):バインダー成分(樹脂バインダー+光重合開始剤)の重量比は90:10であった。
ベースフィルムとしての低熱収縮タイプPETフィルム(厚さ:約100μm、透過率=89.8%、ヘイズ値=1.9%)にコロナ放電処理を施した後、その処理面上に、スパッタリング法でアモルファスITO膜(第1透明導電層、膜厚:約0.02μm)を形成した。次に、このスパッタリングITO膜(第1透明導電層、表面抵抗値=300Ω/□、透過率=96.5%、ヘイズ値=0.8%)上に、上記透明導電層形成用塗布液(A液)をワイヤーバーコーティング(線径:0.10mm)し、60℃で1分間乾燥した。
その後、直径100mmのハードクロムめっきした金属ロールによる圧延処理(線圧:200kgf/cm=196N/mm、ニップ幅:0.9mm)を行い、更に高圧水銀ランプによりバインダー成分の硬化(窒素中、100mW/cm×2秒間)を行って、スパッタリングITO膜上に緻密に充填されたITO微粒子とバインダーマトリックスで構成される第2透明導電層(膜厚:約0.5μm)を形成し、ベースフィルム/気相蒸着法により形成された第1透明導電層/塗布法により形成された第2透明導電層からなる実施例1に係るフレキシブル透明導電フィルムを得た。
このフレキシブル透明導電フィルムの加熱時の寸法変化率(収縮率)は、約0.3%であった。ここで、寸法変化率(収縮率)とは、上記実施例1に係るフレキシブル透明導電フィルムを加熱処理(150℃×30分)して求めたフィルムの縦方向(MD)と横方向(TD)の寸法変化率(収縮率)の内、値の大きい縦方向(MD)の寸法変化率(収縮率)を示す。
上記積層された透明導電層(気相蒸着法により形成された第1透明導電層及び塗布法により形成された第2透明導電層)の膜特性は、可視光透過率が92.5%、ヘイズ値が2.4%、表面抵抗値が250Ω/□であった。尚、表面抵抗値は、バインダー硬化時の紫外線照射の影響を受けて、硬化直後は一時的に低下する傾向があるため、透明導電層形成の1日後に測定した。また、上述の透明導電層の可視光透過率及びヘイズ値は、透明導電層だけの値であり、それぞれ下記計算式1及び2により求められる。
[計算式1]
透明導電層の可視光透過率(%)=[(透明導電層とベースフィルムとを併せて測定した全体の透過率)/ベースフィルムのみの透過率]×100
[計算式2]
透明導電層のヘイズ値(%)=(透明導電層とベースフィルムとを併せて測定した全体のヘイズ値)−(ベースフィルムのみのヘイズ値)
また、透明導電層の表面抵抗は、三菱化学(株)製の表面抵抗計ロレスタAP(MCP−T400)を用いて測定した。ヘイズ値と可視光透過率は、日本電色製のヘイズメーター(NDH5000)を用い、JIS K7136(ヘイズ値)、JIS K7361−1(透過率)に基づいて測定した。
更に、ベースフィルム/第1透明導電層/第2透明導電層からなるフレキシブル透明導電フィルムにおける第1透明導電層と第2透明導電層の密着力を、JIS K5600−5−6に準じたテープ剥離試験(クロスカット試験)で評価したところ、25/25(剥離しなかった個数/全体の個数[5×5=25個])と良好であった。尚、上記テープ剥離試験(クロスカット試験)において、ベースフィルムと第1透明導電層も強く密着しており、第1透明導電層と第2透明導電層の界面と同様に全く剥離を生じていなかった。
次に、上記フレキシブル透明導電フィルムとして形成されている第1透明導電層及び第2透明導電層からなる2層膜上に、白色微粒子と黒色微粒子とを含むマイクロカプセルからなる電気泳動方式の表示層(厚さ:40μm)を形成し、更にその表示層にカーボン導電ペーストを塗布したPETフィルム(厚さ:25μm)を、そのカーボン導電層面が表示層に対向するようにして貼り合せた。
上記表示層を介して貼り合わされた第1透明導電層及び第2透明導電層からなる2層膜の一端とカーボン導電層の一端とに電圧印加用Agリード線を銀導電ペーストを用いて形成して、ベースフィルム(厚さ:約100μm)/第1透明導電層(厚さ:約0.02μm)/第2透明導電層(厚さ:約0.5μm)/表示層(厚さ:40μm)/カーボン導電層(厚さ:約10μm)/PETフィルム(厚さ:25μm)からなる実施例1に係るフレキシブル機能性素子(電子ペーパー)(厚さ:約176μm)を得た。
尚、電極間ショート、感電等を防止するために、必要に応じて、第2透明導電層やカーボン導電層や電圧印加用Agリード線上に、絶縁保護コーティングとして絶縁ペーストを用いて絶縁層を形成したが、本発明の本質に係る部分ではないので、詳細は省略する。また、信頼性を確保するために、フレキシブル機能性素子のフレキシブル透明導電フィルム面に、ガスバリアフィルム(凸版印刷製GX−P−Fフィルム、以下、「GXフィルム」と略称する)(厚さ:約13μm)を貼り合せ、逆の面にも防湿ラミネート処理を施した。
尚、上記GXフィルムのフィルム構成は、PETフィルム(厚さ12μm)/蒸着アルミナガスバリア層(厚さ:10〜数十nm)/シリケート・ポリビニルアルコールハイブリッドコーティング層であり、水蒸気透過率=0.05g/m/day(測定雰囲気:40℃×90%RH)、酸素透過率=約0.2cc/m/day/atm(測定雰囲気:30℃×70%RH)、透過率=88.5%、ヘイズ値=2.3%である。上記フレキシブル機能性素子(電子ペーパー)の電圧印加用リード線間に10Vの直流電圧を印加し、極性の反転を繰り返したところ、白黒の表示が繰り返された。
[実施例2]
実施例1と同様のITO微粒子40gを、溶剤としてのイソホロン40gと混合し、微量の分散剤を加えた後、ペイントシェーカーを用いて分散処理を行って、ITO微粒子分散液を得た。このITO微粒子分散液40gに、水酸基を含む架橋性のアクリルポリオール樹脂バインダー(架橋前の樹脂のガラス転移点(Tg):102℃、水酸基価29KOHmg/g)4.48gをイソホロン17.14gに溶解した樹脂溶液と、硬化剤としてのHDI系ブロックイソシアネート(旭化成(株)製のMF−K60X、固形分[硬化剤成分]約60%、最低硬化温度90℃、NCO:6.5wt%)0.88g、微量のシランカップリング剤とを加えて良く攪拌して、平均分散粒径120nmのITO微粒子が分散した透明導電層形成用塗布液(B液)を得た。尚、導電性酸化物微粒子(ITO微粒子):バインダー成分(樹脂バインダー+硬化剤)の重量比は80:20であり、NCO(イソシアネート基)/OH(水酸基)のモル比は0.59であった。
上記透明導電層形成用塗布液(B液)をワイヤーバーコーティング(線径:0.075mm)し、60℃で10分乾燥し、更に120℃で20分加熱してバインダー成分を熱硬化(架橋)させて、スパッタリングITO膜上にITO微粒子とバインダーマトリックスで構成される第2透明導電層(膜厚:約0.5μm)を形成した以外は実施例1と同様に行って、ベースフィルム/気相蒸着法により形成された第1透明導電層/塗布法により形成された第2透明導電層からなる実施例2に係るフレキシブル透明導電フィルムを得た。このフレキシブル透明導電フィルムの加熱時の寸法変化率(収縮率)は約0.2%であった。
上記積層された透明導電層(気相蒸着法により形成された第1透明導電層及び塗布法により形成された第2透明導電層)の膜特性は、可視光透過率が95.5%、ヘイズ値が2.8%、表面抵抗値が約300Ω/□であった。尚、上記透明導電層の可視光透過率及びヘイズ値は、透明導電層だけの値であり、それぞれ前述の計算式1及び2により求められている。表面抵抗値は、バインダー成分の加熱処理(熱硬化)の影響を避けるため、透明導電層形成1時間後に測定した。
また、ベースフィルム/第1透明導電層/第2透明導電層からなるフレキシブル透明導電フィルムにおける第1透明導電層と第2透明導電層の密着力を、JIS K5600−5−6に準じたテープ剥離試験(クロスカット試験)で評価したところ、25/25(剥離しなかった個数/全体の個数[5×5=25個])と良好であった。尚、上記テープ剥離試験(クロスカット試験)において、ベースフィルムと第1透明導電層も強く密着しており、第1透明導電層と第2透明導電層の界面と同様に全く剥離を生じていなかった。
次に、上記フレキシブル透明導電フィルムを用いて、実施例1と同様に、ベースフィルム(厚さ:約100μm)/第1透明導電層(厚さ:約0.02μm)/第2透明導電層(厚さ:約0.5μm)/表示層(厚さ:40μm)/カーボン導電層(厚さ:約10μm)/PETフィルム(厚さ:25μm)からなる実施例2に係るフレキシブル機能性素子(電子ペーパー)(厚さ:約176μm)を得た。
信頼性を確保するために、フレキシブル機能性素子のフレキシブル透明導電フィルム面に、ガスバリアフィルム(凸版印刷製、GXフィルム(厚さ:約13μm))を貼り合せ、逆の面にも防湿ラミネート処理を施した。上記フレキシブル機能性素子(電子ペーパー)の電圧印加用リード線間に10Vの直流電圧を印加し、極性の反転を繰り返したところ、白黒の表示が繰り返された。
[実施例3]
実施例1のITO微粒子の代わりに平均粒径0.04μmの粒状のITO微粒子(商品名:FS−21、同和鉱業製)を用いて、イソホロンと微量の分散剤を加えて分散処理を行ってITO微粒子分散液を得た以外は実施例2と同様に行い、平均分散粒径135nmのITO微粒子が分散した透明導電層形成用塗布液(C液)を得た。尚、導電性酸化物微粒子(ITO微粒子):バインダー成分(樹脂バインダー+硬化剤)の重量比は80:20であり、NCO(イソシアネート基)/OH(水酸基)のモル比は0.59であった。
上記透明導電層形成用塗布液(C液)をB液の代わりに用いた以外は実施例2と同様に行って、ベースフィルム/気相蒸着法により形成された第1透明導電層/塗布法により形成された第2透明導電層からなる実施例3に係るフレキシブル透明導電フィルムを得た。このフレキシブル透明導電フィルムの加熱時の寸法変化率(収縮率)は約0.2%であった。
上記積層された透明導電層(気相蒸着法により形成された第1透明導電層及び塗布法により形成された第2透明導電層)の膜特性は、可視光透過率が95.6%、ヘイズ値が3.0%、表面抵抗値が約300Ω/□であった。尚、上記透明導電層の可視光透過率及びヘイズ値は、透明導電層だけの値であり、それぞれ前述の計算式1及び2により求められている。表面抵抗値は、バインダー成分の加熱処理(熱硬化)の影響を避けるため、透明導電層形成1時間後に測定した。
また、ベースフィルム/第1透明導電層/第2透明導電層からなるフレキシブル透明導電フィルムにおける第1透明導電層と第2透明導電層の密着力を、JIS K5600−5−6に準じたテープ剥離試験(クロスカット試験)で評価したところ、25/25(剥離しなかった個数/全体の個数[5×5=25個])と良好であった。尚、上記テープ剥離試験(クロスカット試験)において、ベースフィルムと第1透明導電層も強く密着しており、第1透明導電層と第2透明導電層の界面と同様に全く剥離を生じていなかった。
次に、上記フレキシブル透明導電フィルムを用いて、実施例1と同様に、ベースフィルム(厚さ:約100μm)/第1透明導電層(厚さ:約0.02μm)/第2透明導電層(厚さ:約0.5μm)/表示層(厚さ:40μm)/カーボン導電層(厚さ:約10μm)/PETフィルム(厚さ:25μm)からなる実施例3に係るフレキシブル機能性素子(電子ペーパー)(厚さ:約176μm)を得た。
信頼性を確保するために、フレキシブル機能性素子のフレキシブル透明導電フィルム面に、ガスバリアフィルム(凸版印刷製、GXフィルム(厚さ:約13μm))を貼り合せ、逆の面にも防湿ラミネート処理を施した。上記フレキシブル機能性素子(電子ペーパー)の電圧印加用リード線間に10Vの直流電圧を印加し、極性の反転を繰り返したところ、白黒の表示が繰り返された。
[実施例4]
実施例1と同様のITO微粒子40gを、溶剤としてのイソホロン40gと混合し、微量の分散剤を加えた後、ペイントシェーカーを用いて分散処理を行って、ITO微粒子分散液を得た。このITO微粒子分散液40gに、水酸基を含む架橋性のウレタン変性ポリエステル樹脂バインダー(架橋前の樹脂のガラス転移点(Tg):約80℃)4.76gをイソホロン17.34gに溶解した樹脂溶液と、硬化剤としてのHDI系ブロックイソシアネート(旭化成(株)製のMF−K60X、固形分[硬化剤成分]約60%、最低硬化温度90℃、NCO:6.5wt%)0.4g、微量のシランカップリング剤とを加えて良く攪拌して、平均分散粒径120nmのITO微粒子が分散した透明導電層形成用塗布液(D液)を得た。尚、導電性酸化物微粒子(ITO微粒子):バインダー成分(樹脂バインダー+硬化剤)の重量比は80:20であり、NCO(イソシアネート基)/OH(水酸基)のモル比は0.5であった。
まず、フレキシブル透明導電フィルムの製造に先立って、耐熱性シリコーン微粘着層を介して支持フィルム(PET:厚さ100μm)が裏打ちされたベースフィルム(PET:厚さ16μm)の加熱収縮処理(150℃×5分、テンションフリー)を行った。上記支持フィルムが裏打ちされたベースフィルムにコロナ放電処理を施した後、その処理面上に、スパッタリング法でアモルファスITO膜(第1透明導電層、膜厚:約0.02μm)を形成した。
次に、このスパッタリングITO膜(第1透明導電層、表面抵抗値=300Ω/□、透過率=96.4%、ヘイズ値=0.8%)上に、上記透明導電層形成用塗布液(D液)をワイヤーバーコーティング(線径:0.05mm)し、60℃で10分乾燥し、更に120℃で20分加熱してバインダー成分を熱硬化(架橋)させて、スパッタリングITO膜上にITO微粒子とバインダーマトリックスで構成される第2透明導電層(膜厚:約0.3μm)を形成して、支持フィルム(裏打ちフィルム)/ベースフィルム/気相蒸着法により形成された第1透明導電層/塗布法により形成された第2透明導電層からなる実施例4に係るフレキシブル透明導電フィルムを得た。
上記フレキシブル透明導電フィルムの支持フィルム(裏打ちフィルム)/ベースフィルム間の剥離強度は、約4g/cmであった。ここで、上記剥離強度は、180°剥離強度(ベースフィルムを300mm/minの引張り速度で180°の方向に剥離)である。このフレキシブル透明導電フィルムの加熱時の寸法変化率(収縮率)は約0.05%であった。
上記積層された透明導電層(気相蒸着法により形成された第1透明導電層及び塗布法により形成された第2透明導電層)の膜特性は、可視光透過率が95.9%、ヘイズ値が2.2%、表面抵抗値が約300Ω/□であった。尚、表面抵抗値は、バインダー成分の加熱処理(熱硬化)の影響を避けるため、透明導電層形成1時間後に測定した。また、上述の透明導電層の可視光透過率及びヘイズ値は、透明導電層だけの値であり、それぞれ下記計算式3及び4により求められる。
[計算式3]
透明導電層の可視光透過率(%)=[(透明導電層と支持フィルムで裏打ちされたベースフィルムとを併せて測定した全体の透過率)/支持フィルムで裏打ちされたベースフィルムのみの透過率]×100
[計算式4]
透明導電層のヘイズ値(%)=(透明導電層と支持フィルムで裏打ちされたベースフィルムとを併せて測定した全体のヘイズ値)−(支持フィルムで裏打ちされたベースフィルムのみのヘイズ値)
また、支持フィルム(裏打ちフィルム)/ベースフィルム/第1透明導電層/第2透明導電層からなるフレキシブル透明導電フィルムにおける第1透明導電層と第2透明導電層の密着力を、JIS K5600−5−6に準じたテープ剥離試験(クロスカット試験)で評価したところ、25/25(剥離しなかった個数/全体の個数[5×5=25個])と良好であった。尚、上記テープ剥離試験(クロスカット試験)において、ベースフィルムと第1透明導電層も強く密着しており、第1透明導電層と第2透明導電層の界面と同様に全く剥離を生じていなかった。
ところで、上記テープ剥離試験(クロスカット試験)では、ベースフィルムの厚さが16μmと薄いため、そのままクロスカットすると透明導電層と一緒にベースフィルムまでも切断されてしまうため、透明導電層が形成されたベースフィルムを一旦支持フィルム(裏打ちフィルム)から剥離し、厚さ100μmのPETフィルムにエポキシ系接着剤で貼り合せてから、評価を行っている。
次に、上記フレキシブル透明導電フィルムを用いて、実施例1と同様にフレキシブル機能性素子の製造を行い、最後に支持フィルム(裏打ちフィルム)を剥離して、ベースフィルム(厚さ:16μm)/第1透明導電層(厚さ:約0.02μm)/第2透明導電層(厚さ:約0.3μm)/表示層(厚さ:40μm)/カーボン導電層(厚さ:約10μm)/PETフィルム(厚さ:25μm)からなる実施例4に係るフレキシブル機能性素子(電子ペーパー)(厚さ:約91μm)を得た。
信頼性を確保するために、フレキシブル機能性素子のフレキシブル透明導電フィルム面に、ガスバリアフィルム(凸版印刷製、GXフィルム(厚さ:約13μm))を貼り合せ、逆の面にも防湿ラミネート処理を施した。
上記フレキシブル機能性素子の作製工程において、微粘着層を有する支持フィルム(裏打ちフィルム)は微粘着層とベースフィルムの界面で簡単に剥離できた。支持フィルム/ベースフィルム間の剥離強度は、約4g/cmであった。上記フレキシブル機能性素子(電子ペーパー)の電圧印加用リード線間に10Vの直流電圧を印加し、極性の反転を繰り返したところ、白黒の表示が繰り返された。
[実施例5]
平均粒径0.03μmの粒状のITO微粒子(商品名:SUFP−HX、住友金属鉱山製)34gを、溶剤としてのメチルイソブチルケトン(MIBK)24g及びシクロヘキサノン36gと混合し、分散処理を行った。その後、水酸基を含有するウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂バインダー5.7g、光開始剤(イルガキュアー184)0.3g、微量のシランカップリング剤を加えて良く攪拌して、平均分散粒径120nmのITO微粒子が分散した透明導電層形成用塗布液(E液)を得た。尚、導電性酸化物微粒子(ITO微粒子):バインダー成分(樹脂バインダー+光重合開始剤)の重量比は85:15であった。
まず、耐熱性シリコーン微粘着層を介して支持フィルム(PET:厚さ75μm)で裏打ちされたベースフィルム(PET:厚さ6μm)にコロナ放電処理を施した後、その処理面上に、上記透明導電層形成用塗布液(E液)をワイヤーバーコーティング(線径:0.10mm)し、60℃で1分間乾燥した。その後、直径100mmのハードクロムめっきした金属ロールによる圧延処理(線圧:200kgf/cm=196N/mm、ニップ幅:0.9mm)を支持フィルムで裏打ちされたベースフィルムごと行い、更に高圧水銀ランプによりバインダー成分の硬化(窒素中、100mW/cm×2秒間)を行って、緻密に充填されたITO微粒子とバインダーマトリックスで構成される第2透明導電層(膜厚:約0.5μm)を形成した。
次に、この第2透明導電層(表面抵抗値=1000Ω/□、透過率=96.5%、ヘイズ値=1.9%)上に、スパッタリング法でITO膜(第1透明導電層、膜厚:約0.03μm)を形成し、更に支持フィルムで裏打ちされたベースフィルムごと加熱収縮処理(150℃×20分、テンションフリー)を行って、支持フィルム(裏打ちフィルム)/ベースフィルム/塗布法により形成された第2透明導電層/気相蒸着法により形成された第1透明導電層からなる実施例5に係るフレキシブル透明導電フィルムを得た。
尚、上記第2透明導電層の表面抵抗値は、バインダー硬化時の紫外線照射の影響を受けて、硬化直後は一時的に低下する傾向があるため、透明導電層形成の1日後に得られる測定値である。また、上記スパッタリングITO膜は、アモルファスITO膜ではなくてほぼ結晶ITO膜である。
上記フレキシブル透明導電フィルムの支持フィルム(裏打ちフィルム)/ベースフィルム間の剥離強度は、約5g/cmであった。このフレキシブル透明導電フィルムの加熱時の寸法変化率(収縮率)は約0.03%であった。
上記積層された透明導電層(塗布法により形成された第2透明導電層及び気相蒸着法により形成された第1透明導電層)の膜特性は、可視光透過率が91.5%、ヘイズ値が2.5%、表面抵抗値が約70Ω/□であった。尚、上記透明導電層の透過率及びヘイズ値は、透明導電層だけの値であり、それぞれ前述の計算式3及び4により求められている。
また、支持フィルム(裏打ちフィルム)/ベースフィルム/第2透明導電層/第1透明導電層からなるフレキシブル透明導電フィルムにおける第1透明導電層と第2透明導電層の密着力を、JIS K5600−5−6に準じたテープ剥離試験(クロスカット試験)で評価したところ、25/25(剥離しなかった個数/全体の個数[5×5=25個])と良好であった。尚、上記テープ剥離試験(クロスカット試験)において、ベースフィルムと第2透明導電層も強く密着しており、第1透明導電層と第2透明導電層の界面と同様に全く剥離を生じていなかった。
ところで、上記テープ剥離試験(クロスカット試験)では、ベースフィルムの厚さが6μmと薄いため、そのままクロスカットすると透明導電層と一緒にベースフィルムまでも切断されてしまうため、透明導電層が形成されたベースフィルムを一旦支持フィルム(裏打ちフィルム)から剥離し、厚さ100μmのPETフィルムにエポキシ系接着剤で貼り合せてから、評価を行っている。
次に、上記フレキシブル透明導電フィルムを用いて、実施例1と同様にフレキシブル機能性素子の製造を行い、最後に支持フィルム(裏打ちフィルム)を剥離して、ベースフィルム(厚さ:6μm)/第2透明導電層(厚さ:約0.5μm)/第1透明導電層(厚さ:約0.03μm)/表示層(厚さ:40μm)/カーボン導電層(厚さ:約10μm)/PETフィルム(厚さ:25μm)からなる実施例5に係るフレキシブル機能性素子(電子ペーパー)(厚さ:約82μm)を得た。
信頼性を確保するために、フレキシブル機能性素子のフレキシブル透明導電フィルム面に、ガスバリアフィルム(凸版印刷製、GXフィルム(厚さ:約13μm))を貼り合せ、逆の面にも防湿ラミネート処理を施した。
上記フレキシブル機能性素子の作製工程において、微粘着層を有する支持フィルム(裏打ちフィルム)は微粘着層とベースフィルムの界面で簡単に剥離できた。支持フィルム/ベースフィルム間の剥離強度は、約5g/cmであった。上記フレキシブル機能性素子(電子ペーパー)の電圧印加用リード線間に10Vの直流電圧を印加し、極性の反転を繰り返したところ、白黒の表示が繰り返された。
[比較例1]
ベースフィルムとして低熱収縮タイプPETフィルム(厚さ:約100μm;透過率=89.8%、ヘイズ値=1.9%)にコロナ放電処理を施した後、その処理面上に、実施例1と同じ透明導電層形成用塗布液(A液)をワイヤーバーコーティング(線径:0.10mm)し、60℃で1分間乾燥した後、直径100mmのハードクロムめっきした金属ロールによる圧延処理(線圧:200kgf/cm=196N/mm、ニップ幅:0.9mm)を行い、更に高圧水銀ランプによりバインダー成分の硬化(窒素中、100mW/cm×2秒間)を行って、透明コーティング層上に緻密に充填されたITO微粒子とバインダーマトリックスで構成される透明導電層(膜厚:約0.5μm)を形成し、ベースフィルム/塗布法により形成された第2透明導電層からなる比較例1に係るフレキシブル透明導電フィルムを得た。このフレキシブル透明導電フィルムの加熱時の寸法変化率(収縮率)は約0.3%であった。
この第2透明導電層の膜特性は、可視光透過率が95.5%、ヘイズ値が2.0%、表面抵抗値が1500Ω/□であった。尚、上記透明導電層の可視光透過率及びヘイズ値は、透明導電層だけの値であり、それぞれ前述の計算式1及び2により求められている。表面抵抗値は、バインダー硬化時の紫外線照射の影響を受けて、硬化直後は一時的に低下する傾向があるため、透明導電層形成の1日後に測定した。
また、ベースフィルム/第2透明導電層からなるフレキシブル透明導電フィルムにおけるベースフィルムと第2透明導電層の密着力を、JIS K5600−5−6に準じたテープ剥離試験(クロスカット試験)で評価したところ、25/25(剥離しなかった個数/全体の個数[5×5=25個])と良好であった。
上記透明導電層が形成されたフレキシブル透明導電フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、表示層を介して貼り合わされた透明導電層の一端とカーボン導電層の一端とに電圧印加用Agリード線を銀導電ペーストを用いて形成して、ベースフィルム(厚さ:約100μm)/透明導電層(厚さ:約0.5μm)/表示層(厚さ:40μm)/カーボン導電層(厚さ:約10μm)/PETフィルム(厚さ:25μm)からなる比較例1に係るフレキシブル機能性素子(電子ペーパー)(厚さ:約176μm)を得た。
信頼性を確保するために、フレキシブル機能性素子のフレキシブル透明導電フィルム面に、ガスバリアフィルム(凸版印刷製、GXフィルム(厚さ:約13μm))を貼り合せ、逆の面にも防湿ラミネート処理を施した。
このフレキシブル機能性素子(電子ペーパー)の電圧印加用リード線間に10Vの直流電圧を印加し、極性の反転を繰り返したところ、白黒の表示が繰り返された。ただし、表示層を介して貼り合わされた透明導電層の一端に電圧印加用Agリード線を銀導電ペーストを用いて形成するに際し、上記表示層をアセトンを浸した綿棒で50往復強く擦って除去し透明導電層面を露出させる作業を施したところ、透明導電層にはベースフィルムまで達する多くの擦り傷が見られ、中には導電性が完全に失われた領域も観察された。
[比較例2]
ベースフィルムとしての低熱収縮タイプPETフィルム(厚さ:約100μm;透過率=89.8%、ヘイズ値=1.9%)にコロナ放電処理を施した後、その処理面上に、スパッタリング法でアモルファスITO膜(第1透明導電層、膜厚:約0.02μm)を形成して、ベースフィルム/気相蒸着法により形成された第1透明導電層からなる比較例2に係るフレキシブル透明導電フィルムを得た。このフレキシブル透明導電フィルムの加熱時の寸法変化率(収縮率)は約0.3%であった。
この第1透明導電層の膜特性は、可視光透過率が96.5%、ヘイズ値が0.8%、表面抵抗値が300Ω/□であった。尚、上記透明導電層の透過率及びヘイズ値は、透明導電層だけの値であり、それぞれ前述の計算式1及び2により求められている。また、ベースフィルム/第1透明導電層からなるフレキシブル透明導電フィルムにおけるベースフィルムと第1透明導電層の密着力を、JIS K5600−5−6に準じたテープ剥離試験(クロスカット試験)で評価したところ、25/25(剥離しなかった個数/全体の個数[5×5=25個])と良好であった。
上記透明導電層が形成されたフレキシブル透明導電フィルムを用いた以外は実施例1と同様にして、表示層を介して貼り合わされたスパッタリングITO層(第1透明導電層)の一端とカーボン導電層の一端とに電圧印加用Agリード線を銀導電ペーストを用いて形成して、ベースフィルム(厚さ:約100μm)/スパッタリングITO層(厚さ:約0.02μm)/表示層(厚さ:40μm)/カーボン導電層(厚さ:約10μm)/PETフィルム(厚さ:25μm)からなる比較例2に係るフレキシブル機能性素子(電子ペーパー)(厚さ:約175μm)を得た。
信頼性を確保するために、フレキシブル機能性素子のフレキシブル透明導電フィルム面に、ガスバリアフィルム(凸版印刷製、GXフィルム(厚さ:約13μm))を貼り合せ、逆の面にも防湿ラミネート処理を施した。このフレキシブル機能性素子(電子ペーパー)の電圧印加用リード線間に10Vの直流電圧を印加し、極性の反転を繰り返したところ、白黒の表示が繰り返された。
[比較例3]
実施例4の支持フィルム(PET:厚さ100μm)で裏打ちされたベースフィルム(PET:厚さ16μm)上に、スパッタリング法でアモルファスITO膜(第1透明導電層、膜厚:約0.02μm)を形成して、支持フィルム(裏打ちフィルム)/ベースフィルム/気相蒸着法により形成された第1透明導電層からなる比較例3に係るフレキシブル透明導電フィルムを得た。上記フレキシブル透明導電フィルムの支持フィルム(裏打ちフィルム)/ベースフィルム間の剥離強度は、約4g/cmであった。このフレキシブル透明導電フィルムの加熱時の寸法変化率(収縮率)は約0.05%であった。
この第1透明導電層の膜特性は、可視光透過率が96.4%、ヘイズ値が0.8%、表面抵抗値が300Ω/□であった。尚、上記透明導電層の透過率及びヘイズ値は、透明導電層だけの値であり、それぞれ前述の計算式3及び4により求められている。
また、支持フィルム(裏打ちフィルム)/ベースフィルム/第1透明導電層からなるフレキシブル透明導電フィルムにおけるベースフィルムと第1透明導電層の密着力を、JIS K5600−5−6に準じたテープ剥離試験(クロスカット試験)で評価したところ、25/25(剥離しなかった個数/全体の個数[5×5=25個])と良好であった。ところで、上記テープ剥離試験(クロスカット試験)では、ベースフィルムの厚さが16μmと薄いため、そのままクロスカットすると透明導電層と一緒にベースフィルムまでも切断されてしまうため、透明導電層が形成されたベースフィルムを一旦支持フィルム(裏打ちフィルム)から剥離し、厚さ100μmのPETフィルムにエポキシ系接着剤で貼り合せてから、評価を行っている。
次に、上記フレキシブル透明導電フィルムを用いて、実施例1と同様にフレキシブル機能性素子の製造を行い、最後に支持フィルム(裏打ちフィルム)を剥離して、ベースフィルム(厚さ:16μm)/第1透明導電層(厚さ:約0.02μm)/表示層(厚さ:40μm)/カーボン導電層(厚さ:約10μm)/PETフィルム(厚さ:25μm)からなる比較例3に係るフレキシブル機能性素子(電子ペーパー)(厚さ:約91μm)を得た。
信頼性を確保するために、フレキシブル機能性素子のフレキシブル透明導電フィルム面に、ガスバリアフィルム(凸版印刷製、GXフィルム(厚さ:約13μm))を貼り合せ、逆の面にも防湿ラミネート処理を施した。
上記フレキシブル機能性素子の作製工程において、微粘着層を有する支持フィルム(裏打ちフィルム)は微粘着層とベースフィルムの界面で簡単に剥離できた。支持フィルム/ベースフィルム間の剥離強度は、約4g/cmであった。このフレキシブル機能性素子(電子ペーパー)の電圧印加用リード線間に10Vの直流電圧を印加し、極性の反転を繰り返したところ、白黒の表示が繰り返された。
次に、上記各実施例及び各比較例に係るフレキシブル透明導電フィルムとフレキシブル機能性素子のフレキシビリティを評価した。更に、各実施例及び各比較例に係るフレキシブル透明導電フィルムの耐溶剤擦過性、及び導電性の安定性(耐久性)を評価した。
『フレキシブル透明導電フィルムのフレキシビリティ評価(1)』
実施例1〜3と比較例1、2に係るフレキシブル透明導電フィルムを、各々、直径8mmの棒に、透明導電層面が内側及び外側となるように1回ずつ巻きつけた後、その表面抵抗値を測定した。実施例1〜3の透明導電フィルムにおいては、いずれも、表面抵抗値が初期の約300Ω/□から約400Ω/□に上昇したが、外観の変化は見られなかった。比較例1の透明導電フィルムは、ほとんど抵抗値の変化は見られなかったが、初期表面抵抗値が1500Ω/□と高かった。比較例2では、スパッタリングITO層にクラックが生じ、巻付けた方向の表面抵抗値は数十kΩ/□と大幅に上昇した。
実施例4、5と比較例3のフレキシブル透明導電フィルムでは、支持フィルム(裏打ちフィルム)を剥離除去した後、各々、直径2mmの棒に、透明導電層面が内側及び外側となるように1回ずつ巻きつけた後、その表面抵抗値を測定した。実施例4の透明導電フィルムにおいては、表面抵抗値が初期の約300Ω/□から310Ω/□程度まで僅かに上昇し、実施例5の透明導電フィルムにおいても、表面抵抗値は初期の約70Ω/□から80Ω/□程度まで僅かに上昇したが、いずれも外観の著しい変化は見られなかった。比較例3では、スパッタリングITO層にクラックが生じ、巻付けた方向の表面抵抗値は初期の約300Ω/□から約1000Ω/□へと上昇した。
尚、上記フレキシブル透明導電フィルムのフレキシビリティ評価において、実施例1〜4と比較例1〜3のスパッタリングITO層(第1透明導電層)のクラックの発生状況を調査したところ、各実施例では、スパッタリングITO層に幾らかのクラックは発生しているものの、各比較例と比べると、スパッタリングITO層に強く密着した第2透明導電層によって上記クラック発生は大幅に抑制できていることが確認された。
また、実施例1〜5においては、スパッタリングITO層にクラックが発生した場合でも、透明導電層の抵抗値上昇は僅かであり、スパッタリングITO層に強く密着した第2透明導電層によって、透明導電層の導電性劣化が抑制されていることも確認できる。
『フレキシブル透明導電フィルムのフレキシビリティ評価(2)』
実施例4と比較例3のフレキシブル透明導電フィルムから、支持フィルム(裏打ちフィルム)を剥離除去した後、図7に示すように、フレキシブル透明導電フィルム5の透明導電層表面5aに銀導電ペーストを用いて平行電極6を形成して、フレキシビリティ評価用の試験サンプルを得た。次に、実施例4と比較例3の試験サンプルの平行電極の抵抗値を測定した後、それぞれ、図8、図9に示す様に、透明導電層面が外側となるように完全に二つ折りした後、元の状態に広げてから再度平行電極の抵抗値を測定した。尚、上記試験方法は、スパッタリングITO層に引張り応力が働いてクラックが生じ易い向き(透明導電層面が外側となる向き)に曲率半径ゼロで折り曲げるという極めて厳しいものであって、試験サンプルを図7に示す折り目ライン7を折り目にして二つに折り、更に折り目の上から指で押さえつけて行なわれた。
実施例4の試験サンプルでは、抵抗値は初期の約300Ωから約950Ωまで悪化はしたものの、透明導電層の導電性は失われなかった。また、ベースフィルム自体に折り目の跡は残ったものの、それ以外に外観の著しい変化は見られなかった。一方、比較例3の試験サンプルでは、折り目部分のスパッタリングITO層に生じた多数のクラックによって、抵抗値は初期の約300Ωから10M(メガ)Ω以上へと上昇し、折り目部分の透明導電層の導電性が完全に失われた。
尚、上記フレキシビリティ評価において、実施例4と比較例3の折り目部分のスパッタリングITO層(第1透明導電層)のクラックの発生状況を調査したところ、実施例4では、スパッタリングITO層にクラックは発生しているものの、比較例3と比べると、スパッタリングITO層に強く密着した第2透明導電層によって上記クラック発生は大幅に抑制できていることが確認された。
また、実施例4では、スパッタリングITO層にクラックは発生しているものの、透明導電層の導電性は失われておらず、スパッタリングITO層に強く密着した第2透明導電層によって、透明導電層の導電性劣化が抑制されていることも確認できる。
『フレキシブル機能性素子(電子ペーパー)のフレキシビリティ評価』
また、各実施例1〜3と比較例1、2に係るフレキシブル機能性素子(電子ペーパー)及び各比較例に係るフレキシブル機能性素子(電子ペーパー)を、各々、直径8mmの棒に、表示面が内側及び外側となるように1回ずつ巻きつけた後、電圧印加用リード線間に10Vの直流電圧を印加し、極性の反転を繰り返して白黒の表示を繰り返し、表示状態を観察した。各実施例1〜3と比較例1においては、表示状態に変化は見られなかった。比較例2では、スパッタリングITO層にクラックが生じ、一部しか表示しなくなった。
また、実施例4と比較例3に係るフレキシブル機能性素子(電子ペーパー)を、各々、直径4mmの棒に、表示面が内側及び外側となるように1回ずつ巻きつけた後、電圧印加用リード線間に10Vの直流電圧を印加し、極性の反転を繰り返して白黒の表示を繰り返し、表示状態を観察した。実施例4においては、表示状態に変化は見られなかった。比較例3では、スパッタリングITO層にクラックが生じ、一部しか表示しなくなった。
尚、上記フレキシブル機能性素子のフレキシビリティ評価では、機能性素子の長期信頼性の調査を目的としていないため、便宜的に、機能性素子の信頼性確保のためのガスバリアフィルム貼り合せや防湿ラミネート処理を施さない状態で実施した。
『フレキシブル透明導電フィルムの耐溶剤擦過性評価』
各実施例と各比較例に係るフレキシブル透明導電フィルムにおいて、アセトンを浸した綿棒で透明導電層の表面を10往復擦って外観変化を観察したが、全く変化が見られず、膜の抵抗値、及び光学特性にも大きな変化は見られなかった。
更に、各実施例と各比較例に係るフレキシブル透明導電フィルムにおいて、アセトンを浸した綿棒で透明導電層の表面を50往復強く擦ったところ、各実施例のフレキシブル透明導電フィルムでは第2透明導電層に擦り傷が見られる場合であっても、透明導電層の導電性が完全に失われた領域は観察されなかった。また、スパッタリングITO層だけを有する比較例2、3のフレキシブル透明導電フィルムにおいても、同様に導電性が完全に失われた領域は観察されなかった。一方、塗布法により形成された第2透明導電層だけを有する比較例1のフレキシブル透明導電フィルムでは、ベースフィルムまで達する擦り傷が見られ、中には導電性が完全に失われた領域も観察された。
『フレキシブル透明導電フィルムの導電性の安定性(耐久性)の評価』
各実施例のフレキシブル透明導電フィルムを25℃、50〜60%RHの環境に3ヶ月間放置して透明導電層の表面抵抗値、フィルムの外観、及び光学特性を測定・観察したが、変化が見られなかった。また、スパッタリングITO層だけを有する比較例2、3のフレキシブル透明導電フィルムにおいても、同様に変化は見られなかった。一方、塗布法により形成された第2透明導電層だけを有する比較例1のフレキシブル透明導電フィルムは、同様の条件に放置したところ、初期抵抗値の約4倍程度まで導電性が悪化した。

Claims (8)

  1. 厚さ3〜50μmのベースフィルムと、該ベースフィルムの一方の面に該ベースフィルムとの界面で剥離可能に張り合わされている支持フィルムと、該ベースフィルムの他方の面に積層された第1透明導電層及び第2透明導電層とからなるフレキシブル透明導電フィルムであって、前記第1透明導電層は物理的又は化学的気相蒸着法により形成されており、前記第2透明導電層は塗布法により形成されており、これら第1及び第2透明導電層は上記記載順又はその逆の順に積層されており、前記第1透明導電層は導電性酸化物を主成分とし、前記第2透明導電層は導電性酸化物微粒子とバインダーマトリックスとを主成分とし、前記第2透明導電層はその塗布後に前記支持フィルム及び前記ベースフィルムと共に、あるいは前記支持フィルム、前記ベースフィルム及び前記第1透明導電層と共に圧縮処理されており、前記第1透明導電層のクラック発生を抑制するか、又は該クラックが発生した場合に導電性劣化を抑制するように前記第1透明導電層と前記第2透明導電層とが互いに密着しており、
    前記バインダーマトリックスは水酸基を有しており、且つ、元々水酸基を含まない樹脂に水酸基を導入した水酸基変性樹脂、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、フェノキシ樹脂、及びビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる群より選ばれた樹脂であり、前記第1透明導電層と前記第2透明導電層との密着力が、JIS K5600−5−6に準じたテープ剥離試験において「剥離しなかった個数/全体の個数=25/25」であることを特徴とするフレキシブル透明導電フィルム。
  2. 前記物理的又は化学的気相蒸着法が、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、熱CVD法、光CVD法、Cat−CVD法、又はMOCVD法のいずれかであることを特徴とする、請求項に記載のフレキシブル透明導電フィルム。
  3. 前記導電性酸化物及び導電性酸化物微粒子は、酸化インジウム、酸化錫、及び酸化亜鉛からなる群より選ばれた一つ以上を主成分として含有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のフレキシブル透明導電フィルム。
  4. 前記導電性酸化物及び導電性酸化物微粒子に含まれる酸化物は、インジウム錫酸化物であることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のフレキシブル透明導電フィルム。
  5. 前記バインダーマトリックスは、架橋されており、有機溶剤耐性を有していることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のフレキシブル透明導電フィルム。
  6. 前記圧縮処理が、ロールの圧延処理により行われることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のフレキシブル透明導電フィルム。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のフレキシブル透明導電フィルム上に、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機分散型エレクトロルミネッセンス素子、電子ペーパー素子、太陽電池、又はタッチパネルのいずれかの機能性素子が形成されていることを特徴とするフレキシブル機能性素子。
  8. 記支持フィルムが前記ベースフィルムとの界面で剥離除去されていることを特徴とする、請求項7に記載のフレキシブル機能性素子。
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